(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126243
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】ゾーンダイナミックレーシングシステム
(51)【国際特許分類】
A43C 11/14 20060101AFI20230831BHJP
A43B 23/02 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
A43C11/14
A43B23/02 105Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023101398
(22)【出願日】2023-06-21
(62)【分割の表示】P 2021523944の分割
【原出願日】2019-11-05
(31)【優先権主張番号】62/756,130
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/674,106
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】グリーンスパン,ジョエル ライプ
(72)【発明者】
【氏名】ラム,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ミナミ,テツヤ ティー.
(72)【発明者】
【氏名】オーランド,オースティン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ボイド,パトリック ディー.
(57)【要約】
【課題】履物製品を提供する。
【解決手段】履物製品は、内部空所を画定し、第1の領域と第2の領域とを有するアッパーを含む。履物製品はまた、アッパーに取り付けられたソール構造を含む。履物製品は、第1の領域を横切ってアッパー及びソール構造の1つに固定された第1の端部まで延びる第1の締結セグメントと、第2の領域を横切ってアッパー及びソール構造の1つに固定された第2の端部まで延びる第2の締結セグメントとを含むケーブルを含む。履物製品は、さらに、アッパー及びソール構造の1つに取り付けられたケーブルロックを含み、ケーブルロックは、第1の締結セグメント及び第2の締結セグメントを受け入れるように構成され、第1の締結セグメント及び第2の締結セグメントのそれぞれの位置を互いに独立して固定するように動作可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物製品であって:
内部空所を画定し、第1の領域と第2の領域とを有するアッパーと;
前記アッパーに取り付けられたソール構造と;
前記第1の領域を横切って前記アッパー及び前記ソール構造の1つに固定された第1の終端部まで延びる第1の締結セグメントと、前記第2の領域を横切って前記アッパー及び前記ソール構造の1つに固定された第2の終端部まで延びる第2の締結セグメントとを有するケーブルと;
前記アッパー及び前記ソール構造の1つに取り付けられたケーブルロックであって、前記ケーブルロックは、前記第1の締結セグメント及び前記第2の締結セグメントを受け入れるように構成され、前記第1の締結セグメント及び前記第2の締結セグメントの各々の位置を互いに独立して固定するように動作可能なケーブルロックと;を有する、
履物製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年11月5日に出願された米国非仮特許出願第16/674,106号に対する優先権を主張し、この出願は、2018年11月6日に出願された米国仮特許出願第62/756,130号に対する米国特許法第119(e)条に基づく優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、締め付け状態(constricted state)と弛緩状態(relaxed state)との間で履物を移動させるためのダイナミックレーシングシステム(dynamic lacing system)を有する履物製品に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、必ずしも従来技術ではない、本開示に関する背景情報を提供する。
【0004】
履物製品は、従来、アッパー及びソール構造を含む。アッパーは、ソール構造上の足を受け入れ、固定し、支持するために、任意の適切な材料(複数可)から形成することができる。足の底面に近接したアッパーの底部は、ソール構造に付着する。ソール構造は、一般に、地面とのトラクション及び耐摩耗性を提供するアウトソールと、足のためのクッションを提供するためにアウトソールとアッパーとの間に配置されるミッドソールとの間に延びる層状構成を含む。
【0005】
アッパーは、レース(laces)、ストラップ、又は他のファスナ(fasteners)と協働して、足のまわりのアッパーのフィット(fit)を調整することができる。例えば、レースを足の周りのアッパーを閉じるために締め、足の周りのアッパーの所望のフィットが得られたら、結ぶことができる。レースを結ぶたびに、足の周りのアッパーが緩すぎたりきつすぎたりしないことを確実にする注意が必要である。さらに、履物の着用中にレースが緩む又はほどけることがある。フック及びループファスナなどのファスナは、従来のレースよりも操作が容易であり、かつ、より迅速であるが、これらのファスナは、経時的に摩耗する傾向があり、アッパーを足に固定する際に所望の張力を得るためにより多くの注意を必要とする。
【0006】
既知の自動締め付けシステムは、典型的には、回転可能なノブなどの締め付け機構を含み、これは、足の周りのアッパーを閉じるためにアッパーと相互作用する1つ又は複数のケーブルに張力を加えるように操作することができる。これらの自動締め付けシステムは、足の周りのアッパーの所望のフィットを達成するために1つ又は複数のケーブルの張力の大きさを漸増させることができるが、足の周りにアッパーを固定するためにケーブルを適切に締め付けるために締め付け機構を操作する時間のかかる作業を必要とし、履物を足から外すことが所望される場合には、着用者は、ケーブルの張力を解放するために、解放機構を押すと同時に、足からアッパーを引き離す必要がある。さらに、これらの自動締め付けシステムは、1つ又は複数のケーブルの長さに沿って一定の張力を提供し、それにより、回転可能なノブを回転は、ケーブル全体を一様に締め付ける。アッパーの第1の領域をアッパーの第2の領域とは異なる速度(rate)で締め付けることが望ましい場合には、追加のケーブル及び締め付け機構を別々に組み込み、制御しなければならない。
【0007】
従って、既知の自動締め付けシステムは、足の周りにアッパーを閉じるためにケーブルの張力を迅速かつ可変的に調節し、また、足から履物を外すためにアッパーを迅速に緩めることができるように、ケーブルに加えられた張力を迅速に解放するための適切な設備を欠いている。さらに、これらの既知の自動締め付けシステムによって使用される締め付け機構は、締め付け機構が足の周りのアッパーのフィットを調整するために装着者にアクセス可能であり、それによって履物の一般的な外観及び美観を損なうように、アッパーの外側に組み込まれる必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
明細書に記載される図面は、選択された構成のみを例示するためのものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0009】
【
図1】本開示の原理によるケーブルの移動を制限するロック状態とケーブルの移動を可能にするロック解除状態との間で移動可能なケーブルロックを有する履物製品の外側側部(lateral side)の立面図である。
【
図2】
図1の履物製品の内側側部(medial side)の立面図である。
【
図4A】
図1の履物製品の上面斜視図であり、弛緩状態のケーブルを示す。
【
図4B】
図1の履物製品の上面斜視図であり、履物製品の外側側部が履物製品の内側側部より締め付けられた締め付け状態のケーブルを示す。
【
図4C】
図1の履物製品の上面斜視図であり、履物製品の外側側部が履物製品の内側側部より締め付けられていない別の締め付け状態のケーブルを示す。
【
図5】本開示の原理によるケーブルの移動を制限するためのロック状態とケーブルの移動を可能にするためのロック解除状態との間で移動可能なケーブルロックを有する別の履物製品の外側側部の立面図である。
【
図8A】
図5の履物製品の上斜視図であり、弛緩状態のケーブルを示す。
【
図8B】
図5の履物製品の上面斜視図であり、履物製品の外側側部が履物製品の内側側部より締め付けられた締め付け状態のケーブルを示す。
【
図8C】
図5の履物製品の上面斜視図であり、履物製品の外側側部が履物製品の内側側部より締め付けられていない別の締め付け状態のケーブルを示す。
【
図9】本開示の原理によるケーブルの移動を制限するためのロック状態とケーブルの移動を可能にするためのロック解除状態との間で移動可能なケーブルロックを有する、別の履物製品の外側側部の立面図である。
【
図10】
図9の履物製品の内側側部の立面図である。
【
図12】本開示の原理によるケーブルの移動を制限するためのロック状態とケーブルの移動を可能にするためのロック解除状態との間で移動可能なケーブルロックを有する別の履物製品の外側側部の立面図である。
【
図15】本開示の原理によるケーブルロック及びケーブルの斜視図である。
【
図16】
図15のケーブルロック及びケーブルの分解図であり、ケーブルロックのハウジング及びロック部材を示す。
【
図17】
図15のケーブルロックの上面図であり、ロック部材がロック状態にあるときのハウジング内に摺動可能に配置されたロック部材を露出するために蓋が除去されたハウジングを示す。
【
図18】
図15のケーブルロックの上面図であり、ロック部材がロック解除状態にあるときのハウジング内に摺動可能に配置されたロック部材を露出するために蓋が除去されたハウジングを示す。
【
図19】
図15のケーブルロックの斜視図であり、ケーブルロックのハウジングを示す。
【
図20】本開示の原理によるケーブルロック及びケーブルの斜視図である。
【
図21】
図20のケーブルロック及びケーブルの分解図であり、ケーブルロックのハウジング及びロック部材を示す。
【
図22】
図20のケーブルロックの上面図であり、ロック部材がロック状態にあるときのハウジング内に摺動可能に配置されたロック部材を露出するために蓋が除去されたハウジングを示す。
【
図23】
図20のケーブルロックの上面図であり、ロック部材がロック解除状態にあるときのハウジング内に摺動可能に配置されたロック部材を露出するために蓋が除去したハウジングを示す。
【
図24】
図22の切断線24-24に沿って取られ、プーリとケーブルロックの突起との間のインターフェースを示す、
図20のケーブルロックの断面図である。
【
図25】
図20のケーブルロックのハウジングの斜視図であり、ハウジングは、ケーブルロックのプーリとインターフェース接続するための突起を含む。
【
図26】
図20のケーブルロックのハウジングの別の例の斜視図であり、ハウジングは、ケーブルロックのプーリとインターフェース接続するための突起を含まない。
【0010】
対応する参照番号は、図面全体を通して対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して、例示的な構成をより詳細に説明する。例示的な構成は、本開示が詳細であり、当業者に本開示の範囲を完全に伝えるように提供される。本開示の構成の完全な理解を提供するために、特定の構成要素、装置、及び方法の例のような特定の詳細が記載されている。当業者には明らかであろうが、特定の詳細を使用する必要はなく、例示的な構成は多くの異なる形態で実施することができ、特定の詳細及び例示的な構成は、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0012】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な構成のみを説明するためのものであり、限定することを意図したものではない。本明細書で使用されるとき、単数冠詞「1つの(“a”、“an”)及び「その(“the”)」は、文脈が他のことを明確に示していない限り、複数形も含むことが意図され得る。「有する」、「有する」、「含む」及び「有する」という用語は、包括的であり、特徴、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ又は複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除しない。本明細書に記載される方法ステップ、プロセス、及び動作は、特に実行の順序として具体的に識別されない限り、必ずしも、説明又は図示される特定の順序でのそれらの実行を必要とすると解釈されるべきではない。追加のステップ又は代替のステップが用いられ得る。
【0013】
ある要素又は層が、別の要素又は層「の上にある」、「に係合される」、「に接続される」、「に取り付けられる」、又は「に結合される」と称される場合、それは、他の要素又は層に直接上にあり得る、係合され得る、接続され得る、取り付けられ得る、若しくは結合され得る、又は介在する要素若しくは層が存在し得る。対照的に、ある要素が「直接上にある」、「直接係合される」、「直接接続される」、「直接取り付けられる」、又は「直接結合される」と称される場合、介在する要素又は層は存在していなくてもよい。要素間の関係を記載する他の用語は、同様の方法で(例えば、「間に」対「直接間に」、「隣接して」対「直接隣接して」など)で解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、用語「及び/又は」は、関連するリストされたアイテムのうちの1つ又は複数のすべての組み合わせを含む。
【0014】
第1、第2、第3等という用語は、種々の要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションを記述するために本明細書中で使用され得る。これらの要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層又はセクションを別の領域、層又はセクションから区別するためにのみ使用され得る。「第1」、「第2」及び他の数値用語などの用語は、文脈によって明確に示されない限り、シーケンス又は順序を意味しない。従って、以下に説明する第1の要素、構成要素、領域、層又はセクションは、例示的な構成の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層又はセクションと呼ぶことができる。
【0015】
本開示の一態様は、履物製品を提供する。履物製品は、内部空所(interior void)を画定し、第1の領域及び第2の領域を有するアッパー(upper)を含む。履物製品はまた、アッパーに取り付けられたソール構造(sole structure)を含む。履物製品は、さらに、第1の領域を横切ってアッパー及びソール構造の一方に固定された第1の終端部(terminal end)まで延びる第1の締結セグメント(fastening segment)と、第2の領域を横切ってアッパー及びソール構造の一方に固定された第2の終端部まで延びる第2の締結セグメントとを含むケーブルを含む。履物製品はまた、アッパー及びソール構造の一方に取り付けられたケーブルロックを含み、ケーブルロックは、第1の締結セグメント及び第2の締結セグメントを受け入れるように構成され、第1の締結セグメント及び第2の締結セグメントのそれぞれの位置を互いに独立して固定するように動作可能である。
【0016】
本開示の実装は、以下のオプションの特徴の1つ又は複数を含み得る。いくつかの実装では、第1の領域及び第2の領域のいずれか又は両方は、弾性材料を含む。第1の領域はアッパーの内側側部に配置され、第2の領域はアッパーの外側側部に配置される。また、第1の領域は、第2の領域よりもアッパーの足首(ankle)開口部の近くに配置され得、第2の領域は、第1の領域よりもアッパーのつま先(toe)領域の近くに配置され得る。いくつかの例では、第1の終端部はアッパーの内側側部に固定され、第2の終端部はアッパーの外側側部に固定される。
【0017】
いくつかの構成では、ケーブルロックは、ソール構造内に配置される。ここで、ケーブルロックは、ケーブルロックをロック状態からロック解除状態に移動させるように動作可能なリリースケーブルをさらに含む。
【0018】
いくつかの実装では、第1の領域及び第2の領域の少なくとも1つは、第1の一連のケーブルガイドを含む上縁部と、第2の一連のケーブルガイドを含む下縁部とを含み、第1の締結セグメント及び第2の締結セグメントの少なくとも1つは、第1の領域及び第2の領域の少なくとも1つの長さに沿って、第1の一連のケーブルガイドと第2の一連のケーブルガイドとの間を交互にルーティングされる。ケーブルは、ケーブルロックを介して第1の締結セグメントに接続された第1の制御セグメントと、ケーブルロックを介して第2の締結セグメントに接続された第2の制御セグメントとを含み得る。第1の制御セグメントに加えられる引張力は、第1の締結セグメントに第1の締め付け力を誘発し、第2の締結セグメントに第2の締め付け力を誘発する。第1の締め付け力は、第2の締め付け力より大きい又は小さいかのいずれかのうちの一方である。
【0019】
本開示の別の態様は、履物製品を提供する。履物製品は、内部空所を画定し、第1の領域及び第2の領域を有するアッパーと、アッパーに取り付けられたソール構造とを含む。履物製品はまた、第1の領域を横切ってアッパーに固定された第1の終端部まで延びる第1の締結セグメントと、第2の領域を横切ってアッパーに固定された第2の終端部まで延びる第2の締結セグメントと、第1の締結セグメントに対する第1の締め付け力と第2の締結セグメントに対する第2の締め付け力のうちの少なくとも1つを提供するように動作可能な制御部分とを含み、第1の締め付け力は、第2の締め付け力よりも大きい又は小さいかのいずれかの一方である。履物製品は、さらに、アッパー及びソール構造の1つに取り付けられ、ケーブルの一部を中に受け入れるケーブルロックを含み、ケーブルロックは、ケーブルの移動を防止するためのロック状態と、ケーブルの移動を可能にするためのロック解除状態との間で動作可能である。
【0020】
本開示の実装は、以下のオプションの特徴の1つ又は複数を含み得る。いくつかの実装では、第1の締結セグメント及び第2の締結セグメントは、ケーブルロックで制御部分に接続される。ケーブルロックは、ソール構造内に配置され得る。ケーブルロックはさらに、ケーブルロックをロック状態からロック解除状態に移動させるように動作可能なリリースケーブルを含む。
【0021】
いくつかの実装では、第1の領域はアッパーの内側側部に配置され、第2の領域はアッパーの外側側部に配置される。ここで、第1の領域及び第2の領域の少なくとも1つは、足首開口部からアッパーの前足部(forefoot)領域まで延びている。また、第1の領域は、第2の領域よりもアッパーの足首開口部の近くに配置され得、第2の領域は、第1の領域よりもアッパーのつま先領域の近くに配置され得る。
【0022】
他の例では、第1の領域及び第2の領域の少なくとも1つは、第1の一連のケーブルガイドを含む上縁部と、第2の一連のケーブルガイドを含む下縁部とを含み、それによって、第1の締結セグメント及び第2の締結セグメントの少なくとも1つは、第1の領域及び第2の領域の少なくとも1つの長さに沿って、第1の一連のケーブルガイドと第2の一連のケーブルガイドとの間を交互にルーティングされる。他の例では、第1の終端部はアッパーの内側側部に配置され、第2の終端部はアッパーの外側側部に配置される。
【0023】
幾つかの構成では、制御部分は、第1の締結セグメントにソール構造で接続された第1の制御セグメントと、第2の締結セグメントにソール構造で接続された第2の制御セグメントとを含む。第1の制御セグメントに加えられる引張力は、第1の締結セグメントに第1の締め付け力を誘発し、第2の締結セグメントに第2の締め付け力を誘発する。
【0024】
図1~
図3を参照すると、可変張力を提供するシステムを含む履物製品10の一例が開示されている。いくつかの実装では、履物製品10は、アッパー100と、アッパー100に取り付けられたソール構造200とを含む。履物製品10は、さらに、アッパー100とソール構造200のうちの少なくとも1つに一体化されたケーブルロック300及び締結システム400とを含む。締結システム400は、以下に詳述するように、締め付け状態と弛緩状態との間で履物製品10を移動させるためにケーブルロック300と協働するケーブル402を含む。特に、ケーブル402は、履物製品10を締め付け状態に移動させるために締め付け方向D
Tに移動可能である。いくつかの実装では、アッパー100及びソール構造200は協働して、ケーブルロック300を通るケーブル402の部分をルーティングするための通路及びガイドを提供する。ケーブルロック300は、ケーブル402を締め付け状態に選択的に固定するように構成される。
【0025】
履物製品10は、1つ又は複数の領域に分割され得る。領域は、前足部領域12、中足部領域14、及び踵領域16を含み得る。前足部領域12は、足の中足骨と指節骨とを接続するつま先及び関節に対応し得る。中足部領域14は、足のアーチ領域に対応し、踵領域16は、踵骨を含む足の後部領域に対応する。履物10は、さらに、前足部領域12の最前点(forward-most point)に関連する前端部(anterior end)18と、踵領域16の最後点(rearward-most point)に対応する後端部(posterior end)20とを含み得る。
図3に示すように、履物10の長手方向軸A
Fは、履物10の長さに沿って前端部18から後端部20に延び、概して履物10を外側側部22と内側側部24とに分割する。従って、外側側部22及び内側側部24は、それぞれ履物10の両側面に対応し、領域12、14、16を通って延びる。
【0026】
アッパー100は、ソール構造200に支持するために足を受け入れて固定するように構成される内部空所102を画定する内部表面を含む。踵領域16の足首開口部104は、内部空所102へのアクセスを提供し得る。例えば、足首開口部104は、足を空所102内に固定し、足の内部空所102への進入及び内部空所102から外すことを容易にするように足を受け入れ得る。アッパー100は、外側側部22と内側側部24との間に延び、内部空所102を覆う舌部106を含み得る。アッパー100は、履物10を足の上に引っ張ったり外したりするための足首開口部104に隣接して形成された1つ又は複数のグリップ特徴部(grip features)108を含む。
【0027】
アッパー100は、内部空所102を画定するために一緒に縫われた又は接着された1つ又は複数の材料から形成され得る。アッパー100の適切な材料には、織物、フォーム、皮革、及び合成皮革が含まれるが、これらに限定されない。例示的なアッパー100は、締め付け状態と弛緩状態との間のアッパー100の移動を容易にするために、アッパー100の異なる領域に配置された1つ又は複数の実質的に非弾性又は非伸縮性の材料と1つ又は複数の実質的に弾性又は伸縮性の材料との組み合わせから形成され得る。1つ又は複数の弾性材料は、限定されるものではないが、スパンデックス、エラスタン、ゴム又はネオプレンなどの1つ又は複数の弾性織物の任意の組み合わせを含み得る。1つ又は複数の非弾性材料は、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン、皮革、ビニール、又は弾性特性を付与しない他の材料/布のうちの1つ又は複数の組み合わせを含み得る。
【0028】
例えば、アッパー100の外側側部22及び内側側部24の一方又は両方は、1つ又は複数の非弾性材料から形成される非弾性領域110と、1つ又は複数の弾性材料から形成される1つ又は複数の調整領域112、114とを含み得る。調整領域112、114は、非弾性領域110によって部分的に境界されて、アッパー100の弾性ゾーンを提供し得る。調整領域112、114の各々は、第1の端部116から、前足部領域12及び中足部領域14の一方内の第2の端部118まで延び、上縁部120と、上縁部120から調整領域112、114の反対側に形成され、第1の端部116と第2の端部118との間に延びる下縁部122とを含む。いくつかの例では、第1の端部116は、足首開口部104に形成され得る。従って、調整領域112、114の第1の端部116は、足首開口部104の一部を画定し、足の受け入れに対応するためのある程度の伸展を足首開口部104に与える。
【0029】
図示の例では、アッパー100は、アッパー100の外側側部22に配置された第1の調整領域112と、アッパー100の内側側部24に配置された第2の調整領域114とを含む。概して、第1の調整領域112は、足首開口部104の第1の端部116から、アッパー100の外側側部22に沿って、前足部領域12の第2の端部118まで延び、第2の調整領域114は、足首開口部104の第1の端部116から、アッパー100の内側側部24に沿って、前足部領域12又は中足部領域14の第2の端部118まで延びる。
【0030】
図1~4に示すアッパー100の一例では、第1の調整領域112は、アッパー100の外側側部22の足首開口部104の第1の端部116から、外側側部22に沿って、中足部領域14を通って、前足部領域12のアッパー100の外側側部22の第2の端部118まで延びる。同様に、第2の調整領域114は、アッパー100の内側側部24の足首開口部104の第1の端部116から、アッパー100の内側側部24に沿って、中足部領域14を通って、前足部領域12に隣接する第2の端部118まで延びる。アッパー100の調整領域112、114のうちの少なくとも1つの上縁部120及び下縁部122は、蛇行形状(serpentine profile)で形成され得、これにより、上縁部120から下縁部122までの調整領域112、114の幅は、第1の端部116から第2の端部118までの調整領域112、114の長さの少なくとも一部に沿って可変である。いくつかの例では、調整領域のうちの少なくとも1つ112の下縁部120の一部は、ソール構造200と一致し、これに沿って延び得る。
【0031】
いくつかの実装では、ソール構造200は、アウトソールプレート202を含む。アウトソールプレート202は、地面係合面204と、地面係合面204とは反対側のアウトソールプレート202に形成された反対側の内側表面206とを含む。周辺側面208が、地面係合面204と内側表面206との間に延び、アウトソールプレート202の外周を画定する。図示の例では、アウトソールプレート202は、履物10の前端部18から後端部20まで延びる。アウトソールプレート202は、ステッチング又は接着剤を用いてアッパー100に取り付けられ得る。アウトソールプレート202は、概して、地面との耐摩耗性及びトラクション(traction)を提供し、耐久性及び耐摩耗性を付与し、地面とのトラクションを高める1つ又は複数の材料から形成され得る。いくつかの例では、ソール構造200は、中間ソール及び/又はストローベル(strobel)を含む1つ又は複数のクッション層で形成され得、アウトソールは、ゴムなどの弾性ポリマー材料で形成され得る。
【0032】
図3に示すように、ソール構造200は、中にケーブルロック300を収容するためのキャビティ210を含み得る。図示の例では、キャビティ210は、ケーブルロック300が地面係合面204に沿って露出するように、アウトソールプレート202の地面係合面204を通って形成される。他の構成は、地面係合面204を通って延びることなく、内側表面206内に形成されたキャビティ210を含んでもよい。いくつかの例では、ソール構造200は、ケーブルロック300とアッパー100の外部の間に様々なケーブル及びコードをルーティングするために、キャビティ210から周辺側面208に延びる複数の導管212をさらに含み得る。いくつかの例では、導管212は、アウトソールプレート202とは異なる材料で形成され得る。例えば、導管212は、ケーブル402とソール構造200との間の摩擦を最小限にするために、アウトソールプレート202を形成する材料よりも低い摩擦係数を有する材料から形成された管状インサートであり得る。
【0033】
図3に示す例を参照すると、アウトソールプレート202の地面係合面204は、そこから延びる複数のトラクション要素214a、214bを含む。トラクション要素214a、214bは、一体型トラクション要素214a及び取り付けられたトラクション要素214bを含む。一体型トラクション要素214aは、アウトソールプレート202と同じ材料から形成され、成形プロセス中に地面係合面204と一体に形成される。
【0034】
一体型トラクション要素214aとは対照的に、取り付けられたトラクション要素214bは、最初に、アウトソールプレート202とは別個に形成され、成形プロセスの間又は後にアウトソールプレート202に固定される。
図3に示すように、取り付けられたトラクション要素214bは、フランジ216と、フランジ216から延びるスパイク218とを含み得る。いくつかの例では、フランジ216は、トラクション要素214bの回転を防止するために、アウトソールプレート202の材料に係合するように構成された複数の半径方向に配置されたタブを含み得る。スパイク218は、円錐形であり得、アウトソールプレート202の地面係合面204から突出する。
【0035】
いくつかの例では、取り付けられたトラクション要素214bのフランジ216は、アウトソールプレート202内に封入され(encapsulated)、内側表面206と接地係合面204との中間に位置する。例えば、アウトソールプレート202を形成する成形プロセスの間に、取り付けられたトラクション要素214bは、スパイク218がアウトソールプレート202の地面係合面204に対応するアウトソールプレート型表面を通して受け入れられるように、最初にアウトソールプレート型に設けられ得、一方フランジ216は、アウトソールプレート202の地面係合面204に対応する型表面から離間される。次に、溶融材料が前足プレート型に供給され、フランジ216をアウトソールプレート202内に封入し、一方、スパイク218は、
図3に示すように、アウトソールプレート202を貫通して延び、地面係合面204から突出する。
【0036】
追加的又は代替的に、スパイク218は、スパイク218を交換できるように、アウトソールプレート202に取り外し可能に取り付けられ得る。例えば、アウトソールプレート202は、トラクション要素214bに関して上述したのと同様の方法でアウトソールプレート202内に封入されたフランジ216を含むねじ付きブッシュ220を有し得る。ねじ付きブッシュ220は、スパイク218の対応するねじ山がねじ付きブッシュ220と係合してスパイク218を取り外し可能に固定することができるように、アウトソールプレート202の地面係合面204を通って露出され得る。しかしながら、
図1~
図3に示す例示的な実施形態とは対照的に、本発明のすべての実施形態が、アウトソールプレート202及び/又はトラクションスパイク218のいずれかを含む履物を含むわけではなく、代わりに、例えば、クッション付きミッドソール及びゴム製アウトソール、又は単一のミッドソール/アウトソール構造を含んでもよい。
【0037】
図4Aに最も良く示されているように、締結システム400は、ケーブル402と、ケーブル402をルーティングし、履物製品10に沿ってケーブル402の張力を分散する(distributing)ために、アッパー100及びソール構造200上又はそれらの中に形成されたトラッキングシステム404とを含む。
図1に示すように、それぞれの制御部分406及び締結部分408への締め付け力F
T及び弛緩力F
Lのそれぞれの印加は、ケーブル402の長さに沿って引張力を付与させる。概して、締め付け力F
T又は弛緩力F
Lの1つがケーブル402に加えられると、以下により詳細に説明するように、トラッキングシステム404は、調整領域112、114を締め付けさせる又は調整領域112、114が弛緩するのを可能にするために、調整領域112、114の上縁部及び下縁部120、122に沿った複数のポイントに沿って、ケーブル402の張力を分散させる。
【0038】
ケーブル402は、高潤滑性であり得る、及び/又は、弾性率が低く引張強度が高い1つ又は複数の繊維から形成され得る。例えば、繊維は、高い強度対重量比及び低い弾性を有する高い弾性率のポリエチレン繊維を含み得る。加えて又は代替的に、ケーブル402は、成形モノフィラメントポリマー及び/又は他の潤滑コーティングを有する又は有さない織鋼から形成され得る。いくつかの例では、ケーブル402は、一緒に織られた材料の複数のストランドを含む。
【0039】
図示の例では、ケーブル402は、ケーブルロック300から第1の方向に延びる制御部分406と、ケーブルロック300から第2の方向に延びる締結部分408と、制御部分406と締結部分408とを接続するロック部分410とを含む。制御部分406は、ケーブル402を締め付け方向DTに移動させるために締め付け力FTを加えるように構成される。履物製品10に組み込まれる場合、制御部分406は、ユーザがケーブル402を締め付け方向DTに引っ張ることが容易にできるように履物製品10上に配置され得る。締結部分408は、締め付け力FTが制御部分406に加えられるときに履物製品10を締めるためにトラッキングシステム404と協働するように構成される。逆に、締結部分408はまた、弛緩方向DLにケーブル402を移動させるために、弛緩力FLを加えるように構成される。ロック部分410は、ケーブルロック300内に配置され、ケーブルロック300とインターフェース接続して(interfaces with)、ケーブル402の位置を固定する。
【0040】
図4Aを参照すると、ケーブル402は、ケーブルロック300に関連して規定された種々のセグメントを含み得る。例えば、制御部分406は、第1の制御セグメント412及び第2の制御セグメント414を含むものと称され得る。図示のように、第1の制御セグメント412は、ソール構造200の底部のケーブルロック300から、アッパー100の外側側部22に沿って延び、第2の制御セグメント414は、ケーブルロック300から、アッパー100の内側側部24に沿って延びる。
【0041】
同様に、締結部分408は、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418を含み得る。第1の締結セグメント416は、ソール構造200の底部のケーブルロック300から延び、第1の調整領域112に沿ってルーティングされる。同様に、第2の締結セグメント418は、ケーブルロック300から延び、第2の調整領域114に沿ってルーティングされる。第1の制御セグメント412は、ケーブルロック300を通って延びる第1のロックセグメント420によって第1の締結セグメント416に接続され、第2の制御セグメント414は、ケーブルロック300を通って延びる第2のロックセグメント422によって第2の締結セグメント418に接続される。
【0042】
図示の例では、第1の制御セグメント412と第2の制御セグメント414は互いに接続されており、ケーブルロック300から、アッパー100の舌部106の周囲に、そして、ケーブルロック300に戻るケーブル402の連続長さを画定する。連続的に形成された制御部分406とは対照的に、締結部分408は、締結セグメント416、418の各々が終端部424を含むように連続的ではない。以下にさらに詳細に説明するように、終端部424は、互いに離散した位置でアッパー100の非弾性領域110に取り付けてよい。代替的には、終端部424は、履物10の別の領域で互いに接続されてもよい。
【0043】
ケーブル402の全長は一定であるが、制御部分406とケーブル402の締結部分408の有効長さは、ケーブルロック300に対するケーブル402の位置に依存する。例えば、制御部分406が引っ張られ、ケーブル402がケーブルロック300を通って締め付け方向DTに移動すると、制御部分406の有効長さが増加し、締結部分408の有効長さは減少する。逆に、締結部分408が引っ張られ、ケーブル402がケーブルロック300を通って弛緩方向DLに移動すると、締結部分408の有効長さが増加して履物製品10を弛緩させ、制御部分406の有効長さは減少する。上述のように、ロック部分410は、ケーブル402の位置に関係なく、ケーブルロック300内に収容されるケーブル402の部分に関連する(refers to)。したがって、制御部分406、締結部分408、及びロック部分410は、ケーブル402自体の固定セクションではなく、ケーブルロック300に対するケーブル402の位置に依存する。
【0044】
締結システム400のケーブル402は、以下により詳細に説明するように、締め付け状態と弛緩状態との間で履物製品10を移動させるためにケーブルロック300と協働するように構成される。例示的な実施形態では、ケーブルロック300及び締結システム400は、ゾーン締め付けを提供するためにアッパー100と協働するように構成され、それにより、履物10の外側側部22に関連するケーブル402の一部に加えられる締め付け力FT1、FT2又は弛緩力FL1、FL2は、履物10の内側側部24に関連するケーブル402の一部に加えられる締め付け力FT1、FT2又は弛緩力FL1、FL2とは異なる。従って、アッパー100の外側側部22及び内側側部24は、足の異なる部分に沿って異なるきつさ(tightness)を有するように調整され得る。例えば、第1の大きさを有する締め付け力FT1が第1の制御セグメント412に加えられ得、一方、第2の大きさを有する締め付け力FT2が第2の制御セグメント414に加えられ得る。従って、第1の締め付け力FT1は、第1のロックセグメント420に加えられ、一方、第2の締め付け力FT2は、第2のロックセグメント422に加えられ、それによって、第1のロックセグメント420を、第2のロックセグメント422よりも大きな速度(rate)で、ケーブルロック300を通って引っ張らせる。締結セグメント416、418の終端部424は互いに分離しているため、第1の締め付け力FT1は第1の締結セグメント416に加えられ、第2の締め付け力FT2は第2の締結セグメント418に加えられる。
【0045】
いくつかの例では、アッパー100の外側側部22及び内側側部24の少なくとも1つは、アウトソールプレート202の導管212からアッパー100に沿ってケーブル402をルーティングする一連のケーブルガイド426を含む。図示の例では、トラッキングシステム404のケーブルガイド426は、そこを通ってケーブル402を摺動可能に受容するための通路を画定する織物又はメッシュループによって形成される。他の例では、ケーブルガイド426は、締結セグメント416、418を受け入れるために、アッパー100の非弾性領域110を通って形成された開口(apertures)(例えば、アイレット)、又はアッパー100の非弾性領域110に取り付けられたファブリック又はメッシュループを含み得る。ファブリック又はメッシュのループ/ウェビングは、ケーブル402が締め付け方向DTに移動するときに、ケーブル402と摩擦を生じさせ得る。
【0046】
ケーブルガイド426として使用するための布又はメッシュループの最大数は、累積摩擦がケーブル402による締め付け方向DTの移動を有害に阻害しないように、ケーブル402のターンの閾値数を超えないように選択され得る。いくつかの例では、ケーブルガイド426は、硬質の(rigid)低摩擦材料(例えば、高密度ポリエチレンなど)で形成され得、ケーブル402を受けるための弓状の内面を有し得る。いくつかの例では、ケーブルガイド426の内側(すなわち、ケーブル接触)表面は、その中のケーブル402の動きを容易にする潤滑性ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレンなど)のような低摩擦材料で裏打ち又は被覆される。ケーブルガイド426を低摩擦材料でコーティングすることによって、各レーシングパターンによって得られるターンの数を、ケーブル経路全体にわたって有害に高い(例えば、機能を損なう)摩擦レベルを招くことなく増加させることができる。
【0047】
引き続き
図4Aを参照すると、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418は、アッパー100の調整領域112、114に沿って配置された複数のケーブルガイド426を通ってルーティングする。ケーブルガイド426を通ってルーティングした後、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418の終端部424は、アッパー100の非弾性領域110に取り付けられる。図示の例では、終端部424は、調整領域112、114の第2の端部118に隣接して、離散した取り付けポイント428でアッパー100に取り付けられる。他の例では、終端部424は、単一の取り付けポイントで互いに動作可能に接続され得る。例えば、コネクタが、終端部424を互いに接続し得る、又は終端部424は、一緒に結び付けられ得る、互いに接着接合され得る、若しくは一緒に融着され得る。
【0048】
図4Aを参照すると、アッパー100の外側側部22及び内側側部24の各々は、調整領域112、114の上縁部120に沿って配置された第1の一連のケーブルガイド426と、それぞれの調整領域112、114の下縁部122に沿って配置された第2の一連のケーブルガイド426とを含む。従って、調整領域112、114は、上下の一連のケーブルガイド426の間に配置される。図示のように、ケーブルガイド426は、ケーブルガイド426によって調整領域112、114の長さに沿ってケーブル402が上縁部120と下縁部122との間を蛇行する(serpentine)方法でルーティングされるように、上縁部120及び下縁部122に沿って交互に配置される。
【0049】
ケーブルガイド426の数は、ケーブル402が締め付け方向DT又は弛緩方向DFに移動するときに低いレベルの摩擦を提供するように選択され得る。図示された例は、上縁部120に沿った2つのケーブルガイド及び下縁部122に沿った2つのケーブルガイド426を含む外側側部22及び内側側部24の各々のケーブルガイド426を示しているが、他の構成は、より多い又はより少ない数のケーブルガイド426を有する各セットを含んでもよい。いくつかの例では、上縁部120は、下縁部122よりも多数のケーブルガイド426を含む。さらに別の例では、上縁部120及び下縁部122はそれぞれ、同じ数のケーブルガイド426を含む。さらに、ケーブルガイド426のアッパー100への配置は、上縁部120と下縁部122との間に延びるケーブル402の各セクションが、ケーブルが締め付け方向DT、DLに移動するときの摩擦を低減するために実質的にまっすぐであるように、選択され得る。
【0050】
図3に示すように、締結システム400は、ソール構造200内に形成された導管212a~212eを組み込むことができる。導管212a~212eは、ケーブルロック300の外にアウトソールプレート202を通って延びるリリースケーブル384及びケーブル402の端部を収容し、ルーティングするように構成される。ここで、第1の導管212aは、ケーブルロック300と外側側部22との間に延びる第1の制御セグメント412の端部を受け入れ得、第2の導管212bは、ケーブルロック300と内側側部24との間に延びる第2の制御セグメント414の端部を受け入れ得る。同様に、第3の導管212cは、ケーブルロック300と外側側部22との間に延びる第1の締結セグメント416の端部を受け入れ得、第4の導管212dは、ケーブルロック300と内側側部24との間に延びる第2の締結セグメント418の端部を受け入れ得る。リリース導管212eは、ケーブルロック300の外に延びるリリースケーブル384の部分を受け入れ、ルーティングするように構成される。
図3に示す例では、リリース導管212eは、ケーブルロック300からソール構造200の後端部20に向かって延びている。
【0051】
締結システム400は、ケーブル402及び/又はリリースケーブル384をアッパー100に沿ってルーティングするための1つ又は複数の通路430をさらに含み得る。通路430は、アッパー100内に形成され得る、あるいは、通路430は、アッパー100の外側表面に取り付けられたシース又はカバーによって画定され得る。図示の例では、履物10は、周辺側面208に形成されたリリース導管212eの開口に隣接する第1の端部から、足首開口部104に隣接する第2の端部まで、アッパー100に沿って垂直に延びるリリース通路430を含む。リリース通路430は、リリースケーブル384をアウトソールプレート202から着用者が容易に到達可能なアッパー100の領域にルーティングするように構成される。
【0052】
図1~
図4に示す履物10の例では、リリース通路430は、リリース導管212eに隣接する第1の端部から足首開口部104の後方部分の第2の端部まで、アッパー100の後端部20に沿って垂直に延びる。従って、リリースケーブル384は、ケーブルロック300からリリース導管212eを通ってルーティングされ、後端部20でアウトソールプレート202の、周辺側面208から出る。次いで、リリースケーブル384は、リリース通路430の第1の端部を通過し、第2の端部から延びる。従って、リリース通路430から延びるリリースケーブル384の部分は、着用者によって把持されて、ケーブルロック300をロック解除状態に移動させるための解放力F
Rを加えることができる。
【0053】
上述のように、ケーブル402の制御部分406は、ケーブルロック300から延びる連続ループである。
図1、2、5、及び6に示すように、制御部分406は、足首開口部104に近接して(すなわち、着用者の足の甲の上の領域に近接して)舌部106の周囲に延びる。舌部106の周囲に延びる制御部分406の部分は、1つ又は複数のシース432内に封入され(enclosed)得る。各シース432は、さらに、締め付け力F
Tによって制御部分406がアッパー100から離れる方向に移動するとき(すなわち、ケーブル402が締め付け方向D
Tに移動するとき)、シース432及びケーブル402の制御部分406が弛緩状態から延伸又は拡張した状態に移動することを可能にする材料及び/又は織物から形成され得る。締め付け力F
Tが除去されると、シース432の材料及び/又は織物は、シース432を自動的に弛緩状態に収縮させ、ケーブル402によるバンチング(bunching)を収容させる(accommodate)。
【0054】
図示された例では、別個の制御部分グリップ434が、舌部106に近接した取り付け位置でシース432に操作可能に接続し、ユーザが締め付け力FTを加えて制御部分406をアッパー100から離すことを可能にし、それによって、アッパー100を締め付け状態に移動させるように互いに向かって上縁部120、下縁部122を同時に引き寄せることによって、調整領域112、114を締め付ける。他の構成は、制御部分グリップ434を制御部分406の長さに沿ってシース432の他の部分に操作可能に接続することを含み得る。いくつかの実装では、制御部分グリップ434は省略され、シース432は、ユーザが把持して、制御部分406をアッパー100から引き離すように締め付け力FTを加えることを可能にすることによって制御部分406に対応する。
【0055】
図1~
図4に示す履物10の例では、トラッキングシステム404は、使用中に制御部分グリップ434をアッパー100に固定するためのクロージャ436をさらに含む。例えば、締め付け状態のとき、制御部分406は、シース432の巻取りによって収容され得るよりも大きなたるみを有し得、アッパー100に対して拘束される必要があり得る。あるいは、履物10aは、制御部分406をアッパーに対してしっかりと保持するのに十分な巻取りをシース432が有する例では、クロージャを含まなくてもよい。
【0056】
図4A~
図4Cを参照すると、アッパー100及びソール構造200と併せてケーブルロック300及び締結システム400の使用が示されている。
図4Aは、弛緩状態にある履物10の例を示し、それによって、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418には弛みが与えられ、調整領域112、114は弛緩状態にある。弛緩状態では、着用者の足を、足首開口部104を介してアッパー100の内部空所102に挿入することができる。締結セグメント416、418内の弛みは、調整領域112、114が、伸張又は拡張状態に移動することを可能にし、それにより、着用者の足部を収容するための内部空所102の有効容積を増加させる。調整領域112、114は、弾性材料から形成されて、履物を締め付け状態に移動させる前に履物10を足に保持するために着用者の足に第1の程度の締め付けを提供し得る。
【0057】
図4Bに示すように、制御部分406を外側側部22及び内側側部24の一方に向かって引くことにより、履物10を第1の締め付け状態に移動させることができる。例えば、制御部分406は、アッパー100を第1の締め付け状態に移行させるために内側側部24に向かって引かれて示されている。より詳細には、制御部分406が内側側部24に向かって引っ張られると、第1の締め付け力F
T1が第1の制御セグメント412に加えられ、より小さい第2の締め付け力F
T2が第2の制御セグメント414に加えられる。第1の締め付け力F
T1は、第1の締め付け力F
T1が第1の制御セグメント412から第1の締結セグメント416に伝達されるときに、ケーブル402の第1のロックセグメント420を第1の距離だけケーブルロック300を通過させる。第1の締め付け力F
T1の第1の締結セグメント416への印加は、上縁部120に沿ったケーブルガイド426を外側側部22上の第1の調整領域112の下縁部122に沿った対向するケーブルガイド426に向かって移動させる。その結果、第1の調整領域112の上縁部120と下縁部122は、矢印T1によって示されるように互いに引っ張られ、それによって着用者の足の周りに第1の調整領域112を締め付ける。第1の調整領域112を締め付けることによって、調整領域112の弾性材料が伸張することができる量は、第1の締結セグメント416によって効果的に制限される。第1の締め付け力F
T1の大きさは、第1の調整領域112で許容される所望の伸張量(amount of stretch)に基づいて選択されることができる。
【0058】
同時に、制御部分406を内側側部24に向かって引っ張ることは、第1の締め付け力FT1よりも小さい第2の締め付け力FT2を第2の制御セグメント414に加えさせる。第2の締め付け力FT2は、第2の締め付け力FT2が第2の制御セグメント414から第2の締結セグメント418に伝達されるときに、ケーブル402の第2のロックセグメント422を第2の距離だけケーブルロック300を通って引っ張らせる。第2の締め付け力FT2の第2の締結セグメント418への印加は、第2の調整領域114の上縁部120に沿ったケーブルガイド426を、アッパー100の第2の調整領域114の下縁部122に沿ったケーブルガイド426に向かって移動させる。その結果、矢印T2によって示されるように、上縁部120と下縁部122は互いに向かって引っ張られ、それによって、着用者の足の周りに第2の調整領域114を締め付ける。第2の締め付け力FT2は、第1の締め付け力FT1よりも小さく、その結果、第1の調整領域112は、第2の調整領域114が第2の締結セグメント418によって締め付けられるよりも大きい程度に、第1の締結セグメント416によって締め付けられる。従って、第2の調整領域114は、第1の調整領域112よりも大きい程度の弾性を有する。第1の締め付け力FT1と同様に、第2の締め付け力FT2の大きさは、第2の調整領域114で許容される所望の伸張量に基づいて装着者によって選択され得る。場合によっては、第2の締め付け力FT2は、存在しないか、又はケーブル402を締め付け方向DTに移動させるのに十分に実質的でなくてもよく、それによって、第2の調整領域114は、まったく締め付けられない。
【0059】
図4Cに示すように、制御部分406を外側側部22に向かって引くことにより、履物10を第2の締め付け状態に移動させることができる。例えば、制御部分406が外側側部22に向かって引っ張られると、第1の締め付け力F
T1が第2の制御セグメント414に加えられ、一方、より小さい第2の締め付け力F
T2が第1の制御セグメント412に加えられる。第1の締め付け力F
T1は、第1の締め付け力F
T1が第2の制御セグメント414から第2の締結セグメント418に伝達されるときに、ケーブル402の第2のロックセグメント422を第1の距離だけロックチャネル332を通って引かせる。第1の締め付け力F
T1の第2の締結セグメント418への印加は、第2の調整領域114の上縁部120に沿ったケーブルガイド426を、第2の調整領域114の下縁部122に沿ったケーブルガイド426に向かって引っ張らせる。その結果、第2の調整領域114の上縁部120と下縁部122は、矢印T1によって示されるように互いに向かって引っ張られ、それによって、着用者の足の周りに第2の調整領域114を締め付ける。第2の調整領域114を締め付けることによって、調整領域114の弾性材料が伸張することができる量は、第2の締結セグメント418によって効果的に制限される。第1の締め付け力F
T1の大きさは、第2の調整領域114で許容される所望の伸張量に基づいて選択することができる。
【0060】
同時に、制御部分406を外側側部22に引っ張ることは、第1の締め付け力FT1よりも小さい第2の締め付け力FT2を第1の制御セグメント412に加えさせる。第2の締め付け力FT2は、第2の締め付け力FT2が第1の制御セグメント412から第1の締結セグメント416に伝達されるときに、ケーブル402の第1のロックセグメント420を、第2の距離だけ、ロックチャネル332を通って引っ張らせる。第2の締め付け力FT2の第1の締結セグメント416への印加は、第1の調整領域112の上縁部120に沿ったケーブルガイドを、第1の調整領域112の下縁部122に沿ったケーブルガイド426に向かって引っ張らせる。その結果、第1の調整領域112の上縁部120と下縁部122は、矢印T2によって示されるように互いに向かって引っ張られ、それによって、着用者の足の周りの第1の調整領域112を締め付ける。ここで、第2の締め付け力FT2は、第1の締め付け力FT1よりも小さく、その結果、第1の調整領域112は、第2の調整領域114が第2の締結セグメント418によって締め付けられるよりも小さい程度に第1の締結セグメント416によって締め付けられる。従って、第1の調整領域112は、第2の調整領域114よりも大きな程度の弾性を有する。第1の締め付け力FT1と同様に、第2の締め付け力FT2の大きさは、第1の調整領域112で許容される所望の伸張量に基づいて装着者によって選択され得る。いくつかの例では、第2の締め付け力FT2は、存在しないか、又は第1の調整領域112がまったく締め付けられないように、ケーブル402を締め付け方向DTに動かすのに十分な量でなくてもよい。
【0061】
いくつかの例では、第1の締め付け力FT1及び第2の締め付け力FT2は、実質的に同じであってもよい。従って、第1の調整領域112及び第2の調整領域114の各々は、同程度に締め付けられ、それによって、第1の調整領域112の弾性材料及び第2の調整領域114の弾性材料は、着用者の足にわたって同程度に伸張することが可能となる。
【0062】
図2に示す例では、クロージャ436は、足首開口部104に隣接してアッパー100に取り付けられた基部438と、基部438の第1の端部から自由吊り下げ(フリーハンギング)(free-hanging)遠位端部まで延びるフラップ440とを含む。従って、クロージャ436は、基部438の第1の端部にリビングヒンジ(living hinge)を含み、それによって、フラップ440の遠位端部を基部438の第1の端部に対して移動させることによって、フラップ440は、開位置と閉位置との間で動作可能である。クロージャ436は、フラップ440の遠位端部が閉位置において基部438に取り外し可能に結合されることができるように、1つ又は複数の留め具(fasteners)442を含む。例えば、基部438は、第1の留め具部分442aを含んでもよく、フラップ440は、対応する第2の留め具部分442bを含んでもよい。閉位置では、フラップ440の第2の留め具部分442bは、基部438の第1の留め具部分442aに取り外し可能に取り付けられる。ここで、フラップ440及び基部438は、制御部分406を受け入れ、固定するための基部438とフラップ440との間の通路444を画定する。開位置では、第2の留め具部分442bは、フラップ440が基部438から引き離され、制御部分406がクロージャ436から取り外されることを可能にするように、第1の留め具部分442aから取り外される。
【0063】
次に、
図5~
図8Cを参照すると、履物製品10aが提供され、アッパー100aと、アッパー100aに取り付けられたソール構造200aとを含む。履物製品10に対して履物製品10aに関連する構成要素の構造及び機能が実質的に類似していることを考慮して、以下及び図面において、同様の参照番号が、同様の構成要素を識別するために使用され、一方、文字拡張子を含む同様の参照番号が、修正された構成要素を識別するために使用される。
【0064】
図5を参照すると、可変張力を提供するシステムを含む履物製品10aの一例が開示されている。いくつかの実装では、履物製品10aは、アッパー100aと、アッパー100aに取り付けられたソール構造200aとを含む。履物製品10aは、さらに、アッパー100a及びソール構造200aの少なくとも1つに一体化されたケーブルロック300及び締結システム400aを含む。締結システム400aは、以下に詳述するように、締め付け状態と弛緩状態との間で履物製品10aを移動させるためにケーブルロック300と協働するケーブル402を含む。特に、ケーブル402は、履物製品10aを締め付け状態に移動させるために締め付け方向D
Tに移動可能である。いくつかの実装では、アッパー100a及びソール構造200aは、ケーブルロック300を通ってケーブル402の部分をルーティングするための通路及びガイドを提供するように協働する。ケーブルロック300は、ケーブル402を締め付け状態に選択的に固定するように構成される。
【0065】
アッパー100aは、ソール構造200a上に支持のために足を受け入れて固定するように構成された内部空所102を画定する内部表面を含む。踵領域16の足首開口部104は、内部空所102へのアクセスを提供し得る。例えば、足首開口部104は、足を空所102内に固定し、足の内部空所102への進入及び内部空所102からの取り外しを容易にするために足を受け入れ得る。アッパー100aは、外側側部22と内側側部24との間に延び、内部空所102を覆う舌部106を含み得る。アッパー100aは、履物10aを足の上に引っ張り、足から外すための足首開口部104に隣接して形成された1つ又は複数のグリップ特徴部108を含み得る。
【0066】
アッパー100aは、内部空所102を画定するために一緒に縫い付けられた又は接合された1つ又は複数の材料から形成され得る。アッパー100aの適切な材料としては、織物、フォーム、皮革、及び合成皮革が挙げられるが、これらに限定されない。例示的なアッパー100aは、締め付け状態と弛緩状態との間のアッパー100aの移動を容易にするために、アッパー100aの異なる領域に配置された1つ又は複数の実質的に非弾性又は非伸長可能な材料と1つ又は複数の実質的に弾性又は伸長可能な材料との組み合わせから形成され得る。1つ又は複数の弾性材料は、スパンデックス、エラスタン、ゴム又はネオプレンのような1つ又は複数の弾性織物の任意の組み合わせを含み得る。1つ又は複数の非弾性材料は、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン、皮革、ビニール、又は弾性特性を付与しない他の材料/布の1つ又は複数の組み合わせを含み得る。
【0067】
例えば、アッパー100aの外側側部22及び内側側部24の一方又は両方は、1つ又は複数の非弾性材料から形成された非弾性領域110aと、1つ又は複数の弾性材料から形成された1つ又は複数の調整領域112a、114aとを含み得る。調整領域112a、114aは、アッパー100aの弾性ゾーンを提供するために、非弾性領域110aによって部分的に境界され得る。調整領域112a、114aの各々は、第1の端部116から、前足部領域12及び中足部領域14の一方内の第2の端部118まで延び、上縁部120と、上縁部120から調整領域112a、114aの反対側に形成され、第1の端部116と第2の端部118との間に延びる下縁部122とを含み。いくつかの例では、第1の端部116は、足首開口部104に形成され得る。従って、調整領域112a、114aの第1の端部116は、足首開口部104の一部を画定し、足を受け入れに対応するためのある程度の伸展を足首開口部104に提供する。
【0068】
図示の例では、アッパー100aは、アッパー100aの外側側部22に配置された第1の調整領域112aと、アッパー100aの内側側部24に配置された第2の調整領域114aとを含む。概して、第1の調整領域112aは、足首開口部104の第1の端部116から、アッパー100aの外側側部22に沿って、前足部領域12の第2の端部118まで延び、第2の調整領域114aは、足首開口部104の第1の端部116から、アッパー100aの内側側部24に沿って、前足部領域12又は中足部領域14の第2の端部118まで延びる。
【0069】
図5~
図8に示す例では、第1の調整領域112aは、アッパー100aの外側側部22の足首開口部104の第1の端部116から、外側側部22に沿って中足部領域14を通って延び、アッパー100aの内側側部24の前足部領域12の第2の端部118まで延びる。従って、第1の調整領域112aは、内側側部24から外側側部22までアッパーを横切って延びる。アッパー100aの第2の調整領域114aは、アッパー100aの内側側部24の足首開口部104の第1の端部116から、アッパー100aの内側側部24に沿って中足部領域14を通って、中足部領域14内の内側側部24の第2の端部118まで延びる。この例では、調整領域112a、114aの上縁部120及び下縁部122は、上述の蛇行縁部120、122とは対照的に、単一の方向に沿って弧状であり且つ湾曲している。さらに、上縁部120及び下縁部122は、第1の端部116から第2の端部118までの方向に互いに収束し得る。従って、第1の調整領域112a及び第2の調整領域114aの少なくとも1つは、第1の端部116から第2の端部118までの長さに沿って、概して弓形の形状を有し得且つ幅がテーパになり得る。
【0070】
いくつかの実装では、ソール構造200aは、アウトソールプレート202aを含む。アウトソールプレート202aは、地面係合面204と、地面係合面204とは反対側のアウトソールプレート202aに形成された反対側の内側表面206とを含む。周辺側面208は、地面係合面204と内側表面206との間に延び、アウトソールプレート202aの外周を画定する。図示の例では、アウトソールプレート202aは、履物10aの前端部18から後端部20まで延びる。アウトソールプレート202aは、ステッチング又は接着剤を用いてアッパー100aに取り付けられ得る。アウトソールプレート202aは、概して、地面との耐摩耗性及びトラクションを提供し、耐久性及び耐摩耗性を付与し、地面とのトラクションを高める1つ又は複数の材料から形成され得る。いくつかの例では、ソール構造200aは、中間ソール及び/又はストローベルを含む1つ又は複数のクッション層で形成され得、アウトソールは、ゴムなどの弾性ポリマー材料で形成され得る。
【0071】
図7に示すように、ソール構造200aは、中にケーブルロック300を収容するためのキャビティを含み得る。図示の例では、キャビティ210aは、ケーブルロック300が地面係合面204に沿って露出するように、アウトソールプレート202aの地面係合面204を通って形成される。他の構成は、地面係合面204を通って延びることなく、内側表面206内に形成されたキャビティ210aを含んでもよい。いくつかの例では、ソール構造200aは、ケーブルロック300とアッパー100aの外部との間に様々なケーブル及びコードをルーティングするために、キャビティ210aから周辺側面208に延びる複数の導管212をさらに含み得る。いくつかの例では、導管212は、アウトソールプレート202aとは異なる材料で形成され得る。例えば、導管212は、ケーブル402とソール構造200aとの間の摩擦を最小限にするために、アウトソールプレート202aを形成する材料よりも低い摩擦係数を有する材料から形成された管状インサートであり得る。
【0072】
図7を参照すると、アウトソールプレート202aの地面係合面204は、アウトソールプレート202に関して上述したように、複数のトラクション要素214a、214bを含むことができる。トラクション要素は、一体型トラクション要素214a及び取り付けられたトラクション要素214bを含むことができる。一体型トラクション要素214aは、アウトソールプレート202aと同じ材料から形成され、例えば、成形プロセス中に地面係合面204と一体に形成される。しかしながら、
図6~
図7に示す例示的な実施形態とは対照的に、本発明のすべての実施形態が、アウトソールプレート202及び/又はトラクション要素214a、214bを含む履物を含むわけではなく、代わりに、例えば、クッション付き中底及びゴム製アウトソールを含んでもよい。
【0073】
図8Aに最も良く示されているように、締結システム400aは、ケーブル402と、ケーブル402をルーティングし、履物製品10aに沿ってケーブル402の張力を分散させるために、アッパー100a及びソール構造200a上又はそれらの中に形成されたトラッキングシステム404aとを含む。概して、締め付け力F
T又は弛緩力F
Lの1つがケーブル402に加えられると、トラッキングシステム404aは、以下により詳細に説明するように、調整領域112a、114aを締め付けさせる又は調整領域112a、114aが弛緩するのを可能にするために、調整領域112a、114aの上縁部及び下縁部120、122に沿った複数のポイントに沿って、ケーブル402の張力を分散させる。
【0074】
図示の例では、ケーブル402は、ケーブルロック300から第1の方向に延びる制御部分406と、ケーブルロック300から第2の方向に延びる締結部分408と、制御部分406と締結部分408とを接続するロック部分410とを含む。制御部分406は、ケーブル402を締め付け方向DTに移動させるために締め付け力FTを加えるように構成される。履物製品10aに組み込まれる場合、制御部分406は、ユーザがケーブル402を締め付け方向DTに引っ張ることが容易にできるように履物製品10a上に配置され得る。締結部分408は、締め付け力FTが制御部分406に加えられるときに履物製品10aを締めるためにトラッキングシステム404aと協働するように構成される。逆に、締結部分408は、弛緩方向DLにケーブル402を移動させるために、弛緩力FLを加えるように構成される。ロック部分410は、ケーブルロック300内に配置され、ケーブルロック300とインターフェース接続して、ケーブル402の位置を固定する。
【0075】
図8Aを参照すると、ケーブル402は、ケーブルロック300に関連して規定された種々のセグメントを含み得る。例えば、制御部分406は、第1の制御セグメント412及び第2の制御セグメント414を含むものと称される。図示のように、第1の制御セグメント412は、ソール構造200aの底部のケーブルロック300から、アッパー100aの外側側部22に沿って延び、第2の制御セグメント414は、ケーブルロック300から、アッパー100aの内側側部24に沿って延びる。
【0076】
同様に、締結部分408は、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418を含み得る。第1の締結セグメント416は、ソール構造200aの底部のケーブルロック300から延び、第1の調整領域112aに沿ってルーティングされる。同様に、第2の締結セグメント418は、ケーブルロック300から延び、第2の調整領域114aに沿ってルーティングされる。第1の制御セグメント412は、ケーブルロック300を通って延びる第1のロックセグメント420によって第1の締結セグメント416に接続され、第2の制御セグメント414は、ケーブルロック300を通って延びる第2のロックセグメント422によって第2の締結セグメント418に接続される。
【0077】
図示の例では、第1の制御セグメント412と第2の制御セグメント414は互いに接続されており、ケーブルロック300からアッパー100aの舌部106の周囲に、そしてケーブルロック300に戻るケーブル402の連続長さを画定する。連続的に形成された制御部分406とは対照的に、締結部分408は、締結セグメント416、418の各々が終端部424を含むように連続的ではない。以下にさらに詳細に説明するように、終端部424は、互いに離散した位置でアッパー100aの非弾性領域110aに取り付けてよい。代替的には、終端部424は、履物10aの別の領域で互いに接続されてもよい。
【0078】
ケーブル402の全長は一定であるが、制御部分406とケーブル402の締結部分408の有効長さは、ケーブルロック300に対するケーブル402の位置に依存する。例えば、制御部分406が引っ張られ、ケーブル402がケーブルロック300を通って締め付け方向DTに移動すると、制御部分406の有効長さが増加し、締結部分408の有効長さが減少する。逆に、締結部分408が引っ張られ、ケーブル402がケーブルロック300を通って弛緩方向DLに移動すると、締結部分408の有効長さが増加して履物製品10aを弛緩させ、制御部分406の有効長さは減少する。上述のように、ロック部分410は、ケーブル402の位置に関係なく、ケーブルロック300内に収容されるケーブル402の部分に関連する。したがって、制御部分406、締結部分408、及びロック部分410は、ケーブル402自体の固定セクションではなく、ケーブルロック300に対するケーブル402の位置に依存する。
【0079】
締結システム400aのケーブル402は、以下により詳細に説明するように、締め付け状態と弛緩状態との間で履物製品10aを移動させるためにケーブルロック300と協働するように構成される。概して、ケーブルロック300及び締結システム400aは、ゾーン締め付けを提供するためにアッパー100aと協働するように構成され、これにより、履物10aの外側側部22に関連するケーブル402の一部に加えられる締め付け力FT1又は弛緩力FL1は、履物10aの内側側部24に関連するケーブル402の一部に加えられる締め付け力FT2又は弛緩力FL2とは異なる。従って、アッパー100aの外側側部22及び内側側部24は、足の周囲に異なるきつさを有するように調節され得る。例えば、第1の大きさを有する締め付け力FT1が第1の制御セグメント412に加えられ得、一方、第2の大きさを有する締め付け力FT2が第2の制御セグメント414に加えられ得る。従って、第1の締め付け力FT1は、第1のロックセグメント420に加えられ、一方、第2の締め付け力FT2は、第2のロックセグメント422に加えられ、それによって、第1のロックセグメント420を、第2のロックセグメント422よりも大きな速度で、ケーブルロック300を通って引っ張らせる。締結セグメント416、418の終端部424は互いに分離しているため、第1の締め付け力FT1は第1の締結セグメント416に加えられ、第2の締め付け力FT2は第2の締結セグメント418に加えられる。
【0080】
いくつかの例では、アッパー100aの外側側部22及び内側側部24の少なくとも1つは、アウトソールプレート202aの導管212からアッパー100aに沿ってケーブル402をルーティングする一連のケーブルガイド426を含む。図示の例では、トラッキングシステム404aのケーブルガイド426は、そこを通ってケーブル402を摺動可能に受容するための通路を画定する織物又はメッシュループによって形成される。他の例では、ケーブルガイド426は、締結セグメント416、418を受け入れるために、アッパー100aの非弾性領域110aを通って形成された開口(例えば、アイレット)、又はアッパー100aの非弾性領域110aに取り付けられたファブリック又はメッシュループを含み得る。
【0081】
引き続き
図8Aを参照すると、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418は、アッパー100aの調整領域112a、114aに沿って配置された複数のケーブルガイド426を通ってルーティングする。ケーブルガイド426を通ってルーティングした後、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418の終端部424は、アッパー100aの非弾性領域110aに取り付けられる。図示の例では、終端部424は、調整領域112a、114aの第2の端部118に隣接して、離散した取り付けポイント428でアッパー100aに取り付けられる。他の例では、終端部424は、単一の取り付けポイントで互いに動作可能に接続され得る。例えば、コネクタが、終端部424を互いに接続し得る、又は終端部424は、一緒に結び付けられ得る、互いに接着接合され得る、若しくは一緒に融着され得る。
【0082】
図8Aを参照すると、アッパー100aの外側側部22及び内側側部24の各々は、調整領域112a、114aの上縁部120に沿って配置された第1の一連のケーブルガイド426と、それぞれの調整領域112a、114aの下縁部122に沿って配置された第2の一連のケーブルガイド426とを含む。従って、調整領域112a、114aは、上下の一連のケーブルガイド426の間に配置される。図示のように、ケーブルガイド426は、ケーブルガイド426によって調整領域112a、114aの長さに沿ってケーブル402が上縁部120と下縁部122との間を蛇行する方法で上縁部120及び下縁部122に沿って交互に配置される。
【0083】
ケーブルガイド426の数は、ケーブル402が締め付け方向DT又は弛緩方向DFに移動するときに摩擦を最小にするように選択され得る。図示された例は、上縁部120に沿った2つのケーブルガイド426及び下縁部122に沿った2つのケーブルガイド426を含む外側側部22及び内側側部24の各々のケーブルガイド426を示しているが、他の構成は、より多い又はより少ない数のケーブルガイド426を含む各セットを含んでもよい。いくつかの例では、上縁部120は、下縁部122よりも多数のケーブルガイド426を含む。さらに別の例では、上縁部120及び下縁部122はそれぞれ、同じ数のケーブルガイド426を含む。さらに、アッパー100aへのケーブルガイド426の配置は、上縁部120と下縁部122との間に延びるケーブル402の各セクションが、ケーブルが締め付け方向DT、DLに移動するときの摩擦を低減するために実質的にまっすぐであるように、選択され得る。
【0084】
図7に示すように、締結システム400aは、ソール構造200aに形成された導管212a~212eを組み込むことができる。導管212a~212eは、ケーブル402のセグメント412、414、416、418と、ケーブルロック300の外にアウトソールプレート202aを通って延びるリリースケーブル384とを収容し、ルーティングするように構成される。ここで、第1の導管212aは、ケーブルロック300と外側側部22との間に延びる第1の制御セグメント412の端部を受け入れ得、第2の導管212bは、ケーブルロック300と内側側部24との間に延びる第2の制御セグメント414の端部を受け入れ得る。同様に、第3の導管212cは、ケーブルロック300と外側側部22との間に延びる第1の締結セグメント416の端部を受け入れ、第4の導管212dは、ケーブルロック300と内側側部24との間に延びる第2の締結セグメント418の端部を受け入れる。
【0085】
引き続き
図7を参照すると、リリース導管212eは、ケーブルロック300の外に延びるリリースケーブル384の部分を受け入れ、ルーティングするように構成される。
図7に示す例では、リリース導管212eは、ケーブルロック300から、履物の前端部18に向かって延び、ソール構造200aの外側側部22におけるアウトソールプレート202aの周辺側面208まで延びる。
【0086】
締結システム400aは、ケーブル402及び/又はリリースケーブル384をアッパー100aに沿ってルーティングするための1つ又は複数のリリース通路430aをさらに含み得る。リリース通路430aは、アッパー100a内に形成され得る、あるいは、リリース通路430aは、アッパー100aの外表面に取り付けられたシース又はカバーによって画定され得る。図示された例では、履物10aは、周辺側面208に形成されたリリース導管212eの開口に隣接する第1の端部から、足首開口部104に隣接する第2の端部まで、アッパーに沿って垂直に延びるリリース通路430aを含む。リリース通路430aは、リリースケーブル384をアウトソールプレート202aから着用者が容易に到達可能なアッパー100aの領域にルーティングするように構成される。
【0087】
図5に最も良く示されているように、リリース通路430aは、リリース導管212eに隣接する第1の端部から足首開口部104の外側側部の第2の端部まで、アッパー100aの外側側部22に沿って垂直に延びる。従って、リリースケーブル384は、ケーブルロック300からリリース導管212eを通ってルーティングされ、外側側部22でアウトソールプレート202aの周辺側面208から出る。次いで、リリースケーブル384は、リリース通路430aの第1の端部を通過し、第2の端部から延びる。従って、リリース通路430aから延びるリリースケーブル384の部分は、着用者によって把持され、ケーブルロック300をロック解除状態に移動させるための解放力F
Rを加えることができる。図示のように、リリース通路430aは、外側側部22の中足部領域14に配置される。他の例では、リリース通路430aは、アッパー100aの内側側部24に配置され得るとともに、踵領域16又は前足部領域12に位置し得る。
【0088】
上述のように、ケーブル402の制御部分406は、ケーブルロック300から延びる連続ループである。
図8Aに示すように、制御部分406は、足首開口部104に近接して(すなわち、着用者の足の甲の上の領域に近接して)舌部106の周囲に延びる。舌部106の周囲に延びる制御部分406の部分は、1つ又は複数のシース432内に封入され得る。各シース432は、さらに、締め付け力F
Tによって制御部分406がアッパー100aから離れる方向に移動するとき(すなわち、ケーブル402が締め付け方向D
Tに移動するとき)、シース432及びケーブル402の制御部分406が弛緩状態から延伸又は拡張した状態に移動することを可能にする材料及び/又は織物から形成され得る。締め付け力F
Tが除去されると、シース432の材料及び/又は織物は、シース432を自動的に弛緩状態に収縮させ、ケーブル402によるバンチングを収容させる。
【0089】
図示された例では、別個の制御部分グリップ434が、舌部106に近接した取り付け位置でシース432に操作可能に接続され、ユーザが締め付け力FTを加えて制御部分406をアッパー100aから離すことを可能にし、それによって、アッパー100aを締め付け状態に移動させるように互いに向かって上縁部120、下縁部122を同時に引き寄せることによって、調整領域112a、114aを締め付ける。他の構成は、制御部分グリップ434を制御部分406の長さに沿ってシース432の他の部分に操作可能に接続することを含み得る。いくつか実装では、制御部分グリップ434は省略され、シース432は、ユーザが把持して、制御部分406をアッパー100aから引き離すように締め付け力FTを加えることを可能にすることによって制御部分406に対応する。
【0090】
図8A~
図8Cを参照すると、アッパー100a及びソール構造200aと併せてケーブルロック300及び締結システム400aの使用が示されている。
図8Aは、弛緩状態にある履物10aの例を示し、それによって、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418には弛みが与えられ、調整領域112a、114aは弛緩状態にある。弛緩状態では、着用者の足を、足首開口部104を介してアッパー100aの内部空所102に挿入することができる。締結セグメント416、418内の弛みは、調整領域112a、114aが、伸張又は拡張状態に移動することを可能にし、それにより、着用者の足部を収容するために内部空所102の有効容積を増加させる。調整領域112a、114aは、弾性材料から形成されて、履物を締め付け状態に移動させる前に履物10aを足に保持するために着用者の足に第1の程度の締め付けを提供し得る。
【0091】
図8Bに示すように、制御部分406を外側側部22及び内側側部24の一方に向かって引くことにより、履物10aを第1の締め付け状態に移動させることができる。例えば、制御部分406は、アッパー100aを第1の締め付け状態に移行させるために内側側部24に向かって引かれて示されている。より詳細には、制御部分406が内側側部24に向かって引っ張られると、第1の締め付け力F
T1が第1の制御セグメント412に加えられ、より小さい第2の締め付け力F
T2が第2の制御セグメント414に加えられる。第1の締め付け力F
T1は、第1の締め付け力F
T1が第1の制御セグメント412から第1の締結セグメント416に伝達されるときに、ケーブル402の第1のロックセグメント420を第1の距離だけケーブルロック300を通過させる。第1の締め付け力F
T1の第1の締結セグメント416への印加は、上縁部120に沿ったケーブルガイド426を外側側部22上の第1の調整領域112aの下縁部122に沿った対向するケーブルガイド426に向かって移動させる。その結果、第1の調整領域112aの上縁部120と下縁部122は、矢印T1によって示されるように互いに引っ張られ、それによって、着用者の足の周りに第1の調整領域112aを締め付ける。第1の調整領域112aを締め付けることによって、調整領域112aの弾性材料が伸張することができる量は、第1の締結セグメント416によって効果的に制限される。第1の締め付け力F
T1の大きさは、第1の調整領域112aで許容される所望の伸張量に基づいて選択されることができる。
【0092】
同時に、制御部分406を内側側部24に向かって引っ張ることは、第1の締め付け力FT1よりも小さい第2の締め付け力FT2を第2の制御セグメント414に加えさせる。第2の締め付け力FT2は、第2の締め付け力FT2が第2の制御セグメント414から第2の締結セグメント418に伝達されるときに、ケーブル402の第2のロックセグメント422を第2の距離だけケーブルロック300を通って引っ張らせる。第2の締め付け力FT2の第2の締結セグメント418への印加は、第2の調整領域114aの上縁部120に沿ったケーブルガイド426を、アッパー100aの第2の調整領域114aの下縁部122に沿ったケーブルガイド426に向かって移動させる。その結果、上縁部120と下縁部122は、矢印T2によって示されるように互いに向かって引っ張られ、それによって、着用者の足の周りに第2の調整領域114aを締め付ける。第2の締め付け力FT2は、第1の締め付け力FT1よりも小さく、その結果、第1の調整領域112aは、第2の調整領域114aが第2の締結セグメント418によって締め付けられるよりも大きい程度に、第1の締結セグメント416によって締め付けられる。従って、第2の調整領域114aは、第1の調整領域112aよりも大きな程度の弾性を有する。第1の締め付け力FT1と同様に、第2の締め付け力FT2の大きさは、第2の調整領域114aで許容される所望の伸張量に基づいて装着者によって選択され得る。場合によっては、第2の締め付け力FT2は、存在しないか、又はケーブル402を締め付け方向DTに移動させるのに十分に実質的でなくてもよく、それによって、第2の調整領域114aは、まったく締め付けられない。
【0093】
図8Cに示すように、制御部分406を外側側部22に向かって引くことにより、履物10aを第2の締め付け状態に移動させることができる。例えば、制御部分406が外側側部22に向かって引っ張られると、第1の締め付け力F
T1が第2の制御セグメント414に加えられ、一方、より小さい第2の締め付け力F
T2が第1の制御セグメント412に加えられる。第1の締め付け力F
T1は、第1の締め付け力F
T1が第2の制御セグメント414から第2の締結セグメント418に伝達されるときに、ケーブル402の第2のロックセグメント422を第1の距離だけロックチャネル332を通って引かせる。第2の締結セグメント418への第1の締め付け力F
T1の印加は、第2の調整領域114aの上縁部120に沿ったケーブルガイド426を、第2の調整領域114aの下縁部122に沿ったケーブルガイド426に向かって引っ張らせる。その結果、第2の調整領域114aの上縁部120と下縁部122は、矢印T1によって示されるように互いに向かって引っ張られ、それによって、着用者の足の周りに第2の調整領域114aを締め付ける。第2の調整領域114aを締め付けることによって、調整領域114aの弾性材料が伸張することができる量は、第2の締結セグメント418によって効果的に制限される。第1の締め付け力F
T1の大きさは、第2の調整領域114aで許容される所望の伸張量に基づいて選択することができる。
【0094】
同時に、制御部分406を外側側部22に引っ張ることは、第1の締め付け力FT1よりも小さい第2の締め付け力FT2を第1の制御セグメント412に加えさせる。第2の締め付け力FT2は、第2の締め付け力FT2が第1の制御セグメント412から第1の締結セグメント416に伝達されるときに、ケーブル402の第1のロックセグメント420を、第2の距離だけ、ロックチャネル332を通って引っ張らせる。第2の締め付け力FT2の第1の締結セグメント416への印加は、第1の調整領域112aの上縁部120に沿ったケーブルガイド426を、第1の調整領域112aの下縁部122に沿ったケーブルガイド426に向かって引っ張らせる。その結果、第1の調整領域112aの上縁部120と下縁部122は、矢印T2によって示されるように互いに向かって引っ張られ、それによって、着用者の足の周りの第1の調整領域112aを締め付ける。第2の締め付け力FT2は、第1の締め付け力FT1よりも小さく、その結果、第1の調整領域112aは、第2の調整領域114bが第2の締結セグメント418によって締め付けられるよりも小さい程度に第1の締結セグメント416によって締め付けられる。従って、第1の調整領域112aは、第2の調整領域114aよりも大きな程度の弾性を有する。第1の締め付け力FT1と同様に、第2の締め付け力FT2の大きさは、第1の調整領域112aで許容される所望の伸張量に基づいて装着者によって選択され得る。いくつかの例では、第2の締め付け力FT2は、存在しないか、又は、第1の調整領域112aがまったく締め付けられないように、ケーブル402を締め付け方向DTに動かすほど十分な量でなくてもよい。
【0095】
いくつかの例では、第1の締め付け力FT1及び第2の締め付け力FT2は、実質的に同じである。従って、第1の調整領域112a及び第2の調整領域114aの各々は、同程度に締め付けられ、それによって、第1の調整領域112aの弾性材料及び第2の調整領域114aの弾性材料は、着用者の足にわたって同程度に伸張することが可能となる。
【0096】
ケーブルロック300の動作に関して後述するように、履物10aは、ケーブルロック300がロックされた状態にあるとき(例えば、ケーブル402が弛緩方向DLにケーブルロック300を通過することが妨げられるとき)、締め付け状態のうちのいずれか1つに維持される。従って、着用者が履物10aを足から外すことを望む場合、ケーブルロック300は、解放力FRをリリースケーブル384に加えることによって、ロック解除状態に向かって移動されなければならない。ケーブルロック300は、部分的にのみロック解除状態に向かって移動され得、それによって、解放力FRが止まるときに自動的にロック状態に戻る。あるいは、ケーブルロック300は完全にロック解除された状態に引っ張られ得、それによって、締め付け力FTが制御部分406に加えられるまで、ケーブルロック300はロック解除されたままである。
【0097】
次に、
図9~
図11を参照すると、履物製品10bが提供され、アッパー100bと、アッパー100bに取り付けられたソール構造200bとを含む。履物製品10に対して履物製品10bに関連する構成要素の構造及び機能が実質的に類似していることを考慮して、以下及び図面において、同様の参照番号が、同様の構成要素を識別するために使用され、一方、文字拡張子を含む同様の参照番号が、修正された構成要素を識別するために使用される。
【0098】
図11を参照すると、可変張力を提供するシステムを含む履物製品10bの一例が開示されている。いくつかの実装では、履物製品10bは、アッパー100bと、アッパー100bに取り付けられたソール構造200bとを含む。履物製品10bは、さらに、アッパー100bとソール構造200bの少なくとも1つに一体化されたケーブルロック300と締結システム400bとを含む。締結システム400bは、以下に詳述するように、締め付け状態と弛緩状態との間で履物製品10bを移動させるためにケーブルロック300と協働するケーブル402を含む。特に、ケーブル402は、履物製品10bを締め付け状態に移動させるために締め付け方向D
Tに移動可能である。いくつかの実装では、アッパー100b及びソール構造200bは、ケーブルロック300を通るケーブル402の部分をルーティングするための通路及びガイドを提供するように、協働する。ケーブルロック300は、ケーブル402を締め付け状態に選択的に固定するように構成される。
【0099】
外側及び内側のゾーンの締め付けを提供する上述の履物10、10aとは異なり、履物10bは、アッパーに対する上方及び下方のゾーンの締め付けを提供するように構成される。図示の例では、アッパー100bの外側側部22及び内側側部24の一方又は両方は、1つ又は複数の非弾性材料から形成される非弾性領域110bと、弾力のある弾性材料から形成される1つ又は複数の調整領域112b、114bとを含み得る。調整領域112b、114bは、アッパー100bの弾性ゾーンを提供するために、非弾性領域110bによって部分的に境界され得る。
【0100】
図示された例では、調整領域112b、114bは、アッパー100bの挿入領域に沿って配置された、下方の第1の調整領域112b及び上方の第2の調整領域114bを画定する。いくつかの例では、第1の調整領域112b及び第2の調整領域114bは、足首開口部104に隣接する第1の端部116から前足部領域12及び中足部領域14の一方内の第2の端部118まで延びる単一の連続調整領域115を画定するように、互いに連続的に形成される。調整領域115は、アッパー100bの両側に形成され、第1の端部116と第2の端部118との間に延びる一対のエッジ124、126を含む。いくつかの例では、第1の端部116は、足首開口部104に近接して形成され得る。従って、第2の調整領域114bの第1の端部116は、足首開口部104の一部を画定し、足部の受け入れに対応するためのある程度の伸展を足首開口部104に提供する。図示のように、エッジ124の第1のものは、アッパー100bの外側側部22に沿って延び、エッジ126の第2のものは、アッパー100bの内側側部24に沿って延びる。従って、調整領域112b、114bは、アッパー100bの甲領域にわたって延びる。
【0101】
図9を参照すると、ケーブルロック300は、足首開口部104に隣接して、アッパー100bの甲領域に配置される。従って、ケーブルロック300は、調整領域115上又はその上に配置され得る。以下により詳細に説明するように、ケーブルロック300は、概して、アッパー100bに対するケーブル402の位置を選択的に固定するために、締結システムのケーブル402とインターフェース接続するように構成される。
【0102】
図11に最も良く示されているように、締結システム400bは、ケーブル402と、ケーブル402をルーティングし、履物製品10bに沿ってケーブル402の張力を分散するために、アッパー100bの上又はその中に形成されたトラッキングシステム404bとを含む。概して、締め付け力F
T又は弛緩力F
Lの1つがケーブル402に加えられると、トラッキングシステム404bは、以下により詳細に説明するように、第1の調整領域112b及び第2の調整領域114bの外側及び内側エッジ124、126に沿った複数のポイントに沿って、ケーブル402の張力を分散させて、それぞれの調整領域112b、114bを締め付けさせる、又は調整領域112b、114bが弛緩することを可能にする。
【0103】
図示の例では、ケーブル402は、ケーブルロック300から第1の方向に延びる制御部分406と、ケーブルロック300から第2の方向に延びる締結部分408と、制御部分406と締結部分408とを接続するロック部分410とを含む。制御部分406は、ケーブル402を締め付け方向DTに移動させるために締め付け力FTを加えるように構成される。履物製品10bに組み込まれる場合、制御部分406は、ユーザがケーブル402を締め付け方向DTに引っ張ることを容易にできるように、履物製品10b上に配置され得る。制御部分406はまた、1つ又は複数の格納可能なシース内に配置され、履物製品10、10aに関して上述したように、制御グリップを備え得る。締結部分408は、締め付け力FTが制御部分406に加えられるときに履物製品10bを締めるために、トラッキングシステム404bと協働するように構成される。逆に、締結部分408は、弛緩方向DLにケーブル402を移動させるために、弛緩力FLを加えるように構成される。ロック部分410は、ケーブルロック300内に配置され、ケーブルロックとインターフェース接続して、ケーブル402の位置を固定する。
【0104】
図11を参照すると、ケーブル402は、ケーブルロック300に関連して規定された種々のセグメントを含み得る。例えば、制御部分406は、後述するように、締結部分408の対応するセグメント416、418の張力を制御するように独立して動作可能な第1の制御セグメント412及び第2の制御セグメント414を含むものとして説明され得る。図示の例では、第1の制御セグメント412及び第2の制御セグメント414はそれぞれ、ケーブルロック300の端部から足首開口部104に向かって延びる。いくつかの例では、制御部分406は、連続ループとして形成され、それによって、制御部分406がケーブルロック300から延びるケーブル402の連続長さを形成するように、第1の制御セグメント412と第2の制御セグメント414のそれぞれの「端部」が互いに接合される。
図11の例では、ケーブルロック300がアッパー100bの舌部106に配置されている場合、第1の制御セグメント412は、概してアッパー100bの外側側部22に沿って配置され、第2の制御セグメント414は、概してアッパー100bの内側側部24に沿って配置され、足首開口部104に隣接してアッパー100bの中央部分の第1の制御セグメント412に取り付けられるか又はそれに結合する。
【0105】
同様に、締結部分408は、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418を含み得る。第1の締結セグメント416は、アッパー100bの舌部106上のケーブルロック300から延び、第1の調整領域112bに沿って蛇行する方法でルーティングされる。第2の締結セグメント418は、アッパー100bの舌部106上のケーブルロック300から延び、第2の調整領域114bに沿って蛇行する方法でルーティングされる。概して、第1の締結セグメント416は、第1の調整領域112bに沿ってアッパー100bのフィットを調整するように構成され、第2の締結セグメント418は、第2の調整領域114bに沿ってアッパー100bのフィットを調整するように構成される。連続的に形成された制御部分406とは対照的に、締結部分408は、締結セグメント416、418の各々が、アッパー100bの非弾性領域110bに固定された終端部424を含むように連続的ではない。以下にさらに詳細に説明するように、終端部424は、互いに離散した位置でアッパー100bの非弾性領域110bに取り付けることができる。あるいは、終端部424は、履物10bの別の領域で互いに接続されてもよい。
【0106】
ケーブル402の全長は一定であるが、制御部分406とケーブル402の締結部分408の有効長さは、ケーブルロック300に対するケーブル402の位置に依存する。例えば、制御部分406が引っ張られ、ケーブル402がケーブルロック300を通って締め付け方向DTに移動すると、制御部分406の有効長さが増加し、締結部分408の有効長さは減少する。逆に、締結部分408が引っ張られ、ケーブル402がケーブルロック300を通って弛緩方向DLに移動すると、締結部分408の有効長さが増加して履物製品10bを弛緩させ、制御部分406の有効長さは減少する。上述のように、ロック部分410は、ケーブル402の位置に関係なく、ケーブルロック300内に収容されるケーブル402の部分に関連する。したがって、制御部分406、締結部分408、及びロック部分410は、ケーブル402自体の固定セクションではなく、ケーブルロック300に対するケーブル402の位置に依存する。
【0107】
締結システム400bのケーブル402は、以下により詳細に説明するように、締め付け状態と弛緩状態との間で履物製品10bを移動させるためにケーブルロック300と協働するように構成される。概して、ケーブルロック300及び締結システム400bは、アッパー100bと協働してゾーン締め付けを提供するように構成され、それによって、第1の調整領域112bに関連するケーブル402の部分に加えられる締め付け力FT又は弛緩力FLは、第2の調整領域114bに関連するケーブル402の部分に加えられる締め付け力FT又は弛緩力FLとは異なる。したがって、アッパー100bの第1の調整領域112b及び第2の調整領域114bは、足の周囲に異なるきつさを有するように調節され得る。例えば、第1の大きさを有する締め付け力FT1が第1の制御セグメント412に加えられ得、一方、第2の大きさを有する締め付け力FT2が第2の制御セグメント414に加えられ得る。従って、第1の締め付け力FT1は、第1のロックセグメント420に加えられ、一方、第2の締め付け力FT2は、第2のロックセグメント422に加えられ、それによって、第1のロックセグメント420を、第2のロックセグメント422よりも大きな速度で、ケーブルロック300を通って引っ張らせる。締結セグメント416、418の終端部424は、アッパー100bに独立して固定されるため、第1の締め付け力FT1は、第1の締結セグメント416に加えられ、第2の締め付け力FT2は、第2の締結セグメント418に加えられる。
【0108】
いくつかの例では、アッパー100bの外側側部22及び内側側部24は、ケーブルロック300から調整領域112b、114bに沿ってケーブル402をルーティングする一連のケーブルガイド426を含む。いくつかの例では、ケーブルガイド426は、硬質の低摩擦材料で形成され得、ケーブル402を受容するための弓形の内面を有し得る。他の例では、ケーブルガイド426は、締結セグメント416、418を受け入れるために、アッパー100bの非弾性領域110bを通って形成された開口(例えば、アイレット)、又はアッパー100bの非弾性領域110bに取り付けられたファブリック又はメッシュループを含み得る。ファブリック又はメッシュのループ/ウェビングは、ケーブル402が締め付け方向DTに移動するときに、ケーブル402と摩擦を生じさせ得る。
【0109】
引き続き
図11を参照すると、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418は、アッパー100bの調整領域115に沿って配置された複数のケーブルガイド426を通ってルーティングする。ケーブルガイド426を通ってルーティングした後、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418の終端部424は、アッパー100bの非弾性領域110bに取り付けられる。
【0110】
図示の例では、第1の締結セグメント416は、下方の第1の調整領域112bのきつさを制御するように構成される。図示のように、第1の締結セグメント416は、ケーブルロック300から、前足部領域12に隣接する又は前足部領域12内の外側側部22に配置されたケーブルガイド426の第1のものまで延びる。ケーブルガイド426のうちの第1のものから、第1の締結セグメント416は、第1の調整領域112bを横切って、第1の調整領域112bの内側側部24のエッジ126に隣接するケーブルガイド426のうちの第2のものまで延びる。次いで、第1の締結セグメント416は、第1の調整領域112bの外側側部22上のエッジ124に隣接するケーブルガイド426の第3のものまで第1の調整領域112bを横切って戻って延び、次いで、第1の調整領域112bを横切って終端部424に戻る。図示のように、第1の締結セグメント416の終端部424は、第1の調整領域112bの内側側部24のエッジ126に隣接して、第2の端部118に位置する。従って、第1の締結セグメント416が、第1の制御セグメント412に締め付け力FTを加えることによって張力方向DTに動かされると、第1の締結セグメント416は、第1の調整領域112bの対向するエッジ124、126上のケーブルガイド426を互いに向かって引っ張り、第1の調整領域112bを締め付ける。
【0111】
第2の締結セグメント418は、上方の第2の調整領域114bのフィットを制御するように構成される。図示のように、第2の締結セグメント418は、ケーブルロック300から、アッパーの中足部領域14の非弾性領域110b上のケーブルガイド426の第4のものまで延びる。次いで、第2の締結セグメント418は、ケーブルガイド426の第4のものから、上方の、第2の調整領域114bを横切って、外側側部22上の第2の調整領域114bのエッジ124に隣接するケーブルガイド426の第5のものまで延びる。そこから、第2の締結セグメント418は、第2の調整領域114bを横切って、内側側部24のエッジ126に隣接するケーブルガイドの第6のものまで戻って延び、第2の調整領域114bを横切って、外側側部22のエッジ124に隣接する終端部424まで戻る。図示のように、第2の締結セグメント418は、上方の、第2の調整領域114bに沿って、第1の締結セグメント418とケーブルロック300との間に配置される。従って、第2の締結セグメント418が、第2の制御セグメント414に締め付け力FTを印加することによって張力方向DTに移動されると、第2の締結セグメントは、第2の調整領域114bの対向するエッジ124、126上のケーブルガイド426を互いに向かって引っ張り、第2の調整領域114bを締め付ける。
【0112】
次に、
図12~14を参照すると、履物製品10cが提供され、アッパー100cと、アッパー100cに取り付けられたソール構造200cとを含む。履物製品10に対して履物製品10cに関連する構成要素の構造及び機能が実質的に類似していることを考慮して、以下及び図面において、同様の構成要素を識別するために同様の参照番号が使用され、一方、文字拡張子を含む同様の参照番号が、修正された構成要素を識別するために使用される。
【0113】
図14を参照すると、可変張力を提供するシステムを含む履物製品10cの一例が開示されている。いくつかの実装では、履物製品10cは、アッパー100cと、アッパー100cに取り付けられたソール構造200cとを含む。履物製品10cは、さらに、アッパー100cとソール構造200cの少なくとも1つに一体化されたケーブルロック300及び締結システム400cを含む。締結システム400cは、以下に詳述するように、締め付け状態と弛緩状態との間で履物製品10cを移動させるためにケーブルロック300と協働するケーブル402を含む。特に、ケーブル402は、履物製品10cを締め付け状態に移動させるために締め付け方向D
Tに移動可能である。ケーブルロック300は、ケーブル402を締め付け状態に選択的に固定するように構成される。
【0114】
履物製品10cは、上述の履物製品10bと同様に、アッパーの甲領域に沿って上方及び下方のゾーン締付けを提供するように構成されている。図示された例では、アッパー100cの外側側部22及び内側側部24の一方又は両方は、1つ又は複数の非弾性材料から形成される非弾性領域110cと、弾力のある、弾性材料から形成される1つ又は複数の調整領域112c、114cとを含み得る。調整領域112c、114cは、アッパー100cの弾性ゾーンを提供するために、非弾性領域110cによって部分的に境界され得る。
【0115】
図示の例では、調整領域112c、114cは、アッパー100cの甲領域に沿って配置された、下方の第1の調整領域112c及び上方の第2の調整領域114cを画定する。いくつかの例では、第1の調整領域112c及び第2の調整領域114cは、足首開口部104に隣接する第1の端部116から前足部領域12及び中足部領域14の一方内の第2の端部118まで延びる単一の連続調整領域115cを画定するように、互いに連続的に形成される。調整領域115cは、アッパー100cの両側に形成され、第1の端部116と第2の端部118との間に延びる一対のエッジ124、126を含む。いくつかの例では、第1の端部116は、足首開口部104に近接して形成され得る。従って、第2の調整領域114cの第1の端部116は、足首開口部104の一部を画定し、足部の受け入れに対応するためのある程度の伸展を足首開口部104に提供する。図示のように、エッジ124の第1のものは、アッパー100cの外側側部22に沿って延び、エッジ126の第2のものは、アッパー100cの内側側部24に沿って延びる。従って、調整領域112c、114cは、アッパー100cの甲領域にわたって延びる。
【0116】
図12を参照すると、ケーブルロック300は、足首開口部104に隣接して、アッパー100cの後方端部20に配置される。以下により詳細に説明するように、ケーブルロック300は、概して、アッパー100cに対するケーブル402の位置を選択的に固定するために、締結システム400のケーブル402とインターフェース接続するように構成される。
【0117】
図14に最も良く示されているように、締結システム400cは、ケーブル402と、ケーブル402をルーティングし、履物製品10cに沿ってケーブル402の張力を分散するために、アッパー100c上又はその中に形成されたトラッキングシステム404cとを含む。概して、締め付け力F
T又は弛緩力F
Lの1つがケーブル402に加えられると、トラッキングシステム404cは、以下により詳細に説明するように、第1の調整領域112c及び第2の調整領域114cの外側及び内側エッジ124、126に沿った複数のポイントに沿って、ケーブル402の張力を分散させて、それぞれの調整領域112c、114cを締め付けさせる、又は調整領域112c、114cが弛緩することを可能にする。
【0118】
図示の例では、ケーブル402は、ケーブルロック300から第1の方向に延びる制御部分406と、ケーブルロック300から第2の方向に延びる締結部分408と、制御部分406と締結部分408とを接続するロック部分410とを含む。制御部分406は、ケーブル402を締め付け方向DTに移動させるために締め付け力FTを加えるように構成される。履物製品10cに組み込まれる場合、制御部分406は、ユーザがケーブル402を締め付け方向DTに引っ張ることを容易にできるように履物製品10c上に配置され得る。制御部分406はまた、1つ又は複数の格納可能なシース内に配置され、履物製品10、10aに関して上述したように、制御グリップを備え得る。締結部分408は、締め付け力FTが制御部分406に加えられるときに履物製品10cを締めるために、トラッキングシステム404cと協働するように構成される。逆に、締結部分408は、弛緩方向DLにケーブル402を移動させるために、弛緩力FLを加えるように構成される。ロック部分410は、ケーブルロック300内に配置され、ケーブルロック300とインターフェース接続して、ケーブル402の位置を固定する。
【0119】
図14を参照すると、ケーブル402は、ケーブルロック300に関連して規定された種々のセグメントを含み得る。例えば、制御部分406は、後述するように、締結部分408の対応するセグメント416、418の張力を制御するように独立して動作可能な第1の制御セグメント412及び第2の制御セグメント414を含むものとして説明され得る。図示の例では、第1の制御セグメント412及び第2の制御セグメント414はそれぞれ、ケーブルロック300の端部から足首開口部104に向かって延びる。いくつかの例では、制御部分406は、連続ループとして形成され、それによって、制御部分406がケーブルロック300から延びるケーブル402の連続長さを形成するように、第1の制御セグメント412と第2の制御セグメント414のそれぞれの「端部」が互いに接合される。
図14の例では、ケーブルロック300がアッパー100cの舌部106に配置されている場合、第1の制御セグメント412は、概してアッパー100cの外側側部22に沿って配置され、第2の制御セグメント414は、概してアッパー100cの内側側部24に沿って配置され、足首開口部104に隣接してアッパー100cの中央部の第1の制御セグメント412に取り付けられるか又はそれに結合する。
【0120】
同様に、締結部分408は、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418を含み得る。第1の締結セグメント416は、アッパー100cの後端部20のケーブルロック300から延び、第1の調整領域112cに沿って蛇行する方法にルーティングされる。第2の締結セグメント418は、アッパー100cの後方端部20のケーブルロック300から延び、第2の調整領域114cに沿って蛇行する方法にルーティングされる。概して、第1の締結セグメント416は、第1の調整領域112cに沿ってアッパー100cのフィットを調整するように構成され、第2の締結セグメント418は、第2の調整領域114cに沿ってアッパー100cのフィットを調整するように構成される。連続的に形成された制御部分406とは対照的に、締結部分408は、締結セグメント416、418の各々が、アッパー100cの非弾性領域110cに固定された終端部424を含むように連続的ではない。以下により詳細に説明するように、終端部424は、互いに離散した位置でアッパー100cの非弾性領域110cに取り付けることができる。あるいは、終端部424は、履物10cの別の領域で互いに接続されてもよい。
【0121】
ケーブル402の全長は一定であるが、制御部分406とケーブル402の締結部分408の有効長さは、ケーブルロック300に対するケーブル402の位置に依存する。例えば、制御部分406が引っ張られ、ケーブル402がケーブルロック300を通って締め付け方向DTに移動すると、制御部分406の有効長さが増加し、締結部分408の有効長さは減少する。逆に、締結部分408が引っ張られ、ケーブル402がケーブルロック300を通って弛緩方向DLに移動すると、締結部分408の有効長さが増加して履物製品10cを弛緩させ、制御部分406の有効長さは減少する。上述のように、ロック部分410は、ケーブル402の位置に関係なく、ケーブルロック300内に収容されるケーブル402の部分に関連する。したがって、制御部分406、締結部分408、及びロック部分410は、ケーブル402自体の固定セクションではなく、ケーブルロック300に対するケーブル402の位置に依存する。
【0122】
締結システム400cのケーブル402は、以下により詳細に説明するように、締め付け状態と弛緩状態との間で履物製品10cを移動させるためにケーブルロック300と協働するように構成される。概して、ケーブルロック300及び締結システム400cは、アッパー100cと協働してゾーン締め付けを提供するように構成され、それによって、第1の調整領域112cに関連するケーブル402の部分に加えられる締め付け力FT又は弛緩力FLは、第2の調整領域114cに関連するケーブル402の部分に加えられる締め付け力FT又は弛緩力FLとは異なる。したがって、アッパー100cの第1の調整領域112c及び第2の調整領域114cは、足の周囲に異なるきつさを有するように調節され得る。例えば、第1の大きさを有する締め付け力FTは第1の制御セグメント412に加えられ得、第2の大きさを有する締め付け力FTは第2の制御セグメント414に加えられ得る。従って、第1の締め付け力FTは、第1のロックセグメント420に加えられ、一方、第2の締め付け力FTは、第2のロックセグメント422に加えられ、それによって、第1のロックセグメント420を、第2のロックセグメント422よりも大きな速度で、ケーブルロック300を通って引っ張らせる。締結セグメント416、418の終端部424は、アッパー100cに独立して固定されるため、第1の締め付け力FT1は、第1の締結セグメント416に加えられ、第2の締め付け力FT2は、第2の締結セグメント418に加えられる。
【0123】
いくつかの例では、アッパー100cの外側側部22及び内側側部24は、ケーブルロック300から調整領域112c、114cに沿ってケーブル402をルーティングする一連のケーブルガイド426を含む。他の例では、ケーブルガイド426は、締結セグメント416、418を受け入れるために、アッパー100cの非弾性領域110を通って形成された開口(例えば、アイレット)、又はアッパー100cの非弾性領域110に取り付けられたファブリック又はメッシュループを含み得る。ファブリック又はメッシュのループ/ウェビングは、ケーブル402が締め付け方向DTに移動するときに、ケーブル402と摩擦を生じさせ得る。
【0124】
引き続き
図14を参照すると、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418は、アッパー100cの調整領域115cに沿って配置された複数のケーブルガイド426を通ってルーティングする。ケーブルガイド426を通ってルーティングした後、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418の終端部424は、アッパー100cの非弾性領域110cに取り付けられる。
【0125】
図示の例では、第1の締結セグメント416は、下方の第1の調整領域112cのきつさを制御するように構成される。図示のように、第1の締結セグメント416は、ケーブルロック300から、踵領域16に隣接する、中足部領域14内に隣接する外側側部22に配置されたケーブルガイド426の第1のものまで延びている。ケーブルガイド426のうちの第1のものから、第1の締結セグメント416は、第1の調整領域112cを横切って、第1の調整領域112cの内側側部24のエッジ126に隣接するケーブルガイド426のうちの第2のものまで延びている。次いで、第1の締結セグメント416は、第1の調整領域112cを横切って第1の調整領域112cの外側側部22上のエッジ124に隣接するケーブルガイド426の第3のものに戻って延び、次いで、第1の調整領域112cを横切って終端部424に戻る。図示のように、第1の締結セグメント416の終端部424は、第1の調整領域112cの内側側部24のエッジ126に隣接して、第2の端部118に配置される。従って、第1の締結セグメント416が、第1の制御セグメント412に締め付け力FTを加えることによって張力方向DTに動かされると、第1の締結セグメント416は、第1の調整領域112cの対向するエッジ124、126上のケーブルガイド426を互いに向かって引っ張り、第1の調整領域112cを締め付ける。
【0126】
第2の締結セグメント418は、上方の第2の調整領域114cのフィットを制御するように構成される。図示のように、第2の締結セグメント418は、ケーブルロック300から、アッパーの踵領域14の非弾性領域110c上のケーブルガイド426の第4のものまで延びる。次いで、第2の締結セグメント418は、ケーブルガイド426の第4のものから上方の、第2の調整領域114cを横切って、外側側部22上の第2の調整領域114cのエッジ124に隣接するケーブルガイド426の第5のものまで延びる。そこから、第2の締結セグメント418は、第2の調整領域114cを横切って、内側側部24のエッジ126に隣接するケーブルガイドの第6のものまで戻って延び、第2の調整領域114cを横切って、外側側部22のエッジ124に隣接する終端部424まで戻る。図示のように、第2の締結セグメント418は、上方の、第2の調整領域114cに沿って、第1の締結セグメント418とケーブルロック300との間に配置される。従って、第2の締結セグメント418が、第2の制御セグメント414に締め付け力FTを印加することによって張力方向DTに移動されると、第2の締結セグメントは、第2の調整領域114cの対向するエッジ124、126上のケーブルガイド426を互いに向かって引っ張り、第2の調整領域114cを締め付ける。
【0127】
上述のように、第1の締結セグメント416及び第2の締結セグメント418のいずれか一方は、締結セグメント416、418をアッパー100cに沿ってルーティングするための任意の数のケーブルガイド426を備え得る。例えば、追加のケーブルガイド426が、ケーブルロック300と調整領域115cとの間に設けられ得る。さらに、締結セグメント416、418は、調整領域115cの縁部124、126に沿って追加のケーブルガイドを含むことによって形成され得る、調整領域112c、114cを覆う追加のパスを有し得る。
【0128】
図15~24を参照すると、本開示によるケーブルロック300、300aの例が提供される。ケーブルロック300、300aの各例は、ハウジング304、304a、304b及びカバー306、306aを有するエンクロージャ302、302aと、エンクロージャ302内に配置され、ケーブル402と選択的に係合するように構成されたロック部材308とを含む。いくつかの例では、ケーブルロック300aは、
図21に示すように、1つ又は複数のケーブルガイド310を含み得る。以下に詳細に説明するように、ケーブルガイド310は、ケーブルロック300aを通過するときに、可聴フィードバック及び触覚フィードバックの少なくとも1つを提供するために、ケーブル402及びエンクロージャ302aと協働する。ケーブルロック300、300aは、
図18、19、22、23に関して後述するように、係合状態又はロック状態に向けてロック部材308を付勢する(bias)ように構成された第1の付勢部材312と、係合解除状態又はロック解除状態でロック部材308を保持するように、ハウジング304、304a、304bと協働するように構成された一対の第2の付勢部材314とをさらに含む。
【0129】
図19、25、及び26を参照すると、ハウジング304、304a、304bのいくつかの例が提供される。ハウジング304、304a、304bは、第1の端部316と第2の端部318との間に延びる長さを画定する。ハウジング304、304a、304bは、外面322と、外面322からベース部分320の反対側に形成されたケーブル受容内面324とを有するベース部分320を含む。周辺壁326、326aは、内面324から延び、ベース部分320及びカバー306、306aと協働して、ケーブル402、ロック部材308、及びケーブルガイド310を受け入れるように構成された、エンクロージャ302、302aの主キャビティ328を画定する。図示の例では、周辺壁326、326aは、第1の端部316及び第2の端部318のそれぞれにおける一対の端部壁327aと、端部壁327aの間に延びる対向する一対の側壁327bとを含む。他の例では、周辺壁は連続し、円形エンクロージャ302の環状周辺壁を画定し得る、あるいは多面で多角形エンクロージャ302を画定し得る。
【0130】
周辺壁326、326aは、主キャビティ328、328aとエンクロージャ302、302aの外部との間の連通を提供するために、そこを通って形成された複数のケーブル開口部330a、330bを含み得る。図示の例では、開口部330a、330bは、ケーブル402の第1の端部を受け入れるための第1の端部316に近接した第1の一対の開口部330aと、ケーブル402の第2の端部を受け入れるための第2の端部318に近接した第2の一対の開口部330bとを含む。
図19に示すハウジング304の例では、開口部330a、330bは、ハウジングの側壁327bに形成される。しかし、開口部330a、330bは、
図25及び26に示すように、ハウジング304a、304bのコーナーを通って形成されてもよい。他の例では、開口部330a、330bは、ハウジングの端部壁327a内に完全に形成されてもよい。
【0131】
図19、
図25、及び
図26を引き続き参照すると、ハウジング304、304a、304bは、ロックチャネル332がハウジング304、304a、304bの第2の端部318に向かう方向に沿ってテーパ状になるくさび状の構成に関連するように、互いに向かって収束する、対向する一対の係合部又は係合面334によって画定されるロックチャネル332を含む。従って、係合面334は、ロックチャネル332を画定するように、互いに向かって集束し、ベース部分320の内面324とカバー306、306aとの間に延びる、ハウジング304、304a、304bの対応する側壁によって画定される。以下に詳細に説明するように、係合面334は、ロック部材308と協働してケーブル402を固定する。
【0132】
図25及び
図26を参照すると、いくつかの例において、ハウジング304a、304bは、ケーブルガイド310によって受けられ、その周りをケーブルガイド310が同軸回転するアクスル又はスピンドルとして作用するように構成された1つ又は複数のシャフト336をさらに含み得る。図示の実施例では、ハウジング304a、304bは、それぞれ、ロックチャネル332と第2の端部318の第2の開口部330bの各々との間に配置された一対のシャフト336を含む。従って、シャフト336は、
図22及び23に示すように、ケーブル402がロックチャネル332と第2の開口部330bとの間を通過するときに、ケーブルガイド310がケーブル402によって係合されるように、ハウジング304a、304b内に位置する。しかしながら、シャフト336は、ケーブルガイド310がケーブル402の経路に沿って配置されるように、ハウジング304の他の領域に配置されてもよい。
【0133】
図25及び
図26を引き続き参照すると、シャフト336の各々は、ベース部分320の内面324から第1の距離突出し、第1の直径を有する肩部分338を含み得る。シャフト336は、肩部分338の遠位端部から第2の距離延び、第2の直径を有するネック部分340をさらに含む。肩部分338とネック部分340との間の直径の差は、
図24に示すように、ケーブルガイド310を回転可能に支持するための平坦な支持面341を画定する。ケーブルガイド310の1つを回転可能に受け入れるように構成された環状凹部342が、ベース部分320の内面324に形成され、シャフト336と同心である。従って、後述するように、ケーブルガイド310は、ケーブル402がケーブルロック300aを通過するときに、シャフト336の周りを且つ凹部342内で回転するように構成される。
【0134】
図22~
図25に示すように、いくつかの例では、ハウジング304aは、ハウジング304aに固定された第1の端部346と、ケーブルガイド310と断続的に係合して、所定の距離だけハウジング304bを通るケーブル402の移動に対応する増分フィードバックを生成するように構成された自由吊り下げ遠位端部348とを有する一対のプロング(prongs)344を含み得る。図示の例では、各プロング344の第1の端部346は、ベース部分320の内面324から延びるボスの側部に取り付けられる。他の例では、プロング344は、ベース部分320又はハウジング304bの側壁327の1つに直接取り付けられ得る。別の例では、ハウジング304bは、
図26に示すように、プロングなしで形成され得る。
【0135】
各プロング344は、第1の端部346からシャフト336のそれぞれの1つに向かう方向に長手方向軸A
Pに沿って延びる。いくつかの例では、各プロング344の長手方向軸A
Pは、シャフト336のそれぞれの1つの中心軸A
Sと交差する。プロング344は、プロング344の遠位端部348が干渉位置とクリアランス位置との間で動作可能となるように、長手方向軸A
Pに沿って弾性的に屈曲するように構成される。干渉位置において、プロング344の遠位端部348は、ケーブルガイド310の外周の回転経路内に延び、一方、プロング344がクリアランス位置にあるとき、プロング344の遠位端部348は、ケーブルガイド310の外周の外側に配置される。従って、ケーブル402がケーブルロック300aを通って引かれると、ケーブルガイド310はシャフト336周りに回転させられて、プロング344の遠位端部348に断続的に係合し、それによって、可聴フィードバック及び触覚フィードバックをユーザに提供させ、ケーブル402の動きを示す。従って、プーリ310とプロング344との協働は、ケーブルロック300aのフィードバック機構349を画定し得る。上述のように、ハウジング304bは、
図26に示すように、プロングなしで形成され得る。ハウジング304bがプロングなしで形成される場合、プーリ310は、ユーザにフィードバックを提供することなく、ハウジング304b内で自由に回転し得る。
【0136】
引き続き
図19、
図25、及び
図26を参照すると、ハウジング304、304a、304bは、
図18及び
図23に示すように、ロック部材308をロック解除状態に固定するために、ロック部材308と選択的に係合するように構成された一対の保持特徴部(retention features)350を含む。ハウジング304、304a、304bに関連する保持特徴部350は、ハウジング304、304a、304bの両側に配置された第1の保持特徴部350及び第2の保持特徴部350を含み得、それによって、保持特徴部350は、第2の付勢部材314によってロック部材308に向かって内方に付勢される。図示された例では、保持特徴部350はそれぞれ、ロック部材308がそれらの間を通過することを可能にするために保持特徴部350が係合状態と係合解除状態との間で移動可能なリビングヒンジとして作用するように、ハウジング304、304a、304bと一体に形成された可撓性(フレキシブル)タブ352を含む。従って、各タブ352は、固定された第1の端部354から分離された遠位端部356まで長手方向軸A
Tに沿って延びる。図示のように、各タブ352の遠位端部356は、ロックチャネル332とハウジング304の第1の端部316の開口部330aとの間のケーブル402の経路を部分的に画定し得る。従って、遠位端部356は、それに沿ってケーブル402がロックチャネル332と第1の開口部330aのそれぞれの1つとの間を通過する凸状の内側ガイド面358を含み得る。
【0137】
保持特徴部350の各々は、タブ352の遠位端部356からロックチャネル332内に横方向に延びる突出部360をさらに含む。突出部360の幅は、第1の端部316から第2の端部318への方向に沿ってテーパ状になり得、その結果、突出部360は、ハウジング304の第1の端部316に対向する保持面362と、保持面362から突出部360の反対側に形成された付勢面364とを含む。保持面362及び付勢面364の各々は、ハウジング304、304a、304bの長手方向軸AHに対して斜めの角度で形成され得る。しかしながら、長手方向軸AHに対する保持面362の角度は、保持面362が、第1の端部316(すなわち、ロック解除状態)に向かうよりも、第2の端部318(すなわち、ロック解除状態)に向かうロック部材308の移動に対するより大きな抵抗を提供するよう構成されるように、付勢面364の角度よりも大きく成り得る。図示された例では、突出部360は、タブ352の遠位端部356から離間され、遠位端部356と協働して、ロックチャネル332から第1の開口330aの1つへケーブル402をガイドするためのトラック366又は通路を画定する。
【0138】
図18、
図19、
図22、
図23を引き続き参照すると、ケーブルロック300は、遠位端部356を、その結果、保持特徴部350の突出部360をロックチャネル332に向かって内方に付勢するように構成された一対の第2の付勢部材314を含む。図示の例では、付勢部材314は、タブ352の遠位端部356に連続付勢力F
Bを加える圧縮ばねである。他の例では、付勢力F
Bは、張力ばね、コイルばねのような他のタイプの付勢部材314によって、又は弾性的なリビングヒンジとしてタブ352の第1の端部354を形成することによって加えられ得る。
【0139】
図18、19、22、及び23の例を参照すると、ロック部材308は、ハウジング304のロックチャネル332内に摺動可能に受容されるように構成される。上述のように、ロック部材308は、ケーブル402の位置を選択的に固定するために、ロック状態とロック解除状態との間で動作可能である。ロック部材308は、第1の端部368と、第2の端部370と、第1の端部368と第2の端部370との間のロック部材の両側に形成された一対のロック面372とを含む。いくつかの例では、ロック面372は、ロック部材308がロックチャネル332内に配置されたときに、ロック面372がハウジング304の係合面334のそれぞれに平行になるように、第1の端部368から第2の端部370への方向に沿って互いに向かって収束する。図示の例では、ロック面372は、ロック部材308がロック状態にあるときにケーブル402を把持することによって、ケーブル402によるハウジング304の第2の端部316に向かう移動を制限しながら、ケーブル402によるハウジング304の第1の端部318に向かう移動を許容するように構成された突出部又は歯373を含む。
【0140】
ロック部材308の第1の端部368は、そこから外側に延びるフレア状の突起部376を有するタブ部分374と、突起部376とロック面372との間に形成された一対の戻り止め部(detent)378とを含み得る。概して、突起部376は、ロック部材308の第1の端部368に向いて対向する付勢面380と、付勢面380とは反対方向に向いている保持面382とを含む。保持面382は、戻り止め部378の一部を画定する。突起部376の付勢面380は、ロック部材308がハウジング304の第1の端部316に向かって移動するとき、突起部376が突出部360の間を通過すると、突出部360を互いから離間して広げるように、保持特徴部350の付勢面364とインターフェースする(interface)ように構成される。突起部376の保持面382は、
図12及び17に示すように、ロック部材308をロック解除状態に固定するために、保持特徴部350の保持面362とインターフェースするように構成される。
【0141】
図18、19、22、及び23を引き続き参照すると、ロック部材308は、第2の端部370に取り付けられた第1の付勢部材312と、第1の端部368に取り付けられたリリースケーブル384とを含む。図示のように、第1の付勢部材312は、ロック部材308の第2の端部370に取り付けられた第1の端部と、ハウジング304の第2の端部318に取り付けられた第2の端部とを有する引っ張りばねである。従って、第1の付勢部材312は、ロック部材308をロック状態に向かって付勢するために、連続的な係合力F
Eをロック部材308に印加するように構成される。逆に、リリースケーブル384は、ロック部材308の第1の端部368でタブ374に取り付けられ、選択的に加えられる解放力F
Rをロック部材308の第1の端部368に伝達するように構成される。以下に説明するように、解放力F
Rが係合力F
Eより大きい場合、ロック部材308はロック状態からロック解除状態へ移動する。
【0142】
図21に示すケーブルロック300aの例を参照すると、ケーブルガイド310は、ハウジング304のシャフト336に回転可能に結合された一対のプーリ310である。
図27に示すように、各プーリ310は、プーリ310の厚さを画定する上面386及び下面388と、プーリ310の厚さを通って延び、ハウジング304のシャフト336を回転可能に受容するように構成された開口部390とを含む。開口部390は、
図24に示すように、シャフト336のネック部分340を回転可能に受容するための内側表面と、シャフト336の肩部分338の支持面341によって支持される下側表面とを有する、内側に延びるフランジ391を含み得る。プーリ310の外壁392は、上面386と下面388との間に延び、プーリの小径を画定する。
【0143】
図27を参照すると、各プーリ310は、上方フランジ394a及び下方フランジ394bを含む。上方フランジ394aは、プーリ310の外壁392の周囲に均等に離間され、上面386に隣接する複数の上方突出部396aによって集合的に形成される。上方突出部396aは、各々、プーリ310の外壁392の周りに第1の長さL1延び、第1の距離D1だけ離間される。同様に、下方フランジ394bは、下面388に隣接して、プーリ310の外壁392の周りに均等に離間された複数の下方突出部396bによって集合的に形成される。下方突出部396bは、プーリの外壁392の周りに第2の長さL2延び、第2の距離D2だけ離間される。
【0144】
図示の例では、上方突出部396aの第1の長さL1は、下方突出部396bの間の第2の距離D2と同じであり、下方突出部396bの第2の長さL2は、上方突出部396aの間の第1の距離D1と同じである。さらに、上方突出部396aの各々は、下方突出部396bの隣接するものの間に形成されたスペースと軸方向に整列される。したがって、上方突出部396aと下方突出部396bは、外壁392の周囲に交互に配置され、プーリ310の軸方向に重ならない。他の例では、異なる長さ及びスペースが、突出部396a、396bが軸方向に互いに重なるように使用され得る。
【0145】
上方突出部396a及び下方突出部396bは、プーリ310の外壁392と協働して、その中にケーブル402の部分を収容するように構成された溝398を画定する。上述のように、フランジ394a、394bが突出部396a、396bによって画定される場合、溝398は、突出部396a、396bによって断続的にかつ交互に画定され得る。従って、ケーブル402は、上方突出部396a及び下方突出部396bの少なくとも1つによって溝398内に連続的に支持される。
【0146】
図24の断面図を参照すると、プーリ310の各々は、プロング344の一つの遠位端部348が、下方突出部396bの隣接するものの間に形成されたスペース内に延びるように、ハウジング304a、304bの環状凹部342のそれぞれの1つ内に収容されるように構成される。従って、プロング344の遠位端部348は、下方突出部396bの回転経路と干渉する。プーリ310が回転すると、下方突出部396bは、プロング344の遠位端部348と断続的に係合する。この断続的な係合は、クリックノイズの形態の可聴フィードバックと、間欠的な抵抗の増加の形態の触覚フィードバックの両方を提供する。従って、プーリ310とプロング344との協働は、ケーブルロック300のフィードバック機構349を形成すると称され得る。
【0147】
図17及び
図22は、ロック状態にある間、ハウジング304、304a、304bのロックチャネル332内に配置されたロック部材308、リリースケーブル384、及びケーブル402を示すために、カバー306、306aを取り外したケーブルロック300、300aの上面図である。いくつかの例では、ロック部材308は、第1の付勢部材312によってロック状態に付勢される。例えば、
図17及び
図22は、ロック部材308の第2の端部370をハウジング304、304a、304bの第2の端部318に向かって付勢し、それによってロック部材308を付勢するために、ロック部材308に係合力F
Eをかける第1の付勢部材312を示す。
【0148】
ロック状態の間、ロック部材308は、係合面334とロック面372との間でケーブル402をはさむこと(pinching)によって、ハウジング304、304a、304bに対するケーブル402の移動を制限する。従って、ロック部材308のロック状態は、弛緩力FLがケーブル402に加えられるときに、ケーブル402が弛緩方向DLに移動するのを制限する。図示の例では、ロック部材308は、締め付け力FTが制御部分406に加えられたときに、この方向は、ケーブル402に、ロック部材308の略楔形の形状のために、ロック部材308への力を加えさせ、それによって、ロック解除状態に向かってロック部材308を移動させるので、ケーブル402の移動を可能にする。ロック部材308は、制御部分406に加えられる力が、第1の付勢部材312によってロック部材308に加えられる力のために解放されると、自動的にロック状態に戻る。
【0149】
図18及び
図23は、ロック解除状態の間、ハウジング304、304a、304bのロックチャネル332内に配置されたロック部材308を示すために、カバー306、306aを除去したケーブルロック300の上面図を提供する。いくつかの例では、ロック部材308のタブ374に取り付けられたリリースケーブル384は、ロック部材308を係合面334から離れるように移動させるために、ロック部材308に解放力F
Rを加える。ここで、解放力F
Rは、ロック面372と係合面334との間のケーブル402のロックセグメント420、422のはさまりが解放されるように、ロック部材308がハウジング304に対して移動できるようにするために、第1の付勢部材312の係合力F
Eに打ち勝つのに十分である。いくつかの例では、係合力F
Eは、リリースケーブル384によって印加される解放力F
Rが除去されると、ロック部材308をロック状態に戻させる。
【0150】
ロック解除状態の間、ロック部材308は、ケーブル402のロックセグメント420、422がそれぞれのロック面372と係合面334との間を自由に移動できるようにすることによって、ハウジング304、304a、304bに対するケーブル402の移動を可能にする。ロック部材308のロック解除状態は、引張力FT、FLが制御部分406と締結部分408のそれぞれに加えられるときに、ケーブル402の締め付け方向DT、弛緩方向DLの両方の移動を可能にする。締め付け方向DTにおけるケーブル402の移動は、締結部分408の有効長さを減少させて、アッパー100の調整領域112、114を締め付け、それによって、足の周りの内部空所102を閉じるためにアッパー100を締め付け状態に移動させ、一方、弛緩方向DLにおけるケーブル402の動きは、締結部分408の有効長さを増加させて、調整領域112、114がそれらの平坦な緩み状態に戻ることを可能にし、それによって、足を内部空所102から取り外すことができるように、アッパー100の締め付け状態から緩み状態への遷移を容易にする。
【0151】
いくつかの例では、リリースケーブル384に加えられる解放力F
Rの十分な大きさ及び/又は持続時間は、リリースケーブル384に、ロック部材308がハウジング304、304a、304bに対して係合面334から離れてハウジング304、304a、304bの第1の端部316に向かって移動するように、係合力F
Eの方向と反対方向にロック部材308に解放力F
Rを加えさせる。ハウジング304、304a、304bの保持特徴部350のうちの少なくとも1つは、
図18及び
図23に示すように、解放力F
Rが、ハウジング304の係合面334から所定の距離だけ離れてロック部材308を移動させる場合に、ロック部材308の戻り止め部378と係合し得る。ここで、ロック部材308の戻り止め部378とハウジング304、304a、304bの少なくとも1つの保持特徴部350との係合は、解放力F
Rが解放されると、ロック部材308をロック解除状態に維持する。第1の付勢部材312の係合力F
Eと、一対の第2の付勢部材314によって保持特徴部350に加えられる力は、ロック部材308が所定の距離を移動し、解放力F
Rがもはや加えられなくなった後、保持特徴部350の突出部360をロックしてロック部材308の戻り止め部378と係合させる。
【0152】
いくつかのシナリオでは、第1の大きさに関連する解放力FRをリリースケーブル384に加えて、係合面334から離れてロック部材308を所定の距離未満の距離だけ移動させることにより、保持特徴部350が係合しないようにし得る。これらのシナリオでは、第1の大きさに関連する解放力FRは、足の周りの内部空所102のフィットを調整するために、ケーブル402を弛緩方向DL(例えば、締結部分408に弛緩力FLを印加することによって)又は締め付け方向DT(例えば、制御部分406に締め付け力FTを印加することによって)に移動させることが望ましい場合に、維持されることができる。足の周りの内部空所102の所望のフィットが達成されると、解放力FRが解放されて、ロック部材308を係止状態に戻し、その結果ケーブル402の移動が弛緩方向DLに制限され、所望のフィットが維持されることができるようにする。なお、ロック部材308がロック状態であっても、ケーブル402を締め付け方向DTに移動させることができる。このように、弛緩力FLが解放され、所望のフィットが達成されると、ロック部材308は、ハウジング304、304a、304bに対するケーブル402の位置をロックすることによって、自動的に所望のフィットを保持する。
【0153】
他のシナリオでは、第1の大きさよりも大きい第2の大きさに関連する解放力FRをリリースケーブル384に加えて、係合面334から所定の距離だけ離れてロック部材308を移動させて、対応する保持特徴部350を戻り止め部378に係合させることができる。保持特徴部350の係合は、リリースケーブル384が所定の距離を引かれるとき、ロック部材308が、第2の付勢部材314によって付与される付勢力FBに対して、保持特徴部350をより容易に動くことを可能にするように、ロック部材308に対向するテーパ付き付勢面364を保持特徴部350の突出部360に設けることによって容易になる。これらのシナリオでは、対応する保持特徴部350と戻り止め部378との係合は、解放力FRが解放されるときに、ロック部材308をロック解除状態に維持する。
【0154】
ロック部材308は、締め付け力F
Tが制御部分406に加えられると、ロック状態に戻される。すなわち、締め付け力F
Tが制御部分406に加えられると、第1の制御セグメント412及び第2の制御セグメント414は、
図17及び
図22に示すように、第1の制御セグメント412及び第2の制御セグメント414が第1の開口部330aを通過する際に、保持特徴部350のタブ352の遠位端部356を介して第2の付勢部材314に力を加える引張状態に置かれる。そうすることにより、保持特徴部350の遠位端部356は、第2の付勢部材314を圧縮し、そのため、保持特徴部350の突出部360を互いから離れて動かし、ロック部材308の戻り止め部378を係止解除させ、それによって、第1の付勢部材312がロック部材308をロック状態に戻すことを可能にする。
【0155】
以下の条項は、本開示の原理に従った履物製品及びケーブルロックのための例示的な構成を提供する。
【0156】
条項1:履物製品は、内部空所を画定し、第1の領域と第2の領域とを有するアッパーと、アッパーに取り付けられたソール構造と有する。履物製品はさらに、(i)第1の領域を横切ってアッパー及びソール構造の1つに固定された第1の終端部まで延びる第1の締結セグメントと、第2の領域を横切ってアッパー及びソール構造の1つに固定された第2の終端部まで延びる第2の締結セグメントとを有するケーブルと、(ii)アッパー及びソール構造の1つに取り付けられたケーブルロックであって、第1の締結セグメント及び第2の締結セグメントを受け入れるように構成され、第1の締結セグメント及び第2の締結セグメントの各々の位置を互いに独立して固定するように動作可能なケーブルロックとを含む。
【0157】
条項1の履物製品であって、第1の領域及び第2の領域のいずれか又は両方は弾性材料を含む。
【0158】
条項3:前条項のいずれかの履物製品であって、ケーブルロックはソール構造内に配置される。
【0159】
条項4:前条項のいずれか履物製品であって、ケーブルロックはさらに、ケーブルロックをロック状態からロック解除状態に移動するように操作可能なリリースケーブルを含む。
【0160】
条項5:前条項のいずれかの履物製品であって、第1の領域はアッパーの内側側部に配置され、第2の領域はアッパーの外側側部に配置される。
【0161】
条項6:前条項のいずれかの履物製品であって、第1の領域及び第2の領域の少なくとも1つは、第1の一連のケーブルガイドを含む上縁部と、第2の一連のケーブルガイドを含む下縁部とを含み、第1の締結セグメント及び第2の締結セグメントの少なくとも1つは、第1の領域及び第2の領域の少なくとも1つの長さに沿って、第1の一連のケーブルガイドと第2の一連のケーブルガイドとの間を交互にルーティングされる。
【0162】
条項7:前条項のいずれかの履物製品であって、第1の終端部は、アッパーの内側側部に固定され、第2の終端部はアッパーの外側側部に固定される。
【0163】
条項8:前条項のいずれかの履物製品であって、ケーブルは、ケーブルロックを通って第1の締結セグメントに接続された第1の制御セグメントと、ケーブルロックを通って第2の締結セグメントに接続された第2の制御セグメントとを含む。
【0164】
条項9:条項8の履物製品であって、第1の制御セグメントに加えられる引張力が、第1の締結セグメントへの第1の締め付け力及び第2の締結セグメントへの第2の締め付け力を誘発する。
【0165】
条項10:条項9の履物製品であって、第1の締め付け力は、第2の締め付け力より大きいか又は小さいかのいずれかである。
【0166】
条項11:条項1-4及び条項8-10のいずれかの履物製品であって、第1の領域は、第2の領域よりもアッパーの足首開口部の近くに配置され、第2の領域は、第1の領域よりもアッパーのつま先領域の近くに配置される。
【0167】
条項12:履物製品は、内部空所を画定し、第1の領域及び第2の領域を有するアッパーと、アッパーに取り付けられたソール構造とを有する。履物製品は、(i)第1の領域を横切ってアッパーに固定された第1の終端部に延びる第1の締結セグメントと、第2の領域を横切ってアッパーに固定された第2の終端部に延びる第2の締結セグメントと、第1の締結セグメントへの第1の締め付け力と第2の締結セグメントへの第2の締め付け力のうちの少なくとも1つを提供するように動作可能な制御部分であって、第1の締め付け力は第2の締め付け力よりも大きいか又は小さいかのいずれかである制御部分と、を有するケーブルと、(ii)アッパー及びソール構造の1つに取り付けられ、中にケーブルの一部を受け入れるケーブルロックであって、ケーブルの移動を防ぐロック状態とケーブルの移動を許容にするロック解除状態との間で動作可能なケーブルロックと、をさらに含む。
【0168】
条項13:条項12の履物製品であって、第1の締結セグメント及び第2の締結セグメントは、ケーブルロックにおいて制御部分に接続される。
【0169】
条項14:前条項のいずれかの履物製品であって、ケーブルロックはソール構造内に配置される。
【0170】
条項15:前条項のいずれかの履物製品であって、ケーブルロックはさらに、ロック状態からロック解除状態にケーブルロックを移動させるように操作可能なリリースケーブルを含む。
【0171】
条項16:前条項のいずれかの履物製品であって、第1の領域はアッパーの内側側部に配置され、第2の領域はアッパーの外側側部に配置される。
【0172】
条項17:前条項のいずれかの履物製品であって、第1の領域及び第2の領域の少なくとも1つは、アッパーの足首開口部から前足部領域まで延びる。
【0173】
条項18:前条項のいずれかの履物製品であって、第1の領域及び第2の領域の少なくとも1つは、第1の一連のケーブルガイドを含む上縁部と、第2の一連のケーブルガイドを含む下縁部とを含み、第1の締結セグメント及び第2の締結セグメントの少なくとも1つは、第1の領域及び第2の領域の少なくとも1つの長さに沿って、第1の一連のケーブルガイドと第2の一連のケーブルガイドとの間を交互にルーティングされる。
【0174】
条項19:前条項のいずれかの履物製品であって、第1の終端部はアッパーの内側側部に配置され、第2の終端部はアッパーの外側側部に配置される。
【0175】
条項20:前条項のいずれかの履物製品であって、制御部分は、ソール構造で第1の締結セグメントに接続された第1の制御セグメントと、ソール構造で第2の締結セグメントに接続された第2の制御セグメントとを含む。
【0176】
条項21:条項20の履物製品であって、第1の制御セグメントに加えられる引張力は、第1の締結セグメントに第1の締め付け力を、第2の締結セグメントに第2の締め付け力を誘発する。
【0177】
条項22:条項12~15及び条項19~21のいずれかの履物製品であって、第1の領域は第2の領域よりもアッパーの足首開口部の近くに配置され、第2の領域は第1の領域よりもアッパーのつま先領域の近くに配置される。
【0178】
前述の説明は、図示及び説明の目的で提供された。これは、網羅的であること、又は本開示を限定することを意図したものではない。特定の構成の個々の要素又は特徴は、概して、その特定の構成に限定されないが、適用可能な場合には、互換性があり、具体的に図示又は説明されていなくても、選択された構成で使用することができる。同じことは、いろいろな方法で変えられ得る。このような変更は、本開示からの逸脱とはみなされず、すべてのこのような変更は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【外国語明細書】