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特開2023-126507光起電力モジュール及光起電力モジュールの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126507
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】光起電力モジュール及光起電力モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/048 20140101AFI20230831BHJP
   H02S 30/20 20140101ALI20230831BHJP
   H02S 40/36 20140101ALI20230831BHJP
   H01L 31/05 20140101ALI20230831BHJP
【FI】
H01L31/04 560
H02S30/20
H02S40/36
H01L31/04 570
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023116549
(22)【出願日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】202211214419.8
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522171073
【氏名又は名称】晶科能源(海▲寧▼)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】李寧
(72)【発明者】
【氏名】肖鵬軍
(72)【発明者】
【氏名】戴智剛
(72)【発明者】
【氏名】楊森
(72)【発明者】
【氏名】宮元啓
(72)【発明者】
【氏名】李波
(72)【発明者】
【氏名】尹家祥
(72)【発明者】
【氏名】陶春華
(57)【要約】
【課題】本願の実施例は、太陽電池の技術分野に関し、特に光起電力モジュール及光起電力モジュールの製造方法に関する。
【解決手段】複数の電池セルと、複数本の支持プレートと、第1フレキシブル被覆層と、第2フレキシブル被覆層と、を含み、電池セルがアレイ状に配列され、ここで、各行の電池セルが第1方向に沿って間隔をあけて配列され、各列の電池セルが第2方向に沿って間隔をあけて配列され、電池セルは、第1表面及び第2表面を有し、支持プレートが間隔をあけて配列され、支持プレートの延在方向が1行の電池セルの配列方向または1列の電池セルの配列方向と同じであり、かつ、1つの支持プレートが各行の電池セルまたは各列の電池セルの第2表面に位置し、第1フレキシブル被覆層が電池セルの第1表面側に位置し、第2フレキシブル被覆層が支持プレートの電池セルから離れた側に位置する。本願の実施例は、光起電力モジュールの折り畳み性能を向上させることに有利である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルと、複数本の支持プレートと、第1フレキシブル被覆層と、第2フレキシブル被覆層と、を含み、
前記電池セルがアレイ状に配列され、ここで、各行の前記電池セルが第1方向に沿って間隔をあけて配列され、各列の前記電池セルが第2方向に沿って間隔をあけて配列され、前記電池セルは、第1表面及び第2表面を有し、
前記支持プレートが間隔をあけて配列され、前記支持プレートの延在方向が1行の前記電池セルの配列方向または1列の前記電池セルの配列方向と同じであり、かつ、1つの前記支持プレートが1行の前記電池セルまたは1列の前記電池セルの第2表面に位置し、
前記第1フレキシブル被覆層が前記電池セルの第1表面側に位置し、
前記第2フレキシブル被覆層が前記支持プレートの前記電池セルから離れた側に位置する、
ことを特徴とする光起電力モジュール。
【請求項2】
前記支持プレートの厚さは20μm~5000μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項3】
各前記支持プレートは各列の前記電池セルまたは各行の前記電池セルに1対1で対応している、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光起電力モジュール。
【請求項4】
前記支持プレートの配列方向において、最外側に位置する2つの前記支持プレートのうち、少なくとも1つの前記支持プレートの表面には前記電池セルが設けられていない、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光起電力モジュール。
【請求項5】
前記支持プレートの材料は金属材料またはガラス繊維複合材料のいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項6】
各列の前記電池セルにおいて、隣接する2つの前記電池セルが直列に接続され、1列の前記電池セルが1つのセルストリングを構成することに用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項7】
隣接する2つの前記セルストリングは直列に接続され、隣接する2行の電池セル間のピッチは10mm~200mmである、
ことを特徴とする請求項6に記載の光起電力モジュール。
【請求項8】
バスバーをさらに含み、前記バスバーが前記電池セルの第1表面または第2表面に位置し、前記バスバーが第1方向に沿って延在しており、前記バスバーが最外側の2つのセルストリングのうちの、1つのセルストリングの正極ともう1つのセルストリングの負極を接続し、かつ前記バスバーが隣接する2つのセルストリングを直列に接続することにも用いられる、
ことを特徴とする請求項7に記載の光起電力モジュール。
【請求項9】
隣接する2つのセルストリングは並列に接続され、隣接する2列の電池セル間のピッチは10mm~200mmである、
ことを特徴とする請求項6に記載の光起電力モジュール。
【請求項10】
バスバーをさらに含み、前記バスバーが前記電池セルの第1表面または第2表面に位置し、前記バスバーは、第2方向に沿って延在し、かつ1つのセルストリングにおける最外側の2つの電池セルに電気的に接続されることに用いられる、
ことを特徴とする請求項9に記載の光起電力モジュール。
【請求項11】
隣接する2つの電池セルを直列に接続することに用いられるフレキシブルPVリボンをさらに含み、前記フレキシブルPVリボンの厚さは、50μm~500μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項12】
第1接着フィルムと第2接着フィルムをさらに含み、前記第1接着フィルムが前記第1フレキシブル被覆層と前記電池セルとの間に位置し、前記第2接着フィルムが前記支持プレートと前記電池セルとの間に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項13】
上記の請求項1に記載の光起電力モジュールに適用される光起電力モジュールの製造方法であって、
複数の電池セルを提供することと、
第2フレキシブル被覆層を提供することと、
前記第2フレキシブル被覆層の一方側の表面に複数本の支持プレートを敷設することであって、前記支持プレートが間隔をあけて配列されることと、
前記支持プレートの表面に前記電池セルを敷設することであって、前記電池セルがアレイ状に配列され、ここで、各行の前記電池セルが第1方向に沿って間隔をあけて配列され、各列の前記電池セルが第2方向に沿って間隔をあけて配列され、1行の電池セルまたは1列の電池セルが1本の前記支持プレートの表面に敷設されることと、
前記電池セルの表面に第1フレキシブル被覆層を敷設することと、を含む、
ことを特徴とする光起電力モジュールの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、太陽電池の技術分野に関し、特に光起電力モジュール及光起電力モジュールの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光起電力モジュールは、太陽電池パネルとも呼ばれ、「光起電力効果」によって発電し、太陽光発電システムの中核部分である。ダブルカーボン政策の普及に伴い、グリーン建築は業界のメインテーマとなり、折り畳み可能なフレキシブル光起電力モジュールは建物のドア、窓、レクリエーショナルビークル(Recreational Vehicle)の遮光カーテンやサンバイザーなどとすることができる。フレキシブル光起電力モジュールが展開されると、遮蔽作用を提供するだけでなく、発電することも可能である。折り畳んだ後の占用面積が小さく、収納が便利であり、フレキシブル光起電力モジュールがますます人気が高まっている。
【0003】
しかしながら、現在、光起電力モジュールは折り畳み性能がよくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例には、少なくとも、光起電力モジュールの折り畳み性能を向上させることに有利である光起電力モジュール及光起電力モジュールの製造方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例には、光起電力モジュールが提供され、この光起電力モジュールは、複数の電池セルと、複数本の支持プレートと、第1フレキシブル被覆層と、第2フレキシブル被覆層と、を含み、前記電池セルがアレイ状に配列され、ここで、各行の前記電池セルが第1方向に沿って間隔をあけて配列され、各列の前記電池セルが第2方向に沿って間隔をあけて配列され、前記電池セルは、第1表面及び第2表面を有し、前記支持プレートが間隔をあけて配列され、前記支持プレートの延在方向が1行の前記電池セルの配列方向または1列の前記電池セルの配列方向と同じであり、かつ、1つの前記支持プレートが1行の前記電池セルまたは1列の前記電池セルの第2表面に位置し、前記第1フレキシブル被覆層が前記電池セルの第1表面側に位置し、前記第2フレキシブル被覆層が前記支持プレートの前記電池セルから離れた側に位置する。
【0006】
また、前記支持プレートの厚さは20μm~5000μmである。
【0007】
また、各前記支持プレートは各列の前記電池セルまたは各行の前記電池セルに1対1で対応している。
【0008】
また、支持プレートの配列方向において、最外側に位置する2つの支持プレートのうち、少なくとも1つの支持プレートの表面には電池セルが設けられていない。
【0009】
また、前記支持プレートの材料は金属材料またはガラス繊維複合材料のいずれかを含む。
【0010】
また、各列の前記電池セルにおいて、隣接する2つの前記電池セルが直列に接続され、1列の前記電池セルが1つのセルストリングを構成することに用いられる。
【0011】
また、隣接する2つの前記セルストリングは直列に接続され、隣接する2行の電池セル間のピッチは10mm~200mmである。
【0012】
また、バスバーをさらに含み、前記バスバーが前記電池セルの第1表面または第2表面に位置し、前記バスバーが第1方向に沿って延在しており、前記バスバーが最外側の2つのセルストリングのうちの、1つのセルストリングの正極ともう1つのセルストリングの負極を接続し、かつ前記バスバーが隣接する2つのセルストリングを直列に接続することにも用いられる。
【0013】
また、隣接する2つのセルストリングは並列に接続され、隣接する2列の電池セル間のピッチは10mm~200mmである。
【0014】
また、バスバーをさらに含み、前記バスバーが前記電池セルの第1表面または第2表面に位置し、前記バスバーは、第2方向に沿って延在し、かつ1つのセルストリングにおける最外側の2つの電池セルに電気的に接続されることに用いられる。
【0015】
また、隣接する2つの電池セルを直列に接続することに用いられるフレキシブルPVリボンをさらに含み、前記フレキシブルPVリボンの厚さは、50μm~500μmである。
【0016】
また、第1接着フィルムと第2接着フィルムをさらに含み、前記第1接着フィルムが前記第1フレキシブル被覆層と前記電池セルとの間に位置し、前記第2接着フィルムが前記支持プレートと前記電池セルとの間に位置する。
【0017】
以上に対応して、本願の実施例には、上記のいずれか1項に記載の光起電力モジュールに適用される光起電力モジュールの製造方法がさらに提供され、複数の電池セルを提供することと、第2フレキシブル被覆層を提供することと、前記第2フレキシブル被覆層の一方側の表面に複数本の支持プレートを敷設することであって、前記支持プレートが間隔をあけて配列されることと、前記支持プレートの表面に前記電池セルを敷設することであって、前記電池セルがアレイ状に配列され、ここで、各行の前記電池セルが第1方向に沿って間隔をあけて配列され、各列の前記電池セルが第2方向に沿って間隔をあけて配列され、1行の電池セルまたは1列の電池セルが1本の前記支持プレートの表面に敷設されることと、前記電池セルの表面に第1フレキシブル被覆層を敷設することと、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本願の実施例に係る技術案は、少なくとも以下の利点を有する。
【0019】
本願の実施例に係る光起電力モジュールの技術案では、第1フレキシブル被覆層と第2フレキシブル被覆層を設けることで、電池セルを折り畳むことが可能になる。1列の電池セルまたは1行の電池セルの第2表面に支持プレートを設けることで、支持プレートが電池セルを支持する役割を果たし、電池セルに支持力を提供し、電池セルに破断が発生するという問題を防止できる。一方、光起電力モジュールを折り畳むときに、隣接する支持プレート間の隙間に沿って折り畳まれることができ、光起電力モジュールの折り畳み及び収納に利便性を提供し、単一の光起電力モジュール内の折り畳みを実現し、折り畳み性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
一つ又は複数の実施例は、対応する添付の図面における図で例示的に説明されるが、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、特に断りのない限り、添付の図面における図は比例上の制限を形成しない。
図1図1は、本願の一実施例によって提供される光起電力モジュールの構成を示す図である。
図2図2は、本願の一実施例によって提供される別の光起電力モジュールの構成を示す図である。
図3図3は、本願の一実施例によって提供される光起電力モジュールにおける回路の構成を示す図である。
図4図4は、本願の一実施例によって提供される光起電力モジュールの上面視構成を示す図である。
図5図5は、本願の一実施例によって提供される別の光起電力モジュールにおける回路の構成を示す図である。
図6図6は、本願の一実施例によって提供される別の光起電力モジュールの上面視構成を示す図である。
図7図7は、本願の一実施例によって提供される別の光起電力モジュールの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
背景技術によれば、現在、光起電力モジュールの折り畳み性能は良くないという問題が存在していることがわかる。
【0022】
分析からわかるように、光起電力モジュールの折り畳み性能がよくない原因の1つとして、従来の折り畳み可能な光起電力モジュールでは、電池セルの2つの表面に位置するカバープレートをフレキシブルフロントプレートまたはフレキシブルリアプレートに置き換えるだけで、フレキシブルフロントプレートとフレキシブルリアプレートの曲率半径内でモジュールを曲げることができるが、この折り畳み方式の曲がり程度が限られており、折り畳んで収納することができず、一方、折り畳み可能な光起電力モジュールが主に接続部材を介して2つまたは複数の光起電力モジュールを接続しており、複数の光起電力モジュールを上下に折り畳むが、この折り畳み方式は単一の光起電力モジュール内の折り畳みを実現できず、折り畳んだ後の光起電力モジュールの体積が比較的大きくなり、搬送が困難になることである。
【0023】
本願の実施例では、光起電力モジュールが提供され、第1フレキシブル被覆層と第2フレキシブル被覆層を設けることで、電池セルを折り畳むことが可能になる。1列の電池セルまたは1行の電池セルの第2表面に支持プレートを設けることで、支持プレートが電池セルを支持する役割を果たし、電池セルに支持力を提供し、電池セルに破断が発生するという問題を防止できる。一方、光起電力モジュールを折り畳むときに、隣接する支持プレート間の隙間に沿って折り畳まれることができ、すなわち、電池セル間の折り畳みを隣接する支持プレート間の折り畳みに変換することができ、光起電力モジュールの折り畳み及び収納に利便性を提供し、単一の光起電力モジュール内の折り畳みを実現し、折り畳み及び収納性能を向上させることができる。
【0024】
以下、本願の各実施例について図面を結合して詳細に説明する。しかしながら、当業者は理解できるが、読者に本願をよりよく理解させるために、本願の各実施例において多数の技術的細部が提案されているが、これらの技術的細部及び以下の各実施例に基づく種々の変更や修正がなくても、本願が保護を要求している技術案を実現することができる。
【0025】
図1は、本願の一実施例によって提供される光起電力モジュールの構成を示す図であり、図2は、本願の一実施例によって提供される別の光起電力モジュールの構成を示す図である。
【0026】
図1及び図2に示すように、光起電力モジュールは、複数の電池セル100と、複数本の支持プレート101と、第1フレキシブル被覆層102と、第2フレキシブル被覆層103と、を含み、電池セル100がアレイ状に配列され、ここで、各行の電池セル100が第1方向Xに沿って間隔をあけて配列され、各列の電池セル100が第2方向Yに沿って間隔をあけて配列され、電池セル100は、第1表面及び第2表面を有し、支持プレート101が間隔をあけて配列され、支持プレート101の延在方向が1行の電池セル100の配列方向または1列の電池セル100の配列方向と同じであり、かつ、1つの支持プレート101が1行の電池セル100または1列の電池セル100の第2表面に位置し、第1フレキシブル被覆層102が電池セル100の第1表面側に位置し、第2フレキシブル被覆層103が支持プレート101の電池セル100から離れた側に位置する。
【0027】
電池セル100は入射光線中の光子を吸収し、電子正孔対を生成することに用いられ、電子正孔対は電池セル100に内蔵された電界によって分離され、PN接合の両端に電位を生じさせて、光エネルギーを電気エネルギーに変換する。いくつかの実施例では、電池セル100の第1表面は、受光面として入射光を吸収することに用いられる。また、いくつかの実施例では、電池セル100の2つの表面はいずれも、入射光を吸収するための受光面とすることができる。いくつかの実施例では、電池セル100は結晶シリコン太陽電池、例えば、単結晶シリコン太陽電池または多結晶シリコン太陽電池であってもよい。理解できるように、いくつかの実施例では、電池セル100は全体または複数の分割されたスライス(例えば、2分割、3分割、4分割など)であってよい。
【0028】
第1フレキシブル被覆層102と第2フレキシブル被覆層103はそれぞれ電池セル100の対向する2つの表面に位置している。第1フレキシブル被覆層102及び第2フレキシブル被覆層103は、柔軟性、絶縁性、耐水性及び耐劣化性に優れた材料を選ぶことができる。これにより、第1フレキシブル被覆層102と第2フレキシブル被覆層103は電池セル100に対して良好な保護及び封止作用を果たすことができる。同時に、第1フレキシブル被覆層102と第2フレキシブル被覆層103は柔軟性に優れているため、光起電力モジュール全体が折り畳まれやすくなる。
【0029】
具体的には、いくつかの実施例では、第1フレキシブル被覆層はフレキシブルカバープレートであってもよい。電池セル100の第2表面に対しては、支持プレート101が設けられたため、支持プレート101が電池セル100に対して支持及び固定の作用を果たすとともに、電池セル100に対しても保護作用を果たすことができる。第1フレキシブル被覆層102が電池セル100の支持プレート101から離れた側に設けられるため、電池セル100の第1表面に対して保護作用を果たすように、第1フレキシブル被覆層102に柔軟性を持たせるとともに、ある程度の靭性を持たせるように設置することができ、これによって、第1フレキシブル被覆層102を設けることで、光起電力モジュールの折り畳みを実現できるだけでなく、電池セル100の第1表面に良好な保護作用を提供することができる。具体的には、いくつかの実施例では、フレキシブルカバープレートは、例えばPVF(polyvinyl fluoride、ポリフッ化ビニル)、PVDF(polyvinylidene fluoride、ポリフッ化ビニリデン)、ETFE(Ethylene-terafluoroethlene、エチレンテト-ラフルオロエチレン共重合体)などの耐劣化性、耐引っ掻き性の材料を選ぶことができる。
【0030】
いくつかの実施例では、第2フレキシブル被覆層103は絶縁布であってもよい。理解できるように、第2フレキシブル被覆層103が支持プレート101の電池セル100から離れた側に位置し、支持プレート101の硬度が大きいため、支持プレート101は電池セル100に対して良好な保護作用を果たすことができ、すなわち、電池セル100の第2表面に対しては、支持プレート101が既に保護作用を果たしている。これに基づいて、光起電力モジュールの柔軟性を向上させるために、第2フレキシブル被覆層103の材料として絶縁布を選択することができる。絶縁布は、電池セル100の漏電を防止し、電池セル100の正常な使用性能を維持する一方、高い柔軟性を有しており、電池セル100の折り畳み性能をさらに高めることができる。
【0031】
また、第2フレキシブル被覆層103を絶縁布として設けることについて、絶縁布の光透過性能を設定することで光起電力モジュールの遮光性能を設定することもできる。例えば、良好な遮光性能が必要な場合、絶縁布の色を深く設定して、光の入射を遮断することができる。良好な光透過性能が必要な場合、絶縁布は、光起電力モジュールが展開された後、入射光の一部が光起電力モジュールにおける隣接する電池セル間の隙間を透過できるように、良好な光透過性を有するように設定することができる。
【0032】
1行の電池セル100または1列の電池セル100は支持プレート101の表面に設置され、かつ電池セル100は支持プレート101の表面に固定されている。いくつかの実施例では、電池セル100の第2表面と支持プレート101の表面は接着剤によって固定されることができる。つまり、支持プレート101は1列の電池セル100または1行の電池セル100に対して支持及び固定の役割を果たす。これにより、光起電力モジュールを折り畳んだ時、隣接する支持プレート101間の隙間に沿って折り畳むだけで、隣接する2列の電池セル100または隣接する2行の電池セル100を折り畳むことができる。このように設置することで、光起電力モジュールは折り畳み方式がブラインドの折り畳み方式に類似しており、ひいてはカーテンとして窓によりよく適用されやすくなり、ユーザーの需要を満たすことができる。
【0033】
また、太陽電池モジュール内にはセル100が多いため、支持プレート101を設置しないと、太陽電池モジュールを折り畳んだ時に光起電力モジュール内のいくつかの電池セル100を避けることが困難になり、その結果、電池セル100自体が屈曲し、電池セル100を損傷させてしまうおそれがある。支持プレート101を設置することにより、光起電力モジュールの折り畳み方法を定義づけすることができ、すなわち、隣接する2行の電池セル100間の隙間のみに沿って、または隣接する2列の電池セル100間の隙間のみに沿って折り畳まれることができ、電池セル100を損傷させることなく、電池セル100の折り畳み性能を向上させることができる。
【0034】
具体的に、図1に示すように、いくつかの実施例では、複数本の支持プレート101は、第2方向Yに沿って間隔をあけて配列され、かつ、各支持プレート101は、第1方向Xに沿って延在しており、各支持プレートは、1行の電池セル100の第2表面に位置する。
【0035】
図2に示すように、他のいくつかの実施例では、複数本の支持プレート101は、第1方向Xに沿って間隔をあけて配列され、かつ、各支持プレート101は、第2方向Yに沿って延在しており、各支持プレートは、1列の電池セル100の第2表面に位置する。
【0036】
理解できるように、光起電力モジュールは、折り畳まれるときに、隣接する2本の支持プレート101間の隙間に沿って折り畳まれるものであり、隣接する2本の支持プレート101間の折り畳み角度は、光起電力モジュール全体の折り畳み角度に対して非常に重要な意味を持っている。支持プレート101の厚さが大きすぎると、1本の支持プレート101が隣接する1本の支持プレート101の表面へ折り畳まれるときに、2本の支持プレート101の側壁が当接するようになり、隣接する2本の支持プレート101間の折り畳み角度をこれ以上小さくすることができなくなるという問題が生じてしまう。また、支持プレート101の厚さが小さすぎると、電池セル100を十分に支持かつ保護することができなくなる。これに基づいて、いくつかの実施例では、支持プレートの厚さを20μm~5000μmに設定し、例えば、20μm~50μm、50μm~200μm、200μm~500μm、500μm~850μm、850μm~1000μm、1000μm~1500μm、1500μm~2000μm、2000μm~2500μm、2500μm~3000μm、3000μm~3500μm、3500μm~4000μm、4000μm~4500μmまたは4500μm~5000μmであってもよい。この厚さの範囲内では、支持プレート101の厚さが小さくなり、光起電力モジュールを折り畳む過程で、隣接する2つの支持プレート101の互いに近づく方向に向かう側壁間が当接してそれ以上折り畳まれないという問題を改善し、光起電力モジュールの折り畳み性能を高めることができる一方、この範囲内では、支持プレート101の厚さも小さすぎず、支持プレート101が電池セル100に対して良好な支持と保護作用を果たし、光起電力モジュールの品質を高めることができる。
【0037】
いくつかの実施例では、各支持プレート101は各列の電池セル100または各行の電池セル100に1対1で対応している。具体的には、支持プレート101の配列方式が1列の電池セル100の配列方式と同じである場合、支持プレート101は各列の電池セル100の第2表面に位置する。支持プレート101の配列方式が1行の電池セル100の配列方式と同じである場合、支持プレート101は各行の電池セル100の第2表面に位置する。
【0038】
いくつかの実施例では、支持プレート101の配列方向に沿って、最外側に位置する2つの支持プレート101のうち、少なくとも1つの支持プレート101の表面には電池セル100が設けられていない。いくつかの実施例では、間隔をあけて配列された支持プレート101のうち、最外側に位置する1つの支持プレート101の表面に電池セル100を設けないように設置することができる。他のいくつかの実施例では、間隔をあけて配列された支持プレート101のうち、最外側に位置する2つの支持プレート101の表面に電池セル100を設けないように設置することができる。例えば、支持プレート101が1列の電池セル100の第2表面に位置する場合、電池セル100の列の配列方向において、最外側の1列の電池セル100と光起電力モジュールの側辺との間に少なくとも1本の支持プレート101ほどの距離があり、かつこの支持プレート101の表面には電池セル100が設けられていない。つまり、各支持プレート101の表面のいずれにも電池セル100を設けることに比べて、最外側の2つの支持プレート101のうちの少なくとも1つの支持プレート101の表面に電池セル100を設けないことで、電池セル100の数を少なくすることができ、最外側の1列の電池セル100と光起電力モジュールの側辺との距離を大きくすることができ、光起電力モジュールの沿面距離を大きくすることができる。理解できるように、ここでいう光起電力モジュールの側辺とは、最外側の1列の電池セル100に正対する光起電力モジュールの側辺である。
【0039】
一方、最外側の支持プレート101の表面に電池セル100を配置しないことで、ジャンクションボックスを配置するために十分なスペースを提供でき、ジャンクションボックスを隠すことが容易となるだけでなく、回路全体の完全性にも影響を与えず、装着後の光起電力モジュールの外観の美観を確保することができる。
【0040】
いくつかの実施例では、支持プレート101の材料は金属材料またはガラス繊維複合材料のいずれかを含む。は金属材料またはガラス繊維複合材料は高い硬度を有するため、電池セル100を良好に支持する作用を果たすことができる。
【0041】
図3及び図5に示すように、いくつかの実施例では、1列の電池セル100において、隣接する2つの電池セル100が直列に接続され、各列の電池セル100が1つのセルストリング1を構成することに用いられる(図3及び図5では、点線のボックスで示されている)。具体的に、いくつかの実施例では、隣接する2つの電池セル100を直列に接続することに用いられるフレキシブルPVリボンをさらに含み、フレキシブルPVリボンの厚さは、50μm~500μmである。フレキシブルPVリボンは電池セル100の表面に設けられ、フレキシブルPVリボンは電池セル100におけるグリッド線表面に位置し、かつ隣接する2つの電池セル100を接続し、これによって、隣接する2つの電池セル100を電気的に接続することができる。フレキシブルPVリボンは柔軟性に優れており、これによって、1つのセルストリング1における隣接する2つの電池セル100を互いに折り畳むことを実現することができると同時に、フレキシブルPVリボンの正常な電流輸送性能を維持することができる。
【0042】
いくつかの実施例では、フレキシブルPVリボンは、一端が1つの電池セル100の第1表面に電気的に接続され、他端が隣接する電池セル100の第2表面に電気的に接続され、これによって、2つの電池セル100間の電気的接続が形成される。他のいくつかの実施例では、フレキシブルPVリボンは、一端が1つの電池セル100の第1表面に電気的に接続され、他端が隣接する電池セル100の第1表面に電気的に接続されか、または、フレキシブルPVリボンは、一端が1つの電池セル100の第2表面に電気的に接続され、他端が隣接する電池セル100の第2表面に電気的に接続され、これによって、隣接する電池セル100間の電気的接続が形成される。いくつかの実施例では、フレキシブルPVリボンの形状は、円形、矩形、台形または三角形のうちのいずれかであってもよい。上記の形状のフレキシブルPVリボンは厚さが大きくて、フレキシブルPVリボンの電流輸送性能を改善することができる。
【0043】
理解できるように、フレキシブルPVリボンの長さが一定である場合、フレキシブルPVリボンの厚さが厚いほど、フレキシブルPVリボンが屈曲されにくくなり、フレキシブルPVリボンの厚さを50μm~500μmの範囲内に設定すれば、フレキシブルPVリボンの厚みが厚すぎず、1つのセルストリングにおける隣接する2つの電池セル100間の隙間に沿って折り畳む時に、フレキシブルPVリボンの厚みが大きすぎることに起因して隣接する2つの電池セル100間の折り畳み角度が制限されるという問題を防ぐことができる。一方、この範囲内では、フレキシブルPVリボンの厚みも小さすぎず、フレキシブルPVリボンの良好な電流輸送性能を維持し、光起電力モジュールの電流収集能力を高めることができる。具体的に、いくつかの実施例では、フレキシブルPVリボンの厚さは、50μm~80μm、80μm~100μm、100μm~150μm、150μm~180μm、180μm~230μm、230μm~250μm、280μm~300μm、300μm~350μm、350μm~400μm、400μm~450μmまたは450μm~500μmであってもよい。
【0044】
図3に示すように、いくつかの実施例では、隣接する2つのセルストリングが直列に接続されている。つまり、光起電力モジュールでは、電池セル100間の電気的接続関係はいずれも直列接続であり、即ち、光起電力モジュールでは、複数の電池セル100から構成された回路は直列回路である。いくつかの実施例では、隣接する2つのセルストリング間は、フレキシブルPVリボンを介して電気的に接続されてもよい。
【0045】
図3に示すように、いくつかの実施例では、バスバー10をさらに含み、バスバー10が電池セル100の第1表面または第2表面に位置し、光起電力モジュールにおける電池せる100によって形成された直列回路に基づいて、バスバー10が第1方向Xに沿って延在するように設置することができ、バスバー10が最外側の2つのセルストリングのうちの、1つのセルストリングの正極ともう1つのセルストリングの負極を接続し、かつ前記バスバー10が隣接する2つのセルストリングを直列に接続することにも用いられる。セルストリングの正極とは、1つのセルストリングの中で電流を入力する端子を指し、セルストリングの負極とは、1つのセルストリングの中で電流を出力する端子を指す。セルストリングにおける電流入力端子は、1つのセルストリングのうち、ファーストステージに位置する電池セル100の中にあり、具体的には電池セル100の正極であってもよい。セルストリングにおける電流出力端子は、1つのセルストリングのうち、ファイナルステージに位置する電池セル100の中にあり、具体的には電池セル100の負極であってもよい。ファーストステージとは、1つのセルストリングの中で、電流入力端子が所在する電池セル100のことであり、ファイルクラスとは、1つのセルストリングの中で、電流出力端子が所在する電池セル100のことである。具体的には、各電池セル100にはいずれも電流入力端子と電流出力端子があり、即ち、各電池セル100にはいずれも正極と負極があり、1つの電池セル100の負極が隣接する1つの電池セル100の正極に電気的に接続されて直列回路を構成している。
【0046】
バスバー10は第1方向Xに沿って延在し、即ちバスバー10の延在方向が複数のセルストリングの配列方向と同じである。これにより、バスバー10の一端は最外側に配列された1つのセルストリングにおける正極または負極のうちのいずれか一方に電気的に接続され、バスバー10の他端は最外側に配列されたもう1つのセルストリングにおける正極と負極のうちのいずれか他方に電気的に接続され、光起電力モジュールの中の電池セル100から構成された回路全体の電流を集める。また、隣接する2つのセルストリング間もバスバーによって電気的に接続されて直列回路を形成する。かつ、隣接する2つのセルストリング間に位置するバスバーは、第1方向Xに沿って延在し、それぞれ1つのセルストリングのファーストステージと隣接する1つのセルストリングのファイナルステージとに接続される。
【0047】
理解できるように、バスバー10は第1方向に沿って延在し、バスバー10の延在方向が各行の電池セル100の配列方向と同じようになる。光起電力モジュールを折り畳んでいる過程において、バスバー10を折り畳んでバスバー10が破損し、さらに折れてしまうことを防止するために、支持プレート101の延在方向をバスバー10の延在方向と同じようにすることができる。これにより、隣接する支持プレート101間の隙間に沿って折り畳まれた場合、バスバー10が折り畳まれることなく、バスバー10が折れたという問題を防止することができる。具体的には、図4に示すように、図4中の点線は光起電力モジュールの折り畳み線を示し、光起電力モジュールは折り畳み線に沿って折り畳まれている。
【0048】
また、光起電力モジュールを折り畳む過程において、バスバー10を折り畳まないため、いくつかの実施例では、バスバー10は硬くて厚さの大きな材料を選ぶことができ、バスバー10の良好な電流輸送性能を確保し、バスバー10の電流に対する良好な収集能力を確保することができる。他のいくつかの実施例では、バスバー10は柔軟性のある材料を選ぶこともできる。
【0049】
理解できるように、光起電力モジュールを折り畳む時、1行の電池セル100は隣接する1行の電池セル100に向かって折り畳まれるか、または1列の電池セル100は隣接する1列の電池セル100に向かって折り畳まれる。つまり、隣接する2行の電池セル100が互いに折り畳まれるか、または隣接する2列の電池セル100が互いに折り畳まれる。したがって、隣接する2行の電池セル100または隣接する2列の電池セル100が互いに折り畳まれる時に、電池セル100の厚さが大きすぎて隣接する電池セル100の側辺が当接し、光起電力モジュールがそれ以上折り畳まれることができず、折り畳み角度がそれ以上小さくならなくなるという問題を避けるように、電池セル100の厚さを大きすぎてはならいようにする必要がある。これに基づいて、いくつかの実施例では、電池セルの厚さを100μm~170μmに設定することができ、例えば、100μm~110μm、110μm~120μm、120μm~130μm、130μm~140μm、140μm~150μm、150μm~160μmまたは160μm~170μmであってもよい。この範囲内では、電池セル100の厚さが小さく、軽量化された光起電力モジュールの形成に役立つ一方、隣接する2行の電池セル100または隣接する2列の電池セル100が互いに折り畳まれる時に、隣接する電池セル100のうち、互いに近接する方向に沿った側辺同士が当接する確率を減らし、隣接する2つの電池セル100間の折り畳み角度を小さくすることができ、光起電力モジュールの収納に役立つ。一方、この範囲内では、電池セル100の厚さは小さすぎず、電池セル100の光電変換性能を確保することができる。
【0050】
いくつかの実施例では、隣接する2つのセルストリング間が直列に接続される場合、隣接する2行の電池セル100間のピッチは10mm~200mmであり、例えば、10mm~30mm、30mm~50mm、50mm~70mm、70mm~100mm、100mm~130mm、130mm~150mm、150mm~180mmまたは180mm~200mmであってもよい。理解できるように、光起電力モジュールが隣接する2行の電池セル100間の隙間に沿って折り畳まれた時、隣接する2つの電池セル100間の折り畳み角度は電池セル100の厚さ、支持プレート101の厚さ及び隣接する2行の電池セル100間のピッチに関わっている。隣接する2行の電池セル100が互いに向かって折り畳まれた時、隣接する2行の電池セル100間のピッチが小さすぎると、隣接する2つの電池セル100の側辺が当接するようになる。また、電池セル100の厚さが大きすぎると、隣接する2つの電池セル100の側辺が当接するようになり、ひいては隣接する2つの電池セル100間の折り畳み角度がそれ以上小さくならないという問題を引き起こしてしまう。また、光起電力モジュールが隣接する2本の支持プレート101の間の隙間に沿って折り畳まれる場合、2行の電池セル100が互いに折り畳まれ、すなわち、2行の電池セル100が互いに近接してもよいし、2本の支持プレート101が互いに折り畳まれ、すなわち、2本の支持プレート101が互いに近づく方向に向かって折り畳まれてもよい。したがって、支持プレート101の厚さが大きすぎると、隣接する2本の支持プレート101の互いに近づく方向に向かう側壁縁が当接し、2本の支持プレート101間の折り畳み角度をそれ以上小さくすることができないという問題を引き起こしてしまう。
【0051】
上記の観点から、隣接する2行の電池セル100間のピッチがこの範囲内に設定されることで、隣接する2行の電池セル100間のピッチと電池セル100の厚さ及び支持プレート101の厚さとが互いにマッチングする関係になり、隣接する2行の電池セル100間のピッチが2つの電池セル100を重ね合わせた後の合計厚さを十分収納でき、ひいては隣接する2行の電池セル100間の折り畳み角度が0°に達するようにすることができる。また、隣接する2行の電池セル100間のピッチは2本の支持プレート101を重ね合わせた後の合計厚さを十分収納でき、隣接する2本の支持プレート101間の折り畳み角度が0°に達するようにすることができ、光起電力モジュールの折り畳み及び収納性能を大幅に向上させることができる。
【0052】
図5に示すように、いくつかの実施例では、隣接する2つのセルストリングは並列に接続される。つまり、光起電力モジュールでは、電池セル100間の電気的接続関係は直列・並列接続である。いくつかの実施例では、隣接する2つのセルストリング間はフレキシブルPVリボンによって電気的に接続されることができる。
【0053】
図5に示すように、いくつかの実施例では、隣接する2つのセルストリング間が並列に接続される場合、バスバー10が第2方向Yに沿って延在するように設置し、かつバスバー10が1つのセルストリングにおける最外側の2つの電池セル100に電気的に接続されることに用いられる。1つのセルストリングにおける最外側の2つの電池セル100はそれぞれセルストリングの電流入力端子と電流出力端子とされ、ここで、電流入力端子である電池セル100は1つのセルストリングの中でファーストステージの位置にあり、電流出力端子である電池セル100は1つのセルストリングの中でファイナルステージの位置にある。つまり、バスバー10の一端は1つのセルストリングのファーストステージに電気的に接続されることに用いられ、バスバー10の他端は1つのセルストリングのファイナルステージに電気的に接続されることに用いられる。これにより、バスバー10は各セルストリングを輸送する電流を収集するために用いられることができる。具体的には、バスバーは、最外側の1つのセルストリングのファーストステージとファイナルステージのみに電気的に接続されることができる。いくつかの実施例では、隣接する2つのセルストリング間はバスバーによって並列接続を形成し、隣接する2つのセルストリング間のバスバーが第1方向Xに沿って延在してもよい。
【0054】
隣接する2つのセルストリング間が並列に接続される場合、1本の支持プレート101が1つのセルストリングの第2表面に位置するように設置することができ、このように、光起電力モジュールが折り畳まれた時、隣接する2つのセルストリング間の隙間に沿って折り畳まれることができ、これによって、光起電力モジュールを折り畳む過程において、同時にバスバー10を折り畳んでバスバー10をダメージしたり、破断させたりすることを防ぐことができる。具体的には、図6に示すように、図6における点線は光起電力モジュールの折り畳み線であり、光起電力モジュールは折り畳み線に沿って折り畳まれる。
【0055】
いくつかの実施例では、隣接する2つのセルストリング間が並列に接続された場合、隣接する2列の電池セル100間のピッチは10mm~200mmであり、例えば、10mm~30mm、30mm~50mm、50mm~70mm、70mm~100mm、100mm~130mm、130mm~150mm、150mm~180mmまたは180mm~200mmであってもよい。この範囲内で、隣接する2列の電池セル100間のピッチと電池セル100の厚さ及び支持プレート101の厚さとが互いにマッチングする関係であり、隣接する2列の電池セル100間のピッチが2つの電池セル100を重ね合わせた後の合計厚さを十分に収納することができ、隣接する2つの電池セル100間の折り畳み角度が0°に達することができる。また、隣接する2列の電池セル100間のピッチが2本の支持プレート101を重ね合わせた後の合計厚さを十分に収納することができ、隣接する2本の支持プレート101間の折り畳み角度が0°に達することができ、光起電力モジュールの折り畳み及び収納性能を大幅に高めることができる。
【0056】
いくつかの実施例では、光起電力モジュールは、中心領域と、周辺領域と、を含み、セルストリングが中心領域に位置し、ジャンクションボックス20をさらに含み、ジャンクションボックス20が光起電力モジュールの周辺領域に位置し、かつジャンクションボックス20がバスバー10のセルストリングから離れた側に位置している。ジャンクションボックス20は接続デバイスとして、バスバー10と外部回線とを接続することに用いられ、バスバー10中の電流を外部回路に輸送する。ジャンクションボックス20が光起電力モジュールの周辺領域に位置するように設置することで、光起電力モジュールと窓の組み合わせが便利になり、ジャンクションボックス20を隠しやすく、回路の完全性に影響を与えない。
【0057】
図7に示すように、いくつかの実施形態では、第1接着フィルム104と第2接着フィルム105をさらに含み、第1接着フィルム104が第1フレキシブル被覆層102と電池セル100との間に位置し、第2接着フィルム105が支持プレート101と電池セル100との間に位置する。第1接着フィルム104と第2接着フィルム105は、電池セル100を封止することに用いられ、かつ電池セル100と第1フレキシブル被覆層102及び電池セル100と支持プレート101を接着することができる。
【0058】
いくつかの実施例では、第1接着フィルム104及び第2接着フィルム105はPOE接着フィルムまたはEVA接着フィルムのうちの少なくとも一方である。POE接着フィルムは、優れた水蒸気遮断能力とイオン遮断能力を備えており、劣化する過程では酸性物質を生成せず、優れた耐劣化性能と耐PID効果を備えている。EVA接着フィルムは、ショートバンドの入射光をよりスムーズに通過させることができ、電池セル100の入射光に対する吸収利用率を高めることができる。いくつかの実施例では、第1接着フィルム104及び第2接着フィルム105はいずれもPOE接着フィルムであってもよい。他のいくつかの実施例では、第1接着フィルム104及び第2接着フィルム105はいずれもEVA接着フィルムであってもよい。別のいくつかの実施例では、第1接着フィルム104及び第2接着フィルム105には、いずれもPOE材料及びEVA材料が含まれてもよい。例えば、第1接着フィルム104及び第2接着フィルム105は複合接着フィルムであり、複合接着フィルムはPOE接着フィルムとEVA接着フィルムで構成される。
【0059】
他のいくつかの実施例では、第3接着フィルム106をさらに含んでもよく、第3接着フィルム106が支持プレート101と第2フレキシブル被覆層103の間に位置し、支持プレート101と絶縁布とを接着することに用いられる。第3接着フィルム106の材料は第2接着フィルム105及び第1接着フィルム104の材料と同じであってもよい。
【0060】
光起電力モジュールの折り畳み性能にとっては、光起電力モジュール全体の厚さも重要な役割を果たしている。光起電力モジュール全体の厚さが小さい場合、第1フレキシブル被覆層102、第1接着フィルム104、第2接着フィルム105および第2フレキシブル被覆層103の厚さが小さくなり、その結果、第1フレキシブル被覆層102、第1接着フィルム104、第2接着フィルム105および第2フレキシブル被覆層103の屈曲半径が小さくなり、これにより、光起電力モジュール全体の耐屈曲能力が低下するようになり、第1フレキシブル被覆層102、第1接着フィルム104、第2接着フィルム105および第2フレキシブル被覆層103が屈曲することに有利となり、光起電力モジュールの折り畳み性能を全体的に向上させる。ただし、第1フレキシブル被覆層102、第1接着フィルム104、第2接着フィルム105および第2フレキシブル被覆層103が光起電力モジュールを封止かつ保護する役割を果たすことを考えると、第1フレキシブル被覆層102、第1接着フィルム104、第2接着フィルム105および第2フレキシブル被覆層103に十分なスペースを提供するために、光起電力モジュール全体の厚さを小さすぎてはならないようにする必要がある。これに基づいて、いくつかの実施例では、光起電力モジュール全体の厚さを1mm~10mmに設定し、例えば、1mm~2mm、2mm~3mm、3mm~4mm、4mm~5mm、5mm~6mm、6mm~7mm、7mm~8mm、8mm~9mmまたは9mm~10mmであってもよい。この厚さの範囲内では、光起電力モジュール全体の厚さを小さくし、第1フレキシブル被覆層102、第1接着フィルム104、第2接着フィルム105および第2フレキシブル被覆層103の厚さも小さくなる。このように、第1フレキシブル被覆層102、第1接着フィルム104、第2接着フィルム105および第2フレキシブル被覆層103の耐屈曲能力を低下させることに有利となり、光起電力モジュールの折り畳み性能を全体的に向上させることができる。一方、この範囲内では、第1フレキシブル被覆層102、第1接着フィルム104、第2接着フィルム105および第2フレキシブル被覆層103の厚さが小さすぎず、これによって、第1接着フィルム104及び第2接着フィルム105は、電池セル100と第1フレキシブル被覆層102及び電池セル100と支持プレート101に十分な接着強度を提供することができ、優れた水蒸気遮断機能とイオン遮断機能を果たし、第1フレキシブル被覆層102及び第2フレキシブル被覆層103は電池セル100に対して良好な絶縁及び保護作用を果たすことができる。
【0061】
上記の実施例における光起電力モジュールには、第1フレキシブル被覆層102と第2フレキシブル被覆層103を設けることで、電池セル100を折り畳むことが可能になる。1列の電池セル100または1行の電池セル100の第2表面に支持プレート101を設けることで、支持プレート101が電池セル100を支持する役割を果たし、電池セル100に支持力を提供し、電池セル100に破断が発生するという問題を防止できる。一方、光起電力モジュールを折り畳むときに、隣接する支持プレート101間の隙間に沿って折り畳まれることができ、すなわち、電池セル100間の折り畳みを隣接する支持プレート101間の折り畳みに変換することができ、光起電力モジュールの折り畳み及び収納に利便性を提供し、単一の光起電力モジュール内の折り畳みを実現し、折り畳み及び収納性能を向上させることができる。
【0062】
以上に対応して、本願の実施例では、さらに、上記の実施例における光起電力モジュールに適用される光起電力モジュールの製造方法が提供され、図1に示すように、複数の前記電池セル100を提供することと、第2フレキシブル被覆層103を提供することと、第2フレキシブル被覆層103の一方側の表面に複数本の支持プレート101を敷設することであって、支持プレート101が間隔をあけて配列されることと、支持プレート101の表面に電池セル100を敷設することであって、電池セル100がアレイ状に配列され、ここで、各行の電池セル100が第1方向Xに沿って間隔をあけて配列され、各列の電池セル100が第2方向Yに沿って間隔をあけて配列され、1行の電池セル100または1列の電池セル100が1本の支持プレート101の表面に敷設されることと、電池セル100の表面に第1フレキシブル被覆層102を敷設することと、を含む。
【0063】
いくつかの実施例では、第2フレキシブル被覆層103は絶縁布であってもよい。これにより、光起電力モジュールの柔軟性を大幅に高めることができる。
【0064】
図7に示すように、いくつかの実施例では、複数本の支持プレート101と第2フレキシブル被覆層103の間は第3接着フィルム106で接着されることができる。支持プレート101の第2フレキシブル被覆層103の表面における安定性を高めるために、支持プレート101の第2フレキシブル被覆層103に向かう表面に高温テープを設けることもできる。高温テープは支持プレート101をさらに固定することに用いられ、第3接着フィルム106は高温テープと支持プレート101を接着することにも用いられる。
【0065】
いくつかの実施例では、電池セル100と支持プレート101の間は第2接着フィルム105で接着されることができ、まず、支持プレート101の表面に第2接着フィルム105を形成し、次に、第2接着フィルム105の表面に電池セル100を敷設する。1本の支持プレート101の表面に複数の電池セル100を敷設し、敷設が完了した後、複数の支持プレート101の表面に位置する電池セル100はアレイ状に配列され、各行の電池セル100は第1方向Xに沿って間隔をあけて配列され、各列の電池セル100は第2方向Yに沿って間隔をあけて配列される。
【0066】
いくつかの実施例では、電池セル100と第1フレキシブル被覆層102の間は第1接着フィルム104で接着されることができ、まず、電池セル100の表面に第1接着フィルム104を形成し、次に、第2接着フィルム105の表面に電池セル100を敷設する。いくつかの実施例では、第1フレキシブル被覆層102はフレキシブルカバープレートであってもよい。これにより、第1フレキシブル被覆層102は柔軟性を有すると同時に、ある程度の靭性を有し、第1フレキシブル被覆層102は光起電力モジュールの折り畳みを実現できるだけでなく、電池セル100の第1表面に比較的良好な保護作用を提供することができる。具体的には、いくつかの実施例では、フレキシブルカバープレートはPVF、PVDFまたはETFEであってもよい。
【0067】
本願は、好適な実施例で上記のように開示されているが、特許請求の範囲を限定するものではなく、いずれの当業者も、本願の着想から逸脱することなく、若干の可能な変動及び修正を加えることができるため、本願の保護範囲は、本願の請求項によって規定される範囲に従うべきである。
【0068】
当業者であれば、前記の各実施形態は本願を実現する具体的な実施例であるが、実用上では本願の精神と範囲を逸脱することなく、形態及び細部において様々な変更が可能であることが理解できる。いずれの当業者も、本願の精神と範囲を逸脱しない限り、それぞれ変更及び修正を行うことが可能であるため、本願の保護範囲は、請求項に限定された範囲を基準にすべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7