(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023125985
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】モビリティサービスシステム、モビリティサービスプログラム及びそのデータ収集方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20230831BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G08G1/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030390
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】金田 真和
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 睦
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB05
5H181CC01
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181EE11
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181MC04
5H181MC07
5H181MC15
5H181MC24
(57)【要約】
【課題】従来の装置では、データの単一性を維持しながら容易に複数のモビリティ装置からデータを収集することが出来ない問題があった。
【解決手段】一実施の形態にかかるモビリティサービスシステムは、モビリティ装置のセンサにより取得された一次データを蓄積する情報蓄積処理(S11)と、一次データからシステム上蓄積すべき情報を抽出してシステム上で利用可能なフォーマットの二次データを生成し、二次データに少なくともデータ生成日時を含むメタ情報を付加した加工データを生成する情報生成処理(S12)と、複数のネットワークコアのそれぞれに設けられた加工データ蓄積部に、加工データを蓄積する情報収集処理(S13、S14)と、複数のネットワークコア間で蓄積された加工データに抜けがないように重複を解消する最適化処理(S15)と、最適化処理後に加工データを情報基盤に集約して蓄積する情報集約処理(S16)と、を行う。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1台のモビリティ装置と、
少なくとも1つの前記モビリティ装置と通信する複数のネットワークコアと、
前記複数のネットワークコアのそれぞれと通信する情報基盤と、を有し、
前記モビリティ装置と、前記複数のネットワークコアと、前記情報基盤と、が連携して、
前記モビリティ装置の運用エリア内に備え付けられたセンサにより取得された一次データを蓄積する情報蓄積処理と、
前記一次データからシステム上蓄積すべき情報を抽出して前記システム上で利用可能なフォーマットの二次データを生成し、前記二次データに少なくともデータ生成日時を含むメタ情報を付加した加工データを生成する情報生成処理と、
前記複数のネットワークコアのそれぞれに設けられた加工データ蓄積部に、前記加工データを蓄積する情報収集処理と、
前記複数のネットワークコア間で蓄積された前記加工データに抜けがないように重複を解消する最適化処理と、
前記最適化処理後に前記加工データを前記情報基盤に集約して蓄積する情報集約処理と、
を行うモビリティサービスシステム。
【請求項2】
前記モビリティ装置は、
前記一次データを蓄積する一次データ蓄積部と、
前記加工データを生成する情報生成部と、
前記複数のネットワークコアの少なくとも1つと通信する第1の通信部と、
を有する請求項1に記載のモビリティサービスシステム。
【請求項3】
前記複数のネットワークコアは、ぞれぞれ、
前記加工データ蓄積部と、
自装置とは異なる他の前記ネットワークコア、少なくとも1つの前記モビリティ装置及び前記情報基盤と通信する第2の通信部と、
前記最適化処理を実行する情報処理部と、
を有する請求項1に記載のモビリティサービスシステム。
【請求項4】
前記センサは、前記モビリティ装置と、前記運用エリア内に備え付けられるインフラ設備との少なくとも一方に設けられる請求項1に記載のモビリティサービスシステム。
【請求項5】
少なくとも1台のモビリティ装置と、少なくとも1つの前記モビリティ装置と通信する複数のネットワークコアとの、それぞれに備えられる演算部において実行されるモビリティサービスプログラムであって、
前記モビリティ装置の運用エリア内に備え付けられたセンサにより取得された一次データを蓄積する情報蓄積処理と、
前記一次データからシステム上蓄積すべき情報を抽出して前記システム上で利用可能なフォーマットの二次データを生成し、前記二次データに少なくともデータ生成日時を含むメタ情報を付加した加工データを生成する情報生成処理と、
前記複数のネットワークコアのそれぞれに設けられた加工データ蓄積部に、前記加工データを蓄積する情報収集処理と、
前記複数のネットワークコア間で蓄積された前記加工データに抜けがないように重複を解消する最適化処理と、
前記最適化処理後に前記加工データを情報基盤に集約して蓄積する情報集約処理と、
を行うモビリティサービスプログラム。
【請求項6】
前記情報蓄積処理と、前記情報生成処理と、を前記モビリティ装置内の演算部で実行し、
前記情報収集処理と、前記最適化処理と、前記情報集約処理と、を前記複数のネットワークコアのそれぞれ設けられる演算部で実行する請求項5に記載のモビリティサービスプログラム。
【請求項7】
少なくとも1台のモビリティ装置と、少なくとも1つの前記モビリティ装置と通信する複数のネットワークコアと、前記複数のネットワークコアのそれぞれと通信する情報基盤と、有するモビリティサービスシステムのデータ収集方法であって、
前記モビリティ装置の運用エリア内に備え付けられたセンサにより取得された一次データを蓄積する情報蓄積処理と、
前記一次データからシステム上蓄積すべき情報を抽出して前記システム上で利用可能なフォーマットの二次データを生成し、前記二次データに少なくともデータ生成日時を含むメタ情報を付加した加工データを生成する情報生成処理と、
前記複数のネットワークコアのそれぞれに設けられた加工データ蓄積部に、前記加工データを蓄積する情報収集処理と、
前記複数のネットワークコア間で蓄積された前記加工データに抜けがないように重複を解消する最適化処理と、
前記最適化処理後に前記加工データを情報基盤に集約して蓄積する情報集約処理と、
を前記モビリティ装置と前記複数のネットワークコアで分散して行うモビリティサービスシステムのデータ収集方法。
【請求項8】
前記情報蓄積処理と、前記情報生成処理と、を前記モビリティ装置で実行し、
前記情報収集処理と、前記最適化処理と、前記情報集約処理と、を前記複数のネットワークコアのそれぞれで実行する請求項7に記載のモビリティサービスシステムのデータ収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモビリティサービスシステム、モビリティサービスプログラム及びそのデータ収集方法に関し、特にシステム内のモビリティ装置により取得されたデータをモビリティ装置を用いたサービスを統合する情報基盤に収集するモビリティサービスシステム、モビリティサービスプログラム及びそのデータ収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自律移動型のモビリティ装置を用いた都市インフラ構想が多く提案されている。このような都市インフラでは、モビリティ装置が活用したデータ流通を活用した多様なサービスが考えられている。例えば、モビリティ装置を活用した都市インフラでは、ニーズの変化や周囲の環境の変化に合わせてサービスを動的に変えていくために、モビリティ装置がリアルタイムにサービスに必要な情報を収集し、情報基盤等に集約させることで迅速にニーズに応じたサービスを提供するしくみが考えられる。
【0003】
そこで、モビリティ装置からデータを収集する技術が特許文献1に一例が開示されている。特許文献1に記載の地図データ生成システムは、車両に設けられた車載装置とデータセンタとを通信可能に接続し、データセンタは、複数台の車両の車載装置からそれら車両の走行状況を記録したプローブデータを収集し、それらプローブデータに基づいて道路地図データを生成・更新するものであって、データセンタは、地図データの生成・更新のために必要なプローブデータの数が不足している道路の区画或いは路線、又は地図を区画したメッシュからなるデータ管理単位を判定するデータ不足判定部と、データ不足判定部によりプローブデータの数が不足していると判定されたデータ管理単位である不足路線を車載装置に通知する通知部とを備えると共に、車載装置は、通知部から通知を受けたときに、自車両が不足路線を走行することを勧める誘導部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数のモビリティ装置が移動しながらデータを収集する場合、情報基盤にはデータが空間軸及び時間軸のそれぞれにおいて重複無く、かつ、抜けのない状態で単一のデータとして蓄積しなければ、データ蓄積容量を無駄に消費するだけでなく、活用が難しくなる。しかしながら、特許文献1では、このようなデータを単一の状態で蓄積することが出来ない問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態にかかるモビリティサービスシステムは、少なくとも1台のモビリティ装置と、少なくとも1つの前記モビリティ装置と通信する複数のネットワークコアと、前記複数のネットワークコアのそれぞれと通信する情報基盤と、を有し、前記モビリティ装置と、前記複数のネットワークコアと、前記情報基盤と、が連携して、前記モビリティ装置の運用エリア内に備え付けられたセンサにより取得された一次データを蓄積する情報蓄積処理と、前記一次データからシステム上蓄積すべき情報を抽出して前記システム上で利用可能なフォーマットの二次データを生成し、前記二次データに少なくともデータ生成日時を含むメタ情報を付加した加工データを生成する情報生成処理と、前記複数のネットワークコアのそれぞれに設けられた加工データ蓄積部に、前記加工データを蓄積する情報収集処理と、前記複数のネットワークコア間で蓄積された前記加工データに抜けがないように重複を解消する最適化処理と、前記最適化処理後に前記加工データを前記情報基盤に集約して蓄積する情報集約処理と、を行う。
【0007】
一実施の形態にかかるビリティサービスプログラムは、少なくとも1台のモビリティ装置と、少なくとも1つの前記モビリティ装置と通信する複数のネットワークコアとの、それぞれに備えられる演算部において実行されるモビリティサービスプログラムであって、前記モビリティ装置の運用エリア内に備え付けられたセンサにより取得された一次データを蓄積する情報蓄積処理と、前記一次データからシステム上蓄積すべき情報を抽出して前記システム上で利用可能なフォーマットの二次データを生成し、前記二次データに少なくともデータ生成日時を含むメタ情報を付加した加工データを生成する情報生成処理と、前記複数のネットワークコアのそれぞれに設けられた加工データ蓄積部に、前記加工データを蓄積する情報収集処理と、前記複数のネットワークコア間で蓄積された前記加工データに抜けがないように重複を解消する最適化処理と、前記最適化処理後に前記加工データを情報基盤に集約して蓄積する情報集約処理と、を行う。
【0008】
一実施の形態にかかるモビリティサービスシステムのデータ収集方法は、少なくとも1台のモビリティ装置と、少なくとも1つの前記モビリティ装置と通信する複数のネットワークコアと、前記複数のネットワークコアのそれぞれと通信する情報基盤と、有するモビリティサービスシステムのデータ収集方法であって、前記モビリティ装置の運用エリア内に備え付けられたセンサにより取得された一次データを蓄積する情報蓄積処理と、前記一次データからシステム上蓄積すべき情報を抽出して前記システム上で利用可能なフォーマットの二次データを生成し、前記二次データに少なくともデータ生成日時を含むメタ情報を付加した加工データを生成する情報生成処理と、前記複数のネットワークコアのそれぞれに設けられた加工データ蓄積部に、前記加工データを蓄積する情報収集処理と、前記複数のネットワークコア間で蓄積された前記加工データに抜けがないように重複を解消する最適化処理と、前記最適化処理後に前記加工データを情報基盤に集約して蓄積する情報集約処理と、を前記モビリティ装置と前記複数のネットワークコアで分散して行う。
【発明の効果】
【0009】
一実施の形態1にかかるモビリティサービスシステム、ビリティサービスプログラム及びそのデータ収集方法によれば、モビリティ装置により取得したデータを効率良く収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1にかかるモビリティサービスシステムのブロック図である。
【
図2】実施の形態1にかかるネットワークコアのハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
【
図3】実施の形態1にかかるモビリティ装置のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
【
図4】実施の形態1にかかるモビリティサービスシステムの動作を説明するフローチャートである。
【
図5】実施の形態2にかかるモビリティサービスシステムのブロック図である。
【
図6】実施の形態2にかかるモビリティサービスシステムの動作を説明するフローチャートである。
【
図7】実施の形態3にかかるモビリティサービスシステムのブロック図である。
【
図8】実施の形態3にかかるモビリティサービスシステムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1に実施の形態1にかかるモビリティサービスシステム1のブロック図を示す。
図1に示すように、実施の形態1にかかるモビリティサービスシステム1は、情報基盤10、ネットワークコア20、30、モビリティ装置40、50を有する。なお、モビリティ装置は、少なくとも1台があれば良い。また、モビリティ装置40、50としては、車両、ドローン等の移動能力を有する物や、通信機能を有するスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ端末等の持ち運びが可能な携帯情報端末が想定される。
【0012】
情報基盤10は、モビリティサービスシステム1において多数のサービスを関連して制御する全体制御部であり、ネットワークコア20、30及びモビリティ装置40、50から得られるデータ及び利用者等から要求されるニーズ(或いは情報)に基づきモビリティ装置40、50を用いて利用者に種々のサービスを提供する。
【0013】
例えば、モビリティサービスシステム1は、モビリティ装置40、50が各種センサを用いて取得した人流情報に基づき利用者に混雑情報を提供する混雑状況提供サービス、利用者に荷物を届ける物流サービス、モビリティ装置40,50を用いた配車サービス等が考えられるが、これに限らず、様々なサービスを提供する。このとき、モビリティサービスシステム1では、モビリティ装置40、50に備えられたセンサにより取得される、人流情報、道路状況情報等の様々な情報を重複や抜けがないように情報基盤10に集約して蓄積する。また、モビリティサービスシステム1では、モビリティ装置40、50の運用エリア内に設けられたインフラ設備とモビリティ装置が通信してインフラ設備に備えられたセンサで取得された一次データをモビリティ装置を介して収集することができる。モビリティサービスシステム1では、このように重複や抜けがないように情報を収集するための構成に特徴の1つを有する。そこで、以下では、モビリティサービスシステム1におけるデータ収集に関連する構成、プログラム及びデータ収集方法を中心に説明を行う。
【0014】
実施の形態1にかかるモビリティサービスシステム1は、ネットワークコア20、30を介してモビリティ装置40、50が情報基盤10と通信する。ネットワークコア20、30は、少なくとも1つのモビリティ装置と通信を行う。このネットワークコア20は、地理的に分散して配置される携帯電話通信網の基地局、クラウド上に仮想的に配置される仮想サーバー等の様々な実装形態が考えられる。また、モビリティ装置40、50は、移動しながら通信先のネットワークコアをネットワークコア20とネットワークコア30との間で切り替えながら移動する事が可能なようにネットワークが構成されている。また、ネットワークコア20、30は、いずれも情報基盤10と通信可能な構成を有する。ネットワークコア20、30及びモビリティ装置40、50の詳細な構成例について以下で説明する。
【0015】
ネットワークコア20、30は、同一の構成でも良く、異なる構成でも良いが、モビリティ装置40、50が生成する加工データを蓄積する機能と、それぞれが蓄積している加工データの重複と抜けが無いように最適化して情報基盤10にアップロードする機能とを有する必要がある。
図1では、ネットワークコア20とネットワークコア30は、同一構成のものを備える例を示した。
【0016】
具体的には、ネットワークコア20は、第2の通信部21、情報処理部22、加工データ蓄積部23、サービス選択部24を有する。ネットワークコア30は、第2の通信部31、情報処理部32、加工データ蓄積部33、サービス選択部34を有する。そして、第2の通信部21と第2の通信部31は同一の機能を有するものであり、情報処理部22と情報処理部32は同一の機能を有するものであり、加工データ蓄積部23と加工データ蓄積部33は同一の機能を有する構成であり、サービス選択部24とサービス選択部34は同一の機能を有する構成である。
【0017】
ここでは、ネットワークコア20を例に
図1で示したネットワークコアについて詳細に説明する。第2の通信部21は、自装置とは異なる他のネットワークコア(例えばネットワークコア30)、少なくとも1つのモビリティ装置及び情報基盤10と通信する。
図1に示す例では、第2の通信部21が通信する少なくとも1つのモビリティ装置として、モビリティ装置40と通信する例を示した。
【0018】
情報処理部22は、ネットワークコア30に蓄積されている加工データと自装置で蓄積している加工データとに抜けがないように重複を解消する最適化処理を実行する。加工データ蓄積部23は、モビリティ装置40、50で生成された加工データのうち第2の通信部21で受信した加工データを蓄積する記憶部である。サービス選択部24は、情報基盤10から与えられたサービスアップデート情報をモビリティ装置40、50のいずれで処理させるかを選択するサービス決定処理が、このサービス決定処理については実施の形態2で詳細に説明する。またサービス選択部24は、災害等の何らかの通信障害が発生した際のモビリティ装置40、50の動作モードである緊急時モードで、モビリティ装置40、50に実施させるサービスに関するデータをモビリティ装置40、50のいずれに蓄積させておくかを選択する災害時データ分散処理を行う。この災害時データ分散処理の詳細は実施の形態3で詳細に説明する。
【0019】
ここで、ネットワークコア20、30を実現するためのハードウェア構成の一例について説明する。そこで、
図2に実施の形態1にかかるネットワークコアのハードウェア構成の一例を説明するブロック図を示す。
図2に示すように、ネットワークコア20、30は、コンピュータ100によって実現出来る。このコンピュータ100は、演算部101、メモリ102、ネットワークインタフェース103がバスによって相互に通信可能なように構成される。
【0020】
そして、演算部101において、モビリティサービスプログラムを実行することで、コンピュータ100は、情報収集処理と、最適化処理と、情報集約処理と、を実行する。つまり、演算部101は、情報処理部22及びサービス選択部24に相当する。また、コンピュータ100では、加工データの蓄積場所としてメモリ102を利用する。つまり、メモリ102は、加工データ蓄積部23に相当する。また、コンピュータ100は、他の装置との通信が必要な場合にはネットワークインタフェース103を利用する。つまり、ネットワークインタフェース103は、第2の通信部21に相当する。また、情報収集処理は、ネットワークコアのそれぞれが加工データ蓄積部(例えばメモリ102)に、加工データを蓄積する処理である。最適化処理は、ネットワークコア間で蓄積された加工データに抜けがないように重複を解消する処理である。情報集約処理は、最適化処理後にネットワークコアがそれぞれ加工データを情報基盤10に集約して蓄積する処理である。
【0021】
続いて、モビリティ装置40、50について説明する。モビリティ装置40、50同一の構成でも良く、異なる構成でも良いが、モビリティ装置に備えられているセンサにより一次データを取得する機能と、一次データから加工データを生成する機能と、加工データを通信可能な位置にあるネットワークコアに送信する機能とを有する必要がある。
図1では、モビリティ装置40とモビリティ装置50は、同一構成のものを備える例を示した。
【0022】
具体的には、モビリティ装置40は、第1の通信部41、センサ42、メタ情報管理部43、一次データ蓄積部44、情報生成部45、リソース管理部46を有する。モビリティ装置50は、第1の通信部51、センサ52、メタ情報管理部53、一次データ蓄積部54、情報生成部55、リソース管理部56を有する。そして、第1の通信部41と第1の通信部51は同一の構成である。センサ42とセンサ52は同一の構成である。メタ情報管理部43とメタ情報管理部53は同一の構成である。一次データ蓄積部44と一次データ蓄積部54は同一の構成である。情報生成部45と情報生成部55は同一の構成である。リソース管理部46とリソース管理部56は同一の構成である。
【0023】
ここでは、モビリティ装置40を例に
図1で示したモビリティ装置について詳細に説明する。第1の通信部41は、自装置の現在位置から通信可能なネットワークコア(例えばネットワークコア20)、他のモビリティ装置(例えば、モビリティ装置50)及び図示していないインフラ設備と通信する。
図1に示す例では、第1の通信部41は、ネットワークコア20及びモビリティ装置50と通信する例を示した。
【0024】
センサ42は、光学カメラ、LiDAR、高周波センサ、GPS等のモビリティ装置40の周囲の環境に関する情報を取得するものであり、単一のセンサでもよく、複数の種類のセンサを組み合わせものでも良い。一次データ蓄積部44は、センサ42で取得されたセンサーデータを一次データとして蓄積する。一次データとは、センサ42が取得したデータであって、システム上不要な情報まで含まれていたり、システム上扱いが難しいフォーマットのデータであることもある。また、一次データは第1の通信部41を用いてモビリティ装置とは異なるインフラ設備に備え付けられたセンサから取得したデータであっても良い。メタ情報管理部43は、例えば、時刻情報、モビリティ装置を特定するID情報等のメタデータを管理する。情報生成部45は、一次データ蓄積部44に蓄積されている一次データからシステム上で利用が容易な二次データを生成し、二次データにメタ情報管理部43から取得したメタデータを付加して加工データを生成する。また、情報生成部45は、生成した加工データを第1の通信部41を介してネットワークコアに送信する。リソース管理部46は、モビリティ装置40で利用されているコンピュータリソースの状況、残燃料の状況、モビリティの移動情報、サービスに関するデータの使用状況等を管理する。
【0025】
ここで、モビリティ装置40、50を実現するためのハードウェア構成の一例について説明する。そこで、
図3に実施の形態1にかかるモビリティ装置のハードウェア構成の一例を説明するブロック図を示す。なお、
図3では、モビリティ装置が駆動装置等、モビリティ装置の形態の違いに起因して変化する構成(例えば、車両とドローンと携帯情報端末のような形態の違いに起因して違いが生じる構成)は、不記載とした。
図3に示すように、モビリティ装置40、50は、コンピュータ200によって実現出来る。このコンピュータ200は、演算部201、メモリ202、ネットワークインタフェース203、センサ204がバスによって相互に通信可能なように構成される。
【0026】
そして、演算部201において、モビリティサービスプログラムを実行することで、コンピュータ200は、情報蓄積処理と、情報生成処理と、情報収集処理と、を行う。なお、情報収集処理は、ネットワークコアと連携して行う処理であり、複数のネットワークコアのそれぞれに設けられた加工データ蓄積部23に、加工データを蓄積する処理である。情報蓄積処理は、モビリティ装置に備え付けられたセンサ42により取得された一次データを一次データ蓄積部44に蓄積する処理である。情報生成処理は、一次データからシステム上蓄積すべき情報を抽出してシステム上で利用可能なフォーマットの二次データを生成し、二次データに少なくともデータ生成日時を含むメタデータを付加した加工データを生成する処理である。なお、演算部201では、メタ情報管理部43が行うメタ情報管理処理と、リソース管理部46が行うリソース管理処理とを行う。つまり、演算部201は、メタ情報管理部43、情報生成部45、リソース管理部46に相当する。また、コンピュータ100では、一次データの蓄積場所としてメモリ202を利用する。つまり、メモリ202は、一次データ蓄積部44に相当する。また、コンピュータ200は、他の装置との通信が必要な場合にはネットワークインタフェース203を利用する。また、コンピュータ200では、センサ42としてセンサ204を利用する。
【0027】
続いて、実施の形態1にかかるモビリティサービスシステム1の動作について説明する、以下の説明では、モビリティサービスシステム1の動作のうちモビリティ装置40、50により生成される加工データを収集する情報収集処理について説明する。なお、モビリティサービスシステム1は、情報収集処理以外の処理も行う。
【0028】
図4に実施の形態1にかかるモビリティサービスシステム1の動作を説明するフローチャートを示す。
図4に示すように、モビリティサービスシステム1は、情報収集処理を開始すると、モビリティ装置40、50のそれぞれが自装置内でセンサ(例えば、センサ42、52)を用いて一次データを収集する情報収集処理を行う(ステップS11)。続いて、モビリティ装置40、50内で、一次データを加工して二次データを生成し、二次データにメタデータを付加して加工データを生成する情報収集処理を行う(ステップS12)。その後、モビリティサービスシステム1は、複数のネットワークコアのそれぞれに設けられた加工データ蓄積部に、加工データを蓄積する情報収集処理を行う。この情報収集処理は、モビリティ装置側により行われるステップS13と、ネットワークコア側で行われるステップS14と、を含む。ステップS13では、モビリティ装置40、50が、それぞれ通信可能なネットワークコアに対して生成した加工データを送信する。ステップS14では、ネットワークコア20、30が、それぞれ受信した加工データを加工データ蓄積部に蓄積する。
【0029】
その後、モビリティサービスシステム1では、複数のネットワークコア間で蓄積された前記加工データに抜けがないように重複を解消する最適化処理を行う(ステップS15)。より具体的には、最適化処理では、複数のネットワークコアの間で、各ネットワークコア内の加工データ蓄積部に蓄積されているデータの重複を確認し、複数のネットワークコア内に蓄積された加工データに抜けと重複がなくなるように情報基盤10に蓄積すべき加工データを最適化する。この最適化処理では、加工データ内の二次データが同一であれば最新の日時のものだけを残す等の処理を行う。そして、ステップS15の最適化処理後に、複数のネットワークコアがそれぞれ加工データを情報基盤10に送信する情報集約処理を行う(ステップS16)。
【0030】
上記説明より、実施の形態1にかかるモビリティサービスシステム1は、情報を収集するモビリティ装置のぞれぞれで取得した一次データを上位システムで保存可能な加工データに変換し、ネットワークコアにこの加工データを集める。そして、複数のネットワークコア間で加工データの抜けと重複がないように加工データの最適化を行うことで、情報基盤10の処理負担を増やすことなく、情報基盤10に抜けと重複がない加工データを集約することができる。
【0031】
実施の形態2
実施の形態2では、モビリティサービスシステム1の変形例となるモビリティサービスシステム2について説明する。実施の形態2にかかるモビリティサービスシステム2では、ニーズがあると情報基盤10が判断したサービスを開始する際に、モビリティサービスシステムによるサービスが提供される運用エリア全体でニーズのあるサービスを最適な形で提供するために提供サービスに関連するデータを複数のモビリティ装置に分散して与える。なお、モビリティサービスシステム2では、提供サービスに関連するデータをモビリティ装置に限らず、運用エリアに配置されるインフラ装置等の他の装置に分散して配置することもある。
図5に実施の形態2にかかるモビリティサービスシステムのブロック図を示す。なお、実施の形態2の説明では、実施の形態1と同じ構成要素について、実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。また、
図5では、ネットワークコア30については記載を省略した。
【0032】
図5に示すように、実施の形態2にかかるモビリティサービスシステム2では、モビリティ装置40、50に代えてモビリティ装置60、70を備える。モビリティ装置60は、モビリティ装置40のメタ情報管理部43を指示処理部63に置き換えたものである。また、モビリティ装置70は、モビリティ装置50のメタ情報管理部53を指示処理部73に置き換えたものである。なお、モビリティ装置60、70がメタ情報管理部43、53を有していても良い。
【0033】
指示処理部63、73は、情報基盤10から発信され、ネットワークコア20により割り当てられた新規に提供するサービス、或いは、現状提供中にサービスを更新するためのサービスアップデート情報に基づきサービスを開始するサービス開始処理を行う。また、モビリティ装置60、70は、モビリティ装置で現在未利用状態になっている空きリソースの情報を示す空きリソース情報を生成する空きリソース情報生成処理をリソース管理部46、56で行う。また、リソース管理部46、56は、空きリソース情報を複数のネットワークコアの少なくとも1つと、情報基盤10と、に送信する空きリソース通知処理を行う。ここで、空きリソース情報には、リソース管理部46,56で管理されている全ての情報を含むことができ、例えば、モビリティ装置60、70で利用されているコンピュータリソースの状況、残燃料の状況、モビリティの移動情報、サービスに関するデータの使用状況等を含む。なお、指示処理部63、73の処理は、
図3で示したハードウェアのうち演算部201でプログラムを実行することで実現出来る。
【0034】
また、実施の形態2にかかるモビリティサービスシステム2では、ネットワークコア20内のサービス選択部24が情報基盤10から受信したサービスアップデート情報と、モビリティ装置60、70から得た各モビリティ装置のリソース情報と、に基づきサービスアップデート情報によるサービスを実行するモビリティ装置を選択するサービス選択処理を行う。さらに、モビリティサービスシステム2では、情報基盤10が提供要求のあるサービスのうち空きリソースにより提供可能なサービスに関連する情報をサービスアップデート情報として決定するサービスアップデート決定処理を行う。
【0035】
そこで、実施の形態2にかかるモビリティサービスシステム2の動作のうち提供するサービスに関連する情報であるサービスアップデート情報を複数のモビリティ装置に分散して渡すサービス起動処理について説明する。そこで、
図6に実施の形態2にかかるモビリティサービスシステム2の動作を説明するフローチャートを示す。
【0036】
図6に示すように、サービス起動処理を開始すると、モビリティサービスシステム2は、モビリティ装置60、70が、リソース管理部46、56がそれぞれ自装置内の空きリソース情報を情報基盤10及びネットワークコア20に通知する空きリソース情報生成処理及び空きリソース通知処理を行う(ステップS21)。
【0037】
続いて、モビリティサービスシステム2では、情報基盤10がモビリティ装置の空きリソース情報と、ニーズ情報(例えば、提供要求のあるサービス)と、に基づきサービスアップデート情報を決定するサービス開始処理を行う(ステップS22)。その後、情報基盤10は、提供するサービスに関連するサービスアップデート情報をネットワークコア20に伝達する。そして、ネットワークコア20は、サービス選択部24により、サービスアップデート情報と、空きリソース情報に基づき、サービスアップデート情報を処理可能なモビリティ装置を選択し、選択したモビリティ装置にサービスアップデート情報を送信する(ステップS23)。
【0038】
その後、モビリティサービスシステム2では、モビリティ装置60、70の指示処理部63、73が、ネットワークコア20から与えられたサービスアップデート情報に基づくサービスを開始する(ステップS24)。
【0039】
上記説明より、実施の形態2にかかるモビリティサービスシステム2では、モビリティ装置の空きリソースの状況に応じて、新たに開始するサービスをどのモビリティ装置で開始するかを決定する。これにより、実施の形態2にかかるモビリティサービスシステム2では、システム上のモビリティ装置のリソースの活用効率を向上させることができる。
【0040】
なお、上記説明ではネットワークコア20は1つの例で説明したが、複数のネットワークコア間でサービスアップデート情報を共有して、複数のアップデートサービス情報を複数のネットワークで分散して保持しても良い。また、サービスアップデート情報のモビリティ装置への配信では、ネットワークコアとモビリティ装置が直接通信をしなくても、例えば、公共無線LANスポット、スマートポール、信号機等の公共インフラを介して配信しても良く、モビリティ装置間の通信で受け渡しをしても良く、モビリティ装置同士が公共インフラを介してサービスアップデート情報を受け渡しても良い。
【0041】
実施の形態3
実施の形態3では、実施の形態1にかかるモビリティサービスシステム1の別の形態について説明する。実施の形態3にかかるモビリティサービスシステム3では、例えば、何らかの原因でモビリティ装置と情報基盤10との通信が途絶えた場合において、モビリティ装置が情報基盤に頼らずに自律的に災害時サービスを提供する。そこで、
図7に実施の形態3にかかるモビリティサービスシステムのブロック図を示す。なお、実施の形態3の説明では、実施の形態1と同じ構成要素について、実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。また、
図7では、情報基盤10、ネットワークコア20、30と、モビリティ装置と、の間の通信は途絶えている状態を示した。
【0042】
図7に示すように、実施の形態3にかかるモビリティサービスシステム3は、モビリティ装置40の情報生成部45をサービス切替部85に置き換えたモビリティ装置80と、モビリティ装置50の情報生成部55をサービス切替部95に置き換えたモビリティ装置90と、を有する。なお、モビリティ装置80、90において、情報生成部45、55を備えていても良い。
【0043】
サービス切替部85、95は、モビリティ装置と情報基盤10との通信が途絶えたことに応じて、複数のモビリティ装置間で互いに通信して、災害時モードで提供するサービスの為に非被災時モードの時に蓄積していた災害サービスデータを複数のモビリティ装置間で共有する災害時データ共有処理を行う。この災害サービスデータは、例えば、実施の形態2で説明したサービス選択部24の処理により通信が正常に機能している非災害時に上位システムから分散してモビリティ装置に保存されるものとする。
【0044】
また、モビリティ装置80、90は、災害時モードで提供するサービスを実行可能な空きリソースの有無を確認する空きリソース確認処理をリソース管理部46、56で行う。また、モビリティ装置80、90は、空きリソース確認処理で空きリソースが無いと判断された場合に、災害時モードで提供するサービス以外のサービスを停止して空きリソースを増やすリソース再配分処理をリソース管理部46、56で行う。さらに、モビリティ装置80、90は、災害サービスデータを用いて、災害時モードで提供するサービスの提供を開始する災害時サービス開始処理をサービス切替部85、95で行う。なお、リソース管理部56、サービス切替部95の処理は、
図3で示したハードウェアのうち演算部201でプログラムを実行することで実現出来る。
【0045】
ここで、モビリティサービスシステム3の動作のうち災害時サービスを起動する災害時サービス起動処理について説明する。そこで、
図8に実施の形態3にかかるモビリティサービスシステム3の動作を説明するフローチャートを示す。なお、
図8に示した災害時サービス起動処理は、モビリティ装置と情報基盤10との通信が途絶えたことによって開始されるものとする。
【0046】
災害時サービスの起動処理では、複数のモビリティ装置で相互に通信を行い、複数のモビリティ装置に分散して保存されている災害時サービス用のデータを複数のモビリティ装置の間で共有する(ステップS31)。
【0047】
続いて、モビリティサービスシステム3は、モビリティ装置のリソース管理部を用いて、災害時モードで提供する災害時サービスと、災害時サービスに必要な空きリソースを確認する(ステップS32)。そして、リソース管理部は、空きリソースに災害時サービスを提供する余裕があると判断した場合は、サービス切替部にリソース状態に問題ないことを通知し、サービス切替部が空きリソースを用いて災害時サービスの提供を開始する(ステップS33、S34)。一方、ソース管理部は、空きリソースに災害時サービスを提供する余裕がないと判断した場合は、現状提供しているサービスのうち災害時に不要なサービスを停止する(ステップS33、S35)。そして、サービス切替部は、ステップS35の処理により空いたリソースを用いて災害時サービスの提供を開始する(ステップS36)。
【0048】
上記説明より、実施の形態3にかかるモビリティサービスシステム3は、通信に障害が発生していない正常時にモビリティ装置に分散して保存した災害時サービスに関連するデータを、通信障害発生時に複数のモビリティ装置間で共有することで、災害時サービスに関連するデータの全てを書くモビリティ装置が保持する必要がない。つまり、実施の形態3にかかるモビリティサービスシステム3では、モビリティ装置のメモリリソースを節約しながら、モビリティ装置を災害時に最大限利用することが可能になる。
【0049】
なお、上記説明ではモビリティ装置内に災害時サービスに関する情報を蓄積したが、災害時サービスに関する情報の蓄積場所は、例えば、公共無線LANスポット、スマートポール、信号機等の公共インフラであっても良い。また、モビリティ装置間の災害時サービスに関する情報の受け渡しも、公共インフラを介して行っても良い。特に、モビリティ装置間の通信はモビリティ装置が近接していなければ出来ないことも多く、公共インフラを介して情報の受け渡しを行うことはモビリティ装置の密集を避ける効果も生じる。
【0050】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、以下のような観点でとらえることもできる。
【0051】
(付記1)
複数のモビリティ装置と、
少なくとも1つの前記モビリティ装置と通信する複数のネットワークコアと、
前記複数のネットワークコアのそれぞれと通信する情報基盤と、を有し、
前記モビリティ装置と、前記複数のネットワークコアと、前記情報基盤と、が連携して、
前記モビリティ装置で現在未利用状態になっている空きリソースの情報を示す空きリソース情報を生成する空きリソース情報生成処理と、
前記空きリソース情報を前記複数のネットワークコアの少なくとも1つと、前記情報基盤と、に送信する空きリソース通知処理と、
提供要求のあるサービスのうち前記空きリソースにより提供可能なサービスに関連する情報をサービスアップデート情報として決定するサービスアップデート決定処理と、
前記サービスアップデート情報と、前記空きリソース情報に基づき、前記サービスアップデート情報を処理可能な前記モビリティ装置を選択し、選択した前記モビリティ装置に前記サービスアップデート情報を送信するサービス選択処理と、
受信した前記サービスアップデート情報に基づき前記サービスを開始するサービス開始処理と、
を行うモビリティサービスシステム。
【0052】
(付記2)
前記空きリソース生成処理と、前記空きリソース通知処理と、前記サービス開始処理と、を前記モビリティ装置で実行し、
前記サービスアップデート決定処理を前記情報基盤で実行し、
前記サービス選択処理を前記複数のネットワークコアで実行する付記1に記載のモビリティサービスシステム。
【0053】
(付記3)
前記複数のモビリティ装置は、それぞれ
前記空きリソース情報生成処理と前記空きリソース通知処理を実行するリソース管理部と、
前記空きリソース情報を前記空きリソース通知として前記ネットワークコア及び前記情報基盤に送信するとともに、前記サービスアップデート情報を受信する第1の通信部と、
前記サービス開始処理を実行する指示処理部と、
を有する付記1に記載のモビリティサービスシステム。
【0054】
(付記4)
前記ネットワークコアは、それぞれ、サービス選択処理を行うサービス選択部を有する付記1に記載のモビリティサービスシステム。
【0055】
(付記5)
前記情報基盤は、災害時モードで提供するサービスを行う為の災害サービスデータを決定して、前記災害サービスデータを前記複数のネットワークコアに送信する災害サービスデータ送信処理を行い、
前記複数のネットワークコアは、受信した災害サービスデータを通信可能な位置にある前記複数のモビリティ装置に分散して与える災害サービスデータ分散蓄積処理を行う付記1に記載のモビリティサービスシステム。
【0056】
(付記6)
前記複数のモビリティ装置は、それぞれ
上位システムとの通信が途絶えたことを検出したことに応じて、前記複数のモビリティ装置間で互いに通信して、予め蓄積していた前記災害サービスデータを前記複数のモビリティ装置間で共有する災害時データ共有処理と、
前記災害時モードで提供するサービスを実行可能な空きリソースの有無を確認する空きリソース確認処理と、
前記空きリソース確認処理で空きリソースが無いと判断された場合に、前記災害時モードで提供するサービス以外のサービスを停止して空きリソースを増やすリソース再配分処理と、
前記災害サービスデータを用いて、前記災害時モードで提供するサービスの提供を開始する災害時サービス開始処理と、
を行う付記5に記載のモビリティサービスシステム。
【0057】
(付記7)
少なくとも1台のモビリティ装置と、少なくとも1つの前記モビリティ装置と通信する複数のネットワークコアと、前記複数のネットワークコアのそれぞれと通信する情報基盤と、のそれぞれに備えられる演算部において実行されるモビリティサービスプログラムであって、
前記モビリティ装置で現在未利用状態になっている空きリソースの情報を示す空きリソース情報を生成する空きリソース情報生成処理と、
前記空きリソース情報を前記複数のネットワークコアの少なくとも1つと、前記情報基盤と、に送信する空きリソース通知処理と、
提供要求のあるサービスのうち前記空きリソースにより提供可能なサービスに関連する情報をサービスアップデート情報として決定するサービスアップデート決定処理と、
前記サービスアップデート情報と、前記空きリソース情報に基づき、前記サービスアップデート情報を処理可能な前記モビリティ装置を選択し、選択した前記モビリティ装置に前記サービスアップデート情報を送信するサービス選択処理と、
受信した前記サービスアップデート情報に基づき前記サービスを開始するサービス開始処理と、
を行うモビリティサービスプログラム。
【0058】
(付記8)
前記空きリソース生成処理と、前記空きリソース通知処理と、前記サービス開始処理と、を前記モビリティ装置内の前記演算部で実行し、
前記サービスアップデート決定処理を前記情報基盤内の演算部で実行し、
前記サービス選択処理を前記複数のネットワークコア内の演算部で実行する付記7に記載のモビリティサービスプログラム。
【0059】
(付記9)
少なくとも1台のモビリティ装置と、少なくとも1つの前記モビリティ装置と通信する複数のネットワークコアと、前記複数のネットワークコアのそれぞれと通信する情報基盤と、を有するモビリティサービスシステムのサービス提供方法であって、
前記モビリティ装置で現在未利用状態になっている空きリソースの情報を示す空きリソース情報を生成する空きリソース情報生成処理と、
前記空きリソース情報を前記複数のネットワークコアの少なくとも1つと、前記情報基盤と、に送信する空きリソース通知処理と、
提供要求のあるサービスのうち前記空きリソースにより提供可能なサービスに関連する情報をサービスアップデート情報として決定するサービスアップデート決定処理と、
前記サービスアップデート情報と、前記空きリソース情報に基づき、前記サービスアップデート情報を処理可能な前記モビリティ装置を選択し、選択した前記モビリティ装置に前記サービスアップデート情報を送信するサービス選択処理と、
受信した前記サービスアップデート情報に基づき前記サービスを開始するサービス開始処理と、
を行うモビリティサービシステムのサービス提供方法。
【0060】
(付記10)
上位システムと通信可能な複数のモビリティ装置を有し、を有し、
前記複数のモビリティ装置は、それぞれ
前記上位システムとの通信が途絶えたことを検出したことに応じて、前記複数のモビリティ装置間で互いに通信して、災害時モードで提供するサービスの為に非被災時モードの時に蓄積していた災害サービスデータを前記複数のモビリティ装置間で共有する災害時データ共有処理と、
前記災害時モードで提供するサービスを実行可能な空きリソースの有無を確認する空きリソース確認処理と、
前記空きリソース確認処理で空きリソースが無いと判断された場合に、前記災害時モードで提供するサービス以外のサービスを停止して空きリソースを増やすリソース再配分処理と、
前記災害サービスデータを用いて、前記災害時モードで提供するサービスの提供を開始する災害時サービス開始処理と、
を行うモビリティサービスシステム。
【0061】
(付記11)
上位システムと通信可能、かつ、互いに通信可能な複数のモビリティ装置の演算部で実行されるモビリティサービスプログラムであって、
前記上位システムとの通信が途絶えたことを検出したことに応じて、前記複数のモビリティ装置間で互いに通信して、災害時モードで提供するサービスの為に非被災時モードの時に蓄積していた災害サービスデータを前記複数のモビリティ装置間で共有する災害時データ共有処理と、
前記災害時モードで提供するサービスを実行可能な空きリソースの有無を確認する空きリソース確認処理と、
前記空きリソース確認処理で空きリソースが無いと判断された場合に、前記災害時モードで提供するサービス以外のサービスを停止して空きリソースを増やすリソース再配分処理と、
前記災害サービスデータを用いて、前記災害時モードで提供するサービスの提供を開始する災害時サービス開始処理と、
を行うモビリティサービスプログラム。
(付記12)
上位システムと通信可能、かつ、互いに通信可能な複数のモビリティ装置を有するモビリティサービスシステムの災害時モードへの切り替え方法であって、
前記上位システムとの通信が途絶えたことを検出したことに応じて、前記複数のモビリティ装置間で互いに通信して、災害時モードで提供するサービスの為に非被災時モードの時に蓄積していた災害サービスデータを前記複数のモビリティ装置間で共有する災害時データ共有処理と、
前記災害時モードで提供するサービスを実行可能な空きリソースの有無を確認する空きリソース確認処理と、
前記空きリソース確認処理で空きリソースが無いと判断された場合に、前記災害時モードで提供するサービス以外のサービスを停止して空きリソースを増やすリソース再配分処理と、
前記災害サービスデータを用いて、前記災害時モードで提供するサービスの提供を開始する災害時サービス開始処理と、
を行うモビリティサービスの災害時モードへの切り替え方法。
【符号の説明】
【0062】
1 モビリティサービスシステム
2 モビリティサービスシステム
3 モビリティサービスシステム
10 情報基盤
20 ネットワークコア
21 第2の通信部
22 情報処理部
23 加工データ蓄積部
24 サービス選択部
30 ネットワークコア
31 第2の通信部
32 情報処理部
33 加工データ蓄積部
34 サービス選択部
40 モビリティ装置
41 第1の通信部
42 センサ
43 メタ情報管理部
44 一次データ蓄積部
45 情報生成部
46 リソース管理部
50 モビリティ装置
51 第1の通信部
52 センサ
53 メタ情報管理部
54 一次データ蓄積部
55 情報生成部
56 リソース管理部
60 モビリティ装置
63 指示処理部
70 モビリティ装置
73 指示処理部
80 モビリティ装置
85 サービス切替部
90 モビリティ装置
95 サービス切替部