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特開2023-125968物品管理システム、物品管理方法、物品検出器具、物品検出装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125968
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】物品管理システム、物品管理方法、物品検出器具、物品検出装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20230831BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20230831BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
G06K7/10 216
B65G1/137 B
G06K19/07 230
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030367
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】植田 良行
(72)【発明者】
【氏名】坂上 充敏
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB06
3F522CC09
3F522DD03
3F522EE18
3F522FF04
3F522FF23
3F522GG03
3F522LL42
(57)【要約】
【課題】物品に通信デバイスを取り付けることなく物品の有無を認識できるようにする。
【解決手段】本発明のある態様は、物品を載置するための載置部材と、載置部材に物品が載置されたときに鉛直方向に撓むように構成された弾性部材と、弾性部材の鉛直方向下方に設けられた通信デバイスと、通信デバイスの鉛直方向下方に設けられ、金属膜を有するシート部材と、通信デバイスと無線通信を行う無線装置と、無線装置による通信デバイスとの通信可否の結果を取得し、通信可否の結果に基づいて、物品が前記載置部材に載置されているか否か決定する制御装置と、を備えた、物品管理システムである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を載置するための載置部材と、
前記載置部材に物品が載置されたときに鉛直方向に撓むように構成された弾性部材と、
前記弾性部材の鉛直方向下方に設けられた通信デバイスと、
前記通信デバイスの鉛直方向下方に設けられ、金属膜を有するシート部材と、
前記通信デバイスと無線通信を行う無線装置と、
前記無線装置による前記通信デバイスとの通信可否の結果を取得し、前記通信可否の結果に基づいて、前記物品が前記載置部材に載置されているか否か決定する制御装置と、を備えた、
物品管理システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記通信デバイスが信号を発信する頻度に基づいて、前記物品が前記載置部材に載置されているか否か決定する、
請求項1に記載された物品管理システム。
【請求項3】
前記載置部材に物品が載置されているか否かに関係なく、前記シート部材に遮蔽されない位置に配置された参照用の通信デバイスをさらに備え、
前記無線装置は、前記参照用の通信デバイスと通信を行い、
前記制御装置は、前記無線装置による前記参照用の通信デバイスとの通信可否の結果を取得する、
請求項1又は2に記載された物品管理システム。
【請求項4】
前記通信デバイスは、周囲の電波を収集して電力に変換し、当該電力を貯蔵するキャパシタを備えた無線タグである、
請求項1から3のいずれか一項に記載された物品管理システム。
【請求項5】
前記通信デバイスは、UHF帯の無線タグである、
請求項1から3のいずれか一項に記載された物品管理システム。
【請求項6】
前記通信デバイスは、HF帯の無線タグである、
請求項1から3のいずれか一項に記載された物品管理システム。
【請求項7】
前記通信デバイスは、マイクロ波帯の無線タグである、
請求項1から3のいずれか一項に記載された物品管理システム。
【請求項8】
前記弾性部材は、板ばねである、
請求項1から7のいずれか一項に記載された物品管理システム。
【請求項9】
前記弾性部材は、コイルばねである、
請求項1から7のいずれか一項に記載された物品管理システム。
【請求項10】
前記シート部材の鉛直方向下方に設けられた緩衝材をさらに備えた、
請求項1から9のいずれか一項に記載された物品管理システム。
【請求項11】
物品を載置するための載置部材と、前記載置部材に物品が載置されたときに鉛直方向に撓むように構成された弾性部材と、前記弾性部材の鉛直方向下方に設けられた通信デバイスと、前記通信デバイスの鉛直方向下方に設けられ、金属膜を有するシート部材と、を備えた物品検出器具を配置し、
無線装置による前記通信デバイスとの通信可否の結果を取得し、
前記通信可否の結果に基づいて、前記物品が前記載置部材に載置されているか否か決定する、
物品管理方法。
【請求項12】
物品を検出するための物品検出器具であって、
物品を載置するための載置部材と、
前記載置部材に物品が載置されたときに鉛直方向に撓むように構成された弾性部材と、
前記弾性部材の鉛直方向下方に設けられた通信デバイスと、
前記通信デバイスの鉛直方向下方に設けられ、金属膜を有するシート部材と、を備えた、
物品検出器具。
【請求項13】
物品を検出するための複数の物品検出器具がマトリクス状に配置された物品検出装置であって、
各物品検出器具は、
物品を載置するための載置部材と、
前記載置部材に物品が載置されたときに鉛直方向に撓むように構成された弾性部材と、
前記弾性部材の鉛直方向下方に設けられた通信デバイスと、
前記通信デバイスの鉛直方向下方に設けられ、金属膜を有するシート部材と、を備えた、
物品検出装置。
【請求項14】
請求項13に記載された物品検出装置を配置し、
前記物品検出装置に含まれる複数の物品検出器具の各々について、無線装置による前記通信デバイスとの通信可否の結果を取得し、
前記通信可否の結果に基づいて、各物品検出器具に物品が載置されているか否か決定し、
前記複数の物品検出器具の各々が配置された位置情報を参照して、前記複数の物品検出器具の各々に物品が載置されているか否かの情報を、前記複数の物品検出器具の位置情報に対応させてマトリクス状に表示装置に表示させる、
物品管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理システム、物品管理方法、物品検出器具、及び、物品検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品管理システムとして、物品と無線タグを関連付けて物品の在庫管理を行うようにしたものが従来から提案されている。
例えば、特許文献1では、ICタグと読取装置と移動装置とから構成され、棚に載置される物品に付されたICタグからの信号を読取装置により読み取ることにより、読み取った信号に基づき、棚にいかなる物品が載置されているか否かを認識する在庫管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-242058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スーパーマーケット等の小売店の店頭において在庫管理と商品補充を行う場合、従来では、小売店の担当者が目視で商品の展示数を確認し、必要に応じて商品の補充を行っていた。この作業は人手が掛かる上、正確さに欠けるという欠点がある。また、小売店において従来の在庫管理システムのように各商品にICタグを取り付けて在庫管理をしようとすると、すべての商品にICタグを取り付けなければならず、コストの上昇を招来して好ましくない。
【0005】
そこで、本発明は、物品に通信デバイスを取り付けることなく物品の有無を認識できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、物品を載置するための載置部材と、
前記載置部材に物品が載置されたときに鉛直方向に撓むように構成された弾性部材と、
前記弾性部材の鉛直方向下方に設けられた通信デバイスと、
前記通信デバイスの鉛直方向下方に設けられ、金属膜を有するシート部材と、
前記通信デバイスと無線通信を行う無線装置と、
前記無線装置による前記通信デバイスとの通信可否の結果を取得し、前記通信可否の結果に基づいて、前記物品が前記載置部材に載置されているか否か決定する制御装置と、を備えた、
物品管理システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、物品に通信デバイスを取り付けることなく物品の有無を認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態の商品管理装置の配置例を示す図である。
図2】一実施形態の商品検出器具の平面図と正面図である。
図3図2のA-A断面について、商品検出器具に商品が載置されていない状態と商品が載置された状態とを示す図である。
図4】一実施形態の商品管理システムの各装置の内部構成を示すブロック図である。
図5】IoTタグから送信されるアドバタイジングパケットの構成を示す図である。
図6】タグデータベースのデータ構成例を示す図である。
図7】店舗端末に表示される画面の一例を示す図である。
図8】店舗端末に表示される画面の一例を示す図である。
図9】店舗端末に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示において「物品」とは、例えば商品、製品、半製品(製造途中にある中間段階の製品)、モックアップ等の有体物を意味する。以下の実施形態では、物品の一例として、店舗において販売の対象となっている商品を挙げる。
【0010】
以下、本開示の物品処理システムの一実施形態である商品管理システムについて説明する。
一実施形態の商品管理システムは、店頭に商品が配置されている場合に、売れ残っている商品がいくつ、どの位置にあるのか、その場にいなくても店舗担当者が認識できるように構成されている。
商品は限定しないが、マトリクス状に配列されている商品であることが好ましく、例えば、粉末状洗剤等の箱型商品、洗濯用の柔軟剤、液体洗剤、シャンプー、リンス等のボトル型商品等、広く適用することができる。
商品があるか(残っているか)否かを検出するために、商品検出器具(物品検出器具の一例)が使用される。一実施形態では、商品の単品に1つの商品検出器具が使用される。この商品検出器具に商品を載置させた状態で商品を販売し、来店者が当該商品を取得(購入)した場合、商品検出器具から商品が外される。各商品検出器具により商品が載置されているか否かを検出することで店頭での商品の売れ残り状態がわかるため、店舗の担当者に商品を補充すべきか否か適時に通知するようにシステムを構成することができる。
【0011】
一実施形態の商品検出器具は、通信デバイスを備える。通信デバイスが通信可能な範囲内には、通信デバイスと通信を行うための無線装置が配置される。
商品検出器具は、商品が載置されたときに通信デバイスの位置が商品の重量によって鉛直方向下方に変位し、それによって通信デバイスから電波を発信できなくなるように構成される。例えば、通信デバイスが変位したときに通信デバイスが金属膜を有するシート部材に接触することで、シート部材の電磁シールド機能により通信デバイスが電波を放射できなくなり、無線装置が通信デバイスからの信号を受信できなくなる。そこで、無線装置が商品検出器具に備わっている通信デバイスからの信号を受信できたか否かに基づいて、商品が商品検出器具に載置されたか否か判断することができる。
【0012】
通信デバイスは、周囲の電波を収集して電力に変換し、当該電力を貯蔵するキャパシタを備えたIoTタグ(無線タグの一例)が長期間メンテナンス不要で利用可能な点で好ましいが、その限りではなく、UHF帯、HF帯、又は、マイクロ波帯で動作するRFIDタグ(無線タグの一例)であっても構わない。また、いずれの場合も、RFIDタグは、パッシブ型(電池が内蔵されていないもの)でもよいし、アクティブ型(電池が内蔵されているもの)であってもよい。
【0013】
一実施形態の商品管理システムでは、無線装置は、商品が商品検出器具に載置されておらず、通信デバイスとの通信が可能である場合、通信デバイスを識別する識別情報(例えば、後述するタグID)を受信し、ネットワークを介して受信した識別情報をサーバに通知する。それによってサーバは、識別情報に対応する通信デバイスが設けられた商品検出器具に商品が載置されていないと判断できる。サーバは、同じ商品コードの複数の商品がマトリクス状に配置されている場合であっても、各商品があるか否かを個別に認識することができるため、店舗の担当者に対して、売れた商品と売れ残り商品の位置を視覚的に認識可能な情報を通知できる。
以下、一実施形態の商品管理システム1について、より具体的に説明する。
【0014】
図1に、店舗においてマトリクス状に配列されている商品Pと商品管理装置4の一例を示す。
図1に示す例では、正面側の通路と背面側の通路の間にある商品棚に、複数の商品Pが配置された例が示される。この例では、2列5行の10個の商品Pが配置可能に構成される。列を1~2、行をA~Eで表した場合、A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2の10個の位置に商品Pを配置させることが可能である。
商品管理装置4(物品検出装置の一例)は、商品の配置に対応して、2×5の10個の商品検出器具3を含む。
図1に示す例では、E1及びE2の位置にあった商品Pが売れて無くなり、残りの8個の商品Pが売れ残っている状態を示している。
【0015】
次に、図2及び図3を参照して、商品検出器具3の構造について説明する。商品検出器具3は、対応する位置に配置された商品Pがあるか否か検出するための器具である。
図2は、一実施形態の商品検出器具3の平面図と正面図である。図3は、図2のA-A断面について、商品検出器具3に商品Pが載置されていない状態と商品Pが載置された状態とを示す図である。
図2を参照すると、商品検出器具3は、枠体31、載置部材32、弾性部材33、及び、保持部34を備える。限定するものではないが、枠体31、載置部材32、及び、保持部34は、例えばプラスチック等の樹脂、木材、紙で成形される。
【0016】
枠体31は、商品棚に据え置くためのベースとなる部分である。一例では、図2に示すように、枠体31の外縁は、矩形又は正方形であり、平面視で載置部材32と重ならないような形態をなしている。枠体31は、底面311及び上面312を有する。底面311は、商品棚9に接触する面である。
図2及び図3に示すように、枠体31の内縁のうち対向する一対の辺には、上面312から一段低くなった段差部313が形成されている。この段差部313に、保持部34が固定されている。固定方法は問わないが、例えば、接着剤によって固定される。
【0017】
図3に示すように、保持部34は、断面コの字形状であり、枠体31の内縁のうち対向する一対の辺の間に弾性部材33が架かるように、弾性部材33の両端を保持する。弾性部材33は断面コの字状の保持部34に圧入されてもよいし、接着剤で保持部34に固定されてもよい。
弾性部材33は、例えば天然ゴム又は合成ゴムによって成形された長尺状の板ばねである。図2に示す例では、2個の弾性部材33を取り付けた例が示されるが、その限りではなく、弾性部材33の数や大きさ、又は材質は、載置部材32に載置される商品の重量に応じた弾性特性が得られるように、適宜決定される。
【0018】
弾性部材33の上面には、物品を載置するための載置部材32が取り付けられる。載置部材32は、矩形又は正方形の平板であり、弾性部材33と例えば両面テープや接着剤で貼り付けられる。図3に示すように、弾性部材33は、載置部材32に商品Pが載置されたときに鉛直方向下方に撓むように構成されている。
図3に示すように、弾性部材33の下側の面の中央付近には、IoT(Internet of Things)タグT(通信デバイスの一例)が取り付けられる。IoTタグは、周囲環境の電波に基づいて発電する環境発電型の通信デバイスの一例であり、バッテリを備えていない。
【0019】
タグTの最大通信距離は、限定しないが、例えば3~10メートルの範囲である。タグTは、低電力消費の無線通信を行うように構成されており、通信プロトコルの例としては、Bluetooth(登録商標) Low Energy (以下、BLE)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等が挙げられる。以下では、BLEによる通信を行う場合を例として説明する。
タグTは、BLEの規格に準拠する場合、所定間隔毎(例えば、1~10秒程度の短時間毎)にアドバタイジングパケット(後述する)をブロードキャスト送信する。タグTが送信するパケットには、タグの識別情報であるタグIDが含まれる。
【0020】
図1に示したように、商品棚9の近くには、タグTとBLE通信を行うための無線装置2が配置される。後述するが、無線装置2は、ネットワークを介してタグ管理サーバ(後述する)と通信可能なゲートウェイ装置である。無線装置2は、商品Pが載置されていない商品検出器具3に設けられたタグTから発信されるパケットを受信可能な位置に配置される。すなわち、無線装置2は、タグTの電波出力を考慮して配置される。
無線装置2の設置場所は図示された位置に限定されることなく、任意に設定することができる。
【0021】
図3に示すように、弾性部材33に取り付けられたタグTの鉛直方向下方には、枠体31の底面311を基準とした所定の高さの位置にネーマ紙NPが配置される。ネーマ紙NPを所定の高さの位置に配置するためには、商品棚に所定の高さのスペーサを設ければよい。
ネーマ紙NP(シート部材の一例)は、透明PETフィルム、アルミニウムの蒸着層(膜)(金属膜の一例)、粘着剤をこの順に積層したものであり、粘着剤により商品Pの背面に貼り付けられている。なお、ネーマ紙NPに代えて、曲面追従性を有するホイル紙(フォイル紙)を使用してもよい。この他、金属プレート、電波吸収シート、金属粉や磁性紛を練り込んだ塗膜を有するシートも使用可能である。
【0022】
図3に示す好ましい例では、スペーサとして例えばスポンジ等の緩衝材35が設けられ、緩衝材35上にネーマ紙NPが配置される。すなわち、載置部材32に商品Pが載置されて弾性部材33が鉛直方向に撓んだときに、弾性部材33の下側の面に取り付けられているタグTが直下のネーマ紙NPに接触するが、その際にタグT又はネーマ紙NPが損傷することがないように、ネーマ紙NPの下方に緩衝材35が配置される。緩衝材35を設けることで、タグTがネーマ紙NPと接触するときの衝撃が和らげられる。
【0023】
図3に示すように、載置部材32に商品Pが載置されていない状態では、弾性部材33が鉛直方向下方にほとんど撓むことはないため、弾性部材33の下面に取り付けられているタグTと、タグTの直下にあるネーマ紙NPとの間に隙間が確保されている。この状態では、タグTからの電波の放射性能が低下しないため、無線装置2がタグTから発信されるパケットを問題なく受信できる。
他方、載置部材32に商品Pが載置されている状態では、載置部材32の下方にある弾性部材33が鉛直方向下方に撓み、それによって弾性部材33の下面に取り付けられているタグTが、直下にあるネーマ紙NPと接触する。すると、ネーマ紙NPにはアルミニウムの蒸着層があるため、この層がタグTから発信される電波を遮蔽し、タグTからの電波の放射性能が大幅に低下する。その結果、無線装置2がタグTから発信されるパケットを受信できなくなるか、受信頻度が大幅に低下する。
このようにして、商品検出器具3は、対応する商品Pが載置されているか否か検出することができる。
【0024】
なお、図2では、平面視で矩形又は正方形の形態を有する商品検出器具3を例示したが、商品検出器具の形態はその限りではなく、円形、楕円形、又は多角形等、任意の形態を採ることができる。任意の形態の載置部材に商品を載置したときに載置部材が鉛直方向下方に撓み、タグTとネーマ紙NPを接触させられればよく、商品検出器具の枠体や載置部材の形態は本質的ではない。
【0025】
また、図2に例示した商品検出器具3は、弾性部材33としてゴム材料の板ばねを適用した例であるが、弾性部材はその限りではなく、コイルばねを適用することもできる。その場合、枠体に商品棚9と接触する底板を設け、底板と載置部材32の間にコイルばねを配置する。
【0026】
図1に示すように、好ましくは、商品棚9に参照タグTrefが配置される。参照タグTrefは、参照用のタグであり、タグTと同じ構成のデバイスである。
参照タグTrefは、商品Pが対応する商品検出器具3に載置されているか否かに関わらず無線装置2と通信可能である限り、如何なる場所に配置されてもよい。参照タグTrefは、無線装置2が正常に動作しているか否か判断するために設けられる。特に、すべての商品検出器具3に商品Pが載置されている状態では、無線装置2がすべての商品検出器具3のタグTから発信される電波を受信できないため、仮に参照タグTrefがないとしたならば、システムが正常に動作しているかの判断が難しい。そこで、商品Pが対応する商品検出器具3に載置されているか否かに関わらず無線装置2と通信可能な参照タグTrefを設けることで、システムが正常に動作しているか否か判断できる。
【0027】
次に、図4及び図5を参照して、一実施形態の商品管理システム1の各装置の構成を説明する。
図4は、本実施形態の商品管理システム1の各装置の内部構成を示すブロック図である。図5は、タグTから送信されるアドバタイジングパケットの構成を示す図である。
【0028】
図4に示すように、商品管理システム1は、無線装置2、及び、無線装置2とネットワークNWを介して通信可能なタグ管理サーバ5(制御装置の一例)を含む。ネットワークNWは限定しないが、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、移動体通信ネットワーク、インターネット等である。無線装置2とタグ管理サーバ5は、一実施形態の制御装置を構成する。
無線装置2は、タグT及び参照タグTrefからBLE通信によりパケットを受信するBLE無線端末として機能する。また、無線装置2は、各タグからパケットを受信すると、受信したパケットに含まれるタグIDをタグ管理サーバ5に送信する。
タグT及び参照タグTrefは、正常にパケットを発信できる状況では、上述したように所定間隔毎にパケットを発信し、それに応じて無線装置2もタグIDを所定間隔毎にタグ管理サーバ5に送信する。
【0029】
図4を参照すると、タグTは、例えば、制御部11、アンテナ12、ハーベスティング部13、電圧制御部14、及び、RFトランシーバ15を含む。なお、以下では、タグTの構成について説明するが、図4に図示しない参照タグTrefの構成もタグTと同じである。
【0030】
タグ全体の形態は図示しないが、例えば、アンテナ12が形成される所定のパターンの導電性金属箔と、当該金属箔に接続されるICチップとが接続された薄膜状の部材である。ICチップ内に、制御部11、ハーベスティング部13、及び、電圧制御部14、RFトランシーバ15が実装される。
【0031】
制御部11は、マイクロプロセッサとメモリ111を有し、タグTの全体を制御する。メモリ111は、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)であり、マイクロプロセッサによって実行されるプログラムのほか、タグTに固有の識別情報であるタグIDを記憶する。
【0032】
ハーベスティング部13は、周囲環境の電波(例えば周囲の無線通信による電波)に基づいて環境発電を行い、発電により得られた電力を内部のエネルギーストレージ131に貯蔵する。本実施形態では、ハーベスティング部13は、例えばアンテナ12が受信した無線信号を直流電圧に変換し、エネルギーストレージ131に貯蔵する。エネルギーストレージ131は、例えばキャパシタである。キャパシタの場合には、半導体チップ上に構成されたもの(つまりオンダイ(on-die)型のキャパシタ)でもよい。
【0033】
ハーベスティング部13が環境発電に使用する電波は、広範囲の周波数帯域において複数の異なる周波数帯の電波である。例えば、いわゆる3G~5G等の移動体通信システムで採用されている周波数帯の無線通信による電波、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格で採用されている周波数帯の無線通信による電波、ZigBee(登録商標)やThread等の通信プロトコルに代表される2.4GHz帯の無線通信による電波、RFIDで採用されている周波数帯(例えば、900MHz帯、13.56MHz帯)の無線通信による電波等が挙げられる。
ここに例示したような電波は、一般に、ほとんどすべてのエリアで適用可能である。そして、タグTは、周囲環境の電波に基づいてハーベスティング部13による環境発電で得られる電力で動作する。そのため、タグTにバッテリを搭載する必要がなく、システムコストを抑制することができる。また、バッテリを搭載する必要がないことから、バッテリの交換作業を行わずに済むため、タグが存在するにもかかわらずタグIDを取得できないという不具合が生じない。
【0034】
電圧制御部14は、制御部11及びRFトランシーバ15に動作電圧を供給するとともに、エネルギーストレージ131の電圧をモニタしており、モニタ結果に応じて電力モードを切り替える。エネルギーストレージ131の電圧が所定の閾値以下である場合には、電力モードを最小限の回路のみを動作させる第1モードとし、このとき制御部11及びRFトランシーバ15では、後述するパケットの生成や無線信号の送信等が行われない。エネルギーストレージ131の電圧が所定の閾値以上まで充電された場合には、電力モードを通常の処理ルーチンを実行する第2モードとし、このとき制御部11及びRFトランシーバ15ではパケットの生成、無線信号の送信を含む各種の処理が行われる。
【0035】
制御部11は、電力モードが第2モードの場合に、BLEのプロトコルに従ってアドバタイジングパケットを生成する。
アドバタイジングパケットは、BLEにおいてブロードキャスト通信を実現するためにアドバタイジングチャネルを利用して送信されるパケットであり、図5に示すパケット構成を有する。
【0036】
図5においてプリアンブル及びアドレスアクセスは、それぞれが所定の固定値である。CRCは巡回検査符号であり、パケットペイロード(つまり、アドバタイジングチャネルPDU(protocol data unit))を対象として所定の生成多項式を用いて算出される検査データである。
アドバタイジングチャネルPDU(以下、単に「PDU」という。)はヘッダとペイロードからなり、当該ペイロードは、ADVアドレスとADVデータとからなる。ADVアドレスはアドバタイザー(つまり、報知する主体であるタグT)のアドレスであるが、送信元を特定しないように送信の都度に設定されるランダムな値でもよい。ADVデータはアドバタイザーのデータ(ブロードキャストデータ)であり、タグIDを含む。
【0037】
制御部11は、PDUを暗号化することが好ましい。暗号化方法は限定しないが、例えば鍵長128ビットのAES(Advanced Encryption Standard)を利用することができる。
【0038】
RFトランシーバ15は、送信するパケット(ベースバンド信号)に対して所定のデジタル変調(例えばGFSK(Gaussian Frequency Shift Keying))を行った後に直交変調を行い、高周波信号(BLEの場合、2.4GHzの周波数帯の信号)をアンテナ12に送出する。
【0039】
アンテナ12は、送信アンテナと発電用アンテナを含む。送信アンテナは、RFトランシーバ15によって送出される高周波の無線信号(パケット)を送信する。他方、発電用アンテナは、例えば周囲環境の電波を受信し、ハーベスティング部13と協働してレクテナとして機能する。
【0040】
図4に示すように、無線装置2は、制御部21、アンテナ22、RFトランシーバ23、および、通信部24を備える。
制御部21は、マイクロプロセッサを主体として構成され、無線装置2の全体を制御する。例えば、制御部21は、タグTから受信したパケットのPDUを復号し、CRCからタグT側と同一の生成多項式を用いて誤り検出を行った後、当該PDUからブロードキャストデータを抽出し、タグ管理サーバ5に送信するように、通信部24を制御する。
RFトランシーバ23は、アンテナ22でタグTから受信した無線信号を検波し、ベースバンド信号に変換し、所定のデジタル復調を行ってパケットを受信する。また、RFトランシーバ23は、ビーコン信号をアンテナ22から送信するために、例えば所定のパターンのベースバンド信号を直交変調してアンテナ22に送出する。
通信部24は、タグ管理サーバ5との通信を行うための通信インタフェースとして機能する。
【0041】
図4に示すように、タグ管理サーバ5は、例えば、制御部51、ストレージ52、及び、通信部53を備える。
制御部51は、マイクロプロセッサを主体として構成され、タグ管理サーバ5の全体を制御する。
ストレージ52は、HDD(Hard Disk Drive)等の大規模記憶装置を備え、タグデータベース(タグDB)を記憶する。図6に示すように、タグデータベースには、タグTのタグIDと、当該タグTを含む商品検出器具3に載置される商品の商品コードと、当該商品が配置される位置の情報(位置情報)が関連付けられている。ストレージ52はまた、参照タグTrefのタグIDを記憶している。
図1に示す例では、タグデータベースに記述されている商品の位置情報は、A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2のいずれかである。
通信部53は、無線装置2及び店舗端末8と通信を行うための通信インタフェースとして機能する。
【0042】
制御部51はサーバプログラムを実行することで、各タグT及び参照タグTrefが発信するタグIDを含むパケットを無線装置2が受信した場合、当該パケットに含まれるタグIDを無線装置2から取得する。
【0043】
一実施形態では、制御部51は、参照タグTrefのタグIDを無線装置2から取得する度に、取得したタグIDと、タグIDを取得した時刻とを、タグ検出ログとしてストレージ52に記録する。図1に示したように、参照タグTrefは遮蔽されることがないため、無線装置2が故障していない限り、参照タグTrefがパケットを発信する所定間隔ごとに参照タグTrefのタグIDを取得できる。参照タグTrefのタグIDを所定間隔ごとに取得できない場合には、制御部51は、無線装置2が故障していると判断し、店舗端末8に通知する。
【0044】
制御部51は、各タグTのタグIDを無線装置2から取得する度に、タグデータベースを参照して、取得したタグIDに対応する商品コードと位置情報を特定し、その特定結果を示す画像を生成して店舗端末8(表示装置の一例)に送信する。タグIDを取得できたということは、当該タグIDに対応する商品検出器具3に、対応する商品コードの商品が載置されていないことを意味している。したがって、制御部51によって特定される商品コードと位置情報は、例えば、図1に示すように、複数の商品検出器具3がマトリクス状に配置されている場合に、マトリクスの各位置に商品があるか否かについての情報に相当する。
【0045】
制御部51は、タグTが信号(パケット)を発信する頻度に基づいて、商品が商品検出器具3に載置されているか否か決定してもよい。商品検出器具3に商品が載置されたときにタグTがネーマ紙NPに近接するものの十分に接触しない場合には、タグTから発信される電波が完全には遮蔽されず、無線装置2がタグTから信号を受信することもある。その場合、タグTが信号を発信する頻度が低く、したがって無線装置2がタグTから信号を受信する頻度も低くなる。そこで、制御部51は、タグTが信号を発信する頻度が低く、それによって無線装置2からタグIDを取得する頻度が所定の閾値より低い場合には、対応する商品検出器具3に商品が載置されていると判断する。
【0046】
店舗端末8は、店舗の担当者が所持し、かつタグ管理サーバ5と通信可能な情報処理端末であり、例えばPC(パーソナルコンピュータ)、タブレット端末やスマートフォン等である。
店舗端末8は、タグ管理サーバ5から通知される情報(例えば、無線装置2が故障していることを示す情報)や、タグ管理サーバ5から送信される画像を表示する。タグ管理サーバ5から送信される画像は後で例示により説明するが、例えばマトリクス状に配置された複数の商品の各々の有無を示す画像である。
通信プロトコルを限定するものではないが、店舗端末8とタグ管理サーバ5は例えばHTTPSにより通信を行い、店舗端末8のブラウザはタグ管理サーバ5から送信される画像を含むウェブページを表示する。
【0047】
図7に、店舗端末8において表示される画像の一例を示す。この画像は、図1に示したように複数の商品が2×5のマトリクス状に配置される場合に対応している。
図7に示す画像は、上部101、中間部102、及び、下部103からなる。上部101には、商品名(例えば、ABC)や、補充用の商品の在庫の場所(補充在庫セクション)の位置情報(例えば、WS3)が表示される。中間部102には、店頭に配置可能な商品のうち売れ残っている商品の割合を示す情報(例えば、90%)が表示される。中間部102には、当該割合に応じたメッセージ(例えば、「店頭の残りが90%です。」というテキスト)が表示されてもよい。
【0048】
下部103には、2×5のマトリクス状に配置される商品検出器具3の各々の位置に商品が配置されているか否かについての情報が視覚的に認識可能に表示される。図示に示す例では、店頭の商品の配置レイアウトを模したマトリクス状の複数の矩形(1~2列、A~E行の矩形)が表示され、各矩形の中にタグIDを表示させるとともに、対応する位置の商品があるか否かに応じた表示態様で各矩形を表示させる。それによって、店舗端末8を見た店舗の担当者は即座に、商品名:ABCの商品のどの位置の商品があるか否か認識できる。
図8に示す例では、E2の商品が売れて無くなり、その他の商品が売れ残っている状態を示している。そのため、店頭の残りが90%(=9/10)として中間部102に表示される。このように僅か1個が欠品している場合でも、店舗の担当者が店頭の在庫状況を認識しやすくなる。
【0049】
図8に、店舗端末8において表示される画像の別の例を示す。
図8に示す画像は、図7と同様に、2×5のマトリクス状に配置される商品検出器具3の各々の位置に商品が配置されているか否かを示しているが、商品の残りの状況が図7とは異なる。図8は、図7の状態から商品がさらに売れた状態を示している。
図8の下部103に示す例では、A1,A2,B1の商品が売れ残っており、その他の商品が売れて無くなった状態を示している。そのため、店頭の残りが30%(=3/10)として中間部102に表示される。この場合、中間部102には、当該割合に応じたメッセージ(例えば、「店頭の残りが30%です。補充してください。」というテキスト)が表示されてもよい。
【0050】
図9に、店舗端末8において表示される画像のさらに別の例を示す。
図9に示す画像は、図7と同様に、2×5のマトリクス状に配置される商品検出器具3の各々の位置に商品が配置されているか否かを示しているが、商品の残りの状況が図7とは異なる。
図9の下部103に示す例では、A1,A2の商品が売れて無くなり、その他の商品が売れ残っている状態を示している。そのため、店頭の残りが80%(=8/10)として中間部102に表示される。
図9に示す状態では、正面側から見て奥の2個の商品が欠品している。このような状態では、正面側の通路から店舗の担当者が商品の状況を目視確認したとすれば、奥の2個の商品の欠品を見逃してしまう可能性がある。しかし、図9に示すように視覚的に表示すれば奥の2個の商品の欠品が一目瞭然である。
【0051】
図1では商品検知器具3が2×5のマトリクス状に配置されている例を説明したが、これらの商品検知器具3の上側に柔軟性のある樹脂シート、フィルムや布を被せて使用しても良い。樹脂シート等を被せることにより、凹凸が緩和され、商品Pの取り出しや補充がスムースに行われるようになる。
【0052】
以上説明したように、上述した商品管理システム1では、商品検出器具3は、商品が載置されたときにタグTの位置が商品の重量によって鉛直方向下方に変位し、それによってタグTがネーマ紙NPと接触することでタグTが電波を放射できなくなるように構成される。タグ管理サーバ5は、無線装置2から、無線装置2がタグTから信号を受信できたか否かの結果を取得し、その結果に基づいて商品が商品検出器具3上に載置されているか否か判断する。複数の商品が配置される場合には商品ごとに複数の商品検出器具3の各々に配置されるように構成し、各商品の有無を表示させることで、店舗の担当者は、商品の在庫数だけでなく、どの位置の商品が売れ残っているか認識することができる。
【0053】
したがって、商品管理システム1によれば、店舗の担当者が目視確認しなくても、商品の在庫数や補充すべき商品の位置を把握することができ、商品補充や商品の発注を適切に行うことができる。特に、補充すべき商品の位置(商品検出器具3に商品が載置されていない位置)を正確に認識できるため、商品の補充作業が容易になる。また、売れ残っている商品の位置を把握できるため、複数の商品がマトリクス状に配置されている場合、売れ残っている商品を来店者の目に留まりやすい位置に移動させる等、適切な商品配置作業を適時に行うことができる。
【0054】
一実施形態の商品管理方法(物品管理方法の一例)は、以下の(1)~(3)の各ステップを含む。
(1)商品Pを載置するための載置部材32と、載置部材32に商品Pが載置されたときに鉛直方向に撓むように構成された弾性部材33と、弾性部材33の鉛直方向下方に設けられたタグTと、タグTの鉛直方向下方に設けられたネーマ紙NPと、を備えた商品検出器具3を配置するステップ
(2)無線装置2によるタグTとの通信可否の結果を取得するステップ
(3)通信可否の結果に基づいて、商品Pが載置部材32に載置されているか否か決定するステップ
【0055】
さらに一実施形態の商品管理方法は、以下の(4)~(7)の各ステップを含む。
(4)商品管理装置4を配置するステップ
(5)商品管理装置4に含まれる複数の商品検出器具3の各々について、無線装置2によるタグTとの通信可否の結果を取得するステップ
(6)上記通信可否の結果に基づいて、各商品検出器具3に物品が載置されているか否か決定するステップ
(7)複数の商品検出器具3の各々が配置された位置情報についてタグデータベース参照して、複数の商品検出器具3の各々に商品が載置されているか否かの情報を、複数の商品検出器具3の位置情報に対応させてマトリクス状に店舗端末8に表示させるステップ
【0056】
以上、本発明の物品管理システム、物品管理方法、物品検出器具、及び、物品検出装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。
【符号の説明】
【0057】
1…商品管理システム
T…タグ
Tref…参照タグ
11…制御部
111…メモリ
12…アンテナ
13…ハーベスティング部
131…エネルギーストレージ
14…電圧制御部
15…RFトランシーバ
2…無線装置
21…制御部
22…アンテナ
23…RFトランシーバ
24…通信部
3…物品検出器具
31…枠体
311…底面
312…上面
313…段差部
32…載置部材
33…弾性部材
34…保持部
35…緩衝材
4…物品管理装置
5…タグ管理サーバ
51…制御部
52…ストレージ
53…通信部
8…店舗端末
9…商品棚
P…商品
NP…ネーマ紙
NW…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を載置するための載置部材であって、物品が載置されていないときに第1位置にあり、物品が載置されたときに前記第1位置から第2位置に向かって移動する載置部材と、
前記載置部材に取り付けられた通信デバイスと、
前記通信デバイスと近接した場合に前記通信デバイスから放射する電波を遮蔽する電波遮蔽部材と、
前記通信デバイスと無線通信を行う無線装置と、
前記無線装置による前記通信デバイスとの通信可否の結果を取得し、前記通信可否の結果に基づいて、前記物品が前記載置部材に載置されているか否か決定する制御装置と、を備え、
前記載置部材が前記第1位置にあるときに前記通信デバイスが前記電波遮蔽部材から離間し、前記載置部材が前記第2位置にあるときに前記通信デバイスが前記電波遮蔽部材に近接する、
物品管理システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記通信デバイスが信号を発信する頻度に基づいて、前記物品が前記載置部材に載置されているか否か決定する、
請求項1に記載された物品管理システム。
【請求項3】
前記載置部材に物品が載置されているか否かに関係なく、前記電波遮蔽部材にない位置に配置された参照用の通信デバイスをさらに備え、
前記無線装置は、前記参照用の通信デバイスと通信を行い、
前記制御装置は、前記無線装置による前記参照用の通信デバイスとの通信可否の結果を取得する、
請求項1又は2に記載された物品管理システム。
【請求項4】
前記通信デバイスは、周囲の電波を収集して電力に変換し、当該電力を貯蔵するキャパシタを備えた無線タグである、
請求項1から3のいずれか一項に記載された物品管理システム。
【請求項5】
前記通信デバイスは、UHF帯の無線タグである、
請求項1から3のいずれか一項に記載された物品管理システム。
【請求項6】
前記通信デバイスは、HF帯の無線タグである、
請求項1から3のいずれか一項に記載された物品管理システム。
【請求項7】
前記通信デバイスは、マイクロ波帯の無線タグである、
請求項1から3のいずれか一項に記載された物品管理システム。
【請求項8】
前記載置部材に取り付けられ、前記載置部材が前記第2位置にあるときに前記第2位置から前記第1位置に向かう方向に前記載置部材を付勢する弾性部材をさらに備えた、
請求項1から7のいずれか一項に記載された物品管理システム。
【請求項9】
前記弾性部材は、板ばねである、
請求項に記載された物品管理システム。
【請求項10】
前記弾性部材は、コイルばねである、
請求項に記載された物品管理システム。
【請求項11】
前記載置部材が前記第1位置から前記第2位置に向かう方向を第1方向としたときに、前記電波遮蔽部材から見て前記第1方向に設けられた緩衝材をさらに備えた、
請求項1から10のいずれか一項に記載された物品管理システム。
【請求項12】
前記電波遮蔽部材は、金属膜を有するシート部材である、
請求項1から11のいずれか一項に記載された物品管理システム。
【請求項13】
物品を載置するための載置部材であって第1位置と第2位置の間で移動可能な載置部材と、前記載置部材に取り付けられた通信デバイスと、前記通信デバイスと近接した場合に前記通信デバイスから放射する電波を遮蔽する電波遮蔽部材と、を備えた物品検出器具を配置し、
物品が前記載置部材に載置されていない場合には、前記載置部材が前記第1位置にあり、前記通信デバイスが前記電波遮蔽部材と離間しており、前記無線装置が前記通信デバイスと通信を行い、
物品が前記載置部材に載置された場合に、前記載置部材が前記第2位置に向かって移動して前記通信デバイスが前記電波遮蔽部材と近接し、
無線装置による前記通信デバイスとの通信可否の結果を取得し、
前記通信可否の結果に基づいて、前記物品が前記載置部材に載置されているか否か決定する、
物品管理方法。
【請求項14】
物品を検出するための物品検出器具であって、
物品を載置するための載置部材であって、物品が載置されていないときに第1位置にあり、物品が載置されたときに前記第1位置から第2位置に向かって移動する載置部材と、
前記載置部材に取り付けられた通信デバイスと、
前記通信デバイスと近接した場合に前記通信デバイスから放射する電波を遮蔽する電波遮蔽部材と、を備え、
前記載置部材が前記第1位置にあるときに前記通信デバイスが前記電波遮蔽部材から離間し、前記載置部材が前記第2位置にあるときに前記通信デバイスが前記電波遮蔽部材に近接する、
物品検出器具。
【請求項15】
物品を検出するための複数の物品検出器具がマトリクス状に配置された物品検出装置であって、
各物品検出器具は、
物品を載置するための載置部材であって、物品が載置されていないときに第1位置にあり、物品が載置されたときに前記第1位置から第2位置に向かって移動する載置部材と、
前記載置部材に取り付けられた通信デバイスと、
前記通信デバイスと近接した場合に前記通信デバイスから放射する電波を遮蔽する電波遮蔽部材と、を備え、
前記載置部材が前記第1位置にあるときに前記通信デバイスが前記電波遮蔽部材から離間し、前記載置部材が前記第2位置にあるときに前記通信デバイスが前記電波遮蔽部材に近接する、
物品検出装置。
【請求項16】
請求項15に記載された物品検出装置を配置し、
前記物品検出装置に含まれる複数の物品検出器具の各々について、無線装置による前記通信デバイスとの通信可否の結果を取得し、
前記通信可否の結果に基づいて、各物品検出器具に物品が載置されているか否か決定し、
前記複数の物品検出器具の各々が配置された位置情報を参照して、前記複数の物品検出器具の各々に物品が載置されているか否かの情報を、前記複数の物品検出器具の位置情報に対応させてマトリクス状に表示装置に表示させる、
物品管理方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明のある態様は、物品を載置するための載置部材であって、物品が載置されていないときに第1位置にあり、物品が載置されたときに前記第1位置から第2位置に向かって移動する載置部材と、
前記載置部材に取り付けられた通信デバイスと、
前記通信デバイスと近接した場合に前記通信デバイスから放射する電波を遮蔽する電波遮蔽部材と、
前記通信デバイスと無線通信を行う無線装置と、
前記無線装置による前記通信デバイスとの通信可否の結果を取得し、前記通信可否の結果に基づいて、前記物品が前記載置部材に載置されているか否か決定する制御装置と、を備え、
前記載置部材が前記第1位置にあるときに前記通信デバイスが前記電波遮蔽部材から離間し、前記載置部材が前記第2位置にあるときに前記通信デバイスが前記電波遮蔽部材に近接する、
物品管理システムである。