(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126527
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】シールキャップの3D印刷
(51)【国際特許分類】
B29C 64/106 20170101AFI20230831BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20230831BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20230831BHJP
【FI】
B29C64/106
B33Y10/00
B33Y80/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023116658
(22)【出願日】2023-07-18
(62)【分割の表示】P 2021546790の分割
【原出願日】2020-02-10
(31)【優先権主張番号】62/803,682
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】399074983
【氏名又は名称】ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ダブリュー. ウィルキンソン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エー. ブバス
(72)【発明者】
【氏名】レンヘ リン
(57)【要約】
【課題】シールキャップの3D印刷の提供。
【解決手段】三次元印刷を使用してシールキャップを製作する方法が開示される。シールキャップは、締結具をシールするのに有用である。本発明によれば、シールキャップを製作する方法は、三次元印刷によって第1の共反応性組成物の連続した層を堆積させて、内部容積を画定するシールキャップシェルを形成することと、内部容積を第2の共反応性組成物で充填して、シールキャップを提供することと、を含む。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年2月11日に出願された米国仮出願第62/803,682号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張し、その全体は、参照により組み込まれる。
【0002】
本開示は、締結具をシールする方法、シールキャップを製作する方法、およびこのような方法に従って作製されたシールキャップに関する。
【背景技術】
【0003】
締結具を環境条件からシールおよび保護するために、シールキャップが使用される。用途に応じて、シールキャップが、耐薬品性、耐食性、加水分解安定性、低温可撓性、高温耐性、および電荷を放散する能力を含む1つまたは1つより多くの特性を呈することが望ましい場合がある。リベット、ボルト、ネジ、ナット、アンカー、ワッシャーなど様々な形状およびサイズの締結具が、部品を固定するために使用され、表面の上を様々な程度まで延在し得る。材料および寸法が特定の用途に最適化されたシールキャップを有することが有用である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、締結具をシールする方法は、第1の共反応性組成物を含む連続した層を、三次元印刷によって締結具上に直接堆積させることを含む。
【0005】
本発明によれば、シールキャップを製作する方法は、三次元印刷によって第1の共反応性組成物の連続した層を堆積させて、内部容積を画定するシールキャップシェルを形成することと、内部容積を第2の共反応性組成物で充填して、シールキャップを提供することと、を含む。
【0006】
本方法に従って作製されたシールキャップ、およびシールされた締結具もまた、本発明の範囲内にある。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
締結具をシールする方法であって、第1の共反応性組成物を含む連続した層を、三次元印刷によって前記締結具上に直接堆積させることを含む、方法。
(項目2)
前記連続した層が、シールキャップを形成するように堆積される、項目1に記載の方法。
(項目3)
第2の共反応性組成物を前記第1の共反応性組成物上に直接堆積させること、または
前記第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物の連続した層を、前記締結具上に同時に堆積させることをさらに含む、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
最も外側に堆積された第1の共反応性組成物上にシールキャップシェルを塗布することをさらに含み、
前記シールキャップシェルが、少なくとも部分的に硬化した第2の共反応性組成物を含み、
前記第2の共反応性組成物が、前記最も外側に堆積された共反応性組成物と同一であるか、または異なる、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
第2の共反応性組成物の連続した層を、三次元印刷によって前記第1の共反応性組成物を覆って堆積させて、前記シールキャップシェルを形成することをさらに含む、項目1または2に記載の方法。
(項目6)
シールキャップを製作する方法であって、
三次元印刷によって第1の共反応性組成物の連続した層を堆積させて、内部容積を画定するシールキャップシェルを形成することと、
前記内部容積を第2の共反応性組成物で充填して、シールキャップを提供することと、を含む、方法。
(項目7)
前記内部容積を充填することが、三次元印刷を使用して前記第2の共反応性組成物を堆積させることを含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記シールキャップシェルが、5mm~50mm、好ましくは10mm~40mmの底幅、5mm~50mm、好ましくは20mm~40mmの高さ、および0.5mm~25mm、好ましくは1mm~20mm、1.5mm~15mm、または2mm~10mmの平均壁厚を有するドームの形状をなす、項目4~7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記第1の共反応性組成物が、前記第2の共反応性組成物に対して反応性である、項目3~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記第2の共反応性組成物が、前記第1の共反応性組成物と同一である、項目3~9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記第2の共反応性組成物が、前記第1の共反応性組成物とは異なる、項目3~9のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記シェルを形成した後、かつ前記内部容積を充填する前に、前記シールキャップシェルを少なくとも部分的に硬化させることをさらに含む、項目6~11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記第1の共反応性組成物および前記第2の共反応性組成物の各々が、硫黄含有プレポリマーを独立して含む、項目3~12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記第1の共反応性組成物および前記第2の共反応性組成物の各々が、40重量%~80重量%の前記硫黄含有プレポリマーを独立して含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記硫黄含有プレポリマーが、10重量%超の硫黄含有量を有し、重量%が、前記硫黄含有プレポリマーの総重量に基づく、項目13または14に記載の方法。
(項目16)
前記硫黄含有プレポリマーが、ポリチオエーテル、ポリスルフィド、硫黄含有ポリホルマール、モノスルフィド、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含む、項目13または14に記載の方法。
(項目17)
前記第1の共反応性組成物および前記第2の共反応性組成物の各々が、化学線硬化性共反応性組成物を独立して含み、
前記方法が、前記第1の共反応性組成物および/もしくは前記第2の共反応性組成物を堆積させる前、前記第1の共反応性組成物および/もしくは前記第2の共反応性組成物を堆積させる間、ならびに/または前記第1の共反応性組成物および/もしくは前記第2の共反応性組成物を堆積させた後に、前記第1の共反応性組成物および/または前記第2の共反応性組成物を化学線に曝露することをさらに含む、項目3~16のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記第1の共反応性組成物が、化学線への曝露で硬化可能である、項目1~16のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記第1の共反応性組成物が、化学線への曝露で硬化可能ではない、項目3~16のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
項目1~19のいずれか一項に記載の方法を使用して製作されたシールキャップ。
(項目21)
前記完全に硬化したシールキャップの破壊エネルギーが、前記シールキャップを形成する個々の層の破壊エネルギーと実質的に同一であり、前記破壊エネルギーが、ASTM D7313に従って判定される、項目20に記載のシールキャップ。
(項目22)
前記第1の共反応性組成物から調製された層が、前記第2の共反応性組成物から調製された層に化学的および/または物理的に結合されている、項目3~19のいずれか一項に記載の方法を使用して製作されたシールキャップ。
(項目23)
締結具をシールする方法であって、締結具を覆って項目20~22のいずれか一項に記載のシールキャップを塗布することと、前記第1の共反応性組成物および/または前記第2の共反応性組成物を硬化させることと、を含む、方法。
(項目24)
項目20~22のいずれか一項に記載のシールキャップでシールされた締結具。
(項目25)
前記締結具が、航空宇宙ビークルなどのビークル上にある、項目24に記載の締結具。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に記載される図面は、例示のみを目的としている。図面は、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【0008】
【
図1A】締結具の上に組み立てられたシールキャップの断面図を示す。
【
図1B】締結具の上に組み立てられたシールキャップの断面図を示す。
【
図2A】シールキャップシェルの外部の斜視図、シールキャップシェルの断面図、および共反応性組成物がシェルの内部容積を充填している断面図をそれぞれ示す。
【
図2B】シールキャップシェルの外部の斜視図、シールキャップシェルの断面図、および共反応性組成物がシェルの内部容積を充填している断面図をそれぞれ示す。
【
図2C】シールキャップシェルの外部の斜視図、シールキャップシェルの断面図、および共反応性組成物がシェルの内部容積を充填している断面図をそれぞれ示す。
【
図3A】本開示によって提供される方法に従って作製されたポリ尿素シールキャップシェルの写真を示す。
【
図3B】本開示によって提供される方法に従って作製されたポリ尿素シールキャップシェルの写真を示す。
【
図3C】本開示によって提供される方法に従って作製されたポリ尿素シールキャップシェルの写真を示す。
【
図3D】
図3A~
図3Cに示される対応するシールキャップシェルの共焦点レーザ走査顕微鏡表面プロファイル(10×)を示す。
【
図4】実施例4に従って作成されたシールキャップシェルの写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明の目的のために、本開示によって提供される実施形態は、相反することが明示的に指定されている場合を除き、様々な代替的な変形およびステップシーケンスを想定し得ることを理解されたい。さらに、任意の動作の実施例以外、または別様に示される場合、例えば、明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量を表すすべての数は、すべての例において「約」という用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、相反することが示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、また、均等諭の適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、各数値パラメータは、報告された有意な桁の数を考慮して、かつ通常の四捨五入技法を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。
【0010】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメータは、近似値であるにもかかわらず、特定の例において記載される数値は、できる限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定値に見られる標準変動から必然的に得られる特定の誤差を本質的に含有する。
【0011】
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に包含されるすべてのサブ範囲を含むことを意図していることを理解されたい。例えば、「1~10」の範囲は、列挙された最小値1~列挙された最大値10(列挙された値を含む)、すなわち、1以上の最小値および10以下の最大値を有する、すべてのサブ範囲を含むことが意図される。
【0012】
「アルカンジイル」とは、例えば、1~18個の炭素原子(C1-18)、1~14個の炭素原子(C1-14)、1~6個の炭素原子(C1-6)、1~4個の炭素原子(C1-4)、または1~3個の炭化水素原子(C1-3)を有する、飽和、分枝または直鎖非環式炭化水素基のジラジカルを指す。アルカンジイルは、C2-14アルカンジイル、C2-10アルカンジイル、C2-8アルカンジイル、C2-6アルカンジイル、C2-4アルカンジイル、またはC2-3アルカンジイルであり得る。アルカンジイル基の例としては、メタンジイル(-CH2-)、エタン-1,2-ジイル(-CH2CH2-)、プロパン-1,3-ジイルおよびイソ-プロパン-1,2-ジイル(例えば、-CH2CH2CH2-および-CH(CH3)CH2-)、ブタン-1,4-ジイル(-CH2CH2CH2CH2-)、ペンタン-1,5-ジイル(-CH2CH2CH2CH2CH2-)、ヘキサン-1,6-ジイル(-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-)、ヘプタン-1,7-ジイル、オクタン-1,8-ジイル、ノナン-1,9-ジイル、デカン-1,10-ジイル、ならびにドデカン-1,12-ジイルが挙げられる。
【0013】
「アルカンシクロアルカン」とは、1つまたは1つより多くのシクロアルキル基および/またはシクロアルカンジイル基、ならびに1つまたは1つより多くのアルキル基および/またはアルカンジイル基を有する飽和炭化水素基を指し、シクロアルキル、シクロアルカンジイル、アルキル、およびアルカンジイルは本明細書で定義される。各シクロアルキル基および/またはシクロアルカンジイル基は、C3-6、C5-6、シクロヘキシルまたはシクロヘキサンジイルであり得る。各アルキル基および/またはアルカンジイル基は、例えば、C1-6、C1-4、C1-3、メチル、メタンジイル、エチル、またはエタン-1,2-ジイルであり得る。アルカンシクロアルカン基は、例えば、C4-18アルカンシクロアルカン、C4-16アルカンシクロアルカン、C4-12アルカンシクロアルカン、C4-8アルカンシクロアルカン、C6-12アルカンシクロアルカン、C6-10アルカンシクロアルカン、またはC6-9アルカンシクロアルカンであり得る。アルカンシクロアルカン基の例としては、1,1,3,3-テトラメチルシクロヘキサンおよびシクロヘキシルメタンが挙げられる。
【0014】
「アルカンシクロアルカンジイル」とは、アルカンシクロアルカン基のジラジカルを指す。アルカンシクロアルカンジイル基は、例えば、C4-18アルカンシクロアルカンジイル、C4-16アルカンシクロアルカンジイル、C4-12アルカンシクロアルカンジイル、C4-8アルカンシクロアルカンジイル、C6-12アルカンシクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、またはC6-9アルカンシクロアルカンジイルであり得る。アルカンシクロアルカンジイル基の例としては、1,1,3,3-テトラメチルシクロヘキサン-1,5-ジイルおよびシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイルが挙げられる。
【0015】
「アルカンアレーン」とは、1つまたは1つより多くのアリール基および/またはアレーンジイル基、ならびに1つまたは1つより多くのアルキル基および/またはアルカンジイル基を有する炭化水素基を指し、アリール、アレーンジイル、アルキル、およびアルカンジイルは、本明細書で定義される。各アリール基および/またはアレーンジイル基は、C6-12、C6-10、フェニルまたはベンゼンジイルであり得る。各アルキル基および/またはアルカンジイル基は、C1-6、C1-4、C1-3、メチル、メタンジイル、エチル、またはエタン-1,2-ジイルであり得る。アルカンアレーン基は、C6-18アルカンアレーン、C6-16アルカンアレーン、C6-12アルカンアレーン、C6-8アルカンアレーン、C6-12アルカンアレーン、C6-10アルカンアレーン、またはC6-9アルカンアレーンであり得る。アルカンアレーン基の例としては、ジフェニルメタンが挙げられる。
【0016】
「アルカンアレーンジイル」とは、アルカンアレーン基のジラジカルを指す。アルカンアレーンジイル基は、例えば、C6-18アルカンアレーンジイル、C6-16アルカンアレーンジイル、C6-12アルカンアレーンジイル、C6-8アルカンアレーンジイル、C6-12アルカンアレーンジイル、C6-10アルカンアレーンジイル、またはC6-9アルカンアレーンジイルであり得る。アルカンアレーンジイル基の例としては、ジフェニルメタン-4,4’-ジイルが挙げられる。
【0017】
「アルケニル」基とは、構造-CR=C(R)2を指し、アルケニル基は、基であり、より大きな分子に結合している。このような実施形態では、各Rは、例えば、水素およびC1-3アルキルを独立して含み得る。各Rは、水素であり得、アルケニル基は、構造-CH=CH2を有し得る。
【0018】
「アルコキシ」とは、Rが本明細書に定義されるアルキルである-OR基を指す。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、およびn-ブトキシが挙げられる。アルコキシ基は、C1-8アルコキシ、C1-6アルコキシ、C1-4アルコキシ、またはC1-3アルコキシであり得る。
【0019】
「アルキル」とは、例えば、1~20個の炭素原子、1~10個の炭素原子、1~6個の炭素原子、1~4個の炭素原子、または1~3個の炭素原子を有する、飽和、分枝または直鎖非環式炭化水素基の単ラジカルを指す。アルキル基は、例えば、C1-6アルキル、C1-4アルキル、またはC1-3アルキルであり得る。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、ターシャリ-ブチル、n-ヘキシル、n-デシル、およびテトラデシルが挙げられる。アルキル基は、例えば、C1-6アルキル、C1-4アルキル、およびC1-3アルキルであり得る。
【0020】
「アレーンジイル」とは、ジラジカル単環式または多環式芳香族基を指す。アレーンジイル基の例としては、ベンゼン-ジイルおよびナフタレン-ジイルが挙げられる。アレーンジイル基は、例えば、C6-12アレーンジイル、C6-10アレーンジイル、C6-9アレーンジイル、またはベンゼン-ジイルであり得る。
【0021】
「シクロアルカンジイル」とは、ジラジカル飽和単環式または多環式炭化水素基を指す。シクロアルカンジイル基は、例えば、C3-12シクロアルカンジイル、C3-8シクロアルカンジイル、C3-6シクロアルカンジイル、またはC5-6シクロアルカンジイルであり得る。シクロアルカンジイル基の例としては、シクロヘキサン-1,4-ジイル、シクロヘキサン-1,3-ジイル、およびシクロヘキサン-1,2-ジイルが挙げられる。
【0022】
「シクロアルキル」とは、飽和単環式または多環式炭化水素単ラジカル基を指す。シクロアルキル基は、例えば、C3-12シクロアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-6シクロアルキル、またはC5-6シクロアルキルであり得る。
【0023】
「ヘテロアルカンジイル」とは、炭素原子のうちの1つまたは1つより多くが、N、O、S、またはPなどのヘテロ原子で置き換えられたアルカンジイル基を指す。ヘテロアルカンジイルにおいて、1つまたは1つより多くのヘテロ原子は、NまたはOであり得る。
【0024】
「ヘテロシクロアルカンジイル」とは、炭素原子のうちの1つまたは1つより多くが、N、O、S、またはPなどのヘテロ原子で置き換えられたシクロアルカンジイル基を指す。ヘテロシクロアルカンジイルにおいて、1つまたは1つより多くのヘテロ原子は、NまたはOであり得る。
【0025】
プレポリマーの「骨格」とは、反応性官能基間のセグメントを指す。プレポリマー骨格は、典型的には、繰り返しサブユニットを含む。例えば、ポリチオールHS-[R]n-SHの骨格は、-[R]n-である。
【0026】
「共反応性組成物」とは、例えば、50℃未満、40℃未満、30℃未満、または20℃未満の温度で反応することができる2つまたは2つより多くの共反応性化合物を含む組成物を指す。2つまたは2つより多くの化合物間の反応は、2つまたは2つより多くの共反応性化合物を混ぜ合わせ、混合することによって、かつ/あるいは2つまたは2つより多くの共反応性化合物を含む共反応性組成物を、好適な触媒、または化学線に曝露される光重合開始剤などの好適な活性化重合開始剤に曝露することによって、開始され得る。好適な触媒および好適な重合開始剤は、共反応性化合物間の化学反応を加速するか、または開始することができる。触媒は、熱、化学線、または剪断力などの機械的な力などのエネルギーへの曝露によって活性化され得る潜在性触媒であり得る。共反応性組成物は、例えば、第1の反応性化合物を含む第1の反応性成分を、第2の反応性化合物を含む第2の反応性成分と混ぜ合わせ、混合することによって形成され得、第1の反応性化合物は、第2の反応性化合物と反応し得る。
【0027】
化合物またはポリマーの「コア」とは、反応性官能基間のセグメントを指す。例えば、ポリチオールHS-R-SHのコアは、-R-であろう。化合物またはプレポリマーのコアは、化合物の骨格またはプレポリマーの骨格とも称され得る。多官能化剤のコアは、シクロアルカン、置換シクロアルカン、ヘテロシクロアルカン、置換ヘテロシクロアルカン、アレーン、置換アレーン、ヘテロアレーン、または反応性官能基を有する部分が結合している置換ヘテロアレーンなどの原子または構造であり得る。
【0028】
「硬化時間」とは、例えば、共反応性成分に混ぜ合わせ、混合して共反応性組成物を形成することによって、および/または共反応性組成物を化学線に曝露することによって、共反応性組成物の硬化反応が最初に開始されてから、共反応性組成物から調製された層が25℃および50%RHの条件でショア30Aの硬度を呈するまでの持続時間を指す。化学線硬化性組成物について、硬化時間とは、共反応性組成物が最初に化学線に曝露されてから、曝露された共反応性組成物から調製された層が25℃および50%RHの条件でショア30Aの硬度を呈する時点までの持続時間を指す。
【0029】
硬化中、共反応性組成物は、作業時間、不粘着時間、硬化の開始、および完全硬化によって特徴付けられ得る。作業時間またはゲル化時間とは、構成成分間の反応が、例えば、重合開始剤を混合および/または活性化することによって開始されてから、共反応性組成物が手で攪拌することができなくなるまでの時間を指す。不粘着時間とは、構成成分間の反応が最初に開始されてから、硬化する共反応性組成物の表面が不粘着になるまでの時間を指す。硬化の開始までの時間とは、構成成分間の反応が開始されてから、硬化する共反応性組成物が測定可能な硬度を発現するまでの時間を指す。完全硬化までの時間とは、硬化した組成物が最大硬度の90%以内の硬度を達成する時間を指し得る。これらの時間は、例えば、共反応性組成物の構成成分、硬化化学、温度、触媒、硬化促進剤および/または光重合開始剤の存在に依存してかなり変動し得る。
【0030】
2つの文字または記号の間にないダッシュ(「-」)は、置換基の、または2つの原子の間の結合点を示すために使用される。例えば、-CONH2は、炭素原子を介して結びついている。
【0031】
「化合物に由来する部分」において「由来する」とは、親化合物と反応物との反応時に生成される部分を指す。例えば、ビス(アルケニル)化合物CH2=CH-R-CH=CH2は、チオール基を有する化合物などの別の化合物と反応して、アルケニル基とチオール基との反応に由来する部分-(CH2)2-R-(CH2)2-を生成し得る。別の例として、構造O=C=N-R-N=C=Oを有する親ジイソシアネートについて、ジイソシアネートに由来する部分は、構造-C(O)-NH-R-NH-C(O)-を有する。
【0032】
「-Vとチオールとの反応に由来する」とは、チオール基と、チオール基に対して反応性である官能基を含む部分と、の反応から生じる部分-V’-を指す。例えば、基V-は、CH2=CH2-O-を含み得、アルケニル基CH2=CH-は、チオール基-SHに対して反応性である。チオール基と反応すると、部分-V’-は、-CH2-CH2-CH2-O-になる。
【0033】
ガラス転移温度Tgは、1Hzの周波数、20ミクロンの振幅、および-80℃~25℃の温度ランプを有するTA Instruments Q800装置を使用して動的機械分析(DMA)によって判定され、Tgは、tanδ曲線のピークとして識別される。
【0034】
モノマーとは、低分子量化合物を指し、例えば、1,000Da未満、800Da未満、600Da未満、500Da未満、400Da未満、または300Da未満の分子量を有し得る。モノマーは、例えば、100Da~1,000Da、100Da~800Da、100Da~600Da、150Da~550Da、または200Da~500Daの分子量を有し得る。モノマーは、100Da超、200Da超、300Da超、400Da超、500Da超、600Da超、または800Da超の分子量を有し得る。モノマーは、2つまたは2つより多く、例えば、2~6つ、2~5つ、または2~4つの反応性官能基を有し得る。モノマーは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または上記のうちのいずれかの組み合わせの官能基を有し得る。モノマーは、例えば、2~6つ、2~5つ、2~4つ、2~3つ、2.1~2.8つ、または2.2~2.6つの平均の反応性官能基を有し得る。反応性官能基とは、分子ごとの反応性基の数を指す。異なる反応性官能基を有する化合物の組み合わせは、平均的な非整数反応性官能基によって特徴付けられ得る。
【0035】
「ポリアルケニル」とは、少なくとも2つのアルケニル基を有する化合物を指す。少なくとも2つのアルケニル基は、末端アルケニル基であり得、このようなポリアルケニル基は、アルケニル末端化合物と称され得る。アルケニル基はまた、ペンデントアルケニル基であり得る。ポリアルケニルは、2つのアルケニル基を有するジアルケニルであり得る。ポリアルケニルは、3~6個のアルケニル基など、2つより多くのアルケニル基を有し得る。ポリアルケニルは、単一タイプのポリアルケニルを含み得るか、同一のアルケニル官能基を有するポリアルケニルの組み合わせであり得るか、または異なるアルケニル官能基を有するポリアルケニルの組み合わせであり得る。
【0036】
「プレポリマー」とは、ホモポリマーおよびコポリマーを指す。チオール末端プレポリマーについて、分子量は、ヨウ素滴定を使用した末端基分析によって判定される数平均分子量「Mn」である。チオール終端していないプレポリマーについて、ポリスチレン標準物質を使用したゲル透過クロマトグラフィーによって数平均分子量が判定される。プレポリマーは、骨格と、硬化剤または架橋剤などの別の化合物と反応して硬化ポリマーを形成することができる反応性官能基と、を含む。プレポリマーは、同一であっても異なっていてもよい、互いに結合した複数の繰り返しサブユニットを含む。複数の繰り返しサブユニットは、プレポリマーの骨格を構成する。
【0037】
多官能化剤は、式(1)の構造を有し得、
B(-V)z (1)
式中、Bは、多官能化剤のコアであり、各Vは、チオール基、アルケニル基、エポキシ基、イソシアネート基、またはマイケル受容体基などの反応性官能基で終端された部分であり、zは、3、4、5、または6などの3~6の整数である。式(1)の多官能化剤では、各-Vは、構造、例えば、-R-SHまたは-R-CH=CH2を有し得、式中、Rは、例えば、C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、または置換C2-10ヘテロアルカンジイルであり得る。部分Vが別の化合物と反応すると、部分-V1-が、結果として得られ、この別の化合物との反応に由来すると言われている。例えば、Vが-R-CH=CH2であり、例えば、チオール基と反応すると、部分V1は、-R-CH2-CH2-であり、反応に由来する。
【0038】
比重は、ISO 787-11に従って判定される。
【0039】
ショアA硬度は、ASTM D2240に従って、タイプAデュロメータを使用して測定される。
【0040】
「置換された」とは、1つまたは1つより多くの水素原子が、各々、同一のまたは異なる置換基で独立して置き換えられる基を指す。置換基は、ハロゲン、-S(O)2OH、-S(O)2、-SH、-SR(式中、Rは、C1-6アルキル)、-COOH、-NO2、-NR2(式中、各Rは、水素およびC1-3アルキルを独立して含む)、-CN、=O、C1-10アルキル、-CF3、-OH、フェニル、C2-6ヘテロアルキル、C5-6ヘテロアリール、C1-10アルコキシ、または-COR(式中、Rは、C1-10アルキルである)を含み得る。置換基は、-OH、-NH2、またはC1-10アルキルであり得る。
【0041】
「不粘着時間」とは、共反応性組成物の硬化反応が最初に開始された時点から、共反応性組成物から調製された層が不粘着でなくなる時点までの持続時間を指し、不粘着は、ポリエチレンシートを手圧で層の表面に塗布し、かつシーラントがポリエチレンシートの表面に付着するかどうかを観察することによって判定され、ポリエチレンシートが層から容易に分離する場合、層は、不粘着であると見なされる。化学線硬化性共反応性組成物について、不粘着時間とは、共反応性組成物が化学線に曝露されてから、共反応性組成物から調製された層が不粘着でなくなる時点までの時間を指す。
【0042】
引張強度および伸長は、AMS 3279に従って測定される。
【0043】
「透過性」とは、入射放射の20%超、30%超、40%超、または50%超の、360nm~750nmの範囲内の電磁スペクトルの一部分を透過させる能力を指す。
【0044】
ここで、本発明の特定の化合物、組成物、装置、および方法を参照する。開示される化合物、組成物、装置、および方法は、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。それとは反対に、特許請求の範囲は、すべての代替物、修正物、および等価物を包含することを意図するものである。
【0045】
本開示によって提供される方法は、三次元印刷を使用してシールキャップを製作する方法を含む。シールキャップは、三次元印刷を使用して、共反応性組成物を締結具上に直接堆積させることによって製作され得る。堆積された共反応性組成物は、シールキャップを形成し、および/または締結具上に堆積された共反応性組成物の上にシールキャップシェルを塗布して、シールキャップを形成し得る。シールキャップシェルは、三次元印刷を使用して製作され得る。シールキャップはまた、共反応性組成物の連続した層を堆積させてシールキャップシェルを形成し、かつシールキャップシェルによって画定される内部容積を、第1の共反応性組成物と同一であっても異なっていてもよい追加の共反応性組成物で充填することによっても製作され得る。次いで、シールキャップシェルおよび充填された内部を含むシールキャップを、締結具の上に組み立てて、締結具をシールすることができる。
【0046】
本開示の文脈における「締結具のシール」などの用語は、共反応性組成物が締結具の表面に適合するように締結具の上に配置され、かつ硬化後、シールの設計寿命中に水、溶媒、および燃料などの液体が締結具に接触することを最小限に抑えるバリアを提供する、プロセスを指す。
【0047】
シールキャップは、典型的には、表面上の締結具の延伸を覆って適合するドーム形状構造である。シールキャップおよび締結具の断面図を
図1Aおよび
図1Bに示す。
図1Aは、シェル102を形成する外層と、表面105に取り付けられた締結具104を囲む内層103と、を有する、シールキャップ101の図を示す。
図1Bは、表面105に取り付けられた締結具104を囲む単層106を有するシールキャップの別の例の図を示す。
【0048】
シールキャップシェルの図を、
図2A~2Cに示す。
図2Aは、シールキャップシェル201の外面202の斜視図を示す。
図2Bは、内部容積204を画定するシールキャップシェルの外層203の断面図を示す。
図2Cに示されるように、内部容積204は、容積を充填するために共反応性組成物205で充填され得、締結具上に組み立てられる準備ができている。
【0049】
締結具をシールするために、内部共反応性組成物205が完全に硬化する前に、
図2Cに示されるシールキャップを締結具を覆って塗布することができる。シールキャップシェル203は、シールキャップシェルが共反応性組成物205を保持する程度まで、かつシールキャップが手動でまたはロボットによって操作され得るように、少なくとも部分的に硬化され得る。シールキャップシェルの外面は、少なくとも部分的に硬化され得るか、または完全に硬化され得、シールキャップシェルの内面は、締結具への塗布時に少なくとも部分的に未硬化であり得るか、または完全に未硬化であり得る。シールキャップシェルはまた、シールキャップが締結具を覆って組み立てられる前に完全に硬化され得る。内部共反応性組成物205は、シールキャップが締結具を覆って塗布され得る程度まで未硬化であり得るか、または少なくとも部分的に未硬化であり得、内部共反応性組成物205は、内部共反応性組成物205が、締結具、ならびにボルト、ワッシャー、および表面などの他のアセンブリの輪郭に適合して、締結具を覆って生存可能なシールを形成するように十分に低い粘度を有する。内部共反応性組成物が、いかなる空隙、ボイド、および/または気泡も有さずに、締結具および基材の表面に接触することが、典型的には、望ましい。シールキャップが締結具上に組み立てられた後、シールキャップシェルおよび内部共反応性組成物は、共反応性組成物がまだ完全に硬化されていない程度まで完全に硬化されて、締結具をシールすることができる。
【0050】
シールキャップは、特定の締結具を覆うのに好適な寸法を有するドーム形状を有し得る。例えば、シールキャップの底部(
図2Bの要素208)の幅は、例えば、5mm~60mm、10mm~40mm、または20mm~30mmであり得る。シールキャップの底部の寸法は、例えば、5mm超、10mm超、20mm超、30mm超、または40mm超であり得る。シールキャップの底部は、例えば、10mm未満、20mm未満、30mm未満、40mm未満、または50mm未満であり得る。シールキャップの高さは、例えば、5mm~50mm、10mm~40mm、または20mm~30mmであり得る。シールキャップの高さは、例えば、5mm超、10mm超、20mm超、30mm超、40mm超、または50mm超であり得る。シールキャップの高さは、例えば、10mm未満、20mm未満、30mm未満、40mm未満、または50mm未満であり得る。
【0051】
シールキャップシェルは、例えば、0.5mm~25mm、1mm~20mm、1.5mm~15mm、または2mm~10mmの平均厚さを有し得る。シールキャップシェルは、平均厚さ(207)、例えば、0.5mm超、1mm超、2mm超、5mm超、10mm超、15mm超、または20mm超を有し得る。シールキャップシェルは、例えば、1mm未満、2mm未満、5mm未満、10mm未満、15mm未満、または20mm未満の平均厚さを有し得る。
【0052】
シールキャップは、使用中の燃料および油圧流体などの溶媒への曝露から締結具をシールするように構成され得る。例えば、締結具の表面は、少なくとも5mmの硬化した耐溶剤性組成物で覆われることが望ましい場合がある。
【0053】
本開示によって提供されるシールキャップは、三次元印刷を使用して製作され得る。三次元印刷は、プロセッサ制御ロボット方法を使用して三次元物品を形成する、多様なロボット製造方法を含む。シールキャップを製作するために使用される三次元印刷方法は、1つまたは1つより多くの共反応性組成物を連続した層に堆積させてシールキャップを形成することを含む。
【0054】
シールキャップを製作する第1の方法では、第1の共反応性組成物の連続した層を、締結具上に直接堆積させ、堆積された第1の共反応性組成物に、締結具上の所定の位置で硬化してシールキャップを形成させることができる。
【0055】
シールキャップは、第1の共反応性組成物を締結具上に堆積させ、続いて第1の共反応性組成物上に第2の共反応性組成物を堆積させてシールキャップを形成することによって、形成され得る。第2の共反応性組成物を堆積させる前に、第1の共反応性組成物は、完全に硬化し得るか、部分的に硬化し得るか、または未硬化のままであり得る。
【0056】
第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物は、例えば、別個の印刷ノズルを使用して独立して第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物を堆積させることによって、または単一の共押し出し成形ノズルを通した共押し出し成形により第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物、ならびに必要に応じた追加の共反応性組成物を堆積させることによって、同時に堆積され得る。
【0057】
第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物は、同一の硬化化学を有し得るか、または異なる硬化化学を有し得る。第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物の各々は、他の共反応性組成物中の化合物と反応することができる化合物を独立して含み得る。
【0058】
共反応性組成物は、第1の官能基を有する第1の化合物および第2の官能基を有する第2の化合物を含み得、官能基は、反応して、硬化ポリマーネットワークを形成する。同一の硬化化学を有する共反応性組成物について、第1の官能基および第2の官能基は、共反応性組成物の両方において同一であろう。例えば、第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物の両方は、チオール/エン化学に基づき得る。
【0059】
同一の硬化化学を有さないが、共反応することができる化合物を含む共反応性組成物について、両方の共反応性組成物中の第1の官能基は、同一であり得、第2の官能基は、異なり得、第1の官能基と共反応することができ得る。一例として、第1の官能基は、チオール基であり得、第1の共反応性組成物では、第2の官能基は、アルケニル基であり得、第2の共反応性組成物では、第2の官能基は、エポキシ基であり得る。第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物中の第2の官能基は、異なるが、それにもかかわらず、共通の第1の官能基、すなわち、チオール基と反応することができる。
【0060】
共反応し得る第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物を選択することによって、共反応物間の化学結合が、硬化中に行われ得る。第1の共反応性組成物と第2の共反応性組成物との間の界面での化学結合は、2つの共反応性組成物を統合して、堅牢で耐久性のある界面を提供する。硬化した共反応性組成物と未硬化の共反応性組成物との間で化学結合が生じ得るが、第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物、または界面における少なくとも共反応性組成物の部分が、最初に一緒になった時点で未硬化のままであるか、または少なくとも部分的に未硬化のままであり、次いで同時に硬化して、2つの共反応性組成物の間の界面における化合物間の反応の程度を増加させ、それによって、隣接する共反応性組成物間の化学結合を増加させることが望ましい。隣接する共反応性組成物間の結合は、絡み合いおよび/または層間の構成成分の移動によるなどの物理的方法を通じて生じ得る。
【0061】
共反応性三次元印刷を使用して、1つまたは1つより多くの共反応性組成物を締結具上に直接堆積させることによって製作されるシールキャップは、締結具と共反応性組成物との間のボイドを最小限に抑えることができる。共反応性組成物の硬化化学および粘度は、締結具の複雑な幾何学形状の周りを流れて適合するように選択され得、三次元印刷プロセスは、締結具表面とシーラントとの間に閉じ込められかねない空気を連続的に変位させるように設計され得る。共反応性三次元印刷はまた、シールキャップを製作するための硬化方法を使用して、容易にはアクセスできない広範囲にわたる硬化化学およびプレポリマーの使用を容易にすることができる。例えば、シールキャップを製作する現在の方法は、シーラント組成物のUV硬化を伴い得る。UV開始硬化を促進するために、硬化化学は、典型的には、フリーラジカル重合反応に基づいており、シーラント組成物は、UV放射がシーラントの深さに浸透することを可能にするために透過性でなければならない。結果として、UV硬化性シールキャップの硬化化学およびシーラント組成物は、制限され得る。本明細書に開示されるように、各層の所望の特性が特定の機能を提供するように最適化される複数の層を有するシールキャップを製作する能力は、単一の組成物から形成されるシールキャップと比較して優れた性能属性を有するシールキャップを提供することができる。さらに、共反応しおよび化学結合層を形成することができる共反応性組成物の使用は、強力な界面完全性を提供し、それによって、要求の厳しい航空宇宙使用条件での三次元印刷されたシールキャップの信頼性を向上させることができる。加えて、三次元印刷を使用してシーラント組成物を締結具上に直接堆積させるシールキャップを製作することにより、多くの形状およびサイズで提供され得る予め形成されたシールキャップを保管する物流が回避される。半自動化されるかまたは完全に自動化された制御下で三次元印刷を使用して所定の位置でシールキャップを直接製作することは、多くの異なる形状およびサイズを有する締結具上にシールキャップを製作するオペレーターの能力を促進する。
【0062】
シールキャップは、三次元印刷を使用して第1の共反応性組成物を締結具上に直接堆積させることと、堆積された第1の共反応性組成物を覆って予め製作されたシールキャップシェルを塗布することと、第1の共反応性組成物および必要に応じてシールキャップシェルを硬化させて、締結具をシールすることと、によって、製作され得る。
【0063】
第1の方法と同様に、1つまたは1つより多くの共反応性組成物は、順次にまたは同時のいずれか一方で、締結具上に直接堆積され得る。予め形成されたシールキャップシェルは、第2の共反応性組成物の連続した層を堆積させることによって、または他の手段によって、三次元印刷を使用して製作され得る。少なくともシールキャップシェルの外面は、取り扱いを容易にするために少なくとも部分的に硬化させ得る。シールキャップシェルの内面は、第1の共反応性組成物がシールキャップシェルに化学的に結合する能力を促進するように部分的に硬化させ得るか、または未硬化とし得る。予め形成されたシールキャップシェルは、完全に硬化させ得る。予め形成されたシールキャップシェルは、第2の共反応性組成物を含み得、第2の共反応性組成物は、堆積された共反応性組成物と同一であっても異なっていてもよく、堆積された共反応性組成物と同一もしくは異なる硬化化学を有し得るか、堆積された共反応性組成物と共反応することができ得るか、または堆積された共反応性組成物と非反応性であり得る。
【0064】
本開示によって提供される締結具をシールする方法はまた、三次元印刷によって第1の共反応性組成物の連続した層を堆積させて、内部容積を画定するシールキャップシェルを形成することと、内部容積を第2の共反応性組成物で充填して、締結具を覆って固定され、かつ締結具をシールするように硬化し得るシールキャップを提供することと、を含む。
【0065】
第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物は、同一であっても異なっていてもよく、同一のまたは異なる硬化化学を有し得る。第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物は、互いに対して共反応性であってもよいし、共反応性でなくてもよい。
【0066】
シールキャップシェルは、内部容積が第2の共反応性組成物で充填された時点で部分的に硬化または完全に硬化し得る。シールキャップシェルと第2の共反応性組成物との間の化学結合を容易にするために、少なくとも、シールキャップシェルの内面を形成する第1の共反応性組成物の部分が、完全には硬化していないことが望ましい場合がある。また、シールキャップシェルと第2の共反応性組成物との間の化学結合を容易にするために、第1の共反応性組成物は、第2の共反応性組成物中の化合物と反応することができる化合物を含み得る。
【0067】
シールキャップの内部容積を第2の共反応性組成物で充填することは、三次元印刷を使用して、またはスパチュラもしくは他のツールを使用した押し出し成形または充填などの他の方法を使用して、第2の共反応性組成物を内部容積内に堆積させることを含み得る。
【0068】
シールキャップの内部容積を充填する第2の共反応性組成物は、第2の共反応性組成物が締結具の表面に適合する能力を促進する粘度を有し得、ボイドまたはポケットを除去しない場合でも最小限に抑えることができる。シールキャップが締結具を覆って配置された時点で、第2の共反応性組成物は、未硬化であり得るか、または部分的に硬化され得る。
【0069】
締結具を覆って配置された後、シールキャップシェルおよび内部の第2の共反応性組成物は、第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物の硬化化学に適切な任意の好適な方法によって硬化させ得る。
【0070】
この方法の変更として、シールキャップを、共反応性三次元印刷の連続した層を堆積させて、シールキャップを形成することによって、製作し得る。この方法では、シールキャップは、シールキャップシェルを製作し、かつ内部容積を充填するための別にステップなしで、ワンピースとして製作される。この方法では、シールキャップの外面を部分的に硬化させるか、または完全に硬化させて、シールキャップの取り扱いおよび締結具上への配置を容易にすることができる。シールキャップの内部容積内の共反応性組成物は、未硬化の共反応性組成物が締結具に適合して締結具を覆う能力を促進するために、未硬化または部分的に未硬化のままであり得る。
【0071】
この方法では、シールキャップの外側部分、中間部分、および/または内側部分は、同一のもしくは異なる共反応性組成物を含み得、同一のもしくはは異なる硬化化学を有し得、および/またはシールキャップの他の部分に対して共反応性であり得る。例えば、シールキャップの外側部分は、高速硬化速度を有し得、内側部分は、低速硬化速度を有し得る。ここで、高速および低速の硬化速度とは、シールキャップの異なる部分の相対硬化速度を指す。例えば、シールキャップの外側部分は、シールキャップの内側部分のものと比較して、より短い作業時間またはゲル化時間、およびより短い不粘着時間を有し得る。シールキャップセットの外側部分を有することは、形状および取り扱いを保持するシールキャップの能力を促進することができる。シールキャップの内側部分についてのより低速の硬化速度は、材料特性が完全に発現する時間を可能にすることができる。別の例として、外面は、化学線への曝露時に迅速に硬化して、シールキャップの取り扱いを容易にすることができる。
【0072】
予め製作されたシールキャップは、三次元印刷物の1つまたは1つより多くの層を含む締結具に塗布され得る。印刷物は、締結具の複雑な表面に適合し、予め製作されたシールキャップが塗布され得るコンフォーマルまたは滑らかな表面を提供し得る。共反応性組成物を使用することによって、層間の結合を強化することができる。
【0073】
シールキャップ、シールキャップシェルを製作するための、および/または内部容積を充填するための共反応性組成物は、任意の好適な骨格を有するプレポリマー、任意の好適な反応性官能基を有するプレポリマー、任意の好適な硬化化学に基づく共反応性化合物、および/または任意の好適な添加剤を含み得る。
【0074】
第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物は、例えば、同一のもしくは異なるプレポリマー骨格を有するプレポリマー、同一のもしくは異なる反応性官能基を有するプレポリマー、同一のもしくは異なる硬化化学を有する共反応性化合物、異なる硬化速度を有する共反応性化合物、および/または同一のもしくは異なる添加剤を含み得る。例えば、第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物は、異なるタイプの構成成分および/または異なる量の構成成分を含み得る。例えば、第1の共反応性組成物は、第1の重量%の1つまたは1つより多くの構成成分を含み得、第2の共反応性組成物は、第2の重量%の1つまたは1つより多くの構成成分を含み得、第1の重量%は、構成成分のうちの少なくとも1つについての第2の重量%と同一であるかまたは異なり、重量%は、それぞれの共反応性組成物の総重量に基づく。
【0075】
別の例として、第1の共反応性組成物は、第1の体積%の1つまたは1つより多くの構成成分を含み得、第2の共反応性組成物は、第2の体積%の1つまたは1つより多くの構成成分を含み得、第1の体積%は、構成成分のうちの少なくとも1つについての第2の体積%と同一であるかまたは異なり、重量%は、それぞれの共反応性組成物の総体積に基づく。
【0076】
同様に、硬化すると、第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物は、例えば、溶媒耐性、物理的特性、および/または比重を含む、同一のまたは異なる材料特性を有し得る。
【0077】
第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物は、他の共反応性組成物中の化合物と反応することができる化合物を含み得る。
【0078】
共反応性組成物は、第1の官能基を有する第1の化合物、および第2の官能基を含む第2の化合物を含み得、第1の官能基は、第2の官能基に対して反応性である。第1の化合物および第2の化合物は、モノマー、モノマーの組み合わせ、プレポリマー、プレポリマーの組み合わせ、またはこれらの組み合わせを独立して含み得る。
【0079】
共反応性組成物は、例えば、共反応性化合物間の反応が、化学線への曝露などのエネルギーへの曝露によって開始される、ワンパート共反応性組成物を含み得る。
【0080】
共反応性組成物は、第1の官能基を有する第1の化合物を含む第1の共反応性成分と、第2の官能基を有する第2の化合物を含む第2の共反応性成分と、を混ぜ合わせ、混合することによって形成され得、第1の官能基は、第2の官能基に対して反応性である。
【0081】
共反応性組成物は、40℃未満、30℃未満、20℃未満、または10℃未満などの50℃未満の温度で、化学線への曝露なしにまたは化学線への曝露後に反応することができる共反応性化合物を含み得る。例えば、共反応性化合物は、5℃~50℃、10℃~40℃、または15℃~25℃、または20℃~30℃の温度で反応し得る。共反応性組成物は、室温で共反応および硬化する共反応性化合物を含み得、室温とは、20℃~25℃、20℃~22℃、または約20℃の温度を指す。
【0082】
共反応性組成物は、25℃かつ0.1毎秒~100毎秒の剪断速度で、例えば、200cP~50,000,000cP、200cP~20,000,000cP、1,000cP~18,000,000cP、5,000cP~15,000,000cP、5,000cP~10,000,000cP、5,000cP~5,000,000cP、5,000cP~1,000,000cP、5,000cP~100,000cP、5,000cP~50,000cP、5,000cP~20,000cP、6,000cP~15,000cP、7,000cP~13,000cP、または8,000cP~12,000cPの粘度を有する。共反応性組成物は、25℃かつ0.1毎秒~100毎秒の剪断速度で、例えば、200cP超、1,000cP超、10,000cP超、1,000,000cP超、または10,000,000cP超の粘度を有する。共反応性組成物は、25℃かつ0.1毎秒~100毎秒の剪断速度で、例えば100,000,000cP未満、10,000,000cP未満、1,000,000cP未満、100,000cP未満、10,000未満、または1,000cP未満の粘度を有する。粘度値は、25℃の温度かつ100毎秒の剪断速度で、1mmからのギャップを有するAnton Paar
MCR 302レオメータを使用して測定される。
【0083】
共反応性組成物は、硬化時にシーラントを形成するシーラント組成物として製剤化され得る。
【0084】
シーラントとは、水分および温度などの大気条件に抵抗し、かつ/または水、溶媒、燃料、油圧流体、ならびに他の液体およびガスなどの材料の伝達を少なくとも部分的に遮断する能力を有する材料を指す。シーラントは、燃料および油圧流体に対する耐性などの耐薬品性を呈し得る。耐薬品性材料は、例えば、EN ISO 10563に従って判定されるような、70℃で7日間化学物質に浸漬した後の、25%未満、20%未満、15%未満、または10%未満の膨潤率を呈し得る。シーラントは、Jet Reference Fluid(JRF)タイプIまたはSkydrol(登録商標)LD-40油圧流体に対する耐性を呈し得る。
【0085】
シールキャップシェルなどのシールキャップの外側部分または多層シールキャップの外側部分がシーラントを含むことが望ましい場合がある。環境に曝露されたシールキャップの外側部分は、耐溶剤性バリアとしての役割を果たすことができる。締結具に隣接するシールキャップの内側部分は、シーラント製剤を含んでも、含まなくてもよい。シールキャップの内側部分は、設計に応じて、締結具上に直接堆積された硬化した共反応性組成物を含み得るか、またはシールキャップシェルの内部容積内に堆積され、次いで、締結具上に組み立てられた硬化した共反応性組成物を含み得る。
【0086】
シールキャップの外側部分は、第1のシーラントを含み得、内側部分は、第2のシーラントを含み得、第1のシーラントおよび第2のシーラントは、同一であっても異なっていてもよい。
【0087】
本開示によって提供される共反応性組成物において使用されるプレポリマーは、例えば、20,000Da未満、15,000Da未満、10,000Da未満、8,000Da未満、6,000Da未満、4,000Da未満、または2,000Da未満の数平均分子量を有し得る。プレポリマーは、例えば、2,000Da超、4,000Da超、6,000Da超、8,000Da超、10,000Da超、または15,000Da超の数平均分子量を有し得る。プレポリマーは、例えば、1,000Da~20,000Da、2,000Da~10,000Da、3,000Da~9,000Da、4,000Da~8,000Da、または5,000Da~7,000Daの数平均分子量を有し得る。
【0088】
本開示によって提供される共反応性組成物中で使用されるプレポリマーは、25℃で液体であり得、例えば、-20℃未満、-30℃未満、または-40℃未満のガラス転移温度Tgを有し得る。
【0089】
本開示によって提供される共反応性組成物中で使用されるプレポリマーは、例えば、25℃で、20ポアズ~500ポアズ(2Pa秒~50Pa秒)、20ポアズ~200ポアズ(2Pa秒~20Pa秒)、または40ポアズ~120ポアズ(4Pa秒~12Pa秒)の範囲内の粘度を呈し得る。
【0090】
共反応性組成物は、任意の好適なポリマー骨格を有するプレポリマーを含み得る。ポリマー骨格は、例えば、硬化した共反応性組成物に溶媒耐性を付与し、引張強度、伸長率、ヤング率、耐衝撃性、または他の用途に関連する特性などの所望の物理的特性を付与するように選択され得る。プレポリマー骨格は、特定の硬化化学に対して適宜1つ以上の好適な官能基で終端し得る。
【0091】
例えば、プレポリマー骨格は、ポリチオエーテル、ポリスルフィド、ポリホルマール、ポリイソシアネート、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンオキシド、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、スチレンアクリロニトリル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリビニルクロライド、ポリブタジエン、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(p-フェニレンオキシド)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンイミン、ポリフェニルスルホン、アクリロニトリルスチレンアクリレート、ポリエチレン、シンジオタクチックまたはアイソタクチックポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリアミド、エチル-ビニルアセテートホモポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、エチレンのコポリマー、プロピレンのコポリマー、プロピレンのインパクトコポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオキシメチレン、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶性ポリマー(LCP)、ブテンのホモポリマーおよびコポリマー、ヘキセンのホモポリマーおよびコポリマー、ならびに上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0092】
他の好適なプレポリマー骨格の例としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、およびオレフィンコポリマーなど)、スチレン/ブタジエンゴム(SBR)、スチレン/エチレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SEBS)、ブチルゴム、エチレン/プロピレンコポリマー(EPR)、エチレン/プロピレン/ジエンモノマーコポリマー(EPDM)、ポリスチレン(高インパクトポリスチレンを含む)、ポリ(ビニルアセテート)、エチレン/ビニルアセテートコポリマー(EVA)、ポリ(ビニルアルコール)、エチレン/ビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(メチルメタクリレート)、および他のアクリレートポリマーおよびコポリマー(メチルメタクリレートポリマー、メタクリレートコポリマー、1つまたは1つより多くのアクリレートに由来するポリマー、メタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートなどを含む)、オレフィンおよびスチレンコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)、スチレン/アクリロニトリルポリマー(SAN)、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、イソブチレン/無水マレイン酸コポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー、ポリ(アクリロニトリル)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリエステル、液晶性ポリマー(LCP)、ポリ(乳酸)、ポリ(フェニレンオキシド)(PPO)、PPO-ポリアミド合金、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリオキシメチレン(POM)ホモポリマーおよびコポリマー、ポリエーテルイミド、フッ化エチレンプロピレンポリマー(FEP)、ポリ(ビニルフルオライド)、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ポリ(ビニリデンクロライド)、およびポリ(ビニルクロライド)、ポリウレタン(熱可塑性および熱硬化性)、アラミド(Kevlar(登録商標)およびNomex(登録商標)など)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリシロキサン(ポリジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン/ビニルメチルシロキサンコポリマー、ビニルジメチルシロキサン末端ポリ(ジメチルシロキサン))、エラストマー、エポキシポリマー、ポリ尿素、アルキド、セルロースポリマー(エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、およびセルロースアセテートブチレートなど)、ポリ(エチレンオキシド)などのポリエーテルおよびグリコール(ポリ(エチレングリコール)としても知られる)、ポリ(プロピレンオキシド)(ポリ(プロピレングリコール)としても知られる)、ならびにエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、アクリルラテックスポリマー、ポリエステルアクリレートオリゴマーおよびポリマー、ポリエステルジオールジアクリレートポリマー、ならびにUV硬化性樹脂、が挙げられる。
【0093】
共反応性組成物は、エラストマー骨格を含むプレポリマーを含み得る。
【0094】
「エラストマー」、「エラストマーの」などとは、「ゴムのような」特性を有し、低ヤング率および高引張ひずみを一般に有する材料を指す。エラストマーは、約100%~約2,000%の引張ひずみ(破断時の伸長)を有し得る。エラストマーは、例えば、ASTM D624に従って判定されるような、50kN/m~200kN/mの引裂強度を呈し得る。エラストマーのヤング率は、例えば、ASTM D412.4893に従って判定されるような、1MPa~6MPaなどの0.5MPa~30MPaの範囲であり得る。
【0095】
エラストマー骨格を有する好適なプレポリマーの例としては、ポリエーテル、ポリブタジエン、フルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー、エチレン/アクリルコポリマー、エチレンプロピレンジエンテルポリマー、ニトリル、ポリチオールアミン、ポリシロキサン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、イソプレン、ネオプレン、ポリスルフィド、ポリチオエーテル、シリコーン、スチレンブタジエン、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。エラストマープレポリマーは、例えば、ポリメチルヒドロシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチルヒドロシロキサン、ポリジエチルシロキサン、または上記のうちのいずれかの組み合わせなどのポリシロキサンを含み得る。エラストマープレポリマーは、シラノール基などのアミン基およびイソシアネート基との反応性が低い官能基を含み得る。
【0096】
共反応性組成物は、硫黄含有プレポリマーまたは硫黄含有プレポリマーの組み合わせを含み得る。硫黄含有プレポリマーは、硬化したシーラントに燃料耐性を付与し得る。
【0097】
「硫黄含有プレポリマー」とは、1つまたは1つより多くのチオエーテル-Sn-基を有するプレポリマーを指し、nは、例えば、プレポリマーの骨格において1~6であり得る。チオールまたは他の硫黄含有基のみを末端基として、またはプレポリマーのペンデント基としてのいずれか一方で含有するプレポリマーは、硫黄含有プレポリマーには包含されない。プレポリマー骨格とは、繰り返しセグメントを有するプレポリマーの一部分を指す。したがって、各Rが硫黄原子を含有しない部分であるHS-R-R(-CH2-SH)-[-R-(CH2)2-S(O)2-(CH2)-S(O)2]n-CH=CH2の構造を有するプレポリマーは、硫黄含有プレポリマーには包含されない。少なくとも1つのRが、チオエーテル基などの硫黄含有部分がない硫黄原子を含有する部分である、構造HS-R-R(-CH2-SH)-[-R-(CH2)2-S(O)2-(CH2)-S(O)2]-CH=CH2を有するプレポリマーは、硫黄含有プレポリマーに包含される。
【0098】
高硫黄含有量を有する硫黄含有プレポリマーは、硬化した共反応性組成物に耐薬品性を付与し得る。例えば、硫黄含有プレポリマー骨格は、10重量%超、12重量%超、15重量%超、18重量%超、20重量%超、または25重量%超の硫黄含有量を有し得、重量%は、プレポリマー骨格の総重量に基づく。化学的に耐性のあるプレポリマー骨格は、例えば、10重量%~25重量%、12重量%~23重量%、13重量%~20重量%、または14重量%~18重量%の硫黄含有量を有し得、重量%は、プレポリマー骨格の総重量に基づく。
【0099】
共反応性組成物は、例えば、40重量%~80重量%、40重量%~75重量%、45重量%~70重量%、または50重量%~70重量%の硫黄含有プレポリマーまたは硫黄含有プレポリマーの組み合わせを含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。共反応性組成物は、例えば、40重量%超、50重量%超、60重量%超、70重量%超、80重量%超、または90重量%超の硫黄含有プレポリマーまたは硫黄含有プレポリマーの組み合わせを含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。共反応性組成物は、例えば、90重量%未満、80重量%未満、70重量%未満、60重量%未満、50重量%未満、または40重量%未満の硫黄含有プレポリマーまたは硫黄含有プレポリマーの組み合わせを含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。
【0100】
硫黄含有骨格を有するプレポリマーの例としては、ポリチオエーテルプレポリマー、ポリスルフィドプレポリマー、硫黄含有ポリホルマールプレポリマー、モノスルフィドプレポリマー、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0101】
共反応性組成物は、ポリチオエーテルプレポリマーまたはポリチオエーテルプレポリマーの組み合わせを含み得る。
【0102】
ポリチオエーテルプレポリマーは、式(2)の構造を有する少なくとも1つの部分、式(2a)のチオール末端ポリチオエーテルプレポリマー、式(2b)の末端修飾ポリチオエーテル、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含むポリチオエーテルプレポリマーを含み得、
-S-R1-[S-A-S-R1-]n-S- (2)
HS-R1-[S-A-S-R1-]n-SH (2a)
R3-S-R1-[S-A-S-R1-]n-S-R3 (2b)
式中、
nは、1~60の整数であり得、
各R3は、独立して、末端反応性基を含む部分であり得、
各R1は、C2-10アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-14アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル、および-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-から独立して選択され得、式中、
pは、2~6の整数であり得、
qは、1~5の整数であり得、
rは、2~10の整数であり得、
各Rは、水素およびメチルから独立して選択され得、ならびに
各Xは、O、S、およびS-Sから独立して選択され得、
各Aは、独立して、式(3)のポリビニルエーテルおよび式(4)のポリアルケニル多官能化剤に由来する部分であり得、
CH2=CH-O-(R2-O)m-CH=CH2 (3)
B(-R4-CH=CH2)z (4)
式中、
mは、0~50の整数であり得、
各R2は、C1-10アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-14アルカンシクロアルカンジイル、および-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-から独立して選択され得、式中、p、q、r、R、およびXは、R1に関して定義される通りであり、
Bは、z価のポリアルケニル多官能化剤B(-R7-CH=CH2)zのコアを表し、
zは、3~6の整数であり得、
各R4は、C1-10アルカンジイル、C1-10ヘテロアルカンジイル、置換C1-10アルカンジイル、および置換C1-10ヘテロアルカンジイルから独立して選択され得る。
【0103】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマーでは、R1は、C2-10アルカンジイルであり得る。
【0104】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマーでは、R1は、-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-であり得る。
【0105】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマーでは、Xは、OおよびSから選択され得、したがって、-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-は-[(CHR)p-O-]q(CHR)r-または-[(CHR)p-S-]q(CHR)r-であり得る。Pおよびrは、pおよびrが両方とも2であり得る場合など、等しい場合がある。
【0106】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマーでは、R1は、C2-6アルカンジイルおよび-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-から選択され得る。
【0107】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマーでは、R1は、-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-であり得、Xは、Oであり得るか、またはXは、Sであり得る。
【0108】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマー(式中、R1は、-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-であり得る)では、pは、2であり得、かつrは、2であり得、かつqは、1であり得、かつXは、Sであり得るか、またはpは、2であり得、かつqは、2であり得、かつrは、2であり得、かつXは、Oであり得るか、またはpは、2であり得、かつrは、2であり得、かつqは、1であり得、かつXは、Oであり得る。
【0109】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマーでは、R1は、-[(CHR)p-X-]q(CHR)r-であり得、各Rは、水素であり得るか、または少なくとも1つのRは、メチルであり得る。
【0110】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマーでは、R1は、-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-であり得、各Xは、OおよびSから独立して選択され得る。
【0111】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマーでは、R1は、-[(CH2)p-X-]q(CH2)rであり得、各Xは、Oであり得るか、または各Xは、Sであり得る。
【0112】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマーでは、R1は、-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-であり得、pは、2であり得、Xは、Oであり得、qは、2であり得、rは、2であり得、R2は、エタンジイルであり得、mは、2であり得、nは、9であり得る。
【0113】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマーでは、各R1は、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン(DMDO;2,2-(エタン-1,2-ジイルビス(スルファニル))ビス(エタン-1-チオール))に由来し得るか、または各R1は、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS;2,2’-チオビス(エタン-1-チオール))、およびこれらの組み合わせに由来し得る。
【0114】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマーでは、各pは、2、3、4、5、および6から独立して選択され得る。各pは、同一であってもよく、2、3、4、5、または6であってもよい。
【0115】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマーでは、各qは、独立して、1、2、3、4、または5であり得る。各qは、同一であってもよく、1、2、3、4、または5であってもよい。
【0116】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマーでは、各rは、独立して、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり得る。各rは、同一であってもよく、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であってもよい。
【0117】
式(2)の部分ならびに式(2a)および(2b)のプレポリマーでは、各rは、独立して、2~4、2~6、または2~8の整数であり得る。
【0118】
式(3)のジビニルエーテルでは、mは、0~40、0~20、0~10、1~50、1~40、1~20、1~10、2~50、2~40、2~20、または2~10などの0~50の整数であり得る。
【0119】
式(3)のジビニルエーテルでは、各R2は、C2-10n-アルカンジイル基、C3-6分枝アルカンジイル基、および-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基から独立して選択され得る。
【0120】
式(3)のジビニルエーテルでは、各R2は、独立して、メタンジイル、エタンジイル、n-プロパンジイル、またはn-ブタンジイルなどのC2-10n-アルカンジイル基であり得る。
【0121】
式(3)のジビニルエーテルでは、各R2は、-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基を独立して含み得、各Xは、OまたはSであり得る。
【0122】
式(3)のジビニルエーテルでは、各R2は、-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基を独立して含み得る。
【0123】
式(3)のジビニルエーテルでは、各mは、独立して、1~3の整数であり得る。各mは、同一であってもよく、1、2、または3であってもよい。
【0124】
式(3)のジビニルエーテルでは、各R2は、C2-10n-アルカンジイル基、C3-6分枝アルカンジイル基、および-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基から独立して選択され得る。
【0125】
式(3)のジビニルエーテルでは、各R2は、独立して、C2-10n-アルカンジイル基であり得る。
【0126】
式(3)のジビニルエーテルでは、各R2は、独立して、-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基であり得、各Xは、OまたはSであり得る。
【0127】
式(3)のジビニルエーテルでは、各R2は、独立して、a-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基であり得、各Xは、OまたはSであり得、各pは、独立して、2、3、4、5、および6であり得る。
【0128】
式(3)のジビニルエーテルでは、各pは、同一であってもよく、2、3、4、5、または6であってもよい。
【0129】
式(3)のジビニルエーテルでは、各R2は、独立して、a-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基であり得、各Xは、OまたはSであり得、各qは、独立して、1、2、3、4、または5であり得る。
【0130】
式(3)のジビニルエーテルでは、各qは、同一であってもよく、1、2、3、4、または5であってもよい。
【0131】
式(3)のジビニルエーテルでは、各R2は、独立して、a-[(CH2)p-X-]q(CH2)r-基であり得、各Xは、OまたはSであり、各rは、独立して、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり得る。
【0132】
式(3)のジビニルエーテルでは、各rは、同一であってもよく、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であってもよい。式(3)のジビニルエーテルでは、各rは、独立して、2~4、2~6、または2~8の整数であり得る。
【0133】
好適なジビニルエーテルの例としては、エチレングリコールジビニルエーテル(EG-DVEブタンジオールジビニルエーテル(BD-DVE)ヘキサンジオールジビニルエーテル(HD-DVE)、ジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG-DVE)、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリテトラヒドロフリルジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0134】
ジビニルエーテルは、硫黄含有ジビニルエーテルを含み得る。好適な硫黄含有ジビニルエーテルの例は、例えば、PCT公開第WO2018/085650号に開示されている。
【0135】
式(3)の部分では、各Aは、ポリアルケニル多官能化剤に独立して由来し得る。ポリアルケニル多官能化剤は、式(4)の構造を有し得、式中、zは、3、4、5、または6であり得る。
【0136】
式(4)のポリアルケニル多官能化剤では、各R4は、C1-10アルカンジイル、C1-10ヘテロアルカンジイル、置換C1-10アルカンジイル、または置換C1-10ヘテロアルカンジイルから独立して選択され得る。1つまたは1つより多くの置換基は、例えば、-OH、=O、C1-4アルキル、およびC1-4アルコキシから選択され得る。1つまたは1つより多くのヘテロ原子は、例えば、O、S、およびこれらの組み合わせから選択され得る。
【0137】
好適なポリアルケニル多官能化剤の例としては、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン)、1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン)、1,3-ビス(2-メチルアリル)-6-メチレン-5-(2-オキソプロピル)-1,3,5-トリアジノン-2,4-ジオン、トリス(アリルオキシ)メタン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、1-(アリルオキシ)-2,2-ビス((アリルオキシ)メチル)ブタン、2-プロパ-2-エトキシ-1,3,5-トリス(プロパ-2-エニル)ベンゼン、1,3,5-トリス(プロパ-2-エニル)-1,3,5-トリアジナン-2,4-ジオン、および1,3,5-トリス(2-メチルアリル)-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン、1,4,2-トリビシクロシアン、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ならびに上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0138】
式(2)の部分および式(2a)~(2b)のプレポリマーでは、ポリアルケニル多官能化剤に由来する部分に対するジビニルエーテルに由来する部分のモル比は、例えば、0.9mol%~0.999mol%、0.95mol%~0.99mol%、または0.96mol%~0.99mol%であり得る。
【0139】
式(2)の部分および式(2a)~(2b)のプレポリマーでは、各R1は、-(CH2)2-O-(CH2)2-O-(CH2)2-であり得、各R2は、-(CH2)2-であり得、mは、1~4の整数であり得る。
【0140】
式(2)の部分および式(2a)~(2b)のプレポリマーでは、R2は、ジエチレングリコールジビニルエーテルなどのジビニルエーテル、トリアリルシアヌレートなどのポリアルケニル多官能化剤、またはこれらの組み合わせに由来し得る。
【0141】
式(2)の部分および式(2a)~(2b)のプレポリマーでは、各Aは、式(3a)の部分および式(4a)の部分から独立して選択され得、
-(CH2)2-O-(R2-O)m-(CH2)2- (3a)
B{-R4-(CH2)2-}2{-R4-(CH2)2-S-[-R1-S-A-S-R1]n-SH}z-2 (4a)
式中、m、R1、R2、R4、A、B、m、n、およびzは、式(2)、式(3)、および式(4)に定義される通りである。
【0142】
式(3)の部分および式(2a)~(2b)のプレポリマーでは、各R1は、-(CH2)2-O-(CH2)2-(CH2)2-であり得、各R2は、-(CH2)2-であり得、mは、1~4の整数であり得、多官能化剤B(-R4-CH=CH2)zは、トリアリルシアヌレートを含み、式中、zは、3であり、各R4は、-O-CH2-CH=CH2である。
【0143】
硫黄含有ポリチオエーテルを合成する方法は、例えば、米国特許第6,172,179号に開示されている。
【0144】
チオール末端ポリチオエーテルプレポリマーの骨格は、ポリチオエーテルプレポリマーを使用して調製されたシーラントおよびコーティングの接着性、引張強度、伸長性、耐UV性、硬度、および/または可撓性などの特性を改善するように修飾され得る。例えば、接着促進基、酸化防止剤、金属リガンド、および/またはウレタン結合を、ポリチオエーテルプレポリマーの骨格に組み込んで、1つまたは1つより多くの性能属性を改善することができる。骨格修飾ポリチオエーテルプレポリマーの例は、例えば、米国特許第8,138,273号(ウレタン含有)、米国特許第9,540,540号(スルホン含有)、米国特許第8,952,124号(ビス(スルホニル)アルカノール含有)、米国特許第9,382,642号(金属配位子含有)、米国出願公開第2017/0114208号(酸化防止剤含有)、PCT国際公開第WO2018/085650号(硫黄含有ジビニルエーテル)、およびPCT国際公開第WO2018/031532号(ウレタン含有)に開示されている。ポリチオエーテルプレポリマーとしては、米国出願公開第2017/0369737号および第2016/0090507号に記載されているプレポリマーが挙げられる。
【0145】
好適なチオール末端ポリチオエーテルプレポリマーの例は、例えば、米国特許第6,172,179号に開示されている。チオール末端ポリチオエーテルプレポリマーは、Permapol(登録商標)P3.1E、Permapol(登録商標)P3.1E-2.8、Permapol(登録商標)L56086、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得、これらの各々は、PPG Aerospaceから入手可能である。これらのPermapol(登録商標)製品は、式(2)、(2a)、および(2b)のチオール末端ポリチオエーテルプレポリマーに包含される。チオール末端ポリチオエーテルとしては、米国特許第7,390,859号に記載されているプレポリマー、ならびに米国出願公開第2017/0369757号および第2016/0090507号に記載されているウレタン含有ポリチオールが挙げられる。
【0146】
硫黄含有プレポリマーは、ポリスルフィドプレポリマーまたはポリスルフィドプレポリマーの組み合わせを含み得る。
【0147】
ポリスルフィドプレポリマーとは、プレポリマー骨格内に1つまたは1つより多くのポリスルフィド結合、すなわち、xが2~4である-Sx-結合を含有するプレポリマーを指す。ポリスルフィドプレポリマーは、2つまたは2つより多くの硫黄-硫黄結合を有し得る。好適なチオール末端ポリスルフィドプレポリマーは、例えば、AkzoNobelおよびToray Industries,Inc.から、それぞれThioplast(登録商標)およびThiokol-LP(登録商標)の商標名で市販されている。
【0148】
好適なポリスルフィドプレポリマーの例は、例えば、米国特許第4,623,711号、第6,172,179号、第6,509,418号、第7,009,032号、および第7,879,955号に開示されている。
【0149】
好適なチオール末端ポリスルフィドプレポリマーの例としては、AkzoNobelから市販されている、チオプラスト(登録商標)G1、チオプラスト(登録商標)G4、チオプラスト(登録商標)G10、チオプラスト(登録商標)G12、チオプラスト(登録商標)G21、チオプラスト(登録商標)G22、チオプラスト(登録商標)G44、チオプラスト(登録商標)G122、およびチオプラスト(登録商標)G131などのチオプラスト(登録商標)Gポリスルフィドが挙げられる。チオプラスト(登録商標)G樹脂などの好適なチオール末端ポリスルフィドプレポリマーは、二官能性チオール末端ポリスルフィドプレポリマーが式(5)の構造を有し、かつ三官能性チオール末端ポリスルフィドポリマーが式(6)の構造を有し得る、二官能性分子および三官能性分子のブレンドである液体チオール末端ポリスルフィドプレポリマーであり、
HS-(R5-S-S-)d-R5-SH (5)
HS-(R5-S-S-)a-CH2-CH{-CH2-(S-S-R5-)b-SH}{-(S-S-R5-)c-SH} (6)
式中、各R5は、-(CH2)2-O-CH2-O-(CH2)2-であり、d=a+b+cであり、dの値は、ポリスルフィドプレポリマーの合成中に使用される三官能性架橋剤(1,2,3-トリクロロプロパン;TCP)の量に応じて7~38であり得る。チオプラスト(登録商標)Gポリスルフィドは、1,000Da未満~6,500Daの数平均分子量、1%~5.5%超のSH含有量、および0%~2.0%の架橋密度を有し得る。
【0150】
ポリスルフィドプレポリマーは、式(5a)の構造を有する末端修飾ポリスルフィドプレポリマー、式(6a)の構造を有する末端修飾ポリスルフィドプレポリマー、またはこれらの組み合わせをさらに含み得、
R3-S-(R5-S-S-)d-R5-S-R3 (5a)R3-S-(R5-S-S-)a-CH2-CH{-CH2-(S-S-R5-)b-S-}{-(S-S-R5-)c-S-R3} (6a)
式中、d、a、b、c、およびR5は、式(6)および式(7)について定義され、R3は、末端反応性基を含む部分である。
【0151】
好適なチオール末端ポリスルフィドプレポリマーの例としてはまた、LPポリスルフィド、Thiokol(登録商標)LP2、Thiokol(登録商標)LP3、Thiokol(登録商標)LP12、Thiokol(登録商標)LP23、Thiokol(登録商標)LP33、およびThiokol(登録商標)LP55などの、Toray Industries,Inc.から入手可能なThiokol(登録商標)も挙げられる。チオコール(登録商標)LPポリスルフィドは、1,000Da~7,500Daの数平均分子量、0.8%~7.7%の-SH含有量、および0%~2%の架橋密度を有する。チオコール(商標)LPポリスルフィドプレポリマーは、式(7)の構造を有し、末端修飾ポリスルフィドプレポリマーは、式(7a)の構造を有し得、
HS-[(CH2)2-O-CH2-O-(CH2)2-S-S-]e-(CH2)2-O-CH2-O-(CH2)2-SH (7)
R3-S-[(CH2)2-O-CH2-O-(CH2)2-S-S-]e-(CH2)2-O-CH2-O-(CH2)2-S-R3 (7a)
式中、eは、例えば8~80の整数などの、1,000Da~7,500Daの数平均分子量、および各R6が、末端反応性官能基を含む部分であるようにすることができる。
【0152】
チオール末端硫黄含有プレポリマーは、チオコール-LP(登録商標)ポリスルフィド、チオプラスト(登録商標)Gポリスルフィド、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0153】
ポリスルフィドプレポリマーは、式(7)の部分を含むポリスルフィドプレポリマー、式(7a)のチオール末端ポリスルフィドプレポリマー、式(7b)の末端修飾ポリスルフィドプレポリマー、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得、
-R6-(Sy-R6)t- (7)
HS-R6-(Sy-R6)t-SH (7a)
R3-S-R6-(Sy-R6)t-S-R3 (7b)
式中、
tは、1~60の整数であり得、
yは、1.0~1.5の範囲内の平均値を有し得、
各Rは、分枝アルカンジイル、分枝アレーンジイル、および構造-(CH2)p-O-(CH2)q-O-(CH2)r-を有する部分から独立して選択され得、式中、
qは、1~8の整数であり得、
pは、1~10の整数であり得、
rは、1~10の整数であり得、
各R3は、末端反応性官能基を含む部分である。
【0154】
式(7)の部分および式(7a)~(7b)のプレポリマーでは、0%~20%のR6基は、分枝アルカンジイルまたは分枝アレーンジイルを含み得、80%~100%のR6基は、-(CH2)p-O-(CH2)q-O-(CH2)r-であり得る。
【0155】
式(7)の部分および式(7a)~(7b)のプレポリマーでは、分枝アルカンジイルまたは分枝アレーンジイルは、-R(-A)f-であり得、式中、Rは、炭化水素基であり、fは、1または2であり、Aは、分枝点である。分枝アルカンジイルは、構造-CH2(-CH(-CH2)-)-を有し得る。
【0156】
式(7a)および(7b)のチオール末端ポリスルフィドプレポリマーの例は、例えば、米国出願公開第2016/0152775号、米国特許第9,079,833号、および米国特許第9,663,619号に開示されている。
【0157】
硫黄含有プレポリマーは、硫黄含有ポリホルマールプレポリマーまたは硫黄含有ポリホルマールプレポリマーの組み合わせを含み得る。シーラント用途に有用な硫黄含有ポリホルマールプレポリマーは、例えば、米国特許第8,729,216号および米国特許第8,541,513号に開示されている。
【0158】
ポリスルフィドプレポリマーは、式(8)の部分を含むポリスルフィドプレポリマー、式(8a)のチオール末端ポリスルフィドプレポリマー、式(8b)の末端修飾ポリスルフィドプレポリマー、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得、
-(R7-O-CH2-O-R7-Ss-)g-1-R7-O-CH2-O-R7-
(8)
HS-(R7-O-CH2-O-R-Ss-)g-1-R7-O-CH2-O-R7-SH (8a)
R3-S-(R7-O-CH2-O-R7-Ss-)g-1-R7-O-CH2-O-R7-S-R3 (8b)
式中、R7は、C2-4アルカンジイルであり、sは、1~8の整数であり、gは、2~370の整数であり、各R3は、独立して、末端反応性官能基を含む部分である。
【0159】
式(8)の部分および式(8a)~(8b)のプレポリマーでは、例えば、JP62/53354に開示されている。
【0160】
硫黄含有ポリホルマールプレポリマーは、式(9)の部分、式(9a)のチオール末端硫黄含有ポリホルマールプレポリマー、式(9b)の末端修飾硫黄含有ポリホルマールプレポリマー、式(9c)のチオール末端硫黄含有ポリホルマールプレポリマー、式(9d)の末端修飾硫黄含有ポリホルマールプレポリマー、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得、
-R8-(S)p-R8-[O-C(R9)2-O-R8-(S)v-R8-]h- (9)
R10-R8-(S)p-R8-[O-C(R9)2-O-R8-(S)v-R8-]h-R10 (9a)
R3-R8-(S)p-R8-[O-C(R9)2-O-R8-(S)v-R8-]h-R3 (9b)
{R10-R8-(S)p-R8-[O-C(R9)2-O-R8-(S)v-R8-]h-O-C(R9)2-O-}mZ (9c)
{R3-R8-(S)p-R8-[O-C(R9)2-O-R8-(S)v-R8-]h-O-C(R9)2-O-}mZ (9d)
式中、hは、1~50の整数であり得、各vは、1および2から独立して選択され得、各R8は、C2-6アルカンジイルであり得、各R9は、独立して、水素、C1-6アルキル、C7-12フェニルアルキル、置換C7-12フェニルアルキル、C6-12シクロアルキルアルキル、置換C6-12シクロアルキル、C3-12シクロアルキル、置換C3-12シクロアルキル、C6-12アリール、および置換C6-12アリールから選択され得、各R10は、末端チオール基を含む部分であり、各R3は、独立して、チオール基以外の末端反応性官能基を含む部分であり、Zは、m価の親ポリオールZ(OH)mのコアに由来し得る。
【0161】
硫黄含有プレポリマーは、モノスルフィドプレポリマーまたはモノスルフィドプレポリマーの組み合わせを含み得る。
【0162】
モノスルフィドプレポリマーは、式(10)の部分、式(10a)のチオール末端モノスルフィドプレポリマー、式(10b)のチオール末端モノスルフィドプレポリマー、式(10c)の末端修飾モノスルフィドプレポリマー、式(10d)の末端修飾モノスルフィドプレポリマー、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得、
-S-R13-[S-(R11-X)w-(R12-X)u-R13-]x-S- (10)
HS-R13-[S-(R11-X)w-(R12-X)u-R13-]x-SH (10a)
{HS-R13-[S-(R11-X)w-(R12-X)u-R13-]x-S-V’-}zB (10b)
R3-S-R13-[S-(R11-X)w-(R12-X)u-R13-]x-S-R3 (10c)
{R3-S-R13-[S-(R11-X)w-(R12-X)u-R13-]x-S-V’-}zB (10d)
式中、
各R11は、C2-6アルカンジイルなどのC2-10アルカンジイル、C3-6分枝アルカンジイル、または例えばメチル基もしくはエチル基などのアルキル基であり得る1つまたは1つより多くのペンダント基を有するC3-6分枝アルカンジイルなどのC2-10分枝アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルキルシクロアルカンジイルなどのC6-14アルキルシクロアルカンジイル、およびC8-10アルキルアレーンジイルから独立して選択され得、
各R12は、水素、C1-6n-アルカンジイルなどのC1-10n-アルカンジイル、例えばメチル基もしくはエチル基などのアルキル基であり得る1つまたは1つより多くのペンダント基を有するC3-6分枝アルカンジイルなどのC2-10分枝アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルキルシクロアルカンジイルなどのC6-14アルキルシクロアルカンジイル、およびC8-10アルキルアレーンジイルから独立して選択され得、
各R13は、水素、C1-6n-アルカンジイルなどのC1-10n-アルカンジイル、例えばメチル基もしくはエチル基などのアルキル基であり得る1つまたは1つより多くのペンダント基を有するC3-6分枝アルカンジイルなどのC2-10分枝アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルキルシクロアルカンジイルなどのC6-14アルキルシクロアルカンジイル、およびC8-10アルキルアレーンジイルから独立して選択され得、
各Xは、OおよびSから独立して選択され得、
wは、1~5の整数であり得、
uは、0~5の整数であり得、
xは、2~60、3~60、または25~35などの1~60の整数であり得、
各R3は、反応性官能基から独立して選択され得、
Bは、z価多官能化剤B(-V)zのコアを表し、
zは、3~6の整数であり得、
各Vは、チオール基に対して反応性の末端基を含む部分であり得、
各-V’-は、-Vとチオールとの反応に由来し得る。
【0163】
式(10)の部分または式(10b)~(10c)のプレポリマーを含む、チオール末端モノスルフィドを合成する方法は、例えば、米国特許第7,875,666号に開示されている。
【0164】
モノスルフィドプレポリマーは、式(11)の部分を含み得、式(11a)の部分を含むチオール末端モノスルフィドプレポリマーは、式(11b)のチオール末端モノスルフィドプレポリマー、式(11c)のチオール末端モノスルフィドプレポリマー、式(11d)のチオール末端モノスルフィドプレポリマー、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得、
-[S-(R14-X)w-C(R15)2-(X-R14)q-]x-S- (11)
H-[S-(R14-X)w-C(R15)2-(X-R14)u-]x-SH (11a)
R3-[-S-(R14-X)w-C(R15)2-(X-R14)u-]x-S-R3(11b)
{H-[S-(R14-X)w-C(R15)2-(X-R14)u-]x-S-V’-}zB (11c)
{R3-[S-(R14-X)w-C(R15)2-(X-R14)u-]x-S-V’-}zB (11d)
式中、
各R14は、C2-6アルカンジイルなどのC2-10アルカンジイル、C3-6分枝アルカンジイル、または例えばメチル基もしくはエチル基などのアルキル基であり得る1つまたは1つより多くのペンダント基を有するC3-6分枝アルカンジイルなどのC3-10分枝アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルキルシクロアルカンジイルなどのC6-14アルキルシクロアルカンジイル、およびC8-10アルキルアレーンジイルから独立して選択され得、
各R15は、水素、C1-6n-アルカンジイルなどのC1-10n-アルカンジイル、例えばメチル基もしくはエチル基などのアルキル基であり得る1つまたは1つより多くのペンダント基を有するC3-6分枝アルカンジイルなどのC3-10分枝アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルキルシクロアルカンジイルなどのC6-14アルキルシクロアルカンジイル、およびC8-10アルキルアレーンジイルから独立して選択され得、
各Xは、OおよびSから独立して選択され得、
wは、1~5の整数であり得、
uは、1~5の整数であり得、
xは、2~60、3~60、または25~35などの1~60の整数であり得、
各R3は、末端官能基を含む部分であり、
Bは、z価多官能化剤B(-V)zのコアを表し、
zは、3~6の整数であり得、
各Vは、チオール基に対して反応性の末端基を含む部分であり得、
各-V’-は、-Vとチオールとの反応に由来し得る。
【0165】
式(11)~(11d)のモノスルフィドを合成する方法は、例えば、米国特許第8,466,220号に開示されている。
【0166】
共反応性組成物は、任意の好適な共反応性官能基を有する共反応性化合物を含み得る。
【0167】
第1の共反応性化合物は、1つまたは1つより多くの第1の官能基を含み得、第2の共反応性化合物は、1つまたは1つより多くの第2の官能基を含み得、1つまたは1つより多くの第1の官能基は、1つまたは1つより多くの第2の官能基に対して反応性である。
【0168】
官能基または官能基の組み合わせを選択して、例えば、所望の硬化速度を達成することができる。例えば、取り扱いを容易にするために、シールキャップの外側部分が、取り扱いを容易にするための高速硬化速度を有することが望ましい場合がある。シールの他の部分は、表面接着、共反応性組成物間の接着、および/または所望の物理的特性の発現を可能にするための低速硬化速度を有し得る。
【0169】
例えば、第1の官能基は、チオール基を含み得、第2の官能基は、チオール基、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基、マイケル受容体基、イソシアネート基、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0170】
第1の官能基は、例えば、イソシアネートを含み得、第2の官能基は、ヒドロキシル基、アミン基、チオール基、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0171】
第1の官能基は、例えば、エポキシ基を含み得、第2の官能基は、エポキシ基を含み得る。
【0172】
第1の官能基は、例えば、マイケル受容体基を含み得、第2の官能基は、マイケル供与体基を含み得る。
【0173】
第1の官能基は、例えば、カルボン酸基を含み得、第2の官能基は、エポキシ基を含み得る。
【0174】
第1の官能基は、例えば、環状カーボネート基、アセトアセテート基、またはエポキシ基を含み得、第2の官能基は、第一級アミン基または第二級アミン基を含み得る。
【0175】
第1の官能基は、(メタ)アクリレート基、シアノアクリレート、ビニルエーテル、ビニルピリジン、またはα、β不飽和カルボニル基などの、マイケル受容体基を含み得、第2の官能基は、マロン酸基、アセチルアセトネート、ニトロアルカン、または他の活性アルケニル基を含み得る。
【0176】
第1の官能基は、アミンを含み得、第2の官能基は、エポキシ基、イソシアネート基、アクリロニトリル、エステルおよび無水物を含むカルボン酸、アルデヒド、またはケトンを含み得る。
【0177】
好適な共反応性官能基は、例えば、Noomen,Proceedings of the XIIIth International Conference in Organic Coatings Science and Technology,Athens,1987,page 251、およびTilletら,Progress in Polymer Science,36(2011),191-217に記載されている。
【0178】
官能基は、例えば、50℃未満、40℃未満、30℃未満、20℃未満、または10℃未満の温度で共反応するように選択され得る。官能基は、例えば、5℃超、10℃超、20℃超、30℃超、または40℃超の温度で共反応するように選択され得る。官能基は、例えば、5℃~50℃、10℃~40℃、15℃~35℃、または20℃~30℃の温度で共反応するように選択され得る。
【0179】
これらの共反応性化学物質のいずれかの硬化速度を、共反応性組成物中に適切な触媒または触媒の組み合わせを含むことによって変更することができる。これらの共反応性化学物質のいずれかの硬化速度を、共反応性組成物の温度を上昇または低下させることによって変更することができる。例えば、共反応性組成物は、30℃未満の温度で硬化し得るが、共反応性組成物を加熱することにより、反応速度を加速することができ、このことは、増大した印刷速度に適合するような特定の状況下で望ましい場合がある。共反応性成分および/または共反応性組成物の温度を上昇させることは、粘度を調整して、共反応性成分の混合および/または共反応性組成物の堆積を促進する役割も果たすことができる。
【0180】
共反応性組成物は、化学線に曝露することなく、50℃未満の温度で共反応することができる共反応性化合物を含み得、必要に応じて触媒を含み得る。
【0181】
例えば、共反応性組成物は、例えば、本明細書に開示されるもののうちのいずれかを含む、共反応性官能基を含むモノマーおよび/またはプレポリマーなどの化合物を含み得る。
【0182】
共反応性組成物は、共反応性化合物間の反応を触媒するための好適な触媒または触媒の組み合わせをさらに含み得る。
【0183】
共反応性組成物は、共反応性組成物中の共反応性化合物間の硬化反応が、共反応性組成物を化学線に曝露することによって開始される、化学線硬化性共反応性組成物であり得る。
【0184】
化学線としては、α線、γ線、X線、UV-A放射(320nm~400nm)、UV-B放射(280nm~320nm)、およびUV-C放射(200nm~280nm)などの紫外線(UV)放射(200nm~400nm)、可視放射(400nm~770nm)、青色波長範囲の放射(450nm~490nm)、赤外線(>700nm)、近赤外線(0.75μm~1.4μm)、および電子ビームが挙げられる。
【0185】
化学線硬化性共反応性組成物は、フリーラジカル機構によって共反応することができる化合物を含み得る。フリーラジカル硬化反応の例としては、チオール/アルケニル反応およびチオール/アルキニル反応が挙げられる。
【0186】
化学線硬化性共反応性組成物は、任意の好適なフリーラジカル重合開始剤、または好適なフリーラジカル重合開始剤の組み合わせを含み得る。フリーラジカル重合開始剤の例としては、光開始剤、熱活性化フリーラジカル生成元、カチオン性フリーラジカル生成元、および暗硬化フリーラジカル生成元が挙げられる。
【0187】
化学線硬化性共反応性組成物は、可視光開始剤またはUV光開始剤などの光開始剤を含み得る。
【0188】
化学線硬化性共反応性組成物は、熱活性化フリーラジカル生成元を含み得る。
【0189】
化学線硬化性共反応性組成物は、カチオン性フリーラジカル生成元を含み得る。
【0190】
化学線硬化性共反応性組成物は、暗硬化フリーラジカル生成元を含み得る。
【0191】
フリーラジカル光重合反応は、共反応性組成物を、例えば、180秒未満、120秒未満、90秒未満、60秒未満、30秒未満、15秒未満、または5秒未満のUV放射などの化学線に曝露することによって開始され得る。UV曝露の総電力は、例えば、50mW/cm2~500mW/cm2、50mW/cm2~400mW/cm2、50mW/cm2~300mW/cm2、100mW/cm2~300mW/cm2、または150mW/cm2~250mW/cm2であり得る。
【0192】
化学線硬化性共反応性組成物を、1J/cm2~4J/cm2のUV線量に曝露して、組成物を硬化させることができる。UV源は、UVAスペクトルを有する8Wのランプである。他の線量および/または他のUV源を使用することができる。組成物を硬化させるためのUV線量は、例えば、0.5J/cm2~4J/cm2、0.5J/cm2~3J/cm2、1J/cm2~2J/cm2、または1J/cm2~1.5J/cm2であり得る。
【0193】
化学線硬化性共反応性組成物はまた、発光ダイオードを使用するなどして青色波長範囲の放射で硬化させ得る。
【0194】
シールキャップでの使用に好適な化学線硬化性シーラント組成物の例は、例えば、米国特許第8,729,198号、米国特許第8,729,198号、米国特許第9,533,798号、米国特許第10,233,369号、米国出願公開第2019/0169465号、PCT国際公開第PCT/US2018/36746号、米国出願公開第2018/0215974号、および米国特許第7,438,974号に開示されている。
【0195】
フリーラジカル重合性共反応性組成物は、入射した化学線が、フリーラジカル重合性共反応性組成物が完全に硬化できるようにするのに十分なフリーラジカルを生成することができる程度まで、化学線に対して透過性であり得る。
【0196】
例えば、化学線に対して透過性である共反応性組成物は、例えば、1mm~30mm、1mm~25mm、1mm~20mm、1mm~15mm、または1mm~10mmの共反応性組成物の厚さを通して化学線を透過させ得る。
【0197】
フリーラジカル重合性共反応性組成物は、入射した化学線が、曝露された共反応性組成物の少なくとも一部分で共反応性組成物のフリーラジカル重合を開始するのに十分なフリーラジカルを生成し得る程度まで、化学線に対して部分的に透過性であり得る。共反応性組成物の非曝露部分は、暗硬化機構などの別のフリーラジカル機構によって硬化し得るか、または非フリーラジカル機構によって硬化し得る。
【0198】
フリーラジカル開始波長範囲は、共反応性組成物中のフリーラジカル生成元のタイプに依存し得る。
【0199】
第1の共反応性組成物は、第2の共反応性組成物と同一の硬化速度を有し得るか、または第2の共反応性組成物とは異なる硬化速度を有し得る。例えば、取り扱いを容易にするために、シールキャップシェルを製作するために使用される第1の共反応性組成物は、第2の共反応性組成物よりも高速の硬化速度を有し得る。共反応性組成物の硬化速度は、シールキャップの内側部分および外側部分の1つまたは1つより多くの特性を増強するように選択され得る。
【0200】
共反応性三次元印刷を使用して、共反応性組成物を、例えば、1mm/秒~400mm/秒の速度で、および/または0.1mL/分~20,000mL/分の流量で堆積させ得る。
【0201】
第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物は、同一であっても異なっていてもよい。例えば、異なる共反応性組成物は、構成成分の種類および量の違いを含み得、異なる特性を有するシールキャップの異なる部分をもたらし得る。例えば、シールキャップを形成するために使用される共反応性組成物は、多層シールキャップの別の層と同一であるか、異なるか、または異なる重量%もしくは体積%で存在し得る反応物、触媒、接着促進剤、充填剤、反応性希釈剤、着色剤、レオロジカル制御剤、および/または光色剤を含み得る。共反応性組成物はまた、同一のまたは異なる硬化化学を含み得る。
【0202】
化学線に曝露することなく硬化することができる共反応性組成物を堆積させ、硬化させることができ、硬化速度は、例えば、硬化化学、触媒の種類および量、温度、ならびに堆積された共反応性組成物の粘度によって決定されるであろう。堆積後、共反応性組成物の少なくとも一部分の硬化を加速するために、共反応性組成物を熱に曝露することができる。
【0203】
フリーラジカル重合性共反応性組成物の硬化は、フリーラジカル生成元を活性化することによって、例えば、フリーラジカル重合性共反応性組成物を化学線または熱に曝露することによって開始することができる。
【0204】
例えば、フリーラジカル重合性共反応性組成物を、フリーラジカル重合性共反応性組成物が三次元印刷装置内にある間、フリーラジカル重合性共反応性組成物の堆積中、および/またはフリーラジカル重合性共反応性組成物が堆積された後に、化学線に曝露することができる。堆積されたフリーラジカル重合性共反応性組成物を、例えば、共反応性組成物が最初に堆積された後か、または製作方法に応じて、シールキャップシェルが製作された後、連続した層が締結具として締結具上に塗布されてシールキャップを形成した後、もしくはシールキャップが締結具上に塗布された後、化学線に曝露することができる。
【0205】
シールキャップシェルは、化学線硬化性共反応性組成物を使用して製作され得、および/または内部容積は、化学線硬化性共反応性組成物を含み得る。シールキャップシェルおよび内部容積を充填するシーラントの両方は、化学線を使用して硬化可能ではない共反応性組成物を含み得る。シェルは、化学線硬化性組成物を含み得、内部容積を充填するシーラントは、化学線硬化性ではない共反応性組成物を含み得る。シールキャップのシェルは、化学線を使用して硬化可能ではない共反応性組成物を含み得、内部容積を充填するシーラントは、化学線硬化性共反応性組成物を含み得る。
【0206】
シールキャップシェルは、三次元印刷を使用して、化学線硬化性共反応性組成物の連続した層を堆積させることによって製作され得る。
【0207】
また、シェルを、製作後、および内部容積が化学線硬化性共反応性組成物で充填される前に化学線に曝露して、シェルを部分的に硬化させるか、またはシェルを完全に硬化させ得る。シェルを、少なくとも部分的に硬化させて、内部組成物のための保持装置を提供し、シールキャップを取り扱い、かつ締結具を覆ってシールキャップを組み立てる能力を促進することができる。
【0208】
シェルを構築すると、共反応性組成物の物理的特性は、堆積された共反応性組成物が共反応性組成物の意図された形状を維持し、かつ下層が完全に硬化する前に、共反応性組成物の上層を支持するのに十分な機械的強度を有するように、なり得る。物理的特性は、部分的に、組成物中の構成成分の量、硬化の種類および速度などによって決定され得る。
【0209】
シールキャップは、化学反応を開始するために化学線への曝露を必要としない共反応性組成物を印刷することによって製作され得る。シェルは、共反応性組成物の連続した層を堆積させてシールキャップシェルを形成するために三次元印刷を使用して製作され得、内部容積は、同一のまたは異なる共反応性組成物で充填され得る。共反応性組成物を化学線に曝露することを除いて、化学線硬化性シールキャップを製作するために記載されたものと同様の手順が適用可能である。
【0210】
シェルは、第2の共反応性組成物が内部容積内に堆積された時点で少なくとも部分的に硬化させ得る。例えば、シェルは、不粘着表面を有し得るか、または例えば、第2の共反応性組成物が内部容積内に堆積された時点で、ショア5A超またはショア10A超の硬度を有し得る。第2の共反応性組成物は、第1の共反応性組成物中の化合物と反応して化学結合を形成し得る化合物を有し、シェルの部分的な硬化のみが所望され得る。シェルと内部シーラントとの間の化学結合は、界面の完全性および接着強度を改善することができる。隣接する層の共反応性組成物は、化学的および/または物理的に相互作用して、強力な層間接着を形成することができる。相互作用は、隣接する層間の化学結合および/または物理的絡み合いを通じて行われ得る。
【0211】
シェルが製作された後、かつ内部容積を充填する前に、必要に応じて中間層をシェルの内面に塗布し得る。中間層は、シェルと第2の共反応性組成物との間の接着を促進し、シェルと第2の共反応性組成物との間の化学結合を促進し、および/または耐薬品性などの特性を向上させる役割を果たすことができる。中間層は、例えば、0.1mm~2mmなどの0.05mm~3mmの厚さを有し得る。中間層は、シェルが製作された後にシェルの内面に塗布され得るか、または押し出し成形体が三次元印刷装置によって堆積されている際に、押し出し成形された第1の共反応性組成物および/または第2の共反応性組成物に塗布され得る。例えば、接着促進層を、押し出し成形された共反応性組成物と共押し出しし得るか、あるいは押し出し成形体の少なくとも一部分を、堆積された共反応性組成物の基材または下層上に押し出し成形体が堆積される前に接着促進組成物と接触させることによって、押し出し成形体に接着促進層を塗布し得る。
【0212】
シェルが製作された後、シェルによって画定された内部容積は、第2の共反応性組成物で少なくとも部分的に充填され得る。内部容積内に堆積された第2の共反応性組成物の量は、シールキャップが締結具上に組み立てられるときにシールキャップの外側に移動される第2の共反応性組成物の量を最小限に抑えるように選択され得る。同時に、内部容積内の第2の共反応性組成物の量は、第2の共反応性組成物が締結具の幾何学形状に完全に適合する能力を促進し、かつシールキャップが締結具上に組み立てられるときにボイドの存在を最小限に抑えるのに、十分であり得る。
【0213】
第1の共反応性組成物と同様に、第2の共反応性組成物は、三次元印刷を使用して内部容積内に堆積されるワンパート共反応性組成物、または化学線硬化性共反応性組成物の構成成分のうちの2つまたは2つより多くが使用時に混合器中で混ぜ合わされ、かつ三次元印刷装置を使用してノズルを通して内部容積内に押し出し成形される、複数パート組成物を含み得る。内部容積を第2の化学線硬化性組成物で充填する方法は、ボイドおよびエアポケットの閉じ込めを回避するように設計され得る。
【0214】
シェルの内部容積が第2の共反応性組成物で充填された後、および第2の共反応性組成物が硬化する前に、シールキャップを締結具として覆って組み立て得る。シールキャップが締結具を覆って組み立てられる時点で、シールキャップが手動でまたはロボットによってのいずれか一方で操作され得る程度までシェルの外面が硬化していることが望ましい。例えば、シェルは、不粘着表面を有し得る。例えば、シェルは、第2の共反応性組成物が、締結具の幾何学形状に適合して、エアポケットを移動させ、かつボイドを最小限に抑える能力を促進するために、十分な量の力で締結具をピックアップして配置し得る十分な機械的強度を有し得る。シールキャップが締結具を覆って組み立てられた時点で、第2の共反応性組成物は、第2の共反応性組成物が内部容積内に保持されるような粘度を有し得、これにより、シールキャップが締結具を覆って操作されるとき、第2の共反応性組成物が、シールキャップの底部の下からかなりの程度までは流出しないようにする。さらに、第2の共反応性組成物は、締結具およびシールされている部品の他の要素に第2の共反応性組成物が適合するような十分に低い粘度を有し得る。
【0215】
例えば、熱活性化フリーラジカル開始剤、もしくは化学線によって活性化されたフリーラジカル開始剤、または光開始剤などの任意の好適な光開始剤を使用することができる。
【0216】
光開始剤は、α線、γ線、X線、UVA、UVA、およびUVCスペクトルを含む紫外(UV)線、可視光、青色光、赤外線、近赤外線、または電子ビームなどの照射時に、光重合開始剤からの開始種を生成するのに有効なエネルギーを印加することができる化学線によって活性化され得る。例えば、光開始剤は、UV光開始剤であり得る。
【0217】
好適なUV光開始剤の例としては、α-ヒドロキシケトン、ベンゾフェノン、α,α-ジエトキシアセトフェノン、4,4-ジエチルアミノベンゾフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、4-イソプロピルフェニル2-ヒドロキシ-2-プロピルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソアミルp-ジメチルアミノベンゾエート、メチル4-ジメチルアミノベンゾエート、メチルO-ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビシクロホスフィンオキシド、ベンゾフェノン光開始剤、オキシム光開始剤、ホスフィンオキシド光開始剤、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0218】
熱活性化フリーラジカル開始剤は、25℃超の温度などの上昇した温度で活性化され得る。好適な熱活性化フリーラジカル開始剤の例としては、有機ペルオキシ化合物、アゾビス(有機ニトリル)化合物、N-アシルオキシアミン化合物、O-イミノ-イソ尿素化合物、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。熱重合開始剤として使用され得る好適な有機ペルオキシ化合物の例としては、ターシャリブチルペルオキシ2-エチルヘキシルカーボネートおよびターシャリブチルペルオキシイソプロピルカーボネートなどのペルオキシモノカーボネートエステル、1,1-ジ-(ターシャリブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンなどのペルオキシケタール、ジ(2-エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ(セカンダリブチル)ペルオキシジカーボネート、およびジイソプロピルペルオキシジカーボネートなどのペルオキシジカーボネートエステル、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、プロピオニルペルオキシド、アセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、およびp-クロロベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド、ターシャリブチルペルオキシピバレート、ターシャリブチルペルオキシオクチレート、およびターシャリブチルペルオキシイソブチレートなどのペルオキシエステル、メチルエチルケトンペルオキシド、アセチルシクロヘキサンスルホニルペルオキシド、ならびに上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。好適な熱重合開始剤の他の例としては、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、および/または1,1-ビス(ターシャリブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンが挙げられる。熱重合開始剤として使用され得る好適なアゾビス(有機ニトリル)化合物の例としては、アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチル-ブタンニトリル)、および/またはアゾビス(2/1-ジメチルバレロニトリル)が挙げられる。
【0219】
共反応性組成物は、25C/50%RHで8時間未満、6時間未満、4時間未満、2時間未満、1時間未満、または30分未満の不粘着時間を有し得、不粘着時間は、AS5127/1(5.8)(航空宇宙用シーラントのための航空宇宙標準試験方法)に従って判定される。
【0220】
ショア10Aの硬度までの高速時間を呈するシールキャップを形成するための共反応性組成物は、例えば、高速硬化化学を有する共反応性剤、化学線によって硬化可能な系、触媒、および上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0221】
硬化した組成物は、10分未満のショア10Aの硬度までの高速時間を呈し得、硬度は、23℃/55%RHでISO 868に従って判定される。
【0222】
導電性、EMI/RFI遮蔽、および/または静電気放散性を呈するシールキャップを形成するための共反応性組成物は、例えば、導電性充填材または導電性充填材の組み合わせを含み得る。
【0223】
共反応性組成物は、溶媒を実質的に含まないことができる。例えば、共反応性組成物は、5重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、または0.1重量%未満の溶媒を有し得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。
【0224】
共反応性組成物は、成分は、例えば、触媒、重合開始剤、接着促進剤、反応性希釈剤、可塑剤、充填材、着色剤、光色剤、レオロジー改質剤、反応性希釈剤、硬化活性剤および促進剤、腐食抑制剤、難燃剤、UV安定剤、雨浸食防止剤、または上記のうちのいずれかの組み合わせなどの1つまたは1つより多くの添加剤を含み得る。
【0225】
共反応性組成物は、触媒または触媒の組み合わせを含み得、1つまたは1つより多くの触媒は、第1の共反応性化合物および第2の共反応性化合物などの共反応性組成物中の共反応物間の反応を触媒するように選択される。
【0226】
触媒または触媒の組み合わせは、第1の化合物と第2の化合物との反応などの共反応性組成物中の共反応物の反応を触媒するように選択され得る。適切な触媒は、硬化化学に依存するであろう。例えば、チオール-エンまたはチオールエポキシは、アミン触媒を含み得る。
【0227】
共反応性組成物は、例えば、触媒または触媒の組み合わせの0.1重量%~1重量%、0.2重量%~0.9重量%、0.3重量%~0.7重量%、または0.4重量%~0.6重量%を含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。
【0228】
触媒は、潜在性触媒または潜在性触媒の組み合わせを含み得る。潜在性触媒には、例えば、物理的機構および/または化学的機構によって放出されるかまたは活性化されるまで、ほとんどまたはまったく活性を有さない触媒が含まれる。潜在性触媒は、構造内に含有され得るか、または化学的にブロックされ得る。制御放出触媒は、紫外線、熱、超音波、または水分に曝露すると触媒を放出し得る。潜在性触媒は、コアシェル構造内に隔離されるか、または結晶性もしくは半結晶性ポリマーのマトリックス内に捕捉され得、触媒は、経時的に、または活性化時、熱エネルギーもしくは機械エネルギーの印加によるなどして、封入体から拡散し得る。
【0229】
共反応性組成物は、暗硬化触媒または暗硬化触媒の組み合わせを含み得る。暗硬化触媒とは、電磁エネルギーに曝露されることなくフリーラジカルを生成することができる触媒を指す。
【0230】
暗硬化触媒としては、例えば、金属錯体と有機ペルオキシドとの組み合わせ、チアルキルボラン錯体、およびペルオキシド-アミンレドックス開始剤が挙げられる。暗硬化触媒を、光重合開始剤と併せて、または光重合開始剤とは独立して使用することができる。
【0231】
チオール/チオール硬化化学に基づく共反応性組成物は、チオール/チオール重合反応を開始するための硬化活性剤または硬化活性剤の組み合わせを含み得る。硬化活性剤は、例えば、第1の化合物および第2の化合物の両方が、チオール末端ポリスルフィドプレポリマーなどのチオール末端硫黄含有プレポリマーを含む共反応性組成物で使用され得る。
【0232】
硬化活性剤は、メルカプタン基を酸化してジスルフィド結合を形成することができる酸化剤を含み得る。好適な酸化剤の例としては、鉛ジオキシド、マンガンジオキシド、カルシウムジオキシド、ナトリウムペルボレートモノハイドレート、カルシウムペルオキシド、亜鉛ペルオキシド、およびジクロメートが挙げられる。
【0233】
硬化活性剤は、無機活性剤、有機活性剤、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0234】
好適な無機活性剤の例としては、金属オキシドが挙げられる。好適な金属オキシド活性剤の例としては、亜鉛オキシド(ZnO)、鉛オキシド(PbO)、鉛ペルオキシド(PbO3)、マンガンジオキシド(MnO2)、ナトリウムペルボレート(NaBO3・H2O)、カリウムペルマンガネート(KMnO4)、カルシウムペルオキシド(CaCO3)、バリウムペルオキシド(BaO3)、クメンヒドロペルオキシド、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。硬化活性剤は、MnO2であり得る。
【0235】
チオール/チオール硬化化学に基づく共反応性組成物は、例えば、1重量%~10重量%の硬化活性剤または硬化活性剤の組み合わせを含み得、重量%は、組成物の総重量に基づく。例えば、共反応性組成物は、活性剤または硬化活性剤の組み合わせの1重量%~9重量%、2重量%~8重量%、3重量%~7重量%、または4重量%~6重量%を含み得、重量%は、組成物の総重量に基づく。例えば、共反応性組成物は、1重量%超の硬化活性剤または硬化活性剤の組み合わせ、2重量%超、3重量%超、4重量%超、5重量%超、または6重量%超の硬化アクチュエータまたは硬化活性剤の組み合わせを含み得、重量%は、組成物の総重量に基づく。
【0236】
チオール/チオール硬化化学に基づく共反応性組成物は、硬化促進剤または硬化促進剤の組み合わせを含み得る。
【0237】
硬化促進剤は、硫黄供与体として作用して、チオール末端ポリスルフィドプレポリマーのチオール基と反応することができる活性硫黄断片を生成することができる。
【0238】
好適な硬化促進剤の例としては、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、グアニジン、ジチオカルバメート、キサンテート、チオ尿素、アルデヒドアミン、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0239】
硬化促進剤は、チウラムポリスルフィド、チウラムジスルフィド、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0240】
他の好適な硬化促進剤の例としては、ジアルキルジチオリン酸のトリアジンおよびスルフィドまたは金属塩およびアミン塩などの、ジアルキルジチオリン酸のトリアジンおよびスルフィドまたは金属塩およびアミン塩、およびジチオホスフェート、ならびに上記のうちのいずれかの組み合わせも挙げられる。非硫黄含有硬化促進剤の例としては、テトラメチルグアニジン(TMG)、ジ-o-トリルグアニジン(DOTG)、ナトリウムヒドロキシド(NaOH)、および水、および塩基が挙げられる。
【0241】
共反応性組成物は、例えば、0.01重量%~2重量%の硬化促進剤または硬化促進剤の組み合わせ、0.05重量%~1.8重量%、0.1重量%~1.6重量%、または0.5重量%~1.5重量%の硬化促進剤または硬化促進剤の組み合わせを含み得、重量%は、組成物の総重量に基づく。共反応性組成物は、例えば、2重量%未満、1.8重量%未満、1.6重量%未満、1.4重量%未満、1.2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.1重量%未満、または0.05重量%未満の硬化促進剤または硬化促進剤の組み合わせを含み得、重量%は、組成物の総重量に基づく。
【0242】
共反応性組成物は、接着促進剤または接着促進剤の組み合わせを含み得る。接着促進剤は、金属、複合材、ポリマー、もしくはセラミック表面などの下地基材、またはプライマーコーティングもしくは他のコーティング層などのコーティングへの共反応性組成物の接着を増強し得る。接着促進剤は、充填材およびシールキャップの他の層への接着を増強し得る。
【0243】
接着促進剤としては、フェノール接着促進剤、フェノール接着促進剤の組み合わせ、有機官能性シラン、有機官能性シランの組み合わせ、または上記のうちのいずれかの組み合わせを挙げることができる。有機官能性アルコキシシランは、アミン官能性アルコキシシランであり得る。オルガノ基は、例えば、チオール基、アミン基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アルキニル基、アルケニル基、イソシアネート基、またはマイケル受容体基から選択され得る。
【0244】
フェノール接着促進剤は、加熱処理されたフェノール系樹脂、未加熱処理のフェノール系樹脂、またはこれらの組み合わせを含み得る。好適な接着促進剤の例としては、Methylon(登録商標)フェノール樹脂などのフェノール樹脂、およびSilquest(登録商標)オルガノシランなどのエポキシ、メルカプト、またはアミン官能性シランなどのオルガノシランが挙げられる。加熱処理されたフェノール樹脂とは、モノマー、オリゴマー、および/またはプレポリマーと共反応したフェノール樹脂を指す。
【0245】
フェノール接着促進剤は、フェノール樹脂と1つまたは1つより多くのチオール末端ポリスルフィドとの縮合反応の反応生成物を含み得る。フェノール接着促進剤は、チオール末端であり得る。
【0246】
好適なフェノール樹脂の例としては、2-(ヒドロキシメチル)フェノール、(4-ヒドロキシ-1,3-フェニレン)ジメタノール、(2-ヒドロキシベンゼン-1,3,4-トリイル)トリメタノール、2-ベンジル-6-(ヒドロキシメチル)フェノール、(4-ヒドロキシ-5-((2-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)シクロヘキサ-2,4-ジエン-1-イル)メチル)-1,3-フェニレン)ジメタノール、(4-ヒドロキシ-5-((2-ヒドロキシ-3,5-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサ-2,4-ジエン-1-イル)メチル)-1,3-フェニレン)ジメタノール、および上記のうちのいずれかの組み合わせから合成されるものが挙げられる。好適なフェノール樹脂は、フェノールとホルムアルデヒドとの塩基触媒反応によって合成され得る。フェノール接着促進剤は、Durez Corporationから入手可能なMethylon(登録商標)樹脂、Varcum(登録商標)樹脂、またはDurez(登録商標)樹脂と、Thioplast(登録商標)樹脂などのチオール末端ポリスルフィドと、の縮合反応の反応生成物を含み得る。Methylon(登録商標)樹脂の例としては、Methylon(登録商標)75108(メチルロールフェノールのアリルエーテル、米国特許第3,517,082号を参照)、およびMethylon(登録商標)75202が挙げられる。Varcum(登録商標)樹脂の例としては、Varcum(登録商標)29101、Varcum(登録商標)29108、Varcum(登録商標)29112、Varcum(登録商標)29116、Varcum(登録商標)29008、Varcum(登録商標)29202、Varcum(登録商標)29401、Varcum(登録商標)29159、Varcum(登録商標)29181、Varcum(登録商標)92600、Varcum(登録商標)94635、Varcum(登録商標)94879、およびVarcum(登録商標)94917が挙げられる。Durez(登録商標)樹脂の例は、Durez(登録商標)34071である。
【0247】
共反応性組成物は、有機官能性アルコキシシランなどの有機官能性アルコキシシラン接着促進剤を含み得る。有機官能性アルコキシシランは、シリコン原子に結合した加水分解性基および少なくとも1つの有機官能基を含み得る。有機官能性アルコキシシランは、構造Ra-(CH2)n-Si(-OR)3-nRnを有し得、式中、Raは、有機官能基であり、nは、0、1、または2であり、Rは、メチルまたはエチルなどのアルキルである。有機官能基の例としては、エポキシ基、アミノ基、メタクリルオキシ基、またはスルフィド基が挙げられる。有機官能性アルコキシシランは、2つまたは2つより多くのアルコキシシラン基を有するジポダールアルコキシシラン、官能性ジポダールアルコキシシラン、非官能性ジポダールアルコキシシラン、または上記のうちのいずれかの組み合わせであり得る。有機官能性アルコキシシランは、モノアルコキシシランとジポダールアルコキシシランとの組み合わせであり得る。
【0248】
Silquest(登録商標)の商標名での好適なアミノ官能性アルコキシシランの例としては、Silquest(登録商標)A-1100(γ-アミノプロピルトリエトキシシラン)、Silquest(登録商標)A-1108(γ-アミノプロピルシルセスキオキサン)、Silquest(登録商標)A-1110(γ-アミノプロピルトリメトキシシラン)、Silquest(登録商標)1120(N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン)、Silquest(登録商標)1128(ベンジルアミノシラン)、Silquest(登録商標)A-1130(トリアミノ官能性シラン)、Silquest(登録商標)Y-11699(ビス(γ-トリエトキシシリルプロピル)アミン)、Silquest(登録商標)A-1170(ビス(γ-トリメトキシシリルプロピル)アミン)、Silquest(登録商標)A-1387(ポリアザミド)、Silquest(登録商標)Y-19139(エトキシ系ポリアザミド)、およびSilquest(登録商標)A-2120(N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン)が挙げられる。好適なアミン官能性アルコキシシランは、例えば、Gelest Inc.、Dow Corning Corporation、およびMomentive Performance Materials,Inc.から市販されている。
【0249】
共反応性組成物は、充填剤または異なる充填剤の組み合わせを含み得る。充填材は、例えば、無機充填材、有機充填材、低密度充填材、伝導性充填材、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0250】
多層シールキャップを形成するための共反応性組成物は、無機充填材または無機充填材の組み合わせを含み得る。
【0251】
機械的強化を提供し、粘度などの組成物のレオロジー特性を制御するために、無機充填材を含み得る。無機充填材を組成物に添加して、例えば、衝撃強度を増加させるため、粘度を制御するため、および/または硬化した組成物の電気的特性を変更するためなどの所望の物理的特性を付与し得る。
【0252】
共反応性組成物に有用な無機充填材としては、カーボンブラック、カルシウムカーボネート、沈殿したカルシウムカーボネート、カルシウムヒドロキシド、水和アルミナ(アルミニウムヒドロキシド)、タルク、雲母、チタンジオキシド、アルミノシリケート、カーボネート、チョーク、シリケート、ガラス、金属オキシド、黒鉛、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0253】
好適なカルシウムカーボネート充填剤としては、Solvay Special Chemicalsから入手可能な、Socal(登録商標)31、Socal(登録商標)312、Socal(登録商標)U1S1、Socal(登録商標)UaS2、Socal(登録商標)N2R、Winnofil(登録商標)SPM、およびWinnofil(登録商標)SPTなどの製品を挙げることができる。カルシウムカーボネート充填剤は、沈殿したカルシウムカーボネートの組み合わせを含み得る。
【0254】
無機充填材は、共反応性組成物の他の成分に対する無機充填材の分散および適合性を促進し得る疎水性表面または親水性表面を提供するために、表面処理され得る。無機充填材としては、例えば、表面改質シリカなどの表面改質粒子を挙げることができる。シリカ粒子の表面は、例えば、シリカ粒子の表面の疎水性または親水性を調整するように改質され得る。表面改質は、粒子の分散性、粘度、硬化速度、および/または接着性に影響を及ぼし得る。
【0255】
共反応性組成物は、有機充填材または有機充填材の組み合わせを含み得る。
【0256】
有機充填材は、低比重を有するように、JRFタイプIなどの溶媒に耐性を有するように、かつ/またはシーラント層の密度を低減するように選択され得る。好適な有機充填材はまた、硫黄含有ポリマーマトリックスへの許容可能な接着性を有し得る。有機充填材は、中実粉末もしくは粒子、中空粉末もしくは粒子、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0257】
有機充填材は、例えば、1.15未満、1.1未満、1.05未満、1未満、0.95未満、0.9未満、0.8未満、または0.7未満の比重を有し得る。有機充填材は、例えば、0.85~1.15の範囲内、0.9~1.1の範囲内、0.9~1.05の範囲内、または0.85~1.05の範囲内の比重を有し得る。
【0258】
有機充填材は、例えば、熱可塑性物質、熱硬化性物質、またはこれらの組み合わせを含み得る。好適な熱可塑性物質および熱硬化性物質の例としては、エポキシ、エポキシアミド、ETFEコポリマー、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリビニリデンクロライド、ポリビニルフルオライド、TFE、ポリアミド、ポリイミド、エチレンプロピレン、ペルフルオロヒドロカーボン、フルオロエチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、ポリビニルクロライド、メラミン、ポリエステル、フェノリックス、エピクロロヒドリン、フッ素化炭化水素、ポリ環状物、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリスルフィド、ポリウレタン、イソブチレンイソプレン、シリコーン、スチレンブタジエン、液晶ポリマー、または上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0259】
好適なポリアミド6およびポリアミド12粒子の例は、グレードSP-500、SP-10、TR-1、およびTR-2として東レプラスチックから入手可能である。また、好適なポリアミド粉末が、Orgasol(登録商標)の商標名でArkema Groupから、およびVestosin(登録商標)の商標名でEvonik Industriesから入手可能である。
【0260】
有機充填材は、任意の好適な形状を有し得る。例えば、有機充填材は、所望のサイズ範囲を選択するために濾過された粉砕ポリマーの画分を含み得る。有機充填材は、実質的に球状の粒子を含み得る。粒子は、中実であり得るか、または多孔質であり得る。
【0261】
有機充填材は、例えば、1μm~100μm、2μm~40μm、2μm~30μm、4μm~25μm、4μm~20μm、2μm~12μm、または5μm~15μmの範囲内の数平均粒子サイズを有し得る。有機充填材は、例えば、100μm未満、75μm未満、50μm未満、40μm未満、または20μm未満の数平均粒子サイズを有し得る。粒子サイズ分布は、フィッシャーサブシーブサイザーを使用して、または光学検査によって判定され得る。
【0262】
低密度を呈するシールキャップを形成するための共反応性組成物は、例えば、低密度有機充填材、中空微粒子、コーティングされた微粒子、または上記のうちのいずれかの組み合わせなどの低密度充填材を含み得る。
【0263】
シールキャップは、例えば、1.1未満、1.0未満、0.9未満、0.8未満、または0.7未満の比重を呈し得、比重は、23℃/55%RHでISO 2781に従って判定される。
【0264】
有機充填材としては、改質された拡張熱可塑性マイクロカプセルなどの低密度を挙げることができる。好適な改質された拡張熱可塑性マイクロカプセルは、メラミンまたは尿素/ホルムアルデヒド樹脂の外装コーティングを含み得る。共反応性組成物は、低密度マイクロカプセルを含み得る。低密度マイクロカプセルは、熱膨張性マイクロカプセルを含み得る。
【0265】
熱膨張性マイクロカプセルは、所定の温度で膨張する揮発性材料を含む中空シェルを指す。熱膨張性熱可塑性マイクロカプセルは、5μm~70μm、いくつかの場合では10μm~24μm、または10μm~17μmの数平均初期粒子サイズを有し得る。「平均初期粒子サイズ」という用語は、任意の膨張前のマイクロカプセルの平均粒子サイズ(粒子サイズ分布の数値加重平均)を指す。粒子サイズ分布は、フィッシャーサブシーブサイザーを使用して、または光学検査によって判定され得る。
【0266】
熱膨張性マイクロカプセルの壁を形成するのに好適な材料の例としては、ビニリデンクロライド、アクリロニトリル、スチレン、ポリカーボネート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、およびビニルアセテートのポリマー、これらのモノマーのコポリマー、ならびにポリマーとコポリマーとの組み合わせが挙げられる。架橋剤は、熱膨張性マイクロカプセルの壁を形成する材料と共に含まれ得る。
【0267】
好適な熱可塑性マイクロカプセルの例としては、AkzoNobelから入手可能なExpancel(登録商標)DEマイクロスフィアなどのExpancel(商標)マイクロカプセルが挙げられる。好適なExpancel(商標)DE微粒子の例としては、Expancel(登録商標)920 DE 40およびExpancel(登録商標)920 DE 80が挙げられる。好適な低密度マイクロカプセルは、Kureha Corporationからも入手可能である。
【0268】
低密度マイクロカプセルなどの低密度充填材は、0.01~0.09の範囲内、0.04~0.09の範囲内、0.04~0.08の範囲内、0.01~0.07の範囲内、0.02~0.06の範囲内、0.03~0.05の範囲内、0.05~0.09の範囲内、0.06~0.09の範囲内、または0.07~0.09の範囲内の比重によって特徴付けられ得、比重は、ISO 787-11に従って判定される。低密度マイクロカプセルなどの低密度充填材は、0.1未満、0.09未満、0.08未満、0.07未満、0.06未満、0.05未満、0.04未満、0.03未満、または0.02未満の比重によって特徴付けられ得、比重は、ISO 787-11に従って判定される。
【0269】
低密度マイクロカプセルなどの低密度充填材は、1μm~100μmの数平均粒径によって特徴付けられ得、実質的に球形状を有し得る。低密度マイクロカプセルなどの低密度充填材は、例えば、ASTM D6913に従って判定されるような、10μm~100μm、10μm~60μm、10μm~40μm、または10μm~30μmの平均粒径によって特徴付けられ得る
【0270】
低密度マイクロカプセルなどの低密度充填材は、メラミン樹脂などのアミノプラスト樹脂のコーティングを有する拡張マイクロカプセルまたはマイクロバルーンを含み得る。アミノプラスト樹脂によってコーティングされた粒子は、例えば、米国特許第8,993,691号に記載されている。このようなマイクロカプセルは、熱可塑性シェルに囲まれた発泡剤を含むマイクロカプセルを加熱することによって形成され得る。コーティングされていない低密度マイクロカプセルを、尿素/ホルムアルデヒド樹脂などのアミノプラスト樹脂と反応させて、粒子の外面に熱硬化性樹脂のコーティングを提供することができる。
【0271】
アミノプラスト樹脂のコーティングにより、アミノプラストによってコーティングされたマイクロカプセルは、例えば、0.02~0.08の範囲内、0.02~0.07の範囲内、0.02~0.06の範囲内、0.03~0.07の範囲内、0.03~0.065の範囲内、0.04~0.065の範囲内、0.045~0.06の範囲内、または0.05~0.06の範囲内の比重によって特徴付けられ得、比重は、ISO 787-11に従って判定される。
【0272】
共反応性組成物は、微粒子化酸化ポリエチレンホモポリマーを含み得る。有機充填材としては、酸化ポリエチレン粉末などのポリエチレンを挙げることができる。好適なポリエチレンは、例えば、商標名ACumist(登録商標)でHoneywell International,Inc.から、商標名Eltrex(登録商標)でINEOSから、および商標名Mipelon(登録商標)で三井化学アメリカ,Inc.から入手可能である。
【0273】
共反応性組成物は、例えば、1重量%~90重量%の低密度充填材、1重量%~60重量%、1重量%~40重量%、1重量%~20重量%、1重量%~10重量%、または1重量%~5重量%の低密度充填材を含み得、重量%は、組成物の総重量に基づく。
【0274】
共反応性組成物は、1重量%超の低密度充填材、1重量%超、2重量%超、3重量%超、4重量%超、1重量%超、または10重量%超の低密度充填材を含み得、重量%は、組成物の総重量に基づく。
【0275】
共反応性組成物は、1体積%~90体積%の低密度充填材、5体積%~70体積%、10体積%~60体積%、20体積%~50体積%、または30体積%~40体積%の低密度充填材を含み得、体積%は、共反応性組成物の総体積に基づく。
【0276】
共反応性組成物は、0.5体積%超の低密度充填材、1体積%超、5体積%超、10体積%超、20体積%超、30体積%超、40体積%超、50体積%超、60体積%超、70体積%超、または80体積%超の低密度充填材を含み得、体積%は、共反応性組成物の総体積に基づく。
【0277】
共反応性組成物は、伝導性充填材または伝導性充填材の組み合わせを含み得る。伝導性充填材は、導電性充填材、半導体充填材、熱伝導性充填材、磁性充填材、EMI/RFI遮蔽充填材、静電気放散性充填材、電気活性充填材、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0278】
導電性充填材などの好適な伝導性充填材の例としては、金属、金属合金、伝導性オキシド、半導体、炭素、炭素繊維、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0279】
導電性充填材の他の例としては、純銀などの導電性貴金属系充填材、銀めっきされた金などの貴金属めっきされた貴金属、銀めっきされたクーパー、ニッケルまたはアルミニウム、例えば銀めっきされたアルミニウムコア粒子または白金めっきされた銅粒子などの貴金属めっきされた非貴金属、銀めっきされたガラスマイクロスフィア、貴金属めっきされたアルミニウム、または貴金属めっきされたプラスチックマイクロスフィアなどの貴金属めっきされたガラス、プラスチック、またはセラミック、貴金属めっきされた雲母、および他のこのような貴金属伝導性充填材が挙げられる。非貴金属系材料を使用することもでき、例えば、銅コーティングされた鉄粒子またはニッケルめっきされた銅などの非貴金属めっきされた非貴金属、非貴金属、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、非貴金属めっきされた非金属、例えば、ニッケルめっきされた黒鉛、ならびにカーボンブラックおよび黒鉛などの非金属材料を挙げることができる。導電性充填材と導電性充填材の形状との組み合わせを使用して、所望の導電率、EMI/RFI遮蔽効果、硬度、および特定の用途に適した他の特性を達成することができる。
【0280】
導電性充填材の量および種類は、硬化したときに、0.50Ω/cm2未満のシート抵抗(4点抵抗)、または0.15Ω/cm2未満のシート抵抗を示す共反応性組成物を生成するように選択され得る。充填材の量および種類はまた、共反応性組成物を使用してシールされた開口部に対して、1MHz~18GHzの周波数範囲にわたって効果的なEMI/RFI遮蔽を提供するようにも選択され得る。
【0281】
有機充填材、無機充填材、および低密度充填材を、金属でコーティングして、伝導性充填材を提供することができる。
【0282】
導電性充填材は、グラフェンを含み得る。グラフェンは、1つの炭素原子の原子サイズに等しい厚さ、すなわち、2次元格子に配置されたsp2混成炭素原子の単層を有する炭素原子で作製された密充填されたハニカム結晶格子を含む。
【0283】
伝導性充填材は、磁性充填材または磁性充填材の組み合わせを含み得る。
【0284】
磁性充填材は、軟磁性金属を含み得る。これは、磁性モールド樹脂の透磁率を向上させることができる。軟磁性金属の主成分として、Fe、Fe-Co、Fe-Ni、Fe-Al、およびFe-Siから選択される少なくとも1つの磁性材料が使用され得る。磁性充填材は、高いバルク透過性を有する軟磁性金属であり得る。軟磁性金属として、選択される少なくとも1種の磁性材料は、Fe、FeCo、FeNi、FeAl、およびFeSiであってもよく使用されてもよい。具体例としては、パーマロイ(FeNi合金)、スーパーパーマロイ(FeNiMo合金)、センダスト(FeSiAl合金)、FeSi合金、FeCo合金、FeCr合金、FeCrSi合金、FeNiCo合金、およびFeが挙げられる。磁性充填材の他の例としては、鉄系粉末、鉄-ニッケル系粉末、鉄粉末、フェライト粉末、アルニコ粉末、Sm2Co17粉末、Nd-B-Fe粉末、バリウムフェライトBaFe2O4、ビスマスフェライトBiFeO3、クロムジオキシドCrO2、SmFeN、NdFeB、およびSmCoが挙げられる。
【0285】
共反応性組成物は、ヒドロキシル官能性ビニルエーテルまたはヒドロキシル官能性ビニルエーテルの組み合わせを含み得る。反応性希釈剤を使用して、組成物の粘度を低減し得る。反応性希釈剤は、組成物の反応物のうちの少なくとも1つと反応し、架橋ネットワークの一部となることができる少なくとも1つの官能基を有する、400Da未満の分子量を有するような低分子量化合物であり得る。反応性希釈剤は、例えば、1つの官能基、または2つの官能基を有し得る。反応性希釈液を使用して、組成物の粘度を制御することができるか、または共反応性組成物中の充填材の濡れを改善することができる。
【0286】
反応性希釈剤としてのヒドロキシル官能性ビニルエーテルは、式(12)の構造を有し得、
CH2=CH-O-(CH2)t-OH (12)
式中、tは、2~10の整数であり、式(12)のヒドロキシル官能性ビニルエーテルでは、tは、1、2、3、4、5であり得るか、またはtは、6であり得る。好適なヒドロキシル官能性ビニルエーテルの例としては、1-メチル-3-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、およびこれらの組み合わせが挙げられる。ヒドロキシル官能性ビニルエーテルは、4-ヒドロキシブチルビニルエーテルであり得る。
【0287】
共反応性組成物は、例えば、0.1重量%~10重量%のヒドロキシル官能性ビニルエーテル、0.2重量%~9重量%、0.3重量%~0.7重量%、および0.4重量%~0.7重量%を含み得、重量%は、硬化性組成物の総重量に基づく。
【0288】
共反応性組成物は、反応性希釈剤としてアミノ官能性ビニルエーテルまたはアミノ官能性ビニルエーテルの組み合わせを含み得る。
【0289】
反応性希釈剤としてのアミノ官能性ビニルエーテルは、式(13)の構造を有し得、
CH2=CH-O-(CH2)w-NH2 (13)
式中、wは、2~10の整数であり、式(13)のアミノ官能性ビニルエーテルでは、wは、1、2、3、4、5であり得るか、またはtは、6であり得る。好適なアミノ官能性ビニルエーテルの例としては、1-メチル-3-アミノプロピルビニルエーテル、4-アミノブチルビニルエーテル、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。アミノ官能性ビニルエーテルは、反応性希釈剤として4-アミノブチルビニルエーテルであり得る。
共反応性組成物は、例えば、0.1重量%~10重量%のアミノ官能性ビニルエーテル、0.2重量%~9重量%、0.3重量%~0.7重量%、および0.4重量%~0.7重量%を含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。
【0290】
共反応性組成物は、反応性希釈剤として、スチレン、α-メチルスチレン、およびパラ-ビニルトルエン、ビニルアセテート、ならびに/またはn-ビニルピロリドンなどのビニル系希釈剤を含み得る。
【0291】
共反応性組成物は、可塑剤または可塑剤の組み合わせを含有し得る。可塑剤は、組成物の粘度を調整し、かつ塗布を容易にするために含まれ得る。
【0292】
好適な可塑剤の例としては、フタレート、テレフタル、イソフタル、水添テルフェニル、クォーターフェニルおよびより高次のフェニルまたはポリフェニル、フタレートエステル、塩素化パラフィン、修飾ポリフェニル、キリ油、ベンゾエート、ジベンゾエート、熱可塑性ポリウレタン可塑剤、フタレートエステル、ナフタレンスルホネート、トリメリテート、アジペート、セバケート、マレエート、スルホンアミド、有機ホスフェート、ポリブテン、ブチルアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトールアセテート、ジペンテン、トリブチルホスフェート、ヘキサデカノール、ジアリルフタレート、スクロースアセテートイソブチレート、イソオクチルタレートのエポキシエステル、ベンゾフェノン、ならびに上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0293】
共反応性組成物は、例えば、0.5重量%~7重量%の可塑剤または可塑剤の組み合わせ1重量%~6重量%、2重量%~5重量%、または2重量%~4重量%の可塑剤または可塑剤の組み合わせを含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。
【0294】
共反応性組成物は、例えば、8重量%未満の可塑剤、6重量%未満、4重量%未満、または2重量%未満の可塑剤または可塑剤の組み合わせを含み得、ここで、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。
【0295】
共反応性組成物は、硬化の程度または化学線への曝露の程度に感受性のある光色剤を含み得る。硬化インジケータは、化学線への曝露で色を変化させ得、このことは、恒久的であり得るか、または可逆的であり得る。硬化インジケータは、初期に透明であり、化学線への曝露で着色され得るか、または初期に着色しており、化学線への曝露で透明になり得る。
【0296】
本開示によって提供される共反応性組成物は、腐食抑制剤または腐食抑制剤の組み合わせを含み得る。
【0297】
好適な腐食抑制剤の例としては、亜鉛ホスフェート系腐食抑制剤、リチウムオルトシリケート(Li4SiO4)およびリチウムメタシリケート(Li2SiO3)などのリチウムシリケート腐食抑制剤、MgO、アゾール、単量体アミノ酸、二量体アミノ酸、オリゴマーアミノ酸、アゾール、オキサゾール、チアゾール、チアゾリン、イミダゾール、ジアゾール、ピリジン、インドリジン、およびトリアジン、テトラゾール、および/またはトリルトリアゾールなどの窒素含有複素環式化合物、例えば亜鉛オキシド(ZnO)、マグネシウムオキシド(MgO)、セリウムオキシド(CeO2)、モリブデンオキシド(MoO3)、および/またはシリコンジオキシド(SiO2)を含む無機オキシド粒子などの耐食性粒子、ならびに上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0298】
共反応性組成物は、5重量%未満の腐食抑制剤または腐食抑制剤の組み合わせ、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、または0.5重量%未満の腐食抑制剤または腐食抑制剤の組み合わせを含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。
【0299】
共反応性組成物は、難燃剤または難燃剤の組み合わせを含み得る。
【0300】
難燃剤としては、無機難燃剤、有機難燃剤、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0301】
好適な無機難燃剤の例としては、アルミニウムヒドロキシド、マグネシウムヒドロキシド、亜鉛ボレート、アンチモンオキシド、ヒドロマグネサイト、アルミニウムトリヒドロキシド(ATH)、カルシウムホスフェート、チタンオキシド、亜鉛オキシド、マグネシウムカーボネート、バリウムスルフェート、バリウムボレート、カオリナイト、シリカ、アンチモンオキシド、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0302】
好適な有機難燃剤の例としては、ハロカーボン、ハロゲン化エステル、ハロゲン化エーテル、塩素化および/または臭素化防炎剤、有機リン化合物などのハロゲンフリー化合物、有機窒素化合物、ならびに上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0303】
共反応性組成物は、例えば、共反応性組成物の総重量に基づいて、1重量%~20重量%、または1重量%~10重量%などの1重量%~30重量%の難燃剤または難燃剤の組み合わせを含み得る。例えば、共反応性組成物は、共反応性組成物の総重量に基づいて、30重量%未満、20重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、または2重量%未満の難燃剤または難燃剤の組み合わせを含み得る。
【0304】
共反応性組成物は、水分制御添加剤または水分制御添加剤の組み合わせを含み得る。
【0305】
好適な水分制御添加剤の例としては、合成ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、カルシウムオキシド、マグネシウムオキシド、分子ふるい、無水ナトリウムスルフェート、無水マグネシウムスルフェート、アルコキシシラン、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0306】
共反応性組成物は、5重量%未満の水分制御添加剤または水分制御添加剤の組み合わせ、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、または0.5重量%未満の水分制御添加剤または水分制御添加剤の組み合わせを含み得、重量%は、共反応性組成物の総重量に基づく。
【0307】
共反応性組成物は、UV安定剤またはUV安定剤の組み合わせを含み得る。UV安定剤としては、UV吸収剤およびヒンダードアミン光安定剤が挙げられる。好適なUV安定剤の例としては、Cyasorb(登録商標)(Solvay)、Uvinul(登録商標)(BASF)、およびTinuvin(登録商標)(BASF)の商標名での製品が挙げられる。
【0308】
シールキャップの層は、耐薬品性、耐食性、加水分解安定性、低温可撓性、高温耐性、および/または電荷を放散する能力などの特定の所望の特性を最適化するように設計され得る。シールキャップシェル、材料充填内部、および/または他の層などのシールキャップの層を形成する材料を選択して、1つまたは1つより多くの所望の特性を最適化することができる。
【0309】
例えば、低温可撓性を呈する層は、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリチオエーテル、ポリスルフィド、ポリホルマール、ポリブタジエン、特定のエラストマー、および上記のうちのいずれかの組み合わせなどのプレポリマーを含み得る。
【0310】
加水分解安定性を呈する層は、例えば、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリチオエーテル、ポリスルフィド、ポリホルマール、ポリブタジエン、特定のエラストマー、および上記のうちのいずれかの組み合わせなどのプレポリマー、もしくは高架橋密度を有する組成物を含み得、かつ/またはエラストマーを含み得る。
【0311】
高温耐性を呈する層は、例えば、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリチオエーテル、ポリスルフィド、ポリホルマール、ポリブタジエン、特定のエラストマー、および上記のうちのいずれかの組み合わせ、または高架橋密度を有する組成物などのプレポリマーを含み得る。
【0312】
高引張強度を呈する層は、例えば、シリコーンおよびポリブタジエンなどのエラストマープレポリマー、高架橋密度を有する組成物、無機充填材、ならびに上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0313】
高伸長率を呈する層は、例えば、シリコーンおよびポリブタジエンなどのエラストマープレポリマー、高架橋密度を有する組成物、無機充填材、ならびに上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0314】
基質結合またはプライマーコーティングへの結合を呈する層は、例えば、有機官能性アルコキシシラン、フェノール樹脂、加熱処理されたフェノール樹脂、ならびに上記、チタネート、部分加水分解されたアルコキシシラン、またはこれらの組み合わせのうちのいずれかの組み合わせなどの接着促進剤を含み得る。
【0315】
層間接着を呈する層は、例えば、接着促進剤、隣接層内の化合物に対して反応性である未反応官能基、およびこれらの組み合わせを含み得る。
【0316】
高速不粘着時間を呈する層は、例えば、高速硬化化学を有する共反応性剤、化学線によって硬化可能な系、触媒、および上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0317】
ショア10Aの硬度にまでの高速時間を呈する層は、例えば、高速硬化化学を有する共反応性剤、化学線によって硬化可能な系、触媒、および上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0318】
導電性、EMI/RFI遮蔽、および/または静電気放散性を呈する層は、例えば、導電性充填材または導電性充填材の組み合わせを含み得る。
【0319】
低密度を呈する層は、例えば、低密度有機充填材、中空微粒子、コーティングされた微粒子、または上記のうちのいずれかの組み合わせなどの低密度充填材を含み得る。
【0320】
耐食性を呈する層は、例えば、1つまたは1つより多くの腐食抑制剤を含み得る。
【0321】
耐食性を呈する層は、例えば、1つまたは1つより多くの無機充填材を含み得る。
【0322】
本発明の方法は、共反応性三次元印刷を使用して、シールキャップまたはシールキャップの部分を製作する。共反応性三次元印刷とは、自動制御を使用して、共反応性組成物をノズルを通して押し出し成形し、および堆積させるロボット製造方法を指す。共反応性三次元印刷では、ワンパート共反応性組成物を、三次元印刷装置内にポンプ送給し得、共反応性組成物をUV放射に曝露させることなどによりエネルギーを印加することによって、硬化反応を開始し得る。あるいは、少なくとも2つの共反応性成分を混ぜ合わせ、混合して、共反応性組成物を形成し得、次いで、共反応性組成物を、ノズルを通して押し出し成形し、堆積させ得る。
【0323】
部品を製作するための三次元印刷機器は、1つまたは1つより多くのポンプ、1つまたは1つより多くの混合器、および1つまたは1つより多くのノズルを含み得る。1つまたは1つより多くの共反応性組成物を、1つまたは1つより多くの混合器内にポンプ送給し、表面または事前に塗布された層上に方向付けられた1つまたは1つより多くのノズルを通した圧力下で押しやり得る。
【0324】
三次元印刷機器は、例えば、圧力制御、押し出し成形ダイ、共押し出し成形ダイ、コーティングアプリケータ、温度制御要素、共反応性組成物にエネルギーを印加するための要素、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0325】
三次元印刷機器は、表面に対して三次元でノズルを移動させるためのビルド装置を含み得る。三次元印刷装置の動きは、プロセッサによって制御され得る。
【0326】
共反応性組成物は、任意の好適な共反応性三次元印刷装置を使用して堆積され得る。好適な共反応性三次元印刷装置の選択は、堆積体積、共反応性組成物の粘度、堆積速度、共反応性化合物の反応速度、および製作されている化学的に耐性のある部品の複雑性およびサイズを含むいくつかの要因に依存し得る。2つまたは2つより多くの共反応性成分の各々を独立したポンプに導入し、混合器に注入して、2つの共反応性成分を混ぜ合わせ、混合して、共反応性組成物を形成することができる。ノズルを、混合器に結合することができ、混合された共反応性組成物を、圧力下で押しやることができるか、またはノズルを通して押し出し成形することができる。
【0327】
ポンプは、例えば、容積式ポンプ、シリンジポンプ、ピストンポンプ、またはプログレッシブキャビティポンプであり得る。2つの共反応性成分を送達する2つのポンプは、並列に配置され得るか、または直列に配置され得る。好適なポンプは、ノズルオリフィスを通して液体または粘性液体を押すことができ得る。このプロセスは、押し出し成形とも称され得る。共反応性成分は、2つのポンプを直列に使用して混合器に導入され得る。
【0328】
例えば、2つまたは2つより多くの共反応性成分は、共反応性成分が直列に混合されるプログレッシブキャビティ2成分系に取り付けられた使い捨てノズルを通して材料を分注することによって堆積され得る。2成分系は、例えば、共反応性成分を使い捨て静的混合器ディスペンサーまたは動的混合器に別々に投与する2つのプログレッシブキャビティポンプを含み得る。他の好適なポンプとしては、容積式ポンプ、シリンジポンプ、ピストンポンプ、およびプログレッシブキャビティポンプが挙げられる。共反応性組成物を形成するための混合後、共反応性組成物は、共反応性組成物が1つもしくは1つより多くのダイおよび/または1つもしくは1つより多くのノズルを通した圧力下で押しやられてベース上に堆積されるにつれて押し出し成形体を形成して、化学的に耐性のある部品の初期層を提供し、連続した層が、事前に堆積された層上に、および/または事前に堆積された層に隣接して堆積され得る。堆積システムは、ベースに直交して位置決めされ得るが、また、押し出し成形体および堆積システムが、ベースに平行である押し出し成形体と鈍角を形成するように、押し出し成形体を形成するための任意の好適な角度に設定され得る。押し出し成形体とは、例えば、静的混合器内または動的混合器内で共反応性成分を混合した後の共反応性組成物を指す。押し出し成形体は、ダイおよび/またはノズルを通過する際に成形され得る。
【0329】
ベース、堆積システム、またはベースおよび堆積システムの両方は、三次元の化学的に耐性のある部品を構築するために統合され得る。動きは、所定の様態で行われ得、これは、ロボット工学および/またはコンピュータ化工作機械インターフェースなどの任意の好適なCAD/CAM方法および装置を使用して遂行され得る。
【0330】
共反応性組成物を三次元印刷装置のノズルを通して押し出し成形することによって形成された押し出し成形体は、任意の配向で堆積され得る。例えば、ノズルは、下向き、上向き、横向き、またはその間の任意の角度で方向付けられ得る。このようにして、共反応性組成物は、垂直壁として、またはオーバーハングとして堆積させ得る。押し出し成形体は、垂直壁上、傾斜壁の下表面、または水平表面の底面上に堆積させ得る。高速硬化化学を有する押し出し成形体の使用は、角度の付いた表面が製作され得るように、上層を下層に隣接して堆積させる能力を促進することができる。角度の付いた表面は、水平に対して上向きに、または水平に対して下向きに傾斜し得る。
【0331】
押し出し成形体が、連続的に、または断続的に分注されて、初期層および連続した層を形成し得る。断続的な堆積のために、堆積システムは、プログレッシブキャビティポンプなどのポンプを遮断し、それによって共反応性組成物の流れを中断するためのスイッチとインターフェースし得る。
【0332】
三次元印刷システムは、インラインの静的混合器および/または動的混合器、ならびに少なくとも2つの共反応性成分を保持し、かつ共反応性成分を静的混合器および/または動的混合器に供給するための別に加圧ポンプ送給コンパートメントを含み得る。アクティブ混合器などの混合器は、ノズル内に高剪断羽根を有する可変速度中心インペラを含み得る。最小寸法、例えば、0.2mm~100mm、0.5mm~75mm、1mm~50mm、または5mm~25mmを有する範囲のノズルが、使用され得る。ノズルは、最小寸法、例えば、1mm超、2mm超、5mm超、10mm超、20mm超、30mm超、40mm超、50mm超、60mm超、70mm超、80mm超、または90mm超を有し得る。ノズルは、最小寸法、例えば、100mm未満、90mm未満、80mm未満、70mm未満、60mm未満、50mm未満、40mm未満、30mm未満、20mm未満、10mm未満、または5mm未満を有し得る。ノズルは、例えば、円形、球形、楕円形、長方形、正方形、台形、三角形、平面、または他の好適な形状などの任意の好適な断面寸法を有し得る。アスペクト比または直交する寸法の比は、1:1、1:2超、1:3超、1:5超、または1:10超などの化学的に耐性のある部品を製作するのに適宜任意の好適な寸法であり得る。
【0333】
例えば、0.6mm~2.5mmの出口オリフィス寸法、ならびに30mm~150mmの長さを有する範囲の静的混合ノズルおよび/または動的混合ノズルが、使用され得る。例えば、出口オリフィス直径は、0.2mm~4.0mm、0.4mm~3.0mm、0.6mm~2.5mm、0.8mm~2mm、または1.0mm~1.6mmであり得る。静的混合器および/または動的は、例えば、10mm~200mm、20mm~175mm、30mm~150mm、または50mm~100mmの長さを有し得る。混合ノズルは、静的混合セクションおよび/または動的混合セクションと、静的混合セクションおよび/または動的混合セクションに結合された分注セクションと、を含み得る。静的混合セクションおよび/または動的混合セクションは、共反応性材料を混ぜ合わせ、混合するように構成され得る。分注セクションは、例えば、上記のオリフィス直径のいずれかを有する直管であり得る。分注セクションの長さは、共反応性成分が反応し始め、かつ物品上に堆積される前に粘度を構築し得る領域を提供するように、構成され得る。例えば、堆積速度、共反応物の反応速度、および共反応性組成物の粘度に基づいて、分注セクションの長さを選択することができる。
【0334】
共反応性組成物は、例えば、0.25秒~5秒、0.3秒~4秒、0.5秒~3秒、または1秒~3秒の静的混合ノズルおよび/または動的混合ノズル内の滞留時間を有し得る。他の滞留時間が、硬化化学および硬化速度に基づいて、適宜使用され得る。
【0335】
一般に、好適な滞留時間は、共反応性組成物のゲル化時間未満である。
【0336】
共反応性組成物は、例えば、1mL/分~12,000mL/分、5mL/分~8,000mL/分、または10mL/分~6,000mL/分などの、0.1mL/分~20,000mL/分の体積流量を有し得る。体積流量は、例えば、共反応性組成物の粘度、押し出し成形圧力、ノズル直径、および共反応性化合物の反応速度に依存し得る。
【0337】
共反応性組成物は、例えば、5mm/秒~300mm/秒、10mm/秒~200mm/秒、または15mm/秒~150mm/秒などの1mm/秒~400mm/秒の堆積速度で使用され得る。堆積速度は、例えば、共反応性組成物の粘度、押し出し成形圧力、ノズル直径、および共反応性化合物の反応速度に依存し得る。堆積速度とは、共反応性組成物を押し出し成形するために使用されるノズルが、上に共反応性組成物が堆積されている表面に対して移動する速度を指す。
【0338】
静的混合ノズルおよび/または動的混合ノズルを加熱または冷却して、例えば、共反応性化合物間の反応速度および/または共反応性成分の粘度を制御し得る。堆積ノズルのオリフィスは、任意の好適な形状および寸法を有し得る。システムは、複数の堆積ノズルを含み得る。ノズルは、固定されたオリフィス寸法および形状を有し得るか、またはノズルオリフィスは、制御可能に調整され得る。混合器および/またはノズルは、共反応性化合物の反応によって生成される発熱を制御するために冷却され得る。
【0339】
共反応性組成物が反応して熱硬化性ポリマーマトリックスを形成する速度は、共反応性化合物の反応性官能基の選択を決定および/または制御され得る。反応速度はまた、熱および/または触媒などの反応の活性化エネルギーを低下させる要因によっても決定され得る。
【0340】
反応速度は、共反応性組成物のゲル化時間に反映され得る。高速硬化化学とは、共反応性化合物が、例えば、30分未満、20分未満、10分未満、5分未満、4分未満、3分未満、2分未満、1分未満、45秒未満、30秒未満、15秒未満、または5秒未満のゲル化時間を有する化学を指す。共反応性組成物は、例えば、0.1秒~5分、0.2秒~3分、0.5秒~2分、1秒~1分、または2秒~40秒のゲル化時間を有し得る。ゲル化時間は、共反応性成分を混合した後、共反応性組成物が手で攪拌することができなくなるまでの時間である。潜在的な共反応性組成物のゲル化時間とは、硬化反応が最初に開始されてから、共反応性組成物が手で攪拌することができなくなるまでの時間を指す。
【0341】
共反応性成分が均一に混ぜ合わされ、混合され得るため、共反応性組成物は、共反応性組成物の寸法を混合すると直ちに硬化し始め得、ノズルを通して押しやられる押し出し成形体は、特に限定されない。したがって、共反応性添加剤製造は、大寸法押し出し成形体の使用を容易にし、このことは、小型および大型のシールキャップの両方を迅速に製作する能力を促進する。
【0342】
共反応性三次元印刷方法を使用して、共反応性組成物を、例えば、1mm/秒~400mm/秒の速度で、および/または0.1mL/分~20,000mL/分の流量で堆積させ得る。
【0343】
シールキャップ、およびシールキャップシェルを含むシールキャップの層は、視覚的に滑らかな表面を有し得る。シールキャップシェルの写真を、
図3A~
図3Bに示し、これらは、印刷層の厚さを低減することによって達成される(
図3A~
図3Cの)、漸次滑らかになる表面を有するシールキャップシェルを示す。
図3Dは、
図3A~3Cに示される対応するシールキャップシェルの外面の10倍の倍率での共焦点レーザ走査顕微鏡表面プロファイルを示す。
図3A~3Dに示されるシールキャップおよびシールキャップ表面は、ポリアミン成分とポリイソシアネート成分とを混ぜ合わせて形成されたポリ尿素共反応性組成物を使用して作製された。
【0344】
シールキャップは、特定の使用用途に好適な特性を有し得る。関連する特性としては、耐薬品性、低温可撓性、加水分解安定性、高温耐性、引張強度、伸長率、基材接着性、隣接するシーラント層への接着性、不粘着時間、ショア10A硬度までの時間、導電性、静電気放散性、熱伝導性、低密度、耐食性、表面硬度、耐火性、UV耐性、耐雨侵食性、誘電破壊強度、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0345】
航空宇宙用途について、特性としては、燃料、油圧流体、油、グリース、潤滑剤、および溶媒に対する耐性などの耐薬品性、低温可撓性、高温耐性、電荷を放散する能力、ならびに/または誘電破壊強度などが挙げられ得る。完全に硬化すると、シールキャップは、締結具とシーラントとの間の界面の目視検査を容易にするために、目視で透明であり得る。
【0346】
完全に硬化すると、シェル、および硬化した第2の共反応性組成物を含む内部容積は、1つまたは1つより多くの異なる特性を呈し得る。例えば、シェルは、耐薬品性、導電性、加水分解安定性、高誘電破壊強度、または上記のうちのいずれかの組み合わせを呈し得る。例えば、硬化すると、第2の共反応性組成物は、締結具への接着性、耐薬品性、低密度、高引張強度、高伸長率、または上記のうちのいずれかの組み合わせを呈し得る。
【0347】
シールキャップは、ASTM D792(米国試験材料協会)またはAMS 3269(航空宇宙材料仕様)に記載されているものと同様の方法に従って、JRFタイプIで、140°F(60℃)かつ周囲圧力で1週間浸漬した後、40%または40%未満、いくつかの場合では25%または25%未満、いくつかの場合では20%または20%未満、他の場合では10%または10%未満の体積膨張率を呈し得る。JRFタイプIは、燃料耐性の判定に使用される場合、以下の組成、すなわち、トルエン:28±1体積%、シクロヘキサン(テクニカル):34±1体積%、イソオクタン:38±1体積%、およびターシャリジブチルジスルフィド:1±0.005%(AMS 2629、1989年7月1日発行、§3.1.1など、SAE(自動車技術者協会)から入手可能)を有する。
【0348】
60℃で168時間、ISO 1817に従ってジェット基準流体(JRFタイプ1)に曝露した後、提供される硬化した組成物は、ISO 37に従って判定される1.4MPa超の引張強度、ISO 37に従って判定される150%超の引張伸長、およびISO 868に従って判定されるショア30A超の硬度を呈し得、試験は、23℃の温度、かつ55%RHの湿度で実施される。
【0349】
60℃で168時間、ISO 11075タイプ1に従って除氷流体に曝露した後、硬化した組成物は、ISO 37に従って判定される1MPa超の引張強度、およびISO
37に従って判定される150%超の引張伸長を呈し得、試験は、23℃の温度、かつ55%RHの湿度で実施される。
【0350】
70℃で1,000時間ホスフェートエステル油圧流体(Skydrol(登録商標)LD-4)に曝露した後、硬化した組成物は、ISO 37に従って判定される1MPa超の引張強度、ISO 37に従って判定される150%超の引張伸長、およびISO 868に従って判定されるショア30A超の硬度を呈し得、試験は、23℃の温度、かつ55%RHの湿度で実施される。化学的に耐性のある組成物は、70℃で7日間化学物質に浸漬した後、25%未満、20%未満、15%未満、または10%未満の膨潤率を呈し得、膨潤率は、EN ISO 10563に従って判定される。
【0351】
シールキャップは、例えば、ショア20A超、ショア30A超、ショア40A超、ショア50A超、またはショア60A超の硬度を呈し得、硬度は、23℃/55%RHでISO 868に従って判定される。
【0352】
シールキャップは、AMS 3279,§3.3.17.1,試験手順AS5127/1,§7.7に記載されている手順に従って測定した場合、少なくとも200%の引張伸長および少なくとも200psiの引張強度を呈し得る。
【0353】
シールキャップは、SAE AS5127/1 パラグラフ7.8に記載されている手順に従って測定した場合、少なくとも220psi(1.52MPa)、少なくとも250psi(1.72MPa)、およびいくつかの場合では、少なくとも400psi(2.76MPa)などの200psi(1.38MPa)超のラップせん断強度を呈し得る。
【0354】
本開示によって提供される共反応性組成物から調製されるシールキャップは、AMS 3277に述べられている航空宇宙用シーラントの要件を満たすか、または超え得る。
【0355】
本開示によって提供される、導電性シールキャップ、またはシールキャップの層は、例えば、106オーム/スクエア未満、105オーム/スクエア未満、104オーム/スクエア未満、103オーム/スクエア未満、102オーム/スクエア未満、10オーム/スクエア未満、10-1オーム/スクエア未満、または10-2オーム/スクエア未満の表面抵抗率を呈し得る。本開示によって提供される、導電性シールキャップの表面、またはシールキャップの層は、例えば、10-2~102、102オーム/スクエア~106オーム/スクエア、または103オーム/スクエア~105オーム/スクエアの表面抵抗率を有し得る。表面抵抗率は、23℃/55%RHでASTM D257に従って判定され得る。
【0356】
本開示によって提供される、シールキャップまたはシールキャップの層は、例えば、106オーム/cm未満、105オーム/cm未満、104オーム/cm未満、103オーム/cm未満、102オーム/cm未満、10オーム/cm未満、10-1オーム/cm未満、または10-2オーム/cm未満の体積抵抗率を有し得る。導電性シールキャップまたはシールキャップの層は、例えば、10-2オーム/cm~101オーム/cm、102オーム/cm~106オーム/cm、または103オーム/cm~105オーム/cmの体積抵抗率を有し得る。体積抵抗率は、23℃/55%RHでASTM D257に従って判定され得る。
【0357】
本開示によって提供される、シールキャップまたはシールキャップの層は、例えば、1Scm-1超、10Scm-1超、100Scm-1超、1,000Scm-1超、または10,000Scm-1超の導電率を有し得る。導電性シールキャップは、1Scm-1~10,000Scm-1、10Scm-1~1,000cm-1、または10Scm-1~500Scm-1の導電率を有し得る。
【0358】
本開示によって提供されるシールキャップまたはシールの層は、10KHz~20GHzの範囲内の周波数での減衰、例えば、10dB超、30dB超、60dB超、90dB超、または120dB超を呈し得る。本開示によって提供される導電性シールキャップは、10KHz~20GHzの範囲内の周波数での減衰、例えば、10dB~120dB、20dB~100dB、30dB~90dB、または40dB~70dBを呈し得る。
【0359】
本開示によって提供されるシールキャップまたはシールキャップの層は、0.1~50W/(m・K)、0.5~30W/(m・K)、1~30W/(m・K)、1~20W/(m・K)、1~10W/(m・K)、1~5W/(m・K)、2~25W/(m・K)、または5~25W/(m・K)の熱伝導率を呈し得る。
【0360】
本開示によって提供されるシールキャップまたはシールキャップの層は、例えば、1.1未満、1.0未満、0.9未満、0.8未満、または0.7未満の比重を呈し得、比重は、23℃/55%RHでISO 2781に従って判定される。
【0361】
本開示によって提供される共反応性三次元印刷方法を使用して、隣接する層が高機械的強度を有するシールキャップを製作することができる。共反応性組成物の隣接層が、化学的に結合および/または物理的に結合して、機械的に強力な層間界面を作成し得る。層間界面の強度は、ASTM D7313に従って破壊エネルギーを測定することによって判定され得る。本開示によって提供される方法を使用して作製されるシールキャップは、個々の層の破壊エネルギーと実質的に同一である破壊エネルギーを有し得る。例えば、シールキャップの破壊エネルギー、および共反応性組成物の個々の硬化した層の破壊エネルギーは、例えば、10%未満、5%未満、2%未満、または1%未満以内であり得る。
【0362】
本開示によって提供されるシールキャップを使用して、締結具をシールすることができる。締結具の例としては、アンカー、キャップネジ、コッターピン、アイボルト、ナット、リベット、自己クリンチ締結具、自己タップネジ、ソケット、ネジ切りネジ、タムおよびウイングネジ、溶接ネジ、曲げボルト、キャプティブパネル締結具、機械ネジ、保持リング、ネジドライバインサートビット、自己ドリルネジ、セム、スプリングナット、ネジローリングネジ、ならびにワッシャーが挙げられる。
【0363】
締結具は、例えば、モータービークル、航空宇宙ビークル、自動車、トラック、バス、バン、オートバイ、スクーター、娯楽用モータービークル、レールビークル列車、電車、自転車、飛行機、ロケット、宇宙船、ジェット機、ヘリコプター、ジープを含む軍用ビークル、輸送機、戦闘支援ビークル、人員輸送車、歩兵戦闘ビークル、地雷防護ビークル、軽装甲ビークル、軽実用ビークル、軍用トラック、船舶、ボート、および娯楽用水上機を含む水上機を含むビークルの表面上の締結具であり得る。ビークルという用語は、最も広い意味で使用され、あらゆる種類の航空機、宇宙船、船舶、および地上ビークルが挙げられる。例えば、ビークルとしては、自家用航空機、ならびに小型、中型、または大型商用旅客、貨物、および軍用航空機を含む飛行機などの航空機、自家用、商用、および軍用ヘリコプターを含むヘリコプター、ロケットおよび他の宇宙船を含む航空宇宙ビークルを挙げることができる。ビークルとしては、例えば、トレーラー、車、トラック、バス、バン、建設ビークル、ゴルフカート、オートバイ、自転車、列車、および鉄道車などの地上ビークルを挙げることができる。ビークルとしてはまた、例えば、船、ボート、およびホバークラフトなどの船舶も挙げることができる。
【0364】
締結具は、航空宇宙ビークルの表面上の締結具であり得る。航空宇宙ビークルの例としては、F/A-18ジェット、またはF/A-18EスーパーホーネットおよびF/A-18Fなどの関連する航空機、(ボーイング商用飛行機製の)ボーイング787ドリームライナー、737、747、717ジェット旅客機、関連する航空機、V-22オスプレイ、(NAVAIRおよびシコルスキー製の)VH-92、S-92、および関連する航空機、(ガルフストリーム製の)G650、G600、G550、G500、G450、および関連する航空機、(エアバス製の)A350、A320、A330、および関連する航空機が挙げられる。シールキャップは、任意の好適な商用、軍用、または一般航空機、例えば、Canadair Regional Jet(CRJ)および関連する航空機などのボンバルディアおよび/またはボンバルディア・エアロスペース製のもの、F-22ラプター、F-35ライトニング、および関連する航空機などのロッキード・マーティン製のもの、B-2スピリットおよび関連する航空機などのノースロップ・グラマン製のもの、ピラタス・エアクラフト製のもの、エクリプス・アビエーション・コーポレーション製のもの、またはエクリプス・エアロスペース(ケストレル・エアクラフト)製のものなどに使用され得る。
【0365】
締結具は、航空宇宙ビークルの燃料タンクなどの燃料容器上の締結具であり得る。
【0366】
締結具は、使用条件下で、燃料および/または油圧流体などの溶媒への曝露から保護されるべき締結具であり得る。
【0367】
本開示によって提供される方法を使用してシールされた締結具を含む自動車ビークルおよび航空宇宙ビークルなどの車両もまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0368】
本発明の態様
本発明は、以下の態様のうちの1つまたは1つより多くによってさらに定義され得る。
【0369】
態様1.締結具をシールする方法であって、第1の共反応性組成物を含む連続した層を、三次元印刷によって締結具上に直接堆積させることを含む、方法。
【0370】
態様2.連続した層が、シールキャップを形成するように堆積される、態様1に記載の方法。
【0371】
態様3.第2の共反応性組成物を第1の共反応性組成物上に直接堆積させること、または第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物の連続した層を締結具上に同時に堆積させることをさらに含む、態様1または2に記載の方法。
【0372】
態様4.シールキャップシェルを、最も外側に堆積された第1の共反応性組成物上に塗布することをさらに含み、シールキャップシェルが、少なくとも部分的に硬化した第2の共反応性組成物を含み、第2の共反応性組成物が、最も外側に堆積された共反応性組成物と同一であるか、または異なる、態様1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0373】
態様5.第2の共反応性組成物の連続した層を、三次元印刷によって第1の共反応性組成物を覆って堆積させて、シールキャップシェルを形成することをさらに含む、態様1または2に記載の方法。
【0374】
態様6.シールキャップを製作する方法であって、三次元印刷によって第1の共反応性組成物の連続した層を堆積させて、内部容積を画定するシールキャップシェルを形成することと、内部容積を第2の共反応性組成物で充填して、シールキャップを提供することと、を含む、方法。
【0375】
態様7.内部容積を充填することが、三次元印刷を使用して第2の共反応性組成物を堆積させることを含む、態様6に記載の方法。
【0376】
態様8.シールキャップシェルが、5mm~50mm、好ましくは10mm~40mmの底幅、5mm~50mm、好ましくは20mm~40mmの高さ、および0.5mm~25mm、好ましくは1mm~20mm、1.5mm~15mm、または2mm~10mmの平均壁厚を有するドームの形状をなす、態様4~7のいずれか1つに記載の方法。
【0377】
態様9.第1の共反応性組成物が、第2の共反応性組成物に対して反応性である、態様3~8のいずれか1つに記載の方法。
【0378】
態様10.第2の共反応性組成物が、第1の共反応性組成物と同一である、態様3~9のいずれか1つに記載の方法。
【0379】
態様11.第2の共反応性組成物が、第1の共反応性組成物とは異なる、態様3~9のいずれか1つに記載の方法。
【0380】
態様12.シェルを形成した後、かつ内部容積を充填する前に、シールキャップシェルを少なくとも部分的に硬化させることをさらに含む、態様6~11のいずれか1つに記載の方法。
【0381】
態様13.第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物の各々が、硫黄含有プレポリマーを独立して含む、態様3~12のいずれか1つに記載の方法。
【0382】
態様14.第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物の各々が、40重量%~80重量%の硫黄含有プレポリマーを独立して含む、態様13に記載の方法。
【0383】
態様15.硫黄含有プレポリマーが、10重量%超の硫黄含有量を有し、重量%が、硫黄含有プレポリマーの総重量に基づく、態様13または14に記載の方法。
【0384】
態様16.硫黄含有プレポリマーが、ポリチオエーテル、ポリスルフィド、硫黄含有ポリホルマール、モノスルフィド、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含む、態様13または14に記載の方法。
【0385】
態様17.第1の共反応性組成物および第2の共反応性組成物の各々が、化学線硬化性共反応性組成物を独立して含み、方法が、第1の共反応性組成物および/もしくは第2の共反応性組成物を堆積させる前、第1の共反応性組成物および/もしくは第2の共反応性組成物を堆積させる間、ならびに/または第1の共反応性組成物および/もしくは第2の共反応性組成物を堆積させた後に、第1の共反応性組成物および/または第2の共反応性組成物を化学線に曝露することをさらに含む、態様3~16のいずれか1つに記載の方法。
【0386】
態様18.第1の共反応性組成物が、化学線への曝露で硬化可能である、態様1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0387】
態様19.第1の共反応性組成物が、化学線への曝露で硬化可能ではない、態様3~16のいずれか1つに記載の方法。
【0388】
態様20.態様1~19のいずれか1つに記載の方法を使用して製作されたシールキャップ。
【0389】
態様21.完全に硬化したシールキャップの破壊エネルギーが、シールキャップを形成する個々の層の破壊エネルギーと実質的に同一であり、破壊エネルギーが、ASTM D7313に従って判定される、態様20に記載のシールキャップ。
【0390】
態様22.第1の共反応性組成物から調製された層が、第2の共反応性組成物から調製された層に化学的または物理的に結合されている、態様3~19のいずれか1つに記載の方法を使用して製作されたシールキャップ。
【0391】
態様23.締結具をシールする方法であって、締結具を覆って態様20~22のいずれか1つに記載のシールキャップを塗布することと、第1の共反応性組成物および/または第2の共反応性組成物を硬化させることと、を含む、方法。
【0392】
態様24.態様20~22のいずれか1つに記載のシールキャップでシールされた締結具。
【0393】
態様25.締結具が、航空宇宙ビークルなどのビークル上にある、態様24に記載の締結具。
【実施例0394】
本開示によって提供される実施形態は、三次元印刷を使用して締結具をシールする方法およびシールキャップを製作する方法を記載する以下の実施例を参照することによって、さらに例示される。本開示の範囲から逸脱することなく、材料および方法の両方に対する多くの変更が実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0395】
実施例1
UV硬化シールキャップ
PPG Aerospaceから入手可能なワンパート耐燃料性シーラント製剤PR2001 B2航空宇宙シーラントは、チオール末端ポリチオエーテルプレポリマー、ジビニルエーテルモノマー、レオロジカル改質剤、充填材、および光開始剤の組み合わせを含んでいた。製剤を、UV不透明チューブに-40℃で保存し、使用前に室温(25℃)まで解凍した。シーラント製剤を、ViscoTec Eco-Duoデュアル押し出し成形機と統合されたLulzBot Taz 3D印刷ガントリーおよび印刷ベッドからなる三次元印刷システムに導入した。UV源(395nmのピーク波長を有するUltraFire(登録商標)WF-501B UV LED懐中電灯)をViscoTec押し出し成形機に取り付け、印刷ベッドから5.5cmの押し出し成形機からの塗布点に向けて方向付けた。
【0396】
耐燃料性シーラント製剤を不透明なNordsonカートリッジ内に装填し、周囲光から遮蔽されたPTFEチューブを使用してViscoTec押し出し成形機に接続した。装填されたカートリッジを窒素下で80psiに加圧し、ViscoTecユニットを通した製剤の流れを切り替えながら、印刷ヘッドおよび印刷ベッドを同時に方向付けるカスタム記述のGコードを使用して印刷した。耐燃料性シーラント製剤を、0.6mmの内径を有する静的混合ノズルを通して、印刷ベッド上に押し出し成形した。シールキャップを、120mm/秒の印刷ヘッド速度および1.2mL/分の流量を使用して、シーラントの連続スパイラルを堆積させることによって構築した。これらの条件下で、押し出し成形されたシーラント製剤は、活性化後3時間で約8E4のG’’および1E5のG’、活性化後6時間で3E5のG’’および8.5E5のG’を有していた。剪断貯蔵弾性率G’および剪断損失弾性率G’’を、2mm直径の平行プレート主軸で1mmに設定されたギャップ、1Hzの振動周波数および0.3%の振幅、ならびに25℃のプレート温度で、Anton Paar MCR 302レオメータを使用して測定した。シールキャップを、3Dモデリングソフトウェアを使用してドーム状の構造としてモデリングした。シールキャップの底面直径は、42.4mmであり、高さは、39.9mmであった。
【0397】
実施例2
チオール/エポキシ化学を使用して製作されたシールキャップ
PPG Aerospaceから入手可能なツーパートチオール/エポキシ航空宇宙シーラントであるPR-2001 B1/2に基づいて、第1の成分と第2の成分とを混ぜ合わせることによって、共反応性組成物を調製した。
【0398】
第1の成分であるPR-2001 B1/2パートBは、チオール末端ポリチオエーテルプレポリマー、エポキシ官能性アルコキシシラン接着促進剤、ならびに部分的に水素化されたクォーターフェニルおよびより高次のポリフェニルを含んでいた。第1の成分を、Max 300 L DACカップ(FlackTek)に秤量し、標準的なSpeedMixer(登録商標)手順を使用して脱気した。
【0399】
第2の成分PR-2001 B1/2パートAは、ビスフェノール-A-(エピクロロヒドリン)、エポキシ樹脂を含んでいた。第2の成分を、Max 300 L DACカップ(FlackTek)に秤量し、標準的なSpeedMixer(登録商標)手順を使用して脱気した。
【0400】
脱気した成分を、FlackTek SpeedDisc(登録商標)と、2つの成分を100:18.5の重量比で混合することによって形成された共反応性組成物と、を使用して、DACカップからOptimum(登録商標)カートリッジに移した。Lulzbot Taz 6ガントリーに取り付けられたViscoTec 2K押し出し成形機を使用して、共反応性組成物を印刷した。
【0401】
共反応性組成物の連続した層を堆積させて、シールキャップシェルを構築した。
【0402】
実施例3
MnO2によって触媒されたポリスルフィド化学を使用して製作されたシールキャップ
PPG Aerospaceから入手可能な、Mnジオキシドによって硬化させたツーパートのポリスルフィド航空宇宙シーラントであるPR-1429 B2に基づいて、第1の共反応性成分と第2の共反応性成分とを混ぜ合わせることによって、共反応性組成物を調製した。
【0403】
第1の共反応性成分、PR-1429 B2パートBは、チオール末端ポリスルフィドプレポリマーを含んでいた。第1の共反応性成分を、Max 300 L DACカップ(FlackTek)に秤量し、標準的なSpeedMixer(登録商標)手順を使用して脱気した。
【0404】
第2の共反応性成分PR-1429 B2パートAは、MnO2触媒を含んでいた。第2の成分を、Max 300 L DACカップ(FlackTek)に秤量し、標準的なSpeedMixer(登録商標)手順を使用して脱気した。
【0405】
脱気された共反応性成分を、FlackTek SpeedDisc(登録商標)を使用してDACカップからOptimumカートリッジに移し、2つの成分を100:10の重量比で混合することによって形成された共反応性組成物を、Lulzbot Taz
6ガントリーに取り付けられたViscoTec 2K押し出し成形機を使用して印刷した。
【0406】
共反応性組成物の連続した層を堆積させて、シールキャップシェルを構築した。
【0407】
実施例4
UV硬化させたポリチオエーテルシールキャップ
化学線硬化性チオールエン系樹脂製剤を使用して、航空宇宙シールキャップを3D印刷した。
【0408】
チオール-エン製剤は、チオール末端樹脂およびアルケニル末端樹脂、レオロジカル修飾剤、充填剤、ならびに光開始剤の混合物を含んでいた。製剤をUV不透明チューブに-40℃で保存し、使用前に23℃まで解凍した。チオールエン製剤は、LulzBot Taz 3D印刷ガントリーと、ViscoTec preeflow(登録商標)Eco-DUOデュアル押し出し成形機と一体化された印刷ベッドと、からなるカスタムビルドの3Dプリンタを使用して3D印刷した。UV源(395nmの公称ピーク波長を有するUltraFire(登録商標)WF-501B UV LED懐中電灯)を、ViscoTec押し出し成形機に取り付け、印刷ベッドから5.5cmの距離で、押し出し成形機からの塗布点に向けて方向付けた。
【0409】
チオール成分およびアルケニル成分を不透明なNordsonカートリッジ内に装填し、アルミニウム箔で包まれたポリテトラフルオロエチレンチューブを使用してViscoTec押し出し成形機に接続し、周囲光の浸透を防止した。装填されたカートリッジを窒素下で80psi(0.551N/mm2)まで加圧し、ViscoTec押し出し成形機を通してチオール成分とアルケニル成分とを混合することによって形成される共反応性組成物の流れを切り替えながら、印刷ヘッドおよび印刷ベッドを同時に方向付けるカスタム記述のGコードを使用して印刷した。
【0410】
押し出し成形を開始した後、UV LEDライトを点灯させた。液体チオールエン製剤を、0.6mmの内径を有する静的混合ノズルを通して印刷ベッド上に押し出し成形した。120mm/sの印刷ヘッド速度および1.2mL/分の流量を使用して、シールキャップを連続スパイラルパターンで印刷した。これらの条件下で、押し出し成形された共反応性組成物は、押し出し成形機から出た後、5秒以内に硬化した。
【0411】
この実施例では、シールキャップを、Autodesk Inventor LT(登録商標)2019を使用して、ドーム形状構造としてモデル化した。シールキャップの底面直径は、42.36mmであり、高さは、39.89mmであった。これらの条件下で、硬化したシールキャップの三次元印刷に9.6分かかった。
【0412】
三次元印刷されたシールキャップシェルの写真を
図4に示す。
【0413】
最後に、本明細書に開示される実施形態を実施する代替の方法が存在することに留意されたい。したがって、本実施形態は、例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。さらに、特許請求の範囲は、本明細書に与えられる詳細に限定されるべきではなく、これら全範囲およびその等価物に権利がある。