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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125857
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/62 20060101AFI20230831BHJP
   F24F 6/00 20060101ALI20230831BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20230831BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20230831BHJP
   C01B 13/10 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
F04D29/62 B
F24F6/00 B
F24F6/00 E
F24F8/80 242
F04D25/08 307E
C01B13/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030198
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 克浩
(72)【発明者】
【氏名】内村 謙介
(72)【発明者】
【氏名】浦 治久
(72)【発明者】
【氏名】山本 明
【テーマコード(参考)】
3H130
3L055
4G042
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB02
3H130AB26
3H130AB45
3H130AC11
3H130AC25
3H130BA69H
3H130BA69Z
3H130BA76A
3H130DA02Z
3H130DD01Z
3H130DF00Z
3H130DG01Z
3H130DJ01Z
3H130EA03Z
3L055DA05
3L055DA14
4G042CA01
(57)【要約】
【課題】ユーザがルーバを手動で特定位置に移動可能な送風装置を提供することである。
【解決手段】送風装置100は、送風部70と、筐体10と、第1通風路21と、ガイドレール30と、ルーバ40と、第1係合部33と、第2係合部441とを備える。筐体10は、風を外部に吹き出す吹出口111を有し、送風部70を収容する。第1通風路21は、送風部70の送風口712から吹出口111まで延びる。ガイドレール30は、第1通風路21において吹出口111に沿って延びる。ルーバ40は、ガイドレール30に沿って移動可能である。第1係合部33は、ガイドレール30に設けられる。第2係合部441は、ルーバ40に設けられ、第1係合部33と係合する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風を送出する送風口を有する送風部と、
風を外部に吹き出す吹出口を有し、前記送風部を収容する筐体と、
前記送風口から前記吹出口まで延びる第1通風路と、
前記第1通風路において前記吹出口に沿って延びるガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って移動可能なルーバと、
前記ガイドレールに設けられる第1係合部と、
前記ルーバに設けられ、前記第1係合部と係合する第2係合部と
を備える、送風装置。
【請求項2】
前記ガイドレールは、前記筐体の前後方向に延び、
前記送風口は、前記吹出口よりも下方に位置し、前記吹出口における後方領域と鉛直方向に重なり、
前記ルーバは、前記ガイドレールの前端に位置した状態で、前記吹出口において前記送風口の上方領域を開放する、請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記第1通風路は、前記筐体の後方に向かって水平方向に対し斜め上方に凸状に湾曲する第1湾曲面を有し、
前記第1湾曲面は、前記第1通風路における前方及び後方のうち前方に位置し、
前記ルーバは、前記第1湾曲面に沿って湾曲する第2湾曲面を有する、請求項1又は請求項2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記吹出口は、上方を向いており、
前記ガイドレールは、前記筐体の前後方向に延び、
前記第1係合部が前記第2係合部に係合した状態において、前記ルーバは、前記吹出口の前方領域及び後方領域を開放し、
前記前方領域の開口面積は、前記後方領域の開口面積より大きい、請求項1に記載の送風装置。
【請求項5】
前記送風部に設けられ、放電因子を発生する放電部を更に備え、
前記前後方向における前記ルーバの寸法は、下方ほど小さく、
前記放電部は、前記前後方向において、前記第1係合部が前記第2係合部に係合した状態で前記ルーバの下端よりも前方に位置する、請求項4に記載の送風装置。
【請求項6】
前記筐体は、空気の吸込口を更に有し、
前記吸込口から前記送風部まで延びる第2通風路と、
前記第2通風路に設けられた加湿部と、
前記加湿部に供給される水を貯留可能なタンクと、
前記タンクに貯留されている水が前記加湿部に供給される状態で前記送風部を動作させる第1運転モードと、前記加湿部に供給されない状態で前記送風部を動作させる第2運転モードとを選択的に実行する制御部と
を更に備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の送風装置。
【請求項7】
前記第1通風路と前記第2通風路とを連通する第3通風路を更に備える、請求項6に記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、送風装置が記載されている。送風装置において風の吹出口には、ルーバが設けられている。ルーバは、モータの動力により、吹出口に対する位置を変更する。その結果、吹出口から吹き出される風の向きが調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6938622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、送風装置の中には、手動ルーバを備えるものがある。手動ルーバは、吹出口に対し位置決めされる際、ユーザの手により操作される。従って、手動ルーバには、吹出口に対して精密に位置決めすることが難しいという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザが吹出口に対して精密に位置決め可能なルーバを備える送風装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面における送風装置は、送風部と、筐体と、第1通風路と、ガイドレールと、ルーバと、第1係合部と、第2係合部とを備える。前記送風部は、風を送出する送風口を有する。前記筐体は、風を外部に吹き出す吹出口を有し、前記送風部を収容する。前記第1通風路は、前記送風口から前記吹出口まで延びる。前記ガイドレールは、前記第1通風路において前記吹出口に沿って延びる。前記ルーバは、前記ガイドレールに沿って移動可能である。前記第1係合部は、前記ガイドレールに設けられる。前記第2係合部は、前記ルーバに設けられ、前記第1係合部と係合する。
【発明の効果】
【0007】
上記局面によれば、ユーザは、ルーバを吹出口に対して精密に位置決めできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る送風装置の外観を示す斜視図である。
図2図1に示す線II-IIに沿う送風装置の断面図である。
図3図1に示す線III-IIIに沿う送風装置の断面図である。
図4図1に示す第1通風路及びガイドレールの拡大図である。
図5図1に示す第1通風路、ガイドレール及びルーバの拡大図である。
図6図5に示すルーバの斜視図である。
図7図6に示す線VII-VIIに沿うルーバの断面図である。
図8図3に示す線VIII-VIIIに沿う筐体及びルーバの断面図であって、ルーバが吹出口の前端に位置する状態を示す図である。
図9図3に示す線VIII-VIIIに沿う筐体及びルーバの断面図であって、ルーバが吹出口の前端及び後端から離れて位置する状態を示す図である。
図10】変形例に係る送風装置の第3通風路を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明に係る送風装置について説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、各図には、送風装置が有する筐体の左右方向X、前後方向Y及び上下方向Zが矢印で示されている。
【0010】
(実施形態)
図1から図9を参照して本発明の実施形態に係る送風装置100を説明する。
【0011】
図1は、送風装置100の外観を示す斜視図である。送風装置100は、例えば加湿機である。図1に示されるように、送風装置100は、筐体10と、第1通風路21と、一対のガイドレール30と、ルーバ40と、タンク50とを備えている。なお、図1には、ガイドレール30の一方のみが示されている。
【0012】
筐体10は、略直方体の形状である。筐体10は、第1天板11と、第2天板16と、底板12と、前面パネル13と、後面パネル14と、一対の側板15とを有する。第1天板11及び第2天板16は、筐体10の上面を規定する。第2天板16は、第1天板11の前方に位置する。第1天板11及び第2天板16と、底板12との間には、前面パネル13、後面パネル14、及び一対の側板15の各々が配置されている。
【0013】
第2天板16は、吹出口111を有する。吹出口111は、風を筐体10の外部に吹き出すための開口である。吹出口111は、上方に向けて開放されている。吹出口111は、平面視で略矩形形状である。吹出口111の前端は、左右方向Xに沿って延びている。
【0014】
第1天板11は、操作部112を有する。操作部112は、少なくとも運転開始ボタンを含む。運転開始ボタンは、ユーザ操作に応じて運転開始信号を出力する。運転開始信号は、送風装置100の運転を開始させるためのコマンドである。
【0015】
第1通風路21は、吹出口111から下方に延びる。第1通風路21は、第1湾曲面212と、後面213と、一対の側面214とを有する。第1湾曲面212は、第1通風路21の前端を規定する。後面213は、第1通風路21の後端を規定する。一対の側面214は、第1通風路21の左右端を規定する。第1通風路21の下端には、開口215が形成されている。開口215は、平面視で略矩形形状である。開口215は、下方に向けて開放されている。開口215には、格子状のガード211が設けられている。ガード211により、ユーザの指等が開口215より下方に進入することが防止される。第1通風路21には、一対のガイドレール30及びルーバ40の各々が設けられる。ガイドレール30及びルーバ40の詳細については後述する。
【0016】
前面パネル13は、第2天板16の前端と、底板12より上方の位置との間に配置される。前面パネル13の下端と、底板12の前端との間には、挿入口131が形成される。前面パネル13及び挿入口131の各々は、正面視で略矩形形状である。挿入口131は、前方に向かって開放されている開口である。なお、挿入口131は、図2を参照して以下で更に詳細に説明される。
【0017】
図2は、図1に示す線II-IIに沿う送風装置100の断面図である。なお、図2では、図示を簡素化するために、前面パネル13は示されていない。図2に示されるように、タンク50は、略直方体形状の箱体である。但し、タンク50の上端には、上方に向かって開放されている開口が形成されている。タンク50は、水を貯留可能である。水は、ユーザにより補充される。また、タンク50は、ユーザ操作により前後方向Yに移動する。タンク50は、後方への移動により、挿入口131を通じて筐体10内に装着される。タンク50は、前方への移動により、挿入口131を通じて筐体10外に取り外される。
【0018】
後面パネル14は、第1天板11の後端と、底板12との間に配置される。後面パネル14は、吸込口141と、フィルタ部142とを有する。吸込口141は、空気を筐体10内に吸い込むために設けられている。吸込口141は、上下方向Zにおいてタンク50より上方に形成されている。吸込口141には、フィルタ部142が設けられる。フィルタ部142は、脱臭フィルタ及び集塵フィルタのうち、少なくとも1つを含む。
【0019】
送風装置100は、加熱部61と、加湿部62と、送風部70とを更に備えている。加熱部61と、加湿部62と、送風部70とは、筐体10に収容される。
【0020】
加熱部61は、タンク50における後端付近の直上で、フィルタ部142に沿って左右方向Xに延びている。加熱部61は、加熱部61を上下方向Zに通過する空気を加熱する。
【0021】
加湿部62は、タンク50内において前端及び後端の略中央で、タンク50の左端から右端まで延びている。また、加湿部62は、前後方向Yにおいて加熱部61より前方に位置し、上下方向Zにおいて加熱部61より下方に位置する。加湿部62は、加湿部62を前後方向Yに通過する空気を加湿する。
【0022】
送風部70は、例えばシロッコファンである。送風部70は、上下方向Zにおいて、加湿部62の上端と、開口215との間に位置する。送風部70は、前後方向Yにおいて、加熱部61の前端と、前面パネル13(図1参照)との間に位置する。詳細には、送風部70は、前面パネル13から後方に離れている。
【0023】
詳細には、送風部70は、ケーシング71と、羽根車72と、モータ73とを有している。
【0024】
ケーシング71は、略直方体形状を有しており、羽根車72と、モータ73とを収容する。ケーシング71は、吸気口711と、送風口712とを有する。吸気口711は、ケーシング71の前壁を貫通する孔である。送風口712は、ケーシング71の上壁を貫通する孔である。送風口712は、第1通風路21の開口215と連通する。第1通風路21は、送風口712から吹出口111まで延びる。送風口712は、吹出口111よりも下方に位置する。また、送風口712は、吹出口111における後方領域と鉛直方向において重なっている。即ち、送風口712は、平面視で吹出口111の後方領域と上下方向Zにおいて重なっている。詳細には、送風口712の前端は、吹出口111の前端より後方に位置する。送風口712の後端は、吹出口111の後端と同じ位置にある。
【0025】
ここで、第2通風路22について説明する。筐体10は、第2通風路22を備える。第2通風路22は、吸込口141から送風部70まで延びている。詳細には、第2通風路22は、第1室221と、第2室222と、第3室223とを有する。第1室221は、筐体10内において加熱部61より上方であり且つ送風部70より後方の空間である。第2室222は、筐体10内において加熱部61より下方であり且つ加湿部62より後方の空間である。第3室223は、筐体10内において加湿部62及び送風部70の前方の空間である。
【0026】
羽根車72は、モータ73からの動力により、前後方向Yに沿って延びる回転軸周りに回転する。羽根車72の回転により、送風部70は、吸気口711から空気を吸い込み、送風口712から風を送り出す。その結果、吸込口141から空気が筐体10内に吸い込まれ、筐体10内には気流が発生する。気流は、筐体10内で、第1室221、加熱部61、第2室222、加湿部62、第3室223、吸気口711、ケーシング71内、送風口712、及び第1通風路21を、この順に通過する。第1通風路21を通過した気流は、吹出口111から風として吹き出される。図2では、気流は、白抜きの矢印により示されている。
【0027】
加熱部61と加湿部62とは、第2通風路22に位置する。空気が第2通風路22に沿って流れる間に、加熱部61は、加熱部61を上方から下方へと通過する空気を加熱する。また、加湿部62は、タンク50から水が供給される場合には、加湿部62を後方から前方へと通過する空気を、タンク50からの水により加湿する。
【0028】
図3は、図1に示す線III-IIIに沿う送風装置100の断面図である。図3に示されるように、送風装置100は、放電部80と、制御部90とを更に備える。
【0029】
放電部80は、送風部70に設けられる。放電部80は、ケーシング71内で送風口712の直下の領域に、放電因子を発生する。詳細には、放電部80は、第1放電電極81と、第2放電電極82とを有する。第1放電電極81及び第2放電電極82の各々は、ケーシング71において送風口712の直下で、左右方向Xに延びている。第2放電電極82は、第1放電電極81より後方に離れている。第1放電電極81と、不図示の誘導電極との間に正の高電圧が印加されると、正イオンが発生する。第2放電電極82と、不図示の誘導電極との間に負の高電圧が印加されると、負イオンが発生する。正イオン及び負イオンは、放電因子の例である。放電因子は、吹出口111から風とともに放出される。
【0030】
制御部90は、プロセッサ及び各種メモリを含むハードウェア回路である。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。各種メモリは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)を含む。CPUは、ROM等に記憶された制御プログラムを実行し、加熱部61、送風部70、及び放電部80を動作させる。
【0031】
詳細には、制御部90は、第1運転モードと、第2運転モードとを選択的に実行する。第1運転モードでは、制御部90は、タンク50の水が加湿部62に供給される状態で送風部70及び放電部80を動作させる。更に詳細には、ユーザは、第1運転モードで送風装置100を動作させたい場合、タンク50に水が貯留された状態で、操作部112における運転開始ボタンを操作する。この操作に応じて、操作部112は、運転開始信号を制御部90に送信する。制御部90は、運転開始信号の受信をトリガーとして、加熱部61、送風部70、及び放電部80を動作させる。
【0032】
第2運転モードでは、制御部90は、タンク50の水が加湿部62に供給されない状態で送風部70及び放電部80を動作させる。詳細には、ユーザは、第2運転モードで送風装置100を動作させたい場合、タンク50が空の状態、又はタンク50を筐体10から抜去した状態で、操作部112における運転開始ボタンを操作する。この操作に応じて、制御部90は、送風部70、及び放電部80を動作させる。第2運転モードによれば、送風装置100の設置空間が過剰に加湿されることを抑制できる。
【0033】
図4は、図1に示す第1通風路21及び右側のガイドレール30の拡大図である。図4には、説明の便宜のため、基準面1111が示されている。基準面1111は、吹出口111の左右方向Xにおける中心を通過する。また、基準面1111は、前後方向Yと上下方向Zとに平行である。
【0034】
図4に示されるように、ガード211の前端211aは、前後方向Yにおいて吹出口111の前端111aより後方に位置する。また、前端211aは、前端111aと略平行である。
【0035】
第1湾曲面212は、第1通風路21における前方及び後方のうち前方に位置する。第1湾曲面212は、筐体10の後方に向かって水平方向に対し斜め上方に凸状に湾曲する。水平方向は、前後方向Y及び左右方向Xに略平行である。詳細には、第1湾曲面212は、前端111aと前端211aとの間で延びる。第1湾曲面212は、仮想平面216に対して凸状に湾曲する。仮想平面216は、前端111aと前端211aからまで延びる平坦面である。
【0036】
後面213は、吹出口111の後端111bとガード211の後端211bとの間で延びる平坦面である。
【0037】
一対の側面214の一方(即ち、右側の側面214)は、第1湾曲面212の右端212aと後面213の右端213aからまで延びる平坦面である。側面214の他方(即ち、左側の側面214)は、基準面1111に対して、右側の側面214と左右方向Xにおいて対称な形状である。
【0038】
図3及び図4に示されるように、一対のガイドレール30は、一対の側面214において吹出口111より下方の位置に形成されている。また、一対のガイドレール30は、第1通風路21において吹出口111に沿って前後方向Yに延びている。ガイドレール30の一方(即ち、右側のガイドレール30)は、右側の側面214における前端215aと後端215bとの間で前後方向Yに延びている。右側のガイドレール30は、右側の側面214に対して右方に凹んでいる。
【0039】
詳細には、右側のガイドレール30は、ガイド面301と、上面302とを有している。ガイド面301は、右側のガイドレール30の下面を規定する。上面302は、ガイド面301から上方に離れている。ガイド面301及び上面302の各々は、左右方向X及び前後方向Yに略平行であり、前後方向Yに長い略矩形形状である。
【0040】
送風装置100は、一対のガイドレール30に設けられる一対の第1係合部33を備える。詳細には、一対の第1係合部33の一方は、前係合部331と、後係合部332と、中間係合部333とを含む。前係合部331は、ガイド面301の前端に形成される。後係合部332は、ガイド面301の前端及び後端のうち後端に近い位置に形成される。中間係合部333は、前係合部331及び後係合部332のうち前係合部331に近い位置に形成される。前係合部331、後係合部332及び中間係合部333の各々は、一対の突起334を有する。突起334の各々は、ガイド面301から上方に突出する。また、一対の突起334は、前後方向Yに互いに離れている。
【0041】
一対のガイドレール30は、基準面1111に対して左右方向Xに互いに対称な形状である。一対の第1係合部33は、基準面1111に対して左右方向Xに互いに対称な形状である。
【0042】
図5は、図1に示す第1通風路21、ガイドレール30及びルーバ40の斜視図である。図5に示されるように、ルーバ40は、一対のガイドレール30に当接しつつ一対のガイドレール30に沿って前後方向Yに移動可能である。ルーバ40の移動により、吹出口111から吹き出される風の向きが変更される。
【0043】
図6は、図5に示すルーバ40の斜視図である。図7は、図6に示す線VII-VIIに沿うルーバの断面図である。図5から図7に示されるように、ルーバ40は、天板41と、第2湾曲面42と、後面43と、一対の側面44とを有する。
【0044】
天板41は、平面視で略矩形形状である。天板41は、左右方向Xにおいて吹出口111と略同じ寸法である。また、天板41の前後方向Yにおける寸法は、吹出口111の同方向における寸法より遥かに小さい。また、天板41の上面には、指掛け411が形成されている。指掛け411は、ユーザがルーバ40を移動させる際に指を掛けるための凹部である。
【0045】
図6に示されるように、第2湾曲面42は、天板41の前端41aと、天板41の後端41bから下方に離れた下端41cとの間で湾曲しながら延びている。詳細には、第2湾曲面42は、ルーバ40の後方に向かって水平方向に対し斜め上方に凹状に湾曲する。また、第2湾曲面42の形状は、第1湾曲面212の形状と略同一である。後面43は、天板41の後端41bと、第2湾曲面42の下端41cとの間で、左右方向X及び上下方向Zに略平行に延びている。従って、前後方向Yにおけるルーバ40の寸法は、上下方向Zにおける下方ほど小さくなっている。
【0046】
一対の側面44は、ルーバ40の左右両端付近から、第2湾曲面42の左右両端と後面43の左右両端とに沿って下方に延びている。一対の側面44は、基準面1111に対して左右方向Xにおいて互いに対称な形状である。
【0047】
また、図7に示されるように、天板41の前端41aは、第2湾曲面42の前端42aよりも下方に約1mm突出している。前端41aの形状により、第2湾曲面42に沿って吹出口111から吹き出される風がより前方に向かうように整流される。
【0048】
図6に示されるように、送風装置100は、一対の第2係合部441を一対の側面44に備える。詳細には、第2係合部441の一方(即ち、右側の第2係合部441)は、2個の突起441a,441bを含む。突起441a,441bは、略円柱形状の部材である。突起441a,441bは、側面44の一方(即ち、右側の側面44)から右方に突出している。突起441a,441bは、前後方向Yにおいて、前係合部331及び中間係合部333の間の距離に相当する距離だけ離れている。
【0049】
第2係合部441の他方(即ち、左側の第2係合部441)は、基準面1111に対して、右側の第2係合部441と左右方向Xにおいて対称な形状である。なお、図6には、左側の第2係合部441は示されていない。
【0050】
一対の第2係合部441は、第2湾曲面42が第1湾曲面212と前後方向Yに対向した状態で一対のガイドレール30に挿通される。その結果、一対の第2係合部441は、一対のガイドレール30におけるガイド面301に当接する。また、ユーザが指掛け411に指をかけてルーバ40に前後方向Yへの力を加えることで、一対の第2係合部441は、一対のガイド面301上でスライドしつつ、ルーバ40とともに前後方向Yに移動する。
【0051】
次に、図4から図8を参照して吹出口111から吹き出される風の向きについて説明する。図8は、図3に示すVIII-VIIIに沿う筐体10及びルーバ40の断面図であって、ルーバ40が吹出口111の前端に位置する状態を示す図である。ユーザがルーバ40に前向きの力を加えて吹出口111の前端に移動させる過程で、一対の第2係合部441(図6参照)は、一対の第1係合部33(図4参照)に係合する。詳細には、第2係合部441における突起441a(図6参照)は、前係合部331(図4参照)の突起334に当たった後に、二個の突起334の間に嵌まり込む。第2係合部441における突起441b(図6参照)は、中間係合部333(図4参照)の突起334に当たった後に、二個の突起334の間に嵌まり込む。この時の音又は感触は、ルーバ40を通じてユーザの耳又は指に伝わる。その結果、一対のガイドレール30上でのルーバ40の位置をユーザが認識できる。また、ユーザは、ルーバ40を吹出口111に対して精密に位置決めできる。
【0052】
また、図8に示されるように、ルーバ40が一対のガイドレール30の前端に位置した状態では、ルーバ40は、吹出口111において送風口712(開口215)の上方領域1112を開放する。また、ルーバ40において第2湾曲面42は、第1湾曲面212に沿って湾曲する。即ち、第2湾曲面42が第1湾曲面212と重なる。従って、上方領域1112の開口面積を最大化できる。なお、ルーバ40がガイドレール30の前端に位置した状態で、第2湾曲面42及び第1湾曲面212の間に大きな隙間ができると、上方領域1112の開口面積が最大にならない。
【0053】
また、ルーバ40が一対のガイドレール30の前端に位置した状態では、ルーバ40の後面43は、ガード211の前端211aから上下方向Zに沿って延びる。従って、送風口712と吹出口111との間では、ルーバ40が吹出口111の前端以外の位置にあるときよりも空気が流れやすい。よって、吹出口111からは上向きの風が最大風量で吹き出される。
【0054】
図9は、図3に示すVIII-VIIIに沿う筐体10及びルーバ40の断面図であって、ルーバ40が吹出口111の前端及び後端から離れて位置する状態を示す図である。ユーザがルーバ40を吹出口111の前端から後方へと移動させる過程で、一対の第2係合部441(図6参照)は、一対の第1係合部33(図4参照)に係合する。詳細には、突起441b(図6参照)は、後係合部332(図4参照)の突起334に当たった後に、二個の突起334の間に嵌まり込む。この場合も、一対のガイドレール30上でのルーバ40の位置をユーザが認識できる。また、ユーザは、ルーバ40を吹出口111に対して精密に位置決めできる。
【0055】
また、図9に示されるように、突起441b(図6参照)が後係合部332(図4参照)に係合した状態では、ルーバ40は、前方領域1113と、後方領域1114とを開放する。前方領域1113は、吹出口111においてルーバ40より前方の領域である。後方領域1114は、吹出口111においてルーバ40より後方の領域である。従って、送風口712から吹き出された風は、ルーバ40の下端により、前方に向かう第1風F1と、上方に向かう第2風F2とに分岐される。その後、第1風F1は、第1湾曲面212と第2湾曲面42との間を通過して、前方領域1113から前方へと吹き出される。第2風F2は、後面43と後面213との間を通過して、後方領域1114から上方へと吹き出される。ここで、後係合部332の位置は、前方領域1113の開口面積が後方領域1114の開口面積より大きくなるように定められる。その結果、前方領域1113から吹き出される風量は、後方領域1114から吹き出される風量より多くなる。
【0056】
また、突起441b(図6参照)が後係合部332(図4参照)に係合した状態では、前後方向Yにおいて、放電部80は、ルーバ40の下端より前方に位置する。また、送風部70は、送風口712から上向きの風を送り出す。従って、放電部80で生成された放電因子は、ルーバ40の下端よりも前方に送り込まれやすくなり、その結果、前方領域1113から前方に放出され易い。
【0057】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、複数の実施形態の複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0058】
(1)図10は、実施形態の変形例に係る送風装置100の第3通風路23を示す断面図である。図10に示されるように、送風装置100は、第3通風路23を備えている。第3通風路23は、第1通風路21と第2通風路22とを連通する。第3通風路23により、放電部80(図9参照)により生成された放電因子の一部は、第1通風路21、第3通風路23及び第2通風路22を通じて加湿部62へと導かれる。加湿部62は、放電因子により除菌及び脱臭される。従って、加湿部62が清潔に維持される。
【0059】
(2)実施形態では、第1係合部33において一対の突起334の間は下方に窪んでいた。この窪みの最下部は、ガイド面301よりも上方に位置してもよいし、下方に位置してもよい。また、第2係合部441は、図6に示されるように、一対の側面44から左右方向Xに突出する略円柱形状の突起441a,441bであった。しかし、これに限らず、第2係合部441は、天板41において左右方向Xの両端部から下方へと突出する突起であってもよい。
【0060】
(3)制御部90は、第1運転モード及び第2運転モードの少なくとも一方において、加熱部61及び放電部80の少なくとも一方を動作させなくともよい。
【0061】
(4)実施形態では、第1係合部33及び第2係合部441により、ルーバ40は、前後方向Yにおいて位置決めされていた。しかし、これに限らず、ルーバ40は、第1係合部33及び第2係合部441に加えて、ガード211に形成された突起により位置決めされてもよい。この場合、ルーバ40の下端がガード211に形成された突起に係合する。
【0062】
(5)また、ルーバ40は、吹出口111の後端に位置することもできる。ルーバ40が吹出口111の後端に位置する状態では、吹出口111から吹き出される風の向きを、前方及び上方のうち上方に近い角度(前方を基準として60°程度)とできる。
【0063】
(6)突起441b(図6参照)が後係合部332(図4参照)に係合した状態では、図9に示されるように、放電部80の全体が、前後方向Yにおいてルーバ40の下端より前方に位置していた。しかし、これに限らず、放電部80の一部が、前後方向Yにおいてルーバ40の下端より前方に位置するだけでもよい。詳細には、第1放電電極81及び第2放電電極82のうち第1放電電極81がルーバ40の下端より前方に位置するだけでもよい。
【0064】
(7)実施形態では、図7に示されるように、ルーバ40において、天板41の前端41aは、第2湾曲面42の前端42aより下方に突出していた。しかし、これに限らず、前端41aは、前端42aから下方に突出していなくともよい。例えば、前端41a及び前端42aは、上下方向Zにおいて互いに同じ位置にあってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、除湿機、送風機、空気清浄機等として利用可能である。
【符号の説明】
【0066】
100 送風装置
10 筐体
111 吹出口
1112 上方領域
1113 前方領域
1114 後方領域
14 後面パネル
141 吸込口
16 第2天板
21 第1通風路
212 第1湾曲面
22 第2通風路
23 第3通風路
30 ガイドレール
33 第1係合部
40 ルーバ
42 第2湾曲面
441 第2係合部
50 タンク
62 加湿部
70 送風部
71 ケーシング
712 送風口
80 放電部
90 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10