(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126412
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】灯具、及び、照明装置
(51)【国際特許分類】
F21K 9/278 20160101AFI20230831BHJP
F21K 9/272 20160101ALI20230831BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20230831BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20230831BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20230831BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230831BHJP
【FI】
F21K9/278
F21K9/272
F21V19/00 110
F21V19/00 450
F21Y115:15
F21Y115:30
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114561
(22)【出願日】2023-07-12
(62)【分割の表示】P 2019093927の分割
【原出願日】2019-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角皆 隆史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康弘
(57)【要約】
【課題】本開示は、基板の移動を規制できる灯具、及び、照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示の一態様に係る灯具は、筒状の透光性のカバーと、一面の側から前記カバーに向かって光が発せられるように光源が配列されるとともに前記カバーの中に設けられた基板と、前記カバーの端部に取り付けられる口金と、前記口金に取り付けられ、前記カバーの中に及ぶガイド部と、を備え、前記基板と前記ガイド部とは、前記カバーの筒軸方向における、前記口金よりも前記光源の側で嵌合し、前記ガイド部は、前記基板が前記カバーの内壁に固定された状態で前記一面と対向する移動規制部を備えたことを特徴とする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の透光性のカバーと、
一面の側から前記カバーに向かって光が発せられるように光源が配列されるとともに前記カバーの中に設けられた基板と、
前記カバーの端部に取り付けられる口金と、
前記口金に取り付けられ、前記カバーの中に及ぶガイド部と、
を備え、
前記基板と前記ガイド部とは、前記カバーの筒軸方向における、前記口金よりも前記光源の側で嵌合し、
前記ガイド部は、
前記基板が前記カバーの内壁に固定された状態で前記一面と対向する移動規制部を備えたことを特徴とする灯具。
【請求項2】
筒状の透光性のカバーと、
一面の側から前記カバーに向かって光が発せられるように光源が配列されるとともに前記カバーの中に設けられた基板と、
前記カバーの端部に取り付けられる口金と、
前記口金と一体的に形成されたガイド部と、
を備え、
前記ガイド部は、
前記基板が前記カバーの内壁に固定された状態で前記一面と対向する移動規制部と、
前記基板の側壁に対向するように前記移動規制部から伸びる側壁部と、
を備えることを特徴とする灯具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の灯具と、
前記灯具が着脱自在に取り付けられる器具と
を備えたことを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、灯具とそれを用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源基板が放熱機能を備えた支持体に接着部材を用いて貼り付けられたり、ネジ、リベット等を用いて固定されたりする直管LEDランプが知られている。また、光源となる発光素子の発光効率の向上等に伴い、支持体を必要としない直管LEDランプが、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、支持体を用いない場合、LEDの発光方向を所望の方向とするために、どのようにして光源が配置された基板を円筒形の外郭筐体の内部に保持するかについて考慮する必要があるとされ、この課題を解決する一態様として、外郭筐体の長手方向の端部に固定された口金の筒状の口金本体に基板の端部を予め定められた位置にガイドするためのガイド面を有し、口金本体の内部に位置した基板の長手方向の端部は端面のみが口金本体に接触するように構成された照明用光源が示されている。
【0005】
また、基板が円筒形の外郭筐体の内部における予め定められた位置に配置されない場合、基板が外郭筐体から剥がれて脱落したり、脱落した基板が外郭筐体の内壁に接触して外郭筐体を損傷させてしまったりするおそれがある。
【0006】
ところで、特許文献1に記載された照明用光源のように、外郭筐体の内部に装着する基板を、口金本体の内部に形成されたガイド面により、外郭筐体の内部における予め定められた位置へガイドする構成では、基板の幅寸法と口金本体の内部の寸法とが、相互に制約を受けてしまうという課題があった。
【0007】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、基板の移動を規制できる灯具、及び、照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る灯具は、筒状の透光性のカバーと、一面の側から前記カバーに向かって光が発せられるように光源が配列されるとともに前記カバーの中に設けられた基板と、前記カバーの端部に取り付けられる口金と、前記口金に取り付けられ、前記カバーの中に及ぶガイド部と、を備え、前記基板と前記ガイド部とは、前記カバーの筒軸方向における、前記口金よりも前記光源の側で嵌合し、前記ガイド部は、前記基板が前記カバーの内壁に固定された状態で前記一面と対向する移動規制部を備えたことを特徴とする。
【0009】
本開示の一態様に係る灯具は、筒状の透光性のカバーと、一面の側から前記カバーに向かって光が発せられるように光源が配列されるとともに前記カバーの中に設けられた基板と、前記カバーの端部に取り付けられる口金と、前記口金と一体的に形成されたガイド部と、を備え、前記ガイド部は、前記基板が前記カバーの内壁に固定された状態で前記一面と対向する移動規制部と、前記基板の側壁に対向するように前記移動規制部から伸びる側壁部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本開示のその他の特徴は以下に説明する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、移動規制部により基板の移動を規制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置の斜視図である。
【
図5】
図5Aは実施の形態2に係る灯具の一部断面図である。
図5Bは
図5Aの基板長手方向に垂直な面における断面図である。
【
図6】
図6Aは実施の形態3に係る灯具の一部断面図である。
図6Bは
図6Aの基板長手方向に垂直な面における断面図である。
【
図7】
図7Aは実施の形態4に係る灯具の一部断面図である。
図7Bは
図7Aの基板長手方向に垂直な面における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施の形態に係る灯具と照明装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0014】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置1の斜視図である。照明装置1は、器具2と器具2に対して着脱自在に装着される灯具3とを備えている。灯具3は、例えば器具2から電力が供給される照明用光源である。
図1に示すように、灯具3は、外郭筐体を構成するカバー30と、カバー30の両端に取り付けられた保持口金40を有する。灯具3は、例えば直管LEDランプである。器具2は、灯具3の両端を保持する一組のソケットを有する。一組のソケットは、例えば、保持ソケット2Aと給電ソケット2Bとからなる。この場合、灯具3は、一方の端部が保持ソケット2Aで保持され、他方の端部が給電ソケット2Bで保持される。一例によれば、保持ソケット2Aは灯具3を保持するための端子(図示は省略)を有し、給電ソケット2Bは灯具3に電力を供給する(給電する)ための端子(図示は省略)を有する。保持ソケット2A端子は、灯具3を接地する機能を兼ねてもよい。器具2としては、灯具3を着脱自在に取り付ける様々なタイプの器具を採用し得る。
【0015】
図2は、灯具3の斜視図である。
図2に示すように、実施の形態1に係る灯具3は、筒状の透光性のカバー30と、カバー30の内部に配置される光源ユニット60と、カバー30の一方の端部(一端)に取り付けられる保持口金40と、カバー30の他方の端部(他端)に取り付けられる給電口金50とを備えている。
【0016】
カバー30の形状は、例えば長尺状であり筒状(管状)である。カバー30は透光性を有する。カバー30は拡散性を有するものであってもよい。
カバー30は、ガラス、樹脂、或いはこれらを含む材料を用いて形成することができる。カバー30は、例えば汎用のガラス管を用いてもよい。カバー30の材料として、例えば、シリカ(SiO2)が70%~72%で構成されたソーダ石灰ガラスが用いることができる。また、カバー30は、日本工業規格(JIS)に規定されている蛍光ランプの製造に用いられる両端封止前の直管と同じ寸法規格の直管を用いてもよい。さらに、カバー30の材料として、例えば、耐熱性の樹脂材料を用いてもよい。カバー30の材料は上記材料に限定されない。
【0017】
図2においてカバー30の左側であるカバー30の一方の端部に取り付けられる保持口金40は、周壁部40a、底壁部40b及び端子40cを備えている。保持口金40は、底壁部40bと対向する部分が開口しており、カバー30の一方の端部はこの開口から保持口金40に嵌め込まれる。周壁部40aは、例えば円筒状を呈し、カバー30の端部を覆う部分である。底壁部40bは、周壁部40aにつながり、カバー30の一方の端部に形成された開口を塞ぐ。周壁部40aと底壁部40bの材料として、電気絶縁性の樹脂材料又はセラミック材料等を使用することができる。底壁部40bには端子40cが設けられる。この端子40cは底壁部40bの表面から保持口金40の筒軸に沿って突出する。保持口金40は、例えば、電気絶縁性を有する周壁部40a及び底壁部40b、並びに導電性を有する端子40cを一体的に形成することができる。保持口金40は、端子40cの根元部分が底壁部40bに埋め込まれた構造を有し、端子40cは、例えば、インサート成形によって底壁部40bと一体的に形成することができる。保持口金40は保持ソケット2Aに保持される。保持口金40は保持ソケット2Aに保持されることによって、灯具3を接地するための電気的な経路を形成してもよい。
【0018】
図2においてカバー30の右側であるカバー30の他方の端部に取り付けられる給電口金50は、周壁部50a、底壁部50b及び一対の端子50cを備えている。実施の形態1では、給電口金50の周壁部50a及び底壁部50bは、実質的に、保持口金40の周壁部40a及び底壁部40bと同じ態様であるが、形状、或いは材質が異なる態様であってもよい。給電口金50は、例えば、電気絶縁性を有する周壁部50a及び底壁部50b、並びに導電性を有する端子50cを一体的に形成することができる。給電口金50は、端子50cが底壁部50bを貫通した構造を有し、端子50cは、例えば、インサート成形によって底壁部50bと一体的に形成することができる。給電口金50は給電ソケット2Bに保持される。一対の端子50cは、給電ソケット2Bに保持された状態で灯具3に供給される電力の経路となる給電端子である。すなわち、給電口金50と給電ソケット2Bとによって、灯具3に給電するための電気的な経路を形成し得る。
【0019】
保持口金40及び給電口金50は、上述したタイプに限定されない。例えば、
図2において灯具3の左側に設けられた保持口金40としてGX16タイプ、G13タイプ又はT5タイプといった様々な種類の口金を採用し得る。また、例えば、
図2において灯具3の右側に設けられた給電口金50としてGX16タイプ、G13タイプ又はT5タイプといった様々な種類の口金を採用し得る。保持口金40と給電口金50に代えて任意の口金を設けることができる。灯具3が器具2に適切に取り付けられると、一対の端子50cは給電ソケット2Bと電気的に接続される。
【0020】
光源ユニット60は、カバー30の中に設けられた基板62と、基板62の上面である一面に配列された光源61とを備えている。光源61が配列された基板62の上面である一面から光が発せられる。
図2では、カバー30の内部の簡素化された構成を破線で示している。基板62は、カバー30の内部空間の形状に合わせて長尺状に形成され得る。基板62の基材には、ガラスエポキシ材料、紙フェノール材料、コンポジット材料又はアルミニウム等の金属材料等を使用し得る。基板62の厚さは、例えば1mm程度である。基板62の幅、すなわち短手方向Yの長さは、一定としたり、基板62の長手方向Xにおける一端または両端において短くしたりすることができる。基板62の長手方向Xにおける端部には、反対側の端部に向かって凹んだ凹部63が設けられている。具体的には、凹部63は、基板62の長手方向Xにおける端部がV字形に切り欠かれている。
【0021】
基板62の実装面である上面に、配線パターンが形成される。実施の形態1では、基板62の上面に、基板62の複数の光源61として、面実装タイプの発光ダイオード(LED)が長手方向Xに沿って実装される。光源61は、LEDの他、レーザ素子或いは有機ELなどを用いることができ、種々の実装態様に対応し得る。例えば、端部に配置したレーザ素子から導光部を経由して光を出射させる態様であったり、フィルム状の有機ELを基板62に貼り付ける態様であったりしてもよい。有機ELは、フレキシブルタイプでもリジットタイプでもよい。
【0022】
光源61は基板62に設けられた配線パターンに電気的に接続され、光源回路が形成される。また、図示は省略するが、基板62の実装面に光源61を点灯させるための回路部品を実装してもよい。回路部品は、例えば整流ダイオード、ヒューズ及び抵抗等を含む。回路部品は、配線パターンによって電気接続され給電回路が形成される。光源61及び回路部品と基板62の表面に設けられた配線パターンとの接続は、例えば半田付け等によって行われる。基板62に設けられた配線パターンは、
図2においてカバー30の右側に設けられた給電口金50の一対の端子50cに電気的に接続される。この一対の端子50cから配線パターンに点灯電力が供給され、光源61が点灯する。
【0023】
図3は、灯具3の一端側の一部を示す断面斜視図である。
図3では、端子40cを省略している。
図3に示すように、保持口金40はガイド部44を有している。ガイド部44は、保持口金40につながり、カバー30の中に及ぶものである。具体的には、ガイド部44は、周壁部40a又は底壁部40bにつながる。ガイド部44は、保持口金40の周壁部40a及び底壁部40bと同じ材料を用いて、これらと一体的に形成することができる。或いは、別の例によれば、保持口金40とは別体のガイド部44を周壁部40a又は底壁部40bに取り付けてもよい。
【0024】
図3のガイド部44は、本体部44aと尖頭部44bを備えている。本体部44aの大部分は保持口金40に覆われている。尖頭部44bは、本体部44aよりも基板62の側に位置している。そのため、尖頭部44bの少なくとも一部は、保持口金40よりも光源61の側に位置しており、尖頭部44bの先端は保持口金40よりも光源61の側に位置する。尖頭部44bは、基板62の凹部63の形状に対応した形状となっており、尖頭部44bと凹部63とが接することによって、基板62とガイド部44とが嵌合している。基板62とガイド部44とは、カバー30の長手方向Xにおける、保持口金40よりも光源61の側で、嵌合している。この嵌合によって基板62と保持口金40との相互の位置決めがなされる。基板62の長手方向Xとは
図3の矢印Xで示される方向である。
【0025】
一例によると、基板62の短手方向Yにおける中央領域に凹部63を形成することができる。基板62の短手方向Yとは
図3の矢印Yで示される方向である。つまり、基板62の短手方向Yの寸法がどのようなものであっても、基板62に凹部63を形成することができる。尖頭部44bと凹部63の嵌合位置を、保持口金40の短手方向Yにおける中央にすることによって、基板62の短手方向Yにおける端部の形状の影響を受けずに当該嵌合を実現できる。保持口金40の短手方向Yは
図3の矢印Yで示される方向である。
【0026】
図4Aは、
図3の灯具3の別の断面図である。
図4Aは、灯具3の長手方向Xに垂直な面における断面図であり、後述する
図4B或いは
図4CのA-A線における断面図である。
図4Aでは、端子40cを省略している。
図4Aには、カバー30の端部に取り付けられた保持口金40が示されている。実施の形態1では、カバー30の筒軸(軸心)と保持口金40の筒軸(軸心)とが重なっている。
図4Aに示すように、基板62の下面である他面は、接着剤70によってカバー30の内壁と接着固定されている。つまり、灯具3は基板62をカバー30の内部に配置するための支持体を用いず、基板62がカバー30によって直接支持される構成となっている。このような構成はヒートシンクレスの構成とも称される。
図4AのB-Bで矢示された一点鎖線は保持口金40の短手方向Yにおける中央を示す。
図4Aに示すように、保持口金40の短手方向Yにおける中央領域にガイド部44が設けられている。
【0027】
図4Bは、
図4AのB-B線における断面図である。
図4Bでは、端子40cを省略している。
図4Bに示すように、ガイド部44は、周壁部40a及び底壁部40bと一体形成されている。そして、尖頭部44bは、保持口金40よりも光源61の側に及んでいる。
【0028】
図4Cは、
図4AのC-C線における断面図である。
図4Cでは、端子40cを省略している。
図4Cに示すように、基板62の短手方向Yにおける中央領域に凹部63が設けられている。
図4CのB-Bで矢示された一点鎖線は保持口金40の短手方向Yにおける中央を示し、この一点鎖線とガイド部44の長手方向Xとが一致している。
【0029】
図示は省略するが、
図2における灯具3の右側に設けられた給電口金50にも上述したガイド部44と同様のガイド部が設けられている。そのため、基板62は長手方向Xにおける左端と右端との両方の端部がガイド部と嵌合している。
【0030】
なお、
図3及び
図4には、基板62の長手方向Xの端部において、尖頭部44bと凹部63とが一箇所で嵌合する態様が図示されている。別の例によれば、基板62の長手方向Xの端部において、尖頭部と凹部とが嵌合する部分を2箇所以上設けることができる。
【0031】
また、尖頭部と凹部とは配置される位置を逆転してもよい。具体的には、基板62の長手方向Xの端部に尖頭部を設け、ガイド部44の先端に凹部を設け、凹部と尖頭部を接触させ、基板とガイド部を嵌合させることができる。
【0032】
上述した灯具3の組み立ての方法としては、基板62がカバー30の内壁に接着固定された状態で、基板62に左右どちらかにガイド部を嵌合させることによって保持口金40或いは給電口金50を位置合わせしながらカバー30の端部に装着することができる。また、別の例では、カバー30の端部に保持口金40或いは給電口金50が装着された状態で、ガイド部に基板62を嵌合させることによって基板62を位置合わせしながらカバー30の内壁に接着固定してもよい。そして、灯具3の組み立ては、上記の組み立て方法を組み合わせてもよい。
【0033】
図示は省略するが、灯具は電源基板を含む電源装置を有していてもよい。この場合、基板と結合した電源基板に凹部又は尖頭部を設けて、当該電源基板の凹部又は尖頭部をガイド部に嵌合させてもよい。また、図示は省略するが、灯具は電源装置以外の付加機能装置を有していてもよい。そのような付加機能装置は付加機能基板を含む。この場合、基板と結合した付加機能基板に凹部又は尖頭部を設けて、当該付加機能基板の凹部又は尖頭部をガイド部に嵌合させてもよい。
【0034】
実施の形態1で説明した変形は以下の実施の形態に係る灯具と照明装置にも応用できる。以下の実施の形態に係る灯具と照明装置は、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1との共通点は同様の符号を付し説明を省略することがある。
【0035】
実施の形態2.
図5Aは、実施の形態2に係る灯具3の一端側の一部を示す断面斜視図である。
図5Aでは、端子40cを省略している。ガイド部44は、基板62の一面と近接した位置に形成される移動規制部44cを備えている。移動規制部44cは基板62がZ正方向に移動することを防止する。移動規制部44cは、基板62が長手方向Xを中心軸として回転することを防止する機能も備える。
図5Bは、
図5Aの灯具3の長手方向Xに垂直な面における断面図である。
図5Bでは、端子40cを省略している。基板62の下面である他面は、接着剤70によってカバー30の内壁と固定されている。
【0036】
移動規制部44cを設けることによって、万が一光源ユニット60がカバー30の内壁から剥離した場合であっても、Z正方向への移動が規制され保持されるので、光源61が直接カバー30に接触してカバー30を溶融させたり損傷させたりするおそれがない。
【0037】
実施の形態3.
図6Aは、実施の形態3に係る灯具3の一端側の一部を示す断面斜視図である。
図6Aでは、端子40cを省略している。ガイド部44は、基板62の上面の直上に形成される移動規制部44dを備えている。移動規制部44dは、口金の短手方向Yに沿った長さ寸法が、基板62の短手方向Yに沿った長さ寸法より大きい。換言すると、移動規制部44dの幅寸法は、基板62の幅寸法より大きい。つまり、移動規制部44dは基板62の長手方向Xにおける端部の全体を覆うように基板62の一面と近接した位置に形成される。さらに、実施の形態3のガイド部44は、一対の側壁部44eを備えている。側壁部44eは、移動規制部44dの側端に設けられている。
【0038】
図6Bは、
図6Aの灯具3の長手方向Xに垂直な面における断面図である。
図6Bでは、端子40cを省略している。移動規制部44dは基板62の長手方向Xにおける端部の全体を覆うように基板62の一面と近接した位置に配置されるので、基板62がZ正方向に移動することを防止する。ガイド部44には、移動規制部44dの両側端につながる一対の側壁部44eが形成されている。側壁部44eは移動規制部44dからZ負方向側に伸びている。側壁部44eは、基板62の一面よりもZ負方向側に伸びていると好ましい。具体的には、側壁部44eは、接着剤70で固定された基板62の側壁に対向する程度に長く形成することができる。
【0039】
移動規制部44c及び側壁部44eを設けることによって、万が一光源ユニット60がカバー30の内壁から剥離した場合であっても、Z正方向への移動が規制されるとともに、基板62の短手方向Yに沿った移動が側壁部44eによって制限されるので、基板62と移動規制部44dとは確実に接触し、光源ユニット60は移動規制部44dに保持される。
【0040】
実施の形態4.
図7Aは、実施の形態4に係る灯具3の一端側の一部を示す断面斜視図である。
図7Bは、
図7Aの灯具3の長手方向Xに垂直な面における断面図である。
図7A及び
図7Bでは、端子40cを省略している。
図7A及び
図7Bに示すように、実施の形態4のガイド部44は、尖頭部44bの上端が移動規制部44dの上端にまで及んでおり、Z方向における、尖頭部44bの上面と移動規制部44dの上面とが一致している。その結果、ガイド部44の先端側にはスリットが形成される。
【0041】
光源61から発せられる光の一部は、このスリットを通過してカバー30に到達する。すなわち、実施の形態4に係る灯具3は、スリットを通過する光がカバー30の外部に導かれることによって、長手方向Xにおける端部側の光量を増加させることができる。灯具3は、このスリットによって、ガイド部44にスリットが形成されない場合と比べて、光の利用効率を向上させることができ、特に長手方向Xにおける端部側を明るくすることができる。
【0042】
なお、
図7Bに示すように、側壁部44eは、実施の形態6と同様に、接着剤70で固定された基板62の側壁に対向する程度に長く形成することができる。
【0043】
実施の形態5.
図8は、実施の形態5に係る灯具3の一端側を示す斜視図である。
図8において、カバー30と保持口金40の内部の一部を破線で示している。
図8に示す保持口金40は、2つの端子40d、40eを有する、所謂G13Hタイプの口金である。端子40d、40eに代えて、コネクタを利用したり、口出し線を引き出したりしてもよい。灯具3は、保持口金40としては様々なタイプの口金を採用することができる。
【0044】
実施の形態6.
図9Aは、実施の形態6に係る灯具3の一端側の一部を示す断面斜視図である。
図9Aでは、端子40cを省略している。カバー30は、主部30aと、主部30aより内径が小さい端部30bと、を有している。端部30bは、主部30aの両端につながって形成され、保持口金40の周壁部40aに覆われている。このように主部30aよりも端部30bで内径が小さくなっているカバー30はネックフォーム管とも称される。ネックフォーム管を用いた灯具3は端部がコンパクトになるため、器具2への取付性と意匠性の面において優れている。
【0045】
ガイド部44は、第1部分44Aと第2部分44Bを備えている。第1部分44Aは少なくとも一部が端部30bに囲まれている。第2部分44Bは、第1部分44Aとつながり、第1部分44Aより基板62の側に位置し、主部30aに囲まれた部分である。第2部分44Bが基板62の凹部63と嵌合したことで、基板62の位置が決められている。
【0046】
図9Bは、灯具3の一端側の一部のZ方向に沿った断面を示す断面図であり、後述する
図9CのB-B線における断面図である。
図9Bでは、端子40cを省略している。第2部分44Bは第1部分44AよりもZ負方向の側に突出している。その結果、第2部分44Bの下面44BBは、第1部分44Aの下面44AAよりも下側に位置している。基板62は、カバー30の主部30aに、例えば接着剤70を用いて接着固定されている。
【0047】
実施の形態6では、第2部分44Bを第1部分44Aより厚く形成して、第2部分44Bは厚さ方向全体で基板62と嵌合できるようにした。このような嵌合を可能とするために、第2部分44Bの一部は、基板62の側面に対向する。一例によれば、第2部分44Bと基板62は、下面44AAより下側で嵌合する。下側とは下面44AAよりZ負方向の側である。
【0048】
図9Cは、
図9BのC-C線における断面図である。
図9Cでは、端子40cを省略している。一点鎖線で示された灯具3の長手方向と重なるカバー30の長手方向Xにおける、第2部分44Bと凹部63の嵌合する位置は、保持口金40よりも光源61の側である。ネックフォーム管においては基板62を保持口金40に囲まれる位置に配置することはできない。しかし、第2部分44Bを含むガイド部44が、カバー30の内部の主部30aに囲まれる位置まで及ぶことによって、ネックフォーム管を用いた灯具3におけるガイド部44と基板62との嵌合が可能となる。
【0049】
実施の形態7.
図10Aは、実施の形態7に係る灯具3の一端側の一部を示す断面斜視図である。
図10Aでは、端子40cを省略している。実施の形態7は、実施の形態6と同様にネックフォーム管であるカバー30を用いている。実施の形態7では、基板62は、板状部62Bと、その上面である一面に設けられた凸部62Aを備えている。凸部62Aは、板状部62BよりもZ正方向の側に凸となっている。凸部62Aは例えば板状部62Bの上に設けられたブロックである。
【0050】
凸部62Aは、ガイド部44と嵌合するために保持口金40の側に形成された凹部62aを備えている。この場合、板状部62Bの凹部は省略してもよい。ガイド部44の第2部分44Cが凸部62Aの凹部62aと嵌合している。この嵌合によって基板62と保持口金40との相互の位置決めがなされる。
【0051】
図10Bは、灯具3の一端側の一部のZ方向に沿った断面を示す断面図であり、後述する
図10CのB-B線における断面図である。
図10Bでは、端子40cを省略している。基板62は、カバー30の主部30aに、例えば接着剤70を用いて接着固定されている。実施の形態7では、ガイド部44の厚みは均一とすることができる。この場合、第1部分44Aの下面44AAと、第2部分44Cの下面44CCは同じレベルにある。一例によれば、第2部分44Cは、板状部62Bの側面に対向せず、凸部62Aに対向する。凸部62Aは第2部分44Cと嵌合する部分なので、凸部62Aの少なくとも一部は下面44CCよりも上に位置する。
【0052】
図10Cは、
図10BのC-C線における断面図である。
図9Cでは、端子40cを省略している。一点鎖線で示された灯具3の長手方向と重なるカバー30の長手方向Xにおいて、第2部分44Cと凹部62aの嵌合位置は、保持口金40よりも光源61の側である。そのため、ネックフォーム管におけるガイド部44と基板62の嵌合が可能となる。
【0053】
ここまでの全ての実施形態で説明したガイド部について、様々な変形が可能である。例えば、X方向から見て、ガイド部の形状は、灯具3の長手方向Xに垂直な面における断面形状を、T字形、コの字形又はL字形などの形状とすることができる。また、基板62とガイド部44とが嵌合する位置は、灯具3の長手方向Xにおける、保持口金40よりも光源61の側の任意の位置とすることができる。
【0054】
以上、本開示の実施の形態、及び変形例について説明したが、これらの実施の形態、及び変形例のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。或いは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。或いは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 照明装置、2 器具、2A 保持ソケット、2B 給電ソケット、3 灯具、30 カバー、40 保持口金、40a 周壁部、40b 底壁部、40c,40d,40e 端子、44 ガイド部、44a 本体部、44b 尖頭部、44d 移動規制部、44e 側壁部、44f スリット、44A 第1部分、44AA (44Aの)下面、44B 第2部分、44BB (44Bの)下面、44C 第2部分、44CC (44Cの)下面、50 給電口金、50a 周壁部、50b 底壁部、50c,50d,50e 端子、60 光源ユニット、61 光源、62 基板、62A 凸部、62a (62Aの)凹部、62B 板状部、63 凹部、70 接着剤