(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012565
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】最適化支援方法、最適化支援プログラム及び最適化支援システム
(51)【国際特許分類】
H04L 51/02 20220101AFI20230119BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20230119BHJP
G06F 40/174 20200101ALI20230119BHJP
【FI】
H04L51/02
G06F3/0484
G06F40/174
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116032
(22)【出願日】2021-07-14
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】520157417
【氏名又は名称】株式会社wevnal
(74)【代理人】
【識別番号】230116539
【弁護士】
【氏名又は名称】恩田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】木曽 隆
(72)【発明者】
【氏名】榎本 和馬
【テーマコード(参考)】
5B109
5E555
【Fターム(参考)】
5B109NA04
5E555AA07
5E555AA47
5E555BA02
5E555BA04
5E555BA45
5E555BA69
5E555BA82
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC08
5E555BC19
5E555CC03
5E555DC13
5E555DC14
5E555DD07
5E555EA07
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】EFOに関する従来技術は、いちど入力画面から離脱したユーザを、もう一度入力のためのページに遷移させることが難しいという課題に対処しきれていなかった。
【課題を解決するための手段】所定のウェブページにおける入力フォームの最適化支援方法であって、ウェブページのURLの入力を受け付ける入力受付ステップと、前記URLに基づいて前記ウェブページにおける入力フォームへの情報入力要求に関する情報である入力要求情報を取得する入力要求情報取得ステップと、取得した前記入力要求情報に基づいて、情報入力をウェブ上で対話形式にて促すためのシナリオを作成するシナリオ作成ステップと、をコンピュータにて実行する最適化支援方法などを提案する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のウェブページにおける入力フォームの最適化支援方法であって、
ウェブページのURLの入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記URLに基づいて前記ウェブページにおける入力フォームへの情報入力要求に関する情報である入力要求情報を取得する入力要求情報取得ステップと、
取得した前記入力要求情報に基づいて、情報入力をウェブ上で対話形式にて促すためのシナリオを作成するシナリオ作成ステップと、
をコンピュータにて実行する最適化支援方法。
【請求項2】
入力要求情報取得ステップは、
一の入力要求に関連した複数の関連要求に関する情報である関連要求情報をも取得する関連要求情報取得サブステップを更に有し、
シナリオ作成ステップは、
前記関連要求情報をも用いてシナリオを作成する関連要求情報利用サブステップを更に有する請求項1に記載の最適化支援方法。
【請求項3】
前記シナリオに基づいて対話型プログラムを生成する対話型プログラム生成ステップと、
前記対話型プログラムの実行により情報の入力を受け付ける情報入力受付ステップと、
前記受け付けた情報を所定の端末に送信する送信ステップと、
をさらに有する請求項1又は2に記載の最適化支援方法。
【請求項4】
取得した入力要求情報に自由記載による情報入力要求が含まれるか否かを判断する自由記載判断ステップをさらに有し、
シナリオ作成ステップは、
前記自由記載判断ステップでの判断結果に応じたシナリオを作成する記載態様対応サブステップをさらに有する請求項1から3のいずれか一に記載の最適化支援方法。
【請求項5】
シナリオ作成ステップは、
複数の言語に対応可能なシナリオを作成する多言語対応サブステップをさらに有する請求項1から4のいずれか一に記載の最適化支援方法。
【請求項6】
所定のウェブページにおける入力フォームの最適化支援プログラムであって、
ウェブページのURLの入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記URLに基づいて前記ウェブページにおける入力フォームへの情報入力要求に関する情報である入力要求情報を取得する入力要求情報取得ステップと、
取得した前記入力要求情報に基づいて、情報入力をウェブ上で対話形式にて促すためのシナリオを作成するシナリオ作成ステップと、
をコンピュータに実行するための最適化支援プログラム。
【請求項7】
所定のウェブページにおける入力フォームの最適化支援システムであって、
ウェブページのURLの入力を受け付ける入力受付部と、
前記URLに基づいて前記ウェブページにおける入力フォームへの情報入力要求に関する情報である入力要求情報を取得する入力要求情報取得部と、
取得した前記入力要求情報に基づいて、情報入力をウェブ上で対話形式にて促すためのシナリオを作成するシナリオ作成部と、
を有する最適化支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブページにおける入力フォームの最適化を支援する方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
事業者が集客を効率的に行ったり、顧客満足度を推し量ったりするための手段として、自社ウェブサイトを通じて、利用者から種々の情報の入力を受け付けることがある。例えば、事業内容や採用又は取材等に関する問い合わせや、各種アンケートへの回答、キャンペーンとしておこなうプレゼントへの申込、サービス利用ないしは商品購入の申込みなどが情報入力受付の目的として考えられ、ウェブサイトを展開している事業者であれば、業種業態、事業規模等を問わずに広く活用されている。
【0003】
そして、これらの情報入力を受け付けるにあたっては、事業者にて所定のフォーマットを設定し、当該フォーマットに所定事項の入力を促すとともに、当該フォーマットに入力された情報の送信を受け付けて取得することが行われてきた。
【0004】
ここで
図1ないし4を示す。同各図はいずれも、ウェブページ上の入力フォーマットの一例を示す図であり、
図1及び2が、企業のウェブサイトにおける利用者からの問い合わせ受け付けるウェブページ、
図3及び4が、商品の購入サイトにおける購入者からの申込を受け付けるウェブページの一例を示す図である。
【0005】
図1に示されているように、企業が問い合わせを受け付ける際には、問い合わせ目的や利用者の連絡先、問い合わせ内容の詳細などを入力してもらう必要があり、複数の問い合わせ目的が考えられるような場合には、
図2に示されているように、あらかじめ問い合わせ目的を複数類型化しておき、それらの中から、利用者による選択を受け付けるような構成を採用することも多い。また、利用者の氏名の入力を求める際に、姓と名とを分けて入力させるような構成がとられる場合もある。
【0006】
また、
図3に示されているように、eコマースなどで商品の購入申込みを受け付ける際には、購入対象商品や購入希望個数、申込者の連絡先、商品の配送先住所などを入力してもらう必要があり、複数の商品(色違いやサイズ違いなどを含む)から商品選択が必要な場合には、
図4に示されているように、あらかじめ商品を複数選択可能にしておき、それらの中から、申込者による選択を受け付けたり、ボタンのクリックを通じて点数をカウント可能とするような構成を採用したりすることも多い。また、住所入力の際に、郵便番号の入力を受け付け、当該受け付けた内容に応じて一定の住所表記を省略させるような構成を採用することもある。
【0007】
ただ、こういった入力フォーマットについては、入力者(利用者)が途中で入力に飽きてしまうなどの理由で入力を諦め、離脱してしまうケースが散見され、実効性の担保が課題となっていた。そこで従来からEFO(入力フォーム最適化)と呼ばれる手法が注目されており、例えば特許文献1には、エントリーフォームへの入力から離脱したユーザに対し他のページへの遷移を促したり、ポップアップ表示により登録の完了を促すメッセージを表示させたりする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、フォーマットの提供者が用意した入力フォームへの入力が煩雑であってユーザが離脱した可能性につき、特段の解決をもたらすものとは言い難い。簡易ページを通じた入力を促したり、ポップアップ表示をしたりしても、いちど入力画面から離脱した以上、もう一度入力のためのページに遷移させること自体が難しいからである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のような課題を解決すべく、本発明は、所定のウェブページにおける入力フォームの最適化支援方法であって、ウェブページのURLの入力を受け付ける入力受付ステップと、前記URLに基づいて前記ウェブページにおける入力フォームへの情報入力要求に関する情報である入力要求情報を取得する入力要求情報取得ステップと、取得した前記入力要求情報に基づいて、情報入力をウェブ上で対話形式にて促すためのシナリオを作成するシナリオ作成ステップと、をコンピュータにて実行する最適化支援方法を提案する。
【0011】
また、上記の最適化支援方法に関連して、入力要求情報取得ステップは、一の入力要求に関連した複数の関連要求に関する情報である関連要求情報をも取得する関連要求情報取得サブステップをさらに有し、シナリオ作成ステップは、前記関連要求情報をも用いてシナリオを作成する関連要求情報利用サブステップをさらに有する最適化支援方法なども提案する。
【0012】
さらに関連して、前記シナリオに基づいて対話型プログラムを生成する対話型プログラム生成ステップと、前記対話型プログラムの実行により情報の入力を受け付ける情報入力受付ステップと、前記受け付けた情報を所定の端末に送信する送信ステップと、を有する最適化支援方法なども提案する。
【0013】
さらに関連して、取得した入力要求情報に自由記載による情報入力要求が含まれるか否かを判断する自由記載判断ステップを有し、シナリオ作成ステップは、前記自由記載サブステップでの判断結果に応じたシナリオを作成する記載態様対応サブステップを有する最適化支援方法なども提案する。
【0014】
さらに関連して、シナリオ作成ステップは、複数の言語に対応可能なシナリオを作成する多言語対応サブステップを有する最適化支援方法なども提案する。
【0015】
また、上記各発明に対応するようなプログラムの発明や、システムの発明についても提案する。
【発明の効果】
【0016】
主に以上のような構成をとる本発明によって、入力フォームへの入力の煩雑さを解消し、対話形式にて手軽にフォームへの情報入力を促し、入力を完了させるようにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】問い合わせに関するウェブページ上の入力フォーマットの一例を示す図
【
図2】問い合わせに関するウェブページ上の入力フォーマットの別の一例を示す図
【
図3】eコマースに関するウェブページ上の入力フォーマットの一例を示す図
【
図4】eコマースに関するウェブページ上の入力フォーマットの別の一例を示す図
【
図6】実施形態1の最適化支援システムの機能ブロックの一例を示す図
【
図7】実施形態1の最適化支援システムの機能ブロックの別の一例を示す図
【
図8】対話型プログラムの実行を通じた情報の入力受付処理の一例を示す図
【
図9】対話型プログラムの実行を通じた情報の入力受付処理の別の一例を示す図
【
図10】実施形態1の最適化支援システムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図
【
図11】実施形態1の最適化支援システムにおける処理の流れの一例を示す図
【
図12】実施形態1の最適化支援システムにおける処理の流れの別の一例を示す図
【
図13】実施形態2の最適化支援システムの機能ブロックの一例を示す図
【
図14】実施形態2の最適化支援システムにおける処理の流れの一例を示す図
【
図15】実施形態3の最適化支援システムの機能ブロックの一例を示す図
【
図16】実施形態3の最適化支援システムにおける処理の流れの一例を示す図
【
図17】実施形態4の最適化支援システムの機能ブロックの一例を示す図
【
図18】実施形態4の最適化支援システムにおける処理の流れの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず
図5を示す。
図5は本発明の概要を示す図である。同図に示されているように、本発 明は、所定の入力フォームを備えたウェブページを含むウェブサイトを提供するためのサーバであるサービスサーバ0521と、当該ウェブサイトを利用する利用者端末0511、0512、0513との間で行われるネットワークを介した通信のうち当該入力フォームへの情報の入力処理に関し、サービスサーバと情報を送受信し、利用者端末上にて対話形式にて情報入力を促すためのシナリオを作成するための機能を有するサーバである一又は複数のサーバ0501、0502により実現される。
【0019】
ここでサービスサーバを通じて提供されるウェブページやウェブサイトの内容に特に限定はなく、例えば、
図1や2で示した問い合わせのほか、サービスの会員登録や
図3や4で示した商品の発送手続などにおける氏名や住所等の入力、アンケートへの回答、eラーニングにおける出題内容に対する回答、商品購入やサービス利用の予約受付、各種検索サービスにおける検索情報の入力などを目的として、ウェブページ上に入力フォームを備えていさえすれば特に限定されない。
【0020】
次に、利用者端末については、上記ウェブサービスを利用可能な構成であれば、その種別 を特に限定することはなく、例えば、パソコン0511やスマートフォン0512、タブ レット0513などが考えられ、その他スマートグラスやスマートウォッチ、スマートペンなどが考えられる。
【0021】
また、さきに述べたとおり、本発明は一又は複数のサーバ0501、0502により実現されうる。複数のサーバを用いる具体例を上げると、所定のウェブページにおける入力要求情報を取得するためのサーバ0501と、当該入力要求情報内容を解析・分析し、当該処理結果に応じてシナリオを作成したり、上記解析・分析の精度を向上させるための種々の処理を行うためのサーバ0502と、を用いたりする他、それらの処理結果を格納しておくためのデータベースサーバなどを相互にネットワークを介して接続することで用いることが考えられる。
【0022】
さらに各サーバの管理権限のあり方についても、個々のサーバがAPI連携等の形式により相互に接続されることが可能であり、他の事業者が管理・提供するサーバが有する機能を適宜活用することも可能である。それらのサーバの組み合わせにより、ウェブページの利用者の多様な需要に応えうることが可能とするのみならず、それぞれのサーバがネットワークを介して接続可能に構成されることにより、多様な地理的拠点を設けつつ、効率性の高いサービス提供を可能とする。
【0023】
以下、本発明の各実施形態について図面とともに説明する。まず実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。まず、実施形態1は主に請求項1、3、6、7などに対応する。実施形態2は主に請求項2などに対応する。実施形態3は主に請求項4などに対応する。実施形態4は主に請求項5などに対応する。
【0024】
なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、技術常識に従って特許請求の範囲の各請求項に記載の技術的思想を有し、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。
【0025】
<<実施形態1>>
<概要>
図6は、本実施形態の最適化支援システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「最適化支援システム」0600は、「入力受付部」0601と、「入力要求情報取得部」0602と、「シナリオ作成部」0603と、を有する。
【0026】
なお、以下で詳しく説明するサービス利用支援システムは、その機能の一又は複数の機能を複数の装置にて実現するようにも構成され得るものであって、その機能ブロックは、いずれもハードウェア又はソフトウェアとして実現され得る。コンピュータを用いるものを例にすれば、CPUやメインメモリ、GPU、TPU、画像メモリ、バス、二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ)、キーボードやマイク、タッチパネル、タッチパネルをタッチするための電子ペンなどの各種入力デバイス、スピーカ、ディスプレイその他各種出力デバイス、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインタフェース、通信用インタフェース、それらのハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他のアプリケーションプログラムなどが挙げられる。
【0027】
そしてメインメモリ上に展開したプログラムに従った演算処理によって、入力デバイスやその他インタフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が作成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上のプログラムをクラウドコンピューティングその他の方法により組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
【0028】
また、本実施形態をはじめとする本発明は、所定のウェブサービスを提供するサーバであるサービスサーバと、当該ウェブサービスを利用する利用者端末と、の間でそれぞれ情報の送受信を行うことをその技術的特徴として備えている。すなわち、本発明は、サービスサーバの運営者でも、サービス利用者でもない第三者が管理するコンピュータ等の技術資源を用いて実現可能である。特にサービスサーバの運営者にとっては、簡易な入力フォームさえ自ら用意しておけばその後の煩雑な処理を外部に委託しつつ、サービス利用者にストレスを与えることなくサービス提供が実現できるため、自身の技術的資源を、ユーザーフレンドリーなサービス提供に注力することができる。
【0029】
ウェブサービスにおいてこのような構成をとる際の好適な態様として、ウェブブラウザ上に当該ウェブサービス利用を促進するためのウェブページである促進ページを表示させ、当該促進ウェブページと上記ウェブサービスとを、HTMLのiframe要素を用いて関連付けるような処理を行うことが考えられる(
図8や
図9を用いて後ほど詳しく説明する)。当該構成を採用することで、所定のウェブサービスのサービス利用者が、違和感なく対話型プログラムの実行を通じた情報入力を行うことができるようになる。
【0030】
<機能的構成>
「入力受付部」0601は、ウェブページのURLの入力を受け付けるように構成されている。ここでは、入力フォームを含むウェブページのURLを取得することを目的とした入力受付が行われ、主にサービスサーバの管理権限を有する端末を通じたURLの入力を受け付ける。直接当該URLの入力を受け付ける場合もあれば、所定のウェブサイト又はウェブページをクローリングし、上述した入力フォームを含むウェブページの有無や、当該ウェブページへのリンク等の有無を判断し、該当するURLの入力をスクレイピング処理を通じて受け付ける場合があってもよい。当該構成を採用することにより、入力者によるURL入力の煩雑さや、入力ミスなどの弊害を軽減することができる。
【0031】
「入力要求情報取得部」0602は、前記URLに基づいて前記ウェブページにおける入力フォームへの情報入力要求に関する情報である入力要求情報を取得するように構成されている。具体的には、前記URLにて特定されるウェブページをクローリングし、当該ウェブページが入力フォームを含むかどうかを識別する。入力フォームの存在を示すHTMLタグである<form>及び</form>や、その他のHTMLタグの有無を判断するような処理を行うことが考えられるほか、入力フォームの構成要素であるウィジェットの有無を判断するような処理を行ってもよい。
【0032】
当該ウェブページに入力フォームが含まれると判断される場合には、当該入力フォームに関する入力要求情報を取得する。ここでいう入力要求情報とは、当該入力フォームを構成する質問事項その他の項目や、当該項目に対応して要求される回答内容又は回答態様が含まれる。より具体的に言えば、回答内容として複数の選択肢が設定されていれば当該選択肢が含まれうるほか、回答がテキスト入力によるべきなのか、全角半角、漢字やカナ、アルファベット等の制約はあるか、チェックボックスへのチェックによるべきなのか、ラジオボタンの押下によるべきなのか、一の項目に対し一又は複数の回答が求められているか、といった入力態様に関する情報などが含まれうる。
【0033】
入力要求情報取得部においては、それらの情報が入力フォームへの情報入力要求に関連して設けられている限り、特に取捨選択をすることなく、全ての情報を取得する。当該構成を採用することにより、入力フォームの実態に即したシナリオ作成が可能になる。
【0034】
なお、入力要求情報を取得する際には、当該情報が入力要求情報であるか否か、入力要求情報であると判断される場合に、当該情報がどのような意味内容の情報であるか、を判断するため、種々の方法が用いられてよい。具体的には、あらかじめ想定されるうる入力要求情報の意味内容をルールとして保持しておき、取得する情報を当該ルールを適用して所定の意味内容を有する入力要求情報として取得する構成が考えられる。また、あらかじめ所定の項目に対応して考えられうる回答項目又は回答態様について学習済みモデルを用意し、所定のウェブページに含まれる情報を当該学習済みモデルを用いて解析し、当該解析結果に応じて入力要求情報を取得してもよい。さらには、HTMLにて入力フォームとして識別される範囲内に含まれる表示内容をOCR処理により抽出し、当該抽出内容に応じて入力要求情報を取得してもよい。
【0035】
ここで述べられた入力要求情報の取得方法は、いずれも排他的に適用されるべきものではなく、選択可能に、また複数の方法を組み合わせて適用することが可能である。このような構成を採用することで、もともとの入力フォームの内容とのかい離を極力少なくし、入力フォーム作成の意図を損なうことなくシナリオ作成に活かすことが可能になる。
【0036】
ちなみに、当該ウェブページに入力フォームが含まれないと判断される場合には、その後の処理を行わずにエラー表示を出力したり、入力フォームを含むウェブページのURLの入力を促すメッセージを表示出力したりすることが考えられる。当該構成を採用することで、ウェブに関する知識や十分でない利用者に対しても、入力フォームの最適化に向けた作業を誘導し、本発明の効果を享受できるようにすることができる。
【0037】
「シナリオ作成部」0603は、取得した前記入力要求情報に基づいて、情報入力をウェブ上で対話形式にて促すためのシナリオを作成するように構成されている。ここでいう対話形式による情報入力促進の態様としては、ボットを活用した情報入力の仕組みを採用することが考えられ、例えば、入力フォーマットにおいて入力すべき項目を質問形式で出力し、当該質問に応じた回答という体裁で情報入力を利用者に促すようなシナリオであることが考えられる。
【0038】
なお、ここで作成されるシナリオには、単に情報入力させるための項目と回答との組み合わせを規定するにとどまらず、それらの項目を、どのような順番で出力し、回答させるかについての出力順をも規定する。ウェブページにおける入力フォームは多くの場合、画面が上から下にかけて画面遷移するように構成されており、通常は項目への回答の順番も、画面上より上側に規定されている項目から下側にかけて規定されている項目に対して順番に回答していくようにシナリオが作成される。ただし、これとは異なる順番での回答が行われてももちろんよい。
【0039】
また、シナリオは情報入力の態様に応じた返答についても規定されることが考えられる。具体的には、要求される態様での回答がなされなかったり、何らの回答もなされなかったような場合には、回答態様の誤りを指摘したり、再度の入力を促す内容のメッセージを出力するように規定されることが考えられる。さらに、多くの項目に対応した回答が要求される場合には、シナリオの内容として、適宜回答への入力を促すようなメッセージないしコメントを出力するように作成されることも考えられる。当該構成を採用することにより、利用者が入力途中で入力に飽きたりするなどして、入力作業の途中で離脱してしまう事態を回避可能とするようなシナリオを作成し提供することができる。
【0040】
ちなみに、シナリオは、いったん作成されると固有の識別情報を割り当てられ、当該作成の端緒となった処理を行った利用者(サービスサーバの管理権限を有する端末を操作する利用者であることが通常である)を識別するためのIDであるサービス管理利用者IDとともに保持されることとなる。そして、のちに当該サービス管理利用者IDを有する利用者から、適宜その内容の加除修正要求を受け付けることが可能である。そして、かかる加除修正要求を受け付けると、当該処理を実行し、その結果を上述した入力要求情報取得部における入力要求情報の取得処理や、シナリオ作成部におけるシナリオ作成処理において参照されうる情報として格納することが考えられる。具体的には、各種情報取得や作成処理のためのルールや学習済みモデルの内容を更新するためのデータとして用いられることが考えられ、当該構成を採用することにより、シナリオ作成の精度向上を図ることが可能になる。
【0041】
なおここで、本実施形態の最適化支援システムを用いて作成されたシナリオに基づき、対話形式で上方の取得を行う場合の処理の一例についても説明する。この場合、本実施形態の最適化支援システムを用いて、前記シナリオに基づいて対話型プログラムを生成し、前記対話型プログラムを通じて情報の入力を受け付け、前記受け付けた情報を所定の端末に送信するような構成が考えられる。以下ではそれらの処理の具体的な内容について説明する。
【0042】
ここで
図7を示す。同図は本実施形態の最適化支援システムの機能ブロックの別の一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「最適化支援システム」0700は、「入力受付部」0701と、「入力要求情報取得部」0702と、「シナリオ作成部」0703と、「対話型プログラム生成部」0704と、「情報入力受付部」0705と、「送信部」0706と、を有する。以下では、既に説明した各構成以外の構成である、「対話型プログラム生成部」、「情報入力受付部」そして「送信部」について説明する。
【0043】
「対話型プログラム生成部」0704は、前記シナリオに基づいて対話型プログラムを生成するように構成されている。ここでいう対話型プログラムは、シナリオ作成部にて作成されたシナリオを実行するためのプログラムであり、かかるプログラムを実行することで、所定のウェブサイトないしウェブページを閲覧している利用者に対し、当該対話プログラムの実行を通じて情報の入力を促すことが可能となる。
【0044】
対話型プログラムの内容としては、種々の効果を有するものであってよく、利用者による情報入力を促進したり、入力途中での離脱を回避したりするための処理を実行可能なものとすることが考えられる。具体例は、後記情報入力受付部の説明で詳述する。
【0045】
ここで所定のウェブサイトにおいて入力フォームへの情報入力を求められているユーザに対して当該機能を提供させようとする場合には、ウェブブラウザ上に当該ウェブサイトに関連して対話型プログラムによって情報の入力を受け付けるためのウェブページである対話ページを表示させ、当該対話ページと上記ウェブサイトとを、HTMLのiframe要素を用いて関連付けるような処理を行うことが考えられる。このとき、ウェブサイト中のどのウェブページを表示している際に対話ページを表示させるのかについて、上記入力フォームを含むウェブページとともに表示させる構成が考えられるが、それ以外の特定のウェブページをウェブサイトの運営主体たる利用者による選択を通じて指定し、当該ページとともに表示させる構成が排除させるものではない。当該構成を採用することにより、ウェブサイトを運営する利用者の意思に沿いサービス利用者の途中離脱を防ぐための好適なタイミングでの情報入力の機会を提供することが可能になる。
【0046】
「情報入力受付部」0705は、前記対話型プログラムによって情報の入力を受け付けるように構成されている。対話形式にてまずは入力フォームにおける入力項目と関連付けた発話表示を出力することで、対話形式の表示をスタートさせ、利用者に対し情報入力を促す表示を行う。そして、当該表示に対応した情報の入力を受け付ける。
【0047】
入力フォームにおいて、入力すべきテキストに文字制限が課せられているような場合、当該制限に関する情報も入力要求情報に含まれ、シナリオに反映されることとなる。そして、そのようなシナリオに沿って情報の入力を促すことになる場合、例えば、「●●文字超過しています。」「あと●●文字足りません」などのように警告する内容のコメントを表示させることが考えられる。その他にも例えば、入力必須項目への入力が漏れている場合、「必要な情報の入力を忘れていませんか?」といった類のコメントを表示させたり、「あともう少しで入力完了します。」「入力完了で特典として●●ポイントを付与します」といったコメントを表示させたりすることも一例として考えられる。これらの構成を採用することにより、ユーザに対する情報入力の動機付けを維持させることが可能になる。文字数制限がある場合、わざわざ文字数を数えながら情報入力することは利用者にとり極めて煩雑なので、当該構成を採用することで、文字数制限がある場合でも所定範囲内の文字数に納めるためのテキスト入力の示唆となる情報を適時に提供し、情報入力途中での離脱を抑止することが可能となる。
【0048】
また、シナリオに基づいて特定の回答をテキストにて入力するよう求められている場合においては、当該回答の具体例を表示して情報の入力を受け付けるような具体例表示手段を設けてもよい。例えば、氏名の入力に際しフリガナを入力が求められる場合において、「カナ」などの表示を、当該入力が必要とされる所定欄上に視認可能に表示する構成などが考えられる。当該構成のように、ひらがなや漢字、ローマ字などではなくカタカナでの入力を促すような表示を出力することにより、当該表示を見た利用者に対し適切な形式での情報入力を促すことができる。そして、そのような表示を行うことで誤った情報入力に伴う入力エラーなどの事象の発生頻度を減じスムーズな情報入力を実現することができる為、利用者による情報入力途中での離脱といった事態を回避抑制することが可能となる。
【0049】
「送信部」0706は、前記受け付けた情報を所定の端末に送信するように構成されている。所定の端末へ送信する処理の具体例としては、サービス管理利用者IDと紐づいて記録されている当該サービス管理利用者の端末や当該サービスを運営するためのサービスサーバなどに送信する場合もあれば、
図5を用いて説明した、所定のウェブページにおける入力要求情報を取得するためのサーバ0501へサービス管理利用者IDと紐づけて送信する場合もある。そしてその場合には、適宜サービス管理利用者IDを有する利用者からの送信要求により、当該情報を要求元となる端末宛に送信することが可能である。
【0050】
ちなみに、ここでの情報送信処理は、入力を受け付けた情報から適宜行われる場合のほか、所定の条件を満たした場合に当該時点までに入力を受け付けた情報をまとめて送信することによって行われる場合もある。ここでいう所定の条件とは、例えば、一の入力フォーマットにおいて要求される入力必須要素の入力をすべて受け付けたかどうかによって判定されることが考えられる。
【0051】
ここで
図8及び
図9を示す。同各図はいずれも、本実施形態の最適化支援システムを通じて生成された対話型プログラムの実行を通じた情報の入力受付処理の一例を示す図であり、
図1や2を用いて説明した、企業への問い合わせの一例について示した図である。いずれの図においても、企業の問い合わせに関するウェブページの表示に重畳して、対話型プログラムの実行を通じて情報の入出力を行うための対話ページがブラウザの相対的右側に表示されている。
【0052】
図8においては、対話型プログラムが起動されたことを示すための「この度はお問合せいただきありがとうございます。」との表示が出力され、続いて最初の入力項目に関連した「お問い合わせ種別を入力ください。」とのコメントがシナリオに従って表示出力されている。これに対し利用者に対しては、問い合わせ種別としてあらかじめサービス管理者において設定されている5つの選択肢のなかから1つを選択するよう促す表示が出力されており、当該表示を受けた利用者から、当該選択肢のいずれかを選択する旨の情報の入力を受け付けることとなる。なお、同図においては、対話ページの最下部に「あと5問です!」との内容が表示されており、利用者に対しあとどの程度の情報を入力すればよいかの見込みを視認可能に提供している。
【0053】
図9は、
図8を用いて説明した具体例において、選択肢として「1.当社商品に関するお問い合せ」を選択した場合の表示の一例である。かかる選択肢を選択した場合、「承知しました。続いてお名前を入力ください。」との表示を出力することで、利用者に対し、氏名の入力を促している。
【0054】
なお、同図に示した例においては、氏名の入力態様として「姓」「名」の入力を別々に受け付ける構成を採用している。ただそのほかにも、姓と名との入力をいちどに受け付ける構成を採用してもよいし、また、姓の入力を受け付けたのち「苗字の入力ありがとうございます。引き続いてお名前の入力をお願いします」などのように、名の入力を促すコメントを表示するような構成を採用してもよい。ただ、過度に入力事項を細分化すると、対話シナリオが冗長となり、それだけ利用者の情報入力に対する心理的な負担を高めること人もなりかねない。そのため例えば、入力フォームにおいて一の所定領域内にまとめて配置されている回答項目については、対話型プログラムを実行する際においても、いちどにまとめて情報の入力を促すように処理されることが望ましい。当該構成を採用することにより、入力フォームにおける入力途中離脱抑止の構成を、対話型プログラムを実行する場合においても援用することが可能となる(実施形態2で詳述する)。
【0055】
<具体的な構成>
ここで
図10を示す。同図は本実施形態の最適化支援システムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。各装置はいずれも、それぞれ各種演算処理を実行するための「CPU」1001と、「記憶装置(記憶媒体)」1002と、「メインメモリ」1003と、「入力インタフェース」1004、「出力インタフェース」1005、「ネットワークインタフェース」1006と、を備え、入出力インタフェースを介して、例えば「タッチパネル」1007や「ディスプレイ」1008などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。また、ネットワークインタフェースを介して「サービスサーバ」1009や「利用者端末」1010などの外部装置と情報の送受信を行う。このネットワークインタフェースの具体的な態様は有線、無線を問わず、また、通信方法も直接、間接を問わない。よって特定の外部装置ないし同装置の利用者と紐づけられた第三者の管理するサーバとの間で情報の送受信を行ういわゆるクラウドコンピューティングの形式を採用することも可能である。
【0056】
記憶装置には以下で説明するような各種プログラムが格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」1099などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う(以上の構成の基本的な構成は、以下で説明する他の装置のいずれについても同様である。
【0057】
(入力受付部の具体的な構成)
入力受付部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成される。具体的には、CPUが記憶装置から「入力受付プログラム」1020をメインメモリに読み出して実行し、ウェブページのURLの入力を受け付ける。
【0058】
(入力要求情報取得部の具体的な構成)
入力要求情報取得部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェア、より具体的には種々の入力インタフェースにより構成される。具体的には、CPUが記憶装置から「入力要求情報取得プログラム」1030をメインメモリに読み出して実行し、前記URLに基づいて前記ウェブページにおける入力フォームへの情報入力要求に関する情報である入力要求情報を取得し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0059】
(シナリオ作成部の具体的な構成)
シナリオ作成部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成される。具体的には、CPUが記憶装置から「シナリオ作成プログラム」1040をメインメモリに読み出して実行し、取得した前記入力要求情報に基づいて、情報入力をウェブ上で対話形式にて促すためのシナリオを作成し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0060】
なお以下では、本実施形態の最適化支援システムに関し、既に説明した別の機能的構成の一例についても説明する。
【0061】
(対話型プログラム生成部の具体的な構成)
変更対応部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成されている。具体的には、CPUが記憶装置から「対話型プログラム生成プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、前記シナリオ作成プログラムの実行により得られたシナリオに基づいて対話型プログラムを生成し、当該プログラムをメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0062】
(情報入力受付部の具体的な構成)
情報入力受付部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成されている。具体的には、CPUが記憶装置から「情報入力受付プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、前記対話型プログラムによって情報の入力を受け付け、当該情報をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0063】
(送信部の具体的な構成)
送信部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成されている。具体的には、CPUが記憶装置から「送信プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、前記情報入力受付プログラムの実行により受け付けた情報を所定の端末に送信する。
【0064】
<処理の流れ>
図11及び
図12はいずれも、本実施形態の最適化支援システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同各図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1101では、ウェブページのURLの入力を受け付け(入力受付ステップ)、ステップS1102では、前記URLに基づいて前記ウェブページにおける入力フォームへの情報入力要求に関する情報である入力要求情報を取得する(入力要求情報取得ステップ)。その後ステップS1103では、取得した前記入力要求情報に基づいて、情報入力をウェブ上で対話形式にて促すためのシナリオを作成する(シナリオ作成ステップ)。
【0065】
なおこの場合、ステップS1204として、前記シナリオに基づいて対話型プログラムを生成したうえで(対話型プログラム生成ステップ)、ステップS1205にて、前記対話型プログラムによって情報の入力を受け付け(情報入力受付ステップ)、ステップS1206にて、前記受け付けた情報を所定の端末に送信する(送信ステップ)ような構成も考えられる。
【0066】
<効果>
以上の構成を採用する最適化支援システムを利用することにより、入力フォームへの入力の煩雑さを解消し、対話形式にて手軽にフォームへの情報入力を促し、入力を完了させるようにすることが可能になる。
【0067】
<<実施形態2>>
<概要>
本実施形態の最適化支援システムは、基本的には実施形態1に記載の最適化支援システムの技術的特徴と同様であるが、入力要求情報を取得するに際し、一の入力要求に関連した複数の関連要求に関する情報である関連要求情報をも取得する点や、シナリオ作成に際し、前記関連要求情報をも用いてシナリオを作成する点を更なる特徴とする。
【0068】
<機能的構成>
図13は、本実施形態の最適化支援システムを一のコンピュータ(装置)で実現した場合の機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「最適化支援システム」1300は、「入力受付部」1301と、「入力要求情報取得部」1302と、「シナリオ作成部」1303と、を有し、入力要求情報取得部は「関連要求情報取得手段」1312を、シナリオ作成部は「関連要求情報利用手段」1313を、さらに有する。基本的な構成は、実施形態1の
図6を用いて説明した最適化支援システムと共通するため、以下では相違点である「関連要求情報取得手段」1312と、「関連要求情報利用手段」1313の機能について説明する。
【0069】
「関連要求情報取得手段」1312は、入力要求情報取得部において、一の入力要求に関連した複数の関連要求に関する情報である関連要求情報をも取得するように構成されている。「お名前」という一の入力要求には、関連した複数の関連要求に関する情報である関連要求情報が存在し得る。例えば実施形態1で説明したように、「姓」「名」のほか「よみがな」などの複数の関連する回答項目への入力が要求されうるし、入力フォーマットの構成によっては、「お名前」という項目に所属先である「会社名(団体名)」や「役職」などの情報も関連して回答入力するように要求されている場合もある(
図1,2,8,9で用いた例においては、「お名前」の項目に「姓」「名」「会社名」の3つの入力要求が関連付けられている。)。これらのように、一の入力要求に対し、複数の回答を入力することが求められる場合に、当該要求をシナリオ作成にも反映させることができる。
【0070】
「関連要求情報利用手段」1313は、シナリオ作成部において、前記関連要求情報をも用いてシナリオを作成するように構成されている。具体的には、
図9において示したように「お名前」の項目に「姓」「名」の入力が要求されている場合には、「姓」と「名」との入力を個々に要求するのではなく、一度にまとめて入力するよう要求することを内容とするシナリオを作成することが考えられる。当該構成を採用することにより、対話型プログラムを実行する際に、いちどにまとめて情報の入力を促すように処理させ、利用者が過度に細分化された対話処理を強いられて結果情報入力から途中離脱するといった弊害を回避することができるようになる。
【0071】
なお、複数の関連要求に対応した回答のさせ方としては、基本的には、質問を要求されている順番に沿って回答入力を要求することが望ましい。ただし、例外的な取扱いが求められるような場合には、あらかじめそのようなルールを設定保持しておき、かかるルールを適用して回答順を変更したシナリオを作成することがあってもよい。例えば、
図3や4を用いて説明した例の場合、同図では「お名前(カナ)」との項目に対し、上から順番に「カナ」「姓」「名」の順番で情報入力が要求されて表示されている。これは、紙の書類等に氏名の読み仮名を記入する際は、氏名の上側に記入が求められることが多いことに起因している場合が多いと思われるが、記載されるべき順序を踏まえて氏名とその読みがなの入力を要求する場合には、まずは漢字等による情報入力を要求し、その後に当該漢字等の読みがなの情報入力を要求することが望ましい。したがって、そのような氏名に関する情報入力におけるルールをあらかじめ保持しておき、当該ルールを適用してシナリオを作成することが考えられる。すなわち、
図3や
図4に示した入力フォームについてシナリオを作成する場合においても、関連要求情報利用手段において上記ルールを適用し、まずは「姓」「名」を入力させ、その次に「カナ」を入力するよう要求することを内容とするシナリオを作成することが考えられる。当該構成を採用することで、利用者が違和感を感じた状態で情報入力を強いられ、結果として途中離脱をしてしまう事態を回避することができる。
【0072】
<具体的な構成>
本実施形態の最適化支援システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、
図10を用いて説明した実施形態1の最適化支援システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「関連要求情報取得手段」、「関連要求情報利用手段」の具体的な処理について説明する。
【0073】
(関連要求情報取得手段の具体的な構成)
関連要求情報取得手段は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成されている。具体的には、入力要求情報取得プログラムの実行に際し、CPUが記憶装置から「関連要求情報取得サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、一の入力要求に関連した複数の関連要求に関する情報である関連要求情報をも取得し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0074】
(関連要求情報利用手段の具体的な構成)
関連要求情報利用手段は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成されている。具体的には、シナリオ作成プログラムの実行に際し、CPUが記憶装置から「関連要求情報利用サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、前記関連要求情報取得サブプログラムの実行により得られた関連要求情報をも用いてシナリオを作成する。
【0075】
<処理の流れ>
図14は、本実施形態の最適化支援システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1401では、ウェブページのURLの入力を受け付け(入力受付ステップ)、ステップS1402では、前記URLに基づいて前記ウェブページにおける入力フォームへの情報入力要求に関する情報であって、一の入力要求に関連した複数の関連要求に関する情報である関連要求情報を含む入力要求情報を取得する。その後ステップS1403では、取得した情報として前記関連要求情報を含む前記入力要求情報に基づいて、情報入力をウェブ上で対話形式にて促すためのシナリオを作成する(シナリオ作成ステップ)。
【0076】
<効果>
本実施形態の最適化支援システムを用いることにより、実施形態1の最適化支援システムを用いる場合に比べ、複雑な質問にも対応したボットの仕組みを提供して、ユーザによる入力支援を促進することができる。
【0077】
<<実施形態3>>
<概要>
本実施形態の最適化支援システムは、基本的には実施形態1に記載の最適化支援システムの技術的特徴と同様であるが、シナリオ作成に際し、取得した入力要求情報に自由記載による情報入力要求が含まれるか否かを判断し、前記判断の結果に応じたシナリオを作成する点を更なる特徴として備えている。
【0078】
<機能的構成>
図15は、本実施形態の最適化支援システムを一のコンピュータ(装置)で実現した場合の機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「最適化支援システム」1500は、「入力受付部」1501と、「入力要求情報取得部」1502と、「シナリオ作成部」1503と、「自由記載判断部」1504と、を有し、シナリオ作成部は、「記載態様対応手段」1513を有する。基本的な構成は、実施形態1の
図6を用いて説明した最適化支援システムと共通するため、以下では相違点である「自由記載判断部」1504と、「記載態様対応手段」1513の機能について説明する。
【0079】
「自由記載判断部」1504は、取得した入力要求情報に自由記載による情報入力要求が含まれるか否かを判断するように構成される。ここでいう自由記載とは、チェックボックスへのチェックや選択肢の選択といったように、あらかじめ回答内容が指定されておらず、テキストでの記載入力のことを指している。先に説明したように、氏名や住所(特に地番やマンション名など)、サービス管理利用者に対する意見や感想などの入力が自由記載による情報入力要求として考えられる。
【0080】
自由記載による情報入力要求が含まれるか否かは、情報入力要求の態様を識別して判断することが考えられ、最も簡易な方法としては、テキスト入力を促す部分については全て自由記載を要求するとの判断処理を行う場合が考えられる。その他、所定文字数以上のテキスト入力を促す部分についてのみ自由記載を要求すると判断するような処理を行う構成があってもよく、当該構成を採用することにより、後記記載態様対応手段における種々の処理負担を抑制することができる。
【0081】
「記載態様対応手段」1513は、シナリオ作成部にて、前記自由記載部における判断結果に応じたシナリオを作成するように構成される。具体的には、自由記載による情報入力要求が含まれる項目については、どのような入力要求が好ましいかの記載例を表示するシナリオを作成するような処理が考えられる。例えば、意見、感想の入力を要求する場合には、「ご意見・ご感想をお聞かせください。」や、「いただいたご意見は、商品開発やサービス改善のために活用させていただき、そのほかの用途には使用いたしません。」などのようなコメントを表示出力することが考えられる。また、住所の入力を要求する場合には、「まず郵便番号を入力のうえ、こちらのボタンを押してください」といったようなコメントを表示出力することが考えられる。このときともに表示させたボタンを押すと、API連携した外部サービスサーバと情報の送受信を行い、当該入力された郵便番号と紐づいた住所表記を、取得したうえ、「●●県▲▲市◎◎ですね。よろしければ続いて地番・マンション名を記載してください」といったように、利用者の入力作業を軽減するためのコメントを表示することも考えられる。
【0082】
その他、例えば情報入力を促されてからの時間を計測し、所定時間が経過しても何の情報入力も受け付けないような場合に、「何かお困りですか?」「もし入力方法がわからない場合には、こちらのFAQをご覧になるか、音声でご相談ください」などのように、別途相談や確認ができる機能への導線を表示する表示を行うようなシナリオを作成することも可能である。これらの構成を採用することにより、抽象的な問いかけに対し、どのような情報を入力してよいかわからない利用者を誘導し、情報入力から離脱させることを回避するような仕組みを提供することが可能となる。
【0083】
<具体的な構成>
本実施形態の最適化支援システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、
図10を用いて説明した実施形態1の最適化支援システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「自由記載判断部」と、「記載態様対応手段」の具体的な処理について説明する。
【0084】
(自由記載判断部の具体的な構成)
自由記載判断部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成されている。具体的には、CPUが記憶装置から「自由記載判断プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、取得した入力要求情報に自由記載による情報入力要求が含まれるか否かを判断する処理を行う。
【0085】
(記載態様対応手段の具体的な構成)
記載態様対応手段は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成されている。具体的には、シナリオ作成プログラムの実行に際し、CPUが記憶装置から「記載態様対応サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、前記自由記載プログラムの実行により得られた判断結果に応じたシナリオを作成し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0086】
<処理の流れ>
図16は、本実施形態の最適化支援システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1601では、ウェブページのURLの入力を受け付け(入力受付ステップ)、ステップS1602では、前記URLに基づいて前記ウェブページにおける入力フォームへの情報入力要求に関する情報である入力要求情報を取得する(入力要求情報取得ステップ)。その後ステップS1603では、取得した入力要求情報に自由記載による情報入力要求が含まれるか否かを判断し(自由記載判断ステップ)、ステップS1604で、取得した前記入力要求情報と、当該入力要求情報に関する自由記載判断ステップにおける判断結果とに基づいて、情報入力をウェブ上で対話形式にて促すためのシナリオを作成する(記載態様対応サブステップ)。
【0087】
<効果>
本実施形態の最適化支援システムを用いることにより、実施形態1や2の最適化支援システムを用いる場合に比べ、自由度の高い入力要求についても入力の煩雑さを解消し、対話形式にて手軽にフォームへの情報入力を促し、入力を完了させるようにすることが可能になる。
【0088】
<<実施形態4>>
<概要>
本実施形態の最適化支援システムは、基本的には実施形態1に記載の最適化支援システムの技術的特徴と同様であるが、シナリオ作成に際し、複数の言語に対応可能なシナリオを作成する点を更なる特徴として備えている。
【0089】
<機能的構成>
図17は、本実施形態の最適化支援システムを一のコンピュータ(装置)で実現した場合の機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「最適化支援システム」1700は、「入力受付部」1701と、「入力要求情報取得部」1702と、「シナリオ作成部」1703と、を有し、シナリオ作成部は「多言語対応手段」1713とを有する。基本的な構成は、実施形態1の
図6を用いて説明した最適化支援システムと共通するため、以下では相違点である「多言語対応手段」1713の機能について説明する。
【0090】
「多言語対応手段」1713は、シナリオ作成部において、複数の言語に対応可能なシナリオを作成するように構成される。あらかじめ複数の言語を相互に翻訳可能な辞書を保持しておき、シナリオ作成部において、かかる辞書のうち一又は複数の言語に関する辞書の選択を受け付けて、当該辞書を用いてシナリオを作成する。また、外部の翻訳処理を行う機能を有するサーバとAPI連携を行って適宜翻訳処理を行い、その結果シナリオを作成するような処理を行ってももちろんよい。
【0091】
なお、ここで作成された複数の言語に対応可能なシナリオは、ウェブページを通じた情報の入力を行う利用者の扱う言語に応じた言語を用いた対話形式の表示を行うために用いられる。すなわち、日本語でのみ表示されているウェブページにて問い合わせを受け付けるための入力フォームに関連して作成されるシナリオとして、当該ウェブページを通じて問い合わせを行おうとしている利用者が英語圏内にいる場合には英語による対話を通じた情報の入力を促すことを可能にするための内容として作成される。複数の言語にて作成されたシナリオのうち、どの言語を用いるかについては適宜設定することが可能であり、例えば、利用者の端末がアクセスしているIPアドレスを取得し、当該アドレスに割り当てられている国において通常使用されている言語を用いるようにすることも考えられれば、対話型プログラムを実行するとまずは、希望する言語を対応可能な言語の中から選択させるように促す表示を行い、当該表示に従い選択された言語を用いた対話表示を行うことなどが考えられる。
【0092】
ちなみに、当該処理を通じて入力を受け付けた内容は、当初作成された入力フォーマットにおいて用いられた言語とは異なる言語となるのが通常である。この場合、送信部においては、当該異なる言語をそのまま送信する構成を採用してもよいが、先にシナリオ作成の際に用いた辞書と同じ言語の辞書を用いることによって、当該入力された情報を翻訳し、かかる翻訳処理の結果とともに送信する翻訳後送信手段を備えるような構成を採用してもよい。当該構成を採用すれば、ウェブサイトの運営管理者が理解できない言語による問い合わせであっても、その内容が翻訳され取得することが可能となるため、問い合わせに対し迅速に対応することができるようになり、ひいては取引の機会損失を減らすことができる。
【0093】
<具体的な構成>
本実施形態の最適化支援システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、
図10を用いて説明した実施形態1の最適化支援システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「多言語対応手段」の具体的な処理について説明する。
【0094】
(多言語対応手段の具体的な構成)
多言語対応手段は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成されている。具体的には、シナリオ作成プログラムの実行に際し、CPUが記憶装置から「多言語対応サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、複数の言語に対応可能なシナリオを作成し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0095】
<処理の流れ>
図18は、本実施形態の最適化支援システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1801では、ウェブページのURLの入力を受け付け(入力受付ステップ)、ステップS1802では、前記URLに基づいて前記ウェブページにおける入力フォームへの情報入力要求に関する情報である入力要求情報を取得する(入力要求情報取得ステップ)。その後ステップS1803では、取得した前記入力要求情報に基づいて、情報入力をウェブ上で対話形式にて促すためのシナリオを作成する(シナリオ作成ステップ)。なおこのとき、シナリオ作成ステップではS1813として、複数の言語に対応可能なシナリオ作成の要否に関する判断を受け付けることができ、もしシナリオ作成が必要であると判断される場合には、当該判断内容に応じて、ステップS1823にて、複数の言語に対応可能なシナリオを作成する(多言語対応サブステップ)。
【0096】
<効果>
本実施形態の最適化支援システムを用いることにより、実施形態1ないし3の最適化支援システムを用いる場合に比べ、よりグローバルな事業展開の支援を行うことができるようになる。
【符号の説明】
【0097】
0600・・・最適化支援システム、0601・・・入力受付部、0602・・・入力要求情報取得部、0603・・・シナリオ作成部