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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012605
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】捨石投入装置
(51)【国際特許分類】
   E02D 15/10 20060101AFI20230119BHJP
   E02F 5/00 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
E02D15/10
E02F5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116118
(22)【出願日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000222668
【氏名又は名称】東洋建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】395023875
【氏名又は名称】ミノツ鉄工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 克昌
(72)【発明者】
【氏名】西川 泰樹
(72)【発明者】
【氏名】大出 高史
(72)【発明者】
【氏名】久富 真悟
(72)【発明者】
【氏名】瀬頭 孝太
(72)【発明者】
【氏名】桃田 正吾
【テーマコード(参考)】
2D045
【Fターム(参考)】
2D045BA02
2D045CA22
(57)【要約】
【課題】施工を能率化することが可能な捨石投入装置を提供する。
【解決手段】可動板11L,11Rが下端位置から上端位置まで移動する過程で、第1室21L,21R、第2室22L,22R、及び第3室23L,23Rが順次開口し、これにより、第1室21L,21R、第2室22L,22R、及び第3室23L,23Rに収容された捨石10が、海底60のケーブル61上に順次投入されるので、1サイクル(捨石投入装置1の海底60への引き下げ開始から、捨石10の投入を経て、捨石投入装置1の海底60からの引き上げ完了まで)で、捨石10の投入を3回行うことが可能であり、捨石被覆工法の施工能率を向上させることが可能であり、工期を大幅に短縮することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底に敷設されたケーブル上に捨石を投入する捨石投入装置であって、
捨石が投入される箱形のバケットと、
前記バケット内に設けられ、該バケット内を横方向に区画する可動板と、
前記バケット内に設けられ、前記可動板により区画された空間を横並びの隣接する室に区画する固定板と、
前記可動板を上下方向へ駆動する駆動装置と、を備え、
各室の下端部は、前記可動板により閉塞され、
前記駆動機構により前記可動板を下端位置から上端位置まで上昇させる過程で、各室の下端部が順次開放されることを特徴とする捨石投入装置。
【請求項2】
各室の下端部には、前記可動板まで延びる下り勾配の傾斜板が設けられることを特徴とする請求項1に記載の捨石投入装置。
【請求項3】
前記バケットには、各室に収容される捨石の容量を同一に調整する容量調整板が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の捨石投入装置。
【請求項4】
施工状況を監視する監視手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の捨石投入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、海底に敷設されたケーブル上に防護用の捨石を投入する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、クレーン船のクレーンを操作して海底に据え付けたシュート架台から海面に標識を突出させ、該標識を案内に、投石バケット船の揺動アーム及びバケットを操作して捨石を投入する水中捨石投入装置が開示されている。この水中捨石投入装置は、防波堤や護岸の基礎となる捨石マウンドの造成に適用される。
【0003】
ところで、海底に敷設された海底送電線及び通信ケーブル(以下「ケーブル」と称する)の防護工法として、ケーブル上に防護用の捨石を設置する捨石被覆工法が知られている。この捨石被覆工法は、海底への埋設が困難な岩礁地帯や大深度にケーブルを埋設する場合に適用される。以下、水深70m、潮流の流速7knの海域への捨石被覆工法の適用を想定して説明する。
【0004】
従来、捨石被覆工法として、グラブ浚渫船やクレーン船等の作業船から、捨石(砕石)を掴んだグラブバケットを海底まで下降させ、ケーブル上でバケットを開放させる施工法がある。この施工法では、1サイクル(グラブバケットの海底への引き下げ開始から、捨石投入を経て、グラブバケットの引き上げ完了まで)でケーブル上に投入される捨石の量が少ないため、施工能率が低く、工期が長期化することが問題であった。
【0005】
一方、トレミー管を用いた捨石被覆工法では、潮流の影響によりトレミー管をケーブル上に正確に位置決めするのが困難であり、施工の精度が課題となる。また、海底まで延伸させたトレミー管は、揺動による破損の虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6-49846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、施工を能率化することが可能な捨石投入装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の捨石投入装置は、海底に敷設されたケーブル上に捨石を投入する捨石投入装置であって、捨石が投入される箱形のバケットと、前記バケット内に設けられ、該バケット内を横方向に区画する可動板と、前記バケット内に設けられ、前記可動板により区画された空間を横並びの隣接する室に区画する固定板と、前記可動板を上下方向へ駆動する駆動装置と、を備え、各室の下端部は、前記可動板により閉塞され、前記駆動機構により前記可動板を下端位置から上端位置まで上昇させる過程で、各室の下端部が順次開放されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、捨石被覆工法を適用した施工を能率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る捨石投入装置の正面図である。
図2】本実施形態に係る捨石投入装置の右側面図である。
図3】本実施形態に係る捨石投入装置の平面図である。
図4】本実施形態の説明図であって、バケットの構造を概念的に示す正面図である。
図5】本実施形態の説明図であって、バケットの構造を概念的に示す斜視図である。
図6】本実施形態に係る捨石投入装置による施工の概念図である。
図7】本実施形態に係る捨石投入装置を適用した施工の説明図である。
図8】捨石被覆工法を適用した施工状況及び艤装を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態を添付した図を参照して説明する。
以下、海底60に敷設されたケーブル61(海底送電線、通信ケーブル等、図7参照)上に捨石10(砕石)を設置する捨石被覆工法に適用される捨石投入装置1を説明する。ここで、図3における平面V1は、後述するバケット2内を左右対称に分割する対称面(以下「垂直面V1」と称する)である。また、図3における平面V2は、バケット2内を前後対称に分割する対称面(以下「垂直面V2」と称する)である。
【0012】
図1乃至図3に示されるように、捨石投入装置1は、バックホウ等により投入される捨石10(図7参照)が収容される箱形のバケット2を有する。バケット2は、アングル材、パイプ材、及びフラットバー等の鋼材により構成されたフレーム3(枠構造)を有する。バケット2の底部9の四隅には、バケット2を接地面(船舶55の甲板、海底60等)から一定高さ浮かせた状態で支持する脚部19が設けられる。なお、バケット2の四方の側壁、即ち、前側壁4、後側壁5、左側壁6、及び右側壁7には、フレーム3の隙間から捨石がバケット2外へ流出することを抑止し、且つ外部から捨石10を視認可能なエキスパンドメタルが適用される。
【0013】
バケット2内には、左右方向へ間隔をあけて対向する一対の可動板11L,11Rが設けられる。可動板11L,11Rは、垂直面V1(図3参照)を対称面として面対称をなす。また、可動板11L,11Rと垂直面V1とは平行をなす。可動板11L,11Rは、左右両側の縦に延びる端縁部が、バケット2の前側壁4及び後側壁5に設けられた複数対のガイドローラ30により案内されて上下方向へ移動可能である。
【0014】
可動板11L,11Rの上端部12L,12Rには、前後に突出する突出部13L,13Rが設けられる。可動板11L,11Rは、各々の突出部13L,13Rがバケット2の上端側の開口周縁部8に係止される(引っ掛けられる)ことで、フレーム3により吊持される(吊り下げられる)。なお、可動板11L,11R間の、対向する突出部13L,13R間には、フラットバー14,14が架設される。即ち、可動板11L,11Rの上端部12L,12Rは、左右方向へ延びる前後一対のフラットバー14,14により連結される。
【0015】
可動板11L,11Rの上端部12L,12Rの前後方向中央には、ブラケット15L,15Rが設けられる。ブラケット15L,15Rには、前後方向へ延びる軸部材16L,16Rを介してソケット17L,17Rの下端部が接続される。即ち、ソケット17L,17Rは、軸部材16L,16Rを中心に回動可能である。ソケット17L,17Rの上部には、ワイヤロープ18L,18Rの一端側が接続される。そして、ワイヤロープ18L,18Rの他端側を船舶55上のクレーン56(図8参照)に設けられた楊重装置(駆動装置、図示省略)により巻き取ることで、可動板11L,11Rが引き上げられる。
【0016】
図1乃至図5を参照すると、可動板11Lとバケット2の左側壁6との間には、可動板11Lと左側壁6との間の空間を、外側(左側)の第1室21と内側(右側)の第2室22とに区画する隔壁25L(固定板)が設けられる。隔壁25Lは、可動板11L及びバケット2の左側壁6に対して平行に配置される垂直板26Lと、垂直板26Lの下端縁から可動板11Lまで延びて45度の斜度で傾斜する傾斜板27Lと、を有する。これにより、バケット2内に、可動板11L、隔壁25L、前側壁4、及び後側壁5により、第2室22Lが画定される。なお、傾斜板27Lの斜度(傾斜角度)は45度に限定されない。
【0017】
バケット2内には、隔壁25Lの下方に設置され、傾斜板27Lに対して平行をなす傾斜板29Lが設けられる。即ち、傾斜板29Lは、45度の斜度で傾斜する。傾斜板29Lは、バケット2の左側壁6から可動板11Lの下端まで延びる。これにより、バケット2内に、左側壁6、隔壁25L、傾斜板29L、前側壁4、及び後側壁5により、第1室21Lが画定される。
【0018】
一方、可動板11L,11R間には、垂直面V1上に配置、即ち、可動板11L,11Rに対して平行をなす中央隔壁31(固定板)が設けられる。中央隔壁31は、バケット2の上端(開口周縁部8)からバケット2の高さの中間位置まで延びる。中央隔壁31は、垂直板32と、垂直板32の下端縁から可動板11Lまで延びて45度の斜度で傾斜する傾斜板33Lと、を有する。これにより、バケット2内に、可動板11L、中央隔壁31、前側壁4、及び後側壁5により、第3室23Lが画定される。なお、中央隔壁31は、垂直板32の下端縁から可動板11Rまで延びて45度の斜度で傾斜する傾斜板33Rを有する。即ち、中央隔壁31は、垂直面V2による断面が逆Y形に形成される。
【0019】
ここで、傾斜板29Lの下端縁から隔壁25Lの傾斜板27Lの下端縁までの距離、即ち、第1室21Lの捨石放出口35L(下端部)の開口高さH1(図4参照)は、隔壁25Lの傾斜板27Lの下端縁から中央隔壁31の傾斜板33Lの下端縁までの距離、即ち、第2室22Lの捨石放出口36L(下端部)の開口高さH2(図4参照)と同一(H1=H2)に設定される。さらに、第1室21Lの幅W1、第2室22Lの幅W2、及び第3室23Lの幅W3(共に図4参照)も略同一に設定される。
【0020】
第1室21Lには、第1室21Lの容量を第3室23Lの容量に合わせるための第1投入量調整手段41Lが設けられる。第1投入量調整手段41Lは、垂直面V2(図3参照)を対称面として面対称をなすように配置された一対の隔壁42,42を有する。前側の隔壁42は、バケット2の前側壁4の上端近傍から垂直面V2に向かって45度の下り傾斜で傾斜する傾斜板43と、傾斜板43の下端縁から傾斜板29Lまで延びる垂直板44と、を有する。なお、説明の重複を避けるため、後側の隔壁42の説明は省略する。
【0021】
一方、第2室22Lには、第2室22Lの容量を第1室21L及び第3室23Lの容量に合わせるための第2投入量調整手段45Lが設けられる。第2投入量調整手段45Lは、垂直面V2(図3参照)を対称面として面対称をなすように配置された一対の隔壁46,46を有する。前側の隔壁46は、バケット2の前側壁4の上端近傍から垂直面V2に向かって45度の下り傾斜で傾斜する傾斜板47と、傾斜板47の下端縁から隔壁25Lの傾斜板27Lまで延びる垂直板48と、を有する。なお、説明の重複を避けるため、後側の隔壁46の説明は省略する。
【0022】
なお、バケット2は、垂直面V1を対称面として左右対称に構成されている。よって、バケット2における垂直面V1の右側の構成については、図面に対応する符号を付与するのみとし、重複する説明を省略する。
【0023】
図6を参照すると、捨石投入装置1のフレーム3には、トランスポンダ51、海底60を照らす4台の水中ライト52(図6に3台のみ表示)、及び2台の水中カメラ53(図6に1台のみ表示)が設けられる。トランスポンダ51は、捨石投入装置1の位置、進路、及び速度等の情報を、船舶55(図8参照)上に設置された受信装置(図示省略)へ提供(信号を発信)する。また、水中カメラ53の撮像信号は、船舶上に設置されたモニタ(図示省略)へ画像として出力される。
【0024】
なお、フレーム3には、複数本(図6に2本のみ表示)のワイヤロープ20の一端側が接続される。ワイヤロープ20の他端側を船舶55上のクレーン56(図8参照)に設けられた楊重装置(駆動装置、図示省略)により繰り出すことで捨石投入装置1が引き下げられ、他方、ワイヤロープ20の他端側を楊重装置により巻き取ることで捨石投入装置1が引き上げられる。
【0025】
次に、前述した捨石投入装置1により、海底60に敷設されたケーブル61(図7参照)上に捨石10(砕石)を投入するときの施工手順を説明する。
なお、図8に示されるように、現場海域で施工を行う船舶55には、クレーン56が搭載されている。また、船舶55には、必要量(例えば2日分)の捨石10、ホイールローダ57、及びバックホウ58が舶載されている。
【0026】
まず、バックホウ58により、船舶55の甲板上に載置された捨石投入装置1のバケット2の各室、即ち、第1室21L,21R、第2室22L,22R、及び第3室23L,23Rに捨石10を投入する。次に、クレーン56により捨石投入装置1を吊り上げ、クレーン56に搭載された楊重装置(図示省略)によりワイヤロープ20を繰り出して捨石投入装置1を海底60へ沈める。そして、トランスポンダ51、水中カメラ53、ROV59(Remote Operated Vehicle)等の監視手段を用いて、捨石投入装置1を海底60のケーブル61上の第1位置(図7参照)に位置決めさせる。なお、捨石投入装置1の脚部19を海底60に接地させないで、浮かせた状態でもよい。
【0027】
次に、水中カメラ53、ROV59等の監視手段により状況を確認しながら、クレーン56に搭載された楊重装置によりワイヤロープ18L,18Rを巻き取って可動板11L,11Rを一定高さまで引き上げ、バケット2の第1室21L,21Rの捨石放出口35L,35R(下端部)を開放させる。これにより、図7に示されるように、第1室21L,21R内の捨石10が捨石放出口35L,35Rからケーブル61上へ投入される。投入完了後、楊重装置によりワイヤロープ18L,18Rを繰り出して可動板11L,11Rを下端位置まで引き下げる。
【0028】
次に、水中カメラ53、ROV59等の監視手段により状況を確認しながら、クレーン56を操作して捨石投入装置1を第2位置(図7参照)に位置決めさせる。ここで、第2位置に位置決めされた捨石投入装置1は、第1位置に位置決めされた捨石投入装置1に対して一定長さ(例えば0.5m)だけ重なるように位置決めされる。
【0029】
次に、水中カメラ53、ROV59等の監視手段により状況を確認しながら、クレーン56に搭載された楊重装置によりワイヤロープ18L,18Rを巻き取って可動板11L,11Rを一定高さまで引き上げ、バケット2の第2室22L,22Rの捨石放出口36L,36R(下端部)を開放させる。これにより、図7に示されるように、第2室22L,22R内の捨石10が捨石放出口36L,36Rからケーブル61上へ投入される。投入完了後、楊重装置によりワイヤロープ18L,18Rを繰り出して可動板11L,11Rを下端位置まで引き下げる。
【0030】
次に、水中カメラ53、ROV59等の監視手段により状況を確認しながら、クレーン56を操作して捨石投入装置1を第3位置(図7参照)に位置決めさせる。ここで、第3位置に位置決めされた捨石投入装置1は、第2位置に位置決めされた捨石投入装置1に対して一定長さ(例えば0.5m)だけ重なるように位置決めされる。
【0031】
次に、水中カメラ53、ROV59等の監視手段により状況を確認しながら、クレーン56に搭載された楊重装置によりワイヤロープ18L,18Rを巻き取って可動板11L,11Rを上端位置まで引き上げる。これにより、バケット2の第3室23L,23Rの下端部は、第1室21L,21Rの捨石放出口35L,35Rの開口高さH1及び第2室22L,22Rの捨石放出口36L,36Rの開口高さH2(本実施形態では「H1=H2」)と同じ高さ、即ち、傾斜板33L,33Rの下端縁からH1(H2)の高さだけ開口する。これにより、第3室23L,23R内の捨石10は、第2室22L,22Rを経由して、第2室22L,22Rの捨石放出口36L,36Rから、図7に示されるように、ケーブル61上へ投入される。
【0032】
投入完了後、楊重装置によりワイヤロープ18L,18Rを繰り出して可動板11L,11Rを下端位置まで下降させ、さらに、クレーン56に搭載された楊重装置によりワイヤロープ20を巻き取って捨石投入装置1を海底60から引き上げる。海底60から引き上げられた捨石投入装置1は、クレーン56により船舶55の甲板上に載置され、バックホウ58により、バケット2の各室、即ち、第1室21L,21R、第2室22L,22R、及び第3室23L,23Rに捨石10が投入される。
【0033】
ここで、従来のグラブバケットを用いた捨石被覆工法では、1サイクル(グラブバケットの海底への引き下げ開始から、捨石投入を経て、グラブバケットの引き上げ完了まで)で投入可能な捨石の量が少ないため、施工能率が低く、工期が長期化することが問題であった。
【0034】
これに対し、本実施形態では、捨石10を収容する箱形のバケット2と、バケット2内を左右方向に区画する一対の可動板11L,11Rと、バケット2の左側壁6と可動板11Lとの間を左右方向に隣接する第1室21Lと第2室22Lとに区画する隔壁25Lと、バケット2の右側壁7と可動板11Rとの間を左右方向に隣接する第1室21Rと第2室22Rとに区画する隔壁25Rと、対向する可動板11L,11R間を左右方向に隣接する第3室23Lと第3室23Rとに区画する中央隔壁31と、を備え、可動板11L,11Rが下端位置から上端位置まで移動する過程で、第1室21L,21R、第2室22L,22R、及び第3室23L,23Rの下端部が順次開口し、これにより、第1室21L,21R、第2室22L,22R、及び第3室23L,23Rに収容された捨石10が、海底60のケーブル61上に順次投入されるように捨石投入装置1を構成した。
これにより、本実施形態では、第1室21L,21R内の捨石10の投入完了後、及び第2室22L,22R内の捨石10の投入完了後、捨石投入装置1を海底60のケーブル61に沿って移動させることで、1サイクル(捨石投入装置1の海底60への引き下げ開始から、捨石10の投入を経て、捨石投入装置1の海底60からの引き上げ完了まで)で、捨石10の投入を3回行うことができる。換言すれば、1サイクルで投入可能な捨石10の量を従来の3倍に引き上げることができる。その結果、捨石被覆工法の施工能率を向上させることが可能であり、工期を大幅に短縮することができる。
また、従来のトレミー管を用いた捨石被覆工法では、潮流の影響によりトレミー管をケーブル上に正確に位置決めするのが困難であり、施工の精度が課題であった。
これに対し、本実施形態では、水中カメラ53、ROV59等の監視手段により、状況を確認しながら捨石投入装置1の位置決めを行うので、施工の精度を高めることができる。
さらに、本実施形態では、可動板11L,11Rを開閉させる操作は、従来のグラブバケットを開閉させる操作と略同一であるので、オペレータへの負担が増大することを防止することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 捨石投入装置、2 バケット、11L,11R 可動板、21L,21R 第1室、22L,22R 第2室、23L,23R 第3室、25L,25R 隔壁(固定板)、31 中央隔壁(固定板)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8