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特開2023-12647機器制御装置、機器制御方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012647
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】機器制御装置、機器制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/62 20180101AFI20230119BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20230119BHJP
   F25D 21/08 20060101ALI20230119BHJP
   F25D 21/10 20060101ALI20230119BHJP
   F24F 11/61 20180101ALI20230119BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
F24F11/62
F25D11/00 101E
F25D21/08 B
F25D21/08 G
F25D21/10 A
F24F11/61
F24F7/007 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116203
(22)【出願日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 千穂
【テーマコード(参考)】
3L045
3L046
3L056
3L260
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA01
3L045EA01
3L045LA01
3L045LA11
3L045LA14
3L045LA15
3L045LA16
3L045MA02
3L045MA05
3L045MA12
3L045NA00
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
3L046AA02
3L046BA01
3L046CA05
3L046CA12
3L046MA01
3L046MA02
3L046MA03
3L046MA04
3L056BD02
3L056BF06
3L260AA08
3L260AB20
3L260BA72
3L260BA74
3L260CA12
(57)【要約】
【課題】換気機器、空調機、及び、ショーケース等の冷蔵又は冷凍装置を、一元的に制御することができる機器制御装置を提供する。
【解決手段】機器制御装置10は、ショーケース20の運転状態に関する運転状態情報を取得する取得部11と、取得部11によって取得された運転状態情報に基づいて、ショーケース20と、ショーケース20が設置された店舗内を換気する換気機器30、及び、ショーケース20が設置された店舗内を空調する空調機40のうち、少なくともいずれか1つの機器とを制御する制御部12とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショーケースの運転状態に関する運転状態情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された運転状態情報に基づいて、前記ショーケースと、前記ショーケースが設置された店舗内を換気する換気機器、及び、前記ショーケースが設置された店舗内を空調する空調機のうち、少なくともいずれか1つの機器とを制御する制御部とを備える
ことを特徴とする機器制御装置。
【請求項2】
前記ショーケースは、
前記ショーケースに内蔵される冷凍機における熱交換部の吸気温度を検出する吸気温度検出部と、
前記ショーケースにおける収容庫内の庫内温度を検出する庫内温度検出部とを有し、
前記取得部は、
前記吸気温度検出部によって検出された吸気温度と、前記庫内温度検出部によって検出された庫内温度とを、取得し、
前記制御部は、
前記取得部によって取得された吸気温度及び庫内温度に基づいて、前記ショーケースと、前記換気機器及び前記空調機のうち、少なくともいずれか1つの機器とを制御する
ことを特徴とする請求項1記載の機器制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記換気機器及び前記空調機に対する制御を開始してから所定期間経過後に、前記換気機器及び前記空調機を、制御開始前の元の運転状態に戻す
ことを特徴とする請求項2記載の機器制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記冷凍機に設定されている設定温度を下げる
ことを特徴とする請求項3記載の機器制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記ショーケースの収容庫に対する前回の除霜から所定期間経過後となる場合、前記ショーケース内における冷媒の循環を停止して、除霜制御を行う
ことを特徴とする請求項2記載の機器制御装置。
【請求項6】
取得部が、ショーケースの運転状態に関する運転状態情報を取得し、
制御部が、前記取得部によって取得された運転状態情報に基づいて、前記ショーケースと、前記ショーケースが設置された店舗内を換気する換気機器、及び、前記ショーケースが設置された店舗内を空調する空調機のうち、少なくともいずれか1つの機器とを制御する
ことを特徴とする機器制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、
ショーケースの運転状態に関する運転状態情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された運転状態情報に基づいて、前記ショーケースと、前記ショーケースが設置された店舗内を換気する換気機器、及び、前記ショーケースが設置された店舗内を空調する空調機のうち、少なくともいずれか1つの機器とを制御する制御部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スーパーマーケット及びコンビニエンスストア等の主に食品売り場で使用される冷蔵又は冷凍ショーケース(以下、ショーケースという)と、これを設置する前記売り場内の換気機器及び空調機を含む空調冷熱機器群とを、一元的に制御する機器制御装置、機器制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット及びコンビニエンスストア等の店舗には、商品陳列と、それらの商品品質維持とを目的とした多様な形態のショーケースが複数設置されている。これらのショーケースは、商品が陳列された収容庫に対して、冷気を送ることで、当該商品の冷蔵又は冷凍を行うものである。また、ショーケースの多くを占める、オープン型と呼ばれるショーケースは、商品の存在を強調すると共に、商品へのアクセス性を損なわさせないために、上記収容庫を開放しているため、収容庫内空気(冷気)と店舗内空調空気とが、少なからず混じり合う。
【0003】
特許文献1には、それらオープン型のショーケースの中でも、アイランド型又は平型ケース等と呼ばれる四周いずれからでも商品を取れるようにしたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3043994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたショーケースは、前述の通り、収容庫を開放し、収容庫内空気と店舗内空調空気とが少なからず混じり合う構造である。このため、収容庫内の冷気は、収容庫外、即ち、店舗通路等の空間の空調に影響を与え、また逆に、店舗通路等の空間の空気は、収容庫内温度に影響を与える。
【0006】
例えば、店舗内が顧客等の利用者で混雑している場合、店舗内の温度は、体温等によって上昇する。また、利用者数に比例し収容庫内商品へのアクセス数も増加し、商品又は手の出し入れによる収容庫内空気と店舗内空気との入交が増えることになる。
【0007】
また、収容庫内から店舗通路等への冷気の漏れは、特にショーケースが、前述のアイランド型又は平型ケース等の場合、ショーケースの四周から冷気が漏れることになる。これらアイランド型、平型ケース等のショーケースは、冷凍食品のショーケースとして用いられることが多く、その低温空気(冷気)の漏れは、店舗通路等への過冷房に繋がり、過剰なエネルギー消費と、人の不快感とを増加させる要因となっている。
【0008】
更に、昨今、衛生面から、店舗内換気のニーズが高まっている。このため、換気による冷熱エネルギーの損失も増大する傾向にある。より正確な、必要時のみの換気といったニーズ、即ち、利用者数等によっての当該店舗内に対しての最適換気のニーズが高まる傾向にある。
【0009】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、換気機器、空調機、及び、ショーケース等の冷蔵又は冷凍装置を、一元的に制御することができる機器制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係る機器制御装置は、ショーケースの運転状態に関する運転状態情報を取得する取得部と、取得部によって取得された運転状態情報に基づいて、ショーケースと、ショーケースが設置された店舗内を換気する換気機器、及び、ショーケースが設置された店舗内を空調する空調機のうち、少なくともいずれか1つの機器とを制御する制御部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、換気機器、空調機、及び、ショーケース等の冷蔵又は冷凍装置を、一元的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る機器制御装置が適用される機器制御システムの構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係る機器制御方法を示すフローチャートである。
図3】ショーケースと換気機器と空調機との連携制御について説明した図である。図3Aは、ショーケースと換気機器と空調機とがグループ分けされた設置例を示す図である。図3Bは、ショーケースと換気機器と空調機とのグループ分けを一覧表にした図である。
図4図4Aは、実施の形態1に係る機器制御装置の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。図4Bは、実施の形態1に係る機器制御装置の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】実施の形態2に係る機器制御装置が適用される機器制御システムの構成を示すブロック図である。
図6】実施の形態2に係る機器制御方法を示すフローチャートである。
図7】換気運転有無の判断材料となるショーケースの選定方法を示すフローチャートである。
図8】換気運転有無の判断材料となる空調機の選定方法を示すフローチャートである。
図9】換気運転有無の判断方法を示すフローチャートである。
図10】実施の形態3に係る機器制御装置が適用される機器制御システムの構成を示すブロック図である。
図11】実施の形態3に係る機器制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
実施の形態1.
実施の形態1に係る機器制御装置10について、図1から図4を用いて説明する。
【0015】
図1は、実施の形態1に係る機器制御装置10が適用される機器制御システムの構成を示すブロック図である。この図1に示す実施の形態1に係る機器制御システムは、例えば、スーパーマーケット及びコンビニエンスストア等の店舗に適用されるものである。
【0016】
図1に示すように、機器制御システムは、機器制御装置10、ショーケース20、換気機器30、及び、空調機40を備えている。
【0017】
冷蔵又は冷凍装置であるショーケース20は、商品が陳列された収容庫(図示省略)に対して、冷気を送ることで、当該商品の冷蔵又は冷凍を行うものである。このショーケース20は、例えば、収容庫の前面が開口しているショーケースである。顧客等の利用者は、その収容庫を介して、当該収容庫内に収容された商品を、出し入れすることができる。
【0018】
また、ショーケース20は、冷凍機を内蔵した、冷凍機内蔵型のショーケースである。このようなショーケース20は、各ショーケース毎に、冷凍機の運転によって、冷気を生成し、冷蔵又は冷凍を行い、それぞれの運転状態に関する運転状態情報を、機器制御装置10に出力する。
【0019】
なお、ショーケース20は、収容庫内を低温に保持する冷却機能、収容庫内の温度を検出する庫内温度検出機能、凝縮させるための空気を収容庫外から吸引する吸気機能、その吸引した空気の温度を検出する吸気温度検出機能等を有している。
【0020】
機器制御装置10は、取得部11及び制御部12を有している。
【0021】
取得部11は、ショーケース20の運転状態に関する運転状態情報を、当該ショーケース20から取得する。また、取得部11は、取得した運転状態情報を制御部12に出力する。
【0022】
制御部12は、取得部11によって取得されたショーケース20の運転状態情報に基づいて、ショーケース20と、換気機器30及び空調機40のうち、少なくともいずれか1つの機器とを制御する。
【0023】
具体的には、制御部12は、取得部11によって取得されたショーケース20の運転状態情報に基づいて、ショーケース制御信号を有線又は無線でショーケース20に出力する。ショーケース制御信号は、ショーケース20の運転条件を変更させるための信号である。また、制御部12は、取得部11によって取得されたショーケース20の運転状態情報に基づいて、換気制御信号を有線又は無線で換気機器30に出力する。換気制御信号は、換気機器30を所定運転又は停止させるための信号である。更に、制御部12は、取得部11によって取得されたショーケース20の運転状態情報に基づいて、空調制御信号を有線又は無線で空調機40に出力する。空調制御信号は、空調機40の運転条件を変更させるための信号である。
【0024】
ショーケース20は、機器制御装置10の制御部12からショーケース制御信号を受けると、所定の運転条件で運転する。
【0025】
換気機器30は、ショーケース20が設置された店舗内に設けられており、その店舗内を換気するものである。換気機器30は、機器制御装置10の制御部12から換気制御信号を受けると、店舗内を所定の運転条件で換気、又は、運転を停止する。
【0026】
空調機40は、ショーケース20が設置された店舗内に設けられており、その店舗内を空調するものである。空調機40は、機器制御装置10の制御部12から空調制御信号を受けると、所定の運転条件で運転する。
なお、空調機40は、室内の空気の温度(例えば、空調吸い込み口付近における空気の温度)を検出する室内温度検出機能、室内に空気を送り出し、室内の空気を撹拌する機能、及び、その風量、風向を操作する操作機能等を有している。
【0027】
次に、実施の形態1に係る機器制御方法について、図2を用いて説明する。図2は、実施の形態1に係る機器制御方法を示すフローチャートである。
【0028】
ステップST11において、図1で示した取得部11は、ショーケース20の運転状態に関する運転状態情報を取得する。
【0029】
ステップST12において、図1で示した制御部12は、取得部11によって取得された運転状態情報に基づいて、ショーケース20と、換気機器30及び空調機40のうち、少なくともいずれか1つの機器とを制御する。例えば、制御部12は、運転状態情報を、所定の条件に従って判断し、実施すべき換気機器30及び空調機40の運転制御方法を決定する。
【0030】
次に、ショーケース20と換気機器30と空調機40との連携制御について、図3を用いて説明する。図3は、ショーケース20と換気機器30と空調機40の連携制御について説明した図である。
【0031】
図1で示した機器制御装置10は、対象となる1つ以上のショーケース20に対して、1つ以上の換気機器30、及び、1つ以上の空調機40を連携制御することができる。例えば、1つの店舗で、ショーケース20、換気機器30、及び、空調機40が、それぞれ複数設置される場合、機器制御装置10は、ショーケース20と、これに対応する換気機器30及び空調機40とを、予めグループ化している。このため、機器制御装置10は、対象となる1つのショーケース20に対して、当該ショーケース20と同じグループに属する1つ以上の換気機器30及び1つ以上の空調機40を制御することができる。よって、機器制御装置10は、店舗内を部分的に換気及び空調することができ、省エネ化を図ることができる。
【0032】
図3は、複数のショーケース20、複数の換気機器30、及び、複数の空調機40を、4つのグループに分けた例を示している。ショーケース20は、番号(A)から番号(P)までの17台である。換気機器30は、番号(ア)から番号(ウ)までの3台である。空調機40は、番号(1)から番号(6)までの6台である。
【0033】
グループG1は、番号(A)から番号(E)までのショーケース20と、番号(ア)の換気機器30、番号(1),(2)の空調機40から構成されている。グループG2は、番号(F)から番号(H)までのショーケース20と、番号(イ)の換気機器30、番号(3)の空調機40から構成されている。グループG3は、番号(I)から番号(L)までのショーケース20と、番号(イ)の換気機器30、番号(4),(5)の空調機40から構成されている。グループG4は、番号(M)から番号(P)までのショーケース20と、番号(ウ)の換気機器30、番号(5),(6)の空調機40から構成されている。なお、番号(イ)の換気機器30、又は、番号(5)の空調機40のように、1台の機器が、複数のグループに属しても構わない。
【0034】
また、機器制御装置10は、店舗内における機器構成、機器同士の位置関係、各機器の運転能力、制御の優先度等に基づいて、ショーケース20、換気機器30、及び、空調機40を任意にグループ化、又は、グループ化の変更を行うことができる。例えば、機器制御装置10は、ショーケース20、換気機器30、空調機40の各位置情報から、換気機器30のショーケース20に対する影響度、及び、空調機40のショーケース20に対する影響度を、予め演算しておき、その演算結果に基づいて、ショーケース20、換気機器30、空調機40のグループ化を自動で設定しても構わない。
【0035】
次に、図4Aは、実施の形態1に係る機器制御装置10の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。図4Bは、実施の形態1に係る機器制御装置10の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成を示すブロック図である。
【0036】
図4A及び図4Bにおいて、入力インタフェース104は、ショーケース20から機器制御装置10へ出力される運転状態情報を中継するインタフェースである。また、出力インタフェース105は、機器制御装置10から換気機器30へ出力される換気制御信号、及び、機器制御装置10から空調機40へ出力される空調制御信号を中継するインタフェースである。
【0037】
処理回路が図4Aに示す専用のハードウェアの処理回路101である場合、処理回路101は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はこれらを組み合わせたものが該当する。機器制御装置10が備える取得部11及び制御部12の機能を別々の処理回路で実現してもよく、これらの機能をまとめて一つの処理回路で実現してもよい。
【0038】
処理回路が図4Bに示すプロセッサ102である場合、機器制御装置10が備える取得部11及び制御部12の機能は、ソフトウェア、ファームウェア又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。なお、ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして記述されてメモリ103に記憶される。
【0039】
プロセッサ102は、メモリ103に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、機器制御装置10が備える取得部11及び制御部12の機能を実現する。例えば、機器制御装置10は、プロセッサ102によって実行されるときに、図2に示したステップST11からステップST13の処理が結果的に実行されるプログラムを記憶するためのメモリ103を備える。これらのプログラムは、取得部11及び制御部12が行う処理の手順又は方法を、コンピュータに実行させる。メモリ103は、コンピュータを、取得部11及び制御部12として機能させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0040】
メモリ103は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically-EPROM)等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVDなどが該当する。
【0041】
機器制御装置10が備える取得部11及び制御部12の機能の一部を、専用のハードウェアで実現し、一部を、ソフトウェア又はファームウェアで実現してもよい。例えば、取得部11は、専用のハードウェアである処理回路101によって機能を実現し、制御部12は、プロセッサ102がメモリ103に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって機能を実現する。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせにより上記機能を実現することができる。
【0042】
以上、実施の形態1に係る機器制御装置10は、ショーケース20の運転状態に関する運転状態情報を取得する取得部11と、取得部11によって取得された運転状態情報に基づいて、ショーケース20と、ショーケース20が設置された店舗内を換気する換気機器30、及び、ショーケース20が設置された店舗内を空調する空調機40のうち、少なくともいずれか1つの機器とを制御する制御部12とを備える。このため、機器制御装置10は、換気機器30、空調機40、及び、ショーケース20等の冷蔵又は冷凍装置を、一元的に制御することができる。
【0043】
実施の形態2.
実施の形態2に係る機器制御装置10について、図5から図9を用いて説明する。なお、実施の形態1で説明した構成と同様の機能を有する構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0044】
図5は、実施の形態2に係る機器制御装置10が適用される機器制御システムの構成を示すブロック図である。この図5に示した実施の形態2に係る機器制御システムは、ショーケース20の運転状態に基づいて、当該ショーケース20が設置される店舗内を換気するものである。当該機器制御システムは、機器制御装置10、ショーケース20、換気機器30、及び、空調機40を備えている。
【0045】
図5に示すように、ショーケース20には、インバータ式の冷凍機20aが内蔵されている。冷凍機20aは、予め所定の設定温度(冷蔵温度又は冷凍温度)に設定されている。この冷凍機20aは、熱交換部を有しており、当該熱交換部を介して、吸い込んだ外気との間で、熱交換を行い、冷気を排出する。また、ショーケース20は、吸気温度検出部21及び庫内温度検出部22を有している。
【0046】
吸気温度検出部21は、冷凍機20aの熱交換部における吸気口に設けられている。吸気温度検出部21は、その熱交換部の吸気口から吸い込まれる空気の温度(以下、吸気温度と称す)を検出する。熱交換部の吸気口は、店舗における床面の通路から比較的近い位置に開口している。このため、熱交換部の吸気温度は、利用者の人数が多くなる程、高くなると考えられる。利用者の人数が多くなると、店舗内を換気する必要がある。また、吸気温度検出部21は、検出した吸気温度を、機器制御装置10の取得部11に出力する。
【0047】
庫内温度検出部22は、ショーケース20の収容庫内に設けられている。庫内温度検出部22は、その収容庫内の温度(以下、庫内温度と称す)を検出する。ショーケース20の収容庫には、商品が出し入れされる度に、外気が少なからず流入する。また、商品の出し入れ回数は、利用者の人数に比例するものである。このため、ショーケース20の収容庫に対する冷却は、利用者の人数が多くなる程、追い付かず、その庫内温度は、設定温度を保てなくなる傾向にある。また、庫内温度検出部22は、検出した庫内温度を、機器制御装置10の取得部11に出力する。
【0048】
取得部11は、吸気温度検出部21によって検出された吸気温度、及び、庫内温度検出部22によって検出された庫内温度を、取得する。また、取得部11は、取得した吸気温度及び庫内温度を制御部12に出力する。
【0049】
制御部12は、吸気温度及び庫内温度を取得すると、換気制御信号を換気機器30に出力すると共に、空調制御信号を空調機40に出力する。即ち、制御部12は、運転状態情報となる吸気温度及び庫内温度を、所定の条件に従って判断し、実施すべき換気機器30及び空調機40の運転制御方法を決定する。上記所定の条件には、店舗の営業時間、及び、前回の換気からの経過時間等が含まれる。
【0050】
具体的には、換気機器30は、換気を開始するが、対象エリアにおいて有効な換気機器30が無い場合、又は、対象エリアに対して換気能力が不足する場合は、制御部12は、空調機40を運転させる。このとき、空調機40が天井埋め込み型の室内機である場合、制御部12は、空調機40の風向を下方に向け、風量を最大として、当該空調機40の運転を行う。
【0051】
また、制御部12は、換気機器30及び空調機40に対する制御を開始してから、所定期間経過後において、当該換気機器30及び空調機40を、制御開始前の元の運転状態に戻す。これにより、制御部12は、換気が十分に行われた後には、店舗内の換気機器30及び空調機40を、制御開始前の運転状態に即座に戻すことができる。
【0052】
更に、制御部12は、換気機器30及び空調機40を制御開始前の元の運転状態に戻した後、ショーケース20の冷凍機20aに対する制御を開始する。具体的には、制御部12は、冷凍機20aに設定される設定温度を下げる。このため、ショーケース20は、冷却機能が向上される。対象となるショーケース20の庫内温度が、店舗内の換気によって、上昇するおそれがある。そこで、制御部12は、ショーケース20の冷却機能を向上させる。
【0053】
次に、実施の形態2に係る機器制御方法について、図6を用いて説明する。図6は、実施の形態2に係る機器制御方法を示すフローチャートである。
【0054】
ステップST21において、図5で示した取得部11は、吸気温度検出部21によって検出された吸気温度と、庫内温度検出部22によって検出された庫内温度とを、取得する。
【0055】
ステップST22において、図5で示した制御部12は、取得部11によって取得された吸気温度及び庫内温度に基づいて、換気機器30及び空調機40を制御する。このため、店舗内は、換気される。
【0056】
ステップST23において、制御部12は、換気機器30及び空調機40に対する制御を開始してから所定期間経過後に、換気機器30及び空調機40を、制御開始前の元の運転状態に戻す。
【0057】
ステップST24において、制御部12は、冷凍機20aに設定されている設定温度を下げる。このため、ショーケース20の冷却機能が上がる。
【0058】
次に、図6で示したステップST22の詳細(換気運転の詳細)について、図7から図9を用いて説明する。図7は、換気運転有無の判断材料となるショーケース20の選定方法を示すフローチャートである。図8は、換気運転有無の判断材料となる空調機40の選定方法を示すフローチャートである。図9は、換気運転有無の判断方法を示すフローチャートである。
【0059】
先ず、図7におけるステップST61において、機器制御装置10は、運転中のショーケース20の台数を検出する。
【0060】
ステップST62において、機器制御装置10は、運転中のショーケース20の中で、庫内温度検出部22によって検出された庫内温度が所定温度以上となるショーケース20の台数を検出する。
【0061】
ステップST63において、機器制御装置10は、上記の庫内温度が所定温度以上となるショーケース20以外の運転中のショーケース20の中で、冷却負荷が所定負荷以上でn分間継続するショーケース20の台数を検出する。冷却負荷は、冷媒流量から判断される熱量である。なお、nは、自然数である。
【0062】
ステップST64において、庫内温度が所定温度以上で、且つ、冷却負荷が所定負荷以上でn分間継続するショーケース20の中で、吸気温度検出部21によって検出された吸気温度が所定温度以上となるショーケース20の台数を検出する。
【0063】
続いて、図8におけるステップST71において、機器制御装置10は、運転中の空調機40の台数を検出する。
【0064】
ステップST72において、機器制御装置10は、運転負荷(冷却又は暖房負荷)が所定負荷以上でn分間継続する空調機40の台数を検出する。なお、nは、自然数である。
【0065】
ステップST73において、機器制御装置10は、設定温度が吸気温度未満でn分間継続する空調機40の台数を検出する。
【0066】
最後に、図9におけるステップST81において、機器制御装置10は、ステップST64で検出したショーケース20の台数と、ステップST72で検出した空調機40の台数と、ステップST73で検出した空調機40の台数との和が、閾値Aを超えたか、又は、ステップST62で検出したショーケース20の台数と、ステップST63で検出したショーケース20の台数との和が、閾値Bを超えたかを判定する。
【0067】
ここで、台数の和が閾値Aを超えた場合、及び、台数の和が閾値Bを超えた場合のうち、少なくとも一方が成立した場合(YESの場合)には、機器制御装置10の動作は、ステップST82に進む。一方、どちらも成立しない場合(NO場合)には、機器制御装置10の動作は、ステップST81を繰り返す。
【0068】
ステップST82において、機器制御装置10は、換気機器30及び空調機40を制御して、ショーケース20が設置された店舗内の換気を行う。
【0069】
以上、実施の形態2に係る機器制御装置10においては、ショーケース20は、ショーケース20に内蔵される冷凍機20aにおける熱交換部の吸気温度を検出する吸気温度検出部21と、ショーケース20における収容庫内の庫内温度を検出する庫内温度検出部22とを有する。取得部11は、吸気温度検出部21によって検出された吸気温度と、庫内温度検出部22によって検出された庫内温度とを、取得する。制御部12は、取得部11によって取得された吸気温度及び庫内温度に基づいて、換気機器30及び空調機40を制御する。このため、機器制御装置10は、換気機器30、空調機40、及び、ショーケース20等の冷蔵又は冷凍装置を、一元的に制御することができる。
【0070】
機器制御装置10においては、制御部12は、換気機器30及び空調機40に対する制御を開始してから所定期間経過後に、当該換気機器30及び空調機40を、制御開始前の元の運転状態に戻す。このため、機器制御装置10は、店舗内の換気が十分に行われた後には、換気機器30及び空調機40を、制御開始前の運転状態に即座に戻すことができる。
【0071】
機器制御装置10においては、制御部12は、冷凍機20aに設定されている設定温度を下げる。このため、機器制御装置10は、店舗内の換気によって、ショーケース20の庫内温度が上昇した場合でも、ショーケース20の冷却機能を向上させて、庫内温度を適切に設定することができる。
【0072】
実施の形態3.
実施の形態3に係る機器制御装置10について、図10及び図11を用いて説明する。なお、実施の形態1,2で説明した構成と同様の機能を有する構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
図10は、実施の形態3に係る機器制御装置10が適用される機器制御システムに構成を示すブロック図である。この図10に示した実施の形態3に係る機器制御システムは、ショーケース20の運転状態に基づいて、当該ショーケース20によって発生したコールドアイル(冷気溜まり)を、空調によって解消するものである。当該機器制御システムは、機器制御装置10、ショーケース20、及び、空調機40を備えている。
【0074】
上述したように、ショーケース20は、収容庫の開口部を有している。このため、ショーケース20においては、収容庫内の冷気が、その開口部から収容庫の外部に漏れ出ることがある。このため、開口部の前方に位置する通路付近において、コールドアイル(冷気溜まり)を発生させてしまう場合がある。特に、収容庫内を冷凍機20aの冷気によって冷蔵又は冷凍するような、ショーケース20においては、コールドアイルは、利用者に不快感を与えてしまうおそれがある。
【0075】
また、ショーケース20は、吸気温度検出部21及び庫内温度検出部22を有している。冷凍機20aの吸気口は、店舗における床面の通路から比較的近い位置に開口している。このため、冷凍機20aの吸気温度は、利用者が感じる足元の体感温度に近い温度になると考えられる。また、コールドアイルの存在は、ショーケース20の収容庫から冷気が漏れ出ており、店舗における床面の通路付近に漏れ出た冷気が停滞している状態であると考えられる。
【0076】
取得部11は、吸気温度検出部21によって検出された吸気温度、及び、庫内温度検出部22によって検出された庫内温度を、取得する。また、取得部11は、取得した吸気温度及び庫内温度を制御部12に出力する。
【0077】
制御部12は、指令信号を受けると、空調制御信号を空調機40に出力する。即ち、制御部12は、運転状態情報となる吸気温度及び庫内温度を、所定の条件に従って判断し、実施すべき空調機40の運転制御方法を決定する。このため、空調機40は、冷房時及び暖房時において、停滞するコールドアイルを撹拌して解消させることができる。
【0078】
具体的には、空調機40の運転が冷房運転である場合、制御部12は、空調機40の冷房設定温度をそのままの温度に維持した状態で、当該空調機40の風向を、コールドアイルの撹拌に効果的な方向に切り替えると共に、空調機40の風速を、コールドアイルの撹拌に効果的な風速に切り替える。又は、制御部12は、空調機40の運転を冷房運転から送風運転に変更する。なお、制御部12は、その送風運転時の空調機40によるコールドアイルの撹拌によって、店舗内の温度が上昇した場合には、空調機40の運転を冷房運転に切り替える。
【0079】
一方、空調機40の運転が暖房運転である場合、制御部12は、空調機40の暖房設定温度をそのままの温度に維持した状態で、当該空調機40の風向を、コールドアイルの撹拌に効果的な方向に切り替えると共に、空調機40の風速を、コールドアイルの撹拌に効果的な風速に切り替える。
【0080】
また、制御部12は、空調制御信号を空調機40に出力し、且つ、ショーケース20の収容庫に対する前回の除霜から所定期間経過後となる場合、ショーケース20内における冷媒の循環をさせる一方、ショーケース20内において、ヒータ等で加温した空気を循環させる。このため、制御部12は、定期的に、ショーケース20に対する除霜を行うことができる。このとき、制御部12は、空調機40の運転を送風運転とすることで、ショーケース20に対する除霜の促進を図るようにする。
【0081】
次に、実施の形態3に係る機器制御方法について、図11を用いて説明する。図11は、実施の形態3に係る機器制御方法を示すフローチャートである。
【0082】
ステップST31において、図10で示した取得部11は、吸気温度検出部21によって検出された吸気温度と、庫内温度検出部22によって検出された庫内温度とを、取得する。
【0083】
ステップST32において、図10で示した制御部12は、取得部11によって取得された吸気温度及び庫内温度に基づいて、空調機40を制御する。このため、コールドアイルは、撹拌されて解消される。
【0084】
ステップST33において、制御部12は、ショーケース20の収容庫に対する前回の除霜から所定期間経過後となる場合、ショーケース20内における冷媒の循環を停止すると共に、ショーケース20内において、加温した空気を循環させる。このため、ショーケース20は、除霜される。
【0085】
以上、実施の形態3に係る機器制御装置10においては、ショーケース20は、ショーケース20に内蔵される冷凍機20aにおける熱交換部の吸気温度を検出する吸気温度検出部21と、ショーケース20における収容庫内の庫内温度を検出する庫内温度検出部22とを有する。取得部11は、吸気温度検出部21によって検出された吸気温度と、庫内温度検出部22によって検出された庫内温度とを、取得する。制御部12は、取得部11によって取得された吸気温度及び庫内温度に基づいて、空調機40を制御する。このため、機器制御装置10は、換気機器30、空調機40、及び、ショーケース20等の冷蔵又は冷凍装置を、一元的に制御することができる。この結果、機器制御装置10は、ショーケース20から漏れ出た冷気によって発生するコールドアイルを、撹拌して解消することができる。
【0086】
機器制御装置10においては、制御部12は、ショーケース20の収容庫に対する前回の除霜から所定期間経過後となる場合、ショーケース20内における冷媒の循環を停止して、除霜制御を行う。このため、制御部12は、ショーケース20に対する除霜を、効率的に行うことができる。
【0087】
なお、本開示は、その開示の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、或いは、各実施の形態における任意の構成要素の変形、若しくは、各実施の形態における任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0088】
10 機器制御装置、11 取得部、12 制御部、20 ショーケース、20a 冷凍機、21 吸気温度検出部、22 庫内温度検出部、30 換気機器、40 空調機、101 処理回路、102 プロセッサ、103 メモリ、104 入力インタフェース、105 出力インタフェース。
図1
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