IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-加湿器および水受け部 図1
  • 特開-加湿器および水受け部 図2
  • 特開-加湿器および水受け部 図3
  • 特開-加湿器および水受け部 図4
  • 特開-加湿器および水受け部 図5
  • 特開-加湿器および水受け部 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125858
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】加湿器および水受け部
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20230831BHJP
   F24F 6/04 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
F24F6/00 A
F24F6/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030199
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】山本 明
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 克浩
(72)【発明者】
【氏名】内村 謙介
【テーマコード(参考)】
3L055
【Fターム(参考)】
3L055BA02
3L055DA01
(57)【要約】
【課題】給水を容易にし、水の飛び散りを抑制できる加湿器を提供する。
【解決手段】加湿器100は、本体部10と、水受け部60と、貯留部20とを備える。本体部10は、給水口14が形成された天面11を有する。水受け部60は、給水口14の下方に配置され、平面視で非円形状を有する。貯留部20は、水を貯留する。水受け部60は、第1縁部61と、第2縁部62と、傾斜部67とを有する。第2縁部62は、第1縁部61と対向する。傾斜部67は、第1縁部61と第2縁部62とを連結し、給水口14に向かって湾曲している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水口が形成された天面を有する本体部と、
前記給水口の下方に配置され、平面視で非円形状を有する水受け部と、
水を貯留する貯留部と
を備え、
前記水受け部は、
第1縁部と、
前記第1縁部と対向する第2縁部と、
前記第1縁部と第2縁部とを連結し、前記給水口に向かって湾曲している傾斜部と
を有する、加湿器。
【請求項2】
前記傾斜部は、
前記傾斜部の中央部分に形成され、水を受ける水受け面と、
前記水受け面から前記第1縁部及び前記第2縁部に向かって下方向へ傾斜する傾斜面と
を有する、請求項1に記載の加湿器。
【請求項3】
前記水受け部を収納する、有底形状の収納部をさらに備え、
前記収納部は、
底面と、
前記底面に設けられた穴部と
を有し、
前記収納部の底面は、前記穴部に向かって下方向に傾斜している、請求項1または請求項2に記載の加湿器。
【請求項4】
前記収納部は、
側面と、
前記側面から前記収納部の内側に向かって突出しているリブ部と
を有する、請求項3に記載の加湿器。
【請求項5】
前記水受け部は、前記収納部に着脱可能である、請求項3または請求項4に記載の加湿器。
【請求項6】
前記水受け部は、前記収納部と係合するための第1係合部を有し、
前記収納部は、前記水受け部と係合するための第2係合部を有する、請求項3から請求項5の何れか一項に記載の加湿器。
【請求項7】
前記収納部の前記穴部を介して前記収納部と連通し、前記給水口から給水された水を前記貯留部に導く水路をさらに備える、請求項3から請求項6の何れか一項に記載の加湿器。
【請求項8】
前記水路は筒状であって、
第1部材と、
前記第1部材に着脱可能な第2部材と
を有する、請求項7に記載の加湿器。
【請求項9】
前記貯留部の内側に配置される加湿フィルタをさらに備え、
前記貯留部は、前記水路を挟んで前記水受け部の反対側に配置され、
前記水路は、内側に湾曲部を有している、請求項7または請求項8に記載の加湿器。
【請求項10】
前記本体部は、前記水路を収納する部分に切欠部を有する、請求項7から請求項9の何れか一項に記載の加湿器。
【請求項11】
前記本体部の前記天面から前面にわたって着脱可能に取り付けられ、側面視でL字状のフロントパネルをさらに備える、請求項1から請求項10の何れか一項に記載の加湿器。
【請求項12】
前記フロントパネルは、前記本体部の前記給水口と対応する位置に形成され、前記給水口より小さい開口を有し、
前記フロントパネルの開口縁部は、前記水受け部の前記第1縁部及び第2縁部と、平面視で重なっている、請求項11に記載の加湿器。
【請求項13】
給水された水を受け、前記水を貯留する貯留部に前記水を案内するための、平面視で非円形状を有する水受け部であって、
第1縁部と、
前記第1縁部と対向する第2縁部と、
前記第1縁部と第2縁部とを連結し、前記水の給水方向と反対の方向に湾曲している傾斜部と
を備える水受け部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿器および水受け部に関する。
【背景技術】
【0002】
注水口の開口を大きく形成して、貯水容器に水を容易に補給することを可能とする加湿器が知られている。特許文献1に記載された加湿器は、壺の形状をしている。加湿器に水を補給する場合、加湿器の上方から注水口を介してドーム型の上部被覆に向けて水を注ぐ。円形の注水口の直径は従来の加湿器の注水口の直径よりかなり大きく形成されている。その結果、水を周囲にこぼすことなく容易に注ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6179948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の加湿器は、注水口を広くしているものの、ドーム型の上部被覆で注水口から注がれた水を受ける。つまり、ドーム型の頂点の一点で、水を概ね受けることとなる。その結果、ユーザーは、ドーム型の頂点を狙って水を注ぐ必要がある。また、ドーム型の頂点に注がれた水は、例えば、横方向に移動するスペースがあまりないため、傾斜面を伝って一気に流れる。言い換えれば、一旦上部被覆の頂点で水を受けても、水は速度をあまり落とすことなく流れてしまう。その結果、注いだ水の勢いを抑制できず、周囲に飛び散ってしまうおそれがあった。
【0005】
本発明の目的は、給水を容易にし、水の飛び散りを抑制できる加湿器および水受け部を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、加湿器は、本体部と、水受け部と、貯留部とを備える。前記本体部は、給水口が形成された天面を有する。前記水受け部は、前記給水口の下方に配置され、平面視で非円形状を有する。前記貯留部は、水を貯留する。前記水受け部は、第1縁部と、第2縁部と、傾斜部とを有する。前記第2縁部は、前記第1縁部と対向する。前記傾斜部は、前記第1縁部と前記第2縁部とを連結し、前記給水口に向かって湾曲している。
【0007】
本発明の他の局面によれば、水受け部は、給水された水を受け、前記水を貯留する貯留部に前記水を案内するための、平面視で非円形状を有する。前記水受け部は、第1縁部と、第2縁部と、傾斜部とを備える。前記第2縁部は、前記第1縁部と対向する。前記傾斜部は、前記第1縁部と前記第2縁部とを連結し、前記水の給水方向と反対の方向に湾曲している。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る加湿器および水受け部によれば、給水を容易にし、水の飛び散りを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る加湿器の斜視図である。
図2図1の加湿器のII-II線に沿った断面斜視図である。
図3】実施形態の加湿器の水受け部を示す斜視図である。
図4図3の水受け部の変形例を示す斜視図である。
図5図1の加湿器のフロントパネルを外した状態を示す斜視図である。
図6図1のII-II線に沿った断面の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して詳しい説明は繰り返さない。また、図面の理解を容易にするため、実施形態において、前後左右上下方向を適宜記載する。
【0011】
[実施形態]
図1図2図3図5、及び図6を参照して、実施形態に係る加湿器100について説明する。図1は、実施形態に係る加湿器100の斜視図である。図2は、図1の加湿器100のII-II線に沿った断面斜視図である。図3は、実施形態の加湿器100の水受け部60を示す斜視図である。図5は、図1の加湿器100のフロントパネル30を外した状態を示す斜視図である。図6は、図1のII-II線に沿った断面の一部を示す図である。
【0012】
実施形態の加湿器100は、加湿器100の内部に直接水を給水するものである。そして後述するが、給水される水を受ける水受け部60の形状により、給水を容易にし、水の飛び散りを抑制することを図っている。
【0013】
図1に示すように、加湿器100は、本体部10と、水を貯める貯留部20と、フロントパネル30とを備える。本体部10は、直方体形状を有する。ここで直方体形状とは、例えば、任意の面に向かって若干先細りの形状、一部を湾曲させた丸みを帯びた形状、略立方体なども含み、厳密な意味での直方体のみを意味するものではない。
【0014】
本体部10の天面11には、略矩形状の給水口14と、加湿した空気を吹き出す吹出口15と、操作パネル16が設けられる。但し、実施形態の給水口14は、略矩形状に限定されない。例えば、正方形状、楕円状などの形状を有してもよい。
【0015】
給水口14の大きさは、任意の大きさでよい。例えば、操作パネル16を除いた天面11の面積において、給水口14の占める面積を大きくしてもよい。実施形態では、一例として、給水口14の面積を、操作パネル16を除いた天面11の面積の1/2程度としている。給水口14を大きくすることにより、水を加湿器100内に直接注ぎやすくすることができる。
【0016】
また、加湿器100が大容量のものである場合、貯留部20に貯める水の量も、例えば、7リットル程度とかなり多くなる。したがって、貯留部20を取り外して満水まで給水し、再度本体部10に設置するとなると、かなりの重量の貯留部20を持ち運ぶ必要がある。
【0017】
実施形態の加湿器100は、上述のように給水口14を介して直接給水できる。つまり、ユーザーは、自分が持ち運べる量の水を直接給水すればよい。その結果、重い貯留部20を持ち運ぶ手間及び労力を省くことができる。
【0018】
また、加湿器100は、封止部40をさらに備えてもよい。封止部40は、給水口14を覆うための部材である。通常給水口14は、封止部40により覆われている。そして給水の際、封止部40を取り外して給水が行われる。
【0019】
フロントパネル30は、本体部10の天面11から前面13にわたって着脱可能に取り付けられる。フロントパネル30は、側面視でL字状である。L字状とは、略L字状も意味し、側面視で概ねL字と認識できる程度の形状であってもよい。
【0020】
フロントパネル30を取り外す方法の一例としては、まず貯留部20を本体部10から取り外す。そして、フロントパネル30に設けた取付け爪(図示せず)を本体部10から取り外し、フロントパネル30を移動させる。このような簡単な方法で、フロントパネル30を本体部10に着脱可能としている。
【0021】
また、フロントパネル30は、開口31を有している。開口31は、フロントパネル30を本体部10に取り付けたとき、本体部10の給水口14と対応する位置に開口されている。開口31の大きさは、給水口14より小さくしている。つまり、フロントパネル30の開口縁部31aは、給水口14の内側に向かってさらに延在している。
【0022】
図2に示すように、加湿器100は、加湿フィルタ50と、ファン52とをさらに備える。加湿フィルタ50は、貯留部20の内側に配置される。そしてファン52は、貯留部20の上方に配置される。
【0023】
本体部10の背面12には、外部の空気を吸引する吸込口17が形成されている。ファン52により吸込口17から吸引された空気は、加湿フィルタ50を通過して加湿され、吹出口15から吹き出される。
【0024】
加湿器100は、水受け部60をさらに備える。水受け部60は、給水口14の下方に配置され、給水口14から給水された水を受ける。
【0025】
図3に例示する水受け部60は、平面視で非円形状を有する。非円形状とは、平面視で略正円の形状を除くという意味であり、平面視で略長方形、略正方形、略楕円状などを含む。実施形態では、一例として平面視で略長方形としている。
【0026】
水受け部60は、第1縁部61と、第2縁部62と、傾斜部67とを有する。第2縁部62は、第1縁部61と対向する。第1縁部61及び第2縁部62は、水受け部60の長手方向に伸びている。水受け部60はさらに、短手方向に伸びている第3縁部63と第4縁部64とを有する。
【0027】
図2に例示するように、傾斜部67は、第1縁部61と第2縁部62とを連結し、給水口14に向かって湾曲している。言い換えれば、傾斜部67は、図2の矢印Y1が示す水の給水方向と反対の方向に湾曲している。
【0028】
図3に例示するように、傾斜部67は、中央部分に向かって盛り上がる形状を有している。具体的には、傾斜部67は、水を受けるための水受け面65と、傾斜面66とを有する。水受け面65は、傾斜部67の盛り上がった中央部分に形成され、上下方向及び左右方向にある程度広がった略矩形状である。このような形状の水受け面65により、広い範囲にわたって水を受けることができる。したがって、水受け部60に水を注ぎやすくなる。
【0029】
傾斜面66は、水受け面65の周囲を囲むように設けられる。言い換えれば、傾斜面66は、傾斜部67において、水受け面65から水受け部60の第1縁部61、第2縁部62、第3縁部63、第4縁部64に向かって下方向に傾斜している部分である。
【0030】
傾斜面66を設けることにより、注がれた水は、傾斜面66に沿って後述する収納部80にスムーズに流れる。その結果、水の飛び散りを抑制できる。さらに、上下方向及び左右方向にある程度伸びている水受け面65を設けているため、水受け面65に注がれた水は、すべて一気に傾斜面66を伝って収納部80に流れ込むのではない。一部の水は、水受け面65において、上下方向、または、左右方向に広がった後、傾斜面66を伝って収納部80に流れ込む。上下方向、または、左右方向に広がった水は、流れる面積が広くなるため、流れる速度が遅くなる。つまり、水の勢いを抑えることができる。水の勢いを抑えた結果、水の飛び散りを抑えることも可能となる。
【0031】
実施形態では、概ね矩形状の水受け面65と、傾斜面66とを有する水受け部60について説明した。但し水受け部は、上記態様に限定されない。図4は、水受け部60の変形例を示す図である。この図に示すように、水受け部70は、長手方向に伸びる第1縁部71及び第2縁部72と、短手方向に伸びる第3縁部73及び第4縁部74とを有する。
【0032】
水受け部70は、さらに第1傾斜面75を有する。第1傾斜面75は、例えば、断面視で略円弧状の形状を有する。第1傾斜面75は、最も突出している部分である頂点部75aを有する。頂点部75aは、例えば、水受け部70の第1傾斜面75の概ね中心部分を通り、第1縁部71及び第2縁部72と概ね並行に延在している(図4の左右方向)。
【0033】
図4に示す第1傾斜面75は、頂点部75aを頂点として連続的に傾斜する面である。但し、頂点部75aを、第1縁部71及び第2縁部72と概ね並行な細長い平面としてもよい。
【0034】
水受け部70は、広く開口された給水口14から注がれた水を、図4に示すような左右方向に長く延在している頂点部75a近辺で受けることができる。つまり、水受け部70は、広い範囲にわたって水を受けることができる。したがって、水受け部70に水を注ぎやすくなる。
【0035】
そして注がれた水は、第1傾斜面75に沿って後述する収納部80にスムーズに流れる。その結果、水の飛び散りを抑制できる。さらに、左右方向に延在する頂点部75aを設けているため、頂点部75a近辺に注がれた水は、すべて一気に傾斜面を伝って収納部80に流れ込むのではない。一部の水は、左右方向に広がった後、傾斜面を伝って収納部80に流れ込む。左右方向に広がった水は、流れる面積が広くなるため、流れる速度が遅くなる。つまり、水の勢いを抑えることができる。水の勢いを抑えた結果、水の飛び散りを抑えることも可能となる。
【0036】
また、水受け部70は、一対の排水部76を有してもよい。一対の排水部76は、第3縁部73と、第4縁部74とにそれぞれ設けられる。
【0037】
それぞれの排水部76は、第2傾斜面76aと、排水溝76bとを有する。第2傾斜面76aは、第1傾斜面75の頂点部75a近辺から第3縁部73または第4縁部74に向かって下方向に傾斜している。排水溝76bは、第3縁部73または第4縁部74から水受け部70の内側に向かって凹んだ形状を有する。
【0038】
第2傾斜面76a及び排水溝76bは、傾斜が緩やかな頂点部75a近辺の水を、下方向に導き、排水しやすくしている。さらに排水溝76bは、水受け部70を本体部10から取り外す際に指を引っ掛ける指がかりとしても使用できる。
【0039】
水受け部70には、第1傾斜面75に凹部77及び凸部78をさらに設けてもよい。一例として、水受け部70の第1傾斜面75の排水方向である短手方向に、互いに平行な複数の溝を形成する。複数の溝を形成することにより、第1斜面に複数の凹部77及び凸部78を設けることができる。
【0040】
水受け部70に注がれた水は、排水方向に設けられた凹部77及び凸部78に沿って一層スムーズに流れることができる。その結果、水が周囲に飛び散ることを抑制できる。
【0041】
また、水受け部70は、突起部79をさらに有してもよい。突起部79は、例えば、第1傾斜面75の四隅に複数配置される。突起部79は、給水口14に向かって突出している。そして、突起部79の先端79aは、フロントパネル30の裏面と接触する。つまり、フロントパネル30によって、突起部79は上方から押さえつけられる。
【0042】
突起部79がフロントパネル30で押さえつけられることにより、水受け部70全体が加湿器100内部に固定される。その結果、仮に加湿器100を前後に大きく揺らしたり、加湿器100を倒したりしても、水受け部70を定位置で保持することができる。
【0043】
加湿器100はさらに、実施形態の水受け部60を収納する収納部80を備える。図5に例示する収納部80は、給水口14と対応する位置に設けられた有底形状の部材である。
【0044】
収納部80は、底面81と、側面82と、支持部83とを有する。側面82は、底面81の縁部に沿って設けられる。支持部83は、水受け部60を収納部80の内部に配置する際に、水受け部60を支持する部材である。
【0045】
支持部83は、収納部80の底面81の四隅に設けられる。支持部83は、例えば、凸状の部材である。図6に示すように、凸状の支持部83により、水受け部60と底面81との間に隙間B1を形成しつつ、水受け部60を支持することができる。
【0046】
さらに、水受け部60の第1縁部61及び第2縁部62は、収納部80の側面82と非接触状態で配置される。つまり、第1縁部61及び第2縁部62と、収納部80の側面82との間にそれぞれ隙間C1及びC2を形成している。
【0047】
給水された水は、隙間C1、C2を通過して下方に流れる。そして、底面81に到達した水は、隙間B1を通過してさらに下方に流れる。その結果、水受け部60で受けた水は、収納部80を介してスムーズに後述するように図5に示す水路90に流れ込む。
【0048】
また、図5に示すように、水受け部60は収納部80に着脱可能である。水受け部60を収納部80に着脱可能とすることにより、水受け部60及び収納部80を掃除しやすくできる。
【0049】
ここで、水受け部60を収納部80に固定するために、加湿器100は、水受け部60と収納部80とを係合する係合構造を有してもよい。一例として、図3及び図5に示すように、水受け部60は、収納部80と係合するための1組の第1係合部68a及び68bを有する。また収納部80は、水受け部60と係合するための一対の第2係合部86、86を有する。
【0050】
第1係合部68aは、水受け部60の第1縁部61に設けられ、第1縁部61から水平方向に突出している係合片である。第2係合部68bは、第2縁部62に設けられるフック状の係合爪である。但し、第1係合部はこのような態様に限定されない。第1係合部68a及び68bの両方をフック状の係合爪としてもよい。さらに、第1係合部68aを係合爪とし、第2係合部68bを係合片としてもよい。
【0051】
一対の第2係合部86、86は、第1係合部68a及び68bをそれぞれ受ける部材である。第2係合部86、86は、第1係合部68a及び68bと対応する収納部80の底面81にそれぞれ設けられる。
【0052】
第2係合部86、86は、例えば、逆U字状である。そして、第1係合部68aを一方の第2係合部86に挿入し、第2係合部68bを他方の第2係合部86に引っ掛ける。これにより、水受け部60を収納部80に固定することができる。一方で、第2係合部86と係合している第2係合部68bの係合爪を内側に押すことにより、簡単に水受け部60を収納部80から取り外すことができる。
【0053】
また、収納部80は、底面81に穴部84を形成している。穴部84は、収納部80に流入した水を後述する水路90に流すために設けられる。穴部84の形状は任意の形状でよく、実施形態では、一例として、円形状としている。
【0054】
穴部84を設ける位置も、特に限定されない。実施形態では、一例として、水受け部60を配置した状態で、第2縁部62方寄りの底面81に設けている。そして収納部80の底面81は、穴部84に向かって下方向に傾斜している。その結果、収納部80に流入した水が穴部84を介して水路90に流れる。
【0055】
収納部80の底面81は、連続して緩やかに傾斜する第1領域81aと、段差を設けて急斜面を形成する第2領域81bとを有してもよい。急斜面を形成する第2領域81bを設けることにより、水を回収する速度を速くすることができる。但し、実施形態の収納部80は上記態様に限定されない。収納部80の底面81は、段差を設けず連続して傾斜する第1領域81aのみで形成してもよい。
【0056】
図5及び図6に例示するように、収納部80は、リブ部85をさらに有してもよい。リブ部85は、収納部80の側面82に沿って設けられる細長い部材である。但し、リブ部85は、収納部80の側面82全面に渡って設けなくてもよい。実施形態では、一例として、リブ部85を、水受け部60の第1縁部61及び第2縁部62と対向する部分にそれぞれ設けている。
【0057】
また、リブ部85は、収納部80の側面82から、収納部80の内側に向かって突出している。リブ部85の突出量としては、図6に示すように、水受け部60を収納部80に配置したときの第1縁部61または第2縁部62に到達しない程度としている。
【0058】
さらに、リブ部85は水受け部60を収納部80に配置したときの第1縁部61及び第2縁部62よりも給水口14に近い位置に設けられる。
【0059】
ここで、図6の矢印R1で示すように、傾斜部67を流れる水が、勢い余って側面82を伝って登ってくることがある。この場合、リブ部85を設けることにより、側面82を伝って登ってくる水をせき止めることが可能となる。その結果、水が収納部80と、フロントパネル30との隙間から、加湿器100内部に侵入することを抑制している。
【0060】
また、水受け部60を収納部80に配置したとき、フロントパネル30の開口縁部31aは、水受け部60の第1縁部61及び第2縁部62と、平面視で重なるようにしてもよい。言い換えれば、図6に示すように、開口縁部31aで、第1縁部61及び第2縁部62を覆うようにしている。その結果、矢印R2のように水がはねたとしても、フロントパネル30の開口縁部31aにより外部に飛び散ることを抑制できる。
【0061】
図2及び図5に示すように、加湿器100は、水路90をさらに備える。水路90は、一例として、筒状である。水路90は、収納部80の穴部84を介して収納部80と連通している。そして、給水された水を貯留部20に導く。
【0062】
ここで、貯留部20は、水路90を挟んで水受け部60を収納する収納部80の反対側に配置されている。そして、水路90の一端部を収納部80の穴部84を形成した部分に連結し、他端部を貯留部20に連結している。その結果、水受け部60で受けた水を、水路90を介して貯留部20へ導くことができる。
【0063】
図5に示すように、水路90は、第1部材91と、第2部材92とを有する。第1部材91は、第2部材92より若干大きいサイズとしている。そして、第2部材92を、第1部材91に嵌め込む。その結果、第2部材92を第1部材91に着脱可能に取り付けることができる。
【0064】
第2部材92を第1部材91に着脱可能とすることで、第2部材92を取り外して、水路90を簡単に掃除することができる。
【0065】
ここで、加湿器100の本体部10の前面13には、壁部13aが設けられている。そして水路90は、壁部13aに埋め込まれるように収納されている。実施形態では、水路90の第1部材91は、壁部13aの一部を凹ませて形成している。一方で、第1部材91を壁部13aと別部材として水路90を形成し、壁部13aに埋め込んでもよい。
【0066】
さらに、壁部13aの水路90と接する部分に、切欠部13bを設けてもよい。切欠部13bを設けることにより、第1部材91に取り付けた第2部材92を取り外す際の指がかりとなり、取り外しを容易に行うことができる。
【0067】
切欠部13bの形状は、第2部材92を取り外すことができれば任意の形状でよい。例えば図5においては、異なる形状の切欠部13bが、水路90の両側に設けられている。
【0068】
また、水路90は、内側に湾曲部93を有してもよい。図2及び図5に示すように、湾曲部93は、第1部材91に設けられる。湾曲部93は、加湿フィルタ50から離れる方向に湾曲している。湾曲部93により、水は、図2の矢印Y2のように湾曲して流れる。したがって、加湿フィルタ50の上部51に斜め上方から直接水を供給しやすくなる。
【0069】
加湿フィルタ50の上部51は、通常空気が通過しやすい部分である。そこで空気を多く通過させる部分に水を直接供給することにより、加湿機能の向上を図っている。
【0070】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、加湿器を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0072】
10 本体部
11 天面
13b 切欠部
14 給水口
20 貯留部
30 フロントパネル
31 開口
31a 開口縁部
50 加湿フィルタ
60 水受け部
61 第1縁部
62 第2縁部
65 水受け面
66 傾斜面
67 傾斜部
68a、68b 第1係合部
80 収納部
81 底面
82 側面
84 穴部
85 リブ部
86 第2係合部
90 水路
91 第1部材
92 第2部材
93 湾曲部
100 加湿器
Y1 給水方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6