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特開2023-126199デジタル-アナログ変換器のバックグラウンド較正
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126199
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】デジタル-アナログ変換器のバックグラウンド較正
(51)【国際特許分類】
   H03M 1/10 20060101AFI20230831BHJP
   H03M 1/80 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
H03M1/10 B
H03M1/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023030239
(22)【出願日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】63/314,614
(32)【優先日】2022-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/171,197
(32)【優先日】2023-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520490417
【氏名又は名称】アナログ ディヴァイスィズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ギル・エンゲル
(72)【発明者】
【氏名】ポール・エス・ウィルキンス
【テーマコード(参考)】
5J022
【Fターム(参考)】
5J022AB04
5J022AB06
5J022AB09
5J022BA01
5J022BA06
5J022CD01
5J022CG01
(57)【要約】
【課題】最小限の処理オーバーヘッドでデジタル-アナログ変換器(DAC)のバックグラウンド較正を可能にする技術を提供する。
【解決手段】単一の周波数ビンを使用して、ビット間のエラーを較正することができる。低周波数フィードバック経路を低周波数低電力ADCに含めて、較正ビンに存在するエラー信号を判定することができる。このエラー信号が最小化されると、ビットが較正される。説明されるバックグラウンド較正技術は、静的及び動的エラー両方のDAC出力で非常に効率的で最適な較正を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力を合計してDACのアナログ出力を生成する、複数のDACセルと、複数の冗長DACセルとを有するDACの非理想性を測定するためのバックグラウンド方法であって、
デジタルデータを前記DACセルに提供して、前記DACの前記アナログ出力で出力スペクトルを生成することと、
第1の周波数ビンで第1の基本エネルギーを有する第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することと、
第1の重み係数によって第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、前記DACセルが前記出力スペクトルを生成する間に、第1の重み付けされた較正刺激を前記冗長DACセルの第1のサブセットに提供して、第1のアナログトーンを生成することと、
第2の重み係数によって前記第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、前記DACセルが前記出力スペクトルを生成する間に、第2の重み付けされた較正刺激を前記冗長DACセルの第2のサブセットに提供して、第2のアナログトーンを生成することであって、前記第2の重み係数は、前記第1のアナログトーン及び前記第2のアナログトーンが反対の極性を有するように選択される、生成することと、
前記DACの前記アナログ出力において、前記第1のアナログトーン及び前記第2のアナログトーンから生じる、前記第1の周波数ビンにおけるエラートーンを検出することと、を含む、バックグラウンド方法。
【請求項2】
前記デジタルデータ又は前記DACセルが、前記DACセルの非理想性を平均化するようにシャッフルされる、請求項1に記載のバックグラウンド方法。
【請求項3】
前記冗長DACセルの前記第1のサブセットが、複数の冗長DACセルを含み、前記冗長DACセルの前記第2のサブセットが、複数の冗長DACセルを含む、請求項1に記載のバックグラウンド方法。
【請求項4】
前記冗長DACセルの前記第1のサブセットが、単一の冗長DACセルを含み、前記冗長DACセルの前記第2のサブセットが、複数の冗長DACセルを含む、請求項1に記載のバックグラウンド方法。
【請求項5】
前記冗長DACセルの前記第1のサブセットが、複数の冗長DACセルを含み、前記冗長DACセルの前記第2のサブセットが、単一の冗長DACセルを含む、請求項1に記載のバックグラウンド方法。
【請求項6】
前記冗長DACセルの前記第1のサブセットが、単一の冗長DACセルを含み、前記冗長DACセルの前記第2のサブセットが、単一の冗長DACセルを含む、請求項1に記載のバックグラウンド方法。
【請求項7】
1つ以上の冗長DACセルが、前記デジタルデータの一部分を受信し、前記DACセルのサブセットが、重み付けされた較正刺激を受けるため1つ以上の冗長DACセルとなる、請求項1に記載のバックグラウンド方法。
【請求項8】
前記第1のアナログトーン及び前記第2のアナログトーンを合計することが、前記エラートーンを生じさせる、請求項1に記載のバックグラウンド方法。
【請求項9】
前記エラートーンを検出することが、前記第1の周波数ビンでの前記DACの前記アナログ出力におけるエネルギーを検出することを含む、請求項1に記載のバックグラウンド方法。
【請求項10】
前記デジタルデータを事前に歪めることによって、前記エラートーンを反復的に最小化することを更に含む、請求項1に記載のバックグラウンド方法。
【請求項11】
アナログドメインにおける、前記冗長DACセルの前記第1のサブセット又は前記冗長DACセルの前記第2のサブセットを調整することによって、前記エラートーンを反復的に最小化することを更に含む、請求項1に記載のバックグラウンド方法。
【請求項12】
前記第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激が、正弦波に近似する1ビットシーケンスである、請求項1に記載のバックグラウンド方法。
【請求項13】
前記第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することが、正弦波をエンコーディングするマルチビットシーケンスをフィルタリングして、前記正弦波に近似する1ビットシーケンスを生成することを含む、請求項1に記載のバックグラウンド方法。
【請求項14】
前記第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することが、正弦波をエンコーディングするマルチビットシーケンスのローパスフィルタを含む、請求項1に記載のバックグラウンド方法。
【請求項15】
第2の周波数ビンで第2の基本エネルギーを有する第2のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することであって、前記第2の周波数ビンが前記第1の周波数ビンとは異なる、生成することと、
第3の重み係数によって前記第2のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、前記DACセルが前記出力スペクトルを生成する間に、第3の重み付けされた較正刺激を前記冗長DACセルの第3のサブセットに提供して、第3のアナログトーンを生成することと、
第4の重み係数によって第3のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、前記DACセルが前記出力スペクトルを生成する間に、第4の重み付けされた較正刺激を前記冗長DACセルの第4のサブセットに提供して、第4のアナログトーンを生成することであって、前記第4の重み係数は、前記第3のアナログトーン及び前記第4のアナログトーンが反対の極性を有するように選択される、生成することと、
前記DACの前記アナログ出力において、前記第3のアナログトーン及び前記第4のアナログトーンから生じる更なるエラートーンを検出することと、を更に含む、請求項1に記載のバックグラウンド方法。
【請求項16】
出力を合計してDACのアナログ出力を生成する、複数のDACセルと、複数の冗長DACセルとを有するDACの非理想性を測定するためのバックグラウンド方法であって、
第1の周波数ビンで第1の基本エネルギーを有する第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することと、
第1の重み係数によって前記第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、第1の重み付けされた較正刺激を生成することと、
前記第1の重み付けされた較正刺激を前記冗長DACセルに提供して第1のアナログトーンを生成することと、
前記第1の重み付けされた較正刺激が前記冗長DACセルに提供されている間に、デジタルデータ及び前記第1の重み付けされた較正刺激の反転バージョンを前記DACセルに提供して出力スペクトラム及び第2のアナログトーンを生成することと、
前記DACの前記アナログ出力において、前記第1のアナログトーン及び前記第2のアナログトーンから生じるエラートーンを検出することと、を含む、バックグラウンド方法。
【請求項17】
第2の周波数ビンで第2の基本エネルギーを有する第2のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することと、
第2の重み係数によって前記第2のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、第2の重み付けされた較正刺激を生成することと、
前記第2の重み付けされた較正刺激を更に冗長なDACセルに提供して、第3のアナログトーンを生成することであって、前記第2の重み付けされた較正刺激の反転バージョンが、前記デジタルデータ及び前記第1の重み付けされた較正刺激の前記反転バージョンと共に前記DACセルに更に提供され、出力スペクトル及び前記第2のアナログトーンと共に第4のアナログトーンを更に生成する、生成することと、
前記DACの前記アナログ出力において、前記第3のアナログトーン及び前記第4のアナログトーンから生じる更なるエラートーンを検出することと、を更に含む、請求項16に記載のバックグラウンド方法。
【請求項18】
出力を合計してDACのアナログ出力を生成する、複数のDACセルと複数の冗長DACセルとを有する毎秒マルチギガビットDACのDACセル間の静的エラーと、DACセル間のタイミングエラーの一方又は両方を測定するためのバックグラウンド方法であって、
デジタルデータを前記DACセルに提供して前記DACの前記アナログ出力で出力スペクトルを生成することと、
第1の周波数ビンで第1の基本エネルギーを有する第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することと、
第1の重み係数によって前記第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、前記DACセルが前記出力スペクトルを生成する間に、第1の重み付けされた較正刺激を前記冗長DACセルの第1のサブセットに提供して、第1のアナログトーンを生成することと、
第2の重み係数によって前記第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、前記DACセルが前記出力スペクトルを生成する間に、第2の重み付けされた較正刺激を前記冗長DACセルの第2のサブセットに提供して、第2のアナログトーンを生成することであって、前記第2の重み係数は、前記第1のアナログトーン及び前記第2のアナログトーンが反対の極性を有するように選択され、前記第1のアナログトーン及び前記第2のアナログトーンを合計することが、エラートーンを生じさせる、生成することと、
前記DACの前記アナログ出力において、前記第1の周波数ビンで前記DACの前記アナログ出力におけるエネルギーを検出することによって、前記第1のアナログトーン及び前記第2のアナログトーンから生じる前記第1の周波数ビンにおけるエラートーンを検出することと、を含む、バックグラウンド方法。
【請求項19】
前記デジタルデータを事前に歪めることによって、前記エラートーンを反復的に最小化することを更に含む、請求項18に記載のバックグラウンド方法。
【請求項20】
アナログドメインにおける、前記冗長DACセルの前記第1のサブセット又は前記冗長DACセルの前記第2のサブセットを調整することによって、前記エラートーンを反復的に最小化することを更に含む、請求項18に記載のバックグラウンド方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2022年2月28日に出願されたGil Engelらの「BACKGROUND CALIBRATION OF DIGITAL-TO-ANALOG CONVERTERS」なる題名の米国仮特許出願第63/314,614号の優先権の利益を主張し、その全容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
最小限の処理オーバーヘッドでデジタル-アナログ変換器(DAC)のバックグラウンド較正を可能にする技術を提供する。
【背景技術】
【0003】
集積回路は豊富な電子応用のための電気信号を処理する。データ変換器は電子機器の重要な部分であり、デジタルドメインとアナログドメインとの間で信号を変換する役割を担っている。しかしながら、データ変換器内の回路やデータ変換器を駆動する回路は完璧ではなく、その結果、変換出力が完璧ではない可能性がある。不完全性又は非理想性により、不要なノイズ又はスパーが出力に現れ、データ変換器の性能が低下する可能性を生じる。除去又は較正されない場合、ノイズ又はスパーは信号チェーンの他の部分にも影響を与え得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、最小限の処理オーバーヘッドでデジタル-アナログ変換器(DAC)のバックグラウンド較正を可能にする様々な技術を説明する。単一の周波数ビンを使用して、ビット間のエラーを較正することができる。低周波数フィードバック経路を低周波数低電力ADCに含めて、較正ビンに存在するエラー信号を判定することができる。このエラー信号が最小化されると、ビットが較正される。説明されるバックグラウンド較正技術は、静的及び動的エラー両方のDAC出力で非常に効率的かつ最適な較正を提供する。
【0005】
いくつかの態様では、本開示は、出力を合計してDACのアナログ出力を生成する、複数のDACセルと、複数の冗長DACセルとを有するDACの非理想性を測定するためのバックグラウンド方法に係わり、方法は、デジタルデータをDACセルに提供して、DACのアナログ出力で出力スペクトルを生成することと、第1の周波数ビンで第1の基本エネルギーを有する第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することと、第1の重み係数によって第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、DACセルが出力スペクトルを生成する間に、第1の重み付けされた較正刺激を冗長DACセルの第1のサブセットに提供して、第1のアナログトーンを生成することと、第2の重み係数によって第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、DACセルが出力スペクトルを生成する間に、第2の重み付けされた較正刺激を冗長DACセルの第2のサブセットに提供して、第2のアナログトーンを生成することであって、第2の重み係数は、第1のアナログトーン及び第2のアナログトーンが反対の極性を有するように選択される、生成することと、DACのアナログ出力において、第1のアナログトーン及び第2のアナログトーンから生じる、第1の周波数ビンにおけるエラートーンを検出することと、を含む。
【0006】
いくつかの態様では、本開示は、出力を合計してDACのアナログ出力を生成する、複数のDACセルと、複数の冗長DACセルとを有するDACの非理想性を測定するためのバックグラウンド方法に係わり、方法は、第1の周波数ビンで第1の基本エネルギーを有する第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することと、第1の重み係数によって第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、第1の重み付けされた較正刺激を生成することと、第1の重み付けされた較正刺激を冗長DACセルに提供して第1のアナログトーンを生成することと、第1の重み付けされた較正刺激が冗長DACセルに提供されている間に、デジタルデータ及び第1の重み付けされた較正刺激の反転バージョンをDACセルに提供して出力スペクトラム及び第2のアナログトーンを生成することと、DACのアナログ出力において、第1のアナログトーン及び第2のアナログトーンから生じるエラートーンを検出することと、を含む。
【0007】
いくつかの態様では、本開示は、出力を合計してDACのアナログ出力を生成する、複数のDACセルと複数の冗長DACセルとを有する毎秒マルチギガビットDACのDACセル間の静的エラーと、DACセル間のタイミングエラーの一方又は両方を測定するためのバックグラウンド方法に係わり、方法は、デジタルデータをDACセルに提供して、DACのアナログ出力で出力スペクトルを生成することと、第1の周波数ビンで第1の基本エネルギーを有する第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することと、第1の重み係数によって第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、DACセルが出力スペクトルを生成する間に、第1の重み付けされた較正刺激を冗長DACセルの第1のサブセットに提供して、第1のアナログトーンを生成することと、第2の重み係数によって第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、DACセルが出力スペクトルを生成する間に、第2の重み付けされた較正刺激を冗長DACセルの第2のサブセットに提供して、第2のアナログトーンを生成することであって、第2の重み係数は、第1のアナログトーン及び第2のアナログトーンが反対の極性を有するように選択され、第1のアナログトーン及び第2のアナログトーンを合計することが、エラートーンを生じさせる、生成することと、DACのアナログ出力において、第1の周波数ビンでDACのアナログ出力におけるエネルギーを検出することによって、第1のアナログトーン及び第2のアナログトーンから生じる第1の周波数ビンにおけるエラートーンを検出することと、を含む。
【0008】
いくつかの態様では、本開示は、バックグラウンド較正を有するデジタル-アナログ変換器(DAC)に係わり、デジタル-アナログ変換器は、デジタルデータを受信し、出力スペクトルを生成するための複数のDACセルと、第1の周波数ビンで第1の基本エネルギーを有する第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成するための刺激発生器と、第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激の重み付けされたバージョンを受信し、第1のアナログトーンを生成するための1つ以上の基準DACセルと、第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激の更なる重み付けされたバージョンを受信し、第2のアナログトーンを生成するための1つ以上の較正DACセルであって、第2のアナログトーンが第1のアナログトーンと反対の極性を有し、DACセル、基準DACセル、及び較正DACセルの出力が合計されて、DACのアナログ出力を形成する、DACセルと、第1のアナログトーン及び第2のアナログトーンから生じるエラートーンを感知する、DACのアナログ出力におけるセンスADCと、を備える。
【0009】
いくつかの態様では、本開示は、バックグラウンド較正を有するデジタル-アナログ変換器(DAC)に係わり、デジタル-アナログ変換器は、第1の周波数ビンで第1の基本エネルギーを有する第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成するための刺激発生器と、デジタルデータ及び第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激の重み付けされたバージョンを受信し、DACのアナログ出力で出力スペクトル及び第1のアナログトーンを生成するための複数のDACセルと、第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激の更なる重み付けされたバージョンを受信し、第2のアナログトーンを生成するための1つ以上の較正DACセルであって、第2のアナログトーンが第1のアナログトーンと反対の極性を有し、DACセル及び較正DACセルの出力が合計されて、DACのアナログ出力を形成する、DACセルと、第1のアナログトーン及び第2のアナログトーンから生じるエラートーンを感知する、DACのアナログ出力におけるセンスADCと、を備える。
【0010】
本開示並びにその特徴及び利点のより完全な理解を提供するために、同様の参照番号が同様の部分を示す添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なセグメント化されたデジタル-アナログ変換器(DAC)である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、基準DACセル及び較正DACセルを使用したバックグラウンド較正を有する例示的なDACである。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、主要なDACに対してバックグラウンド較正を有する例示的なDACである。
図4】本開示のいくつかの実施形態による、主要なDACに対してバックグラウンド較正を有する別の例示的なDACである。
図5】本開示のいくつかの実施形態による、バックグラウンド較正及び補正を有する例示的なDACである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
概要
DACは、デジタルワードをアナログ出力にマッピングする。DACビットは、振幅及びタイミングエラーを有し得る。これらのエラー(又は本明細書では「非理想性」と称されることもある)は、DACのダイナミックレンジの歪み及び劣化を結果としてもたらす。静的及び動的エラーのバックグラウンド較正、及び刺激としてテストパターンを生成するための柔軟なアプローチが説明されている。
【0013】
DACの基礎
温度、圧力、音、画像などの現実世界のアナログ信号は、現代のデジタルシステムで簡単に処理され得るデジタル表現に日常的に変換される。多くのシステムでは、このデジタル情報はいくつかの現実世界の機能を実施するためにアナログ形式に変換される必要がある。このステップを実施する回路はDACであり、それらの出力は、様々なデバイスを駆動するために使用され得る。ラウドスピーカー、ビデオディスプレイ、モーター、メカニカルサーボ、無線周波数(RF)送信器、及び温度制御は、ほんのいくつかの多様な例である。
【0014】
DACは、デジタル入力コードに応答して量子化された(個別のステップ)アナログ出力を生成する回路、デバイス、又はシステムである。デジタル入力は、例えば、トランジスタロジック(TTL)、エミッタ結合ロジック(ECL)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)回路、又は低電圧差動信号(LVDS)、デジタルロジック、プロセッサなどから、デジタルドメイン内で生成される。DACはデジタル入力をアナログ出力に変換する。DACのアナログ出力は、電圧又は電流のいずれかであってもよい。場合によっては、デジタル入力は、バイナリ符号化ビット、又はサーモメータ符号化ビットを含み得る。デジタル入力のビットは、アナログ出力を生成するようDAC内の回路を駆動又は制御するために提供される。
【0015】
出力を生成するために、基準量は、バイナリ分画及び/又は線形分画に分割される。これらの画分の各々に対して、1つ以上のDACセルが実装される。デジタル入力は、それらの画分に対応する適切な重さを有する個々のDACセルへの切り換えを駆動する。デジタル入力のそれぞれの部分は、それぞれのDACセルを駆動して、デジタル入力を表すDACセルの集約出力を送達する。DACセルは、電流源、電圧源、抵抗器、コンデンサなどを含むことができる。DACセルは、アナログ出力を生成するために、デジタル入力、すなわちデジタル入力コードによって作動させることができる。いくつかの実施形態では、DACセルの出力は、集約出力を生成するために合計又は組み合わされる。
【0016】
場合によっては、セグメント化されたDACは、デジタル入力の異なるセグメントに対して異なる回路アーキテクチャ及び/又は符号化を使用することができる。変換器のフル解像度が2つ以上のサブDACに分散されるセグメント化されたアーキテクチャは、電流及び電圧出力DACの両方に使用され得る。全体的なDACのサブDACは、同じ解像度を持つ必要はない。場合によっては、追加の回路又はDACセルが設計に含まれるDACに冗長回路が設けられてもよい。
【0017】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なセグメント化されたDAC100を示す。図1に示されるように、デジタル入力信号又はデジタル入力コードは、デジタル入力信号/コードをその最大有効ビットdMSB、中間有効なビットdISB、及び最小有効なビットdLSBに分離するセグメンテーションユニットに提供され得る。最大有効ビットdMSBをデコーダブロック102に提供することができる。中間有効ビットdISBをデコーダブロック104に提供することができる。デコーダブロック102及びデコーダブロック104は、バイナリコーディングからサーモメータコーディングに最大有効ビットdMSB及び中間有効ビットdISBをデコーディングすることができ、それにより、MSBセグメント及びISBセグメント用のユナリ(unary)DACセル(すなわち、同じビット重みを有するDACセル)は、最大有効ビットdMSB及び中間有効ビットdISBを、MSB及びISBセグメントのそれぞれのアナログ出力に変換することができる。最小有効ビットdLSBは、(デコーダブロック102及び104の遅延を提供又は模倣するために)遅延ブロック106に提供することができる。バイナリ加重DACセルは、最小有効ビットdLSBをLSBセグメントのアナログ出力に変換することができる。セグメント化されたDAC100のフル解像度がB=BMSB+BISB+BLSBであり、最大有効ビットセグメントについてはBMSBビット数、中間有効ビットについてはBISBビット数、最小有効ビットについてはBLSBビット数があると仮定する。最大有効ビットセグメントについてのユナリDACセル108は、少なくとも2BMSB-1のDACセルを含むことができ、これらは全て、同じ(理想的な)ビット重みwMSB=2(BLSB+BISB)を有する。中間有効ビットセグメントについてのユナリDACセル110は、少なくとも2BISB-1のDACセルを含むことができ、これらは全て同じ(理想的な)ビット重みwISB=2BLSBを有する。バイナリDACセル112は、異なるバイナリビット重みwLSB[k]=2、k=[0:BLSB-1]を有するBLSBDACセルを有することができる。異なるセグメントは、異なるセグメントへのそれぞれのデジタル入力に基づいて、それぞれのアナログ出力を生成する。コンバイナ114は、DACセルを有するセグメント(例えば、ユナリDACセル108、ユナリDACセル110又はバイナリDACセル112を有するセグメント)のそれぞれの出力を組み合わせ、合計、又は加算して、全体的なDAC100のアナログ出力を生成する。
【0018】
場合によっては、デコーダブロック102及び104(一方又は両方のいずれか)は、アナログ出力での歪みを低減するために、セル間のミスマッチを平均化するようにユナリDACセル108及び110をシャッフルするための追加のロジックを実装することができる。
【0019】
図1に示すようなセグメント化されたDACでは、変換器の精度と設計の複雑さのバランスがとれている。セグメンテーションの1つの利点は、デジタル入力コードの異なるセグメントに異なるDACアーキテクチャを使用することを可能にすることによって、所与の解像度を達成するために必要な抵抗器(又は電流源)の数を低減することであり、それによって、より小さなダイサイズを可能にしている。そのため、高解像度DACをセグメント化することが一般的である。高速を達成するために、電流ステアリングDACセルが典型的に使用される。
【0020】
DACにおけるエラー
セグメント化されたDAC又は一般的のDACは完璧ではなく、ユナリ又はバイナリDACセルを較正することは、設計者に問題を提起することになり得る。複雑な製造プロセスを使用して製造された他の多くのデバイスと同様に、様々な不完全性/非理想性がDACの性能に影響を与え得る。
【0021】
一例としては、DAC(本明細書では「DACセル」と称される)の個々の要素の性能に影響を及ぼす回路の不完全性が挙げられる。不完全性は、「静的ミスマッチ」又は「DCエラー」と典型的に称される製造変動に起因してもよい。例えば、静的ミスマッチは、理想的なサイズとは異なるデバイス、例えば、抵抗器、電流源、トランジスタのサイズによって引き起こされ得る。その結果、DACセルの「ビット重み」は理想値から外れ、結「振幅エラー」が生じる。
【0022】
別の例は、典型的に「ACエラー」(ACは交流を表す)又は「動的エラー」と称される、タイミングエラーを含み、これは、例えば、クロックジッタ、スイッチのミスマッチ、及びドライバのミスマッチによって引き起こされ得る。タイミングエラーは、グローバル(例えば、グローバルクロック信号と関連付けられた)であり得るか、又はそれらは、特定のDACセルに対してローカルであり得る。タイミングエラーは、DACセルのアナログ出力の遷移が理想的な時間よりも早く、又は遅れて生じるとき、又は遷移が理想的な遷移から逸脱するときに、「間違った」量の「ビット重み」がアナログ出力に送達されることを引き起こし得る。場合によっては、クロックジッタは、基準DACセルに関して特定のDACセルがオンされることに影響を及ぼし得る(すなわち、2つのDACセルが同時にオンになると予想されるときに同時にオンにされない)。これらのシナリオでは、DACセルは理想的な時間よりも早く又は遅くオン/オフされ、結果として、アナログ出力にエラーが生じる。場合によっては、DACセル自体は、アナログ出力の上昇と下降が異なる挙動を示す遷移非対称性を有することができる。例えば、スイッチのミスマッチ、例えば、出力の特定の1つに向かって電流をステアリングすることに関与する一対の差動スイッチにおけるミスマッチによる遷移非対称性は、特定のDACセルの性能に影響を及ぼし得、上昇及び下降遷移に異なる挙動を示させる。別の例では、ドライバのミスマッチ、例えば、出力の特定の1つに向かって電流をステアリングすることに関与する一対の差動スイッチを駆動する信号経路のタイミングミスマッチによる遷移非対称性もまた、特定のDACセルの性能に影響を及ぼし得、上昇及び下降遷移を理想から逸脱させる。これらのタイミング関連の不完全性はまた、DACセルが「オン」である期間が理想的な期間とは異なる(例えば、基準又は理想的な期間と比較して長すぎる又は短すぎる)デューティサイクルエラーをもたらす可能性がある。
【0023】
別の例は、時間の経過と共にデバイスの特性を変化させ、デバイスを理想から逸脱させる、ドリフト、例えば、熱ドリフト、老化などを含む。
【0024】
上記の例の多くは、アナログ出力での歪みをもたらし、したがって、全体的なDACの性能に影響を与える。いくつかのエラーについては、設計者はエラーの一部を減らすために、より大きなデバイスを使用することを選択している。しかしながら、デバイスサイズを増加させ、したがって、面積及び消費電力を増加させることは、常に望ましいものではない。デバイスを増やそうとするのではなく、設計者は較正を通じて性能の問題に対処してきた。
【0025】
ある種の較正技術の欠点
DACのエラーを測定及び較正するための様々なスキームが提案されている。例えば、特定の周波数の正方形波及びそのような正方形波の反転バージョンは、(1)基準DACセル及び(2)較正DACセル(及び、基準DACセルのバランスをとるために所望の重さを達成すべき場合は、より多くの較正セル)を制御するための較正刺激として使用することができ、アナログ出力を測定してタイミングスキューを決定することができる。しかしながら、そのようなアプローチは限定される場合があり、いくつかの用途には実用的ではない場合がある。較正刺激としての正方形波が望ましくない理由の1つは、正方形波がDACの出力で均一な高調波を生成することである。そのような均一な高調波及び/又はその画像は、DACが生成している実際の信号に影響を与える可能性があり、正方形波がバックグラウンドで適用される場合(すなわち、DACの通常の動作中)、DACの性能を著しく低下させ得る。
【0026】
いくつかの技術では、非相関擬似ランダムシーケンスは、基準DACセル及び較正DACセルへの較正刺激として使用される。そのようなシーケンスは出力でトーンを生成しないが、DACのアナログ出力を観察するためにはブロードバンド観察アナログデジタル変換(ADC)が必要であり、この刺激を使用して露出したエラーを抽出するためのデジタル処理は、実用的であるには計算的に集中しすぎている。
【0027】
いくつかの技術では、デルタシグマパターンは、較正刺激として生成され得る。しかしながら、パターンを生成するために使用されるデルタシグマ変換器は、フィードバックループを有し、いくつかの用途に対して遅すぎる。また、これらの技術は、必ずしもバックグラウンド較正に適していない。
【0028】
バックグラウンドでエラーを抽出する
バックグラウンドでDAC内の静的又は動的エラーのいずれかを較正するために、1つ以上の基準ビット(例えば、1つ以上の基準DACセル)をパターン(又は刺激)で刺激して、DACのアナログ出力で基準トーンを生成することができる。各基準DACセルは、同じパターンを受け取るであろう。同じパターンを1つ以上の較正ビット(例えば、1つ以上の較正DACセル)に適用して、基準トーンとは反対の極性を有する較正トーンを生成することができる。
【0029】
目標は、基準ビットと較正ビットとの間にミスマッチがない場合に互いに相殺し合うことができる基準トーンと較正トーンを生成することである。適用されているパターンのうちの1つは、反転させることができる(例えば、負の量でスケーリングすることができる)。1つ以上のパターンを重み付けして、基準トーンと較正トーンの大きさが理想的には同じであることを確実にすることができる。各較正DACセルは、同じパターンを受け取るであろう。
【0030】
基準トーン及び較正トーンは、基準DACセル及び較正DACセルが互いにマッチする場合(又は互いに対してエラーを有さない場合)、同じ大きさであるが反対の極性を有することが意図される。ミスマッチがある場合、エラートーンが発生し、エラートーンを観察してミスマッチを補償/補正することができる。基準DACセルのビット重み及び較正DACセルのビット重みに応じて、パターンは、相応じて重み付けされて、同様の大きさを有する基準トーン及び較正トーンを生成し得る。
【0031】
なお、並行して、通常のDACセルは、デジタルデータを所望のアナログ出力スペクトルに変換するように動作しており(通常の動作のように)、基準DACセル及び較正DACセルは、通常のDACセルと同時にパターンを受信するDACの冗長DACセルである。DACアーキテクチャに冗長DACセル、及び/又は減衰出力を生成することができる(冗長)DACセルのバンクを有することが一般的である。多くの用途では、較正技術はDACの通常の動作中に発生し、エラートーンはDACに大きな影響を与えない。バックグラウンドで較正技術を実行する能力は、エラートーンの信号振幅が非常に小さいことによる。
【0032】
DACセルの出力が合計されると、DACのアナログ出力は、合計される基準トーンと較正トーンから生じるエラートーンを有する。エラートーンは、1つ以上の基準ビットと、1つ以上の較正ビットとの間の差分エラーに対応する。基準トーン、較正トーン、及びしたがってエラートーンは全て単一の周波数ビンを占有するため、単一の周波数ビンでエネルギーを処理/検査することで、差分/ミスマッチエラーを抽出することができる。
【0033】
場合によっては、エラートーンの振幅を最小限にするために、(デジタルドメイン又はアナログドメイン内で)DACを反復的に修正するために、最小平均2乗又はバイナリ検索アルゴリズムを使用することができる。したがって、アルゴリズムは、差分/ミスマッチエラーをより小さく、より小さくすることができる。
【0034】
静的エラーを露出させるために、パターンは、好ましくは、DACセルに、DC(又はゼロ周波数)で又はその近くで基本エネルギーを有するトーンを生成させる。動的エラーを露出させるために、パターンは、好ましくは、DACセルに、ナイキストで又はその近くで基本エネルギーを有するトーンを生成させる。
【0035】
パターンは、フィードバックループを有するデルタシグマ変換器を含む刺激発生器を提供することが実用的ではない場合があるため、デルタシグマ生成パターンである必要はない。むしろ、パターンは、1ビットシーケンスによって刺激されたDACセルが信号周波数ビンで基本エネルギーを有するトーンを出力するように、正弦波に近似する1ビットシーケンスであり得る。基本トーンと関連付けられていないエラートーンの成分は、基本エネルギーよりも更に低い。
【0036】
較正が進むにつれて、エラートーンがますます小さくなり、それによってDACの通常の動作に対するエラートーンの影響が減少する。
【0037】
基準DACセル及び較正DACセルとして冗長DACセルを使用したバックグラウンド較正を有する例示的なDAC
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、基準DACセル及び較正DACセルを使用してバックグラウンド較正を有する例示的なDACである。DACは、(通常の又は主要な)DACセル202、及び冗長DACセルを有する。冗長DACセルは、所望の出力スペクトルを生成するために(例えば、指定された期間)使用されない。同じセルを使用して、異なる時点で所望の出力スペクトルを生成することができ、DACセル202内のいくつかのセルは、その時点で冗長DACセルとなる(例えば、役割がスワップ又は交替される)。冗長DACセルのサブセットは、基準DACセル204としてラベル付けされ、冗長DACセルの別のサブセットは、較正DACセル206としてラベル付けされる。DACのDACセルの出力を合計して、最終的なアナログ出力を形成する。
【0038】
通常のDACセル202は、デジタルデータDdata[k]を受信し、所望の出力スペクトルf(t)を生成するために正常に動作している。デジタルデータDdata[k]及び/又はDdata[k]は、DACセル202内のミスマッチが平均化されるように、動的要素マッチングを実装するためにシャッフルされてもよい。
【0039】
較正のために較正刺激Dcal[k]が生成される。較正刺激は、各基準DACセル204に提供される前に、第1の重み係数wによってスケーリングされ得る。較正刺激は、基準DACセル204によって第1のアナログトーンu(t)を生成させる。較正刺激Dca[k]は、各較正DACセルに提供される前に、第2の重み係数wによってスケーリングされ得る。較正刺激は、較正DACセル206によって第2のアナログトーンu(t)を生成させる。
【0040】
(重み付けされた)較正刺激は、デジタルデータが通常のDACセル202に適用されている間、バックグラウンドで基準DACセル204及び較正DACセル206に適用される。
【0041】
好適な数の基準DACセル204及び好適な数の較正DACセル206を選択して、較正刺激を受けてもよい。第1の重み係数w及び第2の重み係数wは、第1のアナログトーンu(t)及び第2のアナログトーンu(t)が実質的に同じ大きさを有し、反対の極性を有するように選択される。第1のアナログトーンu(t)と第2のアナログトーンu(t)を合計すると、基準DACセル204と較正DACセル206との間の差を表すエラートーンe(t)が結果として得られる。
【0042】
DACセルの出力が合計されるため、アナログ出力は所望の出力スペクトルとエラートーンf(t)+e(t)を有する。
【0043】
較正DACセルとして冗長DACセルを使用したバックグラウンド較正を有する例示的なDAC
冗長DACセルのサブセットを互いに比較するのではなく(図3に示すように)、1つ以上の冗長DACセルを通常のDACセル(すなわち、主要なDAC)と比較する。このバリエーションは、DACが動作している間に実施され得る別のバックグラウンド較正技術をもたらす。1つ以上の較正ビットを較正トーンで刺激することができ、同じ較正トーン又はその派生物を主要なDAC出力スペクトル信号経路から減算することができる。較正ビットと主要なDACセルの間にエラーがない場合、DACのアナログ出力にエラートーンは存在しない。この技術の1つの利点は、較正技術に必要な冗長DACセルの数を減らすことである。
【0044】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、主要なDACに対してバックグラウンド較正を有する例示的なDACである。DACは、(通常の又は主要な)DACセル302、及び冗長DACセル304を有する。冗長DACセルは、所望の出力スペクトルを生成するために使用されない。冗長DACセル304は、較正DACセルとして使用される。DACのDACセルの出力を合計して、最終的なアナログ出力を形成する。
【0045】
較正のために較正刺激Dcal[k]が生成される。較正刺激は、各較正DACセル304に提供される前に、重み係数wによってスケーリングされ得る。較正刺激は、較正DACセル206によってアナログトーンu(t)を生成させる。
【0046】
重み付けされた較正刺激Dcal[k]*wは、デジタルデータDdata[k]をデジタル的に修正するために提供される。適切な場合、較正刺激は、較正DACセル304のビット重みが主要なDACセル302内のセルとマッチしない場合、異なる重み係数によってスケーリングされ得る。示される例では、重み付けされた較正刺激Dcal[k]*wは、Ddata[k]から減算される。通常のDACセル302は、修正されたデジタルデータDdata[k]-(Dcal[k]*w)を受信し、所望の出力スペクトルf(t)及び更なるアナログトーンu(t)、又はf(t)+u(t)を生成するために正常に動作している。したがって、1つ以上のDACセル302は、1つ以上の基準DACセルとして効果的に使用される。
【0047】
DACセル302及び/又は修正されたデジタルデータDdata[k]-(Dcal[k]*w)は、DACセル302内のミスマッチングが平均化されるように、動的要素マッチングを実装するためにシャッフルされてもよい。
【0048】
較正刺激は、修正されたデジタルデータDdata[k]-(Dcal[k]*w)が通常のDACセル302に適用される間、バックグラウンドで較正DACセル304に適用される。
【0049】
較正刺激を受けるために、好適な数の較正DACセル304を選択することができる。重み係数w及びおそらく更なる重み係数は、第1のアナログトーンu(t)及び第2のアナログトーンu(t)が実質的に同じ大きさを有し、反対の極性を有するように、選択される。第1のアナログトーンu(t)と第2のアナログトーンu(t)を合計すると、主要なDACセル302と較正DACセル304との間の差を表すエラートーンe(t)が結果として得られる。
【0050】
DACセルの出力が合計されるため、アナログ出力は所望の出力スペクトルとエラートーンf(t)+e(t)を有する。
【0051】
較正DACセルとして冗長DACセルを使用したマルチトーンバックグラウンド較正を有する例示的なDAC
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、主要なDACに対してバックグラウンド較正を有する別の例示的なDACである。DACは、(通常の又は主要な)DACセル402、第1の冗長DACセル404、及び第2の冗長DACセル406を有する。冗長DACセルは、所望の出力スペクトルを生成するために使用されない。第1の冗長DACセル404及び第2の冗長DACセル406は、較正DACセルとして使用され、異なる周波数ビン内に基本エネルギーを有する異なる較正刺激を受ける。DACのDACセルの出力を合計して、最終的なアナログ出力を形成する。異なる較正DACセルのエラーを同時に抽出することができる。
【0052】
較正のために、第1の較正刺激Dcal1[k]が生成される。第1の較正刺激Dcal1[k]は、各較正DACセル404に提供される前に、重み係数wによってスケーリングされ得る。第1の較正刺激は、較正DACセル404によってアナログトーンu(t)を生成させる。
【0053】
第2の較正刺激Dcal2[k]は、基本エネルギーが第1の較正刺激Dcal1[k]とは異なる周波数ビンにある、較正のために生成される。第2の較正刺激Dcal2[k]は、各較正DACセル406に提供される前に、更なる重み係数wによってスケーリングされ得る。第2の較正刺激は、較正DACセル406によって更なるアナログトーンu(t)を生成させる。
【0054】
第1の重み付けされた較正刺激Dcal1[k]*w及び第2の重み付けされた較正刺激Dcal2[k]*wは、デジタルデータDdata[k]をデジタル的に修正するために提供される。適切な場合、それぞれの較正刺激は、較正DACセル404/406のビット重みが、主要なDACセル402内のセルとマッチしない場合、異なる重み係数によってスケーリングされ得る。示される例では、第1の重み付けされた較正刺激Dcal1[k]*w及び第2の重み付けされた較正刺激Dcal2[k]*wは、Ddata[k]から減算される。通常のDACセル402は、修正されたデジタルデータDdata[k]-(Dcal1[k]*w)-(Dcal2[k]*w)を受信し、所望の出力スペクトルf(t)、アナログトーンu(t)、及び更なるアナログトーンu(t)又はf(t)+u(t)+u(t)を生成するために正常に動作している。したがって、1つ以上のDACセル402は、1つ以上の基準DACセルとして効果的に使用される。
【0055】
DACセル402及び/又は修正されたデジタルデータDdata[k]-(Dcal1[k]*w)-(Dcal2[k]*w)は、DACセル402内のミスマッチングが平均化されるように、動的要素マッチングを実装するためにシャッフルされてもよい。
【0056】
修正されたデジタルデータDdata[k]-(Dcal1[k]*w)-(Dcal2[k]*w)が通常のDACセル402に適用される間、バックグラウンドにおいて第1の較正刺激は、較正DACセル404に適用され、第2の較正刺激は、較正DACセル406に適用される。
【0057】
較正刺激を受けるために、好適な数の較正DACセル404を選択することができる。重み係数w及びおそらく更なる重み係数は、アナログトーンu(t)及びアナログトーンu(t)が実質的に同じ大きさを有し、反対の極性を有するように、選択される。アナログトーンu(t)とアナログトーンu(t)を合計すると、主要なDACセル402と較正DACセル404との差を表すエラートーンe(t)が結果として得られる。
【0058】
較正刺激を受けるために、好適な数の較正DACセル406を選択することができる。重み係数w及びおそらく更なる重み係数は、アナログトーンu(t)及びアナログトーンu(t)が実質的に同じ大きさを有し、反対の極性を有するように、選択される。第1のアナログトーンu(t)とアナログトーンu(t)とを合計すると、主要なDACセル402と較正DACセル406との間の差を表すエラートーンe(t)が結果として得られる。
【0059】
DACセルの出力が合計されるため、アナログ出力は所望の出力スペクトルと2つのエラートーンf(t)+e(t)+e(t)を有する。
【0060】
バックグラウンド較正及び補正を有する例示的なDAC
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、バックグラウンド較正及び補正を有する例示的なDACである。DAC502は、図2図4に見られるDACのいずれか1つを示す。DAC502に加えて、刺激発生器504、センスADC506、及びエラー抽出ロジック508が設けられる。刺激発生器504は、本明細書に記載するように、1つ以上のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することができる。エラートーンは単一の周波数ビン内にあるため、センスADC506は帯域制限され得る(広帯域ADCである必要はない)。エラー抽出ロジック508は、(較正DACセル内のエラーを表す)周波数ビン内のエネルギーを観察し、観察されたエネルギーを低減するために補正を実施することができる。補正を実施する1つの方式は、歪みロジック510を使用してデジタルデータを歪めて、デジタルドメイン内のエラーを補償することである。補正を実施する別の方式は、エラーを補償するために、アナログドメイン内のDAC502内の回路を調整することである。
【0061】
変更形態及び実装形態
図面を参照して上で考察されたアクティビティは、DACのDACセルのバックグラウンド較正を伴う任意の集積回路に適用可能であることに留意されたい。本技術は、特定のDACセルを較正DACセルとするように選択することによって繰り返すことができる。本明細書に記載される実施形態は、異なるアーキテクチャを有するDACをバックグラウンド較正するために使用され得る。好ましくは、本実施形態は、電流ステアリング又は潜在的に並列したコンデンサDAC(これは実際には信号処理DACの大部分である)のような、入力ビット線を制御することに対応する独立した要素又はセルが出力で直接合計されるDACに適用することができる。抵抗列(精密用途)やパイプラインコンデンサDACなどの他のアーキテクチャは、出力に達する前に部分合計を実施するため、この方法に従わない。
【0062】
DACの性能、すなわち出力での歪みの測定は、いくつかの用途にとって重要である。本開示の較正スキームは、バックグラウンド、すなわち、主要なDACがリアルタイム信号を処理している間に、エラーを測定するための柔軟かつ効果的な方式を提供する。特定の文脈において、本明細書で考察される機能は、医療システム、科学機器、無線及び有線通信、レーダ、工業プロセス制御、オーディオ及びビデオ機器、電流検出、計測(高精度であり得る)、ケーブルインフラ、軍事(例えば、レーダ)、並びにDACの出力での歪みを低減することが用途にとって重要である他のシステムに適用することができる。
【0063】
バックグラウンド較正DACセルのための様々な装置の部品は、本明細書に記載の機能を実施するためのデジタル又は電子回路を含み得る。場合によっては、装置の1つ以上の部分が、本明細書に記載の機能を実施するために特別に構成されたプロセッサ(例えば、オンチッププロセッサ、オンチップマイクロプロセッサ、オンチップデジタル信号プロセッサ、オフチッププロセッサ、オフチップマイクロプロセッサ、及びオフチップデジタル信号プロセッサ)によって提供され得る。例えば、プロセッサは、1つ以上の特定用途向け構成要素を含み得、又は本明細書に記載の機能を実施するように構成されるプログラマブルロジックゲートを含み得る。回路は、アナログドメイン、デジタルドメイン、又はミックスド信号ドメインで動作することができる。いくつかの場合において、プロセッサは、非一時的コンピュータ媒体に記憶された1つ以上の命令を実行することにより、本明細書に記載の機能を実施するように構成されてもよい。
【0064】
1つの例示的な実施形態では、図の任意の数の電気回路を、関連する電子デバイスの基板上に実装することができる。基板は、電子デバイスの内部電子システムの様々な構成要素を保持し、更に、他の周辺機器のためのコネクタを提供することができる一般的な回路基板であり得る。より具体的には、基板は、システムの他の構成要素が電気的に通信することができる電気的接続を提供することができる。全ての好適なプロセッサ(デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、サポートチップセットなどを含む)、非一時的なコンピュータ可読メモリ素子などは、特定の構成ニーズ、処理要求、コンピュータ設計などに基づいて、基板に好適に連結され得る。外部ストレージ、追加センサー、オーディオ/ビデオディスプレイ用コントローラ、周辺機器などの他の構成要素は、プラグインカードとして、ケーブルを介して、基板に取り付けられてもよく、又は基板自体に組み込まれてもよい。様々な実施形態において、本明細書に記載される機能は、これらの機能をサポートする構造内に配置された1つ以上の構成可能(例えば、プログラマブル)要素内で動作するソフトウェア又はファームウェアとしてエミュレーション形態で実装され得る。エミュレーションを提供するソフトウェア又はファームウェアは、プロセッサがそれらの機能を実行することを可能にする命令を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に提供されてもよい。
【0065】
別の例示的な実施形態では、図の電気回路は、スタンドアローンモジュール(例えば、特定の用途又は機能を実行するように構成された関連する構成要素及び回路を有するデバイス)として実装されてもよく、もしくは電子デバイスの特定用途向けハードウエアにプラグインモジュールとして、実装されてもよい。本開示の特定の実施形態は、部分的に、又は全体的に、システムオンチップ(SOC)パッケージに容易に含まれてもよいことに留意されたい。SOCは、コンピュータ又は他の電子システムの構成要素を単一のチップに統合するICを表す。これには、デジタル機能、アナログ機能、ミックスド信号機能、そして多くの場合RF機能が含まれることがあり、これらの機能は全て1つのチップ基板上で提供され得る。他の実施形態は、複数の別個のICが単一の電子パッケージ内に位置し、電子パッケージを通じて互いに密接に相互作用するように構成されているマルチチチップモジュール(MCM)を含み得る。様々な他の実施形態では、較正機能性は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び他の半導体チップの1つ以上のシリコンコアに実装することができる。
【0066】
また、本明細書に概説される全ての仕様、寸法、及び関係(例えば、プロセッサ、ロジック動作などの数)は、例示及び教示のみの目的のために提供されていることにも注意が必要である。そのような情報は、本開示及び/又は実施例の趣旨から逸脱することなく大きく変動し得る。本明細書は、1つの非限定的な例にのみ適用され、したがって、それらは、そのように解釈されるべきである。前述の説明では、例示的な実施形態を、特定のプロセッサ及び/又は構成要素の配置を参照して説明した。本開示及び/又は実施例の範囲から逸脱することなく、そのような実施形態に対して様々な修正及び変更を加えることができる。したがって、説明及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味と見なされるべきである。
【0067】
本明細書で提供される多数の実施例を使用して、相互作用が、2つ、3つ、4つ、又はそれ超の電気部品の観点から説明され得ることに留意されたい。しかしながら、これは明確さと実施例のためだけに行われている。システムは、任意の好適な方式で強化され得ると理解されたい。同様の設計の代替案に従って、図面の図示された構成要素、モジュール、及び素子のいずれかを様々な可能な構成に組み合わせることができ、それらの全ては明らかに本明細書の広範な範囲内にある。ある特定の場合、限定された数の電気素子のみを参照することによって、所与のフローセットの機能性のうちの1つ以上を説明することは容易であり得る。図及びその教示の電気回路は容易に拡張可能であり、多数の構成要素並びにより複雑で/洗練された配置及び構成に対応することができることを理解されるべきである。したがって、提供される例は、他の多くのアーキテクチャに適用される可能性があるよう、電気回路の範囲を限定又は広範な教示を阻害するべきではない。
【0068】
なお、本明細書では、「一実施形態」、「例示的な実施形態」、「ある実施形態」、「別の実施形態」、「いくつかの実施形態」、「様々な実施形態」、「他の実施形態」、「代替の実施形態」などに含まれる様々な特徴(例えば、要素、構造、モジュール、構成要素、ステップ、動作、特徴など)への言及は、任意のそのような特徴が本開示の1つ以上の実施形態に含まれるが、同じ実施形態において組み合わされてもよく、必ずしも組み合わされなくてもよいと意味することに留意する。
【0069】
較正に関連する機能は、図に示されるシステムによって、又はその内部で実行され得る可能な機能のうちのいくつかのみを示していることに留意することも重要である。これらの動作の一部は、必要に応じて削除もしくは除去されてもよいし、又は、本開示の範囲から逸脱することなく、これらの動作を大幅に修正又は変更してもよい。加えて、これらの動作のタイミングは、かなり変更されてもよい。前述の動作フローは、実施例と考察の目的で提供されている。実質的な柔軟性は、本開示の教示から逸脱することなく、任意の好適な配置、年表、構成、及びタイミング機構が提供され得るという点で、本明細書で説明される実施形態によって提供される。
【0070】
多数の他の変化、置換、変形、変更、及び修正が当業者に確認されてもよく、本開示の範囲内に全てのそのような変化、置換、変形、変更、及び修正が包含されることが意図される。なお、上記の装置の全ての任意選択的な特徴は、本明細書に記載する方法又はプロセスに関して実装されてもよく、実施例における具体的なものは、1つ以上の実施形態において随所で使用されてもよい。
【実施例0071】
実施例1.出力を合計してDACのアナログ出力を生成する、複数のDACセルと、複数の冗長DACセルとを有するDACの非理想性を測定するためのバックグラウンド方法であって、デジタルデータをDACセルに提供して、DACのアナログ出力で出力スペクトルを生成することと、第1の周波数ビンで第1の基本エネルギーを有する第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することと、第1の重み係数によって第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、DACセルが出力スペクトルを生成する間に、第1の重み付けされた較正刺激を冗長DACセルの第1のサブセットに提供して、第1のアナログトーンを生成することと、第2の重み係数によって第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、DACセルが出力スペクトルを生成する間に、第2の重み付けされた較正刺激を冗長DACセルの第2のサブセットに提供して、第2のアナログトーンを生成することであって、第2の重み係数は、第1のアナログトーン及び第2のアナログトーンが反対の極性を有するように選択される、生成することと、DACのアナログ出力において、第1のアナログトーン及び第2のアナログトーンから生じる、第1の周波数ビンにおけるエラートーンを検出することと、を含む、バックグラウンド方法。
【0072】
実施例2.デジタルデータが、DACセルの非理想性を平均化するようにシャッフルされる、実施例1に記載のバックグラウンド方法。
【0073】
実施例3.DACセルが、DACセルの非理想性を平均化するようにシャッフルされる、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0074】
実施例4.冗長DACセルが、最小有効ビット重みを有するDACセルのバンクを含む、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0075】
実施例5.冗長DACセルの第1のサブセットが、複数の冗長DACセルを含み、冗長DACセルの第2のサブセットが、複数の冗長DACセルを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0076】
実施例6.冗長DACセルの第1のサブセットが、単一の冗長DACセルを含み、冗長DACセルの第2のサブセットが、複数の冗長DACセルを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0077】
実施例7.冗長DACセルの第1のサブセットが、複数の冗長DACセルを含み、冗長DACセルの第2のサブセットが、単一の冗長DACセルを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0078】
実施例8.冗長DACセルの第1のサブセットが、単一の冗長DACセルを含み、冗長DACセルの第2のサブセットが、単一の冗長DACセルを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0079】
実施例9.1つ以上の冗長DACセルがデジタルデータの一部分を受信し、DACセルのサブセットが、重み付けされた較正刺激を受けるため1つ以上の冗長DACセルとなる、上記実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0080】
実施例10.第1の重み係数及び第2の重み係数が、反対の極性を有する、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0081】
実施例11.第1の重み係数及び第2の重み係数が、同じ大きさを有する、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0082】
実施例12.第1の重み係数及び第2の重み係数が異なる大きさを有する、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0083】
実施例14.第1の重み係数及び第2の重み係数が、+1、-1、正の重み値、及び負の重み値から選択される、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0084】
実施例15.第1のアナログトーン及び第2のアナログトーンを合計することが、エラートーンを生じさせる、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0085】
実施例16.エラートーンを検出することが、第1の周波数ビンでDACのアナログ出力におけるエネルギーを検出することを含む、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0086】
実施例15.デジタルデータを事前に歪めることによって、エラートーンを反復的に最小化することを更に含む、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0087】
実施例16.アナログドメインにおける、冗長DACセルの第1のサブセット又は冗長DACセルの第2のサブセットを調整することによって、エラートーンを反復的に最小化することを更に含む、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0088】
実施例17.第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激が、正弦波に近似する1ビットシーケンスである、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0089】
実施例18.第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することが、フィードバックを伴わない、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0090】
実施例19.第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することが、正弦波をエンコーディングするマルチビットシーケンスをフィルタリングして、正弦波に近似する1ビットシーケンスを生成することを含む、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0091】
実施例20.第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することが、正弦波をエンコーディングするマルチビットシーケンスのローパスフィルタを含む、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0092】
実施例21.第1の周波数ビンが、出力スペクトルと帯域内ではない、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0093】
実施例22.第1の周波数ビンが、出力スペクトルと干渉しないように選択される、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0094】
実施例23.第2の周波数ビンで第2の基本エネルギーを有する第2のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することであって、第2の周波数ビンが第1の周波数ビンとは異なる、生成することと、第3の重み係数によって第2のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、DACセルが出力スペクトルを生成する間に、第3の重み付けされた較正刺激を冗長DACセルの第3のサブセットに提供して、第3のアナログトーンを生成することと、第4の重み係数によって第3のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、DACセルが出力スペクトルを生成する間に、第4の重み付けされた較正刺激を冗長DACセルの第4のサブセットに提供して、第4のアナログトーンを生成することであって、第4の重み係数は、第3のアナログトーン及び第4のアナログトーンが反対の極性を有するように選択される、生成することと、DACのアナログ出力において、第3のアナログトーン及び第4のアナログトーンから生じる更なるエラートーンを検出することと、を更に含む、実施例1に記載のバックグラウンド方法。
【0095】
実施例24.DACが、毎秒マルチギガビットDACである、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0096】
実施例25.非理想性が、DACセル間の静的エラーを含む、上記実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0097】
実施例26.非理想性が、DACセル間のタイミングエラーを含む、上記の実施例のいずれか1つに記載のバックグラウンド方法。
【0098】
実施例100.出力を合計してDACのアナログ出力を生成する、複数のDACセルと、複数の冗長DACセルとを有するDACの非理想性を測定するためのバックグラウンド方法であって、第1の周波数ビンで第1の基本エネルギーを有する第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することと、第1の重み係数によって第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、第1の重み付けされた較正刺激を生成することと、第1の重み付けされた較正刺激を冗長DACセルに提供して第1のアナログトーンを生成することと、第1の重み付けされた較正刺激が冗長DACセルに提供されている間に、デジタルデータ及び第1の重み付けされた較正刺激の反転バージョンをDACセルに提供して出力スペクトラム及び第2のアナログトーンを生成することと、DACのアナログ出力において、第1のアナログトーン及び第2のアナログトーンから生じるエラートーンを検出することと、を含むバックグラウンド方法。
【0099】
実施例101.第2の周波数ビンで第2の基本エネルギーを有する第2のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成することと、第2の重み係数によって第2のデジタルエンコーディングされた較正刺激をスケーリングし、第2の重み付けされた較正刺激を生成することと、第2の重み付けされた較正刺激を更に冗長なDACセルに提供して、第3のアナログトーンを生成することであって、第2の重み付けされた較正刺激の反転バージョンが、デジタルデータ及び第1の重み付けされた較正刺激の反転バージョンと共にDACセルに更に提供され、出力スペクトル及び第2のアナログトーンと第4のアナログトーンを更に生成する、生成することと、DACのアナログ出力において、第3のアナログトーン及び第4のアナログトーンから生じる更なるエラートーンを検出することと、を更に含む、実施例100に記載のバックグラウンド方法。
【0100】
実施例102.実施例2~26のいずれか1つは、実施例100又は101の任意選択的な特徴であり得る。
【0101】
実施例200.バックグラウンド較正を有するデジタル-アナログ変換器(DAC)であって、デジタルデータを受信し、出力スペクトルを生成するための複数のDACセルと、第1の周波数ビンで第1の基本エネルギーを有する第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成するための刺激発生器と、第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激の重み付けされたバージョンを受信し、第1のアナログトーンを生成するための1つ以上の基準DACセルと、第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激の更なる重み付けされたバージョンを受信し、第2のアナログトーンを生成するための1つ以上の較正DACセルであって、第2のアナログトーンが第1のアナログトーンと反対の極性を有し、DACセル、基準DACセル、及び較正DACセルの出力が合計されて、DACのアナログ出力を形成する、DACセルと、第1のアナログトーン及び第2のアナログトーンから生じるエラートーンを感知する、DACのアナログ出力におけるセンスADCと、を備える、デジタル-アナログ変換器。
【0102】
実施例201.デジタルデータがDACセルに提供される前に、デジタルデータを歪める歪みロジックを更に備える、実施例200のバックグラウンド較正を有するDAC。
【0103】
実施例202.基準DACセル及び/又は較正DACセルが、感知されたエラートーンに応じて調整可能である、実施例200又は201に記載のバックグラウンド較正を有するDAC。
【0104】
実施例203.刺激発生器が、マルチビット正弦波信号を受信し、正弦波に近似する単一のビットシーケンスを生成するローパスフィルタを備える、実施例200~202のいずれか1つに記載のバックグラウンド較正を有するDAC。
【0105】
実施例204.刺激発生器が、フィードバックを有しない、実施例200~203のいずれか1つに記載のバックグラウンド較正を有するDAC。
【0106】
実施例205.第1の周波数ビンでのエネルギーを測定するためのエラー抽出ロジックを更に備える、実施例200~204のいずれか1つに記載のバックグラウンド較正を有するDAC。
【0107】
実施例206.実施例1~26のいずれかの方法を実装することができる実施例200~205のいずれか1つのバックグラウンド較正を有するDAC。
【0108】
実施例300.バックグラウンド較正を有するデジタル-アナログ変換器(DAC)であって、第1の周波数ビンで第1の基本エネルギーを有する第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激を生成するための刺激発生器と、デジタルデータ及び第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激の重み付けされたバージョンを受信し、DACのアナログ出力で出力スペクトル及び第1のアナログトーンを生成するための複数のDACセルと、第1のデジタルエンコーディングされた較正刺激の更なる重み付けされたバージョンを受信し、第2のアナログトーンを生成するための1つ以上の較正DACセルであって、第2のアナログトーンが第1のアナログトーンと反対の極性を有し、DACセル及び較正DACセルの出力が合計されて、DACのアナログ出力を形成する、DACセルと、第1のアナログトーン及び第2のアナログトーンから生じるエラートーンを感知する、DACのアナログ出力におけるセンスADCと、を備える、デジタル-アナログ変換器。
【0109】
実施例301.刺激発生器は、第1の周波数ビンとは異なる第2の周波数ビンで第2の基本エネルギーを有する第2のデジタルエンコーディングされた較正刺激を更に生成し、DACセルは、第2のデジタルエンコーディングされた較正刺激の重み付けされたバージョンを更に受信し、DACのアナログ出力で第3のアナログトーンを更に生成し、DACは、第2のデジタルエンコーディングされた較正刺激の更なる重み付けされたバージョンを受信し、第4のアナログトーンを更に生成する、1つ以上の更なる較正DACセルを更に含み、センスADCは、第3のアナログトーン及び第4のアナログトーンから生じる更なるエラートーンを感知する、実施例300に記載のバックグラウンド較正を有するDAC。
【0110】
実施例302.実施例300又は実施例301のバックグラウンド較正を有するDACは、実施例100~102のいずれかの方法を実装することができる。
【符号の説明】
【0111】
100 DAC
102 デコーダブロック
104 デコーダブロック
106 遅延ブロック
108 ユナリDACセル
110 ユナリDACセル
112 バイナリDACセル
202 DACセル
204 基準DACセル
206 較正DACセル
302 DACセル
304 冗長DACセル
402 DACセル
404 第1の冗長DACセル
406 第2の冗長DACセル
502 DAC
504 刺激発生器
506 センスADC
508 エラー抽出ロジック
510 歪みロジック
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】