(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012669
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】舌清浄器
(51)【国際特許分類】
A61B 17/24 20060101AFI20230119BHJP
【FI】
A61B17/24
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116248
(22)【出願日】2021-07-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】308028810
【氏名又は名称】阿部 洋
(72)【発明者】
【氏名】阿部 洋
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM03
(57)【要約】
【課題】従来の舌の清掃には舌ブラシやヘラのついたブラシ状などが多く使われているが、舌についている粘土状のヨゴレや舌苔は簡単には取る事ができないため、ブラシ式・ヘラ式で何度も擦るため、舌の表面に傷をつけていた。
【解決手段】舌清浄器の取手の先に設けられた、ショベル部を舌の上から押圧しながら喉方向に進める事で舌の表面についている、舌苔10・ヨゴレ15・液状の食べカス11がショベル部3を通り抜け保持部2で保持されたまま口の外に出すことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
舌を押圧して接するショベル部(3)と、
前記ショベル部(3)の後部に固定される保持部(2)と、を有する
舌清浄器であって、
前記保持部(2)は、前記ショベル部(3)と接続され、前記ショベル部(3)の後部に半円柱状の状態で構成されることを特徴とする。
舌清浄器。
【請求項2】
前記ショベル部(3)は、前記保持部(2)との接続部分より下向に130°~140°の角度に形成されたことを特徴とする
請求項1記載の舌清浄器。
【請求項3】
前記ショベル部(3)の後部には前記保持部(2)が結合され、前記保持部(2)の後部には取手(12)を備えることを特徴とする
請求項1および請求項2のうちいずれか1項記載の舌清浄器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舌の根本から舌の表面、全体に付着して離れない舌苔やカビ・ヨゴレ・食べカスなどを除去できる舌清浄器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の舌苔取り具の先端部分の舌と接触する部分がヘラタイプ・ブラシタイプ・スポンジタイプなどに大別されているが、どれも舌についている舌苔の上からブラシなどで口の外側にこすって掻き出すように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の舌苔取具は舌苔取り具の先端に網部を備えていて、その網部の部分を舌の上から被せて、舌の奥に押し込む事により舌苔やヨゴレなどが網の目をくぐり抜け、反対側の保持部に保持されている。しかし舌苔・ヨゴレ物・液状の食べカスなどは網の目から、こぼれて口の外まで持ち出す事ができなかった。そのため口臭の原因などを確認することなどできなかった。
【0005】
一般に舌苔や舌の表面に粘土上やクリーム状で付いているヨゴレは、現在市販されている舌苔取りブラシでは除去しにくい。なぜならば舌の表面に生えている乳頭が喉の奥方向に向いて生えているため、ブラシやヘラでは、乳頭の向いている逆方向にこすることになるからである。また舌に傷をつけるため、舌苔や舌の表面の清浄に使用することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は舌の表面に付いている、舌苔・食べカスなどを舌の表面に傷をつけることなく除去することができる舌清浄器を提供する。
本発明の舌清浄器の先端に設けている、ショベル部分で舌の上を押圧して舌苔・ヨゴレなどを浮上させながらショベル部ですくい取りショベル部の後ろの舌苔・ヨゴレを保持する保持部を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば舌清浄器の先端に、舌の表面と接する部分にショベル部を有しているので、舌の表面に付着している舌苔・食べカス・ヨゴレ物・カビなどはショベル部を舌に押圧しながら喉方向に押すことにより、舌苔・食べカスなどがショベル部を通り抜けて保持部に保持される。
【0008】
したがって、舌の表面の舌苔・食べカス・ヨゴレなどを、こすり取る必要がないので、舌の表面を傷つけることはない。また、舌清浄器の取手から先端の保持部とショベル部を最小限に小さくしているため、嘔吐反射が少なく、保持部で保持した舌苔やヨゴレなどをそのままの状態で口の外に出すことができる。よって口臭の原因などを確認する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は本発明の舌清浄器の右側面斜視図である。
【
図2】
図2は舌の表面上に喉方向5に向かって生えている糸状乳頭7の拡大断面図である。
【
図3】
図3は舌の表面8に生えている乳頭の上を舌の先端部分から舌清浄器1の先に付いているショベル部3を舌に押し付け、喉方向5に移動させながら舌苔10やヨゴレ9をショベル部3ですくう図である。
【
図4】
図4は本発明の舌清浄器1の実施形態の斜視図であって舌苔10、ヨゴレ9、液状の食べカス11などを保持部2に保持した状態を示す図である。
【
図5】
図5は舌の先端から舌清浄器1の先に設けている、ショベル部3を舌に押し付け、喉方向5に移動させることにより舌苔10、ヨゴレ9がショベル部3から保持部2に維持されていることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1において本発明の一実施形態の舌清浄器1は舌の表面と接するショベル部3とショベル部ですくった舌苔10、ヨゴレ9などを保持する保持部2を備えている。
【0011】
さらに詳細に説明すると、本発明の一実施形態の舌清浄器1は取手12の一端からショベル部3の先端までの長さが約140 mm ぐらいである。 先端のショベル部3の下向の長さ4Aが5~7 mmで巾4は13~18 mm ぐらいである。ショベル部3の下向の角度Θは130°~140°に形成されている。 またショベル部3の舌と接する部分14の先端は半円周状に形成されているため、舌に引っ掛かりにくくなっている。
【0012】
舌の奥に固まっていて、取りにくい場所にある舌苔10、ヨゴレ9などを取る場合はショベル部3を上から被せて手前に引き出して取ることができるように構成されている。
【0013】
取手12の表面には舌清浄器1の使用方法を記載し、間違って舌の上から手前に引いて乳頭に傷をつける事がないように注意を喚起している。
【0014】
図2は舌の表面8に喉方向5に向かって生えている糸状乳頭7の拡大図である。乳頭7は舌の奥方向5に向かってギッシリ生えており乳頭と乳頭の間には、舌苔10や液状の食べカス11などが溜まっている。
【0015】
図3は舌清浄器で舌の先端から舌の表面を押さえ、舌苔10・ヨゴレ9などをショベル部3ですくい舌苔10やヨゴレ9などを保持部2に保持しながら喉方向5舌清浄器1が進んでいることを示す。
【0016】
図4は舌清浄器1を口から出した図である。
図4において保持部2で取り出したヨゴレ9を観察すると、舌の半分から前で取ったヨゴレ9は少なくほとんどが舌の半分から奥に生えている舌苔10やヨゴレ9や液状の食べカス11などが粘土状になっているのが確認された。特に口臭の強い臭いは口の奥に溜まっている舌苔や食べカスなどから発生していることが分かった。
【0017】
図5は舌清浄器の先端のショベル部3が舌の表面を押え込む事により乳頭と乳頭の間に溜まっている、舌苔・ヨゴレ・液状の食べカス11などを浮上させて保持する事ができる。
【0018】
図6は舌の表面拡大写真であって、茸状乳頭17で糸状乳頭18で有郭乳頭16である。
【0019】
図7は舌の断面拡大写真であって、茸状乳頭17で糸状乳頭18である
【符号の説明】
【0020】
1 舌清浄器
2 保持部
2A 保持部の深さ
2B 半円柱状の形
3 ショベル部
3A ショベル部の角度
4 ショベル部の横幅
4A ショベル部の縦の長さ
4B 保持部の縦の長さ
5 喉方向
6 口方向
8 舌の表面
9 ヨゴレ
10 舌苔
11 液状の食べカス
12 取手
12A 取手の長さ
13 舌
14 ショベルの先端
15 舌清浄器の使用説明文
16 有郭乳頭
17 茸状乳頭
18 糸状乳頭
【手続補正書】
【提出日】2021-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
舌の先端から根本に向かって舌を押圧して接するシャベル部3と、前記シャベル部3の後部に固定されて、前記シャベル部3ですくった物などを保持する保持部2と、を有する舌清浄器であって、前記保持部2は、前記シャベル部3と接続され、前記シャベル部3の後部に舌側に向けて突となるように半円柱状の状態で構成されることを特徴とする舌清浄器。
【請求項2】
前記シャベル部3は前記保持部2の半円柱状をなす長軸から舌側に向かって130°~140°の角度に形成されたことを特徴とする、請求項1記載の舌清浄器。
【請求項3】
前記シャベル部3の後部には前記保持部2が結合され、前記保持部2の後部には取手12を備えることを特徴とする請求項1および請求項2のうちいずれか1項記載の舌清浄器。