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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126713
(43)【公開日】2023-09-08
(54)【発明の名称】搬送システム、及び無人搬送車
(51)【国際特許分類】
   B60D 1/28 20060101AFI20230901BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
B60D1/28
B61B13/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110046
(22)【出願日】2023-07-04
(62)【分割の表示】P 2022580844の分割
【原出願日】2022-05-16
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2021/040998
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521293800
【氏名又は名称】株式会社LexxPluss
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】阿蘓 将也
(72)【発明者】
【氏名】田中 アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ホースマン レオ
(72)【発明者】
【氏名】小山 修史
(57)【要約】
【課題】無人搬送車で搬送対象物を搬送する際の安全性を高めることができる搬送システム、及び無人搬送車を提供する。
【解決手段】本開示による搬送システムは、搬送対象物と、前記搬送対象物を搬送する無人搬送車と、を備える搬送システムであって、無人搬送車は、搬送対象物に設けられた被連結部に対して着脱可能に結合する連結部と、連結部が被連結部に結合することで通電する一対の電極部と、一対の電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報を取得可能な通電状態検出部と、通電状態に関する情報に基づいて、搬送対象物に対する無人搬送車の連結状態を判定する判定部と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物と、前記搬送対象物を搬送する無人搬送車と、を備える搬送システムであって、
前記無人搬送車は、
前記搬送対象物に設けられた被連結部に対して着脱可能に結合する連結部と、
前記連結部が前記被連結部に結合することで通電する一対の電極部と、
前記一対の電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報を取得可能な通電状態検出部と、
前記通電状態に関する情報に基づいて、前記搬送対象物に対する前記無人搬送車の連結状態を判定する判定部と、を有することを特徴とする、搬送システム。
【請求項2】
前記搬送対象物は、障害物への接触によって通電状態が変化する接触センサを有し、
前記接触センサは、前記連結部が前記被連結部に結合することで前記一対の電極部に電気接続されるよう構成されており、
前記判定部は、前記連結部が前記被連結部に結合した状態における前記通電状態に関する情報に基づいて、障害物への接触を検知可能である、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記連結部は、凹状の前記被連結部に向けて軸方向に進退動作する少なくとも1本のロッド部材を有し、
1本の前記ロッド部材に前記一対の電極が設けられている、請求項1または2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記連結部は、凹状の前記被連結部に向けて軸方向に進退動作する少なくとも2本のロッド部材を有し、
2本の前記ロッド部材に、前記一対の電極を構成する一方の電極と他方の電極とがそれぞれ設けられている、請求項1または2に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記連結部は、前記無人搬送車の上面に位置し、
前記被連結部は、前記搬送対象物の下面に位置する、請求項1~4の何れかに記載の搬送システム。
【請求項6】
前記被連結部は、
前記無人搬送車が前記搬送対象物に対して第1姿勢で連結する際に前記連結部が結合する第1被連結部と、
前記無人搬送車が前記搬送対象物に対して前記第1姿勢とは別の第2姿勢で連結する際に前記連結部が結合する第2被連結部と、を含む、請求項1~5の何れかに記載の搬送システム。
【請求項7】
前記無人搬送車は、
前記搬送対象物に連結した状態から前記無人搬送車の姿勢を変更する際に、被連結部に連結部が結合した状態のままで前記無人搬送車を回転させることで、回転軸として機能する連結部を備える、請求項1~6の何れかに記載の搬送システム。
【請求項8】
前記判定部による前記連結状態の判定結果に基づいて、前記無人搬送車と通信可能な情報処理装置に対して前記連結状態に関する通知を行う、請求項1~7の何れかに記載の搬送システム。
【請求項9】
前記判定部が障害物への接触を検知した場合に、前記無人搬送車と通信可能な情報処理装置に対して前記障害物への接触に関する通知を行う、請求項2に記載の搬送システム。
【請求項10】
前記判定部が障害物への接触を検知した場合に、前記無人搬送車と通信可能な情報処理装置に対して前記障害物への接触に関する情報及び前記連結状態に関する情報を共に含む通知を行う、請求項2に記載の搬送システム。
【請求項11】
前記判定部による前記連結状態の判定結果に基づいて、前記無人搬送車が予め設定された動作を実行する、請求項1~7の何れかに記載の搬送システム。
【請求項12】
前記判定部が障害物への接触を検知した場合に、前記無人搬送車が予め設定された動作を実行する、請求項2に記載の搬送システム。
【請求項13】
搬送対象物を搬送する無人搬送車であって、
前記搬送対象物に設けられた被連結部に対して着脱可能に結合する連結部と、
前記連結部が前記被連結部に結合することで通電する一対の電極部と、
前記一対の電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報を取得可能な通電状態検出部と、
前記通電状態に関する情報に基づいて、前記搬送対象物に対する前記無人搬送車の連結状態を判定する判定部と、を有することを特徴とする、無人搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送システム、及び無人搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工場や倉庫内などの施設内における荷物の運搬に、自律走行可能な無人搬送車を活用することが実用化されている。施設内に敷設された所定のレール軌道に沿って、あるいは、自己位置推定と環境地図作成の技術を用いて自律的に、無人搬送車を所定の目的位置まで走行させる方法が知られている。
【0003】
特許文献1には、無人搬送車を用いて台車等の搬送対象物を搬送(牽引)する方法が開示されている。また、特許文献1には、台車の側面に障害物が接触したことを検知するために、台車の側面に押し込み可能なバーを設け、障害物が接触した際にバーが内側に押し込まれて搬送車のセンサを叩き、障害物を検知する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-102076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の方法においても、搬送対象物を無人搬送車で搬送する際の安全性に関しては改善の余地があった。
【0006】
そこで、本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、無人搬送車で搬送対象物を搬送する際の安全性を高めることができる搬送システム、及び無人搬送車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、搬送対象物と、前記搬送対象物を搬送する無人搬送車と、を備える搬送システムであって、
前記無人搬送車は、
前記搬送対象物に設けられた被連結部に対して着脱可能に結合する連結部と、
前記連結部が前記被連結部に結合することで通電する一対の電極部と、
前記一対の電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報を取得可能な通電状態検出部と、
前記通電状態に関する情報に基づいて、前記搬送対象物に対する前記無人搬送車の連結状態を判定する判定部と、を有することを特徴とする、搬送システムが提供される。
【0008】
また、本開示の搬送システムにおいて、
前記搬送対象物は、障害物への接触によって通電状態が変化する接触センサを有し、
前記接触センサは、前記連結部が前記被連結部に結合することで前記一対の電極に電気接続されるよう構成されており、
前記判定部は、前記連結部が前記被連結部に結合した状態における前記通電状態に関する情報に基づいて、障害物への接触を検知可能であるようにしてもよい。
【0009】
また、本開示の搬送システムにおいて、
前記連結部は、凹状の前記被連結部に向けて軸方向に進退動作する少なくとも1本のロッド部材を有し、
1本の前記ロッド部材に前記一対の電極が設けられているようにしてもよい。
【0010】
また、本開示の搬送システムにおいて、
前記連結部は、凹状の前記被連結部に向けて軸方向に進退動作する少なくとも2本のロッド部材を有し、
2本の前記ロッド部材に、前記一対の電極を構成する一方の電極と他方の電極とがそれぞれ設けられているようにしてもよい。
【0011】
また、本開示の搬送システムにおいて、
前記連結部は、前記無人搬送車の上面に位置し、
前記被連結部は、前記搬送対象物の下面に位置するようにしてもよい。
【0012】
また、本開示の搬送システムにおいて、
前記被連結部は、
前記無人搬送車が前記搬送対象物に対して第1姿勢で連結する際に前記連結部が結合する第1被連結部と、
前記無人搬送車が前記搬送対象物に対して前記第1姿勢とは別の第2姿勢で連結する際に前記連結部が結合する第2被連結部と、を含むようにしてもよい。
【0013】
また、本開示の搬送システムにおいて、
前記無人搬送車は、
前記搬送対象物に連結した状態から前記無人搬送車の姿勢を変更する際に、被連結部に連結部が結合した状態のままで前記無人搬送車を回転させることで、回転軸として機能する連結部を備えるようにしてもよい。
【0014】
また、本開示によれば、搬送対象物を搬送する無人搬送車であって、
前記搬送対象物に設けられた被連結部に対して着脱可能に結合する連結部と、
前記連結部が前記被連結部に結合することで通電する一対の電極部と、
前記一対の電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報を取得可能な通電状態検出部と、
前記通電状態に関する情報に基づいて、前記搬送対象物に対する前記無人搬送車の連結状態を判定する判定部と、を有することを特徴とする、無人搬送車が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、無人搬送車で搬送対象物を搬送する際の安全性を高めることができる搬送システム、及び無人搬送車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る搬送システムの無人搬送車と台車が連結された例を示す斜視図である。
図2】同実施形態に係る無人搬送車の一例を示す斜視図である。
図3】同実施形態に係る連結部と被連結部の一例を示す図である。
図4】同実施形態に係る無人搬送車の平面図である。
図5】同実施形態に係る無人搬送車と台車の電気回路の一例を示す図である。
図6】同実施形態に係る無人搬送車と台車の連結姿勢の一例を示す図である。
図7】同実施形態に係る無人搬送車と台車の連結姿勢の他の例を示す図である。
図8】同実施形態に係る無人搬送車と台車の他の例を示す図である。
図9】同実施形態に係る台車の他の例を示す図である。
図10】同実施形態に係る無人搬送車の他の一例を示す図である。
図11】同実施形態に係る無人搬送車の他の一例を示す図である。
図12】同実施形態に係る搬送車と牽引台車が連結された際の他の一例を示す図である。
図13】同実施形態に係る搬送システムの全体構成図を示す図である。
図14】同実施形態に係る無人搬送車の機能構成図の一例を示す図である。
図15】同実施形態に係る無人搬送車が搬送対象物に連結して搬送する制御フローの一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
図1に示す搬送システム1は、無人搬送車10と、無人搬送車10に牽引される搬送対象物としての台車20と、を備える。図1の例では、無人搬送車10が台車20の下側に潜り込んだ状態で台車20と連結する例を示している。
【0019】
搬送対象物は、例えば、図1に示す台車20とすることができる。搬送対象物は、台車20のように車輪を有するものに限定されるものではなく、無人搬送車10が連結して牽引(搬送)可能なものであれば、例えばパレット等でもよい。また、車輪を有しないパレットやキャビネット等の搬送対象物を搬送する場合には、無人搬送車10はパレットやキャビネットの下側に潜り込んで、パレットやキャビネットを持ち上げた状態で連結されてもよい。
【0020】
図2は、本実施形態に係る無人搬送車10のハードウェア構成例を示す斜視図である。図2の矢印15は無人搬送車10の進行方向(前進方向)を示している。図2に示す通り、無人搬送車10は、台車20を連結するための連結部11を備えている。無人搬送車10は、連結部11を駆動することによって、台車20に対して無人搬送車10が連結された連結状態と、連結を解除した非連結状態とを切り替えることができる。本例の無人搬送車10は、無人搬送車周辺の物体を検出する物体位置検出部12、駆動輪13、非駆動輪14等を備えている、無人搬送車10の構成は図示例に限られず、適宜変更可能である。また、無人搬送車10は、矢印15の方向への前進、逆方向への後退、左右の旋回等の動作が可能である。無人搬送車10は、記憶部に記憶された所定のプログラム等に基づいて自律的に動作するものでもよいし、床面に設けた軌道線、軌道マーカをセンサで認識して、そこから取得した情報に基づいて動作するものであってもよいし、入力部を介したユーザの入力に基づいて動作するものであってもよいし、それらの組み合わせでもよい。
【0021】
連結部11は、台車20に設けられた被連結部21に対して着脱可能に結合(係合)する。連結部11が被連結部21に結合することで台車20に無人搬送車10が連結される。この連結状態で無人搬送車10を動作(走行)させることにより、無人搬送車10の動作に追従して台車20を搬送することができる。
【0022】
本例の連結部11は、無人搬送車10の上面に位置し、上向きに設けられている。連結部11は、例えば図に示すような凹状の被連結部21に向けて軸方向に進退動作する少なくとも1本のロッド部材で構成される。ロッド部材は、例えば軸方向に進出及び後退するアクチュエータで構成される。各連結部11は、それぞれ独立して別々に動作させることができ、同時に全ての連結部11を進退動作させることも可能である。連結部11は、台車20と連結する場合にはロッド部材を鉛直方向の上側に伸ばして(軸方向に進出させて)台車側の被連結部21と結合させ、連結を解除する場合にはロッド部材を縮めて(軸方向に後退させて)、被連結部21に対する連結部11の結合を解除できるように構成されている。連結部11は、台車20と連結していない状態において、無人搬送車10の上面に開口する空間内に収容され、上面から突出しないように形成されていることが好ましい。また、ロッド部材は、被連結部21に進入しやすいように、先端に向けて徐々に細くなる形状であることが好ましい。本例のロッド部材は、全体として円柱状であり、先端部が円錐台状である。
【0023】
図2図4に例示する連結部11は、3本のロッド部材で構成されている。具体的に、連結部11は、平面視で無人搬送車10の中央領域に位置する中央連結部11aと、中央連結部11aよりも後ろ側に位置する左右一対の後方連結部11b、11cと、で構成されている。この場合、台車20側には、少なくとも3つの被連結部21が設けられる。連結部11を構成するロッド部材の数が多いほど、台車20に対する無人搬送車10の連結強度を高めることができる。
【0024】
連結部11には、少なくとも一対の電極部16a、16bが設けられている。一対の電極部16a、16bは、連結部11が被連結部21に結合した状態で通電状態となるように構成されている。本例の連結部11は、被連結部21に結合していない状態では、非通電状態となっている。一対の電極部は導電材料で形成されている。また本例では、一対の電極部は、第1電極部16aと第2電極部16bとで構成されている。
【0025】
一対の電極部16a、16bは、図3に示すように、何れか1本のロッド部材に設けてもよいし、図2、4に示すように、2本のロッド部材に分けて設けてもよい。一対の電極部16a、16bは、互いに離間して配置される。
【0026】
図2図4の例において、一対の電極部16a、16bは、2つの後方連結部11b、11cに分けて設けられている。より具体的に、左右一対の後方連結部11b、11cのうち、(矢印15を前方として)左側の後方連結部11bに一方の電極部(第1電極部)16aが設けられ、右側の後方連結部11cに他方の電極部(第2電極部)16bが設けられている。なお、1つのロッド部材に1つの電極部を設ける場合には、ロッド部材全体あるいは、ロッド部材の先端部全体が電極部となっていてもよい。このように、1つのロッド部材に1つの電極部を設ける場合には、1つのロッド部材に2つ(一対)の電極部を設ける場合に比べて、電極部の面積を大きくすることができる。これによれば、電極部の接触面積が大きくなるので、電気接続の信頼性を高めることができる。また、複数の連結部11の全てに、それぞれ一対の電極部を設けるようにしてもよく(図3参照)、その場合、全ての連結部11が被連結部21に正常に結合しているかを確認することが可能となる。
【0027】
図5に示すように、一対の電極部16a、16bは、無人搬送車10に設けられた電源部17及び電気センサ18(通電状態検出部)に接続されている。電気センサは、例えば、電流、電圧、抵抗等を測定するセンサであるが、これに限定されない。電気センサ18は、電気回路の通電状態に関する情報を取得することができる。電気センサ18は少なくとも一対の電極部16a、16bを含む電気回路が通電しているか否かを検出することができる。電気センサは、一対の電極部16a、16bを含む電気回路における電流、電圧、抵抗等の数値、大きさを検出できることが好ましい。
【0028】
一対の電極部16a、16bは、無人搬送車10と台車20が適切に連結されていないときには非通電状態であり、無人搬送車10と台車20が適切に連結されることによって、通電状態となるよう構成されている。電気センサを用いて、一対の電極部16a、16bを含む電気回路の通電状態に関する情報を取得することで、正常に連結されているか否かを判定することができる。つまり、制御部の判定部は、一対の電極部16a、16bを含む電気回路が通電していれば正常に連結されており、非通電状態であれば、正常に連結されていないと判定する。正常に連結されていないと判定した場合には、連結部11を後退させて無人搬送車10の位置を調整し直し、再度、連結部11を被連結部に結合させるようにしてもよい。なお、判定部は、無人搬送車10の制御部にあってもよいし、ネットワークを介して接続されるサーバ等の情報処理装置の制御部にあってもよい。
【0029】
台車20の被連結部21には、無人搬送車10の一対の電極部16a、16bに対応する導電部が設けられている。導電部は、一対の電極部16a、16bに接触して、一対の電極部16a、16bを通電させる。
【0030】
図3に示すように、1本の連結部11に一対の電極部16a、16bを設ける場合、少なくとも1つの被連結部21に、一対の電極部16a、16bを通電させる導電部を設ける。なお、台車20に複数の被連結部21が設けられている場合、全ての被連結部21に導電部を設けてもよいし、一部の被連結部21のみに導電部を設けてもよい。
【0031】
図3の例では、台車20の1つの被連結部21に導電部を構成する一対の電極部22a、22bが設けられており、無人搬送車10の一対の電極部16a、16bにそれぞれ接触するように構成されている。被連結部21において、一対の電極部22a、22bは互いに離間して配置され、一対の電極部22a、22bは電線等の導電材料で電気的に接続されている。
【0032】
図5に模式的に示すように、台車20において一対の電極部22a、22bには、接触センサ23を介して電気抵抗24が電気接続されている。なお、接触センサ23及び電気抵抗24の構成は必須ではなく、いずれか一方のみが接続されていてもよい。接触センサ23は、台車20の外周面に設置されており、障害物の台車20への接触を検知する。接触センサ23の構成は特に限定されない。
【0033】
接触センサ23は、例えば、テープスイッチである。テープスイッチは、わずかな空隙を空けた状態で配置された電極板がゴム等の樹脂で被覆され、全体がテープ状に形成されている。テープスイッチは、障害物等の接触時に電極板間の隙間がなくなる(電極板同士が接触する)ことで、電極板間に電流が流れ、接触を検知できる原理である。なお接触センサ23は、他の形式のものでもよい。接触センサ23は、台車20の前面、後面、及び左右両側面と4つの角部に、つまり全周に亘って環状に設けることができる。1本の長い接触センサ23を台車20の外周面に環状に設置してもよいし、2以上の比較的サイズの小さい接触センサ23を前面、後面、及び左右両側面等の複数個所に分けて配置してもよい。なお、複数の接触センサ23を、それぞれ台車20の別々の個所(前面、後面、及び左右両側面等)に設置するとともに、それぞれの接触センサ23で別々の電気回路を構成し、それぞれの通電状態を確認するようにしてもよい。これによれば、台車20のどの部分が障害物等に接触したかを確認することができる。接触センサ23は、台車20の下端部及び上端部、その間の中央部等、任意の高さに設置される。台車20の下端部に接触センサ23を設けた場合、床面付近の低い位置にある障害物との接触を検出し易くなり、台車20の上端部に接触センサ23を設けた場合、高い位置ある障害物(例えば天井から吊り下げられた物体等)との接触を検出し易くなる。
【0034】
図5において、無人搬送車10の連結部11が台車20の被連結部21に進入して結合し、無人搬送車10と台車20が正常な連結状態となると、無人搬送車10の一対の電極部16a、16bが台車20の一対の電極部22a、22bにそれぞれ接触する。このように、電極同士(電極部16aと電極部22a、電極部16bと電極部22b)が接触することによって、無人搬送車10と台車20の間に電気回路が形成され、通電状態となる。
【0035】
ここで、本例では、台車20においてテープスイッチを介して電気抵抗24が接続されており、障害物への接触がない状態(非衝突時)では電気抵抗24の影響で電流(または電圧)が比較的小さくなり、障害物に接触した状態(衝突時)では電気抵抗24を介さずにテープスイッチの電極間で電気が流れるため、電流(または電圧)が比較的大きくなる。そして、このような通電状態の変化を通電状態検出部(電気センサ18)で検出することにより、台車20が障害物等に接触したか否かを検出(判定)することができる。
【0036】
したがって、本例の構成によれば、無人搬送車10が台車2に対して正常に連結されているか否かの判定(牽引可否判定)と、台車20に対する障害物等の接触判定とを、簡易な構成で容易に両立することが可能となる。
【0037】
ここで台車20は、例えば図1に示すように、無人搬送車10が潜り込むことができる下部空間Sを有している。台車20の下面には、被連結部21が設けられている。被連結部21は、連結部21を進入し易くする観点から、下方に向けて徐々に開口径が大きくなっていることが好ましい。このような構成により、連結部11に摺動して連結部11を被連結部21に誘導するガイド面が形成される。被連結部21は、例えば円錐台状(すり鉢状)とすることができる。被連結部21の天面または側面には、連結部11に設けられた電極部の位置に応じて、電極部22a、22b等の導電部が設けられている。
【0038】
上記の被連結部21は、台車20の下面に位置しているが、無人搬送車10の連結部11の位置に対応する位置であれば、搬送対象物の側面等に位置していてもよい。
【0039】
本実施形態の搬送システム1において、台車20に対する無人搬送車10の連結姿勢は、1つのパターンに限定されない。つまり、台車20に対して無人搬送車10が複数の連結姿勢で連結できるようにしてもよい。このような構成により、台車20を搬送する方向や、台車20の重心位置に応じて、台車20に対する無人搬送車10の連結姿勢を変更(調整)することができる。なお台車20の重心位置は、台車20に載せられた荷物の配置等に応じて変化し得る。
【0040】
被連結部21は、無人搬送車10が搬送対象物に対して第1姿勢で連結する際に連結部11が結合する第1被連結部21aと、無人搬送車10が搬送対象物に対して第1姿勢とは別の第2姿勢で連結する際に連結部11が結合する第2被連結部21bと、を含むことができる。第1被連結部21aと第2被連結部21bとは、一部が重複していてもよい。
【0041】
例えば、図6に示すように、平面視で長方形の台車20を長手方向に移動する場合には、台車を移動したい方向(図6の左方向)に無人搬送車10の前方向(矢印15が向く方向)が向くような姿勢(第1姿勢)で連結させる。
【0042】
一方で、図7に示すように、平面視で長方形の台車20を短手方向に移動する場合には、台車を移動させたい方向(図7の上方向)に無人搬送車10の前方向(矢印15が向く方向)が向くような姿勢(第2姿勢)で連結させる。
【0043】
図6図7に示すように、台車20には、第1姿勢で連結する際に連結部11を結合させる第1被連結部21aと、第2姿勢で連結する際に連結部11を結合させる第2被連結部21bとが設けられている。なお、この場合、図の右下の被連結部21は、第1被連結部21aでありつつ、第2被連結部21bとしても機能する。台車20には、台車20の中央に位置し、無人搬送車10の中央連結部11aを結合させる中央被連結部21と、その周囲に均等に配置され、無人搬送車10の後方連結部11b、11cを結合させる4つの被連結部21とを有する。4つの被連結部21は、中央被連結部21を中心として、互いに隣接する被連結部21同士が等しい距離となるように配置されている。つまり、4つの被連結部21の中心は、仮想の正方形の4つの角の位置にある。
【0044】
図6図7に示す例では、無人搬送車10が第1姿勢で台車20に連結した状態から、第2姿勢で台車20に連結させる(つまり台車20に対する無人搬送車10の向きを90°変更する)際、中央連結部11aを中央被連結部21に結合させた状態のままで無人搬送車10の姿勢を変更することができる。つまり、図6に示す第1姿勢において中央連結部11aが中央被連結部21に結合した状態のまま、2本の後方連結部11b、11cと第1被連結部21aとの結合を解除して、無人搬送車10を90°回転させ、2本の後方連結部11b、11cを第2被連結部21bに結合させることができる。このように、中央連結部11a及び中央被連結部21は、無人搬送車10の姿勢を変更する際の回転軸として機能し得る。なお、中央連結部11a及び中央被連結部21以外の連結部、被連結部を回転軸として用いるようにしてもよい。
【0045】
このように、複数の連結部11のうちの1つを被連結部に結合させたまま、それを回転軸として台車20に対する無人搬送車10の姿勢を変更できるようにしたことで、姿勢を変更する際の連結部と被連結部との位置合わせが容易となり、スムーズに無人搬送車10を台車20に連結することが可能となる。なお、無人搬送車10の姿勢を変更する際に、被連結部21に結合する全ての連結部11の連結状態を解除してもよい。
【0046】
図8に示す例では、無人搬送車10に設けられた4本の連結部11が平面視で仮想の長方形の角部に配置された例を示している。本例では、互いに隣接する連結部11間の前後方向の間隔が、左右方向に隣接する連結部11の間隔よりも大きい。この場合においても、台車20には、無人搬送車10が第1姿勢で連結する際に連結部11が結合する4つの第1被連結部21aと、無人搬送車10が第2姿勢で連結する際に連結部11が結合する4つの第2被連結部21bと、が設けられる。この場合、第1被連結部21aと第2被連結部21bとは、異なる位置に設けられ、重複しない。なお、図8の例でも、姿勢を変更する際に回転軸として機能する連結部、被連結部を設けてもよい。台車20の被連結部21の数、配置は、連結部11の数や配置に応じて適宜変更可能である。
【0047】
図9に示す例では、台車20の左側(長手方向の一方側)、中央、右側(長手方向の他方側)の位置で、無人搬送車10が台車20に連結できるように、複数の被連結部21が設けられている。台車20に対する無人搬送車10の向きも、台車20を搬送する方向に応じて任意に変更可能である。例えば図9の例では、図の上方向、下方向、左方向、右方向の4方向に、無人搬送車10の前側が向くように、台車20に無人搬送車10を連結させることができる。なお、台車20に対する無人搬送車10の姿勢は、90°間隔である必要はなく、斜めに連結できるようにしてもよい。また、被連結部21の形状は全て同一であってもよいし、連結部11の形状に対応して、複数の被連結部21のうちの一部が異なる形状であってもよい。
【0048】
無人搬送車10の連結部11の数、位置、動作、形状等は上記例に限定されず、適宜変更可能である。例えば、連結部11の数は、少なくとも1つ(1本)あればよく、図示例よりも多くても少なくてもよい。具体的に、図10に示すように4本の連結部11を備えるようにしてもよいし、図11のように1本のみの連結部を備えるようにしてもよい。また連結部11の位置は、無人搬送車10の上面に限られず、前面、後面、左右の側面、等であってもよい。また、連結部11の動作も、軸方向の進退動作に限られず、軸を中心に揺動して被連結部に結合するもの等であってもよい。
【0049】
図12は、本実施形態に係る無人搬送車10と台車20が連結された際のハードウェア構成の他の一例を示している。図12に示す例では、無人搬送車10は台車20の下に潜り込まず、横に位置する状態で台車20と連結する。台車20は、連結部11の少なくとも一部と連結する被連結部2010を備えており、連結部11を上側に伸ばすことで台車20と連結でき、連結部11を縮めることで台車との連結を解除できる。
【0050】
次に、本実施形態に係る搬送システムの全体構成図を説明する。図13に搬送システムの全体構成の一例を示す。搬送システム1000は、複数の無人搬送車(10a, 10b)、搬送対象物である台車20、無人搬送車の状態を表示又は無人搬送車へ指令を入力可能な操縦機3000、無人搬送車の運行に必要な情報を管理する運行管理装置4000、運行管理装置の情報を表示し運行管理装置に情報を入力する入出力装置5000、複数の無人搬送車(10a, 10b)と操縦機3000と運行管理装置4000を通信可能に接続する通信ネットワーク6000を備える。例えば、製造管理システムから製造作業の稼働進捗状況に関する情報を取得すれば、無人搬送車による輸送量や輸送経路を製造作業の作業進捗状況に応じて動的に調整することができる。
【0051】
また、搬送システム1000は通信ネットワーク6000を介して外部システム7000と接続させることもできる。搬送システム1000を製造工場に導入して、製造に必要な部品を収納庫から製造ラインに搬送する場合には、搬送システム1000は、外部システム7000として製造管理システムとシステム間連携を行う。この場合、製造管理システムから製造作業の稼働進捗状況に関する情報を取得すれば、無人搬送車による輸送量や輸送経路を製造作業の作業進捗状況に応じて動的に調整することができる。それぞれの無人搬送車10は通信ネットワーク6000を介して他無人搬送車や他構成要素と通信可能に連結される。例えば、無人搬送車は自機の検出部で検出した各種検出情報やその他制御情報を操縦機3000や運行管理装置4000や他無人搬送車に送信する。また、無人搬送車10は台車20と近距離通信手段で通信可能に接続され、台車から連結状態に関する情報や台車の識別情報などを受信可能に構成される。
【0052】
操縦機3000は、指定した無人搬送車の状態情報を表示する機能と、指定した無人搬送車へ指令を入力する機能を備えている。例えば、操縦機に表示される無人搬送車の状態情報としては、無人搬送車に搭載されて無人搬送車の電源となるバッテリの充電量の情報、無人搬送車と連結された台車の識別情報などである。無人搬送車へ入力する指令としては、例えば、無人搬送車の目的地に関する指令情報、台車との連結や連結解除の動作指令、無人搬送車の走行開始指令、無人搬送車の停止指令などである。
【0053】
運行管理装置4000は、施設エリアで運行される複数の無人搬送車の状態情報を記録する状態情報記録部4010と、複数の無人搬送車の動作シナリオを管理する動作シナリオ管理部4020を有している。状態情報記録部4010で記録される無人搬送車の状態情報は、例えば、運行中の複数の無人搬送車のバッテリ充電量の情報、複数の無人搬送車と連結された台車の識別情報、複数の無人搬送車の位置情報、複数の無人搬送車の動作モード(誘導走行モードまたは自律走行モード)、その他無人搬送車の検出部230で検出される各種検出情報などである。動作シナリオ管理部4020で管理される動作シナリオは、例えば、複数の無人搬送車それぞれの目的地の情報、目的地に行き着くまでに実行する複数の動作内容、複数動作の動作順序、複数動作の切替条件を含んでいる。
【0054】
入出力装置5000は、運行管理装置4000の状態情報記録部4010に記録された情報を表示するとともに、動作シナリオ管理部4020で管理される動作シナリオを入力することで新規に動作シナリオを追加したり、更新したりすることができる。入出力装置5000に入力される情報は、例えば、任意の無人搬送車の目的地や、目的地に行き着くための動作内容、動作切替条件などを含んでいる。
【0055】
次に、図10を用いて無人搬送車の有する機能を説明する。図10は本実施形態に係る無人搬送車の機能構成図を示す図である。無人搬送車10は、無人搬送車外部の台車20や通信ネットワーク6000と通信を行う通信部210と、記録部220、後述する各種センサを備えた検出部230、台車と連結するための連結部11、車輪を駆動させる車輪駆動部280、入力部240、表示部250、車輪駆動部280などの動作を制御する制御部260、を備えている。
【0056】
記録部220は、通信部210が外部から受信した情報、検出部230が検出した検出情報、制御部が出力した制御情報を記録する機能を有する。
【0057】
検出部230は、物体位置検出部12、誘導ライン検出部232、走行距離検出部233、衝突検出部234、姿勢検出部235、充電量検出部236、通電状態検出部237を備えている。物体位置検出部12は、レーザー光を照射して物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測することで物体までの距離や方向を計測するレーザー距離センサ(LiDAR(Light detection and ranging)など)、ミリ波の送信信号と物体に反射して戻ってくる受信信号に基づいて物体までの距離を検出するミリ波レーダー、または、カメラで物体を撮影して撮影画像を解析することで物体までの距離を計測するカメラ式距離センサ、などで構成される。
【0058】
誘導ライン検出部16は、上述したように誘導方式のタイプに応じたセンサが用いられる。誘導方式として、電磁誘導方式を用いる場合はピックアップコイル、磁気誘導方式を用いる場合は磁気センサ、画像認識方式を用いる場合はカメラが誘導ライン検出部のセンサとして用いられる。誘導ライン検出部は、誘導ラインの直上に位置している場合に誘導ラインを検出して検出信号を出力する。また、カメラにより二次元コードやバーコードを使った誘導ラインを読み取る画像認識方式の場合には、誘導ラインの検出信号に加えて、検出したコードの情報に基づいて位置情報を生成し、更にコードの画像情報を行うことで誘導ラインと無人搬送車の相対角度情報を生成することができる。
【0059】
走行距離検出部233は、非駆動輪14または駆動輪13の回転数を検出し、当該回転数の検出情報と非駆動輪または駆動輪の直径(または円周長)の情報に基づいて無人搬送車の走行距離を計測する。代替手段として、ミリ波を床面に照射して反射波を検出するミリ波センサを用いて、無人搬送車の走行速度を検出し、当該走行速度を積分することで走行距離を推定する手段を適用することも可能である。
【0060】
衝突検出部234は、無人搬送車が障害物や人に衝突したことを検出する機能を有する。具体的には、上記の接触センサ23で構成される。また、さらに、ジャイロセンサなどにより加速度を検出して、加速度の急変を検出した場合に衝突が発生したと判断するようにしてもよい。また、他のバンパーや物理スイッチを設け、当該物理スイッチが押されたことにより衝突が発生したと判断する手段を適用することも可能である。衝突検出部234が衝突を検出した場合には、無人搬送車を停止させ、衝突発生情報と衝突発生位置の少なくともいずれかの情報を記録部に記録すると共に、当該情報を運行管理装置4000及び操縦機3000に情報を通知する。姿勢検出部235は、磁気コンパス又は左右駆動輪の回転数の情報又は車輪のステアリング情報に基づいて、自車の向き(姿勢)を検出する。
【0061】
充電量検出部236は、無人搬送車の電源であるバッテリの充電量を検出する。充電量検出部236で検出した充電量が所定値以下となった場合には、充電が必要と判断して、充電量減少の検知情報を記録部に記録すると共に、当該情報を運行管理装置4000及び操縦機3000に情報を通知する。更に、充電量が所定値以下であることを検出した場合に、上記処理に加えて充電スポットへ自動で移動して充電を行うようにしても良い。なお、充電量検出部236が要充電と判断するための前記所定値は、当該無人搬送車に設定された目的地までの距離と当該無人搬送車に連結された搬送物の重量の少なくともいずれかに基づいて予め設定された値であっても良い。
【0062】
通電状態検出部237は、無人搬送車の連結部11に設けられた一対の電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報を取得する。
【0063】
入力部240は、無人搬送車に搭載された物理スイッチ又はタッチパネル等で構成され、ユーザは動作指令等を直接無人搬送車に入力することができる。表示部250は、無人搬送車に搭載された液晶パネル等で構成され、無人搬送車の状態情報(検出部230での各種検出情報や現在実行中の動作シナリオなど)を表示する。
【0064】
制御部260は、動作判定部261と、モード切替部262と、連結制御部263と、表示制御部264と、停車位置判定部265と、走行制御部266と、自車位置推定部267を備えている。動作判定部261は、動作シナリオ管理部4020から取得した自無人搬送車の動作シナリオに基づいて無人搬送車の動作を判定する。動作判定部261(判定部)は、連結部の一対の電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報に基づいて、搬送対象物に対する無人搬送車10の連結状態を判定する。すなわち、正常に連結されているか否かを判定する。これにより、正常に連結されていれば搬送対象物を搬送可能と判断し、正常に連結されていなければ搬送不可能と判断する。つまり、動作判定部261は搬送の可否を判定することができる。また、動作判定部261は、衝突検出部234からの情報に基づいて障害物への接触を検知し、緊急停止する等の予め設定された動作を実行するか否かの判断を行うことができる。
【0065】
モード切替部262は、動作シナリオであらかじめ定められた条件、または入力部240で入力された指令に基づいて、無人搬送車の走行モードを誘導走行モードと自律走行モードの間でモードの切り替えを行う。連結制御部263は、動作シナリオであらかじめ定められた条件、または入力部240で入力された指令に基づいて、連結部11の動作を制御して、台車等の搬送物との連結/非連結を制御する。表示制御部264は、前述した入力部240と表示部250を制御する。
【0066】
停車位置判定部265は、停車位置判定を行う位置と予め設定された位置に自機が到着した場合に、物体位置検出部12により検出された物体の位置情報に基づいて、自機の停車位置を判定する処理を実行する
【0067】
走行制御部266は、動作判定部261、モード切替部262、停車位置判定部265による判定情報の少なくともいずれかに基づいて、無人搬送車の走行を制御する。具体的には、車輪駆動部280の有する右輪駆動部281、左輪駆動部282をそれぞれ個別に制御する。右輪駆動部281と左輪駆動部282は例えばモーターで構成され、各駆動輪の回転速度や回転方向を個別に制御することで、無人搬送車を任意の軌跡半径でカーブさせて走行させたり、無人搬送車を回転させて向きを変えたりすることが可能となる。自車位置推定部267は、走行距離検出部233で検出した走行距離と、姿勢検出部235で検出した自車の向きの情報と、記録部220に記録されているエリア全体のマップ情報に基づいて、走行エリア全体における自車の位置を推定する。または、物体位置検出部12で計測した物体までの距離や方向の情報と、記録部220に記録されているエリア全体のマップ情報に基づいて走行エリア全体における自車の位置を推定することも可能である。あるいは、二次元コードで構成された誘導ライン上を走行している場合には、二次元コードの識別情報と上記マップ情報とに基づいて走行エリア全体における自車の位置を推定することも可能である。
【0068】
次に、図14を用いて無人搬送車10が台車20を連結させて搬送する際の制御フローを説明する。まず、無人搬送車10を走行させて、台車20の下部空間Sまで移動させる(S1)。次に、台車20の被連結部21に向けて連結部11を上昇させる(S2)。次に、電気センサの情報に基づいて、連結部11が被連結部21に正常に連結されているかを判定する(S3)。正常に連結されていない場合(S3でNoと判定した場合)、連結部11を一度後退させて、無人搬送車10の位置を調整する(S4)。正常に連結されている場合(S3でYesと判定した場合)、無人搬送車10を走行させて、台車20を搬送する(S5)。
【0069】
このように、搬送対象物に対する無人搬送車の連結状態を確認することで、牽引可否の判定を容易に行うことができるとともに、搬送作業の安全性を高めることが可能となる。
【0070】
また、台車20から無人搬送車10を切り離す際にも、通電状態を確認することで、被連結部21に対する連結部11の連結が適切に解除されているか否かを確認することができる。
【0071】
上述の通り、本実施形態の搬送システムは、搬送対象物(台車20)と、搬送対象物を搬送する無人搬送車10と、を備える搬送システム1であって、無人搬送車10は、搬送対象物に設けられた被連結部21に対して着脱可能に結合する連結部11と、連結部11が被連結部21に結合することで通電する一対の電極部16a、16bと、一対の電極部16a、16bを含む電気回路の通電状態に関する情報を取得可能な通電状態検出部と、通電状態に関する情報に基づいて、搬送対象物に対する無人搬送車の連結状態を判定する判定部と、を有する。このような構成により、無人搬送車の連結部と、搬送対象物の被連結部とが結合していることを通電状態で確認することにより、搬送対象物に無人搬送車が適切に連結しているかを確認することができる。その結果、牽引可否の判定を容易に行うことができるとともに、搬送作業の安全性を高めることが可能となる。
【0072】
また、本実施形態の搬送対象物(台車20)は、障害物への接触によって通電状態が変化する接触センサ23を有し、接触センサ23は、連結部11が被連結部21に結合することで一対の電極部16a、16bに電気接続されるよう構成されており、判定部は、連結部11が被連結部21に結合した状態における通電状態に関する情報に基づいて、障害物への接触を検知可能である。このような構成により、牽引可否の判定と、障害物への接触判定とを、簡易な構成で両立させることができる。
【0073】
上述の通り、連結部11及び被連結部21の形状は上記例に限定されず、適宜変更可能である。例えば、台車20の柱25(図12参照)を被連結部とし、柱25に係合する(引っ掛ける)フック状、ロープ状の係合部を連結部としてもよい。この場合、1本の柱(被連結部)に1以上の連結部が係合するようにしてもよいし、複数の柱にそれぞれ連結部が係合するようにしてもよい。また、この場合、柱25の少なくとも一部が通電可能な素材であり、連結部に設けられた一対の電極部が通電するように構成される。フック状、ロープ状の係合部は、1つであってもよいし、2以上であってもよく、一対の電極部は1つの係合部に設けられていてもよいし、別々の係合部に分けて一方と他方の電極部が設けられていてもよい。
【0074】
また、台車20の平坦な底面を被連結部とし、当該底面を下方から支持して上方に持ち上げる支持部を連結部としてもよい。これは、例えば台車20の下に無人搬送車10が潜り込んで、当該台車20の一部(前側、後側、左右一方側など)または全体を無人搬送車10の支持部が持ち上げて牽引する場合に有効である。この場合も、台車20の平坦な底面の少なくとも一部が通電可能な素材であり、通電可能な部分に接触する連結部に設けられた一対の電極部が通電するように構成される。支持部は、上昇及び下降するアクチュエータを備えたロッド状の構成とすることができる。
【0075】
上述の通り、本実施形態の搬送システムは、各種情報をユーザに通知する機能を有していてもよい。例えば、台車と無人搬送車の連結状態に関する情報、障害物への接触(衝突)に関する情報を、無人搬送車10(もしくは台車)から運行管理装置4000及び操縦機3000の少なくとも一方に通知するようにしてもよい。具体的に、無人搬送車が台車に対して適切に連結されていないと検出した場合に、運行管理装置4000及び操縦機3000の少なくとも一方に通知することで、ユーザが連結状態を確認したり、手動で連結し直したりすることができ、安全性を高めることができる。なお、無人搬送車が台車に対して適切に連結されていると検出した場合にその旨を通知するようにしてもよい。このような連結状態に関する通知は、搬送開始前でも搬送中であってもよい。搬送開始前である場合には、安全に搬送開始できるかを確認することができ、搬送中の通知では、搬送中に台車と無人搬送車の連結が外れたことをユーザに知らせることができる。また、障害物への接触を検出した場合に、運行管理装置4000及び操縦機3000の少なくとも一方に通知することで、操縦器3000から無人搬送車10の緊急停止を指示したり、無人搬送車10、台車20、荷物等への影響(破損、位置ずれ等)を確認したりすることができる。また、障害物への衝突を検出した場合に、衝突情報と連結状態の情報を共に通知することで、衝突によって台車と無人搬送車の連結が外れていないかを確認することも可能となる。
【0076】
また、無人搬送車は、台車と無人搬送車の連結状態が所定の条件を満たした場合に、予め設定された動作を実行するようにしてもよい。所定の条件は、例えば台車の搬送中に連結が解除された(連結が外れた)こと、搬送開始時もしくは搬送開始前の所定時点において連結状態が正常でないと判定した場合等とすることができる。また、予め設定された動作とは、緊急停止、走行中止、連結部(ロッド部材等)の上昇、下降、等とすることができる。これによれば、例えば、台車と無人搬送車の連結が走行中に外れた場合に緊急停止したり、搬送開始時に連結が不十分である(正常でない)場合に、連結部を上昇させて連結させたり、連結部を下降させて一度確認したりすることができる。また、無人搬送車は、障害物への接触(衝突)に関して、所定の条件を満たした場合に、予め設定された動作を実行するようにしてもよい。例えば、台車の搬送中に障害物への接触を検出した場合に、緊急停止したり、所定距離だけ後退してから停止もしくは回転したりすることができる。上記の条件及び当該条件に応じた動作に関する情報は、無人搬送車の記憶部(記録部220等)に記憶されており、無人搬送車の制御部が記憶部の情報を参照して各種対応動作を実行するようにしてもよい。あるいは、下記のように運行管理装置4000及び操縦機3000から自動的に送信される信号を受信して、当該信号に基づいて動作を実行するようにしてもよい。
【0077】
また、無人搬送車からの通知を受信した運行管理装置4000及び操縦機3000の少なくとも何れかにおいて、予め設定された対応動作を自動的に実行するようにしてもよい。例えば、搬送中の台車と無人搬送車の連結解除の通知、または、障害物への台車もしくは無人搬送車の衝突を示す通知を受信した場合に、運行管理装置4000及び操縦機3000の少なくとも何れかが無人搬送車に対して緊急停止を指示する信号を送信するようにしてもよい。この場合、運行管理装置4000及び操縦機3000の記憶部には、受信する通知内容(連結解除、障害物への接触等)と、各通知内容にそれぞれ対応する動作内容(緊急停止指示等)が関連付けて記憶されており、制御部が当該記憶部を参照して、対応動作を実行する。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0079】
本明細書において説明した装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ)等により実現されてもよい。例えば、無人搬送車の制御部260および記録部220は、互いにネットワークで接続された異なるサーバにより実現されてもよい。また、本明細書において説明した搬送システムでは、操縦機3000、運行管理装置4000、入出力装置5000がそれぞれネットワークを介して接続された別個のハードウェアで構成される例を説明したが、操縦機3000、運行管理装置4000、入出力装置5000の機能の一部又は全部が無人搬送車10に実装されていても良い。
【0080】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係る制御部260の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0081】
また、本明細書においてフローチャート図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0082】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0083】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
搬送対象物と、前記搬送対象物を搬送する無人搬送車と、を備える搬送システムであって、
前記無人搬送車は、
前記搬送対象物に設けられた被連結部に対して着脱可能に結合する連結部と、
前記連結部が前記被連結部に結合することで通電する一対の電極部と、
前記一対の電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報を取得可能な通電状態検出部と、
前記通電状態に関する情報に基づいて、前記搬送対象物に対する前記無人搬送車の連結状態を判定する判定部と、を有することを特徴とする、搬送システム。
(項目2)
前記搬送対象物は、障害物への接触によって通電状態が変化する接触センサを有し、
前記接触センサは、前記連結部が前記被連結部に結合することで前記一対の電極部に電気接続されるよう構成されており、
前記判定部は、前記連結部が前記被連結部に結合した状態における前記通電状態に関する情報に基づいて、障害物への接触を検知可能である、項目1に記載の搬送システム。
(項目3)
前記連結部は、凹状の前記被連結部に向けて軸方向に進退動作する少なくとも1本のロッド部材を有し、
1本の前記ロッド部材に前記一対の電極が設けられている、項目1または2に記載の搬送システム。
(項目4)
前記連結部は、凹状の前記被連結部に向けて軸方向に進退動作する少なくとも2本のロッド部材を有し、
2本の前記ロッド部材に、前記一対の電極を構成する一方の電極と他方の電極とがそれぞれ設けられている、項目1または2に記載の搬送システム。
(項目5)
前記連結部は、前記無人搬送車の上面に位置し、
前記被連結部は、前記搬送対象物の下面に位置する、項目1~4の何れかに記載の搬送システム。
(項目6)
前記被連結部は、
前記無人搬送車が前記搬送対象物に対して第1姿勢で連結する際に前記連結部が結合する第1被連結部と、
前記無人搬送車が前記搬送対象物に対して前記第1姿勢とは別の第2姿勢で連結する際に前記連結部が結合する第2被連結部と、を含む、項目1~5の何れかに記載の搬送システム。
(項目7)
前記無人搬送車は、
前記搬送対象物に連結した状態から前記無人搬送車の姿勢を変更する際に、被連結部に連結部が結合した状態のままで前記無人搬送車を回転させることで、回転軸として機能する連結部を備える、項目1~6の何れかに記載の搬送システム。
(項目8)
前記判定部による前記連結状態の判定結果に基づいて、前記無人搬送車と通信可能な情報処理装置に対して前記連結状態に関する通知を行う、項目1~7の何れかに記載の搬送システム。
(項目9)
前記判定部が障害物への接触を検知した場合に、前記無人搬送車と通信可能な情報処理装置に対して前記障害物への接触に関する通知を行う、項目2に記載の搬送システム。
(項目10)
前記判定部が障害物への接触を検知した場合に、前記無人搬送車と通信可能な情報処理装置に対して前記障害物への接触に関する情報及び前記連結状態に関する情報を共に含む通知を行う、項目2に記載の搬送システム。
(項目11)
前記判定部による前記連結状態の判定結果に基づいて、前記無人搬送車が予め設定された動作を実行する、項目1~7の何れかに記載の搬送システム。
(項目12)
前記判定部が障害物への接触を検知した場合に、前記無人搬送車が予め設定された動作を実行する、項目2に記載の搬送システム。
(項目13)
搬送対象物を搬送する無人搬送車であって、
前記搬送対象物に設けられた被連結部に対して着脱可能に結合する連結部と、
前記連結部が前記被連結部に結合することで通電する一対の電極部と、
前記一対の電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報を取得可能な通電状態検出部と、
前記通電状態に関する情報に基づいて、前記搬送対象物に対する前記無人搬送車の連結状態を判定する判定部と、を有することを特徴とする、無人搬送車。
【符号の説明】
【0084】
1 搬送システム
10 無人搬送車
11 連結部
20 台車(搬送対象物)
21 被連結部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物と、前記搬送対象物を搬送する無人搬送車と、を備える搬送システムであって、
前記無人搬送車は、
前記搬送対象物に設けられた被連結部に対して着脱可能に結合する連結部と、
前記連結部が前記被連結部に結合することで通電する一対の電極部と、
前記一対の電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報を取得可能な通電状態検出部と、を有し、
前記搬送対象物は、障害物への接触によって通電状態が変化する接触センサを有し、
前記接触センサは、前記連結部が前記被連結部に結合することで前記一対の電極部に電気接続されるよう構成されており、
前記無人搬送車は、前記連結部が前記被連結部に結合した状態における前記通電状態に関する情報に基づいて、障害物への接触を検知可能な判定部を有することを特徴とする、搬送システム。
【請求項2】
前記連結部は、凹状の前記被連結部に向けて軸方向に進退動作する少なくとも1本のロッド部材を有し、
1本の前記ロッド部材に前記一対の電極が設けられている、請求項1記載の搬送システム。
【請求項3】
前記連結部は、凹状の前記被連結部に向けて軸方向に進退動作する少なくとも2本のロッド部材を有し、
2本の前記ロッド部材に、前記一対の電極を構成する一方の電極と他方の電極とがそれぞれ設けられている、請求項1又は2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記連結部は、前記無人搬送車の上面に位置し、
前記被連結部は、前記搬送対象物の下面に位置する、請求項1~の何れかに記載の搬送システム。
【請求項5】
前記被連結部は、
前記無人搬送車が前記搬送対象物に対して第1姿勢で連結する際に前記連結部が結合する第1被連結部と、
前記無人搬送車が前記搬送対象物に対して前記第1姿勢とは別の第2姿勢で連結する際に前記連結部が結合する第2被連結部と、を含む、請求項1~の何れかに記載の搬送システム。
【請求項6】
前記無人搬送車は、
前記搬送対象物に連結した状態から前記無人搬送車の姿勢を変更する際に、被連結部に連結部が結合した状態のままで前記無人搬送車を回転させることで、回転軸として機能する連結部を備える、請求項1~の何れかに記載の搬送システム。
【請求項7】
前記判定部が障害物への接触を検知した場合に、前記無人搬送車と通信可能な情報処理装置に対して前記障害物への接触に関する通知を行う、請求項に記載の搬送システム。
【請求項8】
前記判定部が障害物への接触を検知した場合に、前記無人搬送車が予め設定された動作を実行する、請求項に記載の搬送システム。
【請求項9】
搬送対象物を搬送する無人搬送車であって、
前記搬送対象物に設けられた被連結部に対して着脱可能に結合する連結部と、
前記連結部が前記被連結部に結合することで通電する一対の電極部と、
前記一対の電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報を取得可能な通電状態検出部と、を有し、
前記搬送対象物は、障害物への接触によって通電状態が変化する接触センサを有し、
前記接触センサは、前記連結部が前記被連結部に結合することで前記一対の電極部に電気接続されるよう構成されており、
前記無人搬送車は、前記連結部が前記被連結部に結合した状態における前記通電状態に関する情報に基づいて、障害物への接触を検知可能な判定部を有することを特徴とする、無人搬送車。