(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012637
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】手乾燥装置
(51)【国際特許分類】
A47K 10/48 20060101AFI20230119BHJP
【FI】
A47K10/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116181
(22)【出願日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】山崎 裕太
(72)【発明者】
【氏名】入江 恭亮
(72)【発明者】
【氏名】力丸 光生
(72)【発明者】
【氏名】飯田 守
(72)【発明者】
【氏名】古澤 雄大
(57)【要約】
【課題】適切なタイミングで清掃を行うことができる手乾燥装置を提供する。
【解決手段】本体部と、前記本体部の汚れに関する情報を取得し、前記情報に基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定する制御部と、を備えたことを特徴とする手乾燥装置。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部の汚れに関する情報を取得し、前記情報に基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定する制御部と、
を備えたことを特徴とする手乾燥装置。
【請求項2】
前記制御部は、手乾燥装置の運転情報を取得し、前記運転情報に基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定することを特徴とする請求項1記載の手乾燥装置。
【請求項3】
風を送る送風部をさらに備え、
前記運転情報は、前記制御部への通電時間、前記送風部の作動回数、及び前記送風部の作動時間の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項2記載の手乾燥装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記制御部への通電時間、前記送風部の作動回数、及び前記送風部の作動時間のうち2つ以上を取得し、前記2つ以上に基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定することを特徴とする請求項3記載の手乾燥装置。
【請求項5】
前記本体部は、複数の清掃箇所を有し、
前記制御部は、前記運転情報に基づいて、前記複数の清掃箇所のそれぞれの汚れ状態を判定し、
前記複数の清掃箇所のうちの1つの汚れ状態の判定条件は、前記複数の清掃箇所のうちの他の1つの汚れ状態の判定条件と異なることを特徴とする請求項2~4のいずれか1つに記載の手乾燥装置。
【請求項6】
手乾燥装置の過去の運転情報である過去運転情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記運転情報と、前記記憶部に記憶された前記過去運転情報と、に基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定することを特徴とする請求項2~5のいずれか1つ記載の手乾燥装置。
【請求項7】
前記本体部の周辺の環境情報を取得する環境情報取得部をさらに備え、
前記制御部は、前記環境情報取得部から前記環境情報を取得し、前記環境情報に基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定することを特徴とする請求項1記載の手乾燥装置。
【請求項8】
前記本体部の周辺の環境情報を取得する環境情報取得部をさらに備え、
前記制御部は、前記運転情報と前記環境情報取得部から前記環境情報とを取得し、前記運転情報と前記環境情報とに基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定することを特徴とする請求項2~6のいずれか1つに記載の手乾燥装置。
【請求項9】
前記本体部の汚れに関する光学的情報を検出する光学センサをさらに備え、
前記制御部は、前記光学センサから前記光学的情報を取得し、前記光学的情報に基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定することを特徴とする請求項1~8のいずれか1つに記載の手乾燥装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記本体部の汚れに関する情報に基づいて、前記本体部が清掃の不要な清掃不要状態であるか、前記本体部が清掃の必要な清掃必要状態であるか、を判定し、
前記判定の条件は、変更可能であることを特徴とする請求項1~9のいずれか1つに記載の手乾燥装置。
【請求項11】
前記制御部は、リセット信号が入力されたら、前記本体部の汚れに関する情報をリセットすることを特徴とする請求項1~10のいずれか1つに記載の手乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、手乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ室や洗面所の壁面などに取り付けられ、手洗い後の使用者の手の乾燥に用いられる手乾燥装置がある。このような手乾燥装置においては、例えば、感染症予防などの観点から、適切なタイミングで清掃を行うことが求められる。しかし、手乾燥装置の汚れの度合いは、使用環境によって異なるため、適切なタイミングで清掃を行うことが難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-226297号公報
【特許文献2】国際公開第2015/128987号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、適切なタイミングで清掃を行うことができる手乾燥装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、本体部と、前記本体部の汚れに関する情報を取得し、前記情報に基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定する制御部と、を備えたことを特徴とする手乾燥装置である。
【0006】
この手乾燥装置によれば、本体部の汚れに関する情報に基づいて、本体部の汚れ状態を判定することで、その使用環境における本体部の汚れの度合いを正確に判定することができる。これにより、使用環境で汚れの度合いが変わっても、その使用環境に合わせた適切な清掃タイミングを把握することができ、清掃者が適切なタイミングで手乾燥装置の清掃を行うことができる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記制御部は、手乾燥装置の運転情報を取得し、前記運転情報に基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定することを特徴とする手乾燥装置である。
【0008】
この手乾燥装置によれば、手乾燥装置の運転情報に基づいて、本体部の汚れ状態を判定することで、従来の手乾燥装置から大幅に構成を変更することなく、簡単な構成で本体部の汚れの度合いを正確に判定することができる。これにより、清掃者が適切なタイミングで手乾燥装置の清掃を行うことができる。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、風を送る送風部をさらに備え、前記運転情報は、前記制御部への通電時間、前記送風部の作動回数、及び前記送風部の作動時間の少なくともいずれかを含むことを特徴とする手乾燥装置である。
【0010】
この手乾燥装置によれば、運転情報が、制御部への通電時間、送風部の作動回数、及び送風部の作動時間の少なくともいずれかを含むことで、従来の手乾燥装置でも収集できる情報から、本体部の汚れの度合いを正確に判定することができる。これにより、清掃者が適切なタイミングで手乾燥装置の清掃を行うことができる。
【0011】
第4の発明は、第3の発明において、前記制御部は、前記制御部への通電時間、前記送風部の作動回数、及び前記送風部の作動時間のうち2つ以上を取得し、前記2つ以上に基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定することを特徴とする手乾燥装置である。
【0012】
この手乾燥装置によれば、制御部への通電時間、送風部の作動回数、及び送風部の作動時間のうち2つ以上に基づいて、本体部の汚れ状態を判定することで、本体部の汚れの度合いをより正確に判定することができる。これにより、清掃者がより適切なタイミングで手乾燥装置の清掃を行うことができる。
【0013】
第5の発明は、第2~第4のいずれか1つの発明において、前記本体部は、複数の清掃箇所を有し、前記制御部は、前記運転情報に基づいて、前記複数の清掃箇所のそれぞれの汚れ状態を判定し、前記複数の清掃箇所のうちの1つの汚れ状態の判定条件は、前記複数の清掃箇所のうちの他の1つの汚れ状態の判定条件と異なることを特徴とする手乾燥装置である。
【0014】
この手乾燥装置によれば、本体部が複数の清掃箇所を有する場合に、複数の清掃箇所のうちの1つの汚れ状態の判定条件が複数の清掃箇所のうちの他の1つの汚れ状態の判定条件と異なることで、複数の清掃箇所のそれぞれにおいて、汚れの度合いを正確に判定することができる。これにより、複数の清掃箇所のそれぞれにおいて、清掃者が適切なタイミングで清掃を行うことができる。
【0015】
第6の発明は、第2~第5のいずれか1つの発明において、手乾燥装置の過去の運転情報である過去運転情報を記憶する記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記運転情報と、前記記憶部に記憶された前記過去運転情報と、に基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定することを特徴とする手乾燥装置である。
【0016】
この手乾燥装置によれば、運転情報と過去運転情報とに基づいて本体部の汚れ状態を判定することで、いたずらや誤検出といったノイズを除去でき、本体部の汚れの度合いをより正確に判定することができる。これにより、清掃者がより適切なタイミングで手乾燥装置の清掃を行うことができる。
【0017】
第7の発明は、第1の発明において、前記本体部の周辺の環境情報を取得する環境情報取得部をさらに備え、前記制御部は、前記環境情報取得部から前記環境情報を取得し、前記環境情報に基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定することを特徴とする手乾燥装置である。
【0018】
この手乾燥装置によれば、本体部の周辺の環境情報に基づいて、本体部の汚れ状態を判定することで、本体部の汚れの度合いを正確に判定することができる。これにより、清掃者が適切なタイミングで手乾燥装置の清掃を行うことができる。
【0019】
第8の発明は、第2~第6のいずれか1つの発明において、前記本体部の周辺の環境情報を取得する環境情報取得部をさらに備え、前記制御部は、前記運転情報と前記環境情報取得部から前記環境情報とを取得し、前記運転情報と前記環境情報とに基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定することを特徴とする手乾燥装置である。
【0020】
この手乾燥装置によれば、運転情報と本体部の周辺の環境情報とに基づいて、本体部の汚れ状態を判定することで、本体部の汚れの度合いをより正確に判定することができる。これにより、清掃者が適切なタイミングで手乾燥装置の清掃を行うことができる。
【0021】
第9の発明は、第1~第8のいずれか1つの発明において、前記本体部の汚れに関する光学的情報を検出する光学センサをさらに備え、前記制御部は、前記光学センサから前記光学的情報を取得し、前記光学的情報に基づいて、前記本体部の汚れ状態を判定することを特徴とする手乾燥装置である。
【0022】
この手乾燥装置によれば、本体部の汚れに関する光学的情報に基づいて、本体部の汚れ状態を判定することで、本体部の汚れの度合いを正確に判定することができる。また、光学的情報を運転情報などの他の情報と組み合わせて判定することで、本体部の汚れの度合いをさらに正確に判定することができる。これにより、清掃者が適切なタイミングで手乾燥装置の清掃を行うことができる。
【0023】
第10の発明は、第1~第9のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記本体部の汚れに関する情報に基づいて、前記本体部が清掃の不要な清掃不要状態であるか、前記本体部が清掃の必要な清掃必要状態であるか、を判定し、前記判定の条件は、変更可能であることを特徴とする手乾燥装置である。
【0024】
この手乾燥装置によれば、清掃不要状態及び清掃必要状態を判定するための判定条件を変更可能とすることで、清掃者が任意に判定条件のパラメータや閾値を設定することができる。これにより、使用環境に合わせた適切な判定を行うことができ、清掃者がより適切なタイミングで手乾燥装置の清掃を行うことができる。
【0025】
第11の発明は、第1~第10のいずれか1つの発明において、前記制御部は、リセット信号が入力されたら、前記本体部の汚れに関する情報をリセットすることを特徴とする手乾燥装置である。
【0026】
この手乾燥装置によれば、リセット信号が入力されたら本体部の汚れに関する情報をリセットすることで、例えば、清掃が完了した後に清掃者がリセット信号を入力する操作を行うまで、本体部が清掃必要状態であるという判定を維持できる。これにより、清掃が完了しても本体部が清掃必要状態であるという判定が継続したり、清掃が完了していないのにもかかわらず本体部が清掃必要状態であるという判定が自動で解除されたりすることを抑制できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の態様によれば、適切なタイミングで清掃を行うことができる手乾燥装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】第1実施形態に係る手乾燥装置を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る手乾燥装置を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】第1実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】第1実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】第1実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】第1実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8(a)及び
図8(b)は、第1実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】第2実施形態に係る手乾燥装置を示すブロック図である。
【
図10】第2実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第3実施形態に係る手乾燥装置を示すブロック図である。
【
図12】第3実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0030】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る手乾燥装置を示す斜視図である。
図1に表したように、第1実施形態に係る手乾燥装置100は、本体部10を備える。本体部10は、使用者の手を挿入可能にした凹状の乾燥室13を有する。手乾燥装置100は、例えば、トイレ室の壁面などに取り付けて使用される。手乾燥装置100は、乾燥室13に挿入された手を検出し、乾燥室13内の手に風を吹き付ける。これにより、手乾燥装置100は、例えばトイレ使用後の手洗いなどで濡れた手を乾燥させる。
【0031】
乾燥室13は、例えば上方に開口しており、挿入された手を乾燥する。本体部10は、例えば、上方に開口した開口箱状である。従って、使用者は、上方から下方に向かって乾燥室13に手を挿入することで手を乾燥させることができる。乾燥室13の開口する向きは、上方に限ることなく、例えば、前方や前方側斜め上方などでもよい。乾燥室13の開口する向きは、使用者が手を挿入し易い任意の方向でよい。
【0032】
また、乾燥室13の開口形状は、横長である。乾燥室13の開口部の横方向の長さは、乾燥室13の開口部の前後方向の長さよりも長い。これにより、手乾燥装置100では、左右の手を横方向に並べた状態で、上方から乾燥室13に挿入することができる。すなわち、使用者は、両手を下方に垂らして乾燥室13に挿入すればよく、自然な姿勢で手の乾燥を行うことができる。
【0033】
本体部10は、前面部10aと、背面部10bと、一対の側面部10c、10dと、を有する。この例において、本体部10は、略矩形の箱状である。乾燥室13は、例えば、前面部10a、背面部10b、及び各側面部10c、10dによって、前方、後方、及び両側方を囲まれた略矩形の凹部である。
【0034】
乾燥室13は、前面部10aによって形成される前面側の内側面と、背面部10bによって形成される背面側の内側面と、各内側面の下端に連続する底面と、を有する。また、各内側面及び底面のそれぞれの両側端は、各側面部10c、10dによって塞がれる。乾燥室13は、濡れた手から吹き飛ばされた水滴を各面で受ける。
【0035】
本体部10及び乾燥室13の形状は、これに限ることなく、手を挿入可能な任意の形状でよい。各側面部10c、10dは、例えば、省略されてもよい。すなわち、乾燥室13は、上方及び側方が開放された溝状の形状でもよい。このように、乾燥室13の形状は、手を挿入する開口部以外の一部が開放された形状でもよい。
【0036】
本体部10は、乾燥室13内に風を吹き出すための複数の吹出口15を有する。各吹出口15は、例えば、略円形の開口である。各吹出口15は、前面部10aの前面側の内側面と、背面部10bの背面側の内側面と、に設けられる。各吹出口15は、例えば各内側面において横方向(水平方向)に略一直線状に並べて設けられる。
【0037】
各吹出口15は、例えば、各内側面の上端(開口端)付近に設けられ、斜め下方に向けて風を吹き出す。すなわち、各吹出口15は、乾燥室13の底面側に向けて水滴を吹き飛ばす。これにより、吹き飛ばされた水滴が、使用者にかかってしまうことを抑制することができる。
【0038】
吹出口15の形状は、任意の形状でよい。吹出口15の数は、任意の数でよい。例えば、横方向に延びるスリット状の1つの吹出口を本体部10に設けてもよい。吹出口は、乾燥室13に挿入された手に対して適切に風を吹き付けることができる任意の形状及び数でよい。
【0039】
本体部10は、例えば、各側面部10c、10dに設けられた一対の通気口17を有する。各通気口17は、各吹出口15から吹き出された風を乾燥室13の外部に抜けさせる。これにより、例えば、水滴を含んだ風が乾燥室13内で折り返され、使用者側に向かってしまうことを抑制することができる。換言すれば、吹き飛ばされた水滴が、使用者側に向かってしまうことを抑制することができる。
【0040】
本体部10は、水受けトレー18をさらに備える。水受けトレー18は、例えば、本体部10の底部に着脱自在に取り付けられる。本体部10は、図示を省略した排水溝を有する。乾燥室13の各面で受けた水滴は、排水溝を介して水受けトレー18に送られる。これにより、水受けトレー18は、乾燥室13内で吹き飛ばされた水滴を回収する。
【0041】
図2は、第1実施形態に係る手乾燥装置を示すブロック図である。
図2に表したように、第1実施形態に係る手乾燥装置100は、吸込口14と、風路16と、送風部20と、加熱部25と、手検出部30と、操作部40と、制御部50と、記憶部55と、報知部60と、通信部70と、をさらに備えている。
【0042】
吸込口14は、例えば、本体部10の底部に設けられる。吸込口14は、外部から本体部10内に気体(空気)を取り込むための開口である。風路16は、吸込口14と各吹出口15とを接続する。風路16は、例えば、複数のダクトなどによって構成され、吸込口14から取り込まれた気体を各吹出口15に送る。
【0043】
送風部20は、乾燥室13に風を送る。送風部20は、例えば、電動送風機(ファンモータ)である。送風部20は、風路16に設けられる。送風部20は、例えば、吸込口14から手乾燥装置100が設置されている室内の空気を吸気して、風路16にその空気を供給することにより、風路16の下流端に設けられた各吹出口15から乾燥室13に向けて風を吹き出させる。送風部20は、制御部50と電気的に接続されている。送風部20は、制御部50からの信号に応じて作動する。
【0044】
加熱部25は、乾燥室13に送られる風を加熱する。加熱部25は、例えば、フィンヒータである。加熱部25は、送風部20から各吹出口15に向かう気体を加熱可能な任意のヒータなどでよい。加熱部25は、例えば、風路16において、送風部20と各吹出口15との間に設けられる。加熱部25は、送風部20から各吹出口15に向かう気体(風)を加熱することにより、各吹出口15から吹き出される気体を温める。これにより、手乾燥装置100では、加熱部25によって温められた温風を各吹出口15から吹き出させることができる。これにより、例えば、使用者の手の乾燥性能を向上させることができる。例えば、非加熱の風を吹き出す場合に比べて、より短時間で使用者の手を乾燥させることができる。加熱部25は、制御部50と電気的に接続されている。加熱部25は、制御部50からの信号に応じて作動する。加熱部25は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0045】
手検出部30は、乾燥室13に挿入された手を検出する。手検出部30は、例えば、透過型の光センサ(フォトインタラプタ)である。手検出部30は、これに限ることなく、使用者の手を検出可能な任意のセンサでよい。手検出部30は、例えば、反射型の光センサ、測距センサ、焦電センサ、静電容量センサ、超音波センサ、及びマイクロ波センサなどでもよい。手検出部30は、制御部50と電気的に接続されている。手検出部30は、検出結果を制御部50に出力する。
【0046】
操作部40は、制御部50と電気的に接続されている。操作部40は、使用者の操作を受け、使用者の操作指示を制御部50に入力する。制御部50は、入力された操作指示に応じて手乾燥装置100の各部の動作を制御する。操作部40は、例えば、本体部10の底部など、使用者による操作が可能で、かつ目立たない位置に配置される。操作部40は、例えば、手乾燥装置100の運転モードの切り替えに用いられる。
【0047】
制御部50は、送風部20、加熱部25、手検出部30、及び操作部40と電気的に接続されている。制御部50は、送風部20及び加熱部25を制御する。制御部50は、例えば、手検出部30において使用者の手が検出されたら、送風部20及び加熱部25に対して、作動を開始させるための信号を出力する。また、制御部50は、例えば、手検出部30において使用者の手が検出されなくなったら、送風部20及び加熱部25に対して、作動を停止させるための信号を出力する。
【0048】
制御部50は、本体部10の汚れに関する情報を取得する。この例では、制御部50は、手乾燥装置100の運転情報を取得する。運転情報は、例えば、制御部50への通電時間、送風部20の作動回数、及び送風部20の作動時間の少なくともいずれかを含む。
【0049】
制御部50は、取得した情報に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定する。より具体的には、制御部50は、本体部10が清掃の不要な清掃不要状態であるか、清掃の必要な清掃必要状態であるか、を判定する。判定の条件は、例えば、清掃者が任意の条件に設定可能(すなわち、変更可能)である。より具体的には、判定条件のパラメータや閾値は、清掃者が任意のパラメータや閾値に設定可能(すなわち、変更可能)である。判定の条件は、例えば、操作部40での操作や外部機器200での操作により変更可能である。
【0050】
記憶部55は、手乾燥装置100の過去の運転情報である過去運転情報を記憶する。記憶部55は、制御部50と電気的に接続されている。制御部50は、例えば、運転情報と、記憶部55に記憶された過去運転情報と、に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定する。
【0051】
制御部50は、判定結果を出力する。より具体的には、制御部50は、本体部10が清掃必要状態であると判定されたら、本体部10が清掃必要状態であることを示す第1情報を出力する。制御部50は、報知部60及び外部機器200の少なくともいずれかに第1情報を出力する。制御部50は、例えば、報知部60及び外部機器200の両方に第1情報を出力してもよい。
【0052】
なお、この例では、制御部50は、CPUであり、本体部10の汚れに関する情報の取得と、本体部10の汚れ状態の判定と、判定結果の出力と、を行っている。制御部50は、例えば、本体部10の汚れに関する情報を取得する部分と、本体部10の汚れ状態を判定する部分と、判定結果を出力する部分と、に構造的に分かれていてもよい。
【0053】
報知部60は、判定結果を報知する。より具体的には、報知部60は、第1情報が入力されたら、本体部10が清掃必要状態であることを報知する。報知部60は、制御部50と電気的に接続されている。報知部60は、例えば、光及び音の少なくともいずれかにより、判定結果を報知する。報知部60は、例えば、光出力部及び音出力部の少なくともいずれかを含む。光出力部は、例えば、乾燥室13の内側面に設けられる。光出力部は、例えば、非使用時(待機時)に弱く点灯し、使用時に強く点灯し、報知時に点滅する。光出力部は、例えば、報知する内容に応じて、異なる点滅パターンで点滅する。音出力部は、例えば、本体部10の内部に設けられる。音出力部は、例えば、報知時にブザー音や音声を出力する。また、報知部60が文字や画像を表示可能な表示部を有する場合には、報知部60は、文字や画像を表示することで、判定結果を報知してもよい。
【0054】
通信部70は、外部機器200と通信可能に設けられている。通信部70と外部機器200との通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。通信部70は、制御部50と電気的に接続されている。制御部50は、通信部70を介して、外部機器200に第1情報を出力する。
【0055】
外部機器200は、判定結果を報知する。より具体的には、外部機器200は、第1情報が入力されたら、本体部10が清掃必要状態であることを報知する。外部機器200は、例えば、清掃者のいる管理室にあるモニタや、手乾燥装置の周辺に設けられるスマートミラーなどである。外部機器200は、例えば、清掃者が携帯する情報表示端末などであってもよい。外部機器200は、例えば、文字や画像を表示可能な表示部を有する。外部機器200は、例えば、文字や画像を表示することで、判定結果を報知する。また、外部機器200は、例えば、光及び音の少なくともいずれかにより、判定結果を報知してもよい。この場合、外部機器200は、例えば、光出力部及び音出力部の少なくともいずれかを含む。
【0056】
図3は、第1実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図3に表したように、制御部50は、手乾燥装置100の運転情報を取得し、運転情報に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定する。この例では、制御部50は、制御部50への通電時間、送風部20の作動回数、及び送風部20の作動時間のうち2つ以上を取得し、2つ以上に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定する。
【0057】
より具体的には、手乾燥装置100の電源がオンになると(すなわち、制御部50への通電が開始されたら)、制御部50は、運転情報を取得する(ステップS101)。
【0058】
次に、制御部50は、運転情報が第1運転条件を満たすか否かを判定する(ステップS102)。第1運転条件は、例えば、制御部50への通電時間が閾値(例えば、2日間)を超えたか否かである。第1運転条件は、例えば、送風部20の作動回数が閾値(例えば、800回)を超えたか否かであってもよい。第1運転条件は、例えば、送風部20の作動時間が閾値(例えば、2時間)を超えたか否かであってもよい。第1運転条件のパラメータ及び閾値は、任意に設定可能である。
【0059】
運転情報が第1運転条件を満たす場合(ステップS102:Yes)、制御部50は、現在の運転情報が記憶部55に記憶された過去運転情報と類似しているか否かを判定する(ステップS103)。ここでは、一例として、送風部20の作動回数が800回を超えたら第1運転条件を満たす場合を例に挙げて説明する。過去運転情報において、送風部20の作動回数が800回を超えた時点の制御部50への通電時間がX時間であったとする。そして、現在の運転情報において、送風部20の作動回数が800回を超えた時点の制御部50への通電時間がY時間であったとする。制御部50は、YがXの近似値の場合に、現在の運転情報が記憶部55に記憶された過去運転情報と類似している、と判定する。制御部50は、例えば、YがX±20%の範囲内にあるとき(すなわち、0.8X≦Y≦1.2Xを満たすとき)、YがXの近似値である、と判定する。なお、過去運転情報は、前回に本体部10が清掃必要状態であると判定された時点での運転情報であってもよいし、過去複数回の本体部10が清掃必要状態であると判定された時点での運転情報の平均値であってもよい。
【0060】
現在の運転情報が記憶部55に記憶された過去運転情報と類似していると判定された場合(ステップS103:Yes)、制御部50は、本体部10が清掃必要状態であると判定する(ステップS104)。次に、制御部50は、記憶部55に運転情報を記憶する(ステップS105)。
【0061】
次に、制御部50は、報知部60または外部機器200(通信部70)に本体部10が清掃必要状態であることを示す第1情報を出力する(ステップS106)。報知部60及び外部機器200は、それぞれ、第1情報が入力されたら、本体部10が清掃必要状態であることを報知する。
【0062】
一方、現在の運転情報が記憶部55に記憶された過去運転情報と類似していないと判定された場合(ステップS103:No)、制御部50は、本体部10が清掃不要状態であると判定する(ステップS107)。次に、制御部50は、運転情報を修正する(ステップS108)。制御部50は、例えば、現在の運転情報を、記憶部55に記憶された過去運転情報の平均値に修正する。制御部50は、例えば、現在の運転情報をリセットしてもよい。つまり、制御部50は、例えば、制御部50への通電時間、送風部20の作動回数、及び送風部20の作動時間の少なくともいずれかのカウントを0にしてもよい。本体部10が清掃不要状態であると判定された場合には、制御部50は、第1情報を出力しない。
【0063】
また、運転情報が第1運転条件を満たさない場合(ステップS102:No)、制御部50は、運転情報が第2運転条件を満たすか否かを判定する(ステップS109)。第2運転条件は、例えば、送風部20の作動回数が閾値(例えば、1200回)を超えたか否かである。第2運転条件は、例えば、制御部50への通電時間が閾値(例えば、3日間)を超えたか否かであってもよい。第2運転条件は、例えば、送風部20の作動時間が閾値(例えば、3時間)を超えたか否かであってもよい。第2運転条件のパラメータ及び閾値は、任意に設定可能である。ただし、第2運転条件のパラメータは、第1運転条件のパラメータと異なる。
【0064】
運転情報が第2運転条件を満たす場合(ステップS109:Yes)、制御部50は、ステップS103に進む。運転情報が第2運転条件を満たさない場合(ステップS109:No)、制御部50は、本体部10が清掃不要状態であると判定する(ステップS110)。本体部10が清掃不要状態であると判定された場合には、制御部50は、第1情報を出力しない。
【0065】
なお、ステップS103は、必要に応じて行われ、省略可能である。ステップS103が省略される場合には、運転情報が第1運転条件を満たすと(ステップS102:Yes)、制御部50は、本体部10が清掃必要状態であると判定する(ステップS104)。また、ステップS103が省略される場合には、ステップS105、S107、S108も省略される。
【0066】
また、ステップS109は、必要に応じて行われ、省略可能である。ステップS109が省略される場合には、運転情報が第1運転条件を満たさないと(ステップS102:No)、制御部50は、本体部10が清掃不要状態であると判定する(ステップS110)。
【0067】
このように、本体部10の汚れに関する情報に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定することで、その使用環境における本体部10の汚れの度合いを正確に判定することができる。これにより、使用環境で汚れの度合いが変わっても、その使用環境に合わせた適切な清掃タイミングを把握することができ、清掃者が適切なタイミングで手乾燥装置100の清掃を行うことができる。
【0068】
また、手乾燥装置100の運転情報に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定することで、従来の手乾燥装置から大幅に構成を変更することなく、簡単な構成で本体部10の汚れの度合いを正確に判定することができる。これにより、清掃者が適切なタイミングで手乾燥装置100の清掃を行うことができる。
【0069】
また、運転情報が、制御部50への通電時間、送風部20の作動回数、及び送風部20の作動時間の少なくともいずれかを含むことで、従来の手乾燥装置でも収集できる情報から、本体部10の汚れの度合いを正確に判定することができる。これにより、清掃者が適切なタイミングで手乾燥装置100の清掃を行うことができる。
【0070】
また、制御部50への通電時間、送風部20の作動回数、及び送風部20の作動時間のうち2つ以上に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定することで、本体部10の汚れの度合いをより正確に判定することができる。これにより、清掃者がより適切なタイミングで手乾燥装置100の清掃を行うことができる。
【0071】
また、運転情報と過去運転情報とに基づいて本体部10の汚れ状態を判定することで、いたずらや誤検出といったノイズを除去でき、本体部10の汚れの度合いをより正確に判定することができる。これにより、清掃者がより適切なタイミングで手乾燥装置100の清掃を行うことができる。
【0072】
また、清掃不要状態及び清掃必要状態を判定するための判定条件を変更可能とすることで、清掃者が任意に判定条件のパラメータや閾値を設定することができる。これにより、使用環境に合わせた適切な判定を行うことができ、清掃者がより適切なタイミングで手乾燥装置100の清掃を行うことができる。
【0073】
また、本体部10が清掃必要状態であると判定されたら、本体部10が清掃必要状態であることを示す第1情報を出力することで、清掃の必要な状態になっていることを清掃者により確実に知らせることができる。これにより、清掃者に適切なタイミングで清掃を行うことを促すことができ、清掃の必要な状態(すなわち、汚れた状態)で手乾燥装置100が使用されることを抑制できる。
【0074】
また、手乾燥装置100に設けられた報知部60に第1情報を出力し、報知部60が清掃必要状態であることを報知することで、手乾燥装置100を見ただけで清掃の必要な状態になっていることを清掃者が把握することができる。これにより、より確実に清掃者に清掃を促すことができる。
【0075】
また、通信部70を介して外部機器200に第1情報を出力し、外部機器200が清掃必要状態であることを報知することで、例えば、清掃者のいる管理室にあるモニタや手乾燥装置100の周辺にあるスマートミラーなどの外部機器200において、清掃の必要な状態になっていることを清掃者が把握することができる。これにより、より確実に清掃者に清掃を促すことができる。
【0076】
また、本体部10は、例えば、複数の清掃箇所を有する。複数の清掃箇所は、例えば、乾燥室13、水受けトレー18、吸込口14に設けられるフィルタ、及び外表面の少なくともいずれかを含む。制御部50は、運転情報に基づいて、複数の清掃箇所のそれぞれの汚れ状態を判定する。複数の清掃箇所のうちの1つ(例えば、乾燥室13)の汚れ状態の判定条件は、複数の清掃箇所のうちの他の1つ(例えば、水受けトレー18)の汚れ状態の判定条件と異なる。
【0077】
より具体的には、複数の清掃箇所のうちの1つを第1部分、複数の清掃箇所のうちの他の1つを第2部分とすると、第1部分の汚れ状態の判定における第1運転条件は、例えば、第2部分の汚れ状態の判定における第1運転条件と異なる。また、第1部分の汚れ状態の判定における第2運転条件は、例えば、第2部分の汚れ状態の判定における第2運転条件と異なる。なお、「第1運転条件(第2運転条件)が異なる」とは、パラメータ及び閾値の少なくともいずれかが異なることを意味する。つまり、パラメータが異なる場合だけでなく、パラメータが同じで閾値が異なる場合も、「第1運転条件(第2運転条件)が異なる」とみなすことができる。
【0078】
このように、本体部10が複数の清掃箇所を有する場合に、複数の清掃箇所のうちの1つの汚れ状態の判定条件が複数の清掃箇所のうちの他の1つの汚れ状態の判定条件と異なることで、複数の清掃箇所のそれぞれにおいて、汚れの度合いを正確に判定することができる。これにより、複数の清掃箇所のそれぞれにおいて、清掃者が適切なタイミングで清掃を行うことができる。
【0079】
図4は、第1実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図4に表したように、制御部50が報知部60に第1情報を出力する場合、制御部50は、本体部10が清掃必要状態であると判定されたら、送風部20が停止した後、所定時間経過してから報知部60に第1情報を出力する。
【0080】
より具体的には、本体部10が清掃必要状態と判定されたら(ステップS201)、制御部50は、送風部20が停止中か否かを判定する(ステップS202)。制御部50は、送風部20が停止するまで、ステップS202を繰り返す(ステップS202:No)。
【0081】
送風部20が停止したら、あるいは、送風部20がすでに停止中であれば(ステップS202:Yes)、制御部50は、送風部20の停止から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS203)。制御部50は、送風部20の停止から所定時間が経過するまで、ステップS203を繰り返す(ステップS203:No)。所定時間は、例えば、2~5秒間程度である。
【0082】
送風部20の停止から所定時間が経過したら(ステップS203:Yes)、制御部50は、報知部60に第1情報を出力する(ステップS204)。報知部60は、第1情報が入力されたら、本体部10が清掃必要状態であることを報知する。
【0083】
このように、本体部10が清掃必要状態であると判定されたら、送風部20が停止した後、所定時間経過してから報知部60に第1情報を出力することで、使用者が手乾燥装置100を使用した後で報知を行うことができる。これにより、清掃の必要な状態になっていることを、使用者に気付かれずに清掃者に知らせやすくなる。
【0084】
図5は、第1実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図5に表したように、制御部50は、リセット信号が入力されたら、本体部10の汚れに関する情報をリセットする。
【0085】
より具体的には、制御部50は、リセット信号が入力されたか否かを判定する(ステップS301)。リセット信号が入力されたら(ステップS301:Yes)、制御部50は、運転情報のカウントをリセットする(ステップS302)。制御部50は、例えば、制御部50への通電時間、送風部20の作動回数、及び送風部20の作動時間の少なくともいずれかのカウントを0にする。
【0086】
リセット信号が入力されない場合(ステップS301:No)、制御部50は、前回の第1情報の出力から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS303)。所定時間が経過していない場合(ステップS303:No)、制御部50は、ステップS301に戻る。
【0087】
所定時間が経過したら(ステップS303:Yes)、制御部50は、運転情報を再取得する(ステップS304)。次に、制御部50は、運転情報がリマインド条件を満たすか否かを判定する(ステップS305)。リマインド条件は、例えば、制御部50への通電時間が閾値(例えば、4日間)を超えたか否かである。リマインド条件は、例えば、送風部20の作動回数が閾値(例えば、1600回)を超えたか否かであってもよい。リマインド条件は、例えば、送風部20の作動時間が閾値(例えば、4時間)を超えたか否かであってもよい。リマインド条件のパラメータ及び閾値は、任意に設定可能である。運転情報がリマインド条件を満たさない場合(ステップS305:No)、制御部50は、ステップS301に戻る。
【0088】
運転情報がリマインド条件を満たす場合(ステップS305:Yes)、制御部50は、運転情報が作動禁止条件を満たすか否かを判定する(ステップS306)。作動禁止条件は、例えば、制御部50への通電時間が閾値(例えば、5日間)を超えたか否かである。作動禁止条件は、例えば、送風部20の作動回数が閾値(例えば、2000回)を超えたか否かであってもよい。作動禁止条件は、例えば、送風部20の作動時間が閾値(例えば、5時間)を超えたか否かであってもよい。作動禁止条件のパラメータ及び閾値は、任意に設定可能である。
【0089】
運転情報が作動禁止条件を満たす場合(ステップS306:Yes)、制御部50は、手乾燥装置100の作動を禁止する(ステップS307)。より具体的には、制御部50は、例えば、送風部20の作動を禁止する。次に、制御部50は、報知部60または外部機器200(通信部70)に手乾燥装置100が作動禁止状態であることを示す作動禁止情報を出力する(ステップS308)。報知部60及び外部機器200は、それぞれ、作動禁止情報が入力されたら、手乾燥装置100が作動禁止状態であることを報知する。
【0090】
次に、制御部50は、リセット信号が入力されたか否かを判定する(ステップS309)。制御部50は、リセット信号が入力されるまで、ステップS309を繰り返す(ステップS309:No)。リセット信号が入力されたら(ステップS309:Yes)、制御部50は、運転情報のカウントをリセットする(ステップS302)。
【0091】
一方、運転情報が作動禁止条件を満たさない場合(ステップS306:No)、制御部50は、外部機器200(通信部70)に手乾燥装置100が清掃必要状態であることを示すリマインド情報を出力する(ステップS310)。外部機器200は、リマインド情報が入力されたら、手乾燥装置100が清掃必要状態であることを報知する。
【0092】
このように、リセット信号が入力されたら本体部の汚れに関する情報をリセットすることで、例えば、清掃が完了した後に清掃者がリセット信号を入力する操作を行うまで、本体部が清掃必要状態であるという判定を維持できる。これにより、清掃が完了しても本体部が清掃必要状態であるという判定が継続したり、清掃が完了していないのにもかかわらず本体部が清掃必要状態であるという判定が自動で解除されたりすることを抑制できる。
【0093】
また、運転情報がリマインド条件を満たす場合にリマインド情報を出力することで、清掃の必要な状態になっていることを清掃者により確実に知らせることができる。これにより、清掃の必要な状態(すなわち、汚れた状態)で手乾燥装置100が使用されることを抑制できる。
【0094】
また、運転情報が作動禁止条件を満たす場合に手乾燥装置100の作動を禁止することで、清掃の必要な状態(すなわち、汚れた状態)で手乾燥装置100が使用されることを抑制できる。
【0095】
また、手乾燥装置100の作動を禁止したら作動禁止情報を出力することで、使用者に手乾燥装置100が作動禁止状態であることを報知できるとともに、清掃者に清掃を促すことができる。
【0096】
図6は、第1実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図6に表したように、制御部50は、本体部10が清掃不要状態の場合に、清掃必要状態が近いか否かを判定し、清掃必要状態が近いと判定されたら、清掃必要状態が近いことを示す第2情報(予告情報)を出力する。
【0097】
より具体的には、本体部10が清掃不要状態と判定されたら(ステップS401)、制御部50は、運転情報が第1予告条件を満たすか否かを判定する(ステップS402)。第1予告条件は、例えば、制御部50への通電時間が閾値(例えば、1日間)を超えたか否かである。第1予告条件は、例えば、送風部20の作動回数が閾値(例えば、400回)を超えたか否かであってもよい。第1予告条件は、例えば、送風部20の作動時間が閾値(例えば、1時間)を超えたか否かであってもよい。第1予告条件のパラメータ及び閾値は、任意に設定可能である。
【0098】
運転情報が第1予告条件を満たす場合(ステップS402:Yes)、制御部50は、本体部10の清掃必要状態が近いと判定する(ステップS403)。次に、制御部50は、運転情報が第2予告条件を満たすか否かを判定する(ステップS404)。第2予告条件は、例えば、送風部20の作動回数が閾値(例えば、600回)を超えたか否かである。第2予告条件は、例えば、制御部50への通電時間が閾値(例えば、1.5日間)を超えたか否かであってもよい。第2予告条件は、例えば、送風部20の作動時間が閾値(例えば、1.5時間)を超えたか否かであってもよい。第2予告条件のパラメータ及び閾値は、任意に設定可能である。ただし、第2予告条件のパラメータは、第1予告条件のパラメータと異なる。
【0099】
運転情報が第2予告条件を満たす場合(ステップS404:Yes)、制御部50は、報知部60または外部機器200(通信部70)に清掃必要状態が近いことを示す第2情報を出力する(ステップS405)。報知部60及び外部機器200は、それぞれ、第2情報が入力されたら、清掃必要状態が近いことを報知する。第2情報は、例えば、単に清掃必要状態が近いことを示す情報であってもよいし、清掃必要状態となるまでの予測時間や清掃必要状態となるまでの予測使用回数などを示す情報であってもよい。
【0100】
一方、運転情報が第2予告条件を満たさない場合(ステップS404:No)、制御部50は、外部機器200(通信部70)に清掃必要状態が近いことを示す第2情報を出力する(ステップS406)。報知部60は、第2情報が入力されたら、清掃必要状態が近いことを報知する。
【0101】
また、運転情報が第1予告条件を満たさない場合(ステップS402:No)、制御部50は、本体部10の清掃必要状態が近くないと判定する(ステップS407)。清掃必要状態が近くないと判定された場合には、制御部50は、第2情報を出力しない。
【0102】
なお、ステップS404は、必要に応じて行われ、省略可能である。ステップS404が省略される場合には、本体部10の清掃必要状態が近いと判定されたら(ステップS403)、制御部50は、報知部60または外部機器200(通信部70)に清掃必要状態が近いことを示す第2情報を出力する(ステップS405)。また、ステップS404が省略される場合には、ステップS406も省略される。
【0103】
このように、清掃必要状態が近いと判定されたら、清掃必要状態が近いことを示す第2情報を出力することで、清掃必要状態になる前に、清掃必要状態が近いことを清掃者に知らせることができる。これにより、清掃者が効率的な清掃計画を立てやすくなる。
【0104】
なお、このフローチャートは、清掃必要状態と判定されるまで、繰り返し実行されてもよい。その場合、清掃必要状態となるまでの予測時間や清掃必要状態となるまでの予測使用回数が随時更新され、第2情報として出力される。つまり、制御部50は、随時更新される第2情報を出力することで、報知部60や外部機器200において、清掃必要状態となるまでの予測時間や清掃必要状態となるまでの予測使用回数などをカウントダウンして報知させてもよい。
【0105】
なお、報知部60が、第1情報が入力されたら清掃必要状態であることを報知し、第2情報が入力されたら清掃必要状態が近いことを報知する場合、報知部60は、清掃必要状態であることと、清掃必要状態が近いことと、を区別可能な状態で報知する。つまり、報知部60において清掃必要状態が近いことを報知する際の報知パターンは、報知部60において清掃必要状態であることを報知する際の報知パターンとは異なる。例えば、報知部60が光により報知する場合、清掃必要状態が近いことを報知する際の報知部60の点滅パターンは、清掃必要状態であることを報知する際の報知部60の点滅パターンとは異なる。例えば、報知部60が音により報知する場合、清掃必要状態が近いことを報知する際の報知部60の音は、清掃必要状態であることを報知する際の報知部60の音とは異なる。
【0106】
図7は、第1実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図7に表したように、制御部50は、出力指令信号が入力されたら、現在の汚れ状態に関する情報を出力する。
【0107】
より具体的には、制御部50は、出力指令信号が入力されたか否かを判定する(ステップS501)。制御部50は、出力指令信号が入力されるまで、ステップS501を繰り返す(ステップS501:No)。
【0108】
出力指令信号が入力されたら(ステップS501:Yes)、制御部50は、清掃必要状態であるか否かを判定する(ステップS502)。清掃必要状態である場合(ステップS502:Yes)、制御部50は、報知部60または外部機器200(通信部70)に第1情報を出力する(ステップS503)。報知部60及び外部機器200は、それぞれ、第1情報が入力されたら、清掃必要状態であることを報知する。
【0109】
清掃必要状態ではない場合(ステップS502:No)、制御部50は、清掃必要状態が近いか否かを判定する(ステップS504)。清掃必要状態が近い場合(ステップS504:Yes)、制御部50は、報知部60または外部機器200(通信部70)に第2情報を出力する(ステップS505)。報知部60及び外部機器200は、それぞれ、第2情報が入力されたら、清掃必要状態が近いことを報知する。
【0110】
清掃必要状態が近くない場合(ステップS504:No)、制御部50は、報知部60または外部機器200(通信部70)に清掃不要状態であって清掃必要状態が近くないことを示す第3情報を出力する(ステップS506)。報知部60及び外部機器200は、それぞれ、第3情報が入力されたら、清掃不要状態であって清掃必要状態が近くないことを報知する。
【0111】
出力指令信号は、例えば、操作部40における所定の操作により入力される。より具体的には、例えば、清掃者が操作部40において所定の操作を行うことで、制御部50から報知部60に現在の汚れ状態に関する情報を出力させ、清掃必要状態であるか、清掃必要状態が近いかどうか、などを確認することができる。また、出力指令信号は、例えば、外部機器200における所定の操作により入力される。より具体的には、例えば、清掃者が外部機器200において所定の操作を行うことで、制御部50から外部機器200に現在の汚れ状態に関する情報を出力させ、清掃必要状態であるか、清掃必要状態が近いかどうか、などを確認することができる。
【0112】
このように、出力指令信号が入力されたら現在の汚れ状態に関する情報を出力することで、清掃必要状態であるか、清掃必要状態が近いかどうか、などの現在の汚れ状態を清掃者が容易に把握することができる。例えば、手乾燥装置100に設けられた操作部40を介して出力指令信号が入力された際に、報知部60に現在の汚れ状態に関する情報が出力されるようにすることで、汚れ状態を示す報知を見落としたとしても、現在の汚れ状態を清掃者が容易に把握することができる。また、例えば、他の器具の清掃タイミングに合わせて手乾燥装置100を一緒に清掃するなどの判断を現場ですることができ、清掃負荷を軽減することができる。また、例えば、使用状態の異なる手乾燥装置があっても、清掃が必要な手乾燥装置を把握することができる。また、例えば、外部機器200を介して出力指令信号が入力された際に、外部機器200に現在の汚れ状態に関する情報が出力されるようにすることで、外部機器200を介して現在の汚れ状態を清掃者が容易に把握することができる。これにより、清掃者が効率的な清掃計画を立てやすくなる。
【0113】
図8(a)及び
図8(b)は、第1実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図8(a)に表したように、制御部50が報知部60及び外部機器200の両方に第1情報を出力する場合、制御部50は、例えば、外部機器200に第1情報を出力した後、報知部60に第1情報を出力する。
【0114】
より具体的には、本体部10が清掃必要状態であると判定されたら(ステップS601)、制御部50は、まず、通信部70を介して外部機器200に第1情報を出力する(ステップS602)。外部機器200は、第1情報が入力されたら、本体部10が清掃必要状態であることを報知する。
【0115】
次に、制御部50は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS603)。制御部50は、所定時間が経過するまでステップS603を繰り返す(ステップS603:No)。所定時間が経過したら(ステップS603:Yes)、制御部50は、報知部60に第1情報を出力する(ステップS604)。報知部60は、第1情報が入力されたら、本体部10が清掃必要状態であることを報知する。
所定時間は、例えば、24時間である。これにより、清掃の前日に清掃予定をスケジュールできる。タイミングが合えば前もって清掃できる。
【0116】
このように、通信部70を介して外部機器200に第1情報を出力した後、報知部60に第1情報を出力することで、清掃の必要な状態になっていることを、使用者に気付かれずに、清掃者にだけ先に知らせることができる。これにより、使用者に気付かれる前に清掃を完了させることができる。
【0117】
図8(b)に表したように、制御部50が報知部60及び外部機器200の両方に第1情報を出力する場合、制御部50は、例えば、報知部60に第1情報を出力した後、外部機器200に第1情報を出力してもよい。
【0118】
より具体的には、本体部10が清掃必要状態であると判定されたら(ステップS701)、制御部50は、まず、報知部60に第1情報を出力する(ステップS702)。報知部60は、第1情報が入力されたら、本体部10が清掃必要状態であることを報知する。
【0119】
次に、制御部50は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS703)。制御部50は、所定時間が経過するまでステップS703を繰り返す(ステップS703:No)。所定時間が経過したら(ステップS703:Yes)、制御部50は、通信部70を介して外部機器200に第1情報を出力する(ステップS704)。外部機器200は、第1情報が入力されたら、本体部10が清掃必要状態であることを報知する。所定時間は、例えば、12時間である。これにより、朝清掃できなかった場合、帰る際に再度報知することで、清掃タイミングの日の中で清掃が実施できる。
【0120】
このように、報知部60に第1情報を出力した後、通信部70を介して外部機器200に第1情報を出力することで、外部機器200での報知を、清掃されないまま手乾燥装置100が使用され続けた場合にのみ清掃者に知らせるリマインド報知機能として使用することができる。
【0121】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態に係る手乾燥装置を示すブロック図である。
図9に表したように、第2実施形態に係る手乾燥装置100Aは、環境情報取得部80をさらに備える。環境情報取得部80以外の構成は、第1実施形態に係る手乾燥装置100と同じであるため、説明を省略する。
【0122】
環境情報取得部80は、本体部10の周辺の環境情報を取得する。環境情報取得部80は、例えば、粉塵センサ、温度センサ、及び湿度センサの少なくともいずれかを含む。環境情報取得部80は、例えば、本体部10の周辺に設けられた水栓装置の使用回数に関する情報を取得する通信部であってもよい。環境情報取得部80は、制御部50と電気的に接続されている。環境情報取得部80は、取得した環境情報を制御部50に出力する。
【0123】
上述のように、手乾燥装置は、本体部10の周辺の空気を吸い込み、乾燥室13に吹き出す。そのため、乾燥室13や吸込口14に設けられるフィルタの汚れ具合は、本体部10の周辺環境の粉塵の状態に関係する。環境情報取得部80として、粉塵センサを用いることで、周辺環境の粉塵の状態に関する情報を取得することができる。周辺環境の粉塵の状態に関する情報に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定することで、本体部10の汚れ状態を判定することができる。
【0124】
細菌の多くは、高温多湿を好む。そのため、本体部10の汚れ具合は、本体部10の周辺環境の温度や湿度に関係する。環境情報取得部80として、温度センサや湿度センサを用いることで、周辺環境の温度や湿度に関する情報を取得することができる。周辺環境の温度や湿度に関する情報に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定することで、本体部10の汚れ状態を判定することができる。
【0125】
手乾燥装置は、本体部10の周辺に設けられた水栓装置が使用された後で使用されることが多い。そのため、本体部10の汚れ具合は、本体部10の周辺に設けられた水栓装置の使用回数に関係する。環境情報取得部80が本体部10の周辺に設けられた水栓装置の使用回数に関する情報を取得し、この情報に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定することで、本体部10の汚れ状態を判定することができる。
【0126】
図10は、第2実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図10に表したように、制御部50は、環境情報取得部80から環境情報を取得し、環境情報に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定する。
【0127】
より具体的には、手乾燥装置100の電源がオンになると(すなわち、制御部50への通電が開始されたら)、制御部50は、環境情報取得部80から環境情報を取得する(ステップS801)。
【0128】
次に、制御部50は、環境情報が第1環境条件を満たすか否かを判定する(ステップS802)。第1環境条件は、例えば、温度が25℃以上30℃以下、かつ、湿度が50%以上60%以下である。第1環境条件は、例えば、粉塵の量が閾値(例えば、0.15mg/m3)を超えたか否かであってもよい。第1環境条件は、例えば、本体部10の周辺に設けられた水栓装置の使用回数が閾値(例えば、400回)を超えたか否かであってもよい。第1環境条件のパラメータ及び閾値は、任意に設定可能である。
【0129】
環境情報が第1環境条件を満たさない場合(ステップS802:No)、制御部50は、第1運転条件の閾値を維持する(ステップS803)。第1運転条件は、第1実施形態で説明したものと同じである。環境情報が第1環境条件を満たさない場合、第1運転条件は、例えば、制御部50への通電時間が閾値(例えば、2日間)を超えたか否かである。環境情報が第1環境条件を満たさない場合、第1運転条件は、例えば、送風部20の作動回数が閾値(例えば、800回)を超えたか否かであってもよい。環境情報が第1環境条件を満たさない場合、第1運転条件は、例えば、送風部20の作動時間が閾値(例えば、2時間)を超えたか否かであってもよい。
【0130】
環境情報が第1環境条件を満たす場合(ステップS802:Yes)、制御部50は、第1運転条件の閾値を変更する(ステップS804)。制御部50は、例えば、周辺環境に合わせて、第1運転条件の閾値を変更する。制御部50は、例えば、汚れが発生しやすい環境状態であると判定したら、第1運転条件の閾値を低くする。制御部50は、例えば、汚れが発生しにくい環境状態であると判定したら、第1運転条件の閾値を高くしてもよい。より具体的には、環境情報が第1環境条件を満たす場合、第1運転条件は、例えば、制御部50への通電時間が閾値(例えば、1日間)を超えたか否かである。環境情報が第1環境条件を満たす場合、第1運転条件は、例えば、送風部20の作動回数が閾値(例えば、400回)を超えたか否かであってもよい。環境情報が第1環境条件を満たす場合、第1運転条件は、例えば、送風部20の作動時間が閾値(例えば、1時間)を超えたか否かであってもよい。
【0131】
次に、制御部50は、運転情報を取得し(ステップS805)、運転情報が第1運転条件を満たすか否かを判定する(ステップS806)。
【0132】
運転情報が第1運転条件を満たす場合(ステップS806:Yes)、制御部50は、現在の運転情報が記憶部55に記憶された過去運転情報と類似しているか否かを判定する(ステップS807)。ステップS807は、第1実施形態におけるステップS103と同様にして行われる。
【0133】
現在の運転情報が記憶部55に記憶された過去運転情報と類似していると判定された場合(ステップS807:Yes)、制御部50は、本体部10が清掃必要状態であると判定し(ステップS808)、記憶部55に運転情報を記憶し(ステップS809)、報知部60または外部機器200(通信部70)に本体部10が清掃必要状態であることを示す第1情報を出力する(ステップS810)。ステップS808~S810は、第1実施形態におけるステップS104~S106と同様にして行われる。報知部60及び外部機器200は、それぞれ、第1情報が入力されたら、本体部10が清掃必要状態であることを報知する。
【0134】
一方、現在の運転情報が記憶部55に記憶された過去運転情報と類似していないと判定された場合(ステップS807:No)、制御部50は、本体部10が清掃不要状態であると判定し(ステップS811)、運転情報を修正する(ステップS812)。ステップS811、S812は、第1実施形態におけるステップS107、S108と同様にして行われる。本体部10が清掃不要状態であると判定された場合には、制御部50は、第1情報を出力しない。
【0135】
また、運転情報が第1運転条件を満たさない場合(ステップS806:No)、制御部50は、本体部10が清掃不要状態であると判定する(ステップS813)。本体部10が清掃不要状態であると判定された場合には、制御部50は、第1情報を出力しない。
【0136】
なお、ステップS807は、必要に応じて行われ、省略可能である。ステップS807が省略される場合には、運転情報が第1運転条件を満たすと(ステップS806:Yes)、制御部50は、本体部10が清掃必要状態であると判定する(ステップS808)。また、ステップS807が省略される場合には、ステップS809、S811、S812も省略される。
【0137】
また、
図3に表したフローチャートと同様に、制御部50は、運転情報が第1運転条件を満たさない場合(ステップS806:No)、運転情報が第2運転条件を満たすか否かを判定してもよい。制御部50は、運転情報が第2運転条件を満たす場合、ステップS807に進む。制御部50は、運転情報が第2運転条件を満たさない場合、本体部10が清掃不要状態であると判定する(ステップS811)。環境情報が第1環境条件を満たす場合、制御部50は、周辺環境に合わせて、第2運転条件の閾値を変更してもよい。
【0138】
このように、本体部10の周辺の環境情報に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定することで、本体部の汚れの度合いを正確に判定することができる。また、運転情報と環境情報とに基づいて、本体部10の汚れ状態を判定することで、本体部10の汚れの度合いをより正確に判定することができる。これにより、清掃者が適切なタイミングで手乾燥装置100の清掃を行うことができる。
【0139】
なお、この例では、制御部50は、環境情報と運転情報とを組み合わせて本体部10の汚れ状態を判定しているが、制御部50は、環境情報のみに基づいて、本体部10の汚れ状態を判定してもよい。制御部50は、例えば、本体部10の周辺に設けられた水栓装置の使用回数が閾値を超えた場合に、本体部10が清掃必要状態であると判定してもよい。
【0140】
また、上述の
図4に表した第1実施形態に係る手乾燥装置100の動作を、第2実施形態に係る手乾燥装置100Aに適用してもよい。すなわち、制御部50が報知部60に第1情報を出力する場合、制御部50は、本体部10が清掃必要状態であると判定されたら、送風部20が停止した後、所定時間経過してから報知部60に第1情報を出力してもよい。
【0141】
また、上述の
図5に表した第1実施形態に係る手乾燥装置100の動作を、第2実施形態に係る手乾燥装置100Aに適用してもよい。すなわち、制御部50は、リセット信号が入力されたら、本体部10の汚れに関する情報をリセットしてもよい。また、制御部50は、運転情報がリマインド条件を満たしたら、リマインド情報を出力してもよい。環境情報が第1環境条件を満たす場合、制御部50は、周辺環境に合わせて、リマインド条件の閾値を変更してもよい。また、制御部50は、運転情報が作動禁止条件を満たしたら、手乾燥装置100の作動を禁止してもよい。環境情報が第1環境条件を満たす場合、制御部50は、周辺環境に合わせて、作動禁止条件の閾値を変更してもよい。
【0142】
また、上述の
図6に表した第1実施形態に係る手乾燥装置100の動作を、第2実施形態に係る手乾燥装置100Aに適用してもよい。すなわち、制御部50は、本体部10が清掃不要状態の場合に、清掃必要状態が近いか否かを判定し、清掃必要状態が近いと判定されたら、清掃必要状態が近いことを示す第2情報(予告情報)を出力してもよい。環境情報が第1環境条件を満たす場合、制御部50は、周辺環境に合わせて、第1予告条件の閾値及び第2予告条件の閾値を変更してもよい。
【0143】
また、上述の
図7に表した第1実施形態に係る手乾燥装置100の動作を、第2実施形態に係る手乾燥装置100Aに適用してもよい。すなわち、制御部50は、出力指令信号が入力されたら、現在の汚れ状態に関する情報を出力してもよい。
【0144】
また、上述の
図8(a)及び
図8(b)に表した第1実施形態に係る手乾燥装置100の動作を、第2実施形態に係る手乾燥装置100Aに適用してもよい。すなわち、制御部50が報知部60及び外部機器200の両方に第1情報を出力する場合、制御部50は、外部機器200に第1情報を出力した後、報知部60に第1情報を出力してもよいし、報知部60に第1情報を出力した後、外部機器200に第1情報を出力してもよい。
【0145】
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態に係る手乾燥装置を示すブロック図である。
図11に表したように、第3実施形態に係る手乾燥装置100Bは、光学センサ85をさらに備える。光学センサ85以外の構成は、第1実施形態に係る手乾燥装置100と同じであるため、説明を省略する。
【0146】
光学センサ85は、本体部10の汚れに関する光学的情報を検出する。光学センサ85は、例えば、撮像センサ及び光電センサの少なくともいずれかを含む。光学センサ85は、制御部50と電気的に接続されている。光学センサ85は、検出結果を制御部50に出力する。
【0147】
光学センサ85として、撮像センサを用いることで、本体部10の所定の箇所の汚れ具合を示す画像を取得し、この画像に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定することができる。撮像センサは、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ及びCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサの少なくともいずれかを含む。
【0148】
光学センサ85として、光電センサを用いることで、本体部10の所定の箇所の反射率を取得し、この反射率に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定することができる。光電センサは、投光部と受光部とを有し、投光部から照射され本体部10の所定の箇所で反射した光を受光部で検出することで、本体部10の所定の箇所の反射率を測定する。
【0149】
図12は、第3実施形態に係る手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図12に表したように、制御部50は、光学センサ85から光学的情報を取得し、光学的情報に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定する。
【0150】
より具体的には、手乾燥装置100の電源がオンになると(すなわち、制御部50への通電が開始されたら)、制御部50は、光学センサ85から光学的情報を取得する(ステップS901)。
【0151】
次に、制御部50は、光学的情報が第1光学条件を満たすか否かを判定する(ステップS902)。第1光学条件は、例えば、撮像センサにより撮影された画像から画像解析により算出される汚れ値が閾値(例えば、基準となる画像の汚れ値の200%)を超えたか否かである。基準となる画像は、例えば、汚れがない状態の同一箇所の画像である。第1光学条件は、例えば、光電センサにより測定された反射率が閾値(例えば、基準となる反射率の60%)未満であるか否かであってもよい。基準となる反射率は、例えば、汚れがない状態の同一箇所の反射率である。第1光学条件のパラメータ及び閾値は、任意に設定可能である。
【0152】
光学的情報が第1光学条件を満たす場合(ステップS902:Yes)、制御部50は、本体部10が清掃必要状態であると判定し(ステップS903)、報知部60または外部機器200(通信部70)に本体部10が清掃必要状態であることを示す第1情報を出力する(ステップS904)。ステップS903、S904は、第1実施形態におけるステップS104、S106と同様にして行われる。報知部60及び外部機器200は、それぞれ、第1情報が入力されたら、本体部10が清掃必要状態であることを報知する。
【0153】
一方、光学的情報が第1光学条件を満たさない場合(ステップS902:No)、制御部50は、本体部10が清掃不要状態であると判定する(ステップS905)。本体部10が清掃不要状態であると判定された場合には、制御部50は、第1情報を出力しない。
【0154】
このように、本体部10の汚れに関する光学的情報に基づいて、本体部10の汚れ状態を判定することで、本体部10の汚れの度合いを正確に判定することができる。これにより、清掃者が適切なタイミングで手乾燥装置100の清掃を行うことができる。
【0155】
なお、この例では、制御部50は光学的情報のみに基づいて、本体部10の汚れ状態を判定しているが、制御部50は、光学情報と運転情報とを組み合わせて本体部10の汚れ状態を判定してもよい。また、制御部50は、光学情報と環境情報とを組み合わせて本体部10の汚れ状態を判定してもよい。また、制御部50は、光学情報と運転情報と環境情報とを組み合わせて本体部10の汚れ状態を判定してもよい。光学的情報を運転情報などの他の情報と組み合わせて判定することで、本体部10の汚れの度合いをさらに正確に判定することができる。
【0156】
また、上述の
図4に表した第1実施形態に係る手乾燥装置100の動作を、第3実施形態に係る手乾燥装置100Bに適用してもよい。すなわち、制御部50が報知部60に第1情報を出力する場合、制御部50は、本体部10が清掃必要状態であると判定されたら、送風部20が停止した後、所定時間経過してから報知部60に第1情報を出力してもよい。
【0157】
また、上述の
図5に表した第1実施形態に係る手乾燥装置100の動作を、第3実施形態に係る手乾燥装置100Bに適用してもよい。すなわち、制御部50は、リセット信号が入力されたら、本体部10の汚れに関する情報をリセットしてもよい。また、制御部50は、光学的情報がリマインド条件を満たしたら、リマインド情報を出力してもよい。リマインド条件は、例えば、上記の汚れ値が閾値(例えば、基準となる画像の汚れ値の250%)を超えたか否かである。リマインド条件は、例えば、上記の反射率が閾値(例えば、基準となる反射率の50%)未満であるか否かであってもよい。また、制御部50は、光学的情報が作動禁止条件を満たしたら、手乾燥装置100の作動を禁止してもよい。作動禁止条件は、例えば、上記の汚れ値が閾値(例えば、基準となる画像の汚れ値の300%)を超えたか否かである。作動禁止条件は、例えば、上記の反射率が閾値(例えば、基準となる反射率の40%)未満であるか否かであってもよい。
【0158】
また、上述の
図6に表した第1実施形態に係る手乾燥装置100の動作を、第3実施形態に係る手乾燥装置100Bに適用してもよい。すなわち、制御部50は、本体部10が清掃不要状態の場合に、清掃必要状態が近いか否かを判定し、清掃必要状態が近いと判定されたら、清掃必要状態が近いことを示す第2情報(予告情報)を出力してもよい。第1予告条件は、上記の汚れ値が閾値(例えば、基準となる画像の汚れ値の150%)を超えたか否かである。第1光学条件は、例えば、上記の反射率が閾値(例えば、基準となる反射率の80%)未満であるか否かであってもよい。また、第2予告条件は、上記の汚れ値が閾値(例えば、基準となる画像の汚れ値の180%)を超えたか否かである。第1光学条件は、例えば、上記の反射率が閾値(例えば、基準となる反射率の70%)未満であるか否かであってもよい。
【0159】
また、上述の
図7に表した第1実施形態に係る手乾燥装置100の動作を、第3実施形態に係る手乾燥装置100Bに適用してもよい。すなわち、制御部50は、出力指令信号が入力されたら、現在の汚れ状態に関する情報を出力してもよい。
【0160】
また、上述の
図8(a)及び
図8(b)に表した第1実施形態に係る手乾燥装置100の動作を、第3実施形態に係る手乾燥装置100Bに適用してもよい。すなわち、制御部50は、制御部50が報知部60及び外部機器200の両方に第1情報を出力する場合、外部機器200に第1情報を出力した後、報知部60に第1情報を出力してもよいし、報知部60に第1情報を出力した後、外部機器200に第1情報を出力してもよい。
【0161】
以上のように、実施形態によれば、適切なタイミングで清掃を行うことができる手乾燥装置が提供される。
【0162】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、手乾燥装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0163】
10 本体部、 10a 前面部、 10b 背面部、 10c、10d 側面部、 13 乾燥室、 14 吸込口、 15 吹出口、 16 風路、 17 通気口、 18 水受けトレー、 20 送風部、 25 加熱部、 30 手検出部、 40 操作部、 50 制御部、 55 記憶部、 60 報知部、 70 通信部、 80 環境情報取得部、
85 光学センサ、 100、100A、100B 手乾燥装置、 200 外部機器