IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セラニーズ・インターナショナル・コーポレーションの特許一覧

<>
  • 特開-繊維材料の包装のための方法 図1
  • 特開-繊維材料の包装のための方法 図2
  • 特開-繊維材料の包装のための方法 図3
  • 特開-繊維材料の包装のための方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126557
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】繊維材料の包装のための方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/07 20170101AFI20230831BHJP
   B65B 61/02 20060101ALI20230831BHJP
   B65B 63/02 20060101ALI20230831BHJP
   B65D 63/10 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
B65D85/07
B65B61/02
B65B63/02
B65D63/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023117274
(22)【出願日】2023-07-19
(62)【分割の表示】P 2022101717の分割
【原出願日】2017-09-12
(31)【優先権主張番号】62/395,482
(32)【優先日】2016-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512225379
【氏名又は名称】セラニーズ・インターナショナル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129458
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 剛
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・サンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・バンドレン
(57)【要約】
【課題】セルロースアセテートトウベールなどの繊維材料を包装する方法。
【解決手段】セルロースアセテートトウベールなどの繊維材料を包装する方法が開示されている。この方法は、繊維材料を少なくとも上部シートと下部シートとの間に配置すること、繊維材料を圧縮すること、および、上部シートおよび下部シートを含む包装材で、繊維材料の表面積の100%を実質的に包むことを含み、包装されたベールの残留力が平衡に達した後に、ベールの表面積の99%以上は包装材によって包まれている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維材料を包装する方法であって、
a.該繊維材料を上部シートと下部シートとの間に配置すること;
b.該繊維材料をプレス中で圧縮してベールを形成すること;
c.該上部シートおよび該下部シートを含む包装材で、該ベールの表面積の100%を実質的に包むこと;および
d.該繊維材料の周囲の該包装材を固定して、包装されたベールを形成すること
を含み、該包装されたベールが少なくとも48時間保管された後に、該ベールの表面積の99%以上が該包装材によって包まれている方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、該上部シートおよび下部シートのうちの少なくとも1つが各コーナーにおいてスリットを有する方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、該上部および下部シートのうちの少なくとも1つが長手方向(外辺部フラップ)折り目線を有する方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、該シートのうちの少なくとも1つが複数の平行な長手方向(外辺部フラップ)折り目線を有する方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、該上部および下部シートのうちの少なくとも1つが、該上部および下部シートのうちの少なくとも1つの頂部側および底部側に配置された長手方向(外辺部フラップ)折り目線を有する方法。
【請求項6】
請求項2に記載の方法であって、該スリットが、Y字形スリット、V字形スリット、またはU字形スリットである方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、該上部シートおよび下部シートのうちの少なくとも1つが、各コーナーにおいて折り目づけされている方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、該包装材が、少なくとも1つの側部シートを含む方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、該上部シートが、該ベールの上部表面よりも大きな表面積を有し、工程(c)が、該上部シートの一部を該ベールの少なくとも1つの側部表面の上に折り畳むことをさらに含む方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、該下部シートが、該ベールの下部表面よりも大きな表面積を有し、工程(c)が、該下部シートの一部を該ベールの少なくとも1つの側部表面の上に折り畳むことをさらに含む方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、該繊維材料がセルロースアセテートを含む方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、工程(a)が、該繊維材料を該上部シートと該下部シートとの間に配置する前に、該繊維材料を封止されていないライナーの中に包むことをさらに含み、さらに、該封止されていないライナーの表面積の99%以上が、該ベールが少なくとも48時間保管された後に該包装材によって包まれている方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、該包装材が、該包装されたベールが少なくとも48時間保管された後に該ベールの表面積の99.5%以上を覆っている方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、該包装材が、該包装されたベールが少なくとも48時間保管された後に該ベールの表面積の99.9%以上を覆っている方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、該包装材が厚紙材料を含む方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、工程(d)が、該包装材の周囲にストラップを適用することを含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、該ストラップがプラスチックストラップである方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法であって、工程(d)が、該包装材の周囲に水平方向にストラップを適用することを含む方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法であって、工程(d)が、該包装材の周囲に垂直方向にストラップを適用することを含む方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法であって、工程(d)が、該包装材の周囲に水平方向および垂直方向にストラップを適用することを含む方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法であって、該包装されたベールが真空下で封止されない方法。
【請求項22】
請求項1に記載の方法であって、工程(d)の該繊維材料が、6.9~68.9kPa(1~10psi)の全垂直方向膨張圧力を有する方法。
【請求項23】
請求項1に記載の方法であって、工程(d)における該包装材が、該繊維材料の周囲に垂直方向に配置される少なくとも1つのストラップによって固定され、適用されるストラップの数が、該ストラップが全垂直方向膨張力に耐えるのに十分な数である方法。
【請求項24】
圧縮されたセルロースアセテートトウを包装する方法であって、
a.圧縮されたセルロースアセテートトウを、上部シートと下部シートとの間に供給すること;
b.包装材で、該圧縮されたセルロースアセテートトウの表面積の100%を実質的に包むこと;および
c.該包装材を固定して、包装されたベールを形成すること;
を含み、該ベールの表面積の99%以上が、該包装されたベールが少なくとも48時間保管された後に該包装材によって包まれている方法。
【請求項25】
セルロースアセテートトウを包装する方法であって、
a.該セルロースアセテートトウを、上部シートと下部シートとの間に配置すること;
b.該上部シートおよび該下部シートを含む該セルロースアセテートトウをプレス中で圧縮して、圧縮されたセルロースアセテートトウを形成すること;
c.該圧縮されたセルロースアセテートトウを、包装ステーションに導入すること;
d.包装材で、該圧縮されたセルロースアセテートトウの表面積の100%を実質的に包むこと;および
e.該包装材を固定して、包装されたベールを形成すること;
を含み、該ベールの表面積の99%以上が、該包装されたベールが少なくとも48時間保管された後に該包装材によって包まれている方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、残留力の平衡後に、該圧縮されたセルロースアセテートトウの可視表面積のパーセンテージの、該ベールの垂直膨張のパーセンテージに対する比率が、1:1以下である方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
[0001]本出願は、2016年9月16日に出願された米国特許仮出願第62/395,482号の優先権を主張し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本発明は、概して、少なくとも上部シートおよび下部シートを用いて繊維材料を包装して、包装されたベールを形成する方法に関する。特に、本発明は、セルロースアセテートトウベールを包装する方法であって、包装されたベール中の残留力が平衡に達した後に、ベールの表面積の99%超が包装材によって包まれている方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]繊維材料を包装する方法および材料が知られている。例えば、セルロースアセテートトウは、通常、包装、保管および出荷のためにベールに圧縮される繊維材料である。セルロースアセテートトウは、セルロースフィラメントの連続的なバンドまたは束であり、タバコフィルターに加工することができる。概して、セルロースアセテートトウは、例えば約100kg/mと嵩密度が低く、取り扱いおよび運搬効率を改良するために圧縮してこの嵩密度を高めている。ベールに圧縮された後に、セルロースアセテートトウは膨張力を発揮するが、保管および出荷に望ましい嵩密度およびサイズを維持するためにはこの膨張力を効率的に制御しなければならない。トウベールの膨張力を抑えるために、通常、ポリエステルのストラップなどの包装材料が使用される。
【0004】
[0004]先行技術によって多くの包装方法が提案されてきた。米国特許第8,161,716号では、プレスベース間の距離を、包装されたベールの所望の高さよりも50~250mm低く、より好ましくは80~200mm低く、さらに好ましくは90~180mm低く過度に圧縮すること、次にプレスベース間の距離を、包装された状態または包装されていない状態における所望の高さに調整すること、次にプレスされたベールに適用されたプレス力を解放することを含む、フィルタートウベールの包装方法が開示されている。
【0005】
[0005]米国特許第5,732,531号には、少なくとも2ピースが含まれる再利用可能なベール包装キットを提供する工程を含む、圧縮された弾性繊維のベールを包む方法が開示されている。各ピースは、他のピースと連結する際に、圧縮された弾性繊維のベールを実質的に包みかつ収容するように適合される。マッシュルーム・ループファスナーが各ピースの縁部分に沿って位置し、このファスナーはこれらのピースを互いに連結するように適合される。圧縮されていない弾性繊維が提供される。圧縮されていない弾性繊維の一部がキットに囲まれる。この繊維が圧縮され、マッシュルーム・ループファスナーが係合される。
【0006】
[0006]米国特許第4,157,754号では、少なくとも0.2daN/cmの内部圧力下にある圧縮された繊維、フィラメント、またはケーブルで縛ったトウを外部包装によって包装することが開示されており、包装が重なった領域は、接着剤、例えばネオプレン-クロロプレンゴムベースの接着剤によって保持される。このようにして、包装体を保持するために以前から使用されてきたストラップ、ベルトまたはワイヤーを省くことが可能となる。米国特許第4,157,754号の図1に示されるように、この接着剤はグルーであり、重なった領域全体に適用される。
【0007】
[0007]GB1512804では、飼料を準備し包装する方法であって、生の牧草を部分的にしおれさせること、押し固めた牧草ブロックを不浸透性のプラスチック材料製の袋ま
たはラッパー内に挿入すること、袋またはラッパーを空気の進入に対し密閉封止すること、および、封止前または封止後に逆止め弁を提供して内容物を大気中に排気させることを含む方法が特許請求されている。
【0008】
[0008]米国特許第4,577,752号では、厚紙などのカバーで包まれ、ベールの周囲に伸長する複数のストラップによって圧縮条件において保持される、改良された高密度トウベールが開示されており、このトウベールは底部に、床上でベールを支持するための複数のパッドのパターンを有し、パッド間にそれに沿ってストラップを受けるための凹凸のない領域を有する。
【0009】
[0009]しかし、これらの既存の包装方法は複雑で費用がかかり、また危険であり得る。例えば、高圧力下にある金属ストラップは、保管中に断ち切れる恐れがあり、あるいは開梱中に跳ね返る恐れがある。真空封止および熱封止は追加設備を必要とし、またこうした封止は、保管中に真空条件または気密条件を維持する程度に十分に強力でなければならない。加えて、これらの既存の方法では、圧縮後、時間と共に膨張していく繊維材料を適切に保護することができない。したがって、圧縮後、時間と共に膨張していく繊維材料を適切に保護する、繊維材料を包装するための、特にセルロースアセテートトウベールを包装するための、改良された方法に対する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第8,161,716号
【特許文献2】米国特許第5,732,531号
【特許文献3】米国特許第4,157,754号
【特許文献4】GB1512804
【特許文献5】米国特許第4,577,752号
【特許文献6】米国特許第7,610,852号
【特許文献7】米国特許第7,585,442号
【特許文献8】米国特許第7,585,441号
【特許文献9】米国特許第8,308,624号
【特許文献10】米国特許第6,924,029号
【特許文献11】米国特許第7,487,720号
【特許文献12】米国特許出願公開第2014/0004765号
【特許文献13】EP2631278A1
【特許文献14】WO2013/037648A2
【特許文献15】WO2012/150099A1
【特許文献16】米国特許出願公開第2013/0233485号
【特許文献17】DE28 45 541 A
【特許文献18】EP1336683B1
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】ASTM D3759
【非特許文献2】PSTC-131
【非特許文献3】ASTM6463-99、手順A
【非特許文献4】DIN53765:1994-03、セクション2.2.1
【発明の概要】
【0012】
[0010]一態様において、本発明は、繊維材料を包装するための方法であって、a)上部シートと下部シートとの間に繊維材料を配置すること;b)プレス中で繊維材料を圧縮してベールを形成すること;c)上部シートおよび下部シートを含む包装材で、ベールの表
面積の100%を実質的に包むこと、および、d)ベールの周囲の包装材を固定して包装されたベールを形成することを含み、ベールの表面積の99%以上、99.5%以上または99.9%以上が、包装された繊維材料が少なくとも48時間保管された後に包装材によって包まれている方法に向けられている。幾つかの局面において、上部シートおよび下部シートのうちの少なくとも1つは、各コーナーにスリットを有する。このスリットは、Y字形スリット、V字形スリット、またはU字形スリットであってよい。他の局面では、上部シートおよび下部シートのうちの少なくとも1つは、各コーナーにおいて折り目づけされている。包装材は、少なくとも1つの側部シートをさらに含んでもよい。幾つかの局面において、この少なくとも1つの側部シートは、2つの側部シートを含んでもよい。工程(a)または(b)は、工程(a)の繊維材料を封止されていないライナーの中に包むことをさらに含んでもよく、この封止されていないライナーの表面積の99%以上は、包装された繊維材料が少なくとも48時間保管された後に包装材によって包まれている。幾つかの局面において、上部シートは繊維材料の上部表面よりも大きい表面積を有し、工程(b)は、上部シートの一部をベールの少なくとも1つの側部表面の上に折り畳むことをさらに含む。幾つかの局面において、下部シートは繊維材料の下部表面よりも大きい表面積を有し、工程(b)は、下部シートの一部を繊維材料の少なくとも1つの側部表面の上に折り畳むことをさらに含む。包装材は、厚紙材料であってもよい。工程(d)は、包装材の周囲にストラップを適用することを含んでもよい。ストラップは、プラスチックのストラップであってもよい。幾つかの局面において、工程(d)は、包装材側部の周囲に水平方向にストラップを適用することを含む。さらなる局面において、工程(d)は、包装材の周囲に垂直方向にストラップを適用することを含む。なおさらなる局面において、工程(d)は、包装材の周囲に水平方向および垂直方向にストラップを適用することを含む。幾つかの局面において、包装された材料は真空下で密封されない。工程(b)において上部表面および下部表面に適用されるベール化圧縮の圧力は、689.5~3447.4kPa(100~500psi)、例えば、1379.0~2757.9kPa(200~400psi)、2068.4~2757.9kPa(300~400psi)とすることができる。工程(d)の繊維材料は、6.9~68.9kPa(1~10psi)の全垂直方向膨張圧力を有し得る。加えて、横方向のベール膨張が起こり得る。例えば、ベールは全側部の方に2.54cm(1インチ)未満、例えば、全側部の方に1.27cm(1/2インチ)未満、膨張し得る。工程(d)における包装材は、繊維材料の周囲に垂直方向に配置される少なくとも1つのストラップによって固定することができ、使用するストラップの数は、ストラップにかかる垂直方向の膨張力に耐えるのに十分な数とすることができる。幾つかの態様において、残留力の平衡後に、圧縮されたセルロースアセテートトウの可視表面積のパーセンテージの、ベールの垂直膨張のパーセンテージに対する比率は、1:1以下である。
【0013】
[0011]別の態様において、本発明は、圧縮されたセルロースアセテートトウを包装するための方法であって、a)上部シートと下部シートとの間に圧縮されたセルロースアセテートトウを供給すること;b)包装材で、圧縮されたセルロースアセテートトウの表面積の100%を実質的に包むこと;および、c)包装材を固定して包装されたベールを形成することを含み、ベールの表面積の99%以上が、包装されたベールが少なくとも48時間保管された後に包装材によって包まれている方法に向けられている。ある特定の局面において、包装されたベールにおける残留力の平衡後に、圧縮されたセルロースアセテートトウの可視表面積のパーセンテージの、ベールの垂直膨張のパーセンテージに対する比率は、1:1以下である。他の局面において、上部シートおよび下部シートのうちの少なくとも1つは、各コーナーにスリットまたは切断部分を有する。このスリットは、Y字形スリット、V字形スリット、またはU字形スリットであってよい。他の局面では、上部シートおよび下部シートのうちの少なくとも1つは、各コーナーにおいて折り目づけされている。他の局面において、上部シートおよび下部シートのうちの少なくとも1つは、外辺部(フラップ)の縁に沿って折り目づけされる。包装されたベールは、少なくとも1つの側部シートを有してもよい。この少なくとも1つの側部シートは、2つの側部シートを含んでもよい。最初の2つの工程のいずれかは、セルロースアセテートトウを封止されていないライナーの中に包むことをさらに含んでもよく、この封止されていないライナーの表面積の99%以上は、包装されたセルロースアセテートが少なくとも48時間保管された後に包装材によって包まれている。幾つかの局面において、上部シートはセルロースアセテートトウの上部表面よりも大きい表面積を有し、工程b)は、上部シートの一部をベールの少なくとも1つの側部表面の上に折り畳むことをさらに含む。幾つかの局面において、下部シートは繊維材料の下部表面よりも大きい表面積を有し、工程(b)は、下部シートの一部を繊維材料の少なくとも1つの側部表面の上に折り畳むことをさらに含む。包装材は、厚紙材料であってもよい。工程c)は、包装材の周囲にストラップを適用することを含んでもよい。ストラップは、プラスチックのストラップであってもよい。幾つかの局面において、工程c)は、包装材側部の周囲に水平方向にストラップを適用することを含む。さらなる局面において、工程c)は、包装材の周囲に垂直方向にストラップを適用することを含む。なおさらなる局面において、工程c)は、包装材の周囲に水平方向および垂直方向にストラップを適用することを含む。幾つかの局面において、包装された材料は真空下で密封されない。セルロースアセテートトウは、6.9~68.9kPa(1~10psi)の全垂直方向膨張圧力を有し得る。加えて、横方向のベール膨張が起こり得る。例えば、ベールは全側部の方に2.54cm(1インチ)未満、例えば、全側部の方に1.27cm(1/2インチ)未満、膨張し得る。工程c)における包装材は、繊維材料の周囲に垂直方向に配置される少なくとも1つのストラップによって固定することができ、使用するストラップの数は、ストラップが全垂直方向膨張力に耐える程度に十分な数とすることができる。幾つかの態様において、残留力が平衡に達した後に、圧縮されたセルロースアセテートトウの可視表面積のパートナーの、ベールの垂直膨張のパーセンテージに対する比率は、1:1以下である。
【0014】
[0012]なお別の態様において、本発明は、セルロースアセテートトウを包装するための方法であって、a)上部シートと下部シートとの間にセルロースアセテートトウを配置すること;b)上部シートおよび下部シートを含むセルロースアセテートトウをプレス中で圧縮して、圧縮されたセルロースアセテートトウを形成すること;c)圧縮されたセルロースアセテートトウを、包装ステーションに導入すること;d)包装材で、圧縮されたセルロースアセテートトウの表面積の100%を実質的に包むこと;および、e)包装材を固定して、包装されたベールを形成することを含み、ベールの表面積の99%以上が、包装されたベールが少なくとも48時間保管された後に包装材によって包まれている方法に向けられている。本発明の局面において、包装されたベールにおける残留力の平衡後に、圧縮されたセルロースアセテートトウの可視表面積のパーセンテージの、ベールの垂直膨張のパーセンテージに対する比率は、1:1以下である。他の局面において、上部シートおよび下部シートのうちの少なくとも1つは、各コーナーにおいてスリットまたは切断部分を有する。このスリットは、Y字型スリット、V字型スリット、またはU字型スリットであってよい。他の局面では、上部シートおよび下部シートのうちの少なくとも1つは、各コーナーにおいて折り目づけされている。他の局面では、上部シートおよび下部シートのうちの少なくとも1つは、外辺部(フラップ)の縁に沿って折り目づけされている。包装されたベールは、少なくとも1つの側部シートを含んでもよい。この少なくとも1つの側部シートは、2つの側部シートを含んでもよい。いずれかの工程は、セルロースアセテートを封止されていないライナーの中に包むことをさらに含んでもよく、この封止されていないライナーの表面積の99%以上は、包装されたセルロースアセテートが少なくとも48時間保管された後に包装材によって包まれている。幾つかの局面において、上部シートはセルロースアセテートトウの上部表面よりも大きい表面積を有し、工程(b)は、上部シートの一部をベールの少なくとも1つの側部表面の上に折り畳むことをさらに含む。幾つかの局面において、下部シートは繊維材料の下部表面よりも大きい表面積を有し、工程(b)は、下部シートの一部を繊維材料の少なくとも1つの側部表面の上に折り畳むことをさらに含む。包装材は、厚紙材料であってもよい。工程(d)は、包装材の周囲にストラップを適用することを含んでもよい。ストラップは、プラスチックのストラップであってもよい。幾つかの局面において、工程(e)は、包装材側部の周囲に水平方向にストラップを適用することを含む。さらなる局面において、工程(e)は、包装材の周囲に垂直方向にストラップを適用することを含む。なおさらなる局面において、工程(e)は、包装材の周囲に水平方向および垂直方向にストラップを適用することを含む。幾つかの局面において、包装された材料は真空下で密封されない。セルロースアセテートトウは、6.9~68.9kPa(1~10psi)の全垂直方向膨張圧力を有することができる。加えて、横方向のベール膨張が起こり得る。例えば、ベールは全側部の方に2.54cm(1インチ)未満、例えば、全側部の方に1.27cm(1/2インチ)未満、膨張し得る。工程(e)における包装材は、繊維材料の周囲に垂直方向に配置される少なくとも1つのストラップによって固定することができ、使用するストラップの数は、ストラップが全垂直方向膨張力に耐える程度に十分な数とすることができる。幾つかの態様において、残留力の平衡後に、圧縮されたセルロースアセテートトウの可視表面積のパーセンテージの、ベールの垂直膨張のパーセンテージに対する比率は、1:1以下である。
【0015】
[0013]本発明は、非限定的な付属図面を参照することで、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】[0014]先行技術の態様に従って準備された、包装されたトウベールの図である。
図2】[0015]本発明の態様に従って準備された、包装されたトウベールの図である。
図3】[0016]本発明の態様に従って準備された、部分的に包装されたトウベールの図である。
図4】[0017]本発明の態様に従って準備された、部分的に包装されたトウベールの図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0018]序論
[0019]本発明は、繊維材料、特に圧縮された繊維材料を包装するための方法に関する。圧縮の後に繊維材料に内力が生じるため、圧縮された繊維材料は、それに適用された包装材に対して力を作用させる。こうした力は、繊維材料の垂直方向の膨張に加えて横方向の膨張ももたらす。結果として、包装材が損傷し、繊維材料が環境に曝露される恐れがある。このような繊維材料の環境への曝露、特に水分への曝露は、さらに繊維材料への損害をもたらす恐れがある。セルロースアセテートトウベールの場合において、厚紙は、比較的費用のかからない包装方法であるが、非弾性であり損傷を受けやすく、特に折り畳み部位、とりわけコーナー部位で損傷を受けやすい。図1に示されるように、ストラップ(5)を使用してベール(1)の収容する助けることができるが、包装材のコーナーで厚紙包装材の損傷が起こる恐れがある。また、図1は、頂部包装シート(2)および側部包装シート(4)も示している。図1は、繊維材料が包装されていても、ある特定の領域(図1における1)では曝露状態になり得ることを示している。保管中および出荷中、加えて下流生成物を作製するための脱ベール化中における厚紙包装材の破損、特に包装材のコーナーでの破損は、有害な影響を及ぼす。例えば、繊維材料は、もはや厚紙包装材に覆われていないため、例えば水分および細片に曝露され得る。このことによって、繊維材料は損害を受ける恐れがあり、そして材料の膨れ、繊維のもつれ、または繊維の裂けがもたらされる恐れがある。加えて、繊維材料は、環境への曝露の結果として、染みまたは臭いがつく恐れがある。この問題を解決するために、驚くべきかつ予想外なことに、ある特定の方法で上部シートおよび下部シートのコーナーを設計することによって、包装材の、特にコーナーにおける破損を回避することができることが見出された。図2に示されるように、包装材には破損がなく、繊維材料の全体は依然として包装材中に包まれている。ある態様において、この方法は、繊維材料を上部シート(2)と下部シート(図2では見えない)との間に配置すること、次いで、プレス中で繊維材料を圧縮してベールを形成することを含む。この方法は、上部シートおよび下部シートを含む包装材で、ベールの表面積の100%を実質的に包むことをさらに含む。幾つかの局面において、少なくとも1つの側部シートも使用される。本明細書で使用する場合、「表面積の100%を実質的に包む」は、包装材で、ベールの表面積の少なくとも99%、例えば、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%を包むことを指す。次に、包装材は繊維材料の周囲に固定されて、包装されたベールを形成する。この方法によれば、ベールの表面積の99%以上が、包装されたベールが少なくとも48時間保管された後に包装材によって包まれている。この48時間という期間が選択されているのは、48時間で、ベールにおける内力が実質的に平衡に達し、ベールが「定常状態」になるためである。本明細書で使用される場合、「実質的に平衡に達する」は、ベールにおける内力の少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、少なくとも95%が平衡に達することを指す。したがって、48時間後に包装材内でベールがさらに拡張することはないと予想される。上部シートおよび下部シートの表面積は、ベールの上部表面およびベールの下部表面の表面積よりも大きいものであってよく、これによって上部シートおよび下部シートをベールの側部の上に折り畳むことが可能になる。上部シートおよび下部シートの各コーナーは、折り畳みやすさおよび耐久性の改良を可能にするために、スリットを有してもよく、または折り目づけされてもよい。加えて、上部シートおよび下部シートの長手方向(外辺部フラップ縁)側部が折り目づけされてもよい。
【0018】
[0020]別の態様において、この方法は、上部シート、下部シート、および少なくとも1つの側部シートを含む包装材を提供することによって、圧縮されたセルロースアセテートトウを包装することを含む。この方法は、圧縮されたセルロースアセテートトウの100%を包装材内に包んで、包装されたセルロースアセテートトウベールを形成することをさらに含む。次に包装材を固定し、次に、トウベール内の残留力が包装材により含まれてもよいレベルまで降下するように、包装されたセルロースアセテートトウベールにかかる圧縮力を解放する。トウベール内の残留力が平衡に達した後、圧縮されたセルロースアセテートトウの可視表面積のパーセンテージの、ベールの垂直膨張のパーセンテージに対する比率は、1:1以下である。トウベールの膨張のパーセンテージは、包装の直後(1時間以内)および包装の48時間後(またはそこから1時間以内)に、包装されたベールの表面積を測定することによって、測定することができる。
【0019】
[0021]繊維材料および繊維材料の圧縮
[0022]本明細書に記載のように、本発明は、繊維材料を包装するための方法に適用可能である。繊維材料は、使用、保管および/または出荷のために包装される繊維を含むどのような材料であってもよい。幾つかの態様において、繊維材料は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、オレフィンおよび他のポリマー材料からなる群から選択することができる。幾つかの態様において、繊維材料は、草または乾草、例えば、チモシー乾草、アルファルファ乾草、カモガヤ乾草、バミューダグラス乾草、オートムギ乾草、クローバー乾草、牧草乾草、ウシノケグサ乾草およびヒロハノウシノケグサ乾草などであり得る。なおさらなる態様において、繊維材料は、綿、ガラス繊維絶縁体、ビートパルプ、および木削片からなる群から選択することができる。好ましい態様において、繊維材料は、示されているように、セルロースアセテート、好ましくはセルロースアセテートトウを含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなり、通常は包装の前に圧縮してベールを形成する。セルロースアセテートトウを準備し、ベール化するための方法は、米国特許第7,610,852号、同第7,585,442号、同第7,585,441号、同第8,308,624号、同第6,924,029号および同第7,487,720号に開示されており、これらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0020】
[0023]繊維材料は、包装の前に圧縮してもよく、さもなければ押し固めてもよい。概して、圧縮はベールプレスにおいて行われ、プレスには少なくとも上部シートおよび下部シートが被せられている。包装中の圧縮は、繊維材料の体積を少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、またはより好ましくは少なくとも40%減少させてもよい。範囲に関しては、繊維材料の体積は、圧縮によって10~80%、好ましくは25~75%または40~70%減少させてもよい。圧縮量を決定する際に、特に、乾草などの発火温度が低い繊維材料について圧縮量を決定する際に、繊維材料の可燃性が考慮され得る。幾つかの局面において、繊維材料、例えばセルロースアセテートトウは、少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、またはより好ましくは少なくとも70%圧縮してもよい。
【0021】
[0024]圧縮後、包装材を固定する前に、プラテンをわずかに引っ込めても開いてもよい。この引き込み工程によって、20%未満、例えば、15%未満または10%未満、場合により0.5~15%の体積増加がもたらされ得る。プラテンを開いて包装されたベールを解放した後に得られる、包装された繊維材料は、さらに膨張する可能性があり、これによって上部および下部シートならびに/またはストラップにおける限られた程度の伸展がもたらされ、また、包装が完了した時点の体積または高さの、実質的に膨張が終了した時点の体積または高さとの差に基づいて算出される、20%未満の体積増加、例えば、15%未満または10%未満、場合により1~15%、例えば1~10%の体積増加が場合によりもたらされる。
【0022】
[0025]参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第7,610,852号に記載のように、繊維材料は缶の中に入れ、次にプレス中のプレス壁内に設置することができる。次に、繊維材料は、被せられたプラテン間でプレスされる。プラテンには、包装材の少なくとも一部、例えば、上部シートおよび底部シートを被せてもよい。加えて、プラテンのうちの少なくとも1つには、本明細書でさらに記載されるライナーを被せてもよい。ライナーが含まれる場合、ライナーを頂部および/または底部シートの上になるように頂部および/または底部プラテンに被せて、ライナーが繊維材料と密着し、かつ頂部および/または底部シートがライナーと密着するようにする。プラテンは、圧縮の程度およびベールの所望の最終形状に応じて、平坦なプラテンであってもよく、整形されていてもよい。整形されたプラテンを使用することによって、初めのうちはベールの頂部表面および/または底部表面が凹状になり得ることを理解されたい。時間と共に、ベールにおける内力が平衡に達するにつれて、ベールは実質的に平坦になり、例えば、頂部または底部にはっきりした凸状の外観を有することはない。実質的に平坦なベールは、横方向位置で(横倒しではない)保管および出荷することができるため、そして脱ベール化プロセスがより容易であり、例えば、ベールが平坦であることから凸状のベールと比べてトウ繊維のもつれが少なくなる結果をもたらすため、実質的に平坦なベールは、特に頂部または底部ベールにはっきりした凸状の外観を有するベールと比較して望ましいものであり得る。この脱ベール化の問題は、特に、少なくとも300kg/mの嵩密度を有し得るセルロースアセテートトウについて該当する。
【0023】
[0026]上部シート、下部シート、および側部シート
[0027]上部シート、下部シート、および使用される場合、少なくとも1枚の側部シートは、同じ材料からなっていても異なる材料からなっていてもよい。これらのシートは、柔軟であっても剛性であってもよく、単層押出フィルムまたは多層押出フィルムなどのように、生地、フィルムまたは箔から作製することができる。フィルムまたは箔は、紙、ポリマーまたは金属のうちの1つまたは複数を含んでもよい。一局面において、上部および下部シートは、厚紙を含む。別の局面において、この一方または両方のシートは、ポリマーフィルムまたは箔を含む。ポリマーフィルムまたは箔は、エチレン/酢酸ビニルコポリマ
ー、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンホモポリマー、ポリプロピレンホモポリマー、エチレン/α-オレフィンコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、およびポリスチレンを含むことができる。ポリエチレンフィルムは、長鎖低密度ポリエチレンフィルムであってもよい。
【0024】
[0028]幾つかの局面において、シートは、織られた、または織られかつコーティングされた、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、スクリムおよび他の繊維強化フィルムから形成することができる。
【0025】
[0029]シ-トは、層の特性を変更するために変性剤、顔料、加工助剤、静電防止剤および他の添加物をさらに含んでもよい。例えば、フィルムは、液体不浸透性、蒸気不浸透性、または両方であり得る。各シートは、継ぎ目または穿孔を含まない1つの連続的シートであり得る。幾つかの態様において、シートは、繊維またはストリングの強化ポリマーフィルムを含んでもよい。
【0026】
[0030]シートは、透明であっても半透明であっても不透明であってもよく、あるいは様々な色であってもよい。一局面において、フィルムは黒色である。別の局面において、シートは透明である。
【0027】
[0031]シートは、100~800μmの厚さ、好ましくは200~600μm、またはより好ましくは300~400μmの厚さを有することができる。シートは、機械方向および機械交差方向の両方において、幅1cm当たり10~175Nの引張強度、好ましくは幅1cm当たり最小値17~131N、より好ましくは幅1cm当たり最小値43~87Nの引張強度を有することができる。幾つかの局面において、シートは、幅1cm当たり約87Nの引張強度を有することができる。最終的なトウベール包装体における所望の高さおよび体積を維持するために、シートの伸びは過剰であるべきではなく、シートの伸びは、上記の荷重動作範囲において1~20%、好ましくは1~10%の範囲であり得る。
【0028】
[0032]他の態様において、シートは、1~20mmの厚さ、好ましくは2~10mm、またはより好ましくは2~5mmの厚さを有することができる。このような厚さを有するシ-トとしては、ファイバーボード、ソリッドファイバー、厚紙、段ボール、および間にフルートを有する段ボールが挙げられる。
【0029】
[0033]包装材の固定
[0034]上部シート、下部シート、および使用する場合の少なくとも1枚の側部シート、すなわち包装材は、テープ、ストラップ、接着剤(例えば、グルー)、またはこれらの組み合わせを使用して、ベールの周囲に固定されてもよい。幾つかの局面において、接着剤は使用されず、包装材はストラップのみによって固定される。
【0030】
[0035]幾つかの局面において、包装材は、表面に接着剤を有する、実質的に平面状の基材を含む(場合によりテープロールに巻かれた)テープで固定される。テープは、裂けることなく、かつ過度に伸びて上述のような包装後の過度な膨張を引き起こすことなく、繊維材料の膨張力に耐えるのに十分な強度を有するどのようなテープであってもよい。繊維材料がセルロースアセテートトウベールである場合、テープにかかる力は10~175N/cmの範囲、例えば、17~131N/cm、43~87N/cm、または87N/cm以下の範囲であり得る。
【0031】
[0036]テープは、ある引張強度、例えば、引張荷重要件および/または一定剪断荷重を満たすように選択することができる。引張荷重要件は、機械交差方向または主荷重方向に
おける幅1センチメートル(cm)当たりのニュートン(N)で測定し、また、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるASTM D3759またはPSTC-131に従って測定してもよい。テープは、10~175N/cmの引張荷重、好ましくは17~131N/cm、より好ましくは43~87N/cmの引張荷重に耐えることができてもよい。別の局面において、テープは、少なくとも87N/cmの引張荷重に耐えることができてもよい。好適なテープは、例えば、米国特許出願公開第2014/0004765号、EP2631278A1、WO2013/037648A2およびWO2012/150099A1に記載され、これらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0032】
[0037]一定剪断荷重は、キログラム毎平方センチメートルで測定し、また、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるASTM 6463-99の手順Aを使用して測定してもよい。試験は所望の重量で行い、テープが3000分後に破損しない場合、このテープは一定剪断荷重に耐えることができるものとする。破損は、3000分経過する前のテープの滑りまたは剥がれとして定義される。テープは、0.5~10N/cmの一定剪断荷重、好ましくは0.6~7N/cm、より好ましくは2~6N/cm、最も好ましくは4~6N/cmの一定剪断荷重に耐えることができてもよい。別の局面において、テープは、少なくとも4N/cmの一定剪断荷重に耐えることができてもよい。
【0033】
[0038]本発明の方法のためのテープを選択する際に、引裂強度、結合強度、粘度、ガラス転移温度、破断点伸び、剥離強度、軟化点を含めたテープの他の特性も考慮され得る。テープは、自らを引き裂く力に抵抗するテープの能力である剥離強度を、扱いを容易にするのに十分に有することができる。剥離強度は、扱いおよびテープ適用のために十分高いものであり得るが、テープを裂くまたは切断するために必要となる力よりは低いものであり得る。剥離強度は、テープの粘着強度を調整することによって制御することができる。幾つかの局面において、テープは、少なくとも2.7N/cmの剥離強度、好ましくは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2013/0233485号に開示されているように、少なくとも4.3N/cmの剥離強度を有することができる。テープの剥離力は、テープの幅および使用する担体のタイプに依存し得る。テープは、扱いを容易にする程度に十分な伸びを有してもよい。幾つかの態様において、テープは、1%~25%の伸び、好ましくは1%~15%、より好ましくは5%~15%の伸びを有してもよい。
【0034】
[0039]テープは、紙、ラミネート、フィルム、発泡体または発泡フィルムなどの基材または担体を含んでもよい。フィルムは、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン-6、ナイロン-6,6、ナイロン-6,9、ナイロン-6,10、ナイロン6,12、ナイロン-11、およびナイロン-12を含む)、ポリウレタン、これらの混合物、およびこれらのコポリマーからなってもよい。フィルムは、一軸延伸であっても二軸延伸であってもよい。また、担体は、生地担体、例えば、編地、スクリム、テープ、組み紐、タフタ生地、フェルト、織物材料(平織、ツイル織およびサテン織を含む)、強化ファブリック、経編み、および不織ウェブ(固結されたステープルファイバーウェブ、フィラメントウェブ、メルトブローンウェブ、およびスパンボンドウェブを含む)などを含み得る。
【0035】
[0040]接着剤は、感圧性接着剤、例えば、室温の乾燥状態において恒久的に粘着性および接着性をとどめる粘弾性組成物とすることができる。結合は、事実上全ての基材に対して瞬時に優しく圧力を適用することで達成される。用いられる感圧接着剤には、ブロックコポリマーを含有するポリマーブロックをベースとするものが含まれる。こうしたブロックは、例えばスチレンなどのビニル芳香族(Aブロック)ならびに、例えばブタジエンおよびイソプレン、またはこの2つのコポリマーなどの1,3-ジエンの重合を通じて得られるもの(Bブロック)から形成されることが好ましい。異なるブロックコポリマーの混
合物も用いることができる。部分的または完全に水素化された生成物を使用することが優先される。ブロックコポリマーは、直鎖状A-B-A構造を有してもよい。同様に、放射状アーキテクチャーを有するブロックコポリマーを用いることが可能であり、また星形マルチブロックコポリマーおよび直鎖状マルチブロックコポリマーを用いることも可能である。ポリスチレンブロックの代わりに、他の芳香族を含有するホモポリマーまたはコポリマー(好ましくはC8~C12芳香族)をベースとし、例えば約75℃超のガラス転移温度を有するポリマーブロック、例えばα-メチルスチレン含有芳香族ブロックなど、を利用することも可能である。
【0036】
[0041](メタ)アクリレートホモポリマーおよび(メタ)アクリレートコポリマーをベースとし75℃超のガラス転移温度を有するポリマーブロックも、利用可能である。この文脈において、(メタ)アクリレートポリマーをベースとする硬質ブロックをもっぱら利用するブロックコポリマーを用いることだけが可能なのではなく、ポリ(メタ)アクリレートブロックだけでなくポリ芳香族ブロック、例えばポリスチレンブロックも利用するものを用いることも可能である。無機ではない材料および主として無機ではない材料(より特定すると、有機材料およびポリマー材料)におけるガラス転移温度の数値は、具体的な場合において別途示されない限り、参照によって本明細書に組み込まれるDIN53765:1994-03(セクション2.2.1を参照)に記載のガラス転移温度の数値Tgに関連する。スチレン-ブタジエンブロックコポリマーおよびスチレン-イソプレンブロックコポリマーならびに/またはこれらの水素化された生成物(スチレン-エチレン/ブチレンブロックコポリマーおよびスチレン-エチレン/プロピレンブロックコポリマーを含む)の代わりに、本発明に従って、ポリジエン含有エラストマーブロック、例えば2つ以上の異なる1,3-ジエンのコポリマーなどをさらに利用する、ブロックコポリマーおよびその水素化された生成物を利用することも、同様に可能である。官能化ブロックコポリマー、例えば、無水マレイン酸変性スチレンブロックコポリマーまたはシラン変性スチレンブロックコポリマーなども、使用することができる。ブロックコポリマーのための通常の使用濃度は、30wt.%~70wt.%の範囲、より特定すると35wt.%~55wt.%の範囲の濃度である。
【0037】
[0042]テープ中に含まれてもよいさらなるポリマーは、純粋な炭化水素をベースとするポリマー、例えば、天然または合成生成されたポリイソプレンまたはポリブタジエンなどの不飽和ポリジエン、例えば飽和エチレン-プロピレンコポリマー、α-オレフィンコポリマー、ポリイソブチレン、ブチルゴム、エチレン-プロピレンゴムなどの実質的な化学飽和を有するエラストマー、ならびに、例えばハロゲン含有ポリオレフィン、アクリレート含有ポリオレフィン、またはビニルエーテル含有ポリオレフィンなどの化学的に官能化された炭化水素などであり、これらは、ビニル芳香族含有ブロックコポリマーの半分以下に置き換わってもよい。
【0038】
[0043]テープは、粘着付与剤または粘着付与樹脂をさらに含んでもよい。好適な粘着付与樹脂には、ロジンまたはロジン誘導体をベースとする部分的または完全に水素化された樹脂が含まれる。水素化された炭化水素樹脂、例えば芳香族含有炭化水素樹脂を部分的または完全に水素化することによって得られる水素化された炭化水素樹脂(例えば、Arakawa社のArkon PおよびArkon Mシリーズ、またはEastman社のRegaliteシリーズ)、水素化されたジシクロペンタジエンポリマーをベースとする炭化水素樹脂(例えば、Exxon社のEscorez 5300シリーズ)、水素化されたC5/C9樹脂をベースとする炭化水素樹脂(Exxon社のEscorez 5600シリーズ)、または水素化されたC5樹脂をベースとする炭化水素樹脂(Eastman社のEastotac)、およびこれらの混合物を、少なくとも部分的に使用することも可能である。ポリテルペンをベースとする水素化されたポリテルペン樹脂も使用することができる。粘着付与樹脂は、単独および混合物の両方で用いることができる。
【0039】
[0044]テープは、UV吸収剤などの光安定剤、立体障害アミン、オゾン分解防止剤、金属不活性化剤、加工助剤、およびエンドブロック強化樹脂を含めた、さらなる添加物も含んでもよい。可塑剤には、液体樹脂、可塑剤油、または低分子量液体ポリマー(1500g/mol(数平均)未満の分子量を有する低分子量ポリイソブチレンまたは液体EPDMグレードを含む)が含まれ得る。
【0040】
[0045]テープは、使用時まで、接着剤の1つまたは2つの層をライニングするライナー材料を有してもよい。好適なライナー材料には、上で包括的に列挙した材料の全てが含まれる。ただし、ポリマーフィルムまたは十分にサイジングされた長繊維紙などの、毛羽立ちのない材料を使用することが優先される。
【0041】
[0046]離型剤を担体またはフィルムの頂部面に適用しておいてもよい。好適な離型剤には、ステアリルスルホスクシネートまたはステアリルスルホスクシナメートなどの長鎖アルキル基をベースとする界面活性剤ベースの離型系が含まれるが、ポリマーも含まれ、ポリマーは、例えばその全体が参照によって本明細書に組み込まれるDE28 45 541 Aに記載のように、ポリビニルステアリルカルバメート、ポリエチレンイミンステアリルカルバミド、C14~C28脂肪酸のクロム錯体、およびステアリルコポリマーからなる群から選択することができる。同様に、過フッ素化アルキル基を有するアクリルポリマーをベースとする離型剤、例えばポリ(ジメチルシロキサン)をベースとするものなどのシリコーンまたはフルオロシリコーン化合物も好適である。離型コーティングは、シリコーンベースポリマーを含むことができる。このような離型効果を有するシリコーンベースポリマーにおける特に好ましい例としては、ポリウレタン変性シリコーンおよび/またはポリウレア変性シリコーン、好ましくはオルガノポリシロキサン/ポリウレア/ポリウレタンブロックコポリマー、より好ましくは、70%のシリコーン重量分率および30mg KOH/gの酸価を有する、アニオン的に安定化されたポリウレタン変性シリコーンおよびウレア変性シリコーンを含めた、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるEP1336683B1の実施例19に記載されるものが挙げられる。一態様において、離型層は、10~20wt.%、より好ましくは13~18wt.%の離型効果成分を含む。
【0042】
[0047]包装の前、テープは、ロールの形態、言い換えると自らが巻かれたアルキメデス螺旋の形態で提供してもよく、シリコーン処理された紙またはシリコーン処理されたフィルムなどの離型材料を接着剤側にライニングして提供してもよい。接着テープの裏面には、ロールに巻かれた接着テープの巻出特性に有益に影響を及ぼすために、裏面ニスが適用されてもよい。
【0043】
[0048]テープは、伸展性の低いPETヤーンまたはストリングから作製される双方向のレイド/織ファブリックからなる強化材を含んでもよい。特に、緯糸による経編みが好適であるが、これは、レイドファブリックの場合、経糸の波形構造がなければ材料に追加の伸展性が導入されないことを意味するからである。他の態様において、テープは、強化ストリングも強化繊維も有しない。
【0044】
[0049]テープ片の数、テープの配置およびテープの幅は、テープの引張強度、剪断強度、および最終用途における荷重要件に応じて選択することができる。上に記載のように、記載される好ましい強度範囲におけるセルロースアセテートトウの用途およびテープに関しては、テープの幅が選択される。テープの厚さも、用途に応じて、そしてテープの所望の引張強度および剪断強度に応じて、選択され得る。テープの厚さは様々であり得るが、好ましくは50~400μm、例えば、75~200μmまたは100~150μmの範囲である。使用するテープの量は、包装材を適切に固定する一方で減少させることが望ましい。
【0045】
[0050]幾つかの局面において、包装材はストラップによって固定される。ストラップは、金属ストラップのための圧接またはクリッピング、およびプラスチックストラップのあめの摩擦溶接を含めた、公知の手段によって固定することができる。金属ストラップを使用してもよいが、より安価であり、危険性が少ないため、プラスチックストラップが好ましい。テープの場合と同様、ストラップの数、ストラップの配置、およびストラップの幅は、ストラップの引張強度、ベールのサイズおよび寸法、ならびに最終ベールの荷重要件に応じて選択することができる。幾つかの局面において、垂直方向に適用するストラップの数は、繊維材料の全垂直方向の膨張力に耐える程度に十分であるように選択される。他の局面において、ストラップの数および配置は、容認できないベールの隆起またはゆがみを防ぐためである。幾つかの局面において、2つのストラップが、ベールの周囲に垂直方向に固定される。さらなる局面において、3つのストラップが、ベールの周囲に垂直方向に固定される。なおさらなる局面において、4つのストラップが、ベールの周囲に垂直方向に固定される。さらなる局面において、5つ以上のストラップが、ベールの周囲に垂直方向に固定される。繊維材料を圧縮する方法に起因し、ベールの周囲に水平方向に固定され得るストラップは、垂直方向に固定されるストラップの引張強度要件と同じ要件を満たす必要はない。幾つかの局面において、水平方向のストラップは、限られた時間の間、包装材を所定の位置に保持するための一時的なストラップである。幾つかの局面において、2つのストラップが、ベールの周囲に水平方向に固定される。他の局面において、3つのストラップが、ベールの周囲に水平方向に固定される。さらなる局面において、4つ以上のストラップが、ベールの周囲に水平方向に固定される。
【0046】
[0051]加えて、上部シート、下部シートの設計、および側部シートの数に応じて、垂直方向および水平方向のストラップは様々に配置され得る。幾つかの局面において、垂直方向のストラップおよび水平方向のストラップは、ベールに沿って均等に配置される。他の局面において、繊維材料を圧縮するために平坦なプラテンを使用するような場合、垂直方向のストラップは均等に配置するのではなくベールの中央に向けて集中させ、一方、水平方向のストラップは依然として均等に配置してもよい。
【0047】
[0052]包装方法
[0053]本明細書に記載のように、本発明の方法は、繊維材料の包装、例えば、セルロースアセテートトウの包装に関する。包装は真空下では起こらない可能性があり、すなわち真空封止プロセスは使用されず、包装が意図的に気密化されることはない。繊維材料は、包装する前に圧縮してもよい。圧縮されていない繊維材料は、あらゆる形状、例えば、立方体、直角プリズム、柱面など、好ましくは直角プリズムの形状で供給することができる。さらなる局面において、臭いもしくは水の侵入、または他のタイプの混入を阻止するために、圧縮されていない繊維材料をライナーの中に、例えば繊維材料とシートとの間にあるライナーの中に供給することができる。使用する場合、ライナーは、いかなる程度であっても繊維材料の圧縮を収容するために使用するのではなく、単に保護用であることが好ましい。ライナーは、当技術分野で公知のどのような従来型ライナーであってもよい。ライナーは1ピース、例えば1つの袋であってもよく、この袋は頂部または底部プラテンに被せ、次に、圧縮された繊維材料の上に引き寄せて、圧縮された繊維材料と密着するようにする。さらなる局面において、ライナーは2ピースであってもよく、1ピースは頂部プラテンに被せ、1ピースは底部プラテンに被せる。任意に、ライナーは、接着剤またはテープで固定してもよい。本明細書に記載の同じ接着剤またはテープを、ライナーを固定するために使用してもよい。さらなる局面において、ライナーは固定されず、包装材によって定位置に保持される。ライナーは熱封止も真空封止もされず、したがって気密性ではない。
【0048】
[0054]繊維材料は、包装の前に、大気圧下で繊維材料を収容する役目を果たす大型の缶に保管してもよい。この缶は、整形された繊維材料を供給するために開放されていてもよい。繊維材料は、立方体または直角プリズム形状の圧縮された繊維材料を形成するように、公知の方法を介して圧縮することができる。繊維材料は、圧縮の前または後に、下部シートと上部シートとの間に配置される。下部シートは下部プラテン上に載っており、上部シートは上部プラテンに取り外し可能なように取り付けられているか、または取り付けられていない。各シートは、それぞれのプラテン上に配置し、重力によって定位置に保持することができ、かつ/または、磁石、テープ、ロープ、バンジーコード、もしくは他の固定手段を含めた公知の手段によって、それぞれのプラテンに取り付けることができる。幾つかの局面において、下部シートおよび/または上部シートの表面積は、それぞれ、繊維材料の底部表面積および/または頂部表面積よりも大きい。
【0049】
[0055]圧縮されていない繊維材料が下部シートと上部シートと(そして場合によりライナーと)の間に配置されると、プレスが作動して繊維材料を包み、下部プラテンを上げるかまたは上部プラテンを下げて繊維材料を圧縮することができる。代替的に、上部および下部プラテンの両方を動かして繊維を圧縮してもよい。目標力が、所定の滞留時間の間、繊維材料を圧縮するために適用される。圧縮後、上に記載のように、ある特定のパーセンテージの引っ込みおよび弛緩が許容される。圧縮された繊維材料は、プラテンを引っ込めた後、ただしベールを解放するためにプラテンを完全に開く前、圧縮された繊維材料中に維持された残留力を含む。圧縮された繊維材料がセルロースアセテートトウベールである態様において、残留圧力は、例えば約35N/cm以下とすることができる。
【0050】
[0056]ベールがプレスされると、上部シートおよび下部シートがベールの周囲を包み、ベール(または、適用する場合はライナー)の表面積の100%を実質的に包むことができる。幾つかの態様において、少なくとも1つの側部シートは、包装材の一部としても使用される。幾つかの局面において、1つの側部シートが使用され、ベールの周囲を水平方向に包む。さらなる局面において、2つの側部シートが使用され、ベールの周囲を水平方向に包む。なおさらなる局面において、2つの側部シートが使用され、各シートはベールの周囲を垂直方向に包みベールの表面積の100%を包む。側部シートは、互いにまたは自身で重なってもよい。この重なりは、上部シート上、底部シート上、またはベールの側部に沿って、またはこれらのどのような組み合わせでも起こり得る。
【0051】
[0057]下部シートの表面積が底部表面の表面積よりも大きい局面において、または上部シートの表面積が頂部表面の表面積よりも大きい局面において、下部シートおよび/または上部シートは、ベールの少なくとも1つの側部表面に重なるように折り畳まれる。プラテンを被せることおよびシートを折り畳むことの両方を容易にするために、上部シートおよび/または下部シートは、折り目づけされたコーナー、切断されたコーナー、または除去される材料に関して自らに切り込まれたスリットを有するコーナー、を有してもよい。コーナーにおける切断部分の一例が、図3に示される。図3に示されるように、折り目(破線)は、完全にシートを切断するものではないが、折り曲げることなく折り畳めるようにシートにおける柔軟性を可能にし、一方、コーナーの切断部分(6)(実線)は、一体性を維持しながらも、材料を除去することなく材料におけるさらなる柔軟性を可能にする。同様に、材料を除去するために各コーナーにスリットを入れることで、強度を損なうことなくシートにある程度の弾力性をもたらす。スリットは、Y字形、V字形、またはU字形とすることができるが、他の形状も可能である。さらに、上部シートは、底部シートとは異なるスリット形状を有してもよい。図4に示されるように、頂部シート(2)および底部シート(3)の各コーナーは、V字形スリット(8)を有する。コーナーは、折り畳まれる際に、最初は交わる可能性があるものの、繰り返しになるが、破れたりさもなければ損傷したりすることなく膨張を可能にするための多少の弾力性を有することができる。加えて、図4に示されるように、シートの長手方向(外辺部フラップ)の縁は折り目づけされてもよい。折り目づけは、複数の平行な折り目線からなり、これによってシートをプラテンの周囲で折り畳み、次に、圧縮および横方向の膨張後に、ベールの周囲で再び折り畳むことが可能になる。
【0052】
[0058]幾つかの局面において、上部シートおよび/または下部シートは、少なくとも1つの側部シートでベールの周囲を包む前に折り畳まれてもよい。他の局面において、少なくとも1枚の側部シートでベールの周囲を包み、次に上部シートおよび/または下部シートが側部シートの周囲で折り畳まれてもよい。
【0053】
[0059]幾つかの局面において、少なくとも1枚の側部シートも、ベールの周囲を包むことを可能にするために、本明細書に記載のようにスリットまたは折り目を有してもよい。他の局面において、少なくとも1枚の側部シートは、いかなるスリットも折り目も有しない。
【0054】
[0060]上部シート、下部シート、および少なくとも1枚の側部シートが定位置にあると、これらのシートは本明細書に記載のように固定されて、包装されたベールを形成する。包装材(例えば、上部シート、下部シートおよび少なくとも1枚の側部シート)は、圧縮された繊維材料(ベール)の表面積の100%、または、圧縮された繊維材料がライナーの中に包まれる場合はライナーの表面積の100%を包む。概して、包装工程は、プレスから1時間以内、例えば、30分以内、15分以内、または10分以内に行われる。
【0055】
[0061]包装材が固定され、包装されたベールを解放するためにプレスが開かれると、包装体は垂直方向、そして横方向に膨張し、繊維材料が包装体を満たすにつれて、包装材料の伸展が引き起こされ得る。包装材料が伸展する際に、繊維材料における垂直方向の圧縮力は降下するが、依然として約5N/cm以下の圧力であり得る。圧縮力は、約48時間この範囲でとどまり得る。圧縮力は、この時間中に次第に減少し得る。概して、48時間で圧縮力が実質的に平衡に達するものと理解されており、この理由により、48時間という保管期間が包装材の破損を検査するために使用される。
【0056】
[0062]幾つかの局面において(図示されず)、繊維材料は圧縮してから下部シートと上部シートとの間に配置される。これらの局面において、下部プラテンおよび上部プラテンは必要ではなく、シートは繊維材料の上に手作業で配置してもよい。
【0057】
[0063]繊維材料が圧縮されたら、下部シートと上部シートとの間に配置される前または配置の後に、好ましくは周囲温度および周囲圧力で包装が行われる。
[0064]48時間の保管期間の後に、概して周囲温度および周囲圧力で、包装されたベールが検査される。本発明に従って包装が行われる際に、ベール(またはライナー)の表面積の1%未満、例えば、0.5%未満、0.1%未満または0.01%未満が可視である。6平方メートル(または600cm)の表面積を有する1メートル×1メートル四方のベールに関して言えば、6平方センチメートル未満が可視と考えられ、例えば、3平方センチメートル未満、0.6平方センチメートル未満、または0.06平方センチメートルが可視と考えられる。したがって、包装材は、包装されたベールが少なくとも48時間保管された後に、ベール(またはライナー)の表面積の99%以上、例えば、99.5%以上、99.9%以上、または99.99%以上を覆っている。
【0058】
[0065]本発明は、ベール(またはライナー)の可視表面積のパーセンテージを減少させることに加えて、可視表面積のパーセンテージの、ベールの垂直膨張のパーセンテージに対する比率の減少ももたらす。幾つかの局面において、この比率は、1:1以下、例えば、0.9:1以下、0.8:1以下、または0.7:1以下である。このような比率の減少は、垂直方向の膨張が増加していくにつれて、可視表面積が、例えば、増加するとしてもより少ない比率で増加することを示すものであるから、包装材における弾力性を反映している。
【0059】
[0066]図面で開示されている繊維材料は立方体形状で示されているが、他の形状を使用してもよく、それに応じて折り畳みプロセスは、シートが重なりテープ、ストラップおよび/または接着剤と接続することができるように変更されることを理解されたい。
【0060】
[0067]本発明が詳細に説明されてきたが、本発明の趣旨および範囲内で変更がなされることは、当業者には容易に明らかであろう。本明細書および/または添付の特許請求の範囲において列挙される、本発明の局面ならびに様々な態様および様々な特徴の一部は、全体的にまたは部分的に組み合わせても入れ替えてもよいことが理解されるべきである。様々な態様についての上述の説明において、別の態様を指す態様は、当業者によって理解されることになるように、他の態様と適正に組み合わせてもよい。さらに、当業者であれば、上述の説明は単に例であるに過ぎず、本発明を限定することを意図するものではないことを理解するであろう。
【符号の説明】
【0061】
1 ベール
2 頂部シート、頂部包装シート、上部シート
3 底部シート
4 側部包装シート
5 ストラップ
6 コーナーの切断部分
8 V字形スリット
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】