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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126496
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】錠システム
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/00 20060101AFI20230831BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
E05B47/00 U
E05B49/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116389
(22)【出願日】2023-07-18
(62)【分割の表示】P 2019119460の分割
【原出願日】2019-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
(74)【代理人】
【識別番号】100093986
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 雅男
(72)【発明者】
【氏名】臼井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 壮
(57)【要約】
【課題】利便性を向上させながらセキュリティを向上させることのできる錠システムの提供を目的とする。
【解決手段】認証を受けた第三者が入ることのできる共有エリア4と、居住者が入ることのできるプライベートエリア1に区画された家屋におけるプライベートエリア1の入口に配置される第1扉2を施錠する第1錠装置3と、
前記プライベートエリア1に通じる玄関等の共有エリア4の入口に配置される第2扉5に設置され、共有エリア4とプライベートエリア1への立ち入りが許容されるように予め設定された無限定認証コードに加え、共有エリア4への立ち入りのみが許容される利用者に付与された限定認証コードに対する認証動作が可能な第2錠装置6とを有し、
前記第2錠装置6は、該第2錠装置6に入力された限定認証コードに対する認証成立と、前記第1扉2の施錠状態の検出を条件に解錠動作する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証を受けた第三者が入ることのできる共有エリアと、居住者が入ることのできるプライベートエリアに区画された家屋におけるプライベートエリアの入口に配置される第1扉を施錠する第1錠装置と、
前記プライベートエリアに通じる玄関等の共有エリアの入口に配置される第2扉に設置され、共有エリアとプライベートエリアへの立ち入りが許容されるように予め設定された無限定認証コードに加え、共有エリアへの立ち入りのみが許容される利用者に付与された限定認証コードに対する認証動作が可能な第2錠装置とを有し、
前記第2錠装置は、該第2錠装置に入力された限定認証コードに対する認証成立と、前記第1扉の施錠状態の検出を条件に解錠動作する錠システム。
【請求項2】
前記第1錠装置は、解錠状態において、前記第2錠装置に入力された限定認証コードに対する認証が成立した際に施錠動作する請求項1記載の錠システム。
【請求項3】
前記第1扉は自動閉扉扉で、かつ、第1錠装置は、居住者による施錠操作、あるいは第2錠装置の限定認証コードの認証成立がない状態では解錠状態となる非自動施錠装置である請求項2記載の錠システム。
【請求項4】
前記限定認証コードがワンタイムパスワードである請求項1、2または3記載の錠システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
使い捨ての一時解錠コードを使用した解錠操作が可能な錠システムとしては特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
この従来例において、住宅の玄関扉に設置された電気錠は、一時解錠コードを使用して解錠可能になり、例えば、宅配業者等のサービサーの住宅内への入室を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-223092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来例において、どのように一時解錠コードのセキュリティを高めていても、家屋内に面識のない他人が入ることによるセキュリティの低下は免れないという問題がある。
【0006】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされてものであって、利便性を向上させながらセキュリティを向上させることのできる錠システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば上記目的は、
認証を受けた第三者が入ることのできる共有エリア4と、居住者が入ることのできるプライベートエリア1に区画された家屋におけるプライベートエリア1の入口に配置される第1扉2を施錠する第1錠装置3と、
前記プライベートエリア1に通じる玄関等の共有エリア4の入口に配置される第2扉5に設置され、共有エリア4とプライベートエリア1への立ち入りが許容されるように予め設定された無限定認証コードに加え、共有エリア4への立ち入りのみが許容される利用者に付与された限定認証コードに対する認証動作が可能な第2錠装置6とを有し、
前記第2錠装置6は、該第2錠装置6に入力された限定認証コードに対する認証成立と、前記第1扉2の施錠状態の検出を条件に解錠動作する錠システムを提供することにより達成される。
【0008】
本発明において、家屋は玄関等の共有エリア4と、居住者の居住スペースであるプライベートエリア1に区画されており、共有エリア4とプライベートエリア1との境界部に配置される第1扉2には第1錠装置3が設置され、屋外からプライベートエリア1に入るためには、まず、第2錠装置6を解錠して第2扉5を開放して屋内に入った後、プライベートエリア1の入口を通る必要がある。
【0009】
第2錠装置6の解錠は、主として居住者等、プライベートエリア1への立ち入りが許される利用者のために設定される無限定認証コードに加えて共有エリア4のみへの立ち入りが許される限定認証コードによる解錠操作が可能であるために、適正に限定認証コードを取得した宅配業者等が屋内に入ることが可能になるために、利便性が向上する。
【0010】
さらに、第2錠装置6は、第1扉2が施錠状態であることを解錠動作の条件とするために、上記宅配業者がプライベートエリア1に入り込むことを完全に規制することができ、セキュリティを確保して利便性を向上させることができる。
【0011】
加えて、前記第1錠装置3は、共有エリアとプライベートエリアへの立ち入りが許容されるように予め設定された無限定認証コードによる前記第2錠装置6の解錠操作により解錠動作するために、利便性が向上する。
【0012】
また、
前記第1錠装置3は、解錠状態において、前記第2錠装置6に入力された限定認証コードに対する認証が成立した際に施錠動作する錠システムを構成した場合には、第1錠が施錠状態でなくとも、宅配業者等が共有エリア4に入る際には施錠状態に移行するために、システムの効率的な運用が可能になる。
【0013】
この場合、
前記第1扉2は自動閉扉扉で、かつ、第1錠装置3は、居住者による施錠操作、あるいは第2錠装置6の限定認証コードの認証成立がない状態では解錠状態となる非自動施錠装置である錠システムを構成すると、第1扉2がオートクローザ等により常に閉扉状態となっているために、施錠可能状態とすることができる上に、第1錠装置3が自動施錠装置ではなく、居住者等による施錠操作、あるいは第2錠装置6の限定認証コードの認証成立がない状態では解錠状態となるために、通常行き来するために開閉操作することの多い第1扉2を都度、解錠操作する必要がなくなるために、利便性が向上する。
【0014】
さらに、限定認証コードは、カード状の媒体等に担持させた電子情報であってもよいが、ワンタイムパスワードを使用すると、カード等の発行、管理等が不要になるために、利便性が向上する。
【0015】
また、以上のシステムには、
所定のワンタイムコード生成部において生成されたタイムシンクロナス型のワンタイム認証コードを解析するワンタイムパスワード解析部7を備え、
予め設定された無限定認証コードに加え、前記ワンタイム認証コードに対する認証動作が可能な玄関錠を使用することができる。
【0016】
この玄関錠は、上述したシステムの第2錠装置6として使用されるもので、限定認証コードとして、タイムシンクロナス型のワンタイムパスワードが使用される。タイムシンクロナス型のワンタイムパスワードは、現在時刻に所定の計算式を適用することにより生成されるパスワードであり、現在時刻情報と、計算式をトークン等のワンタイムパスワードの発生手段と認証部に保持しておくだけで特別な認証用のサーバ等を設置することなく認証動作が可能になり、システムを簡単に構築することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、セキュリティを確保した状態で宅配業者等が共有エリア4に入り込むことを許可することができるために、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明による錠システムが適用された家屋の間取り図で、(a)は間取りの一例を示す図、(b)は他の例を示す図である。
図2】錠システムのシステム構成図である。
図3】他の実施の形態を示すシステム構成図である。
図4】玄関錠の外観図である。
図5】錠システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1(a)に本発明の錠システムが適用された家屋を示す。本例において、家屋内部は
、後述するように認証を受けた第三者が入ることのできる共有エリア4と、居住者が入ることのできるプライベートエリア1に区画されており、プライベートエリア1への入口には第1扉2が設置されるとともに、屋外から屋内への入口には第2扉5としての玄関扉が設置される。
【0020】
なお、図1においてプライベートエリア1は左下がりのハッチングにより、共有エリア4は右下がりのハッチングにより示す。
【0021】
本例において、プライベートエリア1には3室(1A、1B、1C)が配置されており、第1室(1A)への入口を通らなければ第2、3室(1B、1C)に行けないことから、共有エリア4と第1室(1A)との境界が第1扉2となり、この第1扉2に第1錠装置3が設置される。
【0022】
以上の例では、錠システムは第1、第2錠装置6が各々1個を有して構成される場合を示したが、この他に、例えば、図1(b)に示すように、第1室(1A)から第3室(1C)までが共有エリア4に連通する場合には、各室の扉が第1扉2となり、この場合、錠システムは、3個の第1錠装置3と、1個の第2錠装置6を含んで構成される。
【0023】
図2に本システムのシステム構成図を示す。錠システムは、上記第1扉2に取り付けられて該第1扉2を施解錠する第1錠装置3と、上記第2扉5に取り付けられる第2錠装置6と、制御装置8とを有する。
【0024】
第1錠装置3は、制御部3aにより制御される錠制御部3b、施解錠状態検出部3c、扉開閉状態検出部3d、解錠コード入力部3e、認証部3f、施錠部3g、および入出力部3hを有する。
【0025】
施錠部3gは、モータ等の電動アクチュエータ、およびこの電動アクチュエータにより駆動されるデッドボルト、あるいはラッチ等の施錠体を備え、上記錠制御部3bからの施解錠命令により施解錠駆動される。この施錠部3gの施解錠状態は施解錠状態検出部3cにより検出され、さらに、第1扉2の開閉状態は第1錠装置3に設けられた扉開閉状態検出部3dにより検出される。
【0026】
扉開閉状態検出部3dは、第1扉2が開放状態にあるときに突出し、閉扉状態において扉枠に干渉して第1扉2内に縮退する検出体を錠箱等に装着して構成することができる。
【0027】
解錠コード入力部3eは、解錠コードを記憶させたカードキーを読み取るための読み取り装置、あるいは暗証番号等のパスワードを入力するための入力装置、さらにはその両方の機能を備えた装置であり、解錠コード入力部3eから入力された解錠コードは認証部3fにおいて予め登録された認証情報と照合され、一致する場合には認証成立信号を出力する。
【0028】
制御部3aは認証成立信号の出力を確認すると、扉開閉状態検出部3dからの閉扉信号の出力の検出を条件に施解錠信号をセットして施錠部3gを施解錠動作させる。
【0029】
また、この第1錠装置3は、入出力部3hが後述する制御装置8からの施解錠信号の受信をした場合には、錠制御部3bに施錠信号をセットして施錠部3gを施解錠動作させる。
【0030】
第1錠装置3が所定の条件が充足した際に確実に施錠動作を行うことができるように、第1扉2にはドアクローザ等、オートクローズ装置が装着され、また、本例において、居
住者等がプライベートエリア1に入るために、その都度解錠操作が必要になるのを避けて使い勝手を向上させるために、非自動施錠仕様であり、居住者が必要な場合にのみ施錠操作をすることができる。
【0031】
上記第2錠装置6は、制御部3aに制御されて動作する錠制御部6b、解錠コード入力部6c、認証部6d、施錠部6e、および入出力部6fを有し、居住者等により予め設定された無限定認証コードと、立ち入り範囲を共有エリア4に限定し、宅配業者等に付与される限定認証コードの双方でアクセスすることができる。
【0032】
これら無限定、あるいは限定認証コードは、カードキー等、適宜の物理的記憶媒体に記憶されたものでも、暗証番号等のパスワードでもよいが、限定認証コードには、セキュリティを考慮して、ワンタイムパスワード、使い捨てのカード等にするのが望ましい。
【0033】
解錠コード入力部6cは、使用される認証コードに対応して、カード錠の読み取り装置、あるいは暗証番号等のパスワードを入力するための入力装置、さらにはその両方の機能を備えた装置であり、認証部6dは、この解錠コード入力部6cから入力された解錠コードと予め登録された無限定認証コードとを照合し、一致する場合には、錠制御部6bに施解錠信号をセットして施錠部6eを施解錠動作させる。
【0034】
また、第2錠装置6への解錠操作において認証部6dにおける無限定認証コードに対する認証が成立した際には、制御部6aは入出力部6fに第1錠解錠指示信号をセットし、この第1錠解錠指示信号を受信した制御装置8は、第1錠装置3に解錠信号を出力し、第1錠装置3が施錠状態の場合、該第1錠装置3を解錠動作させる。
【0035】
本例において、認証部6dは、無限定認証コードに対してのみ認証動作を行い、限定認証コードに対する認証動作は制御装置8において実行される。
【0036】
したがって、解錠コード入力部6cに入力された認証コードが認証時部において認証されなかった場合には、限定認証コードと想定して制御装置8に出力し、制御装置8における認証動作が行われる。
【0037】
後述するように、制御装置8においては、当該限定認証コードに対する認証の成否に加えて他の解錠条件が判定され、解錠可能と判定された際には、入出力部8cに解錠許可信号が出力される。この解錠許可信号を検出した第2錠装置6の制御部6aは、錠制御部6bに解錠信号をセットし、施錠部6eを解錠動作させる。
【0038】
一方、上記制御装置8は、制御部8aに制御されて動作する限定認証コード認証部8b、判定部8d、および上記第1、第2錠装置6の入出力部3h、6fに有線、または無線で接続される入出力部8cを備える。
【0039】
限定認証コード認証部8bは、上述したように、第2錠装置6の解錠コード入力部6cに入力された認証コードを認証し、認証が成立すると、判定部8dにおいて解錠条件が判定される。
【0040】
判定部8dは、限定認証コードの認証が成立すると、第1錠装置3の扉開閉状態検出部3dの出力を判定し、扉開放状態が検出された際には、エラー信号を入出力部8cにセットする。
【0041】
これに対し、扉開閉状態検出部3dが扉閉塞状態を出力しており、さらに、施解錠状態検出部3cが解錠状態を出力している場合には、第1錠装置3に施錠信号を出力し、これ
を受けた第1錠装置3は、上述したように、錠制御部3bに施錠信号をセットして施錠部3gを施錠動作させる。この後、第1錠装置3の錠制御部3bは、再度施解錠状態検出部3cの出力を判定し、施錠状態が確認されない場合には、制御装置8にエラー信号を出力し、制御装置8は入出力部8cにエラー信号をセットする。
【0042】
上記判定部8dは、システムが複数の第1錠装置3を含む場合には、すべての第1錠装置3が判定条件を充足する場合にのみ解錠信号を出力し、いずれかの第1錠装置3が判定を条件を充足しない場合にはエラー信号を出力する。
【0043】
制御装置8からエラー信号は第2錠装置6の制御部6aにおいて監視されており、制御部6aがエラー信号を検出すると、第2錠装置6に配置されたブザー等の適宜の警告手段(図示せず)から操作者に知らされる。
【0044】
また、制御装置8の判定部8dが上述した判定条件の充足、すなわち、第1扉2の閉扉状態、および第1錠装置3の施錠状態を確認すると、入出力部8cに解錠許可信号を出力し、これを検出した第2錠装置6は、錠制御部6bに解錠信号をセットして施錠部6eを解錠動作させる。
【0045】
なお、以上においては、限定認証コードは、多数の第三者に発行される可能性が高く、各々の発行先ごとに認証コードを設定、登録、変更等をする必要があるために、制御装置8に限定認証コード認証部8bを配置する場合を示したが、第2錠装置6の認証部6dに限定認証コードの認証機能を持たせることもできる。
【0046】
限定認証コードにワンタイムパスワードを使用する場合に適した他の実施の形態のシステム構成を図3に示す。
【0047】
ワンタイムパスワードには、タイムシンクロナス型のワンタイムパスワードが使用され、制御装置8には、上記ワンタイムパスワードを発行するワンタイムパスワード発行部8e、ダウンロード権限を認証するための認証部8b、判定部8d、さらに、第1錠装置3、および第2錠装置6に接続される入出力部8cとを有する。
【0048】
ワンタイムパスワード発行部8eは、現在時刻をもとにパスワードを生成するための計算式を含む所定のソフトウエアを登録要求された携帯端末に供給する。
【0049】
認証部8bによりダウンロード権限が認証されてソフトウエアをインストールした携帯端末は、以後、トークンとして作動させることが可能になり、携帯端末に対してワンタイムパスワード表示要求をすると、上記計算式によりワンタイムパスワートを演算し、表示画面に表示される。
【0050】
なお、以上において、上記ワンタイムパスワード発行部8eは、実質的に、パスワード生成計算式の供給手段として機能する場合を示したが、携帯端末等と交信して直接携帯端末等にパスワードを供給するように構成することも可能であり、この場合、例えば、制御装置8により管理されるウエブサイトが宅配業者等からのワンタイムパスワード要求を受信すると、認証部8bにおける認証成立を条件にワンタイムパスワード発行部8eは、ワンタイムパスワードを送信する。
【0051】
上記判定部8dは、制御部8aが第2錠装置6からのワンタイムパスワード認証成立情報を受領した際に起動され、上述した実施の形態と同様に、第1錠装置3の扉開閉状態検出部3d、および第1扉2の開閉状態を判定してエラー信号、解錠許可信号、あるいは第1錠装置3に対する施錠信号を出力する。
【0052】
第2錠装置6は、制御部6aに制御されて動作する錠制御部6b、解錠コード入力部6c、ワンタイムパスワード解析部7、認証部6d、施錠部6e、および入出力部6fを有する。
【0053】
図3は第2錠装置6の外観を示すもので、上記制御部6a等を内蔵した本体部9の上部には液晶表示面により形成される解錠コード入力部6cが、下部には、第2扉5を開閉操作するためのハンドル10が配置される。
【0054】
本例において解錠コード入力部6cは、暗証番号等のパスワード入力部と、認証コードを保持したカードを読み込み部とを有しており、利用者はいずれかを選択して認証動作を行わせることができる。節電のために解錠コード入力部6cは、通常状態においてバックライトを非通電状態に保持しており、本体部9に配置された操作ボタン11を押下することにより明るく表示された暗証番号入力数字12を触れることによりパスワードとしての暗証番号を入力し、あるいは所定の解錠コードが記憶されたカード型電子キーを翳して解錠コードを入力することができる。
【0055】
暗証番号として提供されるワンタイムパスワードの入力は、解錠コード入力部6cに現れた暗証番号入力数字12に触れることにより行われる。
【0056】
認証部6dは、上記解錠コード入力部6cから入力された解錠コードに対する認証を行い、入力された解錠コードが居住者のために予め設定した無制限認証コードに一致する場合には、認証成立信号を出力し、これを検出した制御部6aは、錠制御部6bに解錠信号をセットして施錠部6eを解錠動作させる。
【0057】
これに対し、解錠コード入力部6cからの入力値に対して認証が成立しない場合、制御部6aは、入力値に対するワンタイムパスワード解析部7による解析を開始する。ワンタイムパスワード解析部7には、上述したワンタイムパスワードの生成のための計算式が格納されており、ワンタイムパスワードが入力されると、入力された時刻に上記計算式を適用し、パスワードを生成する。
【0058】
生成されたパスワードは、入力されたワンタイムパスワードと認証部6dにおいて比較され、両者が一致する場合にワンタイムパスワード認証成立信号を出力し、この信号は入出力部6fを経由して制御装置8に伝達される。
【0059】
本例において、ワンタイムパスワードは、理解を容易にするために、時刻情報のみからパスワードを生成する場合を示したが、例えば、生成計算式をダウンロードした携帯端末にID情報を付加し、このID情報の要素を付加したパスワードを生成することにより、パスワードと携帯端末とを紐付けることが可能になり、よりセキュリティを高めることが可能になる。
【0060】
図5は上記システムの動作を示すフローチャートであり、動作が開始され、第2錠装置6の制御部6aが操作開始ボタンの押下を検出すると(ステップS1)、解錠コード入力部6cのバックパネルに通電してテンキーを点灯する(ステップS2)。この後、暗証番号が入力されると(ステップS3)、認証部6dにおける認証動作が実行される。
【0061】
認証動作は、まず、入力された暗証番号が無制限認証コードとして実行した後、無制限認証コードとして認証されなかった場合には、入力値が制限認証コード、すなわちワンタイムパスワードとして実行される。すなわち、まず、入力値が無制限認証コードとして認証された場合には(ステップS4)、入出力部6fに第1錠解錠指示信号をセットし、制
御装置8を経由して第1錠装置3に解錠信号を出力し、第1錠装置3が施錠状態のとき、該第1錠装置3を解錠動作させ(ステップS41)、次いで、第2錠装置6を解錠する(ステップS7)。
【0062】
一方、ステップS4で無制限認証コードとして認証されず、ワンタイムパスワードとして認証された場合には(ステップS5)、判定部8dにおける判定、すなわち、第1錠装置3が施錠状態であるか(ステップS6)、さらには、第1扉2が閉扉状態であるかを検出し(ステップS61)、第1錠装置3が解錠状態で、かつ、第1扉2が開扉状態である場合には、「解錠できません」等のエラーメッセージを第2錠装置6から出力する。
【0063】
これに対し、ステップS61において第1扉2が閉扉状態である場合には、第1錠装置3を施錠した後(ステップS62)、第2錠装置6を解錠し(ステップS7)、この後、テンキーを消灯して(ステップS8)、制御を終了する。
【符号の説明】
【0064】
1 プライベートエリア
2 第1扉
3 第1錠装置
4 共有エリア
5 第2扉
6 第2錠装置
7 ワンタイムパスワード解析部
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証を受けた第三者が入ることのできる共有エリアと、居住者が入ることのできるプライベートエリアに区画された家屋におけるプライベートエリアの入口に配置される第1扉を施錠する第1錠装置と、
前記プライベートエリアに通じる玄関等の共有エリアの入口に配置される第2扉に設置され、共有エリアとプライベートエリアへの立ち入りが許容されるように予め設定された無限定認証コードに加え、共有エリアへの立ち入りのみが許容される利用者に付与された限定認証コードに対する認証動作が可能な第2錠装置とを有し、
前記第2錠装置は、該第2錠装置に入力された限定認証コードに対する認証成立と、前記第1扉の施錠状態の検出を条件に解錠動作するとともに、
前記第1扉は自動閉扉扉で、かつ、第1錠装置は、居住者による施錠操作、あるいは第2錠装置の限定認証コードの認証成立がない状態では解錠状態となる非自動施錠装置で、解錠状態において、前記第2錠装置に入力された限定認証コードに対する認証が成立した際に施錠動作する錠システム。
【請求項2】
前記第1錠装置3は、前記無限定認証コードによる前記第2錠装置6の解錠操作により解錠動作する請求項1記載の錠システム。
【請求項3】
前記限定認証コードがワンタイムパスワードである請求項1または2記載の錠システム。
【請求項4】
前記第2錠装置は、所定のワンタイムコード生成部において生成されたタイムシンクロナス型のワンタイム認証コードを解析するワンタイムパスワード解析部を備えるとともに、予め設定された無限定認証コードに加え、前記ワンタイム認証コードに対する認証動作が可能な玄関錠である請求項1、2または3記載の錠システム
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明によれば上記目的は、
認証を受けた第三者が入ることのできる共有エリア4と、居住者が入ることのできるプライベートエリア1に区画された家屋におけるプライベートエリア1の入口に配置される第1扉2を施錠する第1錠装置3と、
前記プライベートエリア1に通じる玄関等の共有エリア4の入口に配置される第2扉5に設置され、共有エリア4とプライベートエリア1への立ち入りが許容されるように予め設定された無限定認証コードに加え、共有エリア4への立ち入りのみが許容される利用者に付与された限定認証コードに対する認証動作が可能な第2錠装置6とを有し、
前記第2錠装置6は、該第2錠装置6に入力された限定認証コードに対する認証成立と、前記第1扉2の施錠状態の検出を条件に解錠動作するとともに、
前記第1扉2は自動閉扉扉で、かつ、第1錠装置3は、居住者による施錠操作、あるいは第2錠装置6の限定認証コードの認証成立がない状態では解錠状態となる非自動施錠装置で、解錠状態において、前記第2錠装置6に入力された限定認証コードに対する認証が成立した際に施錠動作する錠システムを提供することにより達成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、
前記第1錠装置3は、解錠状態において、前記第2錠装置6に入力された限定認証コードに対する認証が成立した際に施錠動作するために、第1錠が施錠状態でなくとも、宅配業者等が共有エリア4に入る際には施錠状態に移行するために、システムの効率的な運用が可能になる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
この場合、
前記第1扉2は自動閉扉扉で、かつ、第1錠装置3は、居住者による施錠操作、あるいは第2錠装置6の限定認証コードの認証成立がない状態では解錠状態となる非自動施錠装置であるために、第1扉2がオートクローザ等により常に閉扉状態となっているために、施錠可能状態とすることができる上に、第1錠装置3が自動施錠装置ではなく、居住者等による施錠操作、あるいは第2錠装置6の限定認証コードの認証成立がない状態では解錠状態となるために、通常行き来するために開閉操作することの多い第1扉2を都度、解錠操作する必要がなくなるために、利便性が向上する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、
前記第1錠装置3は、共有エリアとプライベートエリアへの立ち入りが許容されるように予め設定された無限定認証コードによる前記第2錠装置6の解錠操作により解錠動作するように構成すると、利便性が向上する。
さらに、限定認証コードは、カード状の媒体等に担持させた電子情報であってもよいが、ワンタイムパスワードを使用すると、カード等の発行、管理等が不要になるために、利便性が向上する。