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特開2023-126162高電圧インターロック部材、高電圧コネクタハウジングアセンブリ、高電圧コネクタおよびコネクタアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126162
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】高電圧インターロック部材、高電圧コネクタハウジングアセンブリ、高電圧コネクタおよびコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/514 20060101AFI20230831BHJP
   H01R 13/533 20060101ALI20230831BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20230831BHJP
   H01R 13/506 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
H01R13/514
H01R13/533 B
H01R13/64
H01R13/506
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025665
(22)【出願日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】202220414255.2
(32)【優先日】2022-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】521523202
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (スーチョウ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】イォウウェイ ペーター パァン
(72)【発明者】
【氏名】カァイシュアン エヴァン ヂィアン
(72)【発明者】
【氏名】ヂゥアンヂィー ビル ウー
(72)【発明者】
【氏名】イォンチィアン スゥン
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FB07
5E021FB21
5E021FC05
5E021FC21
5E021FC38
5E021JA05
5E021KA08
5E021KA12
5E087EE11
5E087EE17
5E087FF02
5E087FF06
5E087FF12
5E087FF18
5E087GG14
5E087JJ08
5E087MM05
5E087MM09
5E087PP01
5E087QQ03
5E087RR16
5E087RR26
5E087RR29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高電圧インターロック部材を単独で交換することができ、使い勝手がよい高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材、高電圧コネクタハウジングアセンブリ、高電圧コネクタおよび高電圧コネクタアセンブリを提供する。
【解決手段】高電圧インターロック部材は、取り付け溝が形成された絶縁体31と、インターロック部材端子を含み、絶縁体の取り付け溝に取り付けられる検出アセンブリとを含む。絶縁体は、高電圧インターロック部材がハウジングのスロットから引き抜かれるように、高電圧コネクタのハウジングのスロットに取り外し可能に取り付けられる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材であって、
取り付け溝(301)が形成された絶縁体(31)と、
インターロック部材端子(321)を含み、絶縁体(31)の取り付け溝(301)に取り付ける検出アセンブリ(32)と、
前記絶縁体(31)は、前記高電圧インターロック部材(30)が前記ハウジング(10)のスロット(122)から引き抜かれるように、前記高電圧コネクタのハウジング(10)のスロット(122)に取り外し可能に取り付けられるのに適することを特徴とする高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材。
【請求項2】
前記絶縁体(31)は、
前記取り付け溝(301)が形成される本体部(310)と、
前記本体部(310)に接続され、前記ハウジング(10)に接合されるロック位置と、前記ハウジング(10)から分離するアンロック位置との間で移動可能な弾性バックル(311、312)とを含み、
前記弾性バックル(311、312)はアンロック部(311a)を有し、前記高電圧インターロック部材(30)が前記スロット(122)に取り付けられたとき、前記アンロック部(311a)は前記スロット(122)の外部に位置し、これにより、前記アンロック部(311a)を操作することによって前記弾性バックル(311、312)のアンロックを可能にすることを特徴とする請求項1に記載の高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材。
【請求項3】
前記弾性バックル(311、312)は、
前記本体部(310)に接続される弾性ブーム(311)と、
前記弾性ブーム(311)に突出するように形成され、前記ハウジング(10)における突起部(126)に接合するのに適するバックル突起(312)とを含み、
前記高電圧インターロック部材(30)が前記スロット(122)に取り付けられたとき、前記弾性ブーム(311)の自由端は、前記スロット(122)の外部に延出し、前記アンロック部(311a)を構成することを特徴とする請求項2に記載の高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材。
【請求項4】
前記高電圧インターロック部材(30)は、第1方向に沿って前記ハウジング(10)のスロット(122)に挿入するのに適し、
前記バックル突起(312)は、第1方向に垂直な係止面(312a)を有し、前記係止面(312a)は、前記高電圧インターロック部材(30)が前記ハウジング(10)のスロット(122)から引き抜かれることを阻止するために、前記突起部(126)の一側に当接するのに適することを特徴とする請求項3に記載の高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材。
【請求項5】
前記絶縁体(31)は、前記本体部(310)に接続される制限部(313)をさらに含み、前記制限部(313)は、前記第1方向に垂直な制限面(313b)を有し、前記制限面(313b)は、前記突起部(126)の他側に当接するのに適し、前記スロット(122)内への前記高電圧インターロック部材(30)の挿入深さを制限するために用いられることを特徴とする請求項4に記載の高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材。
【請求項6】
前記制限部(313)は、環状であり、前記弾性ブーム(311)の自由端は、環状の制限部(313)を貫通することを特徴とする請求項5に記載の高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材。
【請求項7】
前記高電圧インターロック部材(30)が前記スロット(122)に取り付けられたとき、前記ハウジング(10)における突起部(126)は前記バックル突起(312)の係止面(312a)と前記制限部(313)の制限面(313b)との間に挟持されることを特徴とする請求項5に記載の高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材。
【請求項8】
前記検出アセンブリ(32)は、
一端が前記インターロック部材端子(321)に電気的に接続され、他端が検出回路に電気的に接続されるために用いられるケーブル(320)と、
前記インターロック部材端子(321)に嵌着され、前記インターロック部材端子(321)を前記取り付け溝(301)にロックするためのロック部材(322)とをさらに含み、
前記ロック部材(322)には、前記取り付け溝(301)の内壁にロックされるのに適するロックドーム(322a)が形成されることを特徴とする請求項1に記載の高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材。
【請求項9】
前記絶縁体(31)は前記本体部(310)に接続される把持部(314)をさらに含み、前記高電圧インターロック部材(30)が前記スロット(122)に取り付けられたとき、人の指による前記弾性バックル(311、312)のアンロックを可能にするように、前記把持部(314)は前記スロット(122)の外部に位置し、かつ前記アンロック部(311a)と対向し、
人の指で前記弾性バックル(311、312)をアンロックするとき、一方の指が前記把持部(314)に把持され、他方の指が前記把持部(314)に向かって前記アンロック部(311a)を押圧することを特徴とする請求項2~8のいずれか一項に記載の高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材。
【請求項10】
前記アンロック部(311a)は、前記インターロック部材端子の引き抜き方向に沿って延び、前記本体部(310)から突出して設けられることを特徴とする請求項2~8のいずれか一項に記載の高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材。
【請求項11】
高電圧コネクタハウジングアセンブリであって、
スロット(122)が形成されたハウジング(10)と、
第1方向に沿って前記ハウジング(10)のスロット(122)に挿着される、請求項1~10のいずれか一項に記載の、高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材(30)とを含み、
前記ハウジング(10)のスロット(122)の内壁面には突起部(126)が形成され、前記突起部(126)は、前記高電圧インターロック部材(30)を前記スロット(122)内にロックするために前記高電圧インターロック部材(30)の弾性バックル(311、312)に接合されることを特徴とする高電圧コネクタハウジングアセンブリ。
【請求項12】
前記突起部(126)は、前記第1方向に垂直であり、かつ前記第1方向において対向する第1接合面(126a)および第2接合面(126b)を有し、
前記弾性バックル(311、312)のバックル突起(312)における係止面(312a)は、前記突起部(126)の第1接合面(126a)に当接し、前記高電圧インターロック部材(30)の制限部(313)における制限面(313b)は、前記突起部(126)の第2接合面(126b)に当接することを特徴とする請求項11に記載の高電圧コネクタハウジングアセンブリ。
【請求項13】
前記ハウジング(10)は、
キャビティを囲む外周壁(11)と、
前記キャビティ内に位置しかつ前記外周壁(11)に接続される保持体(12)とを含み、
前記スロット(122)は、前記保持体(12)に形成されることを特徴とする請求項11に記載の高電圧コネクタハウジングアセンブリ。
【請求項14】
前記保持体(12)には、高電圧コネクタの高電圧端子(20)を挿着するための端子スロット(121)がさらに形成され、
前記保持体(12)は、前記端子スロット(121)に設置される保持トング(123)を有し、前記保持トング(123)は、前記端子スロット(121)に挿入される高電圧コネクタの高電圧端子(20)を保持するために用いられ、
前記保持体(12)は、前記スロット(122)と前記端子スロット(121)とを仕切る隔壁(125)をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の高電圧コネクタハウジングアセンブリ。
【請求項15】
前記スロット(122)は、下部開口および上部開口を含み、前記高電圧インターロック部材(30)は、前記スロット(122)の下部開口から前記スロット(122)に挿入され、適合高電圧インターロック部材は、前記スロット(122)の上部開口から前記スロット(122)に挿入されることを特徴とする請求項11に記載の高電圧コネクタハウジングアセンブリ。
【請求項16】
高電圧コネクタであって、
請求項11~15のいずれか一項に記載の高電圧コネクタハウジングアセンブリと、
前記ハウジング(10)の端子スロット(121)に挿着される高電圧端子(20)とを含むことを特徴とする高電圧コネクタ。
【請求項17】
コネクタアセンブリであって、
請求項16に記載の高電圧コネクタと、
前記高電圧コネクタに適合するのに適する適合高電圧コネクタとを含み、
前記適合高電圧コネクタは、
前記高電圧コネクタの高電圧端子(20)に電気的に接続されるために用いられる適合高電圧端子と、
前記高電圧コネクタの高電圧インターロック部材(30)に電気的に接続される適合高電圧インターロック部材とを含み、
前記コネクタアセンブリは、
前記高電圧コネクタと前記適合高電圧コネクタとを適合する過程において、前記高電圧インターロック部材(30)と前記適合高電圧インターロック部材は前記高電圧端子(20)と前記適合高電圧端子とが電気的に接続された後に電気的に接続され、
前記高電圧コネクタと前記適合高電圧コネクタとを分離する過程において、前記高電圧インターロック部材(30)と前記適合高電圧インターロック部材は、前記高電圧端子(20)と前記適合高電圧端子とが分離される前に分離されるように設けられることを特徴とするコネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材、該高電圧インターロック部材を含む高電圧コネクタハウジングアセンブリ、該高電圧コネクタハウジングアセンブリを含む高電圧コネクタ、および該高電圧コネクタを含む高電圧コネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、高電圧コネクタと適合高電圧コネクタとの適合および分離過程にアークが発生することを防止するために、高電圧コネクタおよび適合高電圧コネクタにそれぞれ高電圧インターロック部材および適合高電圧インターロック部材を設ける必要がある。
【0003】
しかしながら、従来技術では、高電圧インターロック部材または適合高電圧インターロック部材は、いずれも高電圧コネクタまたは適合高電圧コネクタのハウジングに永久的に固定され、ハウジングから引き抜くことができない。したがって、高電圧インターロック部材または適合高電圧インターロック部材が損傷すると、ハウジング全体を交換しなければならず、使用が不便であり、かつ無駄となり、コストが高くなる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、従来技術における上記の問題と欠陥の少なくとも1つを解決することである。
【0005】
本発明の一態様によれば、高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材であって、取り付け溝が形成された絶縁体と、インターロック部材端子を含み、かつ絶縁体の取り付け溝内に取り付けられる検出アセンブリとを含み、前記絶縁体は、前記高電圧インターロック部材が前記ハウジングのスロットから引き抜かれるように、前記高電圧コネクタのハウジングのスロットに取り外し可能に取り付けられるのに適する高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材を提供する。
【0006】
本発明の1つの例示的な実施例によれば、前記絶縁体は、前記取り付け溝が形成される本体部と、前記本体部に接続され、前記ハウジングに接合するロック位置と、前記ハウジングから分離するアンロック位置との間で移動可能な弾性バックルと、を含み、前記弾性バックルは、アンロック部を有し、前記高電圧インターロック部材が前記スロットに取り付けられたとき、前記アンロック部は前記スロットの外部に位置し、これにより、前記アンロック部を操作することによって前記弾性バックルのアンロックを可能にする。
【0007】
本発明の別の例示的な実施例によれば、前記弾性バックルは、前記本体部に接続される弾性ブームと、前記弾性ブームに突出するように形成され、前記ハウジングにおける突起部に接合するのに適するバックル突起とを含む。前記高電圧インターロック部材が前記スロットに取り付けられたとき、前記弾性ブームの自由端は、前記スロットの外部に延出し、前記アンロック部を構成する。
【0008】
本発明の別の例示的な実施例によれば、前記高電圧インターロック部材は、第1方向に沿って前記ハウジングのスロットに挿入するのに適し、前記バックル突起は、第1方向に垂直な係止面を有し、前記係止面は、前記高電圧インターロック部材が前記ハウジングのスロットから引き抜かれることを阻止するために、前記突起部の一側に当接するのに適する。
【0009】
本発明の別の例示的な実施例によれば、前記絶縁体は、前記本体部に接続される制限部をさらに含み、前記制限部は、前記第1方向に垂直な制限面を有し、前記制限面は、前記突起部の他側に当接するのに適し、前記スロット内への前記高電圧インターロック部材の挿入深さを制限するために用いられる。
【0010】
本発明の別の例示的実施形態によれば、前記制限部は、環状であり、前記弾性ブームの自由端は、環状の制限部を貫通する。
【0011】
本発明のさらに別の例示的な実施例によれば、前記高電圧インターロック部材が前記スロットに取り付けられたとき、前記ハウジングにおける突起部は前記バックル突起の係止面と前記制限部の制限面との間に挟持される。
【0012】
本発明の別の例示的な実施例によれば、前記検出アセンブリは、一端が前記インターロック部材端子に電気的に接続され、他端が検出回路に電気的に接続されるために用いられるケーブルと、前記インターロック部材端子に嵌着され、前記インターロック部材端子を前記取り付け溝にロックするためのロック部材とをさらに含み、前記ロック部材には、前記取り付け溝の内壁にロックされるのに適するロックドームが形成される。
【0013】
本発明の別の例示的な実施例によれば、前記絶縁体は前記本体部に接続される把持部をさらに含み、前記高電圧インターロック部材が前記スロットに取り付けられたとき、人の指による前記弾性バックルのアンロックを可能にするように、前記把持部は前記スロットの外部に位置し、かつ前記アンロック部と対向し、人の指で前記弾性バックルをアンロックするとき、一方の指が前記把持部に把持され、他方の指が前記把持部に向かって前記アンロック部を押圧する。
【0014】
本発明の別の例示的な実施例によれば、前記アンロック部は、前記インターロック部材端子の引き抜き方向に沿って延び、前記本体部から突出して設けられる。
【0015】
本発明の別の態様によれば、高電圧コネクタハウジングアセンブリであって、スロットが形成されたハウジングと、第1方向に沿って前記ハウジングのスロットに挿入される以上に記載の高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材とを含み、前記ハウジングのスロットの内壁面には突起部が形成され、前記突起部は、前記高電圧インターロック部材をスロット内にロックするために前記高電圧インターロック部材の弾性バックルに接合される高電圧コネクタハウジングアセンブリを提供する。
【0016】
本発明の1つの例示的な実施例によれば、前記突起部は、前記第1方向に垂直であり、かつ前記第1方向において対向する第1接合面および第2接合面を有し、前記弾性バックルのバックル突起における係止面は、前記突起部の第1接合面に当接し、前記高電圧インターロック部材の制限部における制限面は、前記突起部の第2接合面に当接する。
【0017】
本発明の別の例示的な実施例によれば、前記ハウジングは、キャビティを囲む外周壁と、前記キャビティ内に位置しかつ前記外周壁に接続される保持体とを含み、前記スロットは、前記保持体に形成される。
【0018】
本発明の別の例示的な実施例によれば、前記保持体には、高電圧コネクタの高電圧端子を挿着するための端子スロットがさらに形成され、前記保持体は、前記端子スロットに設置される保持トングを有し、前記保持トングは、前記端子スロットに挿入される高電圧コネクタの高電圧端子を保持するために用いられ、前記保持体は、前記スロットと前記端子スロットとを仕切る隔壁をさらに含む。
【0019】
本発明の別の例示的な実施例によれば、前記スロットは、下部開口および上部開口を含み、前記高電圧インターロック部材は、前記スロットの下部開口から前記スロットに挿入され、適合高電圧インターロック部材は、前記スロットの上部開口から前記スロットに挿入される。
【0020】
本発明の別の態様によれば、前記高電圧コネクタハウジングアセンブリと、前記ハウジングの端子スロットに挿着される高電圧端子とを含む高電圧コネクタを提供する。
【0021】
本発明の別の態様によれば、前記高電圧コネクタと、前記高電圧コネクタに適合するのに適する適合高電圧コネクタとを含むコネクタアセンブリを提供する。前記適合高電圧コネクタは、前記高電圧コネクタの高電圧端子に電気的に接続されるために用いられる適合高電圧端子と、前記高電圧コネクタの高電圧インターロック部材に電気的に接続される適合高電圧インターロック部材とを含む。前記コネクタアセンブリは、前記高電圧コネクタと前記適合高電圧コネクタとを適合する過程において、前記高電圧インターロック部材と前記適合高電圧インターロック部材は前記高電圧端子と前記適合高電圧端子とが電気的に接続された後に電気的に接続され、前記高電圧コネクタと前記適合高電圧コネクタとを分離する過程において、前記高電圧インターロック部材と前記適合高電圧インターロック部材は、前記高電圧端子と前記適合高電圧端子とが分離される前に分離されるように設けられる。
【0022】
また、本発明の上記各例示的な実施例によれば、高電圧インターロック部材を高電圧コネクタのハウジングに取り外し可能に取り付けるので、高電圧インターロック部材を単独で交換することができ、使い勝手がよい。
【0023】
図面を参照しながら、本発明の下記説明によって、本発明の他の目的とメリットは明らかになり、本発明を全面的に理解することに寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタを上方から見た概略斜視図である。
図2】本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタを下方から見た概略斜視図である。
図3】本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタを下方から見た概略分解図である。
図4】本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタのハウジングを示す概略斜視図である。
図5】本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタのハウジングおよび高電圧インターロック部材を示す断面図である。
図6】本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタのハウジングを示す断面図である。
図7】本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタのハウジングと高電圧インターロック部材を示す概略分解図である。
図8】本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタの高電圧インターロック部材を示す概略斜視図である。
図9】本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタの高電圧インターロック部材を示す概略分解図である。
図10】本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタの遮蔽筒の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施例を通じて、図面を参照しながら本発明の技術的解決手段についてさらに具体的に説明する。明細書では、同じ又は類似する図面符号は、同じ又は類似する部材を指す。図面を参照した本発明の実施形態の下記説明は、本発明の全体的な発明思想を解釈するためのものであり、本発明を制限するものとして理解すべきではない。
【0026】
なお、以下の詳しい説明では、解釈を容易にするために多くの具体的な細部を記載して本発明の実施例への全面的な理解を提供する。しかしながら、1つ又は複数の実施例は、これらの具体的な細部がなくても実施可能であることが明らかである。場合によって、図面を簡略化するために、公知の構造および装置は図示の形で表される。
【0027】
本発明の総体的な技術思想によれば、高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材を提供し、取り付け溝が形成された絶縁体と、インターロック部材端子を含み、かつ絶縁体の取り付け溝内に取り付けられる検出アセンブリとを含み、前記絶縁体は、前記高電圧インターロック部材が前記ハウジングのスロットから引き抜かれるように、前記高電圧コネクタのハウジングのスロットに取り外し可能に取り付けられるのに適する。
【0028】
本発明のもう1つの総体的な技術思想によれば、高電圧コネクタハウジングアセンブリを提供し、スロットが形成されたハウジングと、第1方向に沿って前記ハウジングのスロットに挿入される以上に記載の高電圧コネクタに用いられる高電圧インターロック部材とを含み、前記ハウジングのスロットの内壁面には突起部が形成され、前記突起部は、高電圧インターロック部材をスロット内にロックするために前記高電圧インターロック部材の弾性バックルに接合される。
【0029】
本発明のもう1つの総体的な技術思想によれば、高電圧コネクタを提供し、前記高電圧コネクタハウジングアセンブリと、前記ハウジングの端子スロットに挿着される高電圧端子とを含む。
【0030】
本発明のもう1つの総体的な技術思想によれば、コネクタアセンブリを提供し、前記高電圧コネクタと、前記高電圧コネクタに適合するのに適する適合高電圧コネクタとを含む。前記適合高電圧コネクタは、前記高電圧コネクタの高電圧端子に電気的に接続されるために用いられる適合高電圧端子と、前記高電圧コネクタの高電圧インターロック部材に電気的に接続される適合高電圧インターロック部材とを含む。前記コネクタアセンブリは、前記高電圧コネクタと前記適合高電圧コネクタとを適合する過程において、前記高電圧インターロック部材と前記適合高電圧インターロック部材は前記高電圧端子と前記適合高電圧端子とが電気的に接続された後に電気的に接続され、前記高電圧コネクタと前記適合高電圧コネクタとを分離する過程において、前記高電圧インターロック部材と前記適合高電圧インターロック部材は、前記高電圧端子と前記適合高電圧端子とが分離される前に分離されるように設けられる。
【0031】
図1は、本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタを上方から見た概略斜視図である。図2は本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタを下方から見た概略斜視図である。図3は本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタを下方から見た概略分解図である。
【0032】
図1図3に示すように、図示の実施例では、該高電圧コネクタは、高電圧コネクタハウジングアセンブリと高電圧端子20とを含む。高電圧コネクタハウジングアセンブリは、ハウジング10および高電圧インターロック部材30を含み、ハウジング10には、スロット122および端子スロット121が形成される。高電圧インターロック部材30は、第1方向に沿ってハウジング10のスロット122内に挿着される。高電圧端子20は、ハウジング10の端子スロット121に挿着される。
【0033】
図4は本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタのハウジング10を示す概略斜視図である。図5は本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタのハウジング10および高電圧インターロック部材30を示す断面図である。図6は本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタのハウジング10を示す断面図である。図7は本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタのハウジング10と高電圧インターロック部材30を示す概略分解図である。図8は本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタの高電圧インターロック部材30を示す概略斜視図である。図9は本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタの高電圧インターロック部材30を示す概略分解図図である。
【0034】
図1図9に示すように、図示の実施例では、高電圧インターロック部材30は、絶縁体31および検出アセンブリ32を含む。絶縁体31には、取り付け溝301が形成される。検出アセンブリ32は、インターロック部材端子321を含み、絶縁体31の取り付け溝301内に取り付けられる。絶縁体31は、高電圧コネクタのハウジング10のスロット122に取り外し可能に取り付けられるのに適する。図示の実施例では、絶縁体31は、高電圧インターロック部材30がハウジング10のスロット122から引き抜かれるように、高電圧コネクタのハウジング10のスロット122に取り外し可能に取り付けられるのに適する。
【0035】
図1図9に示すように、図示の実施例では、絶縁体31は、本体部310と弾性バックル311、312を含む。本体部310の取り付け溝301は本体部310に形成される。弾性バックル311、312は、本体部310に接続され、ハウジング10に接合するロック位置と、ハウジング10から分離するアンロック位置との間で移動可能である。
【0036】
図1図9に示すように、図示の実施例では、弾性バックル311、312は、アンロック部311aを有し、高電圧インターロック部材30がスロット122に取り付けられたとき、アンロック部311aはスロット122の外部に位置し、これにより、アンロック部311aを操作することによって弾性バックル311、312のアンロックを可能にする。
【0037】
図1図9に示すように、図示の実施例では、弾性バックル311、312は、弾性ブーム311およびバックル突起312を含む。弾性ブーム311は、本体部310に取り付けられる。バックル突起312は弾性ブーム311に突出するように形成され、ハウジング10における突起部126に接合される。高電圧インターロック部材30がスロット122に取り付けられたとき、弾性ブーム311の自由端は、スロット122の外部に延出し、アンロック部311aを構成する。
【0038】
図1図9に示すように、図示の実施例では、高電圧インターロック部材30は、ハウジング10のスロット122内に第1方向に沿って挿入されるのに適する。バックル突起312は、第1方向に垂直な係止面312aを有し、係止面312aは、高電圧インターロック部材30がハウジング10のスロット122から引き抜かれることを阻止するために、突起部126の一側に当接するのに適する。
【0039】
図1図9に示すように、図示の実施例では、絶縁体31は、本体部310に接続される制限部313をさらに含み、制限部313は、第1方向に垂直な制限面313bを有し、制限面313bは、突起部126の他側に当接するのに適し、スロット122内への高電圧インターロック部材30の挿入深さを制限するために用いられる。
【0040】
図1図9に示すように、図示の実施例では、制限部313は、環状であり、弾性ブーム311の自由端は、環状の制限部313を貫通する。
【0041】
図1図9に示すように、図示の実施例では、高電圧インターロック部材30がスロット122に取り付けられたとき、ハウジング10における突起部126はバックル突起312の係止面312aと制限部313の制限面313bとの間に挟持される。
【0042】
図1図9に示すように、図示の実施例では、検出アセンブリ32はケーブル320およびロック部材322をさらに含む。ケーブル320は、一端がインターロック部材端子321に電気的に接続され、他端が検出回路(図示せず)に電気的に接続される。ロック部材322は、インターロック部材端子321に嵌着され、インターロック部材端子321を取り付け溝301に係止するために用いられる。図示の実施例では、ロック部材322には、取り付け溝301の内壁にロックされるのに適するロックドーム322aが形成される。
【0043】
図1図9に示すように、図示の実施例では、絶縁体31は、本体部310に接続される把持部314をさらに含み、高電圧インターロック部材30がスロット122に取り付けられたとき、人の指による弾性バックル311、312のアンロックを可能にするように、把持部314はスロット122の外部に位置し、かつアンロック部311aと対向する。人の指で弾性バックル311、312をアンロックするとき、一方の指が把持部314に把持され、他方の指が把持部314に向かってアンロック部311aを押圧する。
【0044】
図1図9に示すように、図示の実施例では、アンロック部311aは、インターロック部材端子321の引き抜き方向に沿って延び、本体部310から突出して設けられる。
【0045】
図1図9に示すように、図示の実施例では、絶縁体31は一体成形品である。例えば、絶縁体31は、一体射出成形品であってもよい。
【0046】
図1図9に示すように、図示の実施例では、高電圧コネクタハウジングアセンブリは、ハウジング10と上記の高電圧インターロック部材30とを含む。ハウジング10には、スロット122が形成される。高電圧インターロック部材30は、第1方向に沿ってハウジング10のスロット122内に挿着される。ハウジング10のスロット122の内壁面には突起部126が形成され、突起部126は、高電圧インターロック部材30をスロット122内にロックするために高電圧インターロック部材30の弾性バックル311、312に接合される。
【0047】
図1図9に示すように、図示の実施例では、突起部126は、第1方向に垂直であり、かつ第1方向において対向する第1接合面126aおよび第2接合面126bを有する。弾性バックル311、312のバックル突起312における係止面312aは、突起部126の第1接合面126aに当接し、高電圧インターロック部材30の制限部313における制限面313bは、突起部126の第2接合面126bに当接する。
【0048】
図1図9に示すように、図示の実施例では、ハウジング10は、外周壁11と保持体1とを含む。外周壁11は、キャビティを囲んでいる。保持体12は、キャビティ内に位置し、かつ周囲壁11に接続される。スロット122は保持体12に形成される。
【0049】
図1図9に示すように、図示の実施例では、保持体12には、高電圧コネクタの高電圧端子20を挿着するための端子スロット121がさらに形成される。保持体12は、端子スロット121に設置される保持トング123を有し、保持トング123は、端子スロット121に挿着される高電圧コネクタの高電圧端子20を保持するために用いられる。保持体12は、スロット122と端子スロット121とを仕切る隔壁125をさらに含む。
【0050】
図1図9に示すように、図示の実施形態では、スロット122は、下部開口および上部開口を含み、高電圧インターロック部材30は、スロット122の下部開口からスロット122に挿入され、適合高電圧インターロック部材は、スロット122の上部開口からスロット122に挿入される。
【0051】
図1図9に示すように、図示の実施例では、ハウジング10は、フランジ部13をさらに含む。フランジ部13は、外周壁11の外面から径方向に延び、取り付けパネル(図示せず)に取り付けるためのものである。フランジ部13の底面には、シールリング50を取り付けるための環状溝132が形成される。フランジ部13には接続孔131が形成され、接続孔131にはブッシュ130が嵌装され、フランジ部13はブッシュ130を貫通する接続部材によって取り付けパネルに接続することができる。
【0052】
図1図9に示すように、図示の実施例では、保持体12は、フランジ部13の底面から突出する位置決め部124をさらに有し、位置決め部124は、取り付けパネルにおける取り付け口に挿着するために用いられる。フランジ部13の底面には、取り付けパネルにおける位置決め孔に挿着するための、断面が十字形である位置決め柱14が形成される。
【0053】
図1図9に示すように、図示の実施例では、ハウジング10は一体成型品である。例えば、ハウジング10は、一体射出成形品であってもよい。
【0054】
図10は本発明の1つの例示的な実施例による高電圧コネクタの遮蔽筒40の概略斜視図である。
【0055】
図1図10に示すように、本発明の1つの例示的な実施例では、高電圧コネクタは遮蔽筒40をさらに含み、遮蔽筒40は、ハウジング10の保持体12の外部に嵌着され、端子スロット121に挿入された高電圧端子20を遮蔽するために用いられる。
【0056】
図1図10に示すように、図示の実施例では、遮蔽筒40は、筒状本体41と接続脚42とを含む。筒状本体41は、保持体12の外部に嵌着される。接続脚42は、筒状本体41の底縁に取り付けられる。遮蔽筒40の接続脚42は、ハウジング10のフランジ部13を貫通してフランジ部13の底面から露出し、取り付けパネルと電気的に接触する。
【0057】
図1図10に示すように、本発明の1つの例示的な実施例では、コネクタアセンブリをさらに開示する。該コネクタアセンブリは、高電圧コネクタと適合高電圧コネクタ(図示せず)とを含む。適合高電圧コネクタは、高電圧コネクタと適合するのに適する。適合高電圧コネクタは、適合高電圧端子と適合高電圧インターロック部材とを含む。適合高電圧端子は、高電圧コネクタの高電圧端子20に電気的に接続するために用いられる。適合高電圧インターロック部材は、高電圧コネクタの高電圧インターロック部材30に電気的に接続するために用いられる。
【0058】
図1図10に示すように、本発明の1つの例示的な実施例では、コネクタアセンブリは、
高電圧コネクタと適合高電圧コネクタとを適合する過程において、高電圧インターロック部材30と適合高電圧インターロック部材は高電圧端子20と適合高電圧端子とが電気的に接続された後に電気的に接続され、且つ、
高電圧コネクタと適合高電圧コネクタとを分離する過程において、高電圧インターロック部材30と適合高電圧インターロック部材は、高電圧端子20と適合高電圧端子とが分離される前に分離されるように設けられる。
【0059】
図1図10に示すように、本発明の1つの例示的な実施例では、高電圧コネクタと適合高電圧コネクタとを適合する過程において、高電圧インターロック部材と適合高電圧インターロック部材とは高電圧コネクタの高電圧端子と適合高電圧コネクタの適合高電圧端子とが電気的に接続された後に、電気的に接続される。検出回路が高電圧インターロック部材と適合高電圧インターロック部材との電気的な接続を検出してからこそ、高電圧電源は高電圧回路に電力を供給し、これにより、高電圧コネクタと適合高電圧コネクタとを適合する過程におけるアークの発生を防止することができる。
【0060】
高電圧コネクタと適合高電圧コネクタとを分離する過程において、高電圧インターロック部材と適合高電圧インターロック部材とは、高電圧コネクタの高電圧端子と適合高電圧コネクタの適合高電圧端子とが分離される前に、すでに分離されている。検出回路が高電圧インターロック部材と適合高電圧インターロック部材との電気分離を検出してからこそ、高電圧電源は高電圧回路への電力供給を停止し、これにより、高電圧コネクタと適合高電圧コネクタとを分離する過程におけるアークの発生を防止することができる。
【0061】
当業者であれば理解できるように、以上に述べられた実施例は全て例示的なものであり、当業者がそれを改良することができ、各種の実施例では述べられた構造は、構造又は原理の面の衝突がない限り、自由に組み合わせることができ、これらの変化は本発明の保護範囲内に含まれることが当然である。
【0062】
図面を参照しながら本発明を説明したが、図面に開示された実施例は、本発明の好ましい実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明を制限するものとして理解してはいけない。
【0063】
本発明の全体的な思想のいくつかの実施例を示して説明したが、当業者に理解されるように、本発明の全体的な思想の原則と精神から逸脱することなく、これらの実施例を変更することができ、本発明の範囲は、請求の範囲およびそれらの同等物によって限定される。
【0064】
用語「含む」は、他の素子又はステップを除外するものではなく、用語「1つ」又は「1つの」は、複数のものを除外するものではないことに留意されたい。なお、特許請求の範囲における如何なる符号も、本発明の範囲を制限するものとして理解すべきではない。
図1
図2
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