IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サクサ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電話端末および制御プログラム 図1
  • 特開-電話端末および制御プログラム 図2
  • 特開-電話端末および制御プログラム 図3
  • 特開-電話端末および制御プログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125573
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】電話端末および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20230831BHJP
   H04M 1/26 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
H04M1/00 Q
H04M1/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022029759
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】松下 公亮
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 修一
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127AA36
5K127BB23
5K127BB34
5K127DA01
5K127EA27
5K127GA12
5K127GB26
5K127HA03
(57)【要約】
【課題】電子会議の参加者が、電子会議の着信通知を容易に感知できる電話端末を提供する。
【解決手段】本発明に係る電話端末13は、電子会議を行う情報処理端末12と音声通信ケーブルで接続されており、情報処理端末12が受信した音声信号を音声通信ケーブル経由で受信し、情報処理端末12が受信した電子会議用着信信号を検出した場合に、着信音を出力する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子会議を行う情報処理端末と音声通信ケーブルで接続されている電話端末であって、
前記情報処理端末が受信した音声信号を、前記音声通信ケーブルを経由して受信し、前記情報処理端末が受信した電子会議用着信信号を検出した場合に、着信音を出力する
電話端末。
【請求項2】
電子会議を行う情報処理端末と音声通信ケーブルで接続されている電話端末において実行されるプログラムであって、
前記情報処理端末が受信した音声信号を、前記音声通信ケーブルを経由して受信し、前記情報処理端末が受信した電子会議用着信信号を検出した場合に、着信音を出力するステップ
を実行させて、コンピュータを電話端末として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子会議システムで用いられる情報処理端末と電話端末に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理端末と、ビジネスホン等の電話端末を連携して機能させるシステムが製品化されている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1のシステムでは、電話端末に着信があり、電話端末が鳴動すると同時に情報処理端末に着信通知がされ、情報処理端末において電話端末に着信があったことを知ることができる。
【0003】
また、インターネット等の通信ネットワークを介してテレビ会議などを行う電子会議システムが普及している。テレビ会議システムでは、会議開始を通知するための着信通知をPCのディスプレイに表示するとともに、着信を通知するための着信音をPCのスピーカに出力する機能が実装されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“DESKPORT取扱説明書”,[令和4年2月14日検索],インターネット<URL: https://www.ntt-west.co.jp/kiki/support/pdf/PAC2_DESK.PDF>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子会議システムでは、会議開始を通知するために着信通知をしても、テレビ会議の参加者が着信通知に気が付かない場合がある。特に、PCにヘッドセットが接続され、そのヘッドセットが参加者の身体に装着されない状態では、通知メッセージがPCの画面端に表示されるだけで、着信音を感知できないため、電子会議の参加者が着信通知に気が付かない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述したような課題を解決するために、本発明に係る電話端末は、電子会議を行う情報処理端末と音声通信ケーブルで接続されている電話端末であって、前記情報処理端末が受信した音声信号を、前記音声通信ケーブルを経由して受信し、前記情報処理端末が受信した電子会議用着信信号を検出した場合に、着信音を出力する。
【0007】
また、本発明に係る制御プログラムは、電子会議を行う情報処理端末と音声通信ケーブルで接続されている電話端末において実行されるプログラムであって、前記情報処理端末が受信した音声信号を、前記音声通信ケーブルを経由して受信し、前記情報処理端末が受信した電子会議用着信信号を検出した場合に、着信音を出力するステップを実行させて、コンピュータを電話端末として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子会議の参加者が電子会議の着信通知を容易に感知できる情報処理端末を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態の電話端末を備えた通信制御システムの概要図である。
図2図2は、本発明の実施の形態の電話端末を備えた通信制御システムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る通信制御システムの動作を説明するためのシーケンスである。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る電話端末の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本発明の実施の形態>
本発明の実施の形態に係る通信制御装置について、図1図4を参照して説明する。本発明は、様々な形態で実施することが可能であり、以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
【0011】
<通信制御システムの構成>
本実施の形態に係る通信制御システム10は、図1に示すように、TV会議等の電子会議を行うパーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理端末12と、情報処理端末12およびビジネスホン等の電話端末13が接続されている通信制御装置11を備えている。
【0012】
通信制御装置11は、通信網1に接続されており、ルータ機能を有し、通信網側の電子会議システムと接続することで、情報処理端末12に対してTV会議等の電子会議機能を提供し、電話端末13に対して電話通信機能を提供することができる。 情報処理端末12は、電話端末13と対応付けがされており、情報処理端末12の利用者においては、情報処理端末12の近傍に配置される電話端末13が対応付けられている。本実施の形態の電話端末13は、情報処理端末12と音声通信用のケーブル、例えば、3.5Φミニ音声ケーブルやピンジャック等により有線接続されている。情報処理端末12は、別の装置(ルータ等)を介して、通信網側の電子会議システムと接続してもよい。その場合、情報処理端末12は、通信網1から通信制御装置11を介さずにTV会議における通知信号を受信する。
【0013】
TV会議等を行う情報処理端末12には、TV会議の他の参加者からの着信を通知する信号(以下、「着信信号」)を受信した場合、着信信号の受信を情報処理端末12のディスプレイに表示するとともに、着信を通知するための着信音を情報処理端末12のスピーカに出力する機能が実装されている。これにより、TV会議の参加者は、情報処理端末12のディスプレイの画像とスピーカによる音声によって着信信号を認識することができる。
【0014】
この場合、TV会議を実施する情報処理端末12に通知される着信信号は、通信制御装置11を経由して、情報処理端末12に入力される。会議の参加者が情報処理端末12に接続されたヘッドセットによりTV会議に参加している場合には、着信信号の着信音がヘッドセットのイヤホンやヘッドフォンに出力される。
【0015】
ここで、ヘッドセットが会議の参加者の身体に装着されない等の状態では、着信を通知する通知メッセージがディスプレイの端部にポップアップ表示されるだけでヘッドフォンの着信音が感知されないので、TV会議の利用者は着信信号の受信を認識することができない場合がある。
【0016】
本発明では、TV会議を実行する情報処理端末12を、電話端末13と音声通信用のケーブルで接続することで、TV会議の着信信号を検出して電話端末13に着信音を出力させることにより、TV会議の利用者に着信信号の受信を認識させるように構成されている。
【0017】
具体的には、電子会議を行う制御部を備えた情報処理端末12が、情報処理端末12と対応付けられた電話端末13と音声通信用のケーブルで接続するように構成され、電話端末13が、情報処理端末12が受信した音声信号を音声通信ケーブル経由で受信し、情報処理端末12が受信した電子会議用着信信号を検出した場合に、着信音を出力するように構成されている。
【0018】
このような構成により、TV会議の参加者は、ヘッドセットを装着していない状態においても、情報処理端末12と有線接続された電話端末13における着信音の鳴動により、TV会議の着信信号を受信したことを認識することが可能となる。
【0019】
<情報処理端末の構成>
図2に示すように、情報処理端末12は、通信インタフェース(I/F)121と、制御部122と、表示部(画面)123と、音声入出力部(例えば、マイクとスピーカ)124と、記憶部125、外部装置との間で音声の入出力を行う音声インタフェース(I/F)126とを備える。音声入出力部124には、マイクとヘッドフォンを備えたヘッドセットを接続することができる。音声インタフェース(I/F)126には、電話端末と音声信号の入出力を行うための音声通信ケーブルを接続することができる。例えば、情報処理端末12のUSB端子にヘッドセットを接続し、情報処理端末12のピンジャックに音声通信ケーブルを接続することができる。
【0020】
制御部122は、電子会議機能を提供するための制御部として機能し、電子会議における映像信号を表示部123に表示し、電子会議における音声信号を音声入出力部124や音声インタフェース(I/F)126に出力するように構成されている。電子会議における音声信号を音声入出力部124と音声インタフェース(I/F)126のどちらに出力するかを設定することもできる。
【0021】
記憶部125には、制御部122を動作させるための制御プログラムが記憶されている。 また、制御プログラムは、インターネットなどの通信回線を介して情報処理端末12に供給されてもよい。記憶部には、各種磁気記録媒体、光磁気記録媒体、CD-ROM、CD-R、各種メモリが含まれる。
【0022】
情報処理端末12は、CPU(CentralProcessingUnit)、メモリ、I/Fを備えたコンピュータにより実現することができる。 情報処理端末12は、これらのハードウェア資源を制御する情報処理プログラムによって実現することができる。
【0023】
<電話端末の構成>
電話端末13は、通信制御装置11と呼制御信号を送受信するための呼処理インタフェース(I/F)131、制御部132、音声入出力部133、記憶部134、情報処理端末12と有線接続するための音声インタフェース(I/F)135を備えており、通信制御装置11とともに電話通信機能を提供するように構成されている。
【0024】
制御部132は、通常の電話通信機能を提供する機能と、音声インタフェース(I/F)135を介して入出力される音声信号を制御する機能を有し、音声インタフェース(I/F)135を介して入力される音声信号に基づいて音声入出力部133において出力される音声を制御し、音声入出力部133において入力される音声を音声インタフェース(I/F)135に出力するように構成されている。
【0025】
記憶部134には、制御部132を動作させるための制御プログラムが記憶されている。 また、制御プログラムは、インターネットなどの通信回線を介して情報処理端末12に供給されてもよい。記憶部には、各種磁気記録媒体、光磁気記録媒体、CD-ROM、CD-R、各種メモリが含まれる。
【0026】
電子会議の実施時には、情報処理端末12において、制御プログラムが記憶部125から読み出され、制御部122で実行される。このとき、情報処理端末12の表示部123に電子会議の参加者が共有する画像が出力され、音声入出力部124により音声が入出力される。電子会議の参加者は、音声入出力部124に接続されたヘッドセットを用いて音声の入力と出力を行うことができる。
【0027】
通信網1から入力される音声信号は、通信制御装置11を経由し、通信インタフェース121を介して情報処理端末12に入力された後、制御部122で制御されて、音声入出力部124より出力される。ここで、情報処理端末12に音声通信ケーブルを用いて電話端末13が接続されている場合には、情報処理端末12が受信した音声信号を、音声インタフェース(I/F)を介して、電話端末13に出力することができる。
【0028】
また、音声入出力部124より入力された音声信号は、通信インタフェース121を介して、通信制御装置11を経由して、通信網1に出力される。
【0029】
なお、電子会議の参加者は、情報処理端末12を用いずに、電話端末13から音声のみで会議に参加することもできる。このとき、通信網1から入力される音声信号は、通信制御装置11を経由して、電話端末13の音声入出力部133で出力され、電話端末13の音声入出力部133において入力された音声信号は、通信制御装置11を経由して、通信網1に出力される。
【0030】
<通信制御システムの動作シーケンス>
図3は、本発明の実施の形態に係る通信制御システムの動作を説明するためのシーケンスである。
【0031】
通信制御装置11は、TV会議の実施中において、通信網から受信した電子会議の通知信号を情報処理端末に送信する。情報処理端末12は、電子会議の通知信号に応じて、電子会議の制御を行う。例えば、電子会議の通知信号が会議の参加者からの着信信号であった場合には、着信信号を情報処理端末12のディスプレイに表示するとともに、着信を通知するための着信音を情報処理端末12のスピーカに出力する制御を行う。情報処理端末12が、別の装置(ルータ等)を介して、通信網側の電子会議システムと接続している場合、情報処理端末12は、通信網1から通信制御装置11を介さずに電子会議における通知信号を受信する。
【0032】
情報処理端末12に音声通信ケーブルを用いて電話端末13が接続されている場合には、情報処理端末12が受信した音声信号は、電話端末13に出力される。電話端末13の制御部は、受信した音声信号を参照して、受信した音声信号から電子会議用の着信信号を検出する。例えば、電子会議用の着信信号の音声信号を識別することにより、電子会議用の着信信号を検出することができる。
【0033】
電話端末13の制御部は、電子会議用の着信信号を検出した場合には、音声入出力部に着信音を送信する。電話端末13の音声入出力部は、通常の電話の着信と同様にして着信音を鳴動する。TV会議の参加者は、ヘッドセットを装着していない場合でも、電話端末13の鳴動により、電子会議用の着信信号の受信を認識することが可能となる。ここで、着信音を変更することにより、電子会議用の着信信号と通常の電話通信の着信とを区別するようにしてもよい。
【0034】
電話端末13においてオフフックすることにより、電話端末13をTV会議の音声入出力端末として使用してもよい。この場合には、情報処理端末12における音声信号は、音声通信ケーブルを経由して、電話端末13の音声入出力部において入出力される。
【0035】
電話端末13の制御部は、通常の電話通信機能を提供する機能と、音声インタフェース(I/F)135を介して入出力される音声信号を制御する機能とを有しているので、電子会議用の着信信号を検出して着信音を鳴動していることや、この着信音に対してオフフックして話中状態であることを、通常の電話通信を行う機能側に通知して電話通信機能と連携した処理を行うこともできる。
【0036】
例えば、電話端末13において通常の電話通信の電話発信が行われた場合に、情報処理端末12との間の音声通信を中断あるいは終了するように構成するように構成してもよい。電話端末13のオンフックすることで情報処理端末12との音声通信を終了するようにしてもよい。
【0037】
<通信制御装置の動作>
本実施の形態に係る電話端末13の動作について、図4を参照して説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る電話端末の動作を説明するためのフローチャートである。
【0038】
電話端末13は、情報処理端末12が受信した音声信号を、音声通信ケーブルを経由して受信する(ステップS1)。電話端末は、受信した音声信号を参照して、受信した音声信号から電子会議用の着信信号を検出し(ステップS2)、着信音を鳴動する(ステップS3)。
【0039】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態に係る電話端末によれば、電子会議を行うPC等の情報処理端末に着信通知がされたときに、着信音を感知することができず、情報処理端末の画面上の着信表示(ポップアップ表示等)に気が付かない場合等に、情報処理端末と対応付けて設置されている電話端末から着信音が出力されるので、電子会議の参加者は、電子会議の着信通知を容易に感知することができる。
【0040】
本発明の実施の形態では、上記作用効果を奏する電話端末の構成および動作の一例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。上述した電話端末の機能を発揮し効果を奏する構成であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、通信ネットワークに接続された電子会議システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 通信網
10 通信制御システム
11 通信制御装置
12 情報処理端末
13 電話端末
図1
図2
図3
図4