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特開2023-126709排気プルーム制御構造体、及びその構造体を含む発電所
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126709
(43)【公開日】2023-09-08
(54)【発明の名称】排気プルーム制御構造体、及びその構造体を含む発電所
(51)【国際特許分類】
   F01N 1/00 20060101AFI20230901BHJP
【FI】
F01N1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023006705
(22)【出願日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】22154937
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】マンジャン、エティエンヌ、マリー、ラック
(72)【発明者】
【氏名】メルチャント、ラクシュミカント
(57)【要約】      (修正有)
【課題】排気の騒音を減少させる排気プルーム制御構造体及び排気プルーム制御構造体を有する発電所を提供する。
【解決手段】初期排気流を生成する発電システム、初期排気流を大気に導くように構成されたスタック及び排気プルーム制御構造体を含む発電システムにおいて、排気プルーム制御構造体210は、排気流源212に取り付けられる取付け部材220と、取付け部材220に結合され、排気流源212から出る初期排気流92を半径方向外側に向けるダイバータ部材240と、周辺に間隔を空けて配置され半径方向に延在する複数のベーン260と、を含む。複数のベーン260は、半径方向外側に向けられた初期排気流92を複数の追加排気流262に分離するために、取付け部材220及びダイバータ部材240の半径方向外側に結合される。複数のベーン260の各々は、半径方向に分岐する断面を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気プルーム制御構造体(210)であって、
排気流源(212)に取り付けられる取付け部材(220)、
前記取付け部材(220)に動作可能に結合され、前記排気流源(212)から出る初期排気流(92)を半径方向外側に向けるダイバータ部材(240)、及び
周辺に間隔を空けて配置され半径方向に延在する複数のベーン(260)であって、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーン(260)は、前記取付け部材(220)に結合されるとともに前記ダイバータ部材(240)の半径方向外側に配置され、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンは、半径方向外側に向けられた初期排気流(92)を複数の追加排気流(262)に分離するように配置され、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーン(260)の各々は、半径方向に分岐した断面を有する、排気プルーム制御構造体(210)。
【請求項2】
前記取付け部材(220)は、前記排気流源(212)と流体連通する開口部(224)を有するベース部材(222)を含み、前記排気流源(212)からの前記初期排気流(92)が、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンの各々を超えて半径方向に向かうように、前記ダイバータ部材(240)は、前記開口部(224)内に延在する又は前記開口部(224)に向かって延在する、請求項1に記載の排気プルーム制御構造体(210)。
【請求項3】
前記ダイバータ部材(240)は、錐体(242)の少なくとも一部分を含み、前記錐体(242)の少なくとも一部分は、前記開口部(224)内に延在する、又は前記開口部に向かって延在しており、ダイバータ部材(240)の外面(256)は、開口部(224)の内縁部(258)に対して間隔を空けるように位置している、請求項2に記載の排気プルーム制御構造体(210)。
【請求項4】
前記錐体(242)の少なくとも一部分は、錐台形部材(246)を含む、請求項3に記載の排気プルーム制御構造体(210)。
【請求項5】
前記ダイバータ部材(240)は、前記ダイバータ部材(240)の軸方向端部を囲むカバー部材(259)をさらに含む、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の排気プルーム制御構造体(210)。
【請求項6】
前記取付け部材(220)と前記カバー部材(259)との間の周囲の領域は、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーン(260)の半径方向外側端部によって25~45%塞がれている、請求項5に記載の排気プルーム制御構造体(210)。
【請求項7】
周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーン(260)の各々の半径方向に分岐する断面が、前記ダイバータ部材(240)の半径を中心とした二等辺三角形(268)を画定する、請求項1~6のうちのいずれか一項に記載の排気プルーム制御構造体(210)。
【請求項8】
周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーン(260)の各々の半径方向に分岐する断面が、前記ダイバータ部材(240)の半径を中心とした正三角形(270)を画定する、請求項1~7のうちのいずれか一項に記載の排気プルーム制御構造体(210)。
【請求項9】
周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーン(260)は、12個のベーンを含む、請求項1~8のうちのいずれか一項に記載の排気プルーム制御構造体(210)。
【請求項10】
前記取付け部材は、開口部(224)を有するベース部材(222)と、前記ベース部材(222)に結合された流れ拡張部材(225)と、前記流れ拡張部材(225)から延在する取付け延長部(226)とを含み、前記取付け延長部(226)は前記排気流源(212)に結合するように構成されている、請求項1に記載の排気プルーム制御構造体(210)。
【請求項11】
前記排気流源(212)は、発電所(94)の排気スタックを含む、請求項1に記載の排気プルーム制御構造体(210)。
【請求項12】
発電所(94)であって、
発電システム(100)であって、初期排気流(92)を生成する発電システム(100)、
前記初期排気流(92)を大気(214)に導くように構成されたスタック(212)、及び
請求項1~11のうちのいずれか一項に記載の排気プルーム制御構造体(210)
を含む、発電所(94)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、一般に、産業機械の排気プルーム制御に関し、より詳細には、例えば、発電所における排気プルームの排気プルーム制御構造体に関する。
【0002】
様々な産業機械が排ガスを生成し、排ガスは大気に放出される。例えば、地上の発電システムは排ガスを生成し、この排ガスは、スタック(即ちチムニー)によって大気に誘導される。スタックは、排ガスを誘導し冷却した後で排ガスを外界に放出できるようにする。特定の機関が、システムの排気プルームに対して運用上の制限を課す、環境又は安全の法律及び/又は規定を公布することがある。例えば、発電システムが空港の近くに位置する場合、政府法律又は政府規制によって、安全のために低高度において排気スタックのプルーム速度を制限することがある。例えば,オーストラリア民間航空安全局(CASA)は、排気スタックのプルーム速度を、高度198mにおいて6.1メートル/秒(m/s)未満にすることを要求している。排気スタックのプルーム速度を制御する仕組みでは、一般的に、発電システムの性能に悪影響を与える上流側の内部動作パラメータを制御する必要がある。また、複数の仕切り部材を含む排気プルーム制御システムは、騒音が大きくなり、場所によっては騒音規制に抵触する恐れがある。
【発明の概要】
【0003】
以下に述べる全ての態様、実施例、及び特徴は、技術的に可能な方法で組み合わせることができる。
【0004】
本開示の一態様は、排気プルーム制御構造体を提供する。排気プルーム制御構造体は、排気流源に取り付けられる取付け部材、前記取付け部材から間隔を空けて配置されたカバー部材、取付け部材に動作可能に結合され、前記排気流源から出る初期排気流を半径方向外側に向けるダイバータ部材、及び周辺に間隔を空けて配置され半径方向に延在する複数のベーンであって、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンは、前記取付け部材に結合されるとともに前記ダイバータ部材の半径方向外側に配置され、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンは、半径方向外側に向けられた初期排気流を複数の追加排気流に分離するように配置され、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンの各ベーンは、半径方向に分岐した断面を有する。
【0005】
本開示の別の態様は、上記の態様を含み、前記取付け部材は、前記排気流源と流体連通する開口部を有するプレートを含み、前記排気流源からの前記初期排気流が、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンの各々を超えて半径方向に向かうように、前記ダイバータ部材は、前記開口部内に延在する又は前記開口部に向かって延在する。
【0006】
本開示の別の態様は、上記の態様のいずれか1つの態様を含み、前記ダイバータ部材は、錐体の少なくとも一部分を含み、前記錐体の少なくとも一部分は、前記開口部内に延在する、又は前記開口部に向かって延在しており、ダイバータ部材の外面は、開口部の内縁部に対して間隔を空けるように位置している。
【0007】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記錐体の少なくとも一部分は、錐台形部材を含む。
【0008】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記ダイバータ部材は、前記ダイバータ部材の軸方向端部を囲むカバー部材をさらに含む。
【0009】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンの各々の半径方向に分岐する断面が、前記ダイバータ部材の半径を中心とした二等辺三角形を画定する。
【0010】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンの各々の半径方向に分岐する断面が、前記ダイバータ部材の半径を中心とした正三角形を画定する。
【0011】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記態様のいずれかを含み、周辺に間隔を空けて配置された複数のベーンの半径方向外側端部は、全体としてダイバータ部材と取付け部材との間の周囲の開口部を25~45%塞ぐ。
【0012】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記取付け部材は、開口部を有するベース部材と、前記ベース部材に結合された流れ拡張部材と、前記流れ拡張部材から延在する取付け延長部とを含み、前記取付け延長部は前記排気流源に結合するように構成されている。
【0013】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記排気流源は発電所の排気スタックを含む。
【0014】
本開示の一態様は発電所を提供する。発電所は、発電システムであって、初期排気流を生成する発電システム、前記初期排気流を大気に導くように構成されたスタック、及び排気プルーム制御構造体を含む。排気プルーム制御構造体は、前記スタックに取り付けられた取付け部材と、前記取付け部材から間隔をあけて配置されたカバー部材と、前記取付け部材に動作可能に結合され、前記排気流源から出る初期排気流を半径方向外側に向けるダイバータ部材と、周辺に間隔を空けて配置され半径方向に延在する複数のベーンであって、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンは、前記取付け部材に結合されるとともに前記ダイバータ部材の半径方向外側に配置され、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンは、半径方向外側に向けられた初期排気流を複数の追加排気流に分離するように配置され、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンの各々は、半径方向に分岐した断面を有し、前記複数の追加排気流の各々は半径方向に同じ出口速度を有する、複数のベーンとを含む。
【0015】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記取付け部材は、前記排気流源と流体連通する開口部を有するプレートを含み、前記排気流源からの前記初期排気流が、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンの各々を超えて半径方向に向かうように、前記ダイバータ部材は、前記開口部内に延在する又は前記開口部に向かって延在する。
【0016】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記ダイバータ部材は、錐体の少なくとも一部分を含み、前記錐体の少なくとも一部分は、前記開口部内に延在する、又は前記開口部に向かって延在しており、前記ダイバータ部材の外面は、開口部の内縁部に対して間隔を空けるように位置している。
【0017】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記錐体の少なくとも一部分は、錐台形部材を含む。
【0018】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンは、12個のベーンを含む。
【0019】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンの各々の半径方向に分岐する断面が、前記ダイバータ部材の半径を中心とした二等辺三角形を画定する。
【0020】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、周辺に間隔を空けて配置された前記複数のベーンの各々の半径方向に分岐する断面が、前記ダイバータ部材の半径を中心とした正三角形を画定する。
【0021】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記態様のいずれかを含み、周辺に間隔を空けて配置された複数のベーンの半径方向外側端部は、全体として前記ダイバータ部材と前記取付け部材との間の周囲の開口部を25~45%塞ぐ。
【0022】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記取付け部材は、開口部を有するベース部材と、前記ベース部材に結合された流れ拡張部材と、前記流れ拡張部材から延在する取付け延長部とを含み、前記取付け延長部は前記排気流源に結合するように構成されている。
【0023】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記ダイバータ部材は、前記ダイバータ部材の軸方向端部を囲むカバー部材をさらに含む。
【0024】
本開示に記載された2つ以上の態様(発明の概要に記載されたものを含め)を組み合わせて、本明細書に具体的に記載されていない実装を形成することができる。
【0025】
1つ以上の実施態様の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。他の特徴、目的及び利点は、発明の詳細な説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになる。
【0026】
本開示のこれらの特徴及び他の特徴は、本開示の様々な実施形態を図示した添付図面と併用される本開示の様々な態様の以下の詳細な説明から、より容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示の実施形態による排気プルーム制御構造体を使用することができる例示的な産業機械の概略図である。
図2】本開示の実施形態による排気プルーム制御構造体を示す透過斜視図である。
図3】本開示の実施形態による排気プルーム制御構造体を示す透過斜視図である。
図4】本開示の実施形態による排気プルーム制御構造体を示す側面部分断面図である。
図5】本開示の実施形態によるベーンを上から見た断面図である。
図6】本開示の他の実施形態によるベーンを上から見た断面図である。
図7】本開示の追加の実施形態によるベーンを上から見た断面図である。
図8】本開示の代替実施形態によるベーンを上から見た断面図である。
図9】本開示のさらに他の実施形態によるベーンを上から見た断面図である。
図10】本開示の実施形態によるベーンを上から見た断面図であり、構造体の半径方向に対して角度付けされた仕様を例示する図である。
図11】本開示の実施形態によるベーンを上から見た断面図であり、構造体の半径方向に対して角度付けされた仕様を例示する図である。
【0028】
本開示の図面は同一のスケールで拡大縮小されているわけではないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様のみを示すことを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではない。図面において、同様の番号は図面間で同様の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
最初に、現在の技術を明確に説明するために、産業機械内の関連する機械の構成要素に言及して説明するときに、特定の用語を選択することが必要になる。可能な限り、一般的な業界用語が、その業界で受け入れられている意味と一致する態様で使用され、採用される。特に明記しない限り、上記の用語は、本出願の文脈及び特許請求の範囲と一致する広い解釈を与えられるべきである。当業者は、多くの場合、特定の構成要素がいくつかの異なる用語又は重複する用語を使用して言及される場合があることを理解する。本明細書において単一の部品として説明されているものは、別の文脈では、複数の構成要素を含み、複数の構成要素を含むものとして言及される場合がある。あるいは、本明細書において複数の構成要素を含むものとして説明されているものは、他の箇所では単一の部品として言及されることがある。
【0030】
さらに、本明細書では、いくつかの記述用語が規則的に使用される場合があり、発明を実施するための形態の始めにこれらの用語を定義しておくことが有益である。これらの用語と用語の定義は、特に明記しない限り、以下の通りである。本明細書において、「下流」及び「上流」は、排気源(例えば、排気スタック)からの排気流などの流体の流れに関する方向を示す用語である。用語「下流」は流体の流れの方向に対応し、用語「上流」は、その流体の流れとは反対の方向(即ち、流れの源に向かう方向)を表す。
【0031】
中心軸に対して異なる半径方向の位置に配置された部品の説明を要求されることがある。用語「半径」は、軸に対して垂直な動き又は位置を表す。例えば、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸の近くに存在している場合、本明細書では、第1の構成要素は、第2の構成要素の「半径方向内側」又は「内側」にあると記載される場合がある。一方、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸から遠くに存在する場合、本明細書では、第1の構成要素は第2の構成要素の「半径方向外側」又は「外側」にあると記載される場合がある。用語「半径」は、基準として使用することができる軸の中心から半径方向外側に延在する想像線である。用語「軸の」は、軸に対して平行な動き又は位置を表す。最後に、用語「円周の」は、軸の周りの動き又は位置を表す。本開示において、このような用語は、排気源(例えば、スタック)の中心軸に関連して適用される場合がることが理解される。
【0032】
さらに、本明細書では、以下に説明するように、いくつかの記述用語が規則的に使用される場合がある。用語「第1」、「第2」、及び「第3」は、ある構成要素を別の構成要素と区別するために互換的に使用することができ、個々の構成要素の位置及び重要度を意味することを意図しているのではない。
【0033】
明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書において、「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「この(the)」は、文脈が明らかに複数形を含むことを示していない限り、複数形を含むことを意図している。用語「含む」及び/又は「含んでいる」は、本明細書で使用される場合、言及された特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は構成要素が存在していることを述べているが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在及び追加を排除しないことがさらに理解される。「任意の」又は「任意に」は、その後に記述される事象又は状況が発生してもよいし発生しなくてもよいこと、及びその記述が、その事象が発生する又はその事象が発生しない例とを含むことを意味する。
【0034】
ある要素又は層が、別の要素又は層に「存在している」、「係合されている」、「接続されている」、又は「結合されている」ものとして言及されている場合、他の要素又は層に、直接的に存在してもよいし、直接的に、係合、接続、又は結合されていてもよいし、介在する要素又は層が存在していてもよい。対照的に、ある要素が、別の要素又は層に「直接的に存在」、「直接的に結合」、「直接的に接続」、又は「直接的に結合」しているものとして言及されている場合、介在する要素又は層は存在していない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同様のやり方で解釈されるべきである(例えば、「間に」と「直接的に間に」、「隣接する」と「直接的に隣接する」など)。本明細書において、用語「及び/又は」は、列挙された関連する複数の項目のうちの任意の項目と、複数の項目のうちの1つ以上の項目の全ての組み合わせとを含む。
【0035】
上記に示されるように、本開示は、排気プルーム制御構造体を提供する。構造体は、排気を発生させる産業機械のスタック(煙突)などの排気流源に取り付けるように構成された取り付け部材を含むことができる。カバー部材は、スタックを通る排気流に対して取付け部材から軸方向に間隔を空けて配置され、ダイバータ部材は、排気流源から出る最初の排気流を半径方向外側に向けるようにカバー部材に結合される。周辺に間隔を空けて配置され半径方向に延在する複数のベーンは、取付け部材とカバー部材との間に配置されており、半径方向外側に向けられた最初の排気流を複数の追加排気流に分離する。各ベーンは半径方向に分岐した断面を有し、これによって、構造体から出る排気の騒音が減少する。複数の追加排気流の各々は、同じ半径方向の出口速度を有する。構造体は、全体の排気流速を減少させ、最初の排気流に背圧を与えることができる。複数の追加排気流の各々は、最初の排気流よりも遅い速度を有する。非限定的な一例では、構造体は、115dBA(A-weighted decibels)未満の音響パワーレベルを有する。構造体を含む発電所も開示されている。
【0036】
図1を参照すると、例えば燃焼反応によって初期排気流92を生成する例示的な産業機械90の一部の概略図が図示されている。本開示は、発電所94について記載されている。本開示の教示は、初期排気流92を生成する任意の産業機械90(例えば任意の燃焼システム)に適用可能であることが強調され、明らかになる。発電所94は任意の形態(既知の形態、又は後に開発される任意の形態)をとることができる。一実施例では、発電所94は、図1に示すように、コンバインドサイクル発電所(CCPP)の形態の発電システム100を含むことができるが、シンプルサイクル発電所(SCPP)としても動作することができる。この例では、CCPP又はSCPPは、2つの発電機を有する多軸システムであるが、当業者であれば、本開示の教示があらゆる種類のCCPP又はSCPPに適用可能であることを容易に理解することができる。CCPP又はSCPPは、ガスタービンシステム102及び蒸気タービンシステム104を含むことができる。
【0037】
ガスタービンシステム102は、シャフト106によって、電気エネルギーを生成する第1の発電機108に機械的に結合することができる。ガスタービンシステム102は、圧縮機110及び燃焼器112を含むことができる。ガスタービンシステム102は、共通の圧縮機/タービンシャフト106に結合されたガスタービン114も含む。一実施形態では、ガスタービンシステム102は、General Electric Company、Greenville、S.C.から市販されている9F.05エンジンである。本開示は、任意の特定のGTシステムに限定されず、他のエンジン(例えば、General Electric Companyの他のHA、F、B、LM、GT、TM及びEクラスエンジンモデル、ならびに他の会社のエンジンモデル)に採用してもよい。
【0038】
運転中、空気は圧縮機110の入口に入り、圧縮され、次に燃焼器112に排出される。燃焼器112で、気体燃料(例えば、天然ガス)及び/又は液体燃料(例えば、油)が燃焼してガスタービン114を駆動する高エネルギー燃焼ガスが得られる。ガスタービン114では、高温ガスのエネルギーが仕事に変換され、その一部は回転シャフト106を介して圧縮機110を駆動するために使用され、残りはシャフト106を介して第1の発電機108などの負荷を駆動して電気を生成するための有用な仕事として利用可能である。
【0039】
蒸気タービンシステム104は、シャフト124を介して別の発電機122に操作可能に結合された蒸気タービン120を含む。蒸気タービンシステム104は、1つ以上の蒸気タービン、例えば、図示のように、高圧(HP)タービン126、中間圧(IP)タービン128及び低圧(LP)タービン130を含むことができ、各タービンはシャフト124に結合されている。各蒸気タービン126、128、130は、シャフト124に機械的に結合された複数の回転ブレード(図示せず)を含む。
【0040】
また、CCPPは蒸気源132を含むことができる。蒸気源132は、ガスタービンシステム102及び蒸気タービンシステム104に操作可能に接続された熱回収蒸気発生器(HRSG)134とすることができる。理解されるように、ガスタービンシステム102からの排気136はHRSG134によって使用されて、蒸気流138が生成され、蒸気タービンシステム104によって使用される。HRSG134は、従来のCCPPで使用されるような従来のHRSGの構成を含んでいてもよく、及び/又は排気エネルギーを使用して蒸気を生成するための別のタイプの熱交換器又は同様の構成要素として実施してもよい。
【0041】
運転中、蒸気源132(例えば、HRSG134、あるいは他の供給源)からの蒸気は、HPタービン126の入口、IPタービン128の入口、及び/又はLPタービン130の入口に流入し、シャフト124を回転させる力をタービンのブレードに与えるように流れる。理解されるように、上流側(圧力が高い方)のタービンからの蒸気は、後で、下流側(圧力が低い方)のタービンで使用することができる。こうして蒸気源132によって生成された蒸気は、蒸気タービンシステム104の少なくとも一部を駆動して、シャフト124及び追加の負荷(第2の発電機122など)を駆動するために更に仕事が抽出され、第2の発電機122は追加の電力を生成する。発電機108及びシャフト106、並びに発電機122及びシャフト124は、当技術分野で知られている任意のサイズ又はタイプとすることができ、発電機及びシャフトの用途又は発電機及びシャフトが接続されるシステムに応じて、異なった構造であってもよいことが理解される。
【0042】
発電所94は、CCPPとしての発電所100を有すると説明されてきたが、発電所94は、例えば、初期排気流92(破線で示されている)を作り出すGTシステム102のみを含む、単純サイクル発電所としての発電システム100であってもよいことが理解される。当該分野で理解されるように、発電システム100からの排気は、初期排気流92としてGTシステム102及び/又はHRSG134から排出することができる。
【0043】
図2図4を参照すると、図2は本開示の実施形態による排気プルーム制御構造体210の透視斜視図を示し、図3は本開示の実施形態による排気プルーム制御構造体210の透視斜視図を示し、図4は本開示の実施形態による排気プルーム制御構造体210の部分断面側面図を示す。本明細書において、「排気プルーム」は、点源、すなわち、排気流源212(例えば、発電所94(図1)などの産業機械における燃焼反応部に流体的に結合するスタックなど)から放出される汚染物質を含む任意のガスである。排気流源212は、初期排気流92を誘導及び/又は冷却して、初期排気流92が大気214に流出することができるようにする任意の形態のスタック(即ち、チムニー)又は他の導管を含んでいてもよい。図示されているように、初期排気流92の出口方向は、排気流源212の長手方向に概ね平行(例えば、実質的に縦)である。1つの非限定的な実施例では、初期排気流92は、比較的温度が高く(例えば、摂氏500°(℃)よりも高い温度)、比較的出口速度が速い(例えば、35メートル/秒よりも速い速度)ことがある。構造体210がなければ、排気流源212は、初期排気流92を大気214に直接放出することになる。
【0044】
排気プルーム制御構造体210(以下、「構造体210」)は、排気流源212に取り付けられる取付け部材220を含むことができる。図3に最もよく示されているように、取付け部材220は、開口部224を有するベース部材222と、ベース部材222に結合された流れ拡張部材225とを含むことができる。流れ拡張部材225は、フラストコニカル形状を有することができ、初期排気流92が流れ拡張部材225の中で広がるようにすることができる。流れ拡張部材225は、他の形状及びサイズを有してもよく、任意の所望の方法で初期排気流92若しくはその一部に衝突する及び/又は初期排気流92若しくはその一部を方向転換させるようにカスタマイズすることができる。流れ拡張部材225は、単一の材料片(図示されている)を含んでいてもよいし、結合された複数のプレート(例えば、図2のベース部材222及び/又はダイバータ部材240と同様の部材)を含んでいてもよい。
【0045】
図4に示すように、取付け部材220は、流れ拡張部材225から延在する取付け延長部226を含むこともできる。取付け延長部226は排気流源212に結合される。この結合のために、取付け延長部226は、排気流源212の端部230の形態に応じて、排気流源212の端部230(図4)に結合する任意の既知の要素又は後に開発される任意の要素を含むことができる。1つの非限定的な例では、排気流源212は、例えば、レンガ又は鋼の大きなパイプを含むことができ、端部230は、大きなパイプの出口端部とすることができる。この例では、図4に示すように、取付け延長部226は、例えば、端部230内で嵌合する又は端部230に結合するカラーを含むことができる。任意の形態のファスナー(図示せず)を使用して、取付け部材220を排気流源212に固定することができる。取付け部材220、特に流れ拡張部材225は、取付け延長部226に結合することができ、そして、ベース部材222で構造体210の残りの部分を支持するように構成することができる。取付け部材220のベース部材222は、例えば、開口部224が画定されたプレート228(図2)であって、例えば多角形の外縁部又は内縁部を有するプレート228を形成するように結合された、相互接続された複数のプレート片を含むことができる。あるいは、ベース部材222は、単一の材料片である円形プレート229(図3)、又は複数の部分が互いに結合された円形プレート229を含んでいてもよい。開口部224は、初期排気流92と流体連通する。
【0046】
また、構造体210は、排気流源212から出る初期排気流92を半径方向に導いて、最終的には構造体210の外に導くために、取付け部材220に動作可能に結合されたダイバータ部材240を含む。ダイバータ部材240は、初期排気流92の方向を軸方向(例えば、垂直方向)から半径方向(例えば、水平方向)に徐々に変化させる。図2図4に示されるように、ダイバータ部材240は、排気流源212からの初期排気流92が、周辺に間隔を空けて配置された複数のベーン260の各々を超えて半径方向に導かれるように、開口部224内に又は開口部224に向かって延在する。ダイバータ部材240は、開口部224内に延在する又は開口部224に向かって延在する錐体242の少なくとも一部を含むことができる。錐体242「の少なくとも一部」は、完全な錐形部材(図2)又は錐台形部材(図3図4)を意味する。ダイバータ部材240は、他の形状及びサイズを有してもよく、任意の所望の方法で初期排気流92若しくはその一部に衝突する及び/又は初期排気流92若しくはその一部を方向転換させるようにカスタマイズすることができる。図2は、開口部224内に延在する錐形部材244の形態のダイバータ部材240を示し、図3図4は、開口部224に向かって延在する(すなわち、必ずしもベース部材222の開口部224内に延在しているわけではない)錐台形部材246の形態のダイバータ部材240を示す。
【0047】
ダイバータ部材240は、例えば、図2に示すように、いくつかの鋼板250を含んでいてもよく、ダイバータ部材240は、図3図4に示すように、一つ材料片254であってもよい。図示されるように、ダイバータ部材240の外面256は、ベース部材222の開口部224の内縁部258及び流れ拡張部材225に対して間隔を空けて配置される。初期排気流92は、流れ拡張部材225内で広がり、ダイバータ部材240とベース部材222の内縁部258との間を通過する。ダイバータ部材240の外面256の直径並びに/又は開口部224及び/若しくは流れ拡張部材225の内径は、所望のサイズの間隔が形成されるように選択することもできる。図2に示すように、ダイバータ部材240は、ダイバータ部材240の軸方向(外側)端部を囲むカバー部材259を含むこともできる。図3に示すように、カバー部材259は、ベーン260に対してダイバータ部材240を位置決めするために、錐体242の一部の延長部分を構成することもできる。
【0048】
また、構造体210は、周辺に間隔を空けて配置され半径方向に延在する複数のベーン260(以下「ベーン260」)を含んでおり、複数のベーン260は、取付け部材220とカバー部材259との間に配置される。ベーン260は、取付け部材220に(具体的には、ベースプレート228、229に)結合され、ダイバータ部材240の半径方向外側に配置されている。ベーン260の間の周縁の間隔は、典型的には均一であるが、不均一な間隔を使用してもよい。ベーン260は、取付け部材220に対して間隔を空けて垂直にダイバータ部材240を支持する。
【0049】
ベーン260は、半径方向外側に向けられた初期排気流92を、複数の追加排気流262に分離するように配置される。排気流262は、初期排気流92よりも遅い速度であってもよい。しかし、複数の追加排気流262の各々は、騒音が低減されるように、複数の排気流262の間では半径方向に同じ出口速度を有している。「半径方向に同じ出口速度」とは、ベーン260の間の領域Aを横切る半径方向の出口速度が±5%以内であることを示す。1つの非限定的な例では、半径方向の平均出口速度は、80~90メートル/秒(m/s)の範囲とすることができ、この範囲では、半径方向の流れが構造体210を出た後で合流してしまうことを防止するのに適しており、周囲空気(すなわち、大気214)と下流で混合するのに適している。各追加排気流262の半径方向の出口速度は、構造体210の周囲において、及びベーン260の間の各出口領域A内において、実質的に均一である。半径方向の出口速度が均一であることによって、騒音が低減する。1つの非限定的な実施例では、排気流262の垂直速度は、高度198メートルにおいて6.1メートル/秒(m/s)より十分に小さく(例えば、1m/sよりも小さい)、これは多くの政府規制の範囲内である。
【0050】
各ベーン260は、半径方向に分岐する断面(即ち、上から見た場合)を有することができる。それゆえ、ベーン260は、構造体210の中心に対して垂直方向及び半径方向に延在する。また、ベーン260は、構造体210の中心から半径方向外側に向かうにつれて、次第に大きくなる。ベーン260は、ベーンの半径方向外側端部272において部分的に周辺に延在する(図5図9)。図5図9は、複数のベーン260の形状の上から見た断面を示す図である。図5図9に示すように、ベーン260は、半径方向に分岐する断面が形成されるように、結合された幾つかのプレート264(例えば、溶接された複数の鋼板)を含むことができる。
【0051】
図5において、ベーン260は、ダイバータ部材240及び/又は開口部224(図示されている)の半径Rを中心とした二等辺三角形268(すなわち、半径Rの線に対して等しい角度αを有している)を画定することができる。ここで、プレート264A、264Bは同じ長さL1、L2を有するが、第3プレート264Cは異なる長さL3を有している。図6では、ベーン260は、ダイバータ部材240及び/又は開口部224(図示されている)の半径Rを中心とした正三角形270を画定している。ここで、プレート264A~264Cは、全て同じ長さL1、L2、L3を有する。半径方向に分岐する断面を維持したまま、プレート264の一部を湾曲させることも可能である。例えば、図7では、少なくともプレート264A、264Bが(例えば、凹形状に)湾曲していてる。図7におけるプレート264Cは、任意の形状を有することができる。図8及び図9は、2枚のプレート264A、264Bのみを使用してベーン260の半径方向に分岐する断面を形成する実施形態を示す。プレート264A及び264Bは図8では平面的であり、図9では湾曲している。湾曲している場合(図7及び図9)、プレート264A及び264Bは同じ曲率であってもよいし、異なる曲率であってもよく、曲率の量は定義して使用することができる。プレート264は、ダイバータ部材240及び取付け部材220に任意の方法で(例えば、溶接、嵌め込み接続など)固定することができる。
【0052】
任意の枚数のベーン260を使用することができる。例えば、図2においては、12枚のベーン260が図示されている。図5図9において、長さL3は、各ベーン260の半径方向外側端部272の長さを示す。図2に示されるように、長さL3は、排気流262が構造体210から出る領域Aを画定するようにユーザにより定義されてもよい。領域Aは、幾つかのパラメータを制御するように、ベーン260によって画定することができる。パラメータとしては、例えば、背圧、追加排気流262の半径方向の出口速度、領域Aにおける排気流262の速度均一性、及び構造体210の騒音プロファイルがある。特定の実施形態では、複数のベーン260(ベーン260の半径方向外側端部272)は、全体として、隣接するベーン260、ダイバータ部材240、及び取付け部材220(すなわち、ベース部材222)の間の周囲の開口部を約25~45%遮断する。すなわち、ベース222とカバー259との間の(周辺の)周囲の領域は、ベーン260の半径方向外側端部272によって25~45%遮断される。特定の実施形態では、ベーン260は、約30~40%の間で遮断し、別の実施形態では、約35%遮断する。面積の減少させることにより、騒音が低減される。例えば、構造体210は、115dBA(A-weighted decibels)未満の音響パワーレベルを有する。また、ベーン260は、(ストローハル周波数における)ホイッスルノイズを低減又は除去する。
【0053】
図5図9において、各ベーン260は、開口部224の半径Rを中心として図示されている。しかしながら、図10図11は、ダイバータ部材240及び/又は開口部224の半径Rを中心としていないベーン260の断面図を示している。ここで、角度βと角度αは同一ではない。したがって、例示的な構造体210では、ベーン260は、半径Rに対して同じ方向に角度が付けられ、排気流262に回転を付与する。図10は、時計回りの回転を付与する配置を示し、図11は、反時計回りの回転を付与する配置を示す。この回転によって、排気流262は大気214中の周囲空気と混合することが促進され、排気流262が運動量を失い、プルーム速度が低くなるようにすることができる。
【0054】
各実施形態の列挙された異なる構造は、実施形態間で交換することができ、例えば、図3の錐体型ダイバータ部材240は、他の多くの選択例の間で、図2の取付け部材220の多角形プレート228と共に使用することが可能である。
【0055】
構造体210の実施形態は、周囲空気を囲む広範囲の領域内で初期排気流92を混合/拡散することによって全体のプルーム流速(運動量)及び/又は温度を低くし、それによってプルームの上昇、速度、及び浮力効果を制御することができる。構造体210は、望まれている任意の政府規制(例えば、CASA規制)の要件を満たすようにカスタマイズすることができる。例えば、構造体210は、排気プルームの騒音プロファイル及び/又はプルームの垂直流速を制御するようにカスタマイズすることができる。有利なことに、ベース部材222とカバー部材259との間にベーン260のアレイが1つだけ存在している場合、ベーンの複数のアレイが積層された構造を有する排気プルーム制御構造体と比較して、構造体110の重量及びコストが低減され、騒音も低減される。
【0056】
本明細書及び特許請求の範囲を通じて使用される、近似を表す文言は、関連する基本的機能に変化をもたらすことなく、差し支えない程度に変動し得る任意の量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「およそ」、「約」、及び「実質的に」などの用語によって修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度に対応する場合がある。ここで、並びに本明細書及び特許請求の範囲を通して、範囲の限定は組合せ及び/又は置き換えが可能であり、文脈又は文言が特に指示しない限り、このような範囲は識別され、それに包含されるすべての部分範囲を含む。範囲の特定の値に適用される「約」は、当該範囲の両端の値に適用され、値を測定する機器の精度に特に依存しない限り、記載された値の+/-10%を示すことができる。
【0057】
以下の特許請求の範囲におけるミーンズプラスファンクション又はステッププラスファンクションの要素すべての、対応する構造、材料、動作、及び均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせてその機能を実施するための、一切の構造、材料、又は動作を包含することを意図している。本開示の記載は、例示及び説明の目的で提示されており、可能な全てのものを含んでいることも、開示された形態で本開示に限定することも意図するものではない。当業者には、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく多くの改変及び変形が明らかである。本開示の原理及び実際の用途を最良に説明し、想定される特定の使用に適するように様々な修正を加えた様々な実施形態について本開示を他の当業者が理解することができるようにするために、本実施形態を選択し、かつ説明した。
【符号の説明】
【0058】
92 初期排気流
210 排気プルーム制御構造体
212 排気流源
220 取付け部材
240 ダイバータ部材
260 ベーン
262 排気流


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】