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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126673
(43)【公開日】2023-09-07
(54)【発明の名称】パイプアセンブリ断熱および防湿
(51)【国際特許分類】
   F16L 59/075 20060101AFI20230831BHJP
【FI】
F16L59/075
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023119816
(22)【出願日】2023-07-24
(62)【分割の表示】P 2021549968の分割
【原出願日】2020-02-20
(31)【優先権主張番号】62/811,818
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510218928
【氏名又は名称】ビクターリック カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ジェイ. ウェブスター
(72)【発明者】
【氏名】アダム エム. グレー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ エム. マルニッチ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン ディー. クエナー
(57)【要約】
【課題】好適なパイプアセンブリ断熱および防湿を提供すること。
【解決手段】パイプ要素、パイプカップリング、エルボ、T字およびバルブを含むアセンブリに対する断熱カバーは、防湿としても作用する。カバー部分は、継目に沿って継合され、継目は、カバー部分およびパイプ要素の両方の間に連続なシールを提供し、シールは、カバー内に画定されるチャネルを通じて延在する。継目は、窪みを含み、シーラントは、カバー部分がアセンブリの周りに継合されるときに窪みへと強制される。窪みは、非対称な隆起および溝ジョイントによって画定される。溝と連通するチャネル内のカナルもまた、連続なシールを提供するためにシーラントを受け取る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年2月28日に出願された米国仮出願第62/811,818号に基づいており、これに対する優先権を主張し、これにより、米国仮出願第62/811,818号は、本明細書内で参照によって援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、パイプ要素のアセンブリに対する断熱に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
熱損失に対して配管網を断熱しエネルギーを節約することを手助けすることと、配管が冷水を運ぶときに防湿を提供することとを行うために配管網にカバーをすることは、有利である。防湿は、凝縮物が冷水パイプ上に形成することを防止し、パイプ要素の腐食を軽減するかまたは防止さえする。
【0004】
直線パイプ路に対して断熱を提供することは、(パイプが標準的に制御されるとき)極めて単純である一方、機械式カップリング、バルブ、エルボフィッティングおよびT字フィッティングなどの複雑なパイプアセンブリに対する断熱を作り出すことは、より複雑な仕事である。このようなパイプ配列は、標準化されない傾向にあり、多くの異なるサイズ、構成およびタイプのアセンブリを備え得る。パイプ要素が、互いにまたはフィッティングもしくは構成要素に継合されるアセンブリにおける断熱の不全、とりわけその防湿機能の不全は、認識されている産業課題である。防湿が、一箇所で損なわれる場合には、亀裂は、配管システム全体を損ない得る。パイプ要素が継合されるアセンブリにおいて有効な防湿を提供し得る、改良された断熱カバーに対する必要性が、明白に存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(概要)
本発明は、パイプ要素を継合しているアセンブリを囲繞するように位置付け可能なカバーに関する。一例となる実施形態では、カバーは、アセンブリを受け取るための第一のリセスを画定する第一のカバー部分を備える。第一のカバー部分は、第一のチャネルを画定する第一の側壁と、第二のチャネルを画定する第二の側壁とを有する。第一のチャネルおよび第二のチャネルは、第一のリセスと連通する。第一のチャネルおよび第二のチャネルは、パイプ要素を受け取る。第二のカバー部分は、アセンブリを受け取るための第二のリセスを画定する。第二のカバー部分は、第三のチャネルを画定する第三の側壁と、第四のチャネルを画定する第四の側壁とを有する。第三のチャネルおよび第四のチャネルは、第二のリセスと連通する。第三のチャネルおよび第四のチャネルもまた、パイプ要素を受け取る。第一の境界面は、第一のカバー部分上に位置付けられる。第一の境界面は、第一のリセスならびに第一のチャネルおよび第二のチャネルを囲繞する。第二の境界面は、第二のカバー部分上に位置付けられる。第二の境界面は、第二のリセスならびに第三のチャネルおよび第四のチャネルを囲繞する。第二の境界面は、アセンブリを囲繞するように第一のカバー部分と第二のカバー部分とを互いに継合するために第一の境界面と係合可能である。第一のカナルは、第一のチャネルに対して横断するように第一の側壁内に位置付けられる。第二のカナルは、第二のチャネルに対して横断するように第二の側壁内に位置付けられる。第三のカナルは、第三のチャネルに対して横断するように第三の側壁内に位置付けられる。第四のカナルは、第四のチャネルに対して横断するように第四の側壁内に位置付けられる。
【0006】
例として、第一の境界面の少なくとも第一の部分は、それに沿って延在する溝を備える。第二の境界面の少なくとも第一の部分は、それから延在する隆起を備える。第二の境界面の第一の部分の隆起は、第一のカバー部分および第二のカバー部分が互いに継合されるときに第一の境界面の第一の部分の溝内に受け取られる。ある例となる実施形態では、第一の境界面の第一の部分の溝は、第一のカバー部分および第二のカバー部分が互いに継合されるときに第一のカナルおよび第三のカナルと流体連通する。さらなる例として、第一の境界面の少なくとも第二の部分は、それから延在する隆起を備える。第二の境界面の少なくとも第二の部分は、それに沿って延在する溝を備える。第一の境界面の第二の部分の隆起は、第一のカバー部分および第二のカバー部分が互いに継合されるときに第二の境界面の第二の部分の溝内に受け取られる。ある例となる実施形態では、第二の境界面の第二の部分の溝は、第一のカバー部分および第二のカバー部分が互いに継合されるときに第二のカナルおよび第四のカナルと流体連通する。さらなる例として、第一の境界面の第一の部分内の溝は、第一のカバー部分および第二のカバー部分が互いに継合されるときに第二の境界面の第二の部分内の溝と流体連通する。加えて例として、第一の境界面の第一の部分の隆起は、表面を備え、表面は、第二の境界面に対して角度をつけて方向付けられ、それにより第一のカバー部分と第二のカバー部分との間に窪みを画定する。ある例となる実施形態では、第二の境界面の第二の部分の隆起は、表面を備え、表面は、第一の境界面に対して角度をつけて方向付けられ、それにより第一のカバー部分と第二のカバー部分との間に窪みを画定する。
【0007】
別の例となる実施形態では、第一の境界面は、第一の整列切り欠きおよび第二の整列切り欠きを備える。第二の境界面は、第一の整列ブロックおよび第二の整列ブロックを備える。第一の整列切り欠きおよび第二の整列切り欠きは、第一のカバー部分および第二のカバー部分が互いに継合されるときに第一の整列ブロックおよび第二の整列ブロックが第一の整列切り欠きおよび第二の整列切り欠きと相互係止するように、第一の整列ブロックおよび第二の整列ブロックに対する補完形状を有する。さらなる例では、第一の境界面は、第三の整列ブロックおよび第四の整列ブロックを備える。第二の境界面は、第三の整列切り欠きおよび第四の整列切り欠きを備える。第三の整列切り欠きおよび第四の整列切り欠きは、第一のカバー部分および第二のカバー部分が互いに継合されるときに第三の整列ブロックおよび第四の整列ブロックが第三の整列切り欠きおよび第四の整列切り欠きと相互係止するように、第三の整列ブロックおよび第四の整列ブロックに対する補完形状を有する。ある具体的な例となる実施形態では、整列ブロックおよび整列切り欠きは、ステップ形状である。
【0008】
ある例となる実施形態は、カナル内および窪み内に位置付けられるシールをさらに備える。本例では、シールは、第一のリセスおよび第二のリセスを完全に囲繞する。ある例は、第一のカバー部分および第二のカバー部分内に開口部をさらに備え得る。開口部は、第一の境界面および第二の境界面に沿って位置している。第一の境界面上の第五のカナルは、開口部に沿って延在し、第六のカナルは、第二のカバー部分に沿って延在する。カナルは、窪みと流体連通し、シールを受け取る。ある例となる実施形態では、シールは、連続なガスケット、押出成形されるコーク、ロープコークおよびそれらの組み合わせから本質的になるグループから選択される。さらなる例として、第一のカバー部分および第二のカバー部分は、発泡層を備える。具体的な例となる実施形態では、発泡層は、厚さ1インチにつき少なくともR=5の断熱値を有する。さらなる例では、発泡層は、ポリイソシアヌレートを含む。ある例となるカバーは、発泡層上にポリ塩化ビニリデンのコーティングをさらに備え得る。さらなる例として、カバーは、発泡層を囲繞する外部コーティングを備える。例として、外部コーティングは、ポリウレア、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよびそれらの組み合わせから本質的になるグループから選択される。さらなる例では、発泡層および外部コーティングは、火炎伝播および煙に対するASTM E84試験基準を通じて25/50より低いレイティングを達成する。
【0009】
本発明は、第一のパイプ要素と第二のパイプ要素とを互いに継合するアセンブリを囲繞するように位置付け可能なカバーをさらに包含する。例として、カバーは、アセンブリを受け取るための第一のリセスを画定する第一のカバー部分を備える。第一のカバー部分は、第一のパイプ要素を受け取るための第一のチャネルおよび第二のチャネルを画定する。第一のチャネルおよび第二のチャネルは、第一のリセスと連通する。第二のカバー部分は、アセンブリを受け取るための第二のリセスを画定する。第二のカバー部分は、第二のパイプ要素を受け取るための第三のチャネルおよび第四のチャネルを画定する。第三のチャネルおよび第四のチャネルは、第二のリセスと連通する。第一のカバー部分および第二のカバー部分は、継目においてアセンブリおよびパイプ要素を囲繞するように互いに継合される。継目は、第一のリセスおよび第二のリセスから離れて外向きに面する窪みを備える。
【0010】
ある例となる実施形態では、窪みは、非対称な断面形状を有する。さらなる例として、シールは、窪み内に位置付けられる。ある例となる実施形態は、第一のチャネル内に位置付けられる第一のカナルをさらに備え、窪みと流体連通する。第二のカナルは、第二のチャネル内に位置付けられ、窪みと流体連通する。第三のカナルは、第三のチャネル内に位置付けられ、窪みと流体連通する。第四のカナルは、第四のチャネル内に位置付けられ、窪みと流体連通する。ある具体的な例となる実施形態では、カナルの各々は、非対称な断面形状を有する。さらなる例として、カナルの各々は、第一のリセスおよび第二のリセスから離れて外向きに面する。
【0011】
ある例となる実施形態は、カナル内および窪み内に位置付けられるシールをさらに備える。本例では、シールは、第一のリセスおよび第二のリセスを完全に囲繞する。さらなる例として、シールは、連続なガスケット、押出成形されるコーク、ロープコークおよびそれらの組み合わせから本質的になるグループから選択される。ある例となる実施形態では、第一のカバー部分および第二のカバー部分は、発泡層を備える。さらなる例として、発泡層は、厚さ1インチにつき少なくともR=5の断熱値を有する。ある例となる実施形態では、発泡層は、ポリイソシアヌレートを含む。ある例となる実施形態では、ポリ塩化ビニリデンのコーティングは、発泡層上にある。ある例となるカバーの実施形態は、発泡層を囲繞する外部コーティングをさらに備え得る。例として、外部コーティングは、ポリウレア、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよびそれらの組み合わせから本質的になるグループから選択される。さらなる例として、発泡層および外部コーティングは、火炎伝播および煙に対するASTM E84試験基準を通じて25/50より低いレイティングを達成する。
【0012】
ある例となるカバーの実施形態は、カバー部分のうちの少なくとも1つの内に開口部をさらに備える。開口部は、継目に沿って位置しており、窪みに割り込みする。カナルは、開口部に沿って延在する。カナルは、窪みと流体連通し、シールを受け取る。
【0013】
ある例となる実施形態では、第一のカバー部分は、継目に沿って位置している第一の開口部部分を画定する。第二のカバー部分は、継目に沿って位置している第二の開口部部分を画定する。第一の開口部部分および第二の開口部部分は、カバー内に開口部を形成するように整列させられる。第一のカナルは、第一の開口部部分を囲繞し、窪みと流体連通する。第二のカナルは、第二の開口部部分を囲繞し、窪みと流体連通する。本例では、シールは、第一のカナルおよび第二のカナル内に受け取られる。さらなる例として、継目の少なくとも一部分は、第一のカバー部分から延在する隆起によって画定される。隆起は、第二のカバー部分内に位置付けられる溝内に受け取られる。ある例となる実施形態では、窪みは、第一のカバー部分および第二のカバー部分のうちの少なくとも1つの上の第一の表面によって画定され、第一の表面は、第一のカバー部分および第二のカバー部分のうちの他方の上の第二の表面に対して角度をつけて方向付けられる。第一の表面および第二の表面は、対面する関係にある。ある例となる実施形態では、第一の表面は、隆起に近接して第一のカバー部分上に位置付けられる。さらなる例として、第一のチャネルおよび第三のチャネルは、第一のボアを囲繞する。第二のチャネルおよび第四のチャネルは、第二のボアを囲繞する。本例では、第一のボアおよび第二のボアは、互いと共に整列させられる。
【0014】
本発明はまた、第一のパイプ要素および第二のパイプ要素を含むアセンブリとの組み合わせにおけるカバーを包含する。ある例となる実施形態では、アセンブリは、端端関係においてパイプ要素を継合するカップリングを備える。アセンブリならびに第一のパイプ要素および第二のパイプ要素との組み合わせの、ある例となる実施形態では、アセンブリは、バルブを備える。第一のパイプカップリングは、第一のパイプ要素をバルブに取り付ける。第二のパイプカップリングは、第二のパイプ要素をバルブに取り付ける。
【0015】
別の例となる実施形態では、第一のチャネルおよび第三のチャネルは、第一のボアを囲繞する。第二のチャネルおよび第四のチャネルは、第二のボアを囲繞する。本例では、第一のボアおよび第二のボアは、互いと共に整列させられていない。
【0016】
ある例となる、第一のパイプ要素および第二のパイプ要素を含むアセンブリ、カバーの組み合わせでは、アセンブリは、エルボフィッティングを備える。第一のカップリングは、第一のパイプ要素をエルボフィッティングに継合する。第二のカップリングは、第二のパイプ要素をエルボフィッティングに継合する。
【0017】
本発明に従った、ある例となるカバーは、第一のパイプ要素および第二のパイプ要素を第三のパイプ要素にさらに継合するために用いられる。ある例となる実施形態では、第一のカバー部分は、第三のパイプ要素を受け取るための第五のチャネルを画定する。第五のチャネルは、第一のリセスと連通する。第二のカバー部分は、第三のパイプ要素を受け取るための第六のチャネルを画定する。第六のチャネルは、第二のリセスと連通する。本例では、第五のチャネルおよび第六のチャネルは、第三のボアを囲繞する。第三のボアは、第一のボアおよび第二のボアと共に整列させられていない。
【0018】
別の例となる組み合わせは、T字フィッティングを備える。第一のカップリングは、第一のパイプ要素をT字フィッティングに継合する。第二のカップリングは、第二のパイプ要素をT字フィッティングに継合する。例となる本実施形態では、第三のカップリングは、第三のパイプ要素をT字フィッティングに継合する。
【0019】
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
パイプ要素を継合しているアセンブリを囲繞するように位置付け可能なカバーであって、該カバーは、
該アセンブリを受け取るための第一のリセスを画定する第一のカバー部分であって、該第一のカバー部分は、第一のチャネルを画定する第一の側壁と、第二のチャネルを画定する第二の側壁とを有し、該第一のチャネルおよび該第二のチャネルは、該第一のリセスと連通し、該第一のチャネルおよび該第二のチャネルは、該パイプ要素を受け取るためにある、第一のカバー部分と、
該アセンブリを受け取るための第二のリセスを画定する第二のカバー部分であって、該第二のカバー部分は、第三のチャネルを画定する第三の側壁と、第四のチャネルを画定する第四の側壁とを有し、該第三のチャネルおよび該第四のチャネルは、該第二のリセスと連通し、該第三のチャネルおよび該第四のチャネルは、該パイプ要素を受け取るためにある、第二のカバー部分と、
該第一のカバー部分上に位置付けられる第一の境界面であって、該第一の境界面は、該第一のリセスならびに該第一のチャネルおよび該第二のチャネルを囲繞する、第一の境界面と、
該第二のカバー部分上に位置付けられる第二の境界面であって、該第二の境界面は、該第二のリセスならびに該第三のチャネルおよび該第四のチャネルを囲繞し、該第二の境界面は、該アセンブリを囲繞するように該第一のカバー部分と該第二のカバー部分とを互いに継合するために該第一の境界面と係合可能である、第二の境界面と、
該第一のチャネルに対して横断するように該第一の側壁内に位置付けられる第一のカナルと、
該第二のチャネルに対して横断するように該第二の側壁内に位置付けられる第二のカナルと、
該第三のチャネルに対して横断するように該第三の側壁内に位置付けられる第三のカナルと、
該第四のチャネルに対して横断するように該第四の側壁内に位置付けられる第四のカナルと
を備える、カバー。
(項目2)
前記第一の境界面の少なくとも第一の部分は、それに沿って延在する溝を備え、
前記第二の境界面の少なくとも第一の部分は、それから延在する隆起を備え、該第二の境界面の該第一の部分の該隆起は、前記第一のカバー部分および前記第二のカバー部分が互いに継合されるときに該第一の境界面の該第一の部分の該溝内に受け取られる、
項目1に記載のカバー。
(項目3)
前記第一の境界面の前記第一の部分の前記溝は、前記第一のカバー部分および前記第二のカバー部分が互いに継合されるときに前記第一のカナルおよび前記第三のカナルと流体連通する、項目2に記載のカバー。
(項目4)
前記第一の境界面の少なくとも第二の部分は、それから延在する隆起を備え、
前記第二の境界面の少なくとも第二の部分は、それに沿って延在する溝を備え、該第一の境界面の該第二の部分の該隆起は、前記第一のカバー部分および前記第二のカバー部分が互いに継合されるときに該第二の境界面の該第二の部分の該溝内に受け取られる、
項目2に記載のカバー。
(項目5)
前記第二の境界面の前記第二の部分の前記溝は、前記第一のカバー部分および前記第二のカバー部分が互いに継合されるときに前記第二のカナルおよび前記第四のカナルと流体連通する、項目4に記載のカバー。
(項目6)
前記第一の境界面の前記第一の部分内の前記溝は、前記第一のカバー部分および前記第二のカバー部分が互いに係合されるときに前記第二の境界面の前記第二の部分内の前記溝と流体連通する、項目4に記載のカバー。
(項目7)
前記第一の境界面の前記第一の部分の前記隆起は、表面を備え、該表面は、前記第二の境界面に対して角度をつけて方向付けられ、それにより前記第一のカバー部分と前記第二のカバー部分との間に窪みを画定する、項目2に記載のカバー。
(項目8)
前記第二の境界面の前記第二の部分の前記隆起は、表面を備え、該表面は、前記第一の境界面に対して角度をつけて方向付けられ、それにより前記第一のカバー部分と前記第二のカバー部分との間に窪みを画定する、項目3に記載のカバー。
(項目9)
前記第一の境界面は、第一の整列切り欠きおよび第二の整列切り欠きを備え、
前記第二の境界面は、第一の整列ブロックおよび第二の整列ブロックを備え、該第一の整列切り欠きおよび該第二の整列切り欠きは、前記第一のカバー部分および前記第二のカバー部分が互いに継合されるときに該第一の整列ブロックおよび該第二の整列ブロックが該第一の整列切り欠きおよび該第二の整列切り欠きと相互係止するように、該第一の整列ブロックおよび該第二の整列ブロックに対する補完形状を有する、
項目1に記載のカバー。
(項目10)
前記第一の境界面は、第三の整列ブロックおよび第四の整列ブロックを備え、
前記第二の境界面は、第三の整列切り欠きおよび第四の整列切り欠きを備え、該第三の整列切り欠きおよび該第四の整列切り欠きは、前記第一のカバー部分および前記第二のカバー部分が互いに継合されるときに該第三の整列ブロックおよび該第四の整列ブロックが該第三の整列切り欠きおよび該第四の整列切り欠きと相互係止するように、該第三の整列ブロックおよび該第四の整列ブロックに対する補完形状を有する、
項目9に記載のカバー。
(項目11)
前記整列ブロックおよび前記整列切り欠きは、ステップ形状である、項目10に記載のカバー。
(項目12)
前記カナル内および前記窪み内に位置付けられるシールをさらに備え、該シールは、前記第一のリセスおよび前記第二のリセスを完全に囲繞する、項目7に記載のカバー。
(項目13)
前記第一のカバー部分および前記第二のカバー部分内に開口部をさらに備え、該開口部は、前記第一の境界面および前記第二の境界面に沿って位置しており、該第一のカバー部分上の第五のカナルは、該開口部に沿って延在し、第六のカナルは、該第二のカバー部分に沿って延在し、該カナルは、前記窪みと流体連通し、前記シールを受け取る、項目12に記載のカバー。
(項目14)
前記シールは、連続なガスケット、押出成形されるコーク、ロープコークおよびそれらの組み合わせから本質的になるグループから選択される、項目12に記載のカバー。
(項目15)
前記第一のカバー部分および前記第二のカバー部分は、発泡層を備える、項目1に記載のカバー。
(項目16)
前記発泡層は、厚さ1インチにつき少なくともR=5の断熱値を有する、項目15に記載のカバー。
(項目17)
前記発泡層は、ポリイソシアヌレートを含む、項目15に記載のカバー。
(項目18)
前記発泡層上にポリ塩化ビニリデンのコーティングをさらに備える、項目15に記載のカバー。
(項目19)
前記発泡層を囲繞する外部コーティングをさらに備える、項目15に記載のカバー。
(項目20)
前記外部コーティングは、ポリウレア、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよびそれらの組み合わせから本質的になるグループから選択される、項目19に記載のカバー。
(項目21)
前記発泡層および前記外部コーティングは、火炎伝播および煙に対するASTM E84試験基準を通じて25/50より低いレイティングを達成する、項目19に記載のカバー。
(項目22)
第一のパイプ要素と第二のパイプ要素とを互いに継合しているアセンブリを囲繞するように位置付け可能なカバーであって、該カバーは、
該アセンブリを受け取るための第一のリセスを画定する第一のカバー部分であって、該第一のカバー部分は、該第一のパイプ要素を受け取るための第一のチャネルおよび第二のチャネルを画定し、該第一のチャネルおよび該第二のチャネルは、該第一のリセスと連通する、第一のカバー部分と、
該アセンブリを受け取るための第二のリセスを画定する第二のカバー部分であって、該第二のカバー部分は、該第二のパイプ要素を受け取るための第三のチャネルおよび第四のチャネルを画定し、該第三のチャネルおよび該第四のチャネルは、該第二のリセスと連通する、第二のカバー部分と
を備え、
該第一のカバー部分および該第二のカバー部分は、継目において該アセンブリおよび該パイプ要素を囲繞するように互いに継合され、該継目は、該第一のリセスおよび該第二のリセスから離れて外向きに面する窪みを備える、
カバー。
(項目23)
前記窪みは、非対称な断面形状を有する、項目22に記載のカバー。
(項目24)
前記窪み内に位置付けられるシールをさらに備える、項目22に記載のカバー。
(項目25)
前記第一のチャネル内に位置付けられ、前記窪みと流体連通する第一のカナルと、
前記第二のチャネル内に位置付けられ、該窪みと流体連通する第二のカナルと、
前記第三のチャネル内に位置付けられ、該窪みと流体連通する第三のカナルと、
前記第四のチャネル内に位置付けられ、該窪みと流体連通する第四のカナルと
をさらに備える、項目22に記載のカバー。
(項目26)
前記カナルの各々は、非対称な断面を有する、項目25に記載のカバー。
(項目27)
前記カナルの各々は、前記第一のリセスおよび前記第二のリセスから離れて外向きに面する、項目25に記載のカバー。
(項目28)
前記カナル内および前記窪み内に位置付けられるシールをさらに備え、該シールは、前記第一のリセスおよび前記第二のリセスを完全に囲繞する、項目25に記載のカバー。
(項目29)
前記シールは、連続なガスケット、押出成形されるコーク、ロープコークおよびそれらの組み合わせから本質的になるグループから選択される、項目28に記載のカバー。
(項目30)
前記第一のカバー部分および前記第二のカバー部分は、発泡層を備える、項目22に記載のカバー。
(項目31)
前記発泡層は、厚さ1インチにつき少なくともR=5の断熱値を有する、項目30に記載のカバー。
(項目32)
前記発泡層は、ポリイソシアヌレートを含む、項目30に記載のカバー。
(項目33)
前記発泡層上にポリ塩化ビニリデンのコーティングをさらに備える、項目30に記載のカバー。
(項目34)
前記発泡層を囲繞する外部コーティングをさらに備える、項目30に記載のカバー。
(項目35)
前記外部コーティングは、ポリウレア、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよびそれらの組み合わせから本質的になるグループから選択される、項目34に記載のカバー。
(項目36)
前記発泡層および前記外部コーティングは、火炎伝播および煙に対するASTM E84試験基準を通じて25/50より低いレイティングを達成する、項目34に記載のカバー。
(項目37)
前記カバー部分のうちの少なくとも1つの内に開口部をさらに備え、該開口部は、前記継目に沿って位置しており、前記窪みに割り込みし、カナルは、該開口部に沿って延在し、該カナルは、該窪みと流体連通し、前記シールを受け取る、項目24に記載のカバー。
(項目38)
前記第一のカバー部分は、前記継目に沿って位置している第一の開口部部分を画定し、
前記第二のカバー部分は、該継目に沿って位置している第二の開口部部分を画定し、該第一の開口部部分および該第二の開口部部分は、前記カバー内に開口部を形成するように整列させられ、
第一のカナルは、該第一の開口部部分を囲繞し、前記窪みと流体連通し、
第二のカナルは、該第二の開口部部分を囲繞し、該窪みと流体連通し、
前記シールは、該第一のカナルおよび該第二のカナル内に受け取られる、
項目24に記載のカバー。
(項目39)
前記継目の少なくとも一部分は、前記第一のカバー部分から延在する隆起によって画定され、該隆起は、前記第二のカバー部分内に位置付けられる溝内に受け取られる、項目22に記載のカバー。
(項目40)
前記窪みは、前記第一のカバー部分および前記第二のカバー部分のうちの1つの上の第一の表面によって画定され、該第一の表面は、該第一のカバー部分および該第二のカバー部分のうちの他方の上の第二の表面に対して角度をつけて方向付けられ、該第一の表面および該第二の表面は、対面する関係にある、項目39に記載のカバー。
(項目41)
前記第一の表面は、前記隆起に近接して前記第一のカバー部分上に位置付けられる、項目40に記載のカバー。
(項目42)
前記第一のチャネルおよび前記第三のチャネルは、第一のボアを囲繞し、前記第二のチャネルおよび前記第四のチャネルは、第二のボアを囲繞し、該第一のボアおよび該第二のボアは、互いと共に整列させられる、項目22に記載のカバー。
(項目43)
前記アセンブリならびに前記第一のパイプ要素および前記第二のパイプ要素との組み合わせにおいて、該アセンブリは、端端関係において該パイプ要素を継合するカップリングを備える、項目42に記載のカバー。
(項目44)
前記アセンブリならびに前記第一のパイプ要素および前記第二のパイプ要素との組み合わせにおいて、該アセンブリは、
バルブと、
該第一のパイプ要素を該バルブに取り付ける第一のパイプカップリングと、
該第二のパイプ要素を該バルブに取り付ける第二のパイプカップリングと
を備える、項目42に記載のカバー。
(項目45)
前記第一のチャネルおよび前記第三のチャネルは、第一のボアを囲繞し、前記第二のチャネルおよび前記第四のチャネルは、第二のボアを囲繞し、該第一のボアおよび該第二のボアは、互いと共に整列させられていない、項目22に記載のカバー。
(項目46)
項目45に記載のカバーと、前記アセンブリならびに前記第一のパイプ要素および前記第二のパイプ要素との組み合わせにおいて、該アセンブリは、
エルボフィッティングと、
該第一のパイプ要素を該エルボフィッティングに継合する第一のカップリングと、
該第二のパイプ要素を該エルボフィッティングに継合する第二のカップリングと
を備える、組み合わせ。
(項目47)
前記第一のパイプ要素および前記第二のパイプ要素を第三のパイプ要素にさらに継合するための項目42に記載のカバーであって、
前記第一のカバー部分は、該第三のパイプ要素を受け取るための第五のチャネルを画定し、該第五のチャネルは、前記第一のリセスと連通し、
前記第二のカバー部分は、該第三のパイプ要素を受け取るための第六のチャネルを画定し、該第六のチャネルは、前記第二のリセスと連通し、
該第五のチャネルおよび該第六のチャネルは、第三のボアを囲繞し、該第三のボアは、前記第一のボアおよび前記第二のボアと共に整列させられていない、
カバー。
(項目48)
項目47に記載のカバーと、前記アセンブリならびに前記第一のパイプ要素、前記第二のパイプ要素および前記第三のパイプ要素との組み合わせにおいて、該アセンブリは、
T字フィッティングと、
該第一のパイプ要素を該T字フィッティングに継合する第一のカップリングと、
該第二のパイプ要素を該T字フィッティングに継合する第二のカップリングと、
該第三のパイプ要素を該T字フィッティングに継合する第三のカップリングと
を備える、組み合わせ。
【図面の簡単な説明】
【0020】
(図面の簡単な説明)
図1図1は、本発明に従った、例となるカバーの等角図である。
【0021】
図2図2は、カバーの一部分が取り除かれている、図1に示されているカバーの等角図である。
【0022】
図3図3および図4は、図1のカバー部分の内部を示している等角図である。
図4図3および図4は、図1のカバー部分の内部を示している等角図である。
【0023】
図5図5は、図1の線5-5において取得される部分的な断面図である。
【0024】
図6図6は、図1に示されているカバーの等角図である。
【0025】
図7図7は、図1に示されているカバーと共に用いられるシールの等角図である。
【0026】
図8図8は、図1の線8-8において取得される部分的な断面図である。図8Aは、拡大されたスケールにおける図8の一部分を示している。
【0027】
図9図9は、図1に示されているカップリングの立面図である。
【0028】
図10図10は、本発明に従ったカップリングの別の例となる実施形態の等角図である。
【0029】
図11図11は、カバーの一部分が取り除かれている、図10に示されているカップリングの等角図である。
【0030】
図12図12は、図10に示されているカバー部分の内部を示している等角図である。
【0031】
図13図13は、本発明に従ったカップリングの別の例となる実施形態の等角図である。
【0032】
図14図14は、カバーの一部分が取り除かれている、図13に示されているカップリングの等角図である。
【0033】
図15図15は、図13に示されているカバー部分の内部を示している等角図である。
【0034】
図16図16は、本発明に従ったカップリングの別の例となる実施形態の等角図である。
【0035】
図17図17は、カバーの一部分が取り除かれている、図16に示されているカップリングの等角図である。
【0036】
図18図18は、図16に示されているカバー部分の内部を示している等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
(詳細な説明)
図1および図2は、パイプ要素14を継合しているアセンブリ12を断熱するための例となるカバー10を示している。例として、アセンブリ12は、溝を付けられたエルボフィッティング16および2つの機械式カップリング18を備える。カバーはまた、直線接続具、T字フィッティングおよびバルブ、ならびに、フランジ、ねじ式もしくは溶接式フィッティングおよびこれらに類するものに対する単一の機械式カップリングを含む他のタイプのアセンブリを断熱するために採用され得る。例となる本実施形態では、カバー10は、厚さ1インチにつきR=5の、またはこれより大きな高い断熱(「R」)値を有するポリイソシアヌレートなどの材料で作られる発泡層20を備える。発泡層20は、低い浸透性の防湿、機械耐久性および耐候性を提供する外部コーティング22を有し得る。外部コーティング22は、有利にはポリウレアであり、発泡層20およびコーティング22が、火炎伝播および発達した煙それぞれに対するASTM E84試験基準を通じて25/50より低いレイティングを達成することが、望まれる。外部コーティング22はまた、ポリ塩化ビニル(PVC)の殻によって提供され得る。浸透性に対するさらなる耐性を提供するために、ポリ塩化ビニリデンの補助コーティングもまた、外部コーティング22に適用されるかまたは外部コーティング22の適用に先行して発泡層20に適用されるか、どちらかを行われ得る。エネルギー損失を防止するためにアセンブリ12およびパイプ要素14を断熱することに加えて、カバー10はまた、例えば、パイプ要素が、湿潤な環境で冷水を運ぶときに、凝縮物が形成することを防止するために防湿を提供することを期待される。
【0038】
本発明に従った例となるカバー10は、第一のカバー部分24および第二のカバー部分26を備える。図3に示されるように、第一のカバー部分24は、アセンブリ12を受け取るための第一のリセス28を画定する。第一のリセス28は、本例においてはカップリング18が接続されているパイプ(図2)の軸まわりのカップリング18の回転などのアセンブリの公知のバリエーションに適応し得るように、充分な容積のものであるように有利に設計される。第一のカバー部分24はまた、第一のチャネル32を画定する第一の側壁30と、第二のチャネル36を画定する第二の側壁34とを有する。第一のチャネル32および第二のチャネル36の両方は、第一のリセス28と連通し、パイプ要素14を受け取る。図4に示されるように、第二のカバー部分26は、アセンブリ12を受け取るための第二のリセス38、ならびに、パイプ要素14を受け取るための、第三のチャネル42を画定する第三の側壁40および第四のチャネル46を画定する第四の側壁44を画定する。第三のチャネル42および第四のチャネル46は、第二のリセス38と連通し、第二のリセスならびに第三のチャネルおよび第四のチャネルは、第一のリセスならびに第一のチャネルおよび第二のチャネルのそれぞれの鏡像であり、第一のカバー部分24および第二のカバー部分26が、図1に示されるようにアセンブリ12およびアセンブリに含まれるパイプ要素14の部分を囲繞および断熱するように連携することを許容する。
【0039】
図2および図3に示されるように、第一の境界面48は、第一のカバー部分24上に位置付けられる。第一の境界面48は、第一のリセス38ならびに第一のチャネル32および第二のチャネル36を囲繞する。図4に示されるように、第二のカバー部分26は、第一の境界面48の鏡像である第二の境界面50を有する。第二の境界面50は、第二のリセス38ならびに第三のチャネル42および第四のチャネル46を囲繞する。第一の境界面48および第二の境界面50は、接触表面であり、接触表面において、第一のカバー部分24および第二のカバー部分26は、アセンブリ12を囲繞するように継合される。図3に示されるように、第一のカナル52は、第一の側壁30内に位置付けられ、第一のカナルは、第一のチャネル32に対して横断するように方向付けられる。第二のカナル54は、第二の側壁34内に位置付けられ、第二のチャネル36に対して横断するように方向付けられる。図4に示されるように、第三のカナル56は、第二のカバー部分26の第三の側壁40内に位置付けられ、第四のカナル58は、第二のカバー部分26の第四の側壁44内に位置付けられる。第一のカナル52および第二のカナル54と類似して、第三のカナル56および第四のカナル58は、第二のカバー部分26の第三のチャネルおよび第四のチャネル(それぞれ42および46)に対して横断するように方向付けられる。
【0040】
図5は、図1の線5-5において第一の境界面48および第二の境界面50に対して垂直な向きに取得される、カバー10の一部分の断面図を示しており、それにより、第一のカバー部分24の第一のチャネル32内の第一のカナル52と、第二のカバー部分26の第三のチャネル42内の第三のカナル56とを示している。第一のカナル52および第三のカナル56は、パイプ要素14を周方向に囲繞し、シールが常駐し、第一のチャネル32および第三のチャネル42とパイプ要素14との間の接触部を完全にシールするための領域を提供する。第二のカナル54および第四のカナル58の構成は、パイプ要素14と第一のカバー部分の第二のチャネル36および第二のカバー部分の第四のチャネル46との間の接触部をシールすることに対して同様である(示されていない)。水分侵入は、断熱層とパイプ要素との間の接触部においてしばしば発生するので、パイプ要素14を密封するためにカナルを用いることが、先行技術の断熱システムを超える有意な利点を提供することが、期待される。
【0041】
図3および図4に示されるように、第一のカバー部分24と第二のカバー部分26とを継合するために隆起および溝の配列を用いることは、有利である。例となる本実施形態では、カバー部分は、区別された「雄」および「雌」の対応物に対する必要性を除去するように有利に設計される。カバー部分24の第一の境界面48およびカバー部分26の第二の境界面50は、反転された互いの鏡像である。本目的のために、第一のカバー部分24の第一の境界面48の少なくとも第一の部分60は、それに沿って延在する溝62を備える。この溝62は、第二のカバー部分26の第二の境界面50の第一の部分66に沿って延在する隆起64を受け取る。さらに、第一のカバー部分24の第一の境界面48の第一の部分60内の溝62は、第一のチャネル32の第一のカナル52、および第二のカバー部分26の第三のチャネル42の第三のカナル56と流体連通し、それにより、パイプ要素14とチャネル32およびチャネル42との間をシールするシールが常駐し得る、溝62と連続な領域を提供する。カバー10の無性設計と整合して、第一のカバー部分24の第一の境界面48の少なくとも第二の部分68は、それから延在する隆起70を備える。隆起70は、第二のカバー部分26の第二の境界面50の第二の部分74内の接合溝72内に受け取られる。さらに、溝72は、第二のチャネル36の第二のカナル54および第四のチャネル46の第四のカナル58と流体連通し、したがって、パイプ要素14と第二のチャネル36および第四のチャネル46との間をシールするシールが常駐し得る、溝72と連続な領域を提供する。カバー部分24とカバー部分26との組み立てを行うと、第一のカバー部分24の第一の境界面48の第一の部分60内の溝62は、第二のカバー部分26の第二の境界面50の第二の部分74内の溝72と流体連通する。第一および第二のカバー部分の様々な部分内の溝62および72は、流体連通する連続な三次元境界76を形成するように組み合い、三次元境界は、図6内に破線で概形を描かれて示されており、第一のカバー部分24と第二のカバー部分26との間の隆起と溝との接触部、ならびに、パイプ要素を囲繞するカナル52、54、56および58(カナル52および56は、可視である)を連続的に横切るように見える。したがって、組み合わせの溝およびカナルは、カバー10全体が、シールによって完全にシールされることを可能とし、シールは、好ましくは切れ目がなく、カバー部分24とカバー部分26との間およびカバー部分とパイプ要素14との間に延在しており、その中のリセス28および30ならびにアセンブリ12を断熱カバーの外側の環境から隔離している。
【0042】
図7は、三次元境界76を形成する溝およびカナル内に受け取られるシール78の例を示している。シール78は、コークなどの押出成形されるシーラントを含み得、シーラントは、アセンブリ12について、カバー部分24および26を互いに組み立てることに先行して溝およびカナルに直接適用される。別の実施形態では、シール78は、カバー部分の溝およびカナル内に敷設されるロープコークから形成され得る。さらなる実施形態では、シール78は、組み立てに先行して1つのもしくは他方のカバー部分または両方のカバー部分の溝およびカナルに全面的にまたは片部において適用される連続な、または部分的に連続なガスケットであり得る。カバー部分を伴う、シールの様々な実施形態の組み立ての間中、カバー部分の間の隆起と溝とのジョイントは、下に記載されるようにシールをカバー10の外表面へと強制するように設計される。
【0043】
図8および図8Aは、例となる隆起64および溝62の断面を詳細に示している(隆起70および溝72も、同様であり得る)。本例では、隆起64は、非対称であり、第二のカバー部分26の第二の境界面50に対して角度をつけて方向付けられる起伏表面80を備える。隆起64は、第二のカバー部分26の第二の境界面50に対して同様に角度をつけて方向付けられる作用表面82をさらに備える。隆起64は、第一のカバー部分24の第一の境界面48の第一の部分60における溝62に係合する(図3を参照)。本例では、溝62もまた、非対称であり、隆起64の作用表面82と接合するように構成されている後壁84を備える。溝62は、後壁84に近接して位置付けられる、第一の境界面48へと延在するトラフ86をさらに備える。溝62と隆起64との間の係合は、第一のカバー部分24と第二のカバー部分26との間の窪み90を備える継目88にある。溝62および隆起64の非対称性により、窪み90は、非対称な断面形状を有し、チャネル32、36、42および46(32および42が、示されている)ならびにリセス28および30から離れて外向きに面する。外向きに開くことによって、窪み90は、シールを受け入れることが意図されていることを示唆する、ユーザへの視覚的な合図を提供する。図9に示されるように、窪み90は、隆起と溝とが継合するところに存在し、溝62が隆起64によって係合されるとき、シール78(図7を参照)が溝62の外に強制されるときに窪み90内に出現するので、窪み90は、カバー部分の間の継目88が適切にシールされていることの視覚的な確認を提供するために組み立て後に用いられ得る。図8に示されるような非対称な隆起64および溝62の幾何学的な配列、特に、近接するトラフ86および起伏表面80の存在下での作用表面82の後壁84との係合を通して、シールは優先的に、カバー部分22および24の境界面48および50の間で内向きに強制されるのではなく窪み90へと外向きに強制される。この幾何学的な配列は、組み立ての間中、隆起64が、溝62と係合させられるときに、窪み90がシールの流れに対する「最小抵抗の経路(path of resistance)」を表現することを保証することによって作り出される。本実施形態では、溝62内に配置されるシールは、後壁84を超えて境界面48および50の間を内向きに流れることによる抵抗より小さい、窪み90へと外向きに流れることによる抵抗に直面する。一般的に入手可能なシーリング材料の硬化は、大気水分または酸素への露出を要求するので、シール78のこの優先的な外向きの流れは、その材料を窪み90へと外向きに優先的に移動させることによってより迅速かつより完全な硬化を促進する。窪み90によって画定される容積はまた、窪み90によって画定される容積を超過してシール78が延在する見込み(望ましくないと見做される)を制限する一方でカバー部分24とカバー部分26との間の適切なシールの視覚的な確認を依然として提供するために、慣用的なサイズのシーラントのビード(直径において1/8”~約3/8”のビードが慣用的である)に適応するように有利に設定され得る。シール78の流れは、隆起70の溝72との係合に対しても上に記載されたものと同一であり得、溝62および72が流体連通する事実は、継目88全体に沿ってカバー部分24とカバー部分26との間に延在する連続な窪み90内に可視で連続なシールを与える。
【0044】
隆起および溝に加えて、ラベットジョイントはまた、継目88において第一のカバー部分22と第二のカバー部分24との間で用いられ得る。図3に示されるように、継合されているときにカバー部分24および26の適正な整列を保証するために、整列ブロック92が、第二のチャネル36に近接して位置付けられ、切り欠き94が、第一のカバー部分24内の第一のチャネル32に近接して位置付けられる。カバーの無性性質と整合して、図4に示されるように、整列ブロック92はまた、第三のチャネル42に近接して位置付けられ、切り欠き94は、第二のカバー部分26の第四のチャネル46に近接して位置付けられる。カバー部分が、継合されるとき、整列ブロック92は、適正な嵌合を保証するために各カバー部分において切り欠き94に係合する。ラベットジョイントの使用は、示されているようなステップ形状の整列ブロックおよび切り欠きを伴って、初期組み立てを行うとカバー部分の機械相互係止を提供する干渉嵌合を許容し、それにより最終組み立ての間中、追加の工作保持に対する必要性を最小限にする。
【0045】
図5に示されるように、カナル52、54、56および58(52および56が、示されている)もまた、シール78が、カバー部分24および26の表面に向かって外向きに強制されることと、それによりアセンブリ12の周りのカバー10の完全なシールの可視の証拠を提供することとを許容するように有利に設計され得る。第一のカナル52および第三のカナル56は、非対称な断面形状を有しかつリセス28および38から離れて外向きに面するように方向付けられる例として示されている。この配列は、アセンブリ12について、カバー部分24および26が組み立てられるときに、シール78がカバーの外表面に向かって外向きに移動することを強制する。第二のカナル54および第四のカナル58は、示されていないが、同様に成形され得、配列され得る。
【0046】
図1図3および図4は、例となるカバーの実施形態10を示しており、第一のチャネル32および第三のチャネル42は、第一のボア96を囲繞し、第二のチャネル36および第四のチャネル46は、第二のボア98を囲繞する。ボア96および98は、互いと共に軸方向に整列させられておらず、これは、カバー10が、エルボフィッティング16、機械式カップリング18およびパイプ要素14を備えるアセンブリ12にカバーをすることを許容する。
【0047】
図10~12は、第一のカバー部分102および第二のカバー部分104を備える別の例となるカバーの実施形態100を図示している。カバー部分102および104は、カバー部分24および26に対して上に記載されている同一の特徴の多くを有し、同様の参照文字は、同様の要素を識別するために用いられる。カバー100の第一のボア96および第二のボア98は、軸方向に整列させられており、これは、カバー100が、端端関係においてパイプ要素14を継合している機械式カップリング18を備えるアセンブリ106と共に用いられることを可能とする。
【0048】
図13~15は、第三のパイプ要素112を第一のパイプ要素114および第二のパイプ要素116に継合しているアセンブリにカバーをするために用いられる別の例となるカバーの実施形態108を示している。第一のカバー部分118は、第一のリセス28と流体連通する第五のチャネル120を画定し、第二のカバー部分122は、第二のリセス38と流体連通する第六のチャネル124を画定する。カバー部分118および122が、組み立てられるとき(図13)、それらは、第一のボア96および第二のボア98と共に整列させられていない第三のボア126を画定する。カバー108は、第一のパイプ要素114と第二のパイプ要素116と第三のパイプ要素112とを継合しているT字フィッティング130ならびに第一のカップリング132、第二のカップリング134および第三のカップリング136を備えるアセンブリ128(図14)と共に用いられ得る。
【0049】
図16~18は、機械式カップリング154および156を用いて第一のパイプ要素150および第二のパイプ要素152に結合されるバルブ148を備えるアセンブリ146(図17)にカバーをするための例となるカバーの実施形態144を示している。カバー144は、バルブステム164に適応するために第一のカバー部分160および第二のカバー部分162に開口部158を備える。カバー部分160に対する図18に示されるように、開口部158は、継目88に沿ってカバー部分間に位置しており、窪み90に割り込みしている(図16も参照)。第一および第二のカナル166は、各カバー部分に沿って延在し、各カバー部分において開口部158を囲繞する(カバー部分160が、示されている)。カナル166は、窪み90と流体連通し、各々は、カバー部分160および162とバルブステム164との間にシールをもたらす連続なシール(図7を参照)の一部分を受け取る。したがって、本発明に従ったカバーが、開口部によって穿孔されるときさえ、連続なシールは、アセンブリを周囲から隔離することを維持される。
【0050】
本明細書内で開示される例となるカバーの実施形態は、カバー部分が継合されるとき実質的に一体であるが、カバーが別個の部品を備え、別個の部品は部分から組み立てられアセンブリの間中互いにシールされる他の実施形態が、実現可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【外国語明細書】