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特開2023-125730撹拌部材及びそれを備えた画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125730
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】撹拌部材及びそれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20230831BHJP
【FI】
G03G15/08 362
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022029993
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】川人 寛司
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AA11
2H077AB02
2H077AB14
2H077AC01
2H077AD02
2H077AD06
2H077AE06
2H077EA03
2H077GA03
(57)【要約】
【課題】現像剤に対する撹拌性能が高く、画質の低下を抑制することができる撹拌部材及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像槽26に収容された現像剤27を撹拌する撹拌部材22であって、回転軸80と、回転軸80の周りに形成され、回転軸80に対して傾斜して配置された平板状である複数の第1羽根81と、第1羽根81のそれぞれと対応し、回転軸80の周りに形成され、回転軸80に対して対応する第1羽根81とは反対方向に傾斜して配置された平板状である複数の第2羽根82と、を備え、第1羽根81及び第2羽根82は、回転軸80と一体に回転する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像槽に収容された現像剤を撹拌する撹拌部材であって、
回転軸と、
前記回転軸の周りに形成され、前記回転軸に対して傾斜して配置された平板状である複数の第1羽根と、
前記第1羽根のそれぞれと対応し、前記回転軸の周りに形成され、前記回転軸に対して対応する前記第1羽根とは反対方向に傾斜して配置された平板状である複数の第2羽根と、を備え、
前記第1羽根及び前記第2羽根は、前記回転軸と一体に回転する、ことを特徴とする撹拌部材。
【請求項2】
請求項1に記載の撹拌部材であって、
前記回転軸の伸長方向に沿って互いに隣接する前記第1羽根は平行であり、等間隔に配置され、
前記回転軸の伸長方向に沿って互いに隣接する前記第2羽根は平行であり、等間隔に配置され、
前記互いに隣接する前記第1羽根間の距離と、前記互いに隣接する前記第2羽根間の距離とは、同じである、ことを特徴とする撹拌部材。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の撹拌部材であって、
前記回転軸の伸長方向に対して垂直方向から見た場合に、前記回転軸に対する前記第1羽根の角度と、前記回転軸に対する前記第2羽根の角度とは同じ値である、ことを特徴とする撹拌部材。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか1つに記載の撹拌部材であって、
前記第1羽根は、前記回転軸を中心として前記回転軸の全周を囲むように、前記回転軸の側面に接触して設置され、
前記第2羽根は、前記回転軸を中心として前記回転軸の全周を囲むように、前記回転軸の側面から離間して設置され、輪状である、ことを特徴とする撹拌部材。
【請求項5】
請求項4に記載の撹拌部材であって、
前記第1羽根の外径は、輪状である前記第2羽根の内径以下である、ことを特徴とする撹拌部材。
【請求項6】
請求項1から請求項3までの何れか1つに記載の撹拌部材であって、
前記第1羽根は、前記回転軸を中心として前記回転軸の略半周を囲むように、前記回転軸の側面に接触して設置され、
前記第1羽根は、前記回転軸の側面の周方向に沿って略180度の範囲であり、前記回転軸の伸長方向に沿って伸びる第1領域、及び、前記回転軸の側面において前記第1領域以外の領域である第2領域に、それぞれ設置され、
前記回転軸の側面から前記第1領域に設置された前記第1羽根を見た場合に、前記回転軸の後方に位置する前記第2領域に設置された前記第1羽根は、前記回転軸に対して、前記第1領域に設置された前記第1羽根とは反対方向に傾斜しており、
前記第2羽根は、前記回転軸を中心として前記回転軸の略半周を囲むように、前記回転軸の側面から離間して設置され、半輪状である、ことを特徴とする撹拌部材。
【請求項7】
請求項6に記載の撹拌部材であって、
前記第1羽根の外径は、半輪状である前記第2羽根の内径以下であり、
前記第1羽根は対応する前記第2羽根の内周側に位置している、ことを特徴とする撹拌部材。
【請求項8】
現像槽に収容された現像剤を撹拌する撹拌部材であって、
回転軸と、
前記回転軸の周りに形成され、前記回転軸に対して傾斜して配置された平板状である複数の第1羽根と、
前記回転軸の周りに形成され、前記回転軸に対して傾斜して配置された平板状であり、前記第1羽根とは異なる複数の第2羽根と、を備え、
前記回転軸が回転することにより前記第1羽根及び前記第2羽根が一体で回転し、
前記回転軸が回転することにより、前記第1羽根は、前記回転軸の伸長方向の一方向及び他方向に交互に前記現像剤が移動するように、前記回転軸の伸長方向前に沿って記現像剤を揺らしながら撹拌し、
前記回転軸が回転することにより、前記第2羽根は、前記第1羽根が前記一方向に前記現像剤を移動させる際は前記他方向に現像剤を移動させ、前記第1羽根が前記他方向に前記現像剤を移動させる際は前記一方向に現像剤を移動させるように、前記回転軸の伸長方向前に沿って記現像剤を揺らしながら撹拌する、ことを特徴とする撹拌部材。
【請求項9】
請求項1から請求項8までの何れか1つに記載の撹拌部材を備えた、ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を撹拌する撹拌部材及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ、複合機等の画像形成装置において、現像装置により感光体ドラムにトナー像が形成され、このトナー像が用紙に転写されて定着されることにより用紙上に画像が形成される。
【0003】
トナー像を形成するための現像剤としては、一般的に、トナーと磁性体キャリアとを含む2成分現像剤用いられる。現像装置において、この現像剤が撹拌されることで、トナーに均一な電荷が付加されることとなる。感光体ドラムの表面には静電潜像が形成されており、撹拌されて帯電された現像剤により、感光体ドラムの表面にトナー像が形成される。
【0004】
ここで、現像剤の撹拌が不十分である場合は、トナーの帯電電荷量が不十分であり、帯電不良トナーが生じることとなる。このように帯電不良トナーが生じると、用紙上に形成される画像の品質が低下する可能性がある。そのため、現像剤に対する撹拌性能向上を目的として、現像剤を撹拌する撹拌部材に関して様々な技術が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、中心軸と、この中心軸に沿って螺旋状に設置されている内羽根と、この中心軸を回転軸として内羽根とは逆螺旋状に形成され、中心軸とは所定の間隔を有して、内羽根の外周縁に固定されている外羽根とを備えている撹拌部材が記載されている。この撹拌部材によれば、現像剤の撹拌において、外羽根によって生じる現像剤の流れと内羽根によって生じる流れとの間は遮られておらず、互いに異なる方向へ移動する現像剤に強いせん絶力が加わることとなり、外羽根の作る流れにある現像剤と内羽根の作る流れにある現像剤との間において撹拌を起こすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-287112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1に記載された撹拌部材において、内羽根及び外羽根のいずれも螺旋形状であることから、内羽根及び外羽根のそれぞれはいずれも羽根に切れ目が無く羽根が一連となった構成である。そのため、例えば、中心軸に沿って複数の羽根が配置された構成の撹拌部材に比べて現像剤の粉砕性が乏しく、この点において撹拌性能が高いとはいえない。
【0008】
さらに、現像剤を撹拌する際に、現像剤の液面に波立ちが生じやすく、それにより感光体に形成されたトナー像に濃度ムラが生じる可能性がある。トナー像に濃度ムラが生じると、用紙上に形成された画像にも濃度ムラが反映されることとなり、画質が低下するとの問題もある。しかし、上記特許文献1に記載された撹拌部材では、このような問題を解消することも困難であるといえる。
【0009】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、現像剤に対する撹拌性能が高く、画質の低下を抑制することができる撹拌部材及びそれを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る撹拌部材は、現像槽に収容された現像剤を撹拌する撹拌部材であって、回転軸と、前記回転軸の周りに形成され、前記回転軸に対して傾斜して配置された平板状である複数の第1羽根と、前記第1羽根のそれぞれと対応し、前記回転軸の周りに形成され、前記回転軸に対して対応する前記第1羽根とは反対方向に傾斜して配置された平板状である複数の第2羽根と、を備え、前記第1羽根及び前記第2羽根は、前記回転軸と一体に回転する、ことを特徴とする。
【0011】
これにより、現像槽に収容された現像剤中において、撹拌部材が回転することにより、隣接する第1羽根間で回転軸の伸長方向に沿って現像剤が揺すられて撹拌され、かつ、隣接する第2羽根間で回転軸の伸長方向に沿って現像剤が揺すられて撹拌され、第1羽根と第2羽根とでは、現像剤を揺する方向がお互いに異なる。これにより、現像剤の撹拌において、現像剤の液面に波立ちが生じることを抑制できる。また、現像剤に対する撹拌性能も高い。そのため、感光体に形成されるトナー像の濃度ムラを抑制でき、用紙等に形成される画像に濃度ムラが生じることなく、高画質を実現できる。
【0012】
また、上述の撹拌部材において、前記回転軸の伸長方向に沿って互いに隣接する前記第1羽根は平行であり、等間隔に配置され、前記回転軸の伸長方向に沿って互いに隣接する前記第2羽根は平行であり、等間隔に配置され、前記互いに隣接する前記第1羽根間の距離と、前記互いに隣接する前記第2羽根間の距離とは、同じであることとしてもよい。
【0013】
これにより、現像槽に収容された現像剤を撹拌部材により撹拌する際に、第1羽根により現像剤を揺する方向と、第2羽根により現像剤を揺する方向とを、より確実に、お互いに異なるようにすることができる。これにより、現像剤の拡販において、現像剤の液面に波立ちが生じることを抑制できる。また、現像剤に対する撹拌性能も高い。そのため、感光体に形成されるトナー像の濃度ムラを抑制でき、用紙等に形成される画像に濃度ムラが生じることなく、高画質を実現できる。
【0014】
また、上述の撹拌部材において、前記回転軸の伸長方向に対して垂直方向から見た場合に、前記回転軸に対する前記第1羽根の角度と、前記回転軸に対する前記第2羽根の角度とは同じ値であることとしてもよい。
【0015】
これにより、現像槽に収容された現像剤を撹拌部材により撹拌する際に、第1羽根により現像剤を揺する方向と、第2羽根により現像剤を揺する方向とを、より確実に、お互いに異なるようにすることができる。これにより、現像剤の拡販において、現像剤の液面に波立ちが生じることを抑制できる。また、現像剤に対する撹拌性能も高い。そのため、感光体に形成されるトナー像の濃度ムラを抑制でき、用紙等に形成される画像に濃度ムラが生じることなく、高画質を実現できる。
【0016】
また、上述の撹拌部材において、前記第1羽根は、前記回転軸を中心として前記回転軸の全周を囲むように、前記回転軸の側面に接触して設置され、前記第2羽根は、前記回転軸を中心として前記回転軸の全周を囲むように、前記回転軸の側面から離間して設置され、輪状であることとしてもよい。
【0017】
これにより、現像槽に収容された現像剤を撹拌部材により撹拌する際に、現像剤が第2羽根の輪状の内側を流通することとなり、より十分な撹拌が行われることとなり、現像剤に対する撹拌性能がより向上する。
【0018】
また、上述の撹拌部材において、前記第1羽根の外径は、輪状である前記第2羽根の内径以下であることとしてもよい。
【0019】
これにより、現像槽に収容された現像剤を撹拌部材により十分に撹拌できる。また、金型を用いて樹脂成型により撹拌部材を製作する場合に、容易にはずすことができる金型を設計することができるため、金型の設計や製作のコストを抑制することができる。
【0020】
また、上述の撹拌部材において、前記第1羽根は、前記回転軸を中心として前記回転軸の略半周を囲むように、前記回転軸の側面に接触して設置され、前記第1羽根は、前記回転軸の側面の周方向に沿って略180度の範囲であり、前記回転軸の伸長方向に沿って伸びる第1領域、及び、前記回転軸の側面において前記第1領域以外の領域である第2領域に、それぞれ設置され、前記回転軸の側面から前記第1領域に設置された前記第1羽根を見た場合に、前記回転軸の後方に位置する前記第2領域に設置された前記第1羽根は、前記回転軸に対して、前記第1領域に設置された前記第1羽根とは反対方向に傾斜しており、前記第2羽根は、前記回転軸を中心として前記回転軸の略半周を囲むように、前記回転軸の側面から離間して設置され、半輪状であることとしてもよい。
【0021】
これにより、現像槽に収容された現像剤を撹拌部材により撹拌する際に、現像剤が第2羽根の半輪状の内側を流通することとなり、より十分な撹拌が行われることとなり、現像剤に対する撹拌性能がより向上する。
【0022】
また、上述の撹拌部材において、前記第1羽根の外径は、半輪状である前記第2羽根の内径以下であり、前記第1羽根は対応する前記第2羽根の内周側に位置していることとしてもよい。
【0023】
これにより、現像槽に収容された現像剤を撹拌部材により十分に撹拌できる。また、金型を用いて樹脂成型により撹拌部材を製作する場合に、容易にはずすことができる金型を設計することができるため、金型の設計や製作のコストを抑制することができる。
【0024】
また、本発明の他の一態様に係る撹拌部材は、現像槽に収容された現像剤を撹拌する撹拌部材であって、回転軸と、前記回転軸の周りに形成され、前記回転軸に対して傾斜して配置された平板状である複数の第1羽根と、前記回転軸の周りに形成され、前記回転軸に対して傾斜して配置された平板状であり、前記第1羽根とは異なる複数の第2羽根と、を備え、前記回転軸が回転することにより前記第1羽根及び前記第2羽根が一体で回転し、前記回転軸が回転することにより、前記第1羽根は、前記回転軸の伸長方向の一方向及び他方向に交互に前記現像剤が移動するように、前記回転軸の伸長方向前に沿って記現像剤を揺らしながら撹拌し、前記回転軸が回転することにより、前記第2羽根は、前記第1羽根が前記一方向に前記現像剤を移動させる際は前記他方向に現像剤を移動させ、前記第1羽根が前記他方向に前記現像剤を移動させる際は前記一方向に現像剤を移動させるように、前記回転軸の伸長方向前に沿って記現像剤を揺らしながら撹拌する、ことを特徴とする。
【0025】
これにより、現像槽に収容された現像剤中において、撹拌部材が回転することにより、隣接する第1羽根間で回転軸の伸長方向に沿って現像剤が揺すられて撹拌され、かつ、隣接する第2羽根間で回転軸の伸長方向に沿って現像剤が揺すられて撹拌され、第1羽根と第2羽根とでは、現像剤を揺する方向がお互いに異なる。これにより、現像剤の拡販において、現像剤の液面に波立ちが生じることを抑制できる。また、現像剤に対する撹拌性能も高い。そのため、感光体に形成されるトナー像の濃度ムラを抑制でき、用紙等に形成される画像に濃度ムラが生じることなく、高画質を実現できる。
【0026】
また、本発明の画像形成装置は、上述の撹拌部材を備えた、ことを特徴とする。
【0027】
これにより、現像剤の液面に波立ちが生じることを抑制できることから、現像ローラにより担持される現像剤の濃度ムラを抑制できる。また、現像剤に対する撹拌性能も高い。そのため、感光体に形成されるトナー像の濃度ムラを抑制でき、用紙等に形成される画像に濃度ムラが生じることなく、高画質を実現できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、現像剤に対する撹拌性能が高く、画質の低下を抑制することができる撹拌部材及びそれを備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成を透視的に示す正面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における現像装置の概略構成を透視的に示す正面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の撹拌部材の構成を示す側面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の撹拌部材の構成を示す拡大側面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の撹拌部材の構成を示す図であり、回転軸に対する第1羽根及び第2羽根の傾斜角度がわかる状態の拡大側面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の撹拌部材の概略構成を示す正面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の撹拌部材の構成を示す拡大側面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の撹拌部材の概略構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0031】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
【0032】
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成を透視的に示す正面図である。
【0033】
ここで、以下に示す図に記載された座標において、X軸方向は画像形成装置100を正面から視て左右方向(横方向)、X軸正方向、X軸負方向はそれぞれ左側、右側を表している。Y軸方向は左右方向であるX軸に直交する奥行方向(前後方向)、Y軸正方向、Y軸負方向はそれぞれ操作側(正面側)、操作側の反対側である背面側を表している。Z軸方向は上下方向、つまり鉛直方向を表しており、Z軸正方向、Z軸負方向はそれぞれ上側、下側を表している。なお、画像形成装置100を示さず、画像形成装置100の構成部材のみを図示している場合は、当該構成部材が画像形成装置100に組み込まれている状態における座標を示している。
【0034】
画像形成装置100は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を有する複合機であり、画像読取装置102によって読み取られた原稿Gの画像を外部に送信する。また、画像形成装置100は、画像読取装置102にて読み取った原稿Gの画像又は外部から受信した画像をカラー若しくは単色で用紙等のシートPに画像形成する。
【0035】
画像読取部130の上側には、画像読取部130に対して開閉自在に支持された原稿送り装置160〔自動原稿搬送装置(ADF)〕が設けられている。画像読取装置102は、原稿送り装置160を備えている。原稿送り装置160は、1枚又は複数枚の原稿Gを1枚ずつ順に搬送する。画像読取装置102は、原稿送り装置160により1枚又は複数枚の原稿Gのうち1枚ずつ搬送される原稿Gを読み取る。画像読取装置102は、原稿Gを載置する原稿載置台130aと、原稿載置台130a上に載置された原稿を読み取る載置原稿読取機能と、を備えている。画像形成装置100は、原稿送り装置160が開かれると、画像読取部130の上方の原稿載置台130aが開放され、原稿Gを手置きで置くことができるようになっている。また、原稿送り装置160は、原稿Gを載置する原稿載置トレイ161と、外部に排出された原稿Gを積載する原稿排出トレイ162とを備えている。画像読取装置102は、原稿送り装置160にて搬送された原稿Gを読み取る搬送原稿読取機能を備えている。原稿送り装置160は、原稿載置トレイ161に載置された原稿Gを画像読取部130における原稿読取部130b上に搬送する。画像読取部130は、走査光学系130cを走査して原稿載置台130aに載置された原稿を読み取るか又は原稿送り装置160にて搬送される原稿Gを読み取って画像データを生成する。
【0036】
画像形成装置本体101は、光走査装置1、現像装置2、感光体ドラム3、ドラムクリーニング装置4、帯電器5、中間転写ベルト装置70、2次転写装置11、定着装置12、シート搬送路S、給紙カセット18、シート排出トレイ141を備えている。
【0037】
画像形成装置100では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像、又は、単色(例えば、ブラック)を用いたモノクロ画像に応じた画像データが扱われる。
【0038】
画像形成装置100の画像転写部50は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色に対応する4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdを有している。これら画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdは、それぞれ、現像装置2、感光体ドラム3、ドラムクリーニング装置4及び帯電器5を備え、これら画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdにより4種類のトナー像が形成される。つまり、現像装置2、感光体ドラム3、ドラムクリーニング装置4及び帯電器5は、4つずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ及びイエローに対応付けられている。
【0039】
光走査装置1は、感光体ドラム3の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置2は、感光体ドラム3の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム3の表面にトナー像を形成する。ドラムクリーニング装置4は、感光体ドラム3の表面の残留トナーを除去及び回収する。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる。上述した一連の動作によって、各感光体ドラム3の表面に各色のトナー像が形成される。
【0040】
中間転写ベルト装置70は、中間転写ローラ6、無端状の中間転写ベルト71、中間転写駆動ローラ72、中間転写従動ローラ73及びクリーニング装置9を備えている。中間転写ベルト71は、周回移動可能な無端状のベルトであり、中間転写駆動ローラ72及び中間転写従動ローラ73に巻きかけられている。つまり、中間転写駆動ローラ72及び中間転写従動ローラ73は、中間転写ベルト71を張架している。中間転写ローラ6は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4つずつ中間転写ベルト71の内側に設けられている。中間転写ローラ6は、感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像を、周方向Cに駆動している中間転写ベルト71に転写する。
【0041】
画像形成装置100は、各感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像を順次転写して重ね合わせて、中間転写駆動ローラ72及び中間転写従動ローラ73に張架された中間転写ベルト71の表面にカラーのトナー像を形成する。クリーニング装置9は、シートPに転写されずに中間転写ベルト71の表面に残った廃トナーを除去及び回収する。
【0042】
2次転写装置11は、2次転写ローラ11aと中間転写ベルト71との間に転写ニップ領域TNを形成しており、シート搬送路Sを通じて搬送されてきたシートPを転写ニップ領域TNに挟み込んで搬送する。シートPは、転写ニップ領域TNを通過する際に、中間転写ベルト71の表面のトナー像が転写されて定着装置12に搬送される。
【0043】
定着装置12は、シートPを挟んで回転する定着ローラ31及び加圧ローラ32を備えている。定着装置12は、定着ローラ31及び加圧ローラ32の間にトナー像が転写されたシートPを挟み込んで加熱及び加圧し、トナー像をシートPに定着させる。
【0044】
給紙カセット18は、画像形成に使用するシートPを蓄積しておくためのカセットであり、光走査装置1の下側に設けられている。シートPは、ピックアップローラ16によって給紙カセット18から引き出されて、シート搬送路Sに搬送される。シート搬送路Sに搬送されたシートPは、2次転写装置11や定着装置12を経由し、排出ローラ17に搬送され、排出部140におけるシート排出トレイ141に排出される。シート搬送路Sには、搬送ローラ13、レジストローラ14及び排出ローラ17が配置されている。搬送ローラ13は、シートPの搬送を促す。レジストローラ14は、シートPを一旦停止させて、シートPの先端を揃える。レジストローラ14は、一旦停止したシートPを中間転写ベルト71上のカラートナー像のタイミングに合わせて搬送する。中間転写ベルト71上のカラートナー像は、中間転写ベルト71と2次転写ローラ11aとの間の転写ニップ領域TNでシートPに転写される。
【0045】
なお、図1では、給紙カセット18が1つとされているがこれに限定されず、複数の給紙カセット18を設けた構成とし、それぞれに異なる種類のシートPを積載してもよい。
【0046】
また、画像形成装置100は、シートPの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、シートPを排出ローラ17からシート反転経路Srに逆方向に搬送する。画像形成装置100は、逆方向に搬送されたシートPの表裏を反転し、レジストローラ14に再度導く。また、画像形成装置100は、レジストローラ14に導かれたシートPを表面と同様にして裏面に画像形成し、シート排出トレイ141に搬出する。
【0047】
次に、現像装置2の構成について図面を用いて説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における現像装置の概略構成を透視的に示す正面図である。
【0048】
現像装置2は、現像ローラ21、撹拌部材22、搬送部材23、24及び現像槽26を備えている。現像ローラ21は、感光体ドラム3と対向して配置されている。撹拌部材22、搬送部材23、24は、Y軸方向に沿って伸びる構成であり、Y軸方向に沿った回転軸を有し、図示していないがモータ等の駆動源により回転駆動している。
【0049】
また、現像槽26は、トナーと磁性体キャリアとを含む2成分現像剤(以下、現像剤27という)を収容している。搬送部材23、24は、現像槽26内に位置し、いずれも現像槽26の内側の壁面から離間して配置されている。搬送部材23、24はいずれも外側に搬送羽根を備え、搬送部材23、24が回転することにより、現像槽26内の現像剤27は、現像槽26内を循環して搬送される。現像剤27は、搬送部材23、24により現像槽26内を搬送されて、回転する現像ローラ21の外周面に汲み上げられて担持される。そして、現像ローラ21に担持された現像剤27中のトナーが感光体ドラム3の表面へと移動する。
【0050】
具体的には、現像ローラ21及び感光体ドラム3が近接する箇所において、現像ローラ21の外周面に担持された現像剤27が感光体ドラム3と接触する。現像ローラ21には現像バイアス電圧が印加されており、現像ローラ21に担持された現像剤27から感光体ドラム3の外周面の静電潜像へ、トナーが供給される。なお、感光体ドラム3も回転駆動している。
【0051】
ここで、現像槽26内において現像剤27は撹拌部材22により撹拌されている。撹拌部材22の構成の詳細は後述するが、撹拌部材22は複数の略楕円形状の羽根を有しており、撹拌部材22が回転駆動することにより、現像剤27はこれら羽根によってY軸方向に揺すられるように撹拌される。現像剤27は、撹拌部材22によって撹拌されることにより、十分に帯電される。それにより、感光体ドラム3の表面に好ましいトナー像が形成され、シートPに形成される画像において高画質を実現できる。
【0052】
さらに、詳細は後述するが、撹拌部材22において、回転軸80において、それぞれ複数の第1羽根81及び第2羽根82が設置され(図3を参照)、これらが回転軸80と一体となって回転することにより、現像剤27がY軸方向に沿って揺すられるように撹拌されるが、第1羽根81及び第2羽根82のそれぞれにおいて、現像剤27を揺する方向が互いに反対方向となる。つまり、第1羽根81が現像剤27をY軸正方向に移動させているときは、第2羽根82が現像剤27をY軸負方向に移動させ、第1羽根81が現像剤27をY軸負方向に移動させているときは、第2羽根82が現像剤27をY軸正方向に移動させる。これにより、現像剤27の液面に波立ちが生じることを抑制することができる。これにより、現像ローラ21が担持する現像剤27にムラが生じて、感光体ドラム3に形成されるトナー像に濃度ムラが生じることを抑制することができる。このため、シートPに形成される画像の画質低下を抑制し、高画質とすることができる。
【0053】
図面を参照して、撹拌部材22の構成について説明する。図3は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の撹拌部材の構成を示す側面図である。図4は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の撹拌部材の構成を示す拡大側面図である。図5は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の撹拌部材の構成を示す図であり、回転軸に対する第1羽根及び第2羽根の傾斜角度がわかる状態の拡大側面図である。図6は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の撹拌部材の概略構成を示す正面図である。
【0054】
図3に示すように、撹拌部材22は、円柱状の回転軸80と、回転軸80の周りを覆うように配置された複数の第1羽根81及び複数の第2羽根82と、を備えている。第1羽根81及び第2羽根82はいずれも平板状であり、第1羽根81は中心に回転軸80が配置されて外形が略楕円状であり、第2羽根82は中心に回転軸80が位置する略楕円の輪状である。つまり、第1羽根81は、回転軸80を中心として回転軸80の全周を囲むように回転軸80の側面に接触して設置され、第2羽根82は、回転軸80を中心として回転軸80の全周を囲むように、回転軸80の側面から離間して設置され、輪状である。
【0055】
このような撹拌部材22において、回転軸80の伸長方向であるY軸方向に沿った軸を回転中心として回転軸80が回転することにより、回転軸80と一体となって第1羽根81及び第2羽根82が回転する。このように、撹拌部材22が回転することにより、現像槽26内の現像剤27が撹拌される。
【0056】
撹拌部材22において、第1羽根81はY軸方向に沿って回転軸80に複数形成されており、第2羽根82もY軸方向に沿って回転軸80に複数形成されている。各第1羽根81の外側に、対応する第2羽根82が配置されており、第1羽根81及び第2羽根82は、回転軸80に対して互いに反対方向に傾斜している。このように、複数の第1羽根81及び複数の第2羽根82が設置されていることにより、これらが回転することにより、Y軸方向に沿って現像剤27が揺らされて撹拌されることになる。なお、上述したように、この際、第1羽根81により現像剤27が揺らされる方向と、第2羽根82により現像剤27が揺らされる方向とが互いに反対方向となることから、現像剤27の液面の波立ちを抑制して撹拌することができる。
【0057】
図4図6を参照して、撹拌部材22の構成の詳細について説明する。ここで、図4及び図5は、いずれも撹拌部材22の側面拡大図であり、撹拌部材22をX軸方向に沿って見た拡大図であるが、回転軸80の回転状態によって第1羽根81及び第2羽根82の位置が異なって見えている。また、図6は、撹拌部材22を、Y軸正方向側から見た図であり、第1羽根81及び第2羽根82の外形はいずれも略円形状に見えている。
【0058】
特に、図5に示すように、第1羽根81は回転軸80に対して角度θ1(180度-θ1)で傾斜ており、隣接する第1羽根81同士の間隔は距離t1である。また、第2羽根82は回転軸80に対して角度θ2(180度-θ2)で傾斜しており、隣接する第2羽根82同士の間隔は距離t2である。図3~5に示すように、第1羽根81及び第2羽根82は、いずれも回転軸80に対して傾斜しているが、傾斜する方向が互いに反対である。例えば、図5において、第1羽根81は左側が上で右側が下となるように傾斜しており、第2羽根82は右側が上で左側が下となるように傾斜している。ここで、第1実施形態において、角度θ1及び角度θ2は同一の値であり、距離t1及び距離t2も同一の値である。
【0059】
このような撹拌部材22が回転することにより現像剤27を撹拌する際に、現像剤27の液面の波立ちが抑制される。この理由について、以下に説明する。図4において、第1羽根81のうち互いに隣接する第1羽根81を、第1羽根81a及び第1羽根81bとし、第2羽根82のうち互いに隣接する第2羽根82を、第2羽根82a及び第2羽根82bとする。なお、第1羽根81aと第2羽根82aとは互いに対応し、第1羽根81bと第2羽根82bとは互いに対応する。現像槽26内の現像剤27は、回転軸80が回転して第1羽根81a及び第1羽根81bが回転すると、第1羽根81a及び第1羽根81bが回転軸80に対して傾斜していることから、第1羽根81a及び第1羽根81bの間に存在する現像剤27は、Y軸正方向への移動と、Y軸負方向への移動と、を交互に行うこととなる。つまり、現像剤27は、Y軸方向に揺らされながら撹拌される。
【0060】
また、回転軸80が回転して第2羽根82aが回転すると、第2羽根82a及び第2羽根82bが回転軸80に対して傾斜していることから、第2羽根82a及び第2羽根82bの間に存在する現像剤27も、Y軸正方向への移動と、Y軸負方向への移動と、を交互に行うこととなる。つまり、現像剤27は、Y軸方向に揺らされながら撹拌される。
【0061】
ここで、第1羽根81(第1羽根81a及び第1羽根81b)と、第2羽根82(第2羽根82a及び第2羽根82b)とは、上述したように傾斜方向が異なることから、互いに、現像剤27を揺らす方向が異なる。具体的には、第1羽根81(第1羽根81a及び第1羽根81b)によって現像剤27がY軸正方向へ移動させられている際は、第2羽根82(第2羽根82a及び第2羽根82b)によって現像剤27がY軸負方向へ移動させられている。また、第1羽根81(第1羽根81a及び第1羽根81b)によって現像剤27がY軸負方向へ移動させられている際は、第2羽根82(第2羽根82a及び第2羽根82b)によって現像剤27がY軸正方向へ移動させられている。このように、第1羽根81及び第2羽根82は、現像剤27を揺らす方向が互いに反対である。これにより、撹拌部材22によれば、現像剤27の液面の波立ちを抑制しながら、現像剤27を十分に撹拌することができる。
【0062】
第1羽根81の外側の形は略楕円形状であり、長軸の長さは長さa1であり、短軸の長さは長さb1である。また、第2羽根82の内側の形は略楕円状であり、長軸の長さは長さa2であり、短軸の長さは長さb2である。ここで、第1実施形態において、長さa1及び長さa2は同一の値であり、長さb1及び長さb2も同一の値である。なお、長さa1は長さa2以下であればよく、長さb1は長さb2以下であればよい。つまり、第1羽根81の外径は、輪状である第2羽根82の内径以下とすればよい。第1羽根81及び第2羽根82を、このような寸法とすることにより、撹拌部材22を金型により樹脂成型する際に、容易にはずすことができる金型を設計することができる。したがって、金型の設計や製作のコストを抑制することができる。なお、図6に示すように、Y軸方向に沿って撹拌部材22を見た場合は、第1羽根81の外形は略円形であり、第2羽根82は略円形の輪状に見える。
【0063】
また、第2羽根82は上述したように輪状であることから、現像剤27の撹拌時に、現像剤27が輪状の内側を流通することとなり、現像剤27に対してより十分な撹拌が行われることとなり、現像剤27に対する撹拌部材22の撹拌性能がより向上する。
【0064】
以上、第1実施形態に係る画像形成装置100について説明したが、撹拌部材22における各部材の形状や寸法等は、上述の記載に限定されるわけではない。角度θ1、θ2の値、距離t1、t2の値、長さa1、a2、b1、b2の値は、撹拌部材22の使用状況等に応じて、適宜設定されることとすればよい。
【0065】
また、撹拌部材22における第1羽根81及び第2羽根82の数や、第1羽根81及び第2羽根82の形状についても、使用状況等に応じて、適宜設定されることとすればよい。
【0066】
撹拌部材22が、回転することにより、現像剤27を揺らしながら撹拌し、現像剤27を揺らす方向が、互いに反対方向となるようにする第1羽根81及び第2羽根82を備えることとすればよく、第1実施形態の構成に限定されるわけではない。これにより、現像槽26内の現像剤27の液面に波立ちが生じることを抑制することができる。そのため、現像ローラ21が担持する現像剤27の濃度ムラを抑制し、感光体ドラム3の表面に形成されるトナー像の濃度ムラを抑制することができる。したがって、シートPに形成される画像に濃度ムラ等の不具合が生じることを抑制し、高画質を実現できる。
【0067】
また、第1羽根81及び第2羽根82は、螺旋状の羽根のように連続している構成ではないことから、現像剤27の粉砕性が高く、現像剤27に対する撹拌性能が高い。
【0068】
(第2実施形態)
本発明の第1実施形態について上述したが、第1実施形態以外の形態について、以下に説明する。
【0069】
なお、第2実施形態については、第1実施形態において撹拌部材22の代わりに、撹拌部材122を備えた構成であり、撹拌部材122以外の構成は、第1実施形態と同様である。そのため、以下では、撹拌部材122について説明し、その他の構成については説明を省略する。なお、座標についても、第1実施形態と同様とする。
【0070】
図面を参照して、第2実施形態に係る撹拌部材122について説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の撹拌部材の構成を示す拡大側面図である。図8は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の撹拌部材の概略構成を示す正面図である。
【0071】
図7に示すように、撹拌部材122は、円柱状の回転軸180と、回転軸180の周りを覆うように配置された複数の第1羽根181及び複数の第2羽根182と、を備えている。第1羽根181及び第2羽根182はいずれも平板状であり、第1羽根181は中心に回転軸180が配置されて外形が略半楕円状であり、第2羽根182は中心に回転軸180が位置する略楕円の半輪状である。なお、図7は、撹拌部材122の一部を示しているが、図7に示す以外の回転軸180においても、図7で示しているように、第1羽根181及び第2羽根182が配置されている。
【0072】
また、図8に示すように、回転軸180は、回転軸180の側面の周方向に沿って略180度(半周分)の範囲であり、回転軸180の伸長方向であるY軸方向に沿って伸びる第1領域183、及び、回転軸180の側面であって第1領域183以外の領域である第2領域184を有している。これら第1領域183及び第2領域184のそれぞれにおいてY軸方向に沿って第1羽根181が等間隔で配置されている。つまり、第1羽根181は、回転軸180を中心として回転軸180の略半周を囲むように、回転軸180の側面に接触して設置され、第1領域183及び第2領域184に、それぞれ設置されている。なお、第1羽根181は、回転軸180に対して傾斜して配置されている。
【0073】
ここで、例えば第1領域183側から撹拌部材122を見た場合に、第1領域183に配置された第1羽根181と、回転軸180の奥側に見える第2領域184に配置された第1羽根181とでは、回転軸180に対して互いに反対側に傾斜しているように見える。ただし、これら第1領域183及び第2領域184のいずれに配置された第1羽根181であっても、撹拌部材122の回転時に現像剤27を揺らす方向は同一である。
【0074】
また、各第1羽根181の外周側に、対応する第2羽根182が配置されている。第2羽根182は半輪状であり、回転軸180に対して傾斜している。つまり、第2羽根182は、回転軸180を中心として回転軸180の略半周を囲むように、回転軸180の側面から離間して設置され、半輪状である。
【0075】
なお、回転軸180に対して、第2羽根182は、対応する第1羽根181とは反対方向に傾斜している。ここで、第1領域183側から撹拌部材122を見た場合に、第1領域183側に配置された第2羽根182と、回転軸180の奥側に見える第2領域184側に配置された第2羽根182とでは、第1羽根181と同様に、回転軸180に対して互いに反対側に傾斜しているように見える。ただし、これら第1領域183側及び第2領域184側のいずれに配置された第2羽根182であっても、撹拌部材122の回転時に現像剤27を揺らす方向は同一である。
【0076】
そして、撹拌部材122が回転したときに、現像剤27を揺らす方向は、第1羽根181と、第2羽根182とでは、互いに異なる。つまり、第1羽根181によって現像剤27がY軸正方向へ移動させられている際は、第2羽根182によって現像剤27がY軸負方向へ移動させられている。また、第1羽根181によって現像剤27がY軸負方向へ移動させられている際は、第2羽根182によって現像剤27がY軸正方向へ移動させられている。このように、第1羽根181及び第2羽根182は、現像剤27を揺らす方向が互いに反対である。れにより、撹拌部材122によれば、現像剤27の液面の波立ちを抑制しながら、現像剤27を十分に撹拌することができる。
【0077】
第1羽根181の外側の形は略半楕円形状であり、第2羽根82の内側の形は略半楕円状である。ここで、第1羽根181の外径は、半輪状である第2羽根82の内径以下とすればよい。第1羽根181及び第2羽根182を、このような寸法とすることにより、撹拌部材122を金型により樹脂成型する際に、容易にはずすことができる金型を設計することができる。したがって、金型の設計や製作のコストを抑制することができる。なお、図8に示すように、Y軸方向に沿って撹拌部材22を見た場合は、第1羽根181の外形は略半円形であり、第2羽根182は略円形の半輪状に見える
また、第2羽根182は上述したように半輪状であることから、現像剤27の撹拌時に、現像剤27が半輪状の内側を流通することとなり、現像剤27に対してより十分な撹拌が行われることとなり、現像剤27に対する撹拌部材122の撹拌性能がより向上する。
【0078】
第1羽根181及び第2羽根182の形状や寸法等は、撹拌部材122が回転することにより、現像剤27を揺らしながら撹拌し、現像剤27を揺らす方向が、互いに反対方向となるように、適宜設定されることとすればよい。
【0079】
以上、第2実施形態に係る撹拌部材122について説明したが、この撹拌部材122により、現像槽26内の現像剤27の液面に波立ちが生じることを抑制することができる。これにより、現像ローラ21が担持する現像剤27の濃度ムラを抑制し、感光体ドラム3の表面に形成されるトナー像の濃度ムラを抑制することができる。したがって、シートPに形成される画像に濃度ムラ等の不具合が生じることを抑制し、高画質を実現できる。
【0080】
また、第1羽根181及び第2羽根182は、螺旋状の羽根のように連続している構成ではないことから、現像剤27の粉砕性が高く、現像剤27に対する撹拌性能が高い。
【0081】
以上、本発明に係る第1、第2実施形態に係る画像形成装置について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるわけではない。撹拌部材22、122は、回転することにより現像剤27を揺らしながら撹拌し、現像剤27を揺らす方向が、互いに反対方向となるようにする第1羽根81、181及び第2羽根82、182が設けられている構成とすれば、これら以外の形態であってもかまわない。
【0082】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0083】
1 光走査装置
2 現像装置
3 感光体ドラム
4 ドラムクリーニング装置
5 帯電器
6 中間転写ローラ
9 クリーニング装置
11 2次転写装置
11a 2次転写ローラ
12 定着装置
13 搬送ローラ
14 レジストローラ
16 ピックアップローラ
17 排出ローラ
18 給紙カセット
21 現像ローラ
23、24 搬送部材
22、122 撹拌部材
26 現像槽
27 現像剤
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
50 画像転写部
70 中間転写ベルト装置
71 中間転写ベルト
72 中間転写駆動ローラ
73 中間転写従動ローラ
80、180 回転軸
81、181 第1羽根
82、182 第2羽根
100 画像形成装置
101 画像形成装置本体
102 画像読取装置
130 画像読取部
130a 原稿載置台
130b 原稿読取部
130c 走査光学系
141 シート排出トレイ
160 原稿送り装置
161 原稿載置トレイ
162 原稿排出トレイ
183 第1領域
184 第2領域
C 周方向
G 原稿
P シート
Pa、Pb、Pc、Pd 画像ステーション
S シート搬送路
Sr シート反転経路
TN 転写ニップ領域
t1、t2 距離
a1、a2、b1、b2 長さ
θ1、θ2 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8