(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125971
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】ペーパータオルロール
(51)【国際特許分類】
D21H 27/00 20060101AFI20230831BHJP
B32B 29/00 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
D21H27/00 F
B32B29/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030371
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 光
(72)【発明者】
【氏名】大岡 康伸
(72)【発明者】
【氏名】大篭 幸治
【テーマコード(参考)】
4F100
4L055
【Fターム(参考)】
4F100CB00B
4F100DD01A
4F100DG10A
4F100JA13
4F100JD15
4F100JK04A
4F100JK06B
4F100YY00
4F100YY00B
4L055AF13
4L055AH37
4L055AJ07
4L055BE08
4L055BE15
4L055EA04
4L055EA07
4L055EA08
4L055EA10
4L055EA14
4L055GA29
(57)【要約】
【課題】高坪量かつ高吸水性のペーパータオルを巻回したペーパータオルロールであって、製造時におけるテールシール部3の剥がれ難さと使用時のテールシール部3の剥がし易さ及び水濡れ時の粘着感の少なさとを両立し、持ちやすさが良好であるペーパータオルロールを提供する
【解決手段】パルプ繊維を主体として合成繊維を含有する1plyのシートをロール状に巻き取り、ペーパータオルシート1xのテール部4と、ペーパータオルロール1の最外周面とをグルーにより接着したテールシール部3を有し、ペーパータオルシート1xは、坪量が40g/m
2以上150g/m
2以下、吸水量が210g/m
2以上520g/m
2以下であり、グルーの塗布量が0.5g以上5g以下であり、前記ペーパータオルロール1は、ロール密度が0.05g/cm
3以上0.19g/cm
3以下、巻直径が75mm以上160mm以下であるペーパータオルロール1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプ繊維を主体として合成繊維を含有する1plyのシートをロール状に巻き取ったペーパータオルロールであって
前記ペーパータオルシートのテール部と、前記ペーパータオルロールの最外周面と、をグルーにより接着したテールシール部を有し、
前記ペーパータオルシートは、坪量が40g/m2以上150g/m2以下、
吸水量が210g/m2以上520g/m2以下であり、
前記グルーの塗布量が0.5g以上5g以下、
前記ペーパータオルロールは、ロール密度が0.05g/cm3以上0.19g/cm3以下、巻直径が75mm以上160mm以下であるペーパータオルロール。
【請求項2】
前記グルーの塗布幅が2mm以上30mm以下である、請求項1に記載のペーパータオルロール。
【請求項3】
前記テール部の長さが4mm以上45mm以下である、請求項1又は請求項2に記載のペーパータオルロール。
【請求項4】
前記ペーパータオルの厚さが200μm以上1400μm以下である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のペーパータオルロール。
【請求項5】
前記グルーの剥離強度が0.6N/76mm以上8N/76mm以下である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のペーパータオルロール。
【請求項6】
前記ペーパータオルシートはその表面にエンボスを有し、前記エンボスの深さが0.07mm以上1.8mm以下である、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のペーパータオルロール。
【請求項7】
前記ペーパータオルシートのMD方向の曲げこわさが10μN・m以上130μN・m以下である、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のペーパータオルロール。
【請求項8】
前記ペーパータオルシートのDMDTが8N/25mm以上75N/25mm以下であり、DCDTが2N/25mm以上50N/25mm以下である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のペーパータオルロール。
【請求項9】
前記ペーパータオルシートは、全体の坪量に対する前記合成繊維の割合が5重量%以上50重量%以下、前記パルプ繊維の割合が50重量%以上95重量%以下である、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のペーパータオルロール。
【請求項10】
前記合成繊維の坪量が4g/m2以上40g/m2以下、前記パルプ繊維の坪量が33g/m2以上120g/m2以下である、請求項9のペーパータオルロール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペーパータオルロールに関する。
【背景技術】
【0002】
ペーパータオルには、キッチン周りの油汚れ掃除、水拭き、食品の水切り等、様々な用途がある。そこで、ペーパータオルには、水及油に対する優れた吸収性、掃除用途に使用した際にも簡単に破れず継続使用に耐える強度が求められている。以上のような課題を解決するために、種々の提案がなされている。
【0003】
特許文献1には、帯状の2プライのキッチンペーパー原反をロール状に巻きとり、その巻き終わり部分であるテール部を所定の接着糊によりロールの最外周面に接着してテールシールを行なう、キッチンペーパーロールの製造方法が記載されている(請求項1)。
所定の接着糊とは、第1の接着剤と第2の接着剤とを含有し、第1の接着剤は、セルロース系、澱粉系、アクリル樹脂系又はこれらの混合物を含有し、30℃における粘度が5~200mPa・sである水溶性接着剤であり、第2の接着剤は、ポリエチレンオキシド系、ポリエチレングリコール系又はこれらの混合物を含有し、30℃における粘度が2000~3000mPa・sである水溶性接着剤である。特許文献1によれば、キッチンペーパーロールを製造する際のテールシールの接着不良が防止され、キッチンペーパーロールの製造時の歩留まりが向上し、さらに副次的にキッチンペーパーロールに用いうるキッチンペーパーの吸水性を向上させることができると記載されている(段落0018)。
【0004】
特許文献2には、帯状の2プライのキッチンペーパー原反をロール状に巻き取り、その巻き終わり部分であるテール部を所定の接着糊により得られたロールの最外周面に接着してテールシールを行なう、キッチンペーパーロールの製造方法が記載されている(請求項1)。所定の接着糊は、第1の接着剤と第2の接着剤とを含有し、第1の接着剤はセルロース系、澱粉系、アクリル樹脂系又はこれらの混合物を含有し、30℃における粘度が5~200mPa・sである水溶性接着剤と、30℃における粘度が10000~20000mPa・sであるポリビニルアルコール系水溶性接着剤と、の混合物であり、第2の接着剤は、ポリエチレンオキシド系、ポリエチレングリコール系又はこれらの混合物を含有し、30℃における粘度が2000~3000mPa・sである水溶性接着剤である。特許文献2によれば、キッチンペーパーロールを製造する際のテールシールの接着不良が防止され、キッチンペーパーロールの製造時の歩留まりが向上し、さらに副次的にキッチンペーパーロールに用いうるキッチンペーパーの吸水性を向上させることができると記載されている。
【0005】
特許文献3には、テール部又は巻き始め部の少なくとも一部に、シール糊が塗布されたシール部が形成され、シール糊は、セルロースナノファイバーを含有し、シール部が形成されたテール部又は巻き始め部の、テンシロン万能試験機による180度剥離試験で求めた乾燥剥離強度が60~300cNである、ペーパーロールが記載されている(請求項1)。特許文献3によれば、ペーパーにシール糊を塗布したシール部の、接着強度と剥がしやすさとが両立したペーパーロールを提供することができる。
【0006】
特許文献4には、パルプ繊維ウエブと合成繊維ウエブとを水流交絡処理して得られる不織布ワイパーであって、パルプ繊維ウエブに含まれるパルプ繊維の平均繊維長が1.0~5.0mmであり、当該不織布ワイパーの坪量が20~42g/m2であり、構成比がパルプ繊維ウエブ70~50質量%、合成繊維ウエブ30~50質量%である不織布ワイパーず記載されている(請求項1)。特許文献4によれば、手軽に使えて、風合いが良く、強度とのバランスに優れ、更には製造コストの面でも優れる不織布ワイパーが提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6077795号公報
【特許文献2】特許第6077796号公報
【特許文献3】特開2021-87615号公報
【特許文献4】特開2018-193634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
合成繊維を含有した、高坪量で吸水性に優れたペーパータオルでは、一般的なペーパータオルとは異なり、ペーパータオルロールのテールシール(巻終わりの接着)に用いるグルー(糊)の塗布量及びその組成を自由に調整することが難しい。
【0009】
例えば、一般的なペーパータオルは、グルーの塗布量を少なくすることが好ましいが、吸水性に優れたペーパータオルの場合、グルーの塗布量が少なすぎると、ペーパータオルのシートがグルーを吸収するためテール部で接着し難くなり、ペーパータオルロールのログソーでのカット時やフィルム包装時にテールシールが剥がれ易くなる。逆にグルーの塗布量が多すぎると、ペーパータオルの使用時に水に濡らした際にグルーが溶け出し、粘着感を覚え、使い易さに劣る。また、グルーの塗布面積(塗布幅)が小さすぎると、テールシールが剥がれ易くなり、逆に塗布面積が大きすぎると、ペーパータオルの使用時に剥がし難く、水濡れ時の使い易さに劣る。
【0010】
また、一般的なペーパータオルでは、坪量が高すぎると、シートがグルーを吸収して、テールシールが剥がれ易くなり、吸水性に優れたペーパータオルでは、その傾向がより顕著となる。また、逆にグルーがシートに吸収されるのを防ぐために坪量を低くすると、吸水性に劣る。また、合成繊維を含有する場合、合成繊維は水を吸収しないため、吸水性が顕著に劣る。
【0011】
更に、ペーパータオルロールのテール部が長すぎると、巻取後にロールを寝かせた際にテール部の巻き外側への荷重が大きくなるため、テールシールが剥がれ易くなり、逆にテール部が短すぎると、ペーパータオルの使用時に剥がし難く、使い易さに劣る。
【0012】
以上のことから、従来の合成繊維を含有した高坪量かつ吸水性に優れるペーパータオルでは、グルーの塗布量、テール部の長さ、製造時のテールシールの剥がれ難さ、使用時のテールシールの剥がし易さを両立することが困難であった。
【0013】
本発明の目的は、高坪量かつ高吸水性のペーパータオルを巻回したペーパータオルロールであって、製造時におけるグルー部テールシール部の剥がれ難さと使用時のグルー部テールシール部の剥がし易さ及び水濡れ時の粘着感の少なさとを両立し、持ちやすさが良好であるペーパータオルロールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、合成繊維を含有し、かつ所定範囲の高坪量、高吸水量を有するペーパータオルシートをロール状に巻回する場合には、所望の特性を有するペーパータオルロールが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、下記のペーパータオルロールを提供するものである。
【0015】
(1)パルプ繊維を主体として合成繊維を含有する1plyのシートをロール状に巻き取ったペーパータオルロールであって
前記ペーパータオルシートのテール部と、前記ペーパータオルロールの最外周面と、をグルーにより接着したテールシール部を有し、
前記ペーパータオルシートは、坪量が40g/m2以上150g/m2以下、
吸水量が210g/m2以上520g/m2以下であり、
前記グルーの塗布量が0.5g以上5g以下、
前記ペーパータオルロールは、ロール密度が0.05g/cm3以上0.19g/cm3以下、巻直径が75mm以上160mm以下であるペーパータオルロール。
(2)前記グルーの塗布幅が2mm以上30mm以下である、上記(1)のペーパータオルロール。
(3)前記テール部の長さが4mm以上45mm以下である、上記(1)又は(2)のペーパータオルロール。
(4)前記ペーパータオルの厚さが200μm以上1400μm以下である、上記(1)乃至(3)のいずれかのペーパータオルロール。
(5)前記グルーの剥離強度が0.6N/76mm以上8N/76mm以下である、上記(1)乃至(4)のいずれかのペーパータオルロール。
(6)前記ペーパータオルシートはその表面にエンボスを有し、前記エンボスの深さが0.07mm以上1.8mm以下である、上記(1)乃至(5)のいずれかのペーパータオルロール。
(7)前記ペーパータオルシートのMD方向の曲げこわさが10μN・m以上130μN・m以下である、上記(1)乃至(6)のいずれかのーパータオルロール。
(8)前記ペーパータオルシートのDMDTが8N/25mm以上75N/25mm以下であり、DCDTが2N/25mm以上50N/25mm以下である、上記(1)乃至(7)のいずれかのペーパータオルロール。
(9)前記ペーパータオルシートは、全体の坪量に対する前記合成繊維の割合が5重量%以上50重量%以下、前記パルプ繊維の割合が50重量%以上95重量%以下である、上記(1)乃至(8)のいずれかのペーパータオルロール。
(10)前記合成繊維の坪量が4g/m2以上40g/m2以下、前記パルプ繊維の坪量が33g/m2以上120g/m2以下である、上記(9)のペーパータオルロール。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高坪量かつ高吸水性のペーパータオルシートを巻回したペーパータオルロールであって、製造時におけるテールシールの剥がれ難さと使用時のテールシールの剥がし易さ及び水濡れ時の粘着感の少なさとを両立し、持ちやすさが良好であるペーパータオルロールが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係るペーパータオルロールの外観を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図1のペーパータオルロールのテールシールを剥がして端部を引き出した状態を示す模式斜視図である。
【
図3】マイクロスコープによるX-Y平面上の高さプロファイルを濃淡で示す図である。
【
図4】マイクロスコープによるX-Y平面上の高さプロファイルをグラフで示す図である。
【
図5】エンボスパターンについて、エンボスの深さの求め方を示す図である。
【
図6】本実施形態のペーパータオルロールの吸水量の測定方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本実施形態に係るペーパータオルロール1の斜視図である。
図2は、
図1のペーパータオルロール1のテール部3を剥がして端部を引き出した状態を示す斜視図である。なお、
図2に示すように、ペーパータオルシート1xの表面のうち、ロール外側に指向した表面を表面1a(ペーパータオルシート1xの表面)と称し、ロール中心部に指向した表面を裏面1b(ペーパータオルシート1xの裏面)と称することがある。
【0019】
本実施形態に係るペーパータオルロール1は、
図1及び
図2に示すように、エンボスパターンが付与されたペーパータオルシート1xをロール状に巻取り、ロール巻き方向Rの巻終わり側にロール幅方向W(ロール軸方向)に沿ってグルー部2(以下「テールシールグルー2」ともいう)を塗布して接着処理したものである。なお、ペーパータオルシート1xは、ロール巻き方向Rの略等間隔において、ロール幅方向Wにミシン目を施されていることが好ましい。ペーパータオルロール1のコア(中心部分、本実施形態では中空部分)には、例えば、紙製、プラスチック製等の円筒体等を使用できるが、使用後の捨てやすさの観点から紙製のコアが好ましい。また、コアは使用しなくてもよい。
【0020】
ペーパータオルロール1としては、例えば、家庭のキッチンや飲食店の厨房等において水分又は油分のふき取りや汚れ落とし等に使用されるキッチンペーパー(ペーパータオル、クッキングペーパー等と称される場合もある)のロール体(キッチンペーパーロール)、その他衛生紙のロール体等が挙げられる。これらはいずれも、ロール体の製造時に、ロール巻き方向Rの巻終わり部分(すなわち、ロール巻き方向Rにおける最外周の端縁1c又はその近傍)の内側に、ロール幅方向Wに沿ってグルー部2を塗布することでテール部3を形成する。
【0021】
(テールシール)
ペーパータオルロール1のテールシール部3は、ペーパータオルロール1のロール巻き方向Rの巻終わり部分の捲れを防止するために、巻終わり部分のペーパータオルシート1xの裏面1bを径方向内側のペーパータオルシート1xの表面1aに接着する。テールシール部3は、ペーパータオルロール1のロール巻き方向Rの巻終わり部分にてテールシールグルー2をロール幅方向Wに沿って塗布することにより形成される。例えば、テールシール部3は、テールシールグルー2をペーパータオルシート1xの表面1a又は裏面1bに塗布して形成することができる。このとき、テールシールグルー2を、ペーパータオルロール1の巻終わり部分に対向する径方向内側のペーパータオルシート1xの表面1aに塗布して、ペーパータオルロール1の巻終わり部分を径方向内側のペーパータオルシート1xに接着させることができる。又は、テールシールグルー2を、ペーパータオルロール1の巻終わり部分のペーパータオルシート1xの裏面1bに塗布して、ペーパータオルロール1の巻終わり部分を径方向内側のペーパータオルシート1xに接着させることができるが、ペーパータオルシート1xの裏面1bに塗布することが好ましい。なお、本実施形態では、テールシールグルー2をロール幅方向Wに沿って直線状に連続して塗布したが、これに限定されるものではなく、例えば、テールシールグルー2をロール幅方向Wに所定距離で離間させて塗布してもよい。
【0022】
(グルーの組成)
ペーパータオルロール1のロール巻方向Rの巻終わり部分を接着するグルー(グルー部2)は、公知のものを用いることができるが、デンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースからなる群より選ばれる1種類以上を用いることが好ましく、ポリビニルアルコールがより好ましい。グルーを上記の組成とすることで、本実施形態のように製造時にテールシール部3が剥がれ難く、使用時にテールシール部3が剥がし易いペーパータオルロール1とすることができる。
【0023】
(グルーの塗布位置)
テールシールグルー2は、ペーパータオルロール1のロール巻き方向Rにおける最外周の端縁1cからロール巻き方向Rの基端側へ所定の長さL1だけ離間した位置(塗布位置)に塗布される。すなわち、ペーパータオルシート1xのうちグルー部2(テールシール部3)の塗布箇所よりもロール巻き方向Rの巻終わり側には、径方向内側のペーパータオルロール1に対して接着されない領域(テールシール部3)が設けられる。グルー部2のグルー塗布箇所よりもロール巻き方向Rの巻終わり側のペーパータオルシート1xのテール部4の長さL1(上記所定の長さL1)は、好ましくは4mm以上45mm以下、より好ましくは8mm以上35mm以下、更に好ましくは12mm以上28mm以下である。ペーパータオルシート1xのテール部4の長さL1が4mm未満であると、ペーパータオルシート1xを使用する際にテールシール部3を剥がし難くなり、使い易さに劣る。また、ペーパータオルシート1xのテール部4の長さL1が45mmを超えると、ペーパータオルロール1から剥離するテール部4が長くなるので、ペーパータオルロール1を製造する際のログソーでのカット時やフィルム包装時(以下単に「ペーパータオルロール1の製造時」ともいう)に、テール部4の重さやテール部4への引っ掛かり等によって、テールシール部3が剥がれ易くなる。なお、ペーパータオルシート1xのテール部4の長さL1は、ロール幅方向Wの中心部及びロール幅に対して両端部から10%の位置の合計3点について測定し、その平均値とする。
【0024】
(グルーの塗布幅)
本実施形態に係るグルー部2の塗布幅L2(テールシール部3のロール巻き方向Rの長さ)は特に限定されないが、接着強度と剥がし易さとの両立の観点から、好ましくは2mm以上30mm以下、より好ましくは5mm以上20mm以下、更に好ましくは7mm以上13mm以下である。この塗布幅L2とは、グルー部2のロール巻き方向Rにおける長さをいう。その際、長さはロール幅方向Wの中心部及びロール幅に対して両端部から10%の位置の合計3点について測定し、その平均値とする。グルー部2の塗布幅L2が2mm未満であると、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール部3が剥がれ易くなる。また、グルー部2の塗布幅L2が30mmを超えると、ペーパータオルシート1xの使用時に水に濡らした際にグルー部2が溶け出し、粘着感を覚え使い易さに劣る。
【0025】
(グルーの塗布量)
グルー部2の塗布量は、1ロールあたり、好ましくは0.5g以上5g以下、より好ましくは1g以上3.8g以下、更に好ましくは1.5g以上2.5g以下である。1ロールあたりのグルー部2の塗布量が0.5g未満であると、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール部3が剥がれ易くなる。また、1ロールあたりのグルー部2の塗布量が5gを超えると、ペーパータオルシート1xの使用時に水に濡らした際にグルー部2が溶け出し、粘着感を覚え使い易さに劣る。なお、1ロールあたりのグルー部2の塗布量とは、1ロールあたり(1ロールの幅あたり)に使用されるグルー量を意味する。
【0026】
グルー部2のグルー塗布量は以下の方法で測定する。まず、ペーパータオルロール1のサンプルからテールシールグルー2が塗布されている箇所を含むシート(ペーパータオルシート1x)を全て採取する。この時、外周のシート以外にも内巻のシートについても何周分か採取する。次にテールシールグルー2が塗布されていない箇所のシートを上記で採取したシートと同じ面積で同じ枚数採取する。次にそれぞれの採取したシートの重量を測定し、次の計算式によって1ロールあたりのテールシールグルー2の塗布量を算出する。
1ロールあたりのテールシールグルー2の塗布量=(テールシールグルー2が塗布された箇所のシートの総重量)-(テールシールグルー2が塗布されていない箇所のシートの総重量)
【0027】
(グルー剥離強度)
グルー部2によるペーパータオルシート1xの接着部分(テールシール部3)の剥離強度は、好ましくは0.6N/76mm以上8N/76mm以下、より好ましくは1.0N/76mm以上6N/76mm以下、更に好ましくは1.4N/76mm以上3.9N/76mm以下である。テールシール部3の剥離強度が0.6N/76mm未満であると、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール部3が剥がれ易くなる傾向がある。また、テールシール部3の剥離強度が8N/76mmを超えると、ペーパータオルシート1xを使用する際にテールシール部3を剥がし難くなり、使い易さに劣る傾向がある。
【0028】
テールシール剥離強度の測定は、JIS P 8113の引張試験方法に準じて、引張試験機(STB-1225S、株式会社エー・アンド・デイ社製)を使用することができ、JIS P 8111に規定された標準条件下で行う。なお、テールシール剥離強度は、以下の方法で測定する。まず、ペーパータオルロールのサンプルから端部がテールシールグルー2によって接着された幅方向76mm、ロール巻き方向R100mmの1組2プライのシート2組分の試験片を採取する。このとき、1組2プライのシート2組分の試験片それぞれについてテールシールグルー2によって接着されていない箇所が連続して70mm以上となるようにする。ミシン目等によりテールシールグルー2により接着されていない箇所が連続して70mm採取できない場合は、ミシン目を含まない範囲で短くすることができる。その場合、後述するつかみ具のピッチも合わせて短くする。
【0029】
次に、テールシールグルー2により接着されていない端部20mmをそれぞれ上下のつかみ具で挟み固定する。なお、つかみ具のピッチ(間隔)は100mmとする。次に、引張速度を100mm/minの条件で完全に剥離するまで引張り、その際の最大値を、テールシールの剥離強度(N/76mm)とする。
【0030】
(巻長及び巻直径)
ペーパータオルロール1の巻長は特に限定されないが、好ましくは7m以上24m以下、より好ましくは10m以上22m以下、更に好ましくは13m以上18m以下である。巻長が7m未満であると、巻直径DRが小さくなり過ぎてしまい、曲率が大きくなり、ペーパータオルシート1xの反発が大きくなるので、テール部3が剥がれ易くなる傾向がある。また、巻長が24mを超えると、巻直径DRが大きくなり過ぎてしまい、ペーパータオルロール1を手で持ち難くなり、ロール製品としての使い易さに劣る傾向がある。
【0031】
巻長は、ペーパータオルロール1のミシン目とミシン目の間のペーパータオルシート1xについて、10シート分の長さを実測する。その後、ペーパータオルロール1のシート数を実測し、巻長は10シート分の長さとシート数から比例計算で求める。例えば、10シート分の長さが1.80m、シート数が150シートの場合、1.80m×(150/10)=27mとなる。なお、ペーパータオルロール1にミシン目がない場合は、巻長を実測する。
【0032】
本実施形態に係るペーパータオルロール1の巻直径DRは、好ましくは75mm以上160mm以下、より好ましくは100mm以上140mm以下、更に好ましくは108mm以上130mm以下である。巻直径DRが75mm未満であると、曲率が大きくなり、ペーパータオルシート1xの反発が大きくなるので、テール部3が剥がれ易くなる。また、巻直径DRが160mmを超えると、ペーパータオルロール1を手で持ち難くなり、ロール製品としての使い易さに劣る。
【0033】
ロールの巻直径DRは、ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールールを用いて実測する。測定は、10個のペーパータオルロール1を測定し、測定結果を平均する。
【0034】
(ロール幅及びロール質量)
ペーパータオルロール1のロール幅は特に限定されないが、好ましくは180mm以上350mm以下、より好ましくは210mm以上325mm以下、更に好ましくは240mm以上300mm以下である。この範囲にすることで、本実施形態のような吸水性が良好で持ちやすさに優れるペーパータオルロール1を提供することができる。
【0035】
また、ペーパータオルロール1のロール質量は特に限定されないが、好ましくは140g以上600g以下、より好ましくは220g以上450g以下、更に好ましくは250g以上400g以下である。この範囲にすることで、本実施形態のような吸水性が良好なペーパータオルロールシート1xを使用する際、巻径が大きくなり過ぎずに持ち易いペーパータオルロール1とすることができる。なお、ロール質量は、コア(紙管)を含まないロール幅280mmあたりの質量とする。ロール幅が280mmでない場合は、比例計算により280mmあたりの質量に換算する。
【0036】
(ロール密度)
本実施形態に係るペーパータオルロール1のロール密度は、好ましくは0.05g/cm3以上0.19g/cm3以下、より好ましくは0.07g/cm3以上0.17g/cm3以下、更に好ましくは0.09g/cm3以上0.15g/cm3以下である。ペーパータオルロール1のロール密度が0.05g/cm3未満であると、ペーパータオルロール1の巻取時の押さえが弱いため、グルー部2の接着が弱くなり、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール部3が剥がれ易くなる。また、ペーパータオルロール1のロール密度が0.19g/cm3を超えると、吸水性に劣り、またペーパータオルロール1の巻取時の押さえが強いため、グルー部2の接着が強くなり過ぎ、ペーパータオルシート1xを使用する際にテールシール部3を剥がし難くなる。
【0037】
ロール密度は、(ロール質量)÷(ロールの体積)で表される。ロール質量は、ロール幅280mmあたりのペーパータオルロール1の質量である。ロール体積は[{ロールの外径(巻直径DR)部分の断面積}-(コア(紙管)外径DI部分の断面積)]×ロール幅(280mmあたりに換算する)で表される。例えば、ロール幅280mmあたりのロール質量(コアを除く)が382g、巻直径DRが150mm、コア外径DIが39mmの場合、ロール密度=382g÷[{3.14×(150mm÷2÷10)2-3.14×(39mm÷2÷10)2}×(280mm÷10)]=0.08g/cm3となる。なお、ペーパータオルロール1にコアが無い場合は、中心孔の直径をコア外径DIとする。
【0038】
(巻密度)
本実施形態に係るペーパータオルロール1の巻密度は特に限定されないが、好ましくは0.08m/cm2以上0.32m/cm2以下、より好ましくは0.10m/cm2以上0.28m/cm2以下、更に好ましくは0.12m/cm2以上0.24m/cm2以下である。ペーパータオルロール1の巻密度が0.08m/cm2未満であると、ペーパータオルロール1の巻取時の押さえが弱いため、グルー部2の接着が弱くなり、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール部3が剥がれ易くなる傾向がある。また、ペーパータオルロール1の巻密度が0.32m/cm2を超えると、吸水性に劣り、またペーパータオルロール1の巻取時の押さえが強いため、グルー部2の接着が強くなり過ぎてしまい、ペーパータオルシート1xを使用する際にテールシール部3を剥がし難くなる傾向がある。
【0039】
巻密度は、(巻長×プライ数)÷(ロールの断面積)で表される。ロールの断面積は、{ロールの外径(巻直径DR)部分の断面積-(コア(紙管)外径DI部分の断面積)}で表される。例えば、巻長27m、2プライ、巻直径DR150mm、コア外径DI39mmの場合、巻密度=(27m×2)÷{3.14×(150mm÷2÷10)2-3.14×(39mm÷2÷10)2}=0.33m/cm2となる。ペーパータオルロール1にコアが無い場合は、中心孔の直径をコア外径DIとする。
【0040】
(コア外径)
本実施形態に係るペーパータオルロール1の芯の外径である、コア外径DIは特に限定されないが、好ましくは25mm以上55mm以下、より好ましくは30mm以上50mm以下、更に好ましくは35mm以上45mm以下である。コア外径DIが上記の範囲のものであることにより、ペーパータオルロール1の巻径や巻密度を好適に維持しつつ、ロール製品の持ち易さを良好とすることができる。コア外径は、ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールールを用いて測定する。測定は、10個のペーパータオルロール1についてコア外径DIを測定し、得られた策定値の平均値を求める。また、ロール幅280mmあたりのコア(紙管)の質量は特に限定されないが、好ましくは5g以上22g以下、より好ましくは7g以上17g以下、更に好ましくは9g以上13g以下である。
【0041】
<ペーパータオルシート>
本実施形態に係るペーパータオルロール1に用いられるペーパータオルシート1xは、パルプ繊維と共に合成繊維を含有し、後述する所定範囲の高坪量、及び高吸水量を有することで、ペーパータオルロール1の製造時におけるテールシール部3の剥がれ難さと、ペーパータオルシート1xを使用する際におけるテールシール部3を剥がし易さと水濡れ時の粘着感の少なさと、を両立し、持ちやすさが良好なペーパータオルロール1が得られる。製造時にテールシール部3が剥がれ易いと、不良品率が高くなり、また、剥がれたペーパータオルシート1xの一部が工程中で挟まり、工程停止等を引き起こして、工程稼働率が低下するおそれがある。使用時にテールシール部3が剥がれ難いと、テールシール部3の一部が千切れたり、テールシール部3が幅方向に分裂したりして、所定量のペーパータオルシート1xを1度に取り出せないという不具合が発生するおそれがある。ここで、合成繊維とは、例えば、各種熱可塑性樹脂を紡糸して繊維状に紡糸したものである。また、本実施形態のペーパータオルシート1xは、1プライでもよく、2プライ以上でもよいが、使用し易さ、物性の調整し易さ等の観点から、1プライが好ましい。また、本実施形態のペーパータオルシート1xには、後述するように、全体又は一部にエンボスが設けられている。
【0042】
本実施形態では、ペーパータオルシート1xが所定の高坪量、及び高吸水量を有することで前述の効果が得られるが、ペーパータオルシート1xの坪量及び吸水量以外の特性を所定の範囲に調整することで、前述の効果がより一層向上する。以下、本実施形態で使用するペーパータオルの各物性について説明する。
【0043】
(坪量)
本実施形態のペーパータオルシート1xの坪量とは、ペーパータオルシート1xに含有される合成繊維の坪量とペーパータオルシート1xに含有されるパルプ繊維の坪量とを合計した合計坪量である。ペーパータオルシート1xの1プライの坪量は、通常40g/m2以上150g/m2以下、好ましくは48g/m2以上110g/m2以下、より好ましくは55g/m2以上80g/m2以下である。ペーパータオルシート1xの坪量が40g/m2未満では、ペーパータオルシート1xの吸水性が低くなりすぎ、ロール製品としての使いやすさに劣る。ペーパータオルシート1xの坪量が150g/m2を超えると、ペーパータオルシート1xの吸水性が高くなりすぎ、グルーを内部まで吸収してテールシール部3の接着性が低下し、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール部3が剥がれやすくなる。
【0044】
(合成繊維坪量、パルプ繊維坪量)
ペーパータオルシート1xに含有される合成繊維の坪量は特に限定されないが、好ましくは4g/m2以上40g/m2以下、より好ましくは7g/m2以上30g/m2以下、更に好ましくは10g/m2以上20g/m2以下の範囲である。合成繊維の坪量が40g/m2を超えると、ペーパータオルシート1xが硬くなりすぎ、ペーパータオルシート1xをロール状に巻き取った際に反発が強くなり、製造時にテールシール部3が剥がれやすくなる傾向がある。合成繊維の坪量が4g/m2未満では、ペーパータオルシート1xの吸水性が高くなりすぎ、グルーを内部まで吸収してテールシール部3の接着性が低下し、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール部3が剥がれやすくなる。また、ペーパータオルシート1xに含有されるパルプ繊維の坪量は、好ましくは33g/m2以上120g/m2以下、より好ましくは38g/m2以上90g/m2以下、更に好ましくは45g/m2以上75g/m2以下である。パルプ繊維の坪量が120g/m2を超えると、ペーパータオルシート1xの吸水性が高くなりすぎ、グルーを内部まで吸収してグルー部2の接着性が低下し、製造時にテールシール部3が剥がれやすくなる傾向がある。また、パルプ繊維の坪量が33g/m2未満では、ペーパータオルシート1xの吸水性が低くなりすぎ、ロール製品としての使いやすさに劣る傾向がある。坪量はJIS P 8124に基づいて測定することができる。
【0045】
(合成繊維とパルプ繊維との含有割合)
ペーパータオルシート1xに含有される合成繊維の割合は特に限定されないが、ペーパータオルシート1x全量の、好ましくは5重量%以上50重量%以下、より好ましくは9重量%以上41重量%以下、更に好ましくは12重量%以上28重量%以下である。合成繊維の含有割合が50重量%を超えると、ペーパータオルシート1xの吸水性が悪くなるため、ロール製品としての使いやすさに劣る傾向がある。合成繊維の含有割合が5重量%未満では、ペーパータオルシート1xの吸水性が高くなりすぎ、グルーを内部まで吸収してテール部3の接着性が低下し、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール部3が剥がれやすくなる。また、ペーパータオルシート1xに含有されるパルプ繊維の割合は特に限定されないが、ペーパータオルシート1x全量の、好ましくは50重量%以上95重量%以下、より好ましくは59重量%以上91重量%以下、更に好ましくは72重量%以上88重量%以下である。パルプ繊維の含有割合が95重量%を超えると、ペーパータオルシート1xの吸水性が高くなりすぎ、グルーを内部まで吸収してテールシール部3の接着性が低下し、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール部3が剥がれやすくなる。パルプ繊維の含有割合が50重量%未満では、ペーパータオルシート1xの吸水性が悪くなるため、ロール製品としての使いやすさに劣る傾向がある。
【0046】
パルプ繊維としては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等、一般的なパルプ繊維を用いることができる。パルプ繊維におけるNBKPとLBKPの含有割合は、NBKP:LBKP=50:50~100:0が好ましく、NBKP:LBKP=70:30~100:0がより好ましく、NBKP:LBKP=90:10~100:0が更に好ましく、NBKP:LBKP=100:0が最も好ましい。NBKPとしては、例えばラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、ロッジポールパイン、スプルース及びダグラスファーからなる繊維が好ましい。なお、NBKPの代わりにNUKP、LBKPの代わりにLUKPを用いることもできる。また、合成繊維としては、この分野で常用されるものをいずれも使用でき、例えば、ナイロン(商標名)、ビニロン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の合成樹脂を紡糸した合成繊維が挙げられる。合成繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0047】
ペーパータオルシート1の具体例としては、合成繊維とパルプ繊維とを含有し、前述した範囲の坪量、及び吸水性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、合成繊維とパルプ繊維とを混抄した不織布、合成繊維からなる不織布とパルプ繊維ウェブとの積層体、パルプ含有不織布等が挙げられる。これらの中でも、強靭性、手触り等の観点から、パルプ含有不織布が好ましい。パルプ含有不織布は、例えば、米国特許第5284703号明細書等に記載され、合成繊維を含有する不織布にパルプ繊維を高圧水流で吹き付ける水流交絡法により、不織布とパルプ繊維とを一体化したものである。パルプ含有不織布では、不織布の一方の表面で不織布を構成する合成繊維とパルプ繊維とが絡み合ってパルプ繊維が一体化されたパルプ繊維ウェブが形成されると共に、パルプ繊維の一部が不織布を厚み方向に突き抜けて他方の面に露出し、不織布とパルプ繊維ウェブとが極めて強固に結合し、一体化している。パルプ含有不織布に用いられる不織布としては、好ましくはスパンボンド不織布、より好ましくはポリプロピレン繊維を含むスパンボンド不織布が挙げられる。
【0048】
(吸水量)
本実施形態では、ペーパータオルシート1xの吸水量は、単位面積当たりの吸水量として定義するが、単位重量当たりの吸水量としても定義する。本実施形態において、吸水量(単位面積当たり)は、通常210g/m2以上520g/m2以下、好ましくは260g/m2以上430g/m2以下、より好ましくは310g/m2以上400g/m2以下の範囲である。また、吸水量(単位重量当たり)は、通常3.0g/g以上8.0g/g以下、好ましくは3.5g/g以上7.5g/g以下、より好ましくは4.0g/g以上7.0g/g以下である。吸水量(単位面積当たり)が520g/m2を超えると、ペーパータオルシート1xがグルーを吸収してしまい、製造時にテールシール部3が剥がれやすくなる。吸水量(単位面積当たり)が210g/m2未満では、ペーパータオルシート1xの吸水性が低下し、使いやすさに劣る。
なお、ペーパータオルシート1xの坪量及び吸水量を調整する方法としては、例えば、合成繊維とパルプ繊維それぞれの坪量及びそれらの混合割合を調整する方法等が挙げられる。この方法において、エンボスの形成の有無やエンボス深さ等によっても吸水量が変化する。
【0049】
ペーパータオルシート1xの吸水量は次のようにして測定する。
まず、1プライのペーパータオルシート1xから、一片が7.6cm(3インチ)の正方形の型版を用いてカットし、一辺7.6cmの矩形の試験片を作製する。吸水前の試験片の質量を電子天秤で測定しておく。試験片をホルダー(試験片の3点を固定する治具で、治具は水分を吸収しない金属からなる)にセットする。
【0050】
次に、市販のバットに、蒸留水を深さ2cm入れ、ホルダーにセットした試験片を蒸留水中に2分間浸漬する。2分浸漬後に試験片をホルダーと共に蒸留水から取り出し、
図6に示すように、試験片200の1つの隅部200dに帯210を貼り付ける。帯210は、測定するペーパータオルシート(1プライ)を幅3mm×長さ38mmの大きさに切り、試験片200の隅部200dから中心に向かって6mmの部分に貼り付ける。次に、ホルダーと試験片200を、隅部200dに対向する隅部200aが上になるようにして空の水槽内に設置した棒にぶら下げ、水槽の蓋を閉めて15分間、放置する。その後、ホルダー220と試験片200を水槽から取り出し、帯210とホルダー220を外し、電子天秤で試験片200の質量を測定する。蒸留水に浸す前後での試験片200の質量変化から、試験片200の1m
2あたりの蒸留水の吸水量(水g/シートm
2、単位面積当たり)を計算する。さらに、1m
2あたりの吸水量(水g/シートm
2)を試験片200の坪量で割ることにより、1m
2あたりの吸水量(水g/シートm
2)/坪量(シートg/シートm
2)=1gあたりの吸水量(水g/シートg、単位重量当たり)を算出する。測定は各サンプル5回ずつ行い、平均値を採用する。
【0051】
なお、本測定は、JIS P 8111法に従い、温度23±1℃、湿度50±2%の状態で行う。また、蒸留水は23±1℃に保持する。
【0052】
(シート長)
ミシン目とミシン目の間のシート長(ロール巻き方向Rのペーパータオルシート1xの長さ)は特に限定されないが、好ましくは160mm以上330mm以下、より好ましくは180mm以上305mm以下、更に好ましくは200mm以上280mm以下である。この範囲にすることで、本実施形態のような高吸水性のペーパータオルロールシート1xを使用する際、使用する面積が適正になり、吸水量を良好にすることができる。
【0053】
(紙厚)
本実施形態に係るペーパータオルシート1xの厚さ(1プライ)は特に限定されないが、好ましくは200μm以上1400μm以下、より好ましくは400μm以上1200μm以下、更に好ましくは500μm以上1000μm以下である。紙厚が200μm未満であると、ペーパータオルシート1xの吸水量に劣り、1400μmを超えると、ペーパータオルシート1xの吸水量が高くなり過ぎ、グルー部2を吸収してテールシール部3の接着性に劣るので、ペーパータオルロール1の製造時にテール部3が剥がれ易くなる傾向がある。紙厚は、ピーコック紙厚計(株式会社尾崎製作所製)にて、ペーパータオルシート1xを1枚の状態で、37.85gf/cm2加重下で測定し、測定を異なる箇所で10回繰り返して測定値を平均して紙厚とする。
【0054】
(エンボス加工)
本実施形態のペーパータオルシート1xは、エンボス加工が施されていることが好ましく、ロールワインダによるエンボス加工が施されていることがより好ましい。なお、エンボス単体の形状は特に制限されず、例えば、円形、楕円形、長方形、正方形、花柄、多角形、文字、線、ロゴ等が挙げられる。本実施形態のような高坪量かつ吸水性に優れるペーパータオルシート1xを得るには、六角形状が好ましい。
【0055】
エンボスパターンにおいて、エンボスの深さは、好ましくは0.07mm以上1.8mm以下、より好ましくは0.2mm以上1.2mm以下、更に好ましくは0.3mm以上0.8mm以下である。エンボスの深さが0.07mm未満では、ペーパータオルシート1xの美粧性や吸水性が劣り、ロール製品としての使い易さに劣る。また、エンボスの深さが1.80mmを超えると、グルー部2の接着面積が小さくなり、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール部3が剥がれ易くなる。
【0056】
エンボスの深さは、マイクロスコープを用いて測定する。マイクロスコープとしては、KEYENCE社製の製品名「ワンショット3D測定マクロスコープ VR-3100」を使用することができる。マイクロスコープの画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、製品名「VR-H1A」を使用することができる。又、測定条件は、倍率12倍、視野面積24mm×18mmの条件で測定する。測定倍率と視野面積は、求めるエンボスの大きさによって、適宜変更してもよい。
【0057】
図3は、マイクロスコープによるX-Y平面上の高さプロファイルを示し、ペーパータオルシート1x表面の高さが濃淡で表されている。
図3の濃淡が周辺と異なる線状の部位が、個々のエンボスを示している。エンボスの深さは、上記のマイクロスコープを用いて上述のエンボスの高低差を測定して求める。なお、測定はペーパータオルシート1xの表面1a側で行う。また、測定時に、ペーパータオルロール1からペーパータオルシート1xを3周分取り除き、4周目のペーパータオルシート1xを用いて、シートの状態で測定する。また、ミシン目がある場合は、いずれも避けて測定する。
【0058】
まず、
図3のように線分ABを引き、
図4の高さプロファイルを得る。なお、線分ABは、エンボスを横切るように引けばよい。また、線分ABは、ペーパータオルシート1xのロール幅方向W(CD方向)になるように引くが、エンボスとエンボスの間隔が例えば2mm以下と狭く、下記の凸部の高さが低くなってしまう場合は、線分を斜め方向に引いたり、ロール巻き方向Rに引いたりしてもよい。高さプロファイルは、実際のペーパータオルシート1xの試料表面の凹凸を表す(測定)断面曲線S1であるが、ノイズ(ペーパータオルシート1xの表面に繊維塊があったり、繊維がヒゲ状に伸びていたり、繊維のない部分に起因した急峻なピーク)をも含んでおり、凹凸の高低差の算出に当たっては、このようなノイズピークを除去する必要がある。
【0059】
そこで、
図4の(測定)断面曲線S1を重み平均ラジオボタンのフィルターのサイズを±12とし、スムージングした
図5の断面曲線S2を得る。なお、重み平均ラジオボタンのフィルターを用いたスムージングは、上記の解析ソフトを使用すれば、自動で得られる。そして、
図5に示すグラフにおいて、グラフの凸部H1と、凸部H1に隣接する凸部H2の縦軸のそれぞれの最大値の平均値を算出し、凸部H1と凸部H2とに挟まれる凹部D1における縦軸の最小値を求める。このようにして求められた最大値の平均値から最小値を差し引いた数値を暫定的なエンボスの深さとする。そして、
図5に示すように、断面曲線上において連続する計2カ所(凹部D1と、凸部H3と凸部H4に挟まれる凹部D2の連続する計2カ所)について同様の測定を行う(この時点で2つの測定結果が得られる)。その後、ペーパータオルシート1xのロール巻き方向Rにペーパータオルロール1を90度ずつ3回に分けて回転させた各位置において上記同様の測定を行い(ロール巻き方向Rにおける測定位置は計4カ所となる)、合計8カ所(2×4)の平均値をエンボスの深さとして最終的に採用する。
【0060】
(DMDT及びDCDT)
ペーパータオルシート1xの2プライの、JIS P 8113に基づく乾燥時の縦方向(MD方向:ロール巻き方向R)の引張強さDMDT(Dry Machine Direction Tensile Strength)は、好ましくは8N/25mm以上75N/25mm以下、より好ましくは13N/25mm以上65N/25mm以下、更に好ましくは20N/25mm以上50N/25mm以下である。また、乾燥時の横方向(CD方向:ロール幅方向W)の引張強さDCDT(Dry Cross Direction Tensile Strength)は、好ましくは2N/25mm以上50N/25mm以下、より好ましくは4N/25mm以上40N/25mm以下、更に好ましくは5N/25mm以上25N/25mm以下である。ペーパータオルシート1xのDMDTが75N/25mmを超えるか及び/又はDCDTが50N/25mmを超えると、ペーパータオルシート1xが硬くなりすぎ、ペーパータオルシート1x巻き取った際に反発が強くなり、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール部3が剥がれ易くなる傾向がある。ペーパータオルシート10xのDMDTが8N/25mm未満及び/又はDCDTが2N/25mm未満では、ペーパータオルシート1xの坪量が低くなり、吸水性に劣る。
【0061】
(曲げこわさ)
ペーパータオルシート1xのMD方向の曲げこわさは、好ましくは10μN・m以上130μN・m以下、より好ましくは17μN・m以上100μN・m以下、更に好ましくは20μN・m以上50μN・m以下である。ペーパータオルシート1xのMD方向の曲げこわさが10μN・m未満であると、ペーパータオルシート1xの坪量が低くなり、吸水性に劣る。また、ペーパータオルシート1xのMD方向の曲げこわさが130μN・mを超えると、ペーパータオルシート1xが硬くなり過ぎ、ロール状に巻き取った際にペーパータオルシート1xの反発が強くなり、ペーパータオルロール1の製造時にテールシール部3が剥がれ易くなる。
【0062】
ペーパータオルシート1xのMD方向の曲げこわさは、ISO2493に記載された方法に準拠し、L&Wベンディングテスター(Lorentzen&Wettre社製)を用いて測定することができる。幅38mm(CD方向)、長さ100mm(MD方向)のペーパータオルシート1xの試験片について、曲げ角度を15度、曲げ長(試料台のスパン)を10mmとしたときの測定値を曲げ抵抗(荷重)とし、次の算出式によって曲げこわさ(μN・m)を求める。なお、長さ100mmの試験片を採取できない場合は、試験片の長さを短くすることができる。
曲げこわさ(μN・m)=60×曲げ抵抗(mN)×曲げ長10(mm)2÷(π×曲げ角度15(度)×サンプル幅38(mm))
【0063】
<ペーパータオルシート及びペーパータオルロールの製造方法>
ペーパータオルシート1x及びペーパータオルロール1の製造方法としては、ペーパータオルシート1xが合成繊維及びパルプ繊維を含むキッチンタオルシートである場合は、例えば(1)所定のスパンボンド不織布にパルプ繊維を積層して水流交絡、(2)マッチドスチールによる熱エンボス処理、(3)ミシン目加工、(4)ロール巻取り加工の順で製造することができる。このとき、製造方法の(1)水流交絡において、合成繊維にパルプ繊維を水流交絡することで、合成繊維及びパルプ繊維を含む不織布を得る。水流交絡の方法に関しては、例えば、特開2018-193634号公報に記載された方法で行うことが好ましい。
【0064】
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【実施例0065】
以下に実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をさらに具体的に説明する。
【0066】
(実施例1~28、比較例1~11)
抄紙及びクレーピングの工程、エンボス処理の工程、ロール巻取り加工の工程、及び(テールシールグルー塗布の工程を経て、表1及び表2に示す割合(重量%)で合成繊維及びパルプ繊維を用い、表1及び表2に示す紙厚、及びシート長で抄紙し、エンボスを形成し、実施例1~28、比較例1~11の1プライのペーパータオルを作製した。ここでは、合成繊維としてポリプロピレン樹脂繊維を用いた。また、グルーとしては、10重量%未満のPVA混合水溶液を用いた。
【0067】
得られた実施例1~28、比較例1~11のペーパータオルを用い、表1及び表2に示す巻直径、巻長、ロール幅、ロール重量、ロール密度、テール部長さ、剥離強度、グルー塗布量、及びグルー塗布幅を有する実施例1~28、比較例1~11のロール体を作製した。得られたペーパータオル及びロール体について、下記の評価を実施した。結果を表1乃至表3に示す。
【0068】
〔評価方法(物性評価)〕
紙厚:ピーコック紙厚計にて、ペーパータオルシート1xを1枚の状態で37.85gf/cm2加重下で測定した。
曲げこわさ:曲げこわさは、ISO2493に準拠し、L&Wベンディングテスター(Lorentzen&Wettre社製)を用いて測定を行った。幅38mm、長さ100mmの試験片について、曲げ角度を15度、曲げ長(試料台のスパン)を10mmとしたときの測定値を曲げ抵抗(荷重)とし、次の算出式によって曲げこわさ(μN・m)を求めた。
曲げこわさ(μN・m)=60×曲げ抵抗(mN)×曲げ長10(mm)2÷(π×曲げ角度15(°)×サンプル幅38(mm))
DMDT、DCDT:JIS P9113に基づく乾燥時の縦と横の引張強さを測定した。
吸水量:ペーパータオルを75mm×75mmの正方形に切断して試料片を作製し、乾燥重量を測定する。次に、この試料片を蒸留水中に2分間浸漬した後、水蒸気飽和状態の容器中で、試料片の1つの角部が上側の頂部となるようにし、この頂部と隣接する2つの角部とを支持して展伸した状態(100%RH)で吊るし、30分放置して水切り後の重量を測定する。水切りには、紙製ペーパータオルを3×38mmにカットして使用する。そして、測定値を試料片1g当たりの保水量(g/g)、1m2当たりの保水量(g/m2)に換算した。
.エンボス深さ:エンボス深さは、マイクロスコープを用いて測定する。マイクロスコープとしては、KEYENCE社製の製品名「ワンショット3D 測定マクロスコープ VR-3100」を使用する。マイクロスコープの画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、製品名「VR-H1A」を使用することができる。測定条件は、倍率12倍、視野面積24mm×18mmの条件で測定する。
ロール密度:(ロール質量)÷(ロールの体積)より求めた。
ロール質量は、ロール幅280mmあたりのロールの質量である。ロール体積は[{ ロールの外径(巻直径DR)部分の断面積}-(コア外径部分の断面積)]×ロール幅(280mmあたりに換算する)。
剥離強度:テンシロン万能試験機による180度剥離試験で求めた乾燥剥離強度
【0069】
〔評価方法〕
製造したペーパータオルシート及びペーパータオルロールについて、製造時のテールシールの剥がれ難さ、使用時のテールシールの剥がし易さ、吸水性、持ち易さ、水濡れ時の粘着感について官能評価又は実測値に基づく評価を実施した。
【0070】
「製造時のテールシールの剥がれ難さ」は、製造後のペーパータオルロール30個について、テールシールが剥がれていたロールの個数を計測し、5段階にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:テールシールが一部又は全て剥がれているロールが0~1個
○:テールシールが一部又は全て剥がれているロールが2~4個
△:テールシールが一部又は全て剥がれているロールが5~7個
×:テールシール一部又は全て剥がれているロールが8~14個
××:テールシールが一部又は全て剥がれているロールが15個以上
【0071】
「使用時のテールシールの剥がし易さ」は、ペーパータオルロールのテールシールを剥がした際の剥がし易さを、30人のモニターによって官能評価し、「剥がし難い」又は「剥がせない」と感じた人数によって5段階にて評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:「剥がし難い」又は「剥がせない」と感じた人数が、0~1人
○:「剥がし難い」又は「剥がせない」と感じた人数が、2~4人
△:「剥がし難い」又は「剥がせない」と感じた人数が、5~7人
×:「剥がし難い」又は「剥がせない」と感じた人数が、8~14人
××:「剥がし難い」又は「剥がせない」と感じた人数が、15人以上
【0072】
「吸水性」は、単位面積当たりの吸水量を実測して、4段階にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:330g/m2以上のとき
○:270g/m2以上330g/m2未満のとき
△:230g/m2以上270g/m2未満のとき
×:230g/m2未満のとき
【0073】
「持ち易さ」は、製造したペーパータオルロールを持った際の持ち易さを、30人のモニターによって官能評価し、「持ち難い」と感じた人数によって4段階にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:「持ち難い」と感じた人数が、0~3人
○:「持ち難い」と感じた人数が、4~6人
△:「持ち難い」と感じた人数が、7~10人
×:「持ち難い」と感じた人数が、11人以上
【0074】
「水濡れ時の粘着感」は、ペーパータオルシートを水で濡らして使用した際の粘着感を、30人のモニターよって官能評価し、「粘着感がある」と感じた人数によって4段階にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎ :「粘着感がある」と感じた人数が0~3人
○ :「粘着感がある」と感じた人数が4~6人
△ :「粘着感がある」と感じた人数が7~10人
×:「粘着感がある」と感じた人数が11人以上
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
以上より、本実施形態のペーパータオルロールは、高坪量でかつ吸水性の高いペーパータオルロールであって、製造時のテールシールの剥がれ難さと使用時のペーパータオルの剥がし易さ及び水濡れ時の粘着感の少なさとを両立することができ、かつ持ち易さを確保可能であることが分かる。