(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125491
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】額縁
(51)【国際特許分類】
A47G 1/06 20060101AFI20230831BHJP
A47G 1/16 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
A47G1/06 C
A47G1/16 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022029608
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000132921
【氏名又は名称】株式会社タカギ・パックス
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 保夫
【テーマコード(参考)】
3B111
【Fターム(参考)】
3B111BC04
3B111BD02
3B111BE02
3B111CA01
3B111CC01
3B111CD01
3B111CE08
(57)【要約】
【課題】すでに完成した状態で商品として販売可能であり、壁掛用紐がすでに取り付けられており、単に写真等を貼り付けるという作業のみで壁面に飾り付けることができる額縁を提供する。
【解決手段】
本発明にかかる額縁100は、表裏に異なる図柄、色彩、模様を有する紙製又はプラスチック製の矩形のダンボールで形成されたベース部材10と、ベース部材10の外周に設けられ、外周面に貫通孔を有する外周フレーム20と、外周フレーム20の対辺に架設される壁掛用紐30と、を備え、壁掛用紐30は、外周フレーム20の貫通孔21に取り付けられるリング状紐と、前記リング状紐に自在金具又は樹脂でできた同様の器具によって張り具合を調整可能に架設された架設紐と、からなることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏に異なる図柄、色彩、模様を有する紙製又はプラスチック製の矩形のダンボールで形成されたベース部材と、
前記ベース部材の外周に設けられ、外周面に貫通孔を有する外周フレームと、
前記外周フレームの対辺に架設される壁掛用紐と、
を備え、
前記壁掛用紐は、前記外周フレームの貫通孔に取り付けられるリング状紐と、前記リング状紐に自在金具又は樹脂でできた同様の器具によって張り具合を調整可能に架設された架設紐と、からなることを特徴とする額縁。
【請求項2】
前記ダンボールは、2層タイプのダンボールであることを特徴とする請求項1に記載の額縁。
【請求項3】
前記壁掛用紐は、自在金具又は樹脂でできた同様の器具によって最も長くした場合に表裏反対側に架設可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の額縁。
【請求項4】
前記ベース部材の表面を保護するために、着脱自在な両面テープ又は面ファスナーを有する緩衝用シートを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の額縁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真、絵画、版画、書画等を展示するための額縁に関する。
【背景技術】
【0002】
写真、絵画、版画又は書画等(以下、「写真等」という。)を展覧会や展示会に出品するときには、展示会や展覧会で指定された額縁に取り付けた状態で出展する必要がある。一般的な額縁は、写真等を配置する裏板と、この裏板の周囲に設けられる木材又はアルミニウムからなる外周フレーム(枠材)と、写真等の表面側に配置されるマットと、写真等を保護するガラスやプラスチックからなる面材と、を備えている。
【0003】
しかしながら、ガラスやプラスチックからなる面材を有する額縁は、落下させた場合等に破損する可能性があり、大変危険であった。また、先述した額縁は、外周フレームが木材やアルミニウムで作製されているため、組み立てが面倒であり、特に、壁掛用紐を架設する場合には、木材の外周フレームにクリップを取り付けたり、アルミフレームの場合は、クリップの位置をスライドさせて調整したりした後、このクリップに紐を取り付けなければならず、非常に面倒であるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、すでに完成した状態で商品として販売可能であり、壁掛用紐がすでに取り付けられており、単に写真等を貼り付けるという作業のみで壁面に飾り付けることができる額縁を提供することを目的とする。また、額縁の両面を使用することができ、壁掛用紐を額縁から取り外す必要がなくいずれの面も使用することができる額縁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明にかかる額縁は、
表裏に異なる図柄、色彩、模様を有する紙製又はプラスチック製の矩形のダンボールで形成されたベース部材と、
前記ベース部材の外周に設けられ、外周面に貫通孔を有する外周フレームと、
前記外周フレームの対辺に架設される壁掛用紐と、
を備え、
前記壁掛用紐は、前記外周フレームの貫通孔に取り付けられるリング状紐と、前記リング状紐に自在金具又は樹脂でできた同様の器具によって張り具合を調整可能に架設された架設紐と、からなることを特徴とする。
【0007】
本発明にかかる額縁は、ダンボールの周囲に外周フレームが設けられているため、ダンボールに写真等を貼り付けるのみで直ちに展示することが可能な額縁を提供することができる。また、本発明にかかる額縁は、ダンボールの表裏に異なる図柄、色彩、模様を有するので、表側及び裏側で好みの側を選択して使用することができる。さらに、額縁にはすでに、張り具合を調整可能な架設紐が設けられているので、架設紐を取り付ける作業を行うことなく、壁に掛けることができる。
【0008】
また、本発明に係る額縁において、前記ダンボールは、2層タイプのダンボールであることを特徴とするものであってもよい。
【0009】
ダンボールに2層タイプのものを使用することによって、強度が高い額縁とすることができる。
【0010】
さらに、本発明にかかる額縁において、前記壁掛用紐は、自在金具又は樹脂でできた同様の器具によって最も長くした場合に表裏反対側に架設可能であることを特徴とするものであってもよい。
【0011】
かかる構成を採用することによって、壁掛用紐を外周フレームから取り外すことなく、表側及び裏側の両方に配置することができる。そのため、表側及び裏側のいずれの面に写真等を貼付した場合であっても、壁掛用紐を写真等が貼付された面の反対側に配置することができ、壁に取り付けることができる。
【0012】
さらに、本発明にかかる額縁において、前記ベース部材の表面を保護するために、着脱自在な両面テープ又は面ファスナーを有する緩衝用シートを備えていることを特徴とするものであってもよい。
【0013】
かかる構成を採用することによって、使用していない側の面に緩衝用シートを貼り付けておくことで、壁に掛けた場合に、壁掛け用のフックや釘等に接触した場合であってもダンボール面を保護することができ、表面に接触痕が形成されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる額縁100の概略を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかる額縁100の断面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る額縁100の実施形態について、図を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0016】
図1には、実施形態にかかる額縁100の斜視図が示されている。本実施形態にかかる額縁100は、
図1に示すように、主として、ベース部材10と、外周フレーム20と、壁掛用紐30、とを備えている。
【0017】
ベース部材10は、紙製又はプラスチック製のダンボールで形成された矩形の板状部材であり、表面に作品である写真等を直接貼り付けて使用されるものである。ダンボールは、1層タイプであってもよいが、
図2に示すように、波状の中芯部分が2層形成されている2層タイプのダンボールを使用するとよい。係るダンボールを使用することによって、強度が高くつぶれにくいベース部材10とすることができる。ベース部材10は表裏で異なる図柄、色彩、模様等が設けられており、貼付される写真等に応じて好みの図柄等を有する側を使用することができる。なお、表裏は必ずしも図柄、模様等である必要はなく、表側が黒色、裏側が白色のように単なる色違いであってもよい。
【0018】
外周フレーム20は、
図2に示すように、断面がU字形に形成された長尺の部材からなり、ベース部材10の外周の辺を挟み込むようにして配置される。四隅は、45°にテーパ状に形成されており、それぞれが隙間なく取り付けられるように設けられている。外周フレーム20は、ベース部材10に対して接着剤や両面テープ又は面ファスナー等で固定的に取りつけられている。外周フレーム20には、外周面に貫通孔21が設けられており、後述する壁掛用紐30が取り付けられている。
【0019】
壁掛用紐30は、
図1に示すように、額縁100の対辺間に架設される紐であり、額縁100を壁に掛ける際に使用されるものである。
図1に示すように、縦横間及び上下間に架設することによって、額縁100を90°回転させた状態でも使用することができ、長方形の場合には縦長又は横長のいずれの方向にも掛けることができるようになる。壁掛用紐30は、外周フレーム20の貫通孔21に取り付けられるリング状紐31と、リング状紐31に自在金具又は樹脂でできた同様の器具40を介して張り具合を調整可能に形成された架設された架設紐32とからなる。リング状紐31は、貫通孔21からリング状となるように取り付けられている。具体的には、紐の両方の端部を外周フレーム20の外部から貫通孔21を介して挿入し、内側で結び目を作ることによって貫通孔21から取り外せないようにして形成するとよい。架設紐32は、一方のリング状紐31aに一方側端部32aが固定され、他方側端部32bは、他方側のリング状紐31bのリングを通して自在金具又は樹脂でできた同様の器具40に固定されている。自在金具又は樹脂でできた同様の器具40は、2つの孔を有しており、
図1に示すように、架設紐32を通し、末端に結び目を作って取り付けられる。このような自在金具又は樹脂でできた同様の器具40を使用することによって、自在金具又は樹脂でできた同様の器具40を他方側のリング状紐31bから離すことでテンションがかかり、自在金具又は樹脂でできた同様の器具40の穴部分と紐との摩擦で固定される。架設紐32は、最も緩めた状態で、壁掛用紐30が長く形成される状態で、矢印に示すように、反対側(例えば、裏側から表側)に移動して架設することができるように形成されている。これにより、写真等の作品を表側又は裏側のいずれの面に貼着しても壁掛用紐30を取り外すことなく反対側に移動することで、壁に掛けることができるようになる。この際に、紐30の長さを短くできるように、貫通孔21は、角部からフレーム辺の長さの1/3の長さ以内に設けるようにするとよい。すなわち、壁に掛けた場合に、リング状紐31の位置が高さ方向の長さに対して、上方側1/3以内の位置に配置されるようにするとよい。かかる構成を採用することによって、各辺の中央に貫通孔21を配置した場合と比較して、壁掛用紐30を反対側の面に移動する際の長さを短くすることができるからである。
【0020】
さらに、任意に、ベース部材10の表面を保護するための緩衝用シート50を設けても良い。緩衝用シート50は、特に限定するものではないが、好ましくは、プラスチックフィルムを成型して円柱状の突起の中に空気を閉じ込めてその空気圧で緩衝材の機能を実現する気泡緩衝材を使用するとよい。気泡緩衝材は、半透明であることから、緩衝用シートを設けても写真等を確認することができる。緩衝用シート50には、着脱自在な両面テープ又は面ファスナー51を設け、取り付け、取り外しを自在に行えるようにしておくことが好ましい。なお、面ファスナーの場合には、緩衝用シート50と、額縁100のベース部材10のそれぞれに雄又は雌の面ファスナーを設ける必要がある。このような緩衝用シート50を設けることによって、ベース部材10の表面を保護することができる。特に、写真等の作品を貼付した側と反対側の面を保護するのに使用するとよい。このように、写真等の作品を貼付した側と反対側の面を保護した状態で額縁100を壁に掛けることで、壁掛用紐30を引っ掛けるためのフックによってベース部材10の背面側が損傷したり、ホコリ等によって汚れたりすることを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
上述した実施の形態で示すように、写真等の額縁として利用することができる。
【符号の説明】
【0022】
10…ベース部材、20…外周フレーム、21…貫通孔、30…壁掛用紐、31…リング状紐、31a…リング状紐、31b…リング状紐、32…架設紐、32a…一方側端部、32b…他方側端部、40…自在金具又は樹脂でできた同様の器具、50…緩衝用シート、51…両面テープ又は面ファスナー、100…額縁