IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フリデコ アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特開-ポンプ装置、特に水中ポンプ装置 図1
  • 特開-ポンプ装置、特に水中ポンプ装置 図2
  • 特開-ポンプ装置、特に水中ポンプ装置 図3
  • 特開-ポンプ装置、特に水中ポンプ装置 図4
  • 特開-ポンプ装置、特に水中ポンプ装置 図5
  • 特開-ポンプ装置、特に水中ポンプ装置 図6
  • 特開-ポンプ装置、特に水中ポンプ装置 図7
  • 特開-ポンプ装置、特に水中ポンプ装置 図8
  • 特開-ポンプ装置、特に水中ポンプ装置 図9
  • 特開-ポンプ装置、特に水中ポンプ装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126443
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】ポンプ装置、特に水中ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 13/08 20060101AFI20230831BHJP
   F04D 29/046 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
F04D13/08 F
F04D13/08 H
F04D29/046 C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115346
(22)【出願日】2023-07-13
(62)【分割の表示】P 2020532692の分割
【原出願日】2018-12-19
(31)【優先権主張番号】102017131227.7
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】506226201
【氏名又は名称】フリデコ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】FRIDECO AG
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】シュテーレ、カール
(57)【要約】
【課題】冷却に関して改善された特性を有するポンプ装置を提供すること。
【解決手段】ポンプ装置は、駆動シャフト端部ベアリング22aを受け入れるように構成された少なくとも1つのベアリング受容部12aを有する。ベアリング受容部12aは、冷却流体を受容するための少なくとも1つの冷却チャネル28aを有する。ポンプ装置はさらに、外壁と、外殻52aと、シェル冷却チャネル42aと、を有するシェルユニット30aを備える。取り付けられた状態で、シェル冷却チャネル42aは、ベアリング受容部12aの冷却チャネル28aに接続されるとともに、外壁上に外殻52aを配置することによって形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動シャフト端部ベアリング(22a)を受容するように構成された少なくとも1つのベアリング受容部(12a-12f)を有するポンプ装置、特に水中ポンプ装置であって、前記ベアリング受容部(12a-12f)は、少なくとも1つの冷却流体を受容するための冷却チャネル(28a-28f)を有し、
外壁と、外殻(52a)と、シェル冷却チャネル(42a)と、を有するシェルユニット(30a)を備え、取り付けられた状態で、前記シェル冷却チャネル(42a)は、前記ベアリング受容部(12a-12f)の前記冷却チャネル(28a-28f)に接続されるとともに、前記外壁上に前記外殻(52a)を配置することによって形成されることを特徴とするポンプ装置。
【請求項2】
前記ベアリング受容部(12a-12f)が板状の形態であることを特徴とする、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項3】
前記ベアリング受容部は、少なくとも1つの構造ユニット(46f)用の通過部として実施される少なくとも1つの通路開口部(16f)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のポンプ装置。
【請求項4】
前記ベアリング受容部(12a-12f)は、少なくとも部分的に鋳造加工で製造されることを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載のポンプ装置。
【請求項5】
前記ベアリング受容部(12e)の前記少なくとも1つの冷却チャネル(28e)は、穿孔された冷却チャネル(28e)によって実施されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項6】
前記ベアリング受容部(12a-12d,12f)は、取り付けられた状態で前記少なくとも1つの冷却チャネル(26a-26d,28f)を形成する少なくとも2つの板状要素(26a-26d,27a-27d,27f)を有することを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載のポンプ装置。
【請求項7】
少なくとも1つの機能ユニット(20a)のための少なくとも1つの受容領域(18a)を備え、該受容領域(18a)は、少なくとも部分的に、前記ベアリング受容部(12a-12f)によって区切られ、かつ少なくとも1つの動作状態にある前記ベアリング受容部(12a-12f)を介して冷却されることを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載のポンプ装置。
【請求項8】
少なくとも1つの防爆機能を提供する防爆ユニットを備えることを特徴とする、請求項1から7の何れか一項に記載のポンプ装置。
【請求項9】
前記シェル冷却チャネル(42a)は、いずれの場合も、始点および終点において、前記シェルユニット(30a)の外部に向かって開口していることを特徴とする、請求項1から8の何れか一項に記載のポンプ装置。
【請求項10】
請求項1から9の何れか一項に記載の少なくとも1つのポンプ装置を有するポンプ(10a)、特に水中ポンプ(10a)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に係るポンプ装置、特に水中ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ装置のシェルにおいて横方向に延びる冷却チャネルによってモータが冷却されるポンプ装置が既に知られている。電気部品用のハウジングユニットを有するポンプ装置も知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、特に、冷却に関して改善された特性を有する一般的なタイプの装置を提供することである。この目的は、本発明によれば、請求項1の特徴によって達成されるが、本発明の有利な実施形態およびさらなる展開は、従属請求項から得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の利点
本発明は、駆動シャフト端部ベアリングを受容するように構成された少なくとも1つのベアリング受容部を有するポンプ装置、特に水中ポンプ装置に基づく。
【0005】
ベアリング受容部は、少なくとも1つの冷却流体を受容するための少なくとも1つの冷却チャネルを有することが提案されている。このようにして、改善された冷却を提供することができる。特に、駆動シャフト端部ベアリングは、ベアリング受容部を介して冷却可能である。
【0006】
「ポンプ装置」は、特にポンプの少なくとも一部、特にサブアセンブリを意味すると理解されるべきである。特に、ポンプ装置は、ポンプ全体を含み得る。「ポンプ」、特に水中ポンプは、特に、少なくとも1つの動作状態において、圧送される好ましくは非圧縮性の媒体の移動を提供する装置を意味すると理解されるべきである。好ましくは、ポンプ装置は、ポンプを外側に区画するシェルユニットを有し、かつポンプ装置のモータユニットによって駆動される駆動シャフトを有し、および/または少なくとも1つの作動状態において、駆動シャフトによって回転するように設定されるスクリューユニットを有する。スクリューユニットの回転は、圧送される媒体の移動を提供する。あるいは、ポンプ装置は、ポンプ装置のモータユニットによって駆動され、移動プロセスによって、ポンプ輸送される媒体を動かすように設定するピストンユニットを有してもよい。モータユニットは、特に、燃焼機関を有し得る。モータユニットは、特に有利には、電気モータを有する。特に、少なくとも1つの動作状態では、ポンプが、ポンプで送られる媒体の外側および/または少なくとも部分的または完全に内部に配置可能である。
【0007】
「冷却流体」は、特に、少なくとも1つの要素の熱を吸収し、特にその熱を少なくとも1つの他の要素に伝達するように構成された液体を意味すると理解されるべきである。冷却流体は、好ましくは、高い熱伝導率および/または熱容量を有する。冷却流体は、特に好ましくは、冷却流体がポンピングされ得る粘度を有する。冷却流体は、ポンピングされた媒体と同一であることが考えられるが、好ましくは、冷却流体は、ポンピングされた流体とは異なり、ポンプを冷却するために特別に構成されている。冷却流体は、例えば水および/または油を含み得る。
【0008】
「構成された」という用語は、特に設計および/または装備されていることを意味すると特に理解されるべきである。物体が特定の機能のために構成されるという記載は、特に、物体が少なくとも1つの使用状態および/または動作状態において前記特定の機能を遂行および/または実行することを意味する。
【0009】
「駆動シャフト端部ベアリング」は、特に取り付けられた状態で、ポンプ装置の駆動シャフトの少なくとも一部、特にポンプ装置の駆動シャフトの端部領域の取り付け、特に回転可能な取り付けのために、ポンプ装置の少なくとも1つのベアリングユニットを受容する収容部を意味すると理解されるべきである。「ベアリングユニット」は、特に、少なくとも1つの物体の重力を少なくとも実質的に収容するように構成されたユニットを意味すると理解されるべきである。ベアリングユニットは、特に、少なくとも1つの転がり軸受および/または滑り軸受を有することができる。駆動シャフトは、好ましくは長尺状の形態を有し、駆動シャフトは、長手方向に直交する長さに対して、特に、少なくとも5倍、特に少なくとも10倍、有利には少なくとも20倍、特に有利には少なくとも30倍、好ましくは少なくとも50倍の長手方向の長さを有する。特に好ましくは、駆動シャフトの第1の端部において、駆動シャフトは、特に形状嵌合方式でスクリューユニットに接続される。特に、駆動シャフトの第1の端部の反対側の第2の端部において、駆動シャフトは、形状嵌合方式で軸受ユニットに接続される。モータユニットは、有利には、第1の端部と第2の端部との間の駆動シャフトのサブ領域に配置される。物体の「長手方向」は、特に、物体を完全に囲む最小の直方体の最も長いエッジに平行に延びる方向を意味すると理解されるべきである。
【0010】
さらに、ベアリング受容部は板状の形態であることが提案されている。「板状」は、特に、直方体の最長エッジおよび/または最短エッジの最大で50%、特に最大で20%、有利には最大で10%、好ましくは最大で5%に対応する高さを有する要素を完全に囲む最小の仮想的な直方体を意味すると理解されるべきである。ベアリング受容部が少なくとも筒形、特に円筒形の外側輪郭を有することが考えられる。好ましくは、ベアリング受容部の外側輪郭は直方体の形態である。例えば、ベアリング受容部は、壁部の形態であってもよい。ベアリング受容部は、有利には、ベアリングカバーの形態である。「ベアリングカバー」は、特に、ポンプ装置の壁と共に、容積の外側閉鎖部を形成する要素を意味すると理解されるべきである。ベアリングカバーは、圧力ばめ、形状ばめ、および/または材料で接着された態様で壁に接続され得る。このようにして、簡素化された構造および設置スペースの最適化を提供することができる。特に、輸送および/または保管の場合、ベアリング受容部は容易に積み重ねることができる。有利には、取り付けられた状態のベアリング受容部の少なくとも1つのサブ領域が、配置表面および/または受容表面の形態であり得る。
【0011】
ベアリング受容部は、少なくとも1つの冷却流体を受容するための少なくとも1つの冷却チャネルを有することが提案されている。特に、構造ユニットは、ポンプ装置の一部であり得、特に少なくとも1つのライン、特に少なくとも1つのケーブルおよび/または冷却チャネルとは別に形成される少なくとも1つの流路、またはラインの形態、特に冷却チャネルとは別に形成される流路を有し得る。通路開口部は、特にベアリング受容部の直径の最大で1/4、好ましくは最大で1/6、特に好ましくは最大で1/8の直径を有する。物体の「直径」は、特に物体をちょうど囲む最小の仮想的な円筒の直径を意味すると理解されるべきである。特に、ベアリング受容部は、特に異なる構造ユニット、特に異なるタイプのラインを受容するように特に構成され得る、複数の相互に異なる通路開口部を有し得る。ラインは、有利には電線の形態である。このようにして、柔軟性を向上することができる。特に、ポンプ装置の構成要素の配置は、より柔軟な態様で実施することができる。例えば、少なくとも1つの第1の構成要素は、ベアリング受容部の上側および/または下側に配置することができる。第1の構成要素は、有利には、通路開口部を通過し、第1の構成要素をベアリング受容部の反対側に位置する少なくとも1つの別の構成要素に接続する構造ユニットを有することができる。
【0012】
さらなる実施形態において、ベアリング受容部は、鋳造加工によって少なくとも部分的に製造されることが提案される。さらに、ベアリング受容部は完全に鋳造加工で製造することができる。好ましくは、ベアリング受容部の部品は鋳造加工で製造され、取り付け中に互いに接続される。鋳造加工によって製造されたベアリング受容部は、特に当業者に公知の方法によって、他の加工、特に鍛造加工および/または機械加工が製造のために使用されたベアリング受容部と当業者は区別することができる。例えば、鋳造加工によって製造された製品は、特に、鋳造加工で使用されるように構成された少なくとも1つの鋳造金属を含む。このようにして、簡素な生産を提供することができる。特に、ベアリング受容部は、少ない作業工程で製造可能である。さらに、鋳造加工で製造されるベアリング受容部は、少なくとも1つの鋳造金属を含む。あるいは、ベアリング受容部は、打ち抜き加工で製造可能である。このようにして、効率の向上を図ることができる。特に、ベアリング受容部の生産速度を向上することができる。
【0013】
さらに、ベアリング受容部の少なくとも1つの冷却チャネルは、穿孔された冷却チャネルによって形成されることが提案される。特に、冷却チャネルが研磨された(gefraessten)冷却チャネルによって形成されることも考えられる。特に、冷却チャネルは、ベアリング受容部全体で連続するように実施される。さらなる実施形態において、複数の冷却チャネルが、例えば、ベアリング受容部の中心点の周りに配置される共通の開口部に開口することが可能である。穿孔される冷却チャネルの製造のために、特に無地の部分において、穿孔装置を用いた機械加工によってドリル孔が形成され、この無地の部分が、製造プロセスで処理されてベアリング受容部を形成するように構成される。ここでは、特に穿孔された冷却チャネルがドリル孔を形成する。ドリル孔によって形成された冷却チャネルは、特に当業者に公知の方法によって、他の加工、特に鍛造加工および/または鋳造加工が使用された冷却チャネルと区別することができる。特に、冷却チャネルは、少なくとも実質的に円筒形の形状を有する。さらに、穿孔加工は、ドリル孔の表面における溝および/またはチャネルおよび/または塑性変形によって行うことができる。このようにして、簡素な設計を図ることができる。特に、冷却回路において冷却流体のための複数の排出および/または供給を提供することが有利に可能である。特に、ドリルヘッドを選択することにより、冷却チャネルの直径を正確に形成可能である。さらに、ベアリング受容部の異なる実施形態に同じブランクを使用することができるため、柔軟性の向上させることができる。
【0014】
本発明のさらなる実施形態において、ベアリング受容部は、取り付けられた状態で少なくとも1つの冷却チャネルを形成する少なくとも2つの板状要素を有することが提案される。特に、取り付けられた状態では、板状要素は、溶接および/または接着および/または少なくとも1つの戻り止め接続によって互いに固定されてもよい。取り付けられた状態では、プレート状要素は、ねじ接続によって互いに特に有利に固定される。特に、板状要素はそれぞれ、少なくとも1つの共通の冷却チャネルを形成する少なくとも1つの切り欠きを有することができる。好ましくは、1つの板状要素のみが切り欠きを有する。このようにして、簡素化れた製造、取り付け、および/または取り外しが可能になる。特に、取り付けおよび取り外しの際に、ベアリング受容部を部分的に取り付けおよび取り外すことができるため、取り付けおよび取り外しの間に取り扱われる部品の重量および体積が低減される。切り欠きは、好ましくは、始点および終点でベアリング受容部の外部に向かって開口する溝として形成される。物体の切り欠き、くぼみ、溝、ノッチまたは穴が「物体の外側に向かって開口している」という表現は、有利には、切り欠き、くぼみ、溝、ノッチまたは穴が空の空間を形成することを意味すると理解されるべきである。切り欠き、くぼみ、溝、ノッチ、または穴の一端で、オブジェクトを囲む媒体に対して直接または間接的な接触を形成する。「間接的な接触」は、好ましくは、空の空間が別の空の空間に隣接し、物体を取り巻く媒体に対して直接的な接触を形成することを意味すると理解されるべきである。好ましくは、第1の開口部は、冷却流体の供給のために機能し、第2の開口部は、冷却流体の排出のために機能する。例えば、溝は、直線の態様でベアリング受容部を通過してもよい。別の実施形態では、溝は湾曲していてもよい。さらなる実施形態において、溝は、共通の開口部に開口し得る。このようにして、改善された冷却を提供することができる。特に、冷却流体の流れを改善することができる。さらに、簡素な設計を図ることができる。特に、冷却回路において冷却流体のための複数の排出および/または供給を提供することが有利に可能である。
【0015】
さらなる実施形態において、ポンプ装置は、少なくとも1つの機能ユニットのための少なくとも1つの受容領域を有し、該受容領域は、少なくとも部分的に、ベアリング受容部によって区切られ、少なくとも1つの動作状態にあるベアリング受容部を介して冷却されることが提案される。「受容領域」は、特に、駆動シャフト端部ベアリングとは反対側のベアリング受容部の側に位置し、少なくとも1つの機能ユニットを受容および装着するように構成された空間領域を意味すると理解されるべきである。例えば、機能ユニットを取り付けるための受容領域は、溶接継ぎ目、接着剤層、ねじ切りされた開口部、戻り止め舌状部またはプラグコネクタを有し得る。機能ユニットは、特に、ポンプ装置の一部であってもよい。「機能ユニット」は、特に、少なくとも1つの動作状態で少なくとも1つの機能を提供するように構成されたユニットを意味すると理解されるべきである。例えば、機能ユニットは、測定ユニットおよび/または駆動ユニットおよび/または送信ユニットを有することができる。機能ユニットは、好ましくは、ベアリング受容部を介して冷却される電気部品を有する。機能ユニットは、特に好ましくは、少なくとも1つの電子制御ユニットを有する。機能ユニットが、別の駆動シャフトの別の駆動シャフト端部ベアリングを有することも考えられる。このようにして、冷却の改善と設置スペースの最適化を実現することができる。特に、ベアリング受容部は、駆動シャフト端部ベアリングの冷却に加えて、機能ユニットの冷却を提供することができる。
【0016】
さらに、ポンプ装置は、特に少なくとも1つの冷却チャネルを含む冷却ユニットの形態であり得るシェルユニットを有することが提案される。冷却チャネルは、特に、溝として実施されてもよい。開口部は、取り付けられた状態で、有利には、ベアリング受容部の冷却チャネルとの共通の接続を形成する。さらに、開口部は、冷却流体の供給または排出を可能にすることができる。好ましくは、ベアリング受容部の溝は、シェルユニットの対応する溝と冷却回路を形成する。あるいは、冷却回路は、複数の対応する溝の対で構成されてもよい。このようにして、冷却が改善され、構造が簡素化される。特に、駆動回路全体は、冷却回路を介して冷却することができる。
【0017】
さらに、ポンプ装置は、少なくとも1つの防爆機能を提供する防爆ユニットを有することが提案される。特に、防爆ユニットは、ベアリング受容部および/または駆動シャフト端部ベアリングおよび/または受容領域および/またはシェルユニットと少なくとも部分的に一体に実装されてもよい。「少なくとも部分的に一体的に」は、この文脈では、特に、第1のユニットの少なくとも1つの要素が同時に第2のユニットの一部でもあることを意味すると理解されるべきである。「防爆機能」とは、特に一般的なタイプの装置の防爆ガイドラインに準拠し、ポンプ装置内で爆発が発生した場合にすぐ近くの損傷を防止する設計に関して、特に適合性の機能を意味すると理解される。これは、例えば、強化されたシェルユニットによって、および/またはポンプ装置の圧力補償ユニットによって提供されてもよい。「圧力補償ユニット」は、特に、2つの領域間の境界に配置され、第1の領域内の圧力が増加した場合に、第2の領域に対して圧力補償を提供するユニットを意味すると理解されるべきである。圧力補償ユニットは、特にバルブとして具体化されてもよい。このようにして、ポンプ装置の安全性のレベルを高めることができる。
【0018】
さらなる利点は、以下の図面の説明から明らかになるであろう。本発明の例示的な実施形態が図面に示されている。図面、説明、および特許請求の範囲は、組み合わせて多数の特徴を含んでいる。また、当業者は、便宜上、特徴を個別に検討し、それらを適切なさらなる組み合わせに組み合わせる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、ポンプ装置を備えたポンプを非常に簡略化して示す概略部分断面図。
図2図2は、ベアリング受容部を備えたポンプ装置の一部を示す概略部分断面図。
図3図3は、ベアリング受容部の一部を示す概略図。
図4図4は、別のベアリング受容部の一部を示す概略図。
図5図5は、別のベアリング受容部の一部を示す概略図。
図6図6は、別のベアリング受容部の一部を示す概略図。
図7図7は、別のベアリング受容部を示す概略図。
図8図8は、別のベアリング受容部を示す概略図。
図9図9は、別のベアリング受容部の一部を示す概略図。
図10図10は、図9の別のベアリング受容部の一部を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、非常に簡略化された概略部分断面図でポンプ10aを示す。ポンプ10aは、水中ポンプ10aの形態であり、汲み上げられる媒体によって部分的に水没した状態と、汲み上げられる媒体の上方に位置する状態との両方で動作可能である。この目的のために、ポンプ10aは、特別な冷却システムを有しているため、水没していない状態であっても、ポンプの構成要素の十分な冷却が保証される。ポンプ10aは、例えば、遠心ポンプの形態である。
【0021】
ポンプ10aは、ポンプ装置を有する。ポンプ装置は、シェルユニット30aを有する。シェルユニット30aは、ポンプ10aの外側を区画する。シェルユニット30aは、少なくとも部分的に高級鋼から製造され得る。シェルユニット30aは、ポンプ10aの外壁を有する。シェルユニット30aは、外殻52aを有する。シェルユニット30aは、冷却流体を受容および/または伝導するように構成されたシェル冷却チャネル42aを有する。シェルユニット30aのシェル冷却チャネル42aは、ポンプ10aの内部空間の冷却を行う。シェル冷却チャネル42aは、外壁上の外殻52aの配置によって形成される。例えば、外殻52aは、圧入により外壁に固定することができる。
【0022】
ポンプ装置は、モータユニット32aを有する。モータユニット32aは、電気モータを有する。しかしながら、代わりに、モータユニット32aは燃焼機関を有し得る。モータユニット32aは、ポンプ装置の駆動シャフト34aの回転運動を提供する。駆動シャフト34aは、モータユニット32aに作動可能に接続される。駆動シャフト34aは、回転運動をポンプ装置の作動ユニット44a(単に概略的に簡略化して示されている)に伝達するように構成されている。
【0023】
作動ユニット44aは、駆動シャフト34aに作動可能に接続されている。作動ユニット44aは、スクリューユニットを有する。スクリューユニットは、回転運動によって、圧送される媒体の方向に移動するように構成されている。方向は、スクリューユニットの形状によって定義される。例えば、スクリューユニットは、螺旋形状を有し得る。圧送される媒体は、少なくとも1つの動作状態では、供給部38aを介してスクリューユニットに導かれる。供給部38aは、例えば、パイプ開口部の形態であり得る。スクリューユニットは、排出される媒体を排出部40aの方向に移動させる。排出部40aは、ポンプ輸送される媒体をポンプ10aの外に導くように構成される。排出部40aは、例えば、別のパイプ開口部の形態であってもよい。
【0024】
作動ユニット44aは、冷却ユニットを有する。冷却ユニットは冷却スクリューユニットを有する。冷却スクリューユニットは、圧送される少なくとも1つの冷却流体の方向に移動するように構成されている。冷却スクリューユニットは、冷却流体をシェル冷却チャネル42aの方向に移動させる。冷却流体は、例えば水および/または油を含んでも良く、他の実施形態では冷却流体は水および/またはアルコールを含んでも良い。
【0025】
ポンプ装置は、ベアリング受容部(Lageraufnahme)12aを有する。ベアリング受容部12aは、冷却流体を受容するための冷却チャネル28aを有する。ベアリング受容部12aは、ポンプ装置の駆動シャフト端部ベアリング22aを受容するように構成されている。駆動シャフト端部ベアリング22aは、作動ユニット44aとは反対側の駆動シャフト34aの端部に駆動シャフト34aを回転可能に取り付けるように構成されている。特に、ベアリング受容部12aの冷却チャネル28aは、駆動シャフト端部ベアリング22aおよび/またはモータユニット32aの冷却を提供する。シェルユニット30aのシェル冷却チャネル42aは、取り付けられた状態で、ベアリングレセプタクル12aの冷却チャネル28aに流体接続される。特に、シェルユニット30aのシェル冷却チャネル42aは、ベアリング受容部12aの冷却チャネル28aと共に、共通の冷却回路の少なくとも一部であり得る。ベアリング受容部12aは、板状の形態であり、特に、ベアリングカバーの形態である。
【0026】
シェル冷却チャネル42aおよび冷却チャネル28aの拡大図が図2に示されている。図2は、図3の線II-IIに沿った断面図でポンプ装置の一部を示す。図3は、ベアリング受容部12aの一部を斜視図で示す。シェル冷却チャネル42aは、いずれの場合も、始点および終点において、シェルユニット30aの外部に向かって開口している。ベアリング受容部12aの冷却チャネル28aは、溝の形態である。冷却チャネル28aは、いずれの場合も、始点および終点において、ベアリング受容部12aの外部に向かって開口している。
【0027】
取り付けられた状態では、冷却チャネル28aおよびシェル冷却チャネル42aの開口は、共通の接続を形成する。前記共通接続は、特に、少なくとも部分的に共通冷却回路を形成することができる。例えば、共通の開口部がシェルユニット30aからベアリング受容部12aに冷却流体を供給することが可能であり、一方、別の共通の開口部がベアリング受容部12aからシェルユニット30aに冷却流体を排出することが可能である。別の実装形態では、任意の数の対応する冷却チャネル28aおよびシェル冷却チャネル42aが、少なくとも部分的に、特に少なくとも部分的に分岐した冷却回路を少なくとも形成することができ、特にポンプ装置が冷却液用の任意の数の供給路および/または排出路を有すことができる。ベアリング受容部12aは、ねじ孔36aを有する。ねじ孔36aは、ねじを受容するように構成される。ねじは、ベアリング受容部12aを固定するために機能する。ねじ孔36aは、それぞれねじ山を備え得る。
【0028】
図3は、ベアリング受容部12aの板状要素26aを示している。ベアリング受容部12aは、2つの板状要素26a、27aを有する。板状要素26a、27aは、特にねじ孔36aを使用して、互いにねじ止めされる。あるいは、板状要素26a、27aは、スナップロック(Rastverschluss)またはツイストロック(Drehverschluss)によって互いに固定することが可能である。
【0029】
板状要素26a、27aは相互に同一の形態であるため、以下では板状要素26aについてのみ説明する。各板状要素26aは、シールリングを受容するように構成された溝48aを有する。各板状要素26aは、切り欠き14aを有する。切り欠き14aは、4つの半リング状の溝として形成されている。溝は互いに90度の角度で配置されている。別の実装形態では、リングの任意の部分に対応する任意の数の溝を任意の位置に配置することができる。切り欠き14aは、2つの板状要素26aの取り付けられた状態で、共通の冷却チャネル28aを形成する。冷却チャネル28aは、冷却流体を受容するように構成される。冷却チャネル28a内の冷却流体の流れ方向は、矢印によって表される。あるいは、単一または複数の冷却チャネルにおける冷却流体の流れ方向の逆転も可能である。冷却流体の供給および排出は、駆動シャフト34aの回転軸に対して半径方向に行われる。別の実施形態では、第1の板状要素26aのみが切り欠き14aを有することも可能である。第2の板状要素26aは、例えば滑らかな表面を有することができる。ベアリング受容部12a、特に板状要素26a、27aは、鋳造加工で製造される。
【0030】
ポンプ装置は受容領域18aを有する。受容領域18aは、ポンプ装置の機能ユニット20aを受容するために提供される。ベアリング受容部12aの冷却チャネル28aは、受容領域18aおよび/または機能ユニット20aの冷却を提供する。機能ユニット20aは、例えば、ポンプ装置の電子制御ユニットの形態である。
【0031】
ポンプ装置はさらに、防爆ユニット24aを有する。防爆ユニット24aは、ベアリング受容部12aに配置されている。防爆ユニット24aは、ベアリング受容部12aの領域に、一般的なタイプの装置の防爆ガイドラインに準拠する防爆機能を提供するように構成される。例えば、防爆ユニット24aは、ベアリング受容部12aの圧縮強度を増加させるシーリングユニットを有することができる。なお、シーリグユニットは、溝48aに配置されてもよい。
【0032】
図4から図10は、本発明の6つのさらなる例示的な実施形態を示す。以下の説明および図面は、例示的な実施形態間の差異に実質的に制限され、同一として指定された部材に関して、特に同一の参照符号を有する部材に関して、原則として、図面および/または特に図1から3の他の例示的な実施形態の説明を参照されたい。例示的な実施形態を区別する目的で、文字aが、図1から図3の例示的な実施形態の参照符号の接尾辞として追加されている。図4から図10の例示的な実施形態では、文字aは文字bからgに置き換えられている。流れの方向を表すために図4から図10に示されている個々の矢印またはすべての矢印も、代替の実装形態では逆であってもよい。
【0033】
図4から図6は、いずれの場合にも1つのベアリング受容部12b-12dの板状要素26b-26dを示し、この板状要素は、切り欠き14b-14dの異なる実施形態を有する。
【0034】
図4は、4つのそれぞれの溝として形成された切り欠き14bを有するベアリング受容部12bの板状要素26bを示す。溝はそれぞれ2つの直線部分と1つの湾曲部分を有し、後者は2つの直線部分を接続する。溝は互いに90度の角度で配置されている。代替の実装形態では、任意の数の溝に、任意の配置で湾曲部分の任意の曲率および/または任意の長さの直線部分を設けることができる。このようにして、ベアリング受容部12bのサブ領域のより良好な冷却を達成することができる。サブ領域は、ベアリング受容部12bの中心に近い領域として実施される。
【0035】
図5は、4つの異なって湾曲した溝として形成された切り欠き14cを備えたベアリング受容部12cの板状要素26cを示す。切り欠き14cは、互いに離間した態様で、ベアリング受容部12c全体を通過する。代替の実施形態は、互いに任意に離間し、任意の曲率を有する任意に多くの溝を有してもよい。
【0036】
図6は、4つの台形溝の形態の切り欠き14dを有する、ベアリング受容部12dの板状要素26dを示す。各溝は中央の円形溝に端部を有する。さらに、直線状の溝が円形溝から離れるように延びている。この実施形態では、直線溝は、冷却流体の供給として機能する。台形の溝は、冷却液の排出として機能する。別の実施形態では、直線溝は冷却流体の排出として機能し、台形溝は冷却流体の供給として機能してもよい。別の実施形態では、任意の数の台形溝および/または直線溝を任意の配置で提供することが可能である。
【0037】
図7は、単一の板状要素26eからなり、穿孔された冷却チャネル28eを有するベアリング受容部12eを示す。最初に、板状要素26eは鋳造加工で製造される。続いて、冷却チャネル28eは、板状要素26eに穴をあけることによって形成される。穿孔された冷却チャネル28eは、この実施形態では、ベアリング受容部12eの中心点で交わる5つの孔として提供され、図4と同様に、孔の1つは冷却流体の供給用として機能し、残りの孔は冷却液の排出用として機能する。あるいは、ベアリング受容部12eは、一連の連続した穴を有してもよい。さらなる実施形態において、孔の数および配置は、任意に変更され得る。
【0038】
図8は、図4の切り欠き14bと同様の方法で実施された切り欠き14fを有するベアリング受容部12fを示す。ベアリング受容部12fは、2つの通路開口部16fを有する。通路開口部16fは、互いに異なる開口部サイズを有する。装着状態では、通路開口部16fは物体を受容することができる。通路開口部16fの1つは、構造ユニット46fを受容する。構造ユニット46fは、電線の形態である。通路開口部16fは、駆動シャフト端部ベアリング22aに面する側と、この側と反対側の側とに開口している。代替の実施形態では、通路開口部16fは、同一のサイズを有してもよく、および/または任意の数であってもよい。ポンプ装置の防爆ユニット(図示せず)は、別の封止ユニットを有する。別の封止ユニットは、通路開口部16f内に配置される。通路開口部16fによって受容された物体は、通路開口部16f内の封止ユニットによって固定される。
【0039】
図9および図10は、ベアリング受容部12gを示す。ベアリング受容部12aは、2つの板状要素26a、27aを有する。板状要素26gは、図5の切り欠き14cと同様の態様で実施された切り欠き14gを有する。板状要素26gは通路開口部16gを有する。板状要素26gは、軸方向供給路54gを有する。軸方向供給路54gは、駆動シャフト(図示せず)の回転軸に対して軸方向に冷却流体を供給する。板状要素26gは、軸方向排出路56gを有する。軸方向供給路54gは、駆動シャフトの回転軸に対して軸方向に冷却流体を供給する。ベアリング受容部12gは、板状要素26gとは異なって形成される板状要素27gを有する。板状要素27gは滑らかな表面を有する。板状要素27gは、ベアリングカバーの形態である。板状要素も同様に通路開口部16gを有する。板状要素26g、27gは、U字形の共通の冷却チャネル(図示せず)を形成する。
【符号の説明】
【0040】
10…ポンプ
12…ベアリング受容部
14…切り欠き
16…通路開口部
18…受容領域
20…機能ユニット
22…駆動シャフト端部ベアリング
24…防爆ユニット
26…板状要素
27…板状要素
28…冷却チャネル
30…シェルユニット
32…モータユニット
34…駆動シャフト
36…ねじ孔
38…供給路
40…排出路
42…シェル冷却チャネル
44…作動ユニット
46…構造ユニット
48…溝
52…外殻
54…軸方向供給路
56…軸方向排出路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10