IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アイチコーポレーションの特許一覧

<>
  • 特開-高所作業装置 図1
  • 特開-高所作業装置 図2
  • 特開-高所作業装置 図3
  • 特開-高所作業装置 図4
  • 特開-高所作業装置 図5
  • 特開-高所作業装置 図6
  • 特開-高所作業装置 図7
  • 特開-高所作業装置 図8
  • 特開-高所作業装置 図9
  • 特開-高所作業装置 図10
  • 特開-高所作業装置 図11
  • 特開-高所作業装置 図12
  • 特開-高所作業装置 図13
  • 特開-高所作業装置 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012596
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】高所作業装置
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/06 20060101AFI20230119BHJP
   B66F 11/04 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
B66F9/06 Y
B66F11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116101
(22)【出願日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000116644
【氏名又は名称】株式会社アイチコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【弁理士】
【氏名又は名称】並木 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100218095
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(72)【発明者】
【氏名】添田 政信
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA08
3F333BB08
(57)【要約】
【課題】作業床の前後方向の位置を略一定に保ちながら、アーム部材を所定範囲内で上下方向に起伏、及び左右方向に旋回させることが可能な高所作業装置を提供する。
【解決手段】高所作業車1は、アーム追従シリンダ38と業床移動シリンダ63とにより構成される作業床移動調整機構を備える。この作業床移動調整機構は、下アーム32が所定範囲内で起伏旋回する際において、車体2に対する作業床台座62の位置の変化に応じて作業床台座62に対する作業床64の移動量を調整し、作業床64の車体2に対する前後方向の位置の変動を抑制する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準位置において前後方向に延び基端部が基体に枢結されたアーム部材を有し前記アーム部材が前記基端部を中心に前記基準位置から上下方向に起伏可能及び左右方向に旋回可能に構成された昇降機構と、
作業者が搭乗可能な作業床を有し前記アーム部材の先端部に取り付けられた作業台と、を備え、
前記アーム部材が起伏旋回する際に前記作業床が水平状態を保ちつつ平行移動するように構成された高所作業装置であって、
前記作業台は、前記アーム部材の先端部に枢結された作業床台座と、前記作業床を保持し前記作業床台座に対し前後方向に移動可能に取り付けられた作業台本体部とを有し、
前記アーム部材が所定範囲内で起伏旋回する際において、前記作業床台座の前記基体に対する位置の変化に応じて前記作業床台座に対する前記作業台本体部の移動量を調整し、前記作業台本体部の前記基体に対する前後方向の位置の変動を抑制する作業床移動調整機構を備えて構成されることを特徴とする高所作業装置。
【請求項2】
前記作業床移動調整機構は、
前記基体と前記アーム部材との間に架設され前記アーム部材の起伏旋回に応じて伸縮する第1油圧シリンダと、
前記作業床台座と前記作業台本体部との間に架設され伸縮することにより前記作業床台座に対し前記作業台本体部を前後に移動させる第2油圧シリンダと、
前記第1油圧シリンダのボトム側油室及びロッド側油室の一方と前記第2油圧シリンダのロッド側油室とを繋ぐ第1油路と、前記第1油圧シリンダのボトム側油室及びロッド側油室の他方と前記第2油圧シリンダのボトム側油室とを繋ぐ第2油路とを有し、
前記第1油圧シリンダ、前記第2油圧シリンダ、前記第1油路及び前記第2油路により閉回路を形成し、前記第1油圧シリンダの伸縮に応じて前記第2シリンダが伸縮するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の高所作業装置。
【請求項3】
前記作業床移動調整機構は、
前記作業床台座と前記作業台本体部との間に設けられ前記作業床台座に対し前記作業台本体部を前後に移動させるように作動する作業床移動アクチュエータと、
前記アーム部材の起伏角を検出する起伏角検出器と、
前記アーム部材の旋回角を検出する旋回角検出器と、
前記作業床台座に対する前記作業台本体部の前後方向への移動量を検出する作業床移動量検出器と、
前記起伏角検出器、前記旋回角検出器及び前記作業床移動量検出器による各検出結果に基づき、前記作業床移動アクチュエータの作動を制御するアクチュエータ作動制御部と、を有して構成されることを特徴とする請求項1に記載の高所作業装置。
【請求項4】
前記基体と前記作業台との間に前記アーム部材と平行に架設され、前記基体、前記作業台及び前記アーム部材とともに上下方向及び左右方向に作動可能な平行リンク機構を構成する少なくとも2本のリンク用アームを有し、
前記平行リンク機構により前記作業床が前記アーム部材の起伏旋回時に水平状態を保ちながら平行移動するように構成されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の高所作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基端部が基体に枢結され基体に対し起伏旋回可能なアーム部材の先端部に、作業者が搭乗可能な作業床を有する作業台を備えた高所作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の高所作業装置は、基体に対しアーム部材が起伏旋回しても作業床は水平状態を保つように構成されており、作業床上の作業者が安定した状態で各種作業を行えるようになっている。このような高所作業装置として、基体に対しアーム部材が所定範囲内で上下方向に起伏、及び左右方向に旋回しても作業床が一定の向き(例えば、作業床の長手方向が前後方向に沿う向き)のまま平行移動するように構成された高所作業装置(便宜的に「作業床平行移動式高所作業装置」とも称する)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3152280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような作業床平行移動式高所作業装置は、例えば、トンネル内において半円筒状の壁面を構成する壁面構成部材(壁面パネル、強化繊維補強材、タイル等)の取付作業や壁面の塗装作業等を行うために使用される。このようなトンネル内での作業では、トンネル内をその長さ方向に複数の区画に分割し、区画ごとに壁面に対する作業が進められることがある。その場合、区画ごとに作業床平行移動式高所作業装置を設置し直し、アーム部材を上下方向(トンネルの高さ方向)に起伏、及び左右方向(トンネルの幅方向)に旋回させ、作業床をトンネルの壁面(側壁面から天井面)に沿って同一面内(トンネルの長さ方向に直交する面内)を移動させることにより、効率良く作業を行いたいという要望がある。しかし、従来の作業床平行移動式高所作業装置では、アーム部材を起伏旋回させると、それに伴い作業床の前後方向(トンネルの長さ方向)の位置が大きく変動してしまうという課題があり、そのために作業性が低下する虞がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、作業床の前後方向の位置を略一定に保ちながら、アーム部材を所定範囲内で上下方向に起伏、及び左右方向に旋回させることが可能な高所作業装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、基準位置において前後方向に延び基端部が基体(例えば、実施形態における車体2)に枢結されたアーム部材(例えば、実施形態における下アーム32)を有し前記アーム部材が前記基端部を中心に前記基準位置から上下方向に起伏可能及び左右方向に旋回可能に構成された昇降機構(例えば、実施形態における旋回昇降装置30)と、作業者が搭乗可能な作業床を有し前記アーム部材の先端部に取り付けられた作業台と、を備え、前記アーム部材が起伏旋回する際に前記作業床が水平状態を保ちつつ平行移動するように構成された高所作業装置であって、前記作業台は、前記アーム部材の先端部に枢結された作業床台座と、前記作業床を保持し前記作業床台座に対し前後方向に移動可能に取り付けられた作業台本体部とを有し、前記アーム部材が所定範囲内で起伏旋回する際において、前記作業床台座の前記基体に対する位置の変化に応じて前記作業床台座に対する前記作業台本体部の移動量を調整し、前記作業台本体部の前記基体に対
する前後方向の位置の変動を抑制する作業床移動調整機構を備えて構成される。
【0007】
上記構成の高所作業装置において、好ましくは、前記作業床移動調整機構は、前記基体と前記アーム部材との間に架設され前記アーム部材の起伏旋回に応じて伸縮する第1油圧シリンダ(例えば、実施形態におけるアーム追従シリンダ38)と、前記作業床台座と前記作業台本体部との間に架設され伸縮することにより前記作業床台座に対し前記作業台本体部を前後に移動させる第2油圧シリンダ(例えば、実施形態における作業床移動シリンダ63)と、前記第1油圧シリンダのボトム側油室及びロッド側油室の一方と前記第2油圧シリンダのロッド側油室とを繋ぐ第1油路と、前記第1油圧シリンダのボトム側油室及びロッド側油室の他方と前記第2油圧シリンダのボトム側油室とを繋ぐ第2油路とを有し、前記第1油圧シリンダ、前記第2油圧シリンダ、前記第1油路及び前記第2油路により閉回路を形成し、前記第1油圧シリンダの伸縮に応じて前記第2シリンダが伸縮するように構成される。
【0008】
また、上記構成の高所作業装置において、好ましくは、前記作業床移動調整機構は、前記作業床台座と前記作業台本体部との間に設けられ前記作業床台座に対し前記作業台本体部を前後に移動させるように作動する作業床移動アクチュエータ(例えば、実施形態における作業床移動シリンダ63)と、前記アーム部材の起伏角を検出する起伏角検出器と、前記アーム部材の旋回角を検出する旋回角検出器と、前記作業床台座に対する前記作業台本体部の前後方向への移動量を検出する作業床移動量検出器と、前記起伏角検出器、前記旋回角検出器及び前記作業床移動量検出器による各検出結果に基づき、前記作業床移動アクチュエータの作動を制御するアクチュエータ作動制御部(例えば、実施形態における作業床移動制御部82)と、を有して構成されてもよい。
【0009】
また、上記構成の高所作業装置において、好ましくは、前記基体と前記作業台との間に前記アーム部材と平行に架設され、前記基体、前記作業台及び前記アーム部材とともに上下方向及び左右方向に作動可能な平行リンク機構を構成する少なくとも2本のリンク用アーム(例えば、実施形態における上アーム33及び右アーム34)を有し、前記平行リンク機構により前記作業床が前記アーム部材の起伏旋回時に水平状態を保ちながら平行移動するように構成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る高所作業装置によれば、アーム部材が所定範囲内で上下方向に起伏、及び左右方向に旋回する際には、作業床移動調整機構により、作業床台座の基体に対する位置の変化に応じて作業床台座に対する作業台本体部の移動量が調整され、作業台本体部の基体に対する前後方向の位置の変動が抑制されるので、作業床の前後方向の位置を略一定に保ちながら、アーム部材を所定範囲内で起伏旋回させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る高所作業装置としての高所作業車の左側面図である。
図2】上記第1実施形態の高所作業車の右側面図である。
図3】上記第1実施形態の高所作業車の平面図である。
図4】上記第1実施形態の高所作業車における油圧アクチュエータの作動機構の機能ブロック図である。
図5】上記第1実施形態の高所作業車におけるアーム追従シリンダ及び作業床移動シリンダの回路図である。
図6】上記第1実施形態の高所作業車における平行リンク機構の作用を示す側面図である。
図7】上記第1実施形態の高所作業車における平行リンク機構の作用を示す平面図である。
図8】上記第1実施形態の高所作業車における作業床移動調整機構の作用を示す側面図である。
図9】上記第1実施形態の高所作業車における作業床移動調整機構の作用を示す平面図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る高所作業装置としての高所作業車の左側面図である。
図11】上記第2実施形態の高所作業車の平面図である。
図12】上記第2実施形態の高所作業車における油圧アクチュエータの作動機構の機能ブロック図である。
図13】上記第2実施形態の高所作業車における作業床移動調整機構の作用を示す側面図である。
図14】上記第2実施形態の高所作業車における作業床移動調整機構の作用を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る高所作業装置としての高所作業車1を図1図3に示しており、まず、これらの図と図4図5を参照して高所作業車1の全体構成について概要説明する。なお、以下の説明では、高所作業車1の高さ方向、車幅方向及び車長方向を、それぞれ上下方向、左右方向及び前後方向として説明する。また、以下では、主に図1を参照しながら説明を行い、他の図を参照する場合はその旨記載する。
【0013】
高所作業車1は、図1に示すように、車体2の前部に運転キャビン3を有し、車体2の前後に配設された左右一対のタイヤ車輪5により走行可能なトラック車両をベースに構成されている。車体2は、タイヤ車輪5(前輪5f及び後輪5r)が配設されたシャシフレームと、このシャシフレーム上に取り付けられたサブフレームとからなる車体フレームを備えて構成されている。
【0014】
車体2の前後左右には、高所作業時に車体2を持ち上げ支持するジャッキ装置7が設けられている。ジャッキ装置7は、前輪5fの後方に配設された左右一対のフロントジャッキ7fと、後輪5rの後方に配設された左右一対のリアジャッキ7rとを有して構成される。各ジャッキ7f,7rは、その内部に設けられたジャッキシリンダ11(図4を参照)を駆動させて下方に伸長させることで車体2を持ち上げ支持し、これにより車両全体を安定させた状態とする。車体2の後端部には、各ジャッキ7f,7rや後述する旋回昇降装置30等の作動操作を行うための下部操作装置22(図4を参照)が設けられている。
【0015】
車体2における運転キャビン3後方の架装領域には、旋回昇降装置30及び作業台60が設けられている。旋回昇降装置30は、車体側旋回台31、下アーム32、上アーム33、右アーム34(図2図3を参照)、起伏シリンダ35、旋回モータ36(図4を参照)、作業台側旋回台37及びアーム追従シリンダ38を主体に構成されている。作業台60は、作業台本体部61、作業床台座62及び作業床移動シリンダ63を主体に構成されている。なお、作業台60には、これに搭乗した作業者が操作する操作レバーや操作スイッチ、操作ダイヤル等の各操作手段を備えた上部操作装置21(図4を参照)が設けられている。
【0016】
車体側旋回台31は、図示せぬ旋回レースを介して車体2に対し上下軸回りに水平旋回自在に取り付けられており、減速機付きの旋回モータ36(図4を参照)により旋回駆動されるように構成されている。下アーム32は、その基端部がフートピン41を介して車体側旋回台31に上下方向に起伏自在に枢結されている。また、下アーム32の先端部は
、ピン42を介して作業台側旋回台37に上下方向に揺動自在に枢結されている。上アーム33は、その基端部がフートピン43を介して車体側旋回台31に上下方向に起伏自在に枢結されている。また、上アーム33の先端部は、作業台側旋回台37にピン44を介して上下方向に揺動自在に枢結されている。
【0017】
右アーム34(図3参照)は、車体2に立設された支持台45と、作業床台座62との間に跨設されている。詳細には右アーム34の基端部は、ユニバーサルジョイントやボールジョイントにより構成される自在継手46を介して支持台45に上下方向及び左右方向に揺動自在に枢結されている。また、右アーム34の先端部は、自在継手47を介して支持台45に上下方向及び左右方向に揺動自在に枢結されている。起伏シリンダ35は、上アーム33の左側に配置される左起伏シリンダ35aと、上アーム33の右側に配置される右起伏シリンダ35b(図3を参照)とから構成され、車体側旋回台31と上アーム33との間に跨設されている。
【0018】
作業台側旋回台37は、図示せぬ旋回レースを介して作業床台座62に対し上下軸回りに水平旋回自在に取り付けられている。アーム追従シリンダ38は、車体2と下アーム32との間に跨設されている。詳細にはアーム追従シリンダ38の基端部は、自在継手48を介して車体2に上下方向及び左右方向に揺動自在に枢結されている。また、アーム追従シリンダ38の先端部は、自在継手49を介して下アーム32の下面部に上下方向及び左右方向に揺動自在に枢結されている。
【0019】
作業台60の作業台本体部61は、作業者が搭乗可能な平面視長方形状の作業床64と、作業床64の外縁部に設けられた手摺65とを有して構成されている。作業床台座62は、平面視長方形状に形成され、作業台側旋回台37の旋回レースを介して作業台側旋回台37に対し上下軸回りに水平旋回自在に取り付けられている。これにより、作業床台座62は、下アーム32の先端部に、作業台側旋回台37を介して上下方向及び左右方向に揺動自在に枢結される。また、作業台本体部61(作業床64)及び作業床台座62は、相対的に前後方向に移動可能に構成されている。具体的には、作業床64には、前後方向に平行に延びた一対のガイドレール(図示略)が設けられており、このガイドレールに沿って作業床64が作業床台座62に対し前後方向に相対移動可能に構成されている。作業床移動シリンダ63は、作業床台座62と作業床64との間に、前後方向に水平に延びるように跨設されている。
【0020】
本実施形態において、下アーム32、上アーム33及び右アーム34は、上下方向及び左右方向に作動する平行リンク機構を構成している。すなわち、下アーム32及び上アーム33は、互いに等長(それぞれの両端部の揺動軸間の長さが互いに等しい)に形成され、上下に互いに平行に配置されている。また、上アーム33及び右アーム34は、互いに等長(それぞれの両端部の揺動軸間の長さが互いに等しい)に形成され、左右に互いに平行に配置されている。なお、下アーム32は、その基端部側の揺動軸線(フートピン41の中心軸線)が車体側旋回台31の旋回軸線(上下軸線)と交わり、その先端部側の揺動軸線(ピン42の中心軸線)が作業台側旋回台37の旋回軸線(上下軸線)と交わるように配置されている。このような平行リンク機構の作用により、下アーム32が起伏旋回しても作業床64は水平状態を保ちつつ、平行移動するようになっている(詳細後述)。
【0021】
なお、下アーム32は、図1図3に示す状態(「アーム格納状態」とも称する)で、車体2上に格納されるようになっている。このアーム格納状態における下アーム32の位置をアーム基準位置とも称する。このアーム基準位置において下アーム32は、前後方向に水平に延びた状態となる。作業床64は、下アーム32がアーム基準位置にあるとき、作業床64の長手方向が車長方向(前後方向)と一致している。また、アーム追従シリンダ38は、下アーム32がアーム基準位置にあるとき、下アーム32の真下において前後
方向に水平に延びた状態で位置するように配置されている。
【0022】
また、本実施形態において、アーム追従シリンダ38及び作業床移動シリンダ63は、下アーム32が所定範囲内で起伏旋回する際に、作業床台座62の車体2に対する位置の変化に応じて作業床台座62に対する作業台本体部61(作業床64)の移動量を調整する作業床移動調整機構を構成している。すなわち、図5に示すように、アーム追従シリンダ38のボトム側油室と作業床移動シリンダ63のボトム側油室とが第1油路71により繋げられ、アーム追従シリンダ38のロッド側油室と作業床移動シリンダ63のロッド側油室とが第2油路72により繋げられている。そして、アーム追従シリンダ38、作業床移動シリンダ63、第1油路71及び第2油路72により閉回路が構成され、アーム追従シリンダ38が伸びると作業床移動シリンダ63が縮み、アーム追従シリンダ38が縮むと作業床移動シリンダ63が伸びるように構成されている。作業床移動シリンダ63が縮むと作業床台座62に対し作業床64が後方に移動し、作業床移動シリンダ63が伸びると作業床台座62に対し作業床64が前方に移動する(詳細後述)。
【0023】
車体2に設けられたジャッキ装置7(ジャッキ7f,7r)及び旋回昇降装置30(車体側旋回台31、下アーム32及び上アーム33等)の作動機構は、図4に示すように、上部操作装置21や下部操作装置22からの操作信号を受けて、ジャッキシリンダ11、旋回モータ36及び起伏シリンダ35(以下、まとめて「油圧アクチュエータ」とも称する)を制御するコントローラ80と、この油圧アクチュエータを作動させるために作動油を供給する油圧ユニット90と、ジャッキ装置7及び旋回昇降装置30等を作動させる動力源となる架装部バッテリ100とを備えて構成される。
【0024】
上部操作装置21もしくは下部操作装置22の操作により出力された操作信号は、コントローラ80に入力される。コントローラ80の作動制御部81は、その操作信号に応じた指令信号を油圧ユニット90(制御バルブ93)に出力する。
【0025】
油圧ユニット90は、作動油を吐出する油圧ポンプ91と、油圧ポンプ91を駆動するポンプ駆動モータ92と、油圧ポンプ91から各油圧アクチュエータに供給する作動油の供給方向及び供給量を制御する制御バルブ93とを有して構成される。ポンプ駆動モータ92は、架装部バッテリ100からインバータ101を介して供給される電力により回転駆動される。制御バルブ93は、ジャッキシリンダ11に対応する電磁比例制御バルブV1、旋回モータ36に対応する電磁比例制御バルブV2、起伏シリンダ35に対応する電磁比例制御バルブV3を有している。この制御バルブ93は、コントローラ80の作動制御部81からの指令信号に基づき、各電磁比例制御バルブV1~V3のスプールを電磁駆動して、油圧ポンプ91から各油圧アクチュエータに供給される作動油の供給方向及び供給量を制御し、各油圧アクチュエータの作動方向及び作動速度を制御する(ジャッキ装置10及び旋回昇降装置30の作動方向及び作動速度を制御する)。
【0026】
次に、高所作業車1の作用、主に、平行リンク機構(下アーム32、上アーム33及び右アーム34)による作用と、作業床移動調整機構(アーム追従シリンダ38及び作業床移動シリンダ63)による作用について、図6図9を追加参照して説明する。なお、図6及び図7では、作業床移動調整機構(アーム追従シリンダ38及び作業床移動シリンダ63)の図示を省略し、下アーム32及び上アーム33が起伏旋回した際に、作業床台座62に対し作業床64が前後方向に移動しない場合の状態を示している。
【0027】
図6に示すように、下アーム32が、アーム基準位置から上方に起立揺動した場合、下アーム32の先端部に枢結された作業台側旋回台37及び作業台側旋回台37に水平旋回自在に取り付けられた作業床台座62は、平行リンク機構(下アーム32、上アーム33及び右アーム34)の作用により、下アーム32の起伏角の変化に応じて、上方及び前方
に平行移動する。このとき、作業床台座62に取り付けられている作業床64は、平行リンク機構の作用により、水平状態を保ちつつ上方及び前方に平行移動する。このときの作業床台座62(作業台側旋回台37)の前方の移動量をD1、下アーム32の長さ(下アーム32の両端部の揺動軸間の長さ)をL、下アーム32の起伏角をα1とすると、D1は、次式(1)で表せる。なお、「cos」は余弦を意味する。
D1=L-Lcosα1 … (1)
【0028】
図6は、作業床台座62に対し作業床64が前後方向に移動しない場合を示しているので、下アーム32がアーム基準位置から上方に起伏角α1起立揺動した場合の作業床64の前方の移動量(D2とする)は、作業床台座62(作業台側旋回台37)の前方への移動量D1と等しくなる。
【0029】
一方、図7に示すように、下アーム32が、アーム基準位置から右方に旋回揺動した場合、下アーム32の先端部に枢結された作業台側旋回台37及び作業台側旋回台37に水平旋回自在に取り付けられた作業床台座62は、平行リンク機構(下アーム32、上アーム33及び右アーム34)の作用により、下アーム32の旋回角の変化に応じて、右方及び前方に平行移動する。このとき、作業床台座62に取り付けられている作業床64は、平行リンク機構の作用により、水平状態を保ちつつ右方及び前方に平行移動する。このときの作業床台座62(作業台側旋回台37)の前方への移動量をD3、下アーム32の長さをL、下アーム32の旋回角をβ1とすると、D3は、次式(2)で表せる。
D3=L-Lcosβ1 … (2)
【0030】
図7は、作業床台座62に対し作業床64が前後方向に移動しない場合を示しているので、下アーム32がアーム基準位置から右方に旋回角β1で旋回揺動した場合の作業床64の前方への移動量(D4とする)は、作業床台座62(作業台側旋回台37)の前方の移動量D3と等しくなる。
【0031】
なお、下アーム32がアーム基準位置から上方に起立揺動し、更に左右方向に旋回揺動した場合の作業床台座62(作業台側旋回台37)の前方の移動量についても同様に考えることができる。例えば、下アーム32がアーム基準位置から上方に起伏角α1だけ起立揺動し、更に右方に旋回角β1で旋回揺動した場合の作業床台座62(作業台側旋回台37)の前方への移動量(D5とする)は、次式(3)で表せる。
D5=L-Lcosα1・cosβ1 … (3)
【0032】
図8及び図9は、下アーム32及び上アーム33が起伏旋回した際の作業床移動調整機構(アーム追従シリンダ38及び作業床移動シリンダ63)の作用を例示している。図8は、図6に示すのと同じように下アーム32が起立揺動した際の作業床移動調整機構の作用を示し、図9は、図7に示すのと同じように下アーム32が旋回揺動した際の作業床移動調整機構の作用を示している。
【0033】
図8に示すように、下アーム32が、アーム基準位置から上方に起立揺動した場合、その下アーム32の動きに追従してアーム追従シリンダ38が起立揺動する。このとき、下アーム32の揺動軸線の位置(フートピン41の位置)とアーム追従シリンダ38の揺動軸線の位置(自在継手48の位置)とが前後方向にずれているため、アーム追従シリンダ38は、下アーム32がアーム基準位置にあるときよりも伸びることになる。すなわち、アーム追従シリンダ38のボトム側油室の容積が増えロッド側油室の容積が減るように作動する。このアーム追従シリンダ38の作動に応じて、作業床移動シリンダ63は、そのボトム側油室の容積が減りロッド側油室の容積が増えるように作動し、これにより、作業床移動シリンダ63は、下アーム32がアーム基準位置にあるときよりも縮むことになる。この作業床移動シリンダ63の作動により作業床台座62に対し作業床64が後方に移
動する。このときの作業床台座62に対する作業床64の後方への移動量は、下アーム32の起立揺動により前方に移動する作業床台座62(作業台側旋回台37)の前方への移動量と略等しくなるように、アーム追従シリンダ38及び作業床移動シリンダ63が設定されている(詳細後述)。なお、下アーム32が起立揺動した状態からアーム基準位置に近づくように倒伏揺動した場合は、その下アーム32の動きに応じてアーム追従シリンダ38が縮み、それにより作業床移動シリンダ63が伸びて作業床64が作業床台座62に対し前方に移動する。
【0034】
図9に示すように、下アーム32が、アーム基準位置から右方に旋回揺動した場合、その下アーム32の動きに追従してアーム追従シリンダ38が右方に旋回揺動する。このときも、アーム追従シリンダ38は、下アーム32がアーム基準位置にあるときよりも伸びることになる。すなわち、アーム追従シリンダ38のボトム側油室の容積が増えロッド側油室の容積が減るように作動する。このアーム追従シリンダ38の作動に応じて、作業床移動シリンダ63は、そのボトム側油室の容積が減りロッド側油室の容積が増えるように作動し、これにより、作業床移動シリンダ63は、下アーム32がアーム基準位置にあるときよりも縮むことになる。この作業床移動シリンダ63の作動により作業床台座62に対し作業床64が後方に移動する。このときの作業床台座62に対する作業床64の後方への移動量は、下アーム32の旋回揺動により前方に移動する作業床台座62(作業台側旋回台37)の前方への移動量と略等しくなるように、アーム追従シリンダ38及び作業床移動シリンダ63が設定されている(詳細後述)。なお、下アーム32がアーム基準位置から離れるように旋回揺動した状態からアーム基準位置に近づくように旋回揺動した場合は、その下アーム32の動きに応じてアーム追従シリンダ38が縮み、それにより作業床移動シリンダ63が伸びて作業床64が作業床台座62に対し前方に移動する。
【0035】
また、下アーム32がアーム基準位置から上方に起立揺動し、更に左右方向に旋回揺動する場合でも、下アーム32の動きに応じてアーム追従シリンダ38が伸縮し、その伸縮に応じて作業床移動シリンダ63が伸縮し、それにより、作業床64が作業床台座62に対し前後方向に移動するという流れは変わらない。
【0036】
図1に示すように、下アーム32の長さL、下アーム32がアーム基準位置にあるときの下アーム32の揺動軸の位置(フートピン41の位置)からアーム追従シリンダ38の基端部側の揺動軸の位置(自在継手48の位置)までの距離E1、及び下アーム32がアーム基準位置にあるときの下アーム32の揺動軸の位置からアーム追従シリンダ38の先端部側の揺動軸の位置(自在継手49の位置)までの距離E2と、アーム追従シリンダ38と作業床移動シリンダ63とのロッド径比やシリンダの面積比を設定することにより、下アーム32の起伏旋回角に応じたアーム追従シリンダ38及び作業床移動シリンダ63の伸縮量、ひいては、作業床台座62に対する作業床64の前後方向への移動量を決めることができる。理想的には、下アーム32の起伏旋回角の変化にかかわらず、作業床64の前後方向の位置は不変となることが好ましいが、作業床64の前後方向の位置の変動を完全になくすことは難しい。ただし、上述の各パラメータを適宜設定することにより、作業床64の前後方向の位置の変動をかなり抑制することができる。例えば、下アーム32の長さが4500mmで、下アーム32が起伏角0~40度、左右の旋回角0~30度の範囲で揺動するとした場合において、アーム追従シリンダ38と作業床移動シリンダ63とのロッド径比を1:2(シリンダの面積比を1:4)に設定すると、上記パラメータE1,E2を適宜設定することにより、作業床64の前後方向の位置の変動を36mm以下に抑制することができる。
【0037】
以上のように構成された高所作業車1によれば、作業床64の前後方向の位置を略一定に保ちながら、下アーム32を所定範囲内で上下方向に起伏、及び左右方向に旋回させることができる。そのため、例えば、トンネル内における壁面構成部材の取付作業等におい
て使用する場合、高所作業車1をトンネルの長さ方向に添うように設置し、下アーム32を上下方向(トンネルの高さ方向)に起伏、及び左右方向(トンネルの幅方向)に旋回させることにより、作業床64をトンネルの壁面(側壁面から天井面)に沿って同一面内(トンネルの長さ方向に直交する面内)を移動させることができるので、効率良く作業を行うことが可能となる。
【0038】
次に、本発明に係る高所作業装置の第2実施形態としての高所作業車1Aについて、図10図14を追加参照して説明する。なお、第1実施形態の高所作業車1と共通する構成要素に付いては同一の記号(数字等)を付し、詳細な説明は省略する。高所作業車1Aは、上述した高所作業車1と基本的な構成は同じである。また、下アーム32、上アーム33及び右アーム34により平行リンク機構が構成され、この平行リンク機構の作用により、下アーム32が起伏旋回する際に作業床64が水平状態を保ちつつ平行移動する点も同じである。
【0039】
一方、作業床移動調整機構の構成は、高所作業車1と高所作業車1Aとで異なっている。すなわち、高所作業車1では、下アーム32の起伏旋回に応じてアーム追従シリンダ38が伸縮し、その伸縮作動に応じて作業床移動シリンダ63が伸縮することにより、作業床64が作業床台座62に対し前後方向に移動するようになっている。これに対し、高所作業車1Aでは、下アーム32の起伏角及び旋回角をその都度検出し、その検出結果に基づき作業床移動シリンダ63を伸縮作動させて、作業床64を作業床台座62に対し前後方向に移動させるように構成されており、アーム追従シリンダ38に相当する油圧シリンダは備えていない。
【0040】
すなわち、高所作業車1Aは、図12に示すように、下アーム32の起伏角を検出する起伏角検出器111と、下アーム32の旋回角を検出する旋回角検出器112と、作業床台座62に対する作業床64の実際の移動量を検出する作業床移動量検出器113とを備えている。また、油圧ユニット90の制御バルブ93は、作業床移動シリンダ63に対応する電磁比例制御バルブV4を有しており、コントローラ80の作業床移動制御部82からの指令信号に基づき、電磁比例制御バルブV4のスプールを電磁駆動して、油圧ポンプ91から作業床移動シリンダ63に供給される作動油の供給方向及び供給量を制御し、作業床移動シリンダ63の作動方向、作動速度及び作動量を制御する(作業床台座62に対する作業床64の移動方向、移動速度及び移動量を制御する)ようになっている。
【0041】
例えば、図13に示すように、下アーム32が、アーム基準位置から上方に起立揺動した場合、その起伏角(α1とする)を起伏角検出器111が検出し、下アーム32の旋回角(この場合0度)を旋回角検出器112が検出する。その検出結果に基づき作業床移動制御部82が、下アーム32の先端部に枢結された作業台側旋回台37(作業床台座62)の前方への移動量(D1とする)を算出する。そして、作業床移動制御部82は、作業床移動量検出器113により検出される作業床台座62に対する作業床64の実際の移動量を確認しながら、電磁比例制御バルブV4を電磁駆動して、作業床64が作業床台座62に対し上記移動量D1の分だけ後方に移動するように、作業床移動シリンダ63を作動させる。
【0042】
また、図14に示すように、下アーム32が、アーム基準位置から右方に旋回揺動した場合、その旋回角(β1とする)を旋回角検出器112が検出し、下アーム32の起伏角(この場合0度)を起伏角検出器111が検出する。その検出結果に基づき作業床移動制御部82が、作業台側旋回台37(作業床台座62)の前方への移動量(D3とする)を算出する。そして、作業床移動制御部82は、作業床移動量検出器113により検出される作業床台座62に対する作業床64の実際の移動量を確認しながら、電磁比例制御バルブV4を電磁駆動して、作業床64が作業床台座62に対し上記移動量D3の分だけ後方
に移動するように、作業床移動シリンダ63を作動させる。
【0043】
また、下アーム32がアーム基準位置から上方に起立揺動し、更に左右方向に旋回揺動する場合でも、下アーム32の起伏角及び旋回角の検出値に基づき作業床台座62の前後方向への移動量を算出し、その算出結果に基づき作業床移動シリンダ63を作動させ、作業床台座62に対し作業床64を、作業床台座62の移動量の分だけ逆向きに移動させるという流れは変わらない。
【0044】
以上のように構成された高所作業車1Aによれば、作業床64の前後方向の位置を略一定に保ちながら、下アーム32を所定範囲内で上下方向に起伏、及び左右方向に旋回させることができるので、上述した高所作業車1と同様の作用効果を奏することができる。なお、高所作業車1Aでは、下アーム32の起伏角及び旋回角の検出結果に基づき算出した作業床台座62の移動量に対応して、その移動量の分だけ逆向きに、作業床64を作業床台座62に対して移動させるので、作業床64の前後方向の位置を高精度に一定に保つことができる。一方、上述した高所作業車1では、作業床64の移動量をアーム追従シリンダ38及び作業床移動シリンダ63により制御しており、コントローラ80による電気的な制御を必要としない。そのため、電気部品の故障や劣化等により作業床64の移動量を制御できなくなる虞がないという利点がある。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
【0046】
例えば、上記実施形態では、平行リンク機構により作業床64が水平状態を保ちつつ平行移動するように構成されているが、平行リンク機構を用いなくてもよい。例えば、アーム32の基端部と先端部とに互いに閉回路で結合されたレベリングシリンダを設けて作業床64の水平を保つようにしてもよい。また、作業台側旋回台37に旋回モータを設け、この旋回モータの作動により作業床台座62(作業床64)が左右方向に旋回可能とし、この旋回モータの作動を制御することにより、作業床64が平行移動するように構成してもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、作業床移動シリンダ63が縮むことにより作業床64が作業床台座62に対し前方に移動し、作業床移動シリンダ63が伸びることにより作業床64が作業床台座62に対し後方に移動するようになっている。しかし、これに限定されるものではなく、作業床移動シリンダ63が縮むことにより作業床64が作業床台座62に対し後方に移動し、作業床移動シリンダ63が伸びることにより作業床64が作業床台座62に対し前方に移動するようにしてもよい。その場合、上記第1実施形態においては、アーム追従シリンダ38のボトム側油室と作業床移動シリンダ63のロッド側油室とを第1油路71により繋ぎ、アーム追従シリンダ38のロッド側油室と作業床移動シリンダ63のボトム側油室とを第2油路72により繋げればよい。また、上記第2実施形態では、作業床移動シリンダ63に替えて電動アクチュエータや空気圧アクチュエータを用いてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、本発明をジャッキ装置により車体を持ち上げて作業を行う高所作業車に適用した場合を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、軌陸車等の他の高所作業車に本発明を適用してもよい。また、上記実施形態では、電気駆動型(バッテリ駆動型)の高所作業車を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、エンジンの動力をPTO機構(パワーテイクオフ機構)によって取り出して油圧ポンプを駆動するPTO駆動型の高所作業車や、その両者を具備して動力源を選択的に切り替えるハイブリッド型の高所作業車であってもよい。また、本発明は、高所作業車に搭載されない高所作業装置にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1,1A 高所作業車
2 車体
30 旋回昇降装置
31 車体側旋回台
32 下アーム
33 上アーム
34 右アーム
37 作業台側旋回台
38 アーム追従シリンダ
60 作業台
61 作業台本体部
62 作業床台座
63 作業床移動シリンダ
64 作業床
101 起伏角検出器
102 旋回角検出器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14