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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126038
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】混合吐出容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/32 20060101AFI20230831BHJP
   B65D 47/34 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
B65D81/32 P
B65D47/34 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030478
(22)【出願日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】當麻 徹
【テーマコード(参考)】
3E013
3E084
【Fターム(参考)】
3E013AA06
3E013AC01
3E013AD28
3E013AE02
3E013AF02
3E013AF17
3E013AF23
3E013AF38
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC03
3E084FA09
3E084FC07
3E084GB12
3E084HB10
3E084HD03
3E084KB02
3E084LA17
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD22
(57)【要約】
【課題】少ない部品点数で実現し易い混合吐出容器を提供する。
【解決手段】口部5含む上側部分10と底部7、案内部8及び仕切り壁9を含み上側部分10に回動可能に連結する下側部分11とを有する容器本体2と、口部5から垂下するシリンダ部材15とシリンダ部材15に上昇可能に連結する吸い込み管16と作動部材17とを有し、シリンダ部材15に対する作動部材17の昇降動作によって容器本体2内の内容物を吸い込み管16、シリンダ部材15及び作動部材17を通して吐出可能な吐出器3と、を有し、上側部分10に対する下側部分11の回動により、案内部8が吸い込み管16に対して回動することで吸い込み管16を押し上げ、その結果、吸い込み管16が仕切り壁9から分離することで、容器本体2の内部空間Sが仕切り壁9によって仕切られた状態を解消可能である、混合吐出容器1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部を含む上側部分と底部、案内部及び仕切り壁を含み前記上側部分に回動可能に連結する下側部分とを有する容器本体と、
前記口部から垂下するシリンダ部材と前記シリンダ部材に上昇可能に連結する吸い込み管と作動部材とを有し、前記シリンダ部材に対する前記作動部材の昇降動作によって前記容器本体内の内容物を前記吸い込み管、前記シリンダ部材及び前記作動部材を通して吐出可能な吐出器と、を有し、
前記上側部分に対する前記下側部分の回動により、前記案内部が前記吸い込み管に対して回動することで前記吸い込み管を押し上げ、その結果、前記吸い込み管が前記仕切り壁から分離することで、前記容器本体の内部空間が前記仕切り壁によって仕切られた状態を解消可能である、混合吐出容器。
【請求項2】
前記仕切り壁を前記吸い込み管に連ね、前記上側部分に対する前記下側部分の回動により破断可能な破断予定部を有する、請求項1に記載の混合吐出容器。
【請求項3】
前記吸い込み管が、前記シリンダ部材に対する前記吸い込み管の上昇によって開放される吸い込み口を有する、請求項1又は2に記載の混合吐出容器。
【請求項4】
前記吸い込み管が管体と前記管体の外周面に設けられ上下方向に延びる縦リブを有し、
前記案内部が、前記上側部分に対する前記下側部分の回動により前記縦リブの下端部を上方へ案内可能な傾斜面を有する、請求項1~3の何れか1項に記載の混合吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は混合吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器本体の内部空間が仕切り壁によって仕切られた状態を使用開始時に解消させて内容物を混合し、吐出器によって吐出できる混合吐出容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-30477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
混合吐出容器は少ない部品点数で実現できることが望ましい。
【0005】
そこで本発明の目的は、少ない部品点数で実現し易い混合吐出容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の混合吐出容器は、口部を含む上側部分と底部、案内部及び仕切り壁を含み前記上側部分に回動可能に連結する下側部分とを有する容器本体と、前記口部から垂下するシリンダ部材と前記シリンダ部材に上昇可能に連結する吸い込み管と作動部材とを有し、前記シリンダ部材に対する前記作動部材の昇降動作によって前記容器本体内の内容物を前記吸い込み管、前記シリンダ部材及び前記作動部材を通して吐出可能な吐出器と、を有し、前記上側部分に対する前記下側部分の回動により、前記案内部が前記吸い込み管に対して回動することで前記吸い込み管を押し上げ、その結果、前記吸い込み管が前記仕切り壁から分離することで、前記容器本体の内部空間が前記仕切り壁によって仕切られた状態を解消可能である、混合吐出容器である。
【0007】
本発明の混合吐出容器は、上記構成において、前記仕切り壁を前記吸い込み管に連ね、前記上側部分に対する前記下側部分の回動により破断可能な破断予定部を有する、混合吐出容器であるのが好ましい。
【0008】
本発明の混合吐出容器は、上記構成において、前記吸い込み管が、前記シリンダ部材に対する前記吸い込み管の上昇によって開放される吸い込み口を有する、混合吐出容器であるのが好ましい。
【0009】
本発明の混合吐出容器は、上記構成において、前記吸い込み管が管体と前記管体の外周面に設けられ上下方向に延びる縦リブを有し、前記案内部が、前記上側部分に対する前記下側部分の回動により前記縦リブの下端部を上方へ案内可能な傾斜面を有する、混合吐出容器であるのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、少ない部品点数で実現し易い混合吐出容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態の混合吐出容器を示す縦断面図である。
図2図1に示す混合吐出容器の内容物吐出時の状態を示す縦断面図である。
図3図1のA-A線に沿って径方向外側に向けて見た時の断面図である。
図4図3に示す状態から容器上側部分に対して容器下側部分を回動させた時の状態を示す。
図5図1に示す混合吐出容器について吸い込み管を下側から示し案内部を上側から示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0013】
図1に示すように、本発明の一実施形態において混合吐出容器1は、容器本体2、吐出器3及びキャップ4を有する。
【0014】
容器本体2は口部5、胴部6、底部7、案内部8及び仕切り壁9を有する。底部7は底壁7aとヒール部7bを有する。また容器本体2は、口部5を含む上側部分10(容器上側部分10ともいう)と、底部7、案内部8及び仕切り壁9を含み上側部分10に回動可能に連結する下側部分11(容器下側部分11ともいう)とを有する。容器上側部分10は、口部5と胴部6の一部を形成する上容器部材12で構成される。容器下側部分11は、底部7、案内部8及び胴部6の一部を形成する下容器部材13と、下容器部材13と容器上側部分10(上容器部材12)よりも径方向内側に設けられ、胴部6の一部と仕切り壁9を形成する外筒部材14とで構成される。
【0015】
吐出器3は、シリンダ部材15、吸い込み管16、作動部材17、付勢部材18及び弾性弁部材19を有する。作動部材17は押し下げヘッド17a、ピストンガイド17b及びピストン17cを有する。
【0016】
吸い込み管16と外筒部材14は破断予定部20を介して一体に連なり、吸い込み管16、外筒部材14及び破断予定部20で二重筒部材21が構成される。
【0017】
二重筒部材21、上容器部材12、下容器部材13、シリンダ部材15はそれぞれ、一体成形物であり、例えば合成樹脂で成形される。
【0018】
容器本体2は、中心軸線Oを中心とする環状の口部5と、底部7と、口部5と底部7を連ねる円筒状の胴部6と、を有する。底部7は、胴部6の下端部に連なり中心軸線Oを中心とする円筒状のヒール部7bと、ヒール部7bに連なる底壁7aと、を有する。ヒール部7bの下端面は接地面を構成する。底壁7aの上面視中央部には、下方に向けて凹むシール凹部22が設けられる。胴部6の上端部は、口部5の外周部から上方に延び中心軸線Oを中心とする筒状の内周上端壁6aと、内周上端壁6aの上端部から径方向外側且つ下方に延びる外周上端壁6bと、外周上端壁6bの下端部から段差状に径方向外側に拡径する環状段部6cと、を有する。
【0019】
なお、説明の便宜上、中心軸線Oに沿う方向を軸方向又は上下方向ともいい、中心軸線Oに沿って底部7から口部5に向かう方向を上方ともいい、その反対方向を下方ともいい、中心軸線Oに直交する直線に沿う方向を径方向ともいい、中心軸線Oを周回する方向を周方向ともいい、中心軸線Oを含む断面を縦断面ともいう。
【0020】
上容器部材12は、口部5、内周上端壁6a、外周上端壁6b、環状段部6c及び上外周壁6dを有する。上外周壁6dは、環状段部6cの下端部から下方に延び、中心軸線Oを中心とする円筒状をなす。外周上端壁6bの下端面は、上外周壁6dの内周面の上端から径方向内側に段差状に突出する上段差面6eを形成する。
【0021】
下容器部材13は、ヒール部7bの上端部から上方に延び中心軸線Oを中心とする円筒状の下外周壁6fを有する。下外周壁6fの上端部は、上外周壁6dの下端部に、径方向内側から重なり、凹凸形状同士の係合によって中心軸線Oを中心に回動可能に連結する。下外周壁6fの上端面は、上外周壁6dの内周面から径方向内側に段差状に突出する下段差面6gを形成する。
【0022】
外筒部材14は、胴部6の一部を形成し中心軸線Oを中心とする筒体部6hと、筒体部6hから径方向内側に延び、中心軸線Oを中心とする環状の仕切り壁9と、を有する。
【0023】
筒体部6hは、上段差面6eと下段差面6gの間で上外周壁6dの内周面に沿って延びることで、上容器部材12と下容器部材13に対する軸方向の位置が規制される円筒状の上筒部6iと、上筒部6iの下端部に段差状に縮径して連なり、下外周壁6fの内周面に沿って延びる円筒状の下筒部6jと、を有する。下筒部6jは、容器上側部分10(上容器部材12)に対する下容器部材13の回動により下容器部材13と共回りするように、下外周壁6fの内周面に対する軸方向に延びるスプライン状の凹凸形状同士の係合によって下外周壁6fに対する周方向の位置が規制される。
【0024】
上筒部6iと上外周壁6dとの間には、適宜、内容物の漏出を抑制するための封止部を設けてもよい。下筒部6jと下外周壁6fの間には、適宜、内容物の漏出を抑制するための封止部を設けてもよい。
【0025】
仕切り壁9は、筒体部6h(下筒部6j)から径方向内側に向けて下方に傾斜して延びる傾斜筒状をなす。仕切り壁9の内周縁部は、中心軸線Oを中心とする円環状に延びる薄肉部で構成される破断予定部20を介して吸い込み管16の段差状縮径部16bのフランジ状をなす外周部(フランジ状外周部16cともいう)に連なる。
【0026】
口部5は、中心軸線Oを中心とする内周筒5aと、内周筒5aよりも径方向外側に設けられる外周筒5bと、内周筒5aと外周筒5bとを連ねるフランジ壁5cと、を有する。
【0027】
シリンダ部材15は、シリンダ筒15a、シリンダ底壁部15b及び下部筒15cを有し、口部5から垂下する。
【0028】
シリンダ筒15aは中心軸線Oを中心とする筒状をなし、シリンダ筒15aの上端部が口部5の内周筒5aと外周筒5bとに挟まれることで口部5に連結する。また、シリンダ筒15aは、シリンダ筒15aの上端面と口部5のフランジ壁5cの下面との間での凹凸形状同士の係合によって口部5に対する周方向の位置が規制される。なおこのような構成に代えて、例えば、軸方向に延びるスプライン状の凹凸形状同士の係合によって口部5に対するシリンダ筒15aの周方向の位置が規制される構成としてもよい。
【0029】
シリンダ筒15aの下端部は、環状のシリンダ底壁部15bを介して下部筒15cの上端部に連なる。下部筒15cは、シリンダ筒15aよりも小さく上下方向に一定となる外径を有し中心軸線Oを中心とする筒状をなす。
【0030】
吸い込み管16は、摺動筒16a、段差状縮径部16b、フランジ状外周部16c、管体16d及び複数(4つ)の縦リブ16eを有し、シリンダ部材15に上昇可能に連結する。
【0031】
摺動筒16aは、上下方向に一定となる内径を有し、中心軸線Oを中心とする筒状をなす。摺動筒16aは、摺動筒16aの内周面と下部筒15cの外周面との間の軸方向に延びるスプライン状の凹凸形状同士の係合により、下部筒15cに上昇可能且つ周方向位置が規制されるように連結する。
【0032】
摺動筒16aの下端部は、環状の段差状縮径部16bを介して管体16dの上端部に連なる。段差状縮径部16bの外周部はフランジ状外周部16cで構成され、フランジ状外周部16cの外周縁部は上記のとおり破断予定部20を介して仕切り壁9の内周縁部に一体に連なる。
【0033】
図1及び図5に示すように、管体16dは、中心軸線Oを中心とする円筒状をなす。管体16dの下端は吸い込み口16fを形成する。管体16dの下端部は、シール凹部22に挿入され、吸い込み口16fを閉塞するように底壁7aのシール凹部22に全周に亘って密接する。図示する例では管体16dの下端部は、シール凹部22の内周面に密接することで吸い込み口16fを閉塞するが、これに限らず例えば、管体16dの下端部がシール凹部22の上面に密接することで吸い込み口16fを閉塞する構成としてもよい。
【0034】
複数の縦リブ16eは、管体16dの外周面に周方向に等間隔に並べて設けられ、各々がフランジ状外周部16cの下面から下方に向けて上下方向に沿って延びる。各々の縦リブ16eの下端部は、管体16dの外周面からシール凹部22よりも径方向外側まで突出する。したがって各々の縦リブ16eの下端面は、底壁7aにおけるシール凹部22よりも径方向外側の部分の上面に対向するように配置される。
【0035】
図1図3及び図5に示すように、案内部8は、複数(4つ)の突出部8aで構成される。各々の突出部8aは、吸い込み管16に対する案内部8の周方向一方側(底面視での時計回り方向)への回動により、対応する縦リブ16eを押し上げることができるように構成され、より具体的には、対応する縦リブ16eの下端部に周方向他方側から対向し、周方向一方側に向けて下方に傾く傾斜面8bを有する。図3図4に示すように、傾斜面8bは、吸い込み管16に対する案内部8の周方向一方側への回動により、対応する縦リブ16eの下端部を押し上げることができる。なお、傾斜面8bの形状は図3図4に示すような直線状に限らず、例えば曲線状としてもよい。各々の突出部8aは周方向に湾曲する湾曲板状の突片で構成される。なお各々の突出部8aは、吸い込み管16に対する案内部8の周方向一方側への回動により、対応する縦リブ16eを押し上げることができる限り、突片以外で構成してもよい。
【0036】
図1に示すように、作動部材17は、押し下げヘッド17aと、押し下げヘッド17aに一体に取り付けられるピストンガイド17bと、押し下げヘッド17a及びピストンガイド17bに相対的に昇降可能に保持されるピストン17cとで構成され、口部5と押し下げヘッド17aとの間に配置される圧縮ばねで構成される付勢部材18により、シリンダ部材15に対して上昇する方向に付勢される。シリンダ部材15のシリンダ筒15a、ピストンガイド17b及びピストン17cでポンプ室23が区画され、ピストン17cとピストンガイド17bの当接と分離により開閉される開閉部でポンプ室23の下流側逆流抑制部24が構成され、シリンダ筒15aの下端部に配置される弾性弁部材19でポンプ室23の上流側逆流抑制部25が構成される。
【0037】
吐出器3は、シリンダ部材15に対する作動部材17の昇降動作により、上流側逆流抑制部25と下流側逆流抑制部24の間のポンプ室23の容積を増減させることで、容器本体2内の内容物を吸い込み管16、シリンダ部材15及び作動部材17を通して吐出可能である。
【0038】
なお、付勢部材18の配置は口部5と押し下げヘッド17aとの間に限らない。また付勢部材18は圧縮ばね以外の部材で構成してもよい。下流側逆流抑制部24はピストン17cとピストンガイド17bによって形成される開閉部以外の部材で構成してもよい。上流側逆流抑制部25は弾性弁以外の部材で構成してもよい。
【0039】
また作動部材17は、図示の例では、付勢部材18による付勢力に抗して押し下げ操作される押し下げヘッド型として構成されるが、これに限らず例えばトリガーの牽曵操作によって内容物を吐出するトリガー型として構成してもよい。
【0040】
キャップ4は、中心軸線Oを中心とする筒状の周壁部4aと、周壁部4aの上端部に連なる頂壁部4bと、を有する。キャップ4を周壁部4aの下端部において環状段部6cに取り付けることで吐出器3の押し下げヘッド17aを覆い、収納することができ、キャップ4を環状段部6cから取り外すことで押し下げヘッド17aを開放し、操作可能な状態にすることができる。
【0041】
図1に示すように、流通時など、使用前の状態では、仕切り壁9の内周縁部はフランジ状外周部16cの外周縁部に連なり、その結果、容器本体2の内部空間Sは仕切り壁9によって上側空間S1と下側空間S2に仕切られた状態である。また、上側空間S1には、図示しない内容物の第1成分が収容され、下側空間S2には内容物の第2成分が収容される。つまり、第1成分と第2成分は、仕切り壁9によって仕切られた容器本体2の内部空間Sに別々に収容される。なお、内容物は特に限定されず、例えば液状である。例えば、第1成分を粉状とし、第2成分を液状としてもよい。
【0042】
上記のように容器本体2の内部空間Sが仕切られた状態では、吸い込み管16の吸い込み口16fは、シール凹部22によって閉塞された状態である。したがって、使用者が誤って作動部材17を操作したとしても、内容物が吐出されないため、誤操作に気付くことができる。
【0043】
使用者は、混合吐出容器1の使用開始時に、容器上側部分10に対して容器下側部分11を周方向一方側に回動させることにより、案内部8を吸い込み管16に対して周方向一方側に回動させることで吸い込み管16を押し上げることができる。またその際、容器上側部分10に対する容器下側部分11の回動により、吸い込み管16に対して仕切り壁9を回動させることで破断予定部20を破断させることができる。その結果、吸い込み管16が仕切り壁9から分離することで、容器本体2の内部空間Sが仕切り壁9によって仕切られた状態を解消することができる。
【0044】
このように上側空間S1と下側空間S2とが連通した状態とすることにより、必要に応じて混合吐出容器1を振ることで、第1成分と第2成分を内部空間S内で混合させることができる。
【0045】
また上記のシリンダ部材15に対する吸い込み管16の上昇により、吸い込み口16fは開放された状態となる。したがって、図2に示すように、吐出器3を操作して作動部材17をシリンダ部材15に対して昇降動作させることにより、混合させた内容物を吐出することができる。
【0046】
本実施形態によれば、混合吐出容器1を少ない部品点数で容易に実現することができる。特に、本実施形態のように仕切り壁9を破断予定部20を介して吸い込み管16に連ねる構成によれば、外筒部材14と吸い込み管16を一体成形物である二重筒部材21で構成できるため、部品点数をより容易に低減することができる。
【0047】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0048】
したがって、前述した実施形態の混合吐出容器1は、口部5含む上側部分10と底部7、案内部8及び仕切り壁9を含み上側部分10に回動可能に連結する下側部分11とを有する容器本体2と、口部5から垂下するシリンダ部材15とシリンダ部材15に上昇可能に連結する吸い込み管16と作動部材17とを有し、シリンダ部材15に対する作動部材17の昇降動作によって容器本体2内の内容物を吸い込み管16、シリンダ部材15及び作動部材17を通して吐出可能な吐出器3と、を有し、上側部分10に対する下側部分11の回動により、案内部8が吸い込み管16に対して回動することで吸い込み管16を押し上げ、その結果、吸い込み管16が仕切り壁9から分離することで、容器本体2の内部空間Sが仕切り壁9によって仕切られた状態を解消可能である、混合吐出容器1である限り変更可能である。
【0049】
例えば、混合吐出容器1は、破断予定部20を有する構成に限らず、例えば、吸い込み管16のフランジ状外周部16cが仕切り壁9の内周縁部に接した状態から、上側部分10に対する下側部分11の回動により、吸い込み管16が仕切り壁9から分離する構成としてもよい。
【0050】
混合吐出容器1は、シリンダ部材15に対する吸い込み管16の上昇によって吸い込み口16fが開放される構成に限らず、シリンダ部材15に対する吸い込み管16の上昇前から吸い込み口16fが開放されている構成としてもよい。
【0051】
縦リブ16eと突出部8aの数は4つに限らず、適宜設定できる。縦リブ16eは段差状縮径部16bから下方に延びる構成に限らず、縦リブ16eの上端の位置は適宜設定できる。縦リブ16eの上下方向等の長さは適宜設定できる。縦リブ16e状以外の凸状などの部分を吸い込み管16に設けて当該部分を傾斜面8bで押し上げる構成としてもよい。吸い込み管16を押し上げるための傾斜面8bを案内部8に設ける代わりに吸い込み管16に設ける構成としてもよい。
【0052】
案内部8(複数の突出部8a)の形状を周方向に反転させた形状に設定し、使用開始時に下側部分11が上側部分10に対して反対方向(底面視で反時計回り方向)へ回動される構成としてもよい。二重筒部材21、上容器部材12、下容器部材13、シリンダ部材15はそれぞれ、一体成形物に限らず、複数の部材を組み付けて構成してもよい。
【0053】
なお、前述した実施形態の混合吐出容器1は、上記構成において、仕切り壁9を吸い込み管16に連ね、上側部分10に対する下側部分11の回動により破断可能な破断予定部20を有する、混合吐出容器1であるのが好ましい。
【0054】
前述した実施形態の混合吐出容器1は、上記構成において、吸い込み管16が、シリンダ部材15に対する吸い込み管16の上昇によって開放される吸い込み口16fを有する、混合吐出容器1であるのが好ましい。
【0055】
前述した実施形態の混合吐出容器1は、上記構成において、吸い込み管16が管体16dと管体16dの外周面に設けられ上下方向に延びる縦リブ16eを有し、案内部8が、上側部分10に対する下側部分11の回動により縦リブ16eの下端部を上方へ案内可能な傾斜面8bを有する、混合吐出容器1であるのが好ましい。
【符号の説明】
【0056】
1 混合吐出容器
2 容器本体
3 吐出器
4 キャップ
4a 周壁部
4b 頂壁部
5 口部
5a 内周筒
5b 外周筒
5c フランジ壁
6 胴部
6a 内周上端壁
6b 外周上端壁
6c 環状段部
6d 上外周壁
6e 上段差面
6f 下外周壁
6g 下段差面
6h 筒体部
6i 上筒部
6j 下筒部
7 底部
7a 底壁
7b ヒール部
8 案内部
8a 突出部
8b 傾斜面
9 仕切り壁
10 容器上側部分(上側部分)
11 容器下側部分(下側部分)
12 上容器部材
13 下容器部材
14 外筒部材
15 シリンダ部材
15a シリンダ筒
15b シリンダ底壁部
15c 下部筒
16 吸い込み管
16a 摺動筒
16b 段差状縮径部
16c フランジ状外周部
16d 管体
16e 縦リブ
16f 吸い込み口
17 作動部材
17a 押し下げヘッド
17b ピストンガイド
17c ピストン
18 付勢部材
19 弾性弁部材
20 破断予定部
21 二重筒部材
22 シール凹部
23 ポンプ室
24 下流側逆流抑制部
25 上流側逆流抑制部
O 中心軸線
S 内部空間
S1 上側空間
S2 下側空間
図1
図2
図3
図4
図5