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特開2023-126716通信及び無線電力伝送を行うシステム、基地局、端末装置、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126716
(43)【公開日】2023-09-08
(54)【発明の名称】通信及び無線電力伝送を行うシステム、基地局、端末装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/20 20160101AFI20230901BHJP
   H04W 24/04 20090101ALI20230901BHJP
   H04W 72/23 20230101ALI20230901BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20230901BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230901BHJP
   H04W 4/70 20180101ALN20230901BHJP
【FI】
H02J50/20
H04W24/04
H04W72/23
H02J50/80
H02J7/00 301D
H04W4/70
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112957
(22)【出願日】2023-07-10
(62)【分割の表示】P 2021166123の分割
【原出願日】2021-10-08
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、国立研究開発法人情報通信研究機構「革新的情報通信技術研究開発委託研究/完全ワイヤレス社会実現を目指したワイヤレス電力伝送の高周波化および通信との融合技術」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(74)【代理人】
【識別番号】100128691
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 弘通
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 直輝
(72)【発明者】
【氏名】中本 悠太
(72)【発明者】
【氏名】平川 昂
(72)【発明者】
【氏名】太田 喜元
(57)【要約】
【課題】複数の無線リソースを選択的に用いて互いに通信を行う基地局及び端末装置を備えるシステムであって、基地局と端末装置との間の通信未使用の無線リソースを利用して端末装置への給電を行うことができるシステムを提供する。
【解決手段】基地局は、複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成して端末装置に送信する。端末装置は、基地局から送信された前記ダミー信号を含む送信信号を受信し、受信信号の電力を受電電力として出力する。受電電力を用いて電池を充電してもよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線リソースを選択的に用いて互いに通信可能な基地局及び端末装置を備えるシステムであって、
前記基地局は、
前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成する通信信号処理部と、
前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を前記端末装置に送信する無線処理部と、を有し、
前記端末装置は、
前記基地局から送信された前記ダミー信号を含む送信信号を受信する無線処理部と、
前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力する電力出力部と、を有する、システム。
【請求項2】
請求項1のシステムにおいて、
前記端末装置は、前記受電電力を用いて充電される電池を有する、システム。
【請求項3】
請求項1又は2のシステムにおいて、
前記端末装置は、
通信用アンテナを介して前記基地局と無線通信を行う第1無線処理部と、
受電用アンテナを介して前記基地局からの前記ダミー信号を含む送信信号を受信する第2無線処理部と、
を有する、システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかのシステムにおいて、
前記複数の無線リソースは、周波数軸上のサブキャリアと時間軸上のスロットとにより定義される複数のリソースブロックを含む、システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかのシステムにおいて、
前記無線電力伝送用のダミー信号は、デジタル変調方式の複数のシンボル点のうち振幅が最大のシンボル点で変調された信号である、システム。
【請求項6】
請求項5のシステムにおいて、
前記基地局からの送信信号の一次変調方式はQAM(直交振幅変調)方式であり二次変調方式はOFDM(直交周波数分割多重)方式であり、
前記無線電力伝送用のダミー信号は、前記QAM(直交振幅変調)方式の複数のシンボル点のうち振幅が最大のシンボル点で変調された信号である、システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかのシステムにおいて、
前記端末装置は、当該端末装置への電力伝送の制御に用いられる電力制御情報を前記基地局に送信し、
前記基地局は、前記端末装置から受信した前記電力制御情報に基づいて、前記ダミー信号を含む送信信号を生成して送信する、システム。
【請求項8】
請求項7のシステムにおいて、
前記電力制御情報は、前記端末装置への電力伝送を要求する要求情報、前記端末装置を識別可能な識別情報、前記端末装置の位置情報、前記端末装置に備える電池の残量情報及び前記端末装置への電力伝送を承認する承認情報の少なくとも1つの情報を含む、システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかのシステムにおいて、
前記基地局は、
複数の端末装置のそれぞれについて、前記通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成し、
前記端末装置ごとに異なる複数のビームを用いて前記ダミー信号を含む送信信号を送信する、システム。
【請求項10】
複数の無線リソースを選択的に用いて端末装置と通信を行う基地局であって、
前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成する通信信号処理部と、
前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を前記端末装置に送信する無線処理部と、
を備える、基地局。
【請求項11】
複数の無線リソースを選択的に用いて基地局と通信を行う端末装置であって、
前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いて前記基地局から送信された無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を受信する無線処理部と、
前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力する電力出力部と、
を備える、端末装置。
【請求項12】
基地局及び端末装置が複数の無線リソースを選択的に用いて互いに通信を行う方法であって、
前記基地局が、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成することと、
前記基地局が、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を前記端末装置に送信することと、
前記端末装置が、前記基地局から送信された前記ダミー信号を含む送信信号を受信することと、
前記端末装置が、前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力することと、
を含む、方法。
【請求項13】
複数の無線リソースを選択的に用いて端末装置と通信を行う基地局に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成するためのプログラムコードと、
前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を前記端末装置に送信するためのプログラムコードと、
を含む、プログラム。
【請求項14】
複数の無線リソースを選択的に用いて基地局と通信を行う端末装置に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いて前記基地局から送信された無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を受信するためのプログラムコードと、
前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力するためのプログラムコードと、
を含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の無線リソースを選択的に用いて通信及び無線電力伝送を行うシステム、方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、無線フレームに設定された複数の無線リソースの少なくとも一部を用いて基地局と端末装置との間で通信を行う通信システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/164220号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の通信システムにおいて基地局に接続して通信する端末装置として、内蔵電池から供給される電力を主に利用する携帯型の端末装置がある。この端末装置では、内蔵電池の残量が少なくなったときに内蔵電池を充電する煩雑な作業が必要である。また、内蔵電池ではなく有線接続の電源ラインから供給される電力を利用する端末装置は、そのような電源ラインを利用可能な場所での使用に制限される。このように基地局に接続して通信を行う様々な端末装置への給電をまかなうことができるような給電インフラが未整備である。
【0005】
第5世代及びその後の次世代の移動通信システムでは、基地局に接続して通信する端末装置(例えば、ユーザ装置、IoTデバイス等)が急増してくるのが予想され、膨大なトラフィックを捌く通信インフラの整備が進められている。しかしながら、上記通信を行う膨大な数の端末装置への給電をまかなうことができる給電インフラは未整備のままである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るシステムは、複数の無線リソースを選択的に用いて互いに通信可能な基地局及び端末装置を備えるシステムである。このシステムの基地局は、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成する通信信号処理部と、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を前記端末装置に送信する無線処理部と、を有する。前記システムの端末装置は、前記基地局から送信された前記ダミー信号を含む送信信号を受信する無線処理部と、前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力する電力出力部と、を有する。
【0007】
本発明の他の態様に係る基地局は、複数の無線リソースを選択的に用いて端末装置と通信可能な基地局である。この基地局は、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成する通信信号処理部と、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を前記端末装置に送信する無線処理部と、を備える。
【0008】
本発明の他の態様に係る端末装置は、複数の無線リソースを選択的に用いて基地局と通信可能な端末装置である。この端末装置は、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いて前記基地局から送信された無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を受信する無線処理部と、前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力する電力出力部と、を備える、
【0009】
本発明の更に他の態様に係る方法は、基地局及び端末装置が複数の無線リソースを選択的に用いて互いに通信を行う方法である。この方法は、前記基地局が、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成することと、前記基地局が、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を前記端末装置に送信することと、前記端末装置が、前記基地局から送信された前記ダミー信号を含む送信信号を受信することと、前記端末装置が、前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力することと、を含む。
【0010】
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、複数の無線リソースを選択的に用いて端末装置と通信可能な基地局に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムである。このプログラムは、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成するためのプログラムコードと、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を前記端末装置に送信するためのプログラムコードと、を含む。
【0011】
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、複数の無線リソースを選択的に用いて基地局と通信可能な端末装置に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムである。このプログラムは、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いて前記基地局から送信された無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を受信するためのプログラムコードと、前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力するためのプログラムコードと、を含む。
【0012】
前記システム、前記基地局、前記端末装置、前記方法及び前記プログラムにおいて、前記端末装置は、前記ダミー信号の受信電力を用いて充電される電池を有してもよい。
【0013】
前記システム、前記基地局、前記端末装置、前記方法及び前記プログラムにおいて、前記端末装置は、通信用アンテナを介して前記基地局と無線通信を行い、受電用アンテナを介して前記基地局からの前記ダミー信号を含む送信信号を受信してもよい。
【0014】
前記システム、前記基地局、前記端末装置、前記方法及び前記プログラムにおいて、前記複数の無線リソースは、周波数軸上のサブキャリアと時間軸上のスロットとにより定義される複数のリソースブロックを含んでもよい。
【0015】
前記システム、前記基地局、前記端末装置、前記方法及び前記プログラムにおいて、前記無線電力伝送用のダミー信号は、デジタル変調方式の複数のシンボル点のうち振幅が最大のシンボル点で変調された信号であってもよい。ここで、前記基地局からの送信信号の一次変調方式はQAM(直交振幅変調)方式であり二次変調方式はOFDM(直交周波数多重変調)方式であり、前記無線電力伝送用のダミー信号は、前記QAM方式の複数のシンボル点のうち振幅が最大のシンボル点で変調された信号であってもよい。
【0016】
前記システム、前記基地局、前記端末装置、前記方法及び前記プログラムにおいて、前記端末装置は、当該端末装置への電力伝送の制御に用いられる電力制御情報を前記基地局に送信し、前記基地局は、前記端末装置から受信した前記電力制御情報に基づいて、前記ダミー信号を含む送信信号を生成して送信してもよい。
ここで、前記電力制御情報は、前記端末装置への電力伝送を要求する要求情報、前記端末装置を識別可能な識別情報、前記端末装置の位置情報、前記端末装置に備える電池の残量情報及び前記端末装置への電力伝送を承認する承認情報の少なくとも1つの情報を含んでもよい。
【0017】
前記システム、前記基地局、前記端末装置、前記方法及び前記プログラムにおいて、複数の端末装置のそれぞれについて、前記通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成し、前記端末装置ごとに異なるビームを用いて前記ダミー信号を含む送信信号を送信してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、基地局と端末装置との間の通信未使用の無線リソースを利用して端末装置への給電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係るシステムの概略構成の一例を示す説明図。
図2】実施形態に係るシステムを構成する基地局及び端末装置(UE)の主要構成の一例を示すブロック図。
図3】(a)は、実施形態に係る基地局から送信されるWPT用ダミー信号を含む送信信号の無線リソース(リソースブロック)におけるWPTブロックの割り当ての一例を示す説明図である。(b)は、実施形態に係る基地局から送信される送信信号のOFDM方式の二次変調における周波数軸上のスペクトルの一例を示す説明図である。
図4】実施形態に係る基地局から送信される送信信号のQAM方式の一次変調におけるシンボル点の配置の一例を示す説明図。
図5】実施形態に係る基地局及び端末装置(UE)の主要構成の他の例を示すブロック図。
図6】実施形態に係る基地局及び端末装置(UE)の主要構成の更に他の例を示すブロック図。
図7】実施形態に係る基地局から複数の端末装置(UE)へのビームフォーミングによる端末装置(UE)毎の給電の一例を示す説明図。
図8図7のビームフォーミングによる端末装置(UE)毎の給電を行うときのWPTブロックの割り当ての一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
本書に記載された実施形態に係るシステムは、移動通信の基地局から端末装置(例えば通信機能を有するIoTデバイス)へのダウンリンクの無線フレームに設定された複数の無線リソース(リソースブロック)のうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソース(リソースブロック)を端末装置への無線電力伝送(WPT)に有効活用したシステムである。実施形態のシステムは、基地局から端末装置への無線電力伝送(WPT)機能を有する、基地局と端末装置との間の無線通信システムであってもよい。また、実施形態のシステムは、基地局と端末装置との間の無線通信機能を有する、基地局から端末装置への無線電力伝送(WPT)システムであってもよい。
【0021】
図1は、本実施形態に係るシステムの概略構成の一例を示す説明図である。本実施形態のシステムは、通信エリア(セル)10Aを形成するセルラー方式の基地局10と、通信エリア10Aに在圏しているときに基地局10に接続して基地局10と無線通信可能な端末装置(以下「UE」(ユーザ装置)ともいう。)20と、を有する。
【0022】
UE20は、移動通信システムの移動局でもよいし、通信装置(例えば移動通信モジュール)と各種デバイスとを組み合わせたものであってもよい。
【0023】
図1において、基地局10は、多数のアンテナ素子を有する複数のアレーアンテナ110を備え、複数のUE20との間でmassive MIMO(以下「mMIMO」ともいう。)伝送方式の通信を行うことができる。mMIMOは、アレーアンテナ110を用いてデータ送受信を行うことにより大容量・高速通信を実現する無線伝送技術である。また、複数のUE20のそれぞれに対して時分割で又は同時にビーム10Bを形成するビームフォーミングを行うMU(Multi User)-MIMO伝送方式で通信を行うことができる。多素子のアレーアンテナを用いてMU-MIMO伝送を行うことにより、各UE20の通信環境に応じてUE20ごとに適切なビームを向けて通信できるため、セル全体の通信品質を改善できる。また、同一の無線リソース(時間・周波数リソース)を用いて複数のUE20との通信ができるため、システム容量を拡大することができる。
【0024】
また、図1において、通信エリア10A内の一部は、基地局10から端末装置20に向けて無線電力伝送を行う無線電力伝送エリア(以下「WPTエリア」という。)10A'になっている。WPTエリア10A'は図示のように通信エリア10Aよりも狭いエリアでもよいし、通信エリア10Aと同じ又はほぼ同じサイズ及び位置のエリアであってもよい。
【0025】
WPTエリア10A'では、基地局10からの下りリンクの無線フレームを構成する複数の無線リソース(時間・周波数リソース)であるリソースブロックのうち通信に用いられていない通信未使用の無線リソース(リソースブロック)を無線電力伝送ブロックとして活用している。基地局10は、UE20への下りリンクの無線フレームにおいて、通信未使用の無線リソースである無線電力伝送ブロック(WPTブロック)に無線電力伝送用のダミー信号(以下「WPT用ダミー信号」ともいう。)を割り当てた送信信号を生成してUE20に送信する。
【0026】
特に、第5世代又はそれ以降の世代の移動通信システムにおいては、無線フレームの一部のサブキャリアのみに必要最小限の参照信号(RS)や制御信号を配置するリーンキャリアという技術が提案されており、無線フレームにおける通信未使用の無線リソースの部分を有効活用してUE20への無線電力伝送を行うことが期待される。
【0027】
図2は、本実施形態に係るシステムを構成する基地局10及び端末装置20の主要構成の一例を示すブロック図である。基地局10は、基地局装置100とアンテナ110とを備える。アンテナ110は、例えば、図1に示すように多数のアンテナ素子を有するアレーアンテナである。アンテナ110は単数でもよいし複数であってもよい。例えば、アンテナ110は複数のセクタセルに対応させて複数配置してもよい。
【0028】
基地局装置100は、通信信号処理部120と無線処理部130とを備える。通信信号処理部120は、UE20との間で送受信される各種のユーザデータや制御情報等の信号を処理する。無線処理部130は、通信信号処理部120で生成した送信信号をアンテナ110からUE20に送信したり、UE20からアンテナ110を介して受信した受信信号を通信信号処理部120に出力したりする。
【0029】
特に、本実施形態において、通信信号処理部120は、UE20に対する下りリンクの通信の際に、複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いたWPT用ダミー信号を含む下りリンクの送信信号を生成する。WPT用ダミー信号を含む下りリンクの送信信号は、任意の変調方式で変調して生成することができる。例えば、WPT用ダミー信号は、デジタル変調方式の複数のシンボル点のうち振幅が最大のシンボル点で変調された信号であってもよい。また例えば、送信信号の生成は、QAM(直交振幅変調)等の一次変調及びOFDM(直交周波数多重変調)等の二次変調を含んでもよい。また、UE20に対する下りリンク通信の送信信号に、通信未使用の無線リソースを用いたWPT用ダミー信号を含める処理は、基地局10が自律的に行ってもよいし、UE20からの要求若しくは指示又は管理サーバからの要求若しくは指示に基づいて行ってもよい。
【0030】
また、本実施形態において、無線処理部130は、通信信号処理部120で生成されたWPT用ダミー信号を含む下りリンクの送信信号を、アンテナ110を介してUE20に送信する。
【0031】
基地局10は、UE20に対する下りリンクの通信の際に、UE20毎に又は複数のUE20が属するターゲットエリアのUEグループ毎に、個別のビーム10Bを形成するビームフォーミング(BF)制御を行い、UE20毎に又はUEグループ毎に無線電力伝送を行ってもよい。UE20毎又はUEグループ毎のBF制御は、通信信号処理部120における周波数領域のデジタルBF制御で行ってもよいし、無線処理部130におけるアナログBF制御で行ってもよい。
【0032】
図2において、UE20は、アンテナ210と無線処理部220と通信信号処理部230と電力出力部240と電池250とを含む。無線処理部220は、通信信号処理部230で生成した送信信号をアンテナ210から基地局10に送信したり、基地局10からアンテナ210を介して受信した受信信号を通信信号処理部230に出力したりする。
【0033】
特に、本実施形態において、無線処理部220は、基地局10から送信されたWPT用ダミー信号を含む送信信号を受信する。また、電力出力部240は、例えば整流器を有し、基地局10からのWPT用ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、電池充電用の受電電力として出力する。電力出力部240から出力された受電電力により、電池250を充電することができる。
【0034】
図3(a)は、本実施形態に係る基地局10から送信されるWPT用ダミー信号を含む送信信号の無線リソース(リソースブロック)におけるWPTブロックの割り当ての一例を示す説明図である。また、図3(b)は、本実施形態に係る基地局10から送信される送信信号のOFDM方式の二次変調における周波数軸上のスペクトルの一例を示す説明図である。図3(a)に示すように、本実施形態のシステムにおける下りリンク通信で用いられる複数の無線リソースは、周波数軸上のサブキャリアと時間軸上のスロットとにより定義される複数のリソースブロック30である。各リソースブロック30は、図3(b)に示すように周波数軸上で互いに直交する所定帯域幅のサブキャリア33を有する。この複数のリソースブロック30の一部分が、下りリンク通信の信号が割り当てられる通信用リソースブロック31として用いられ、図中のハッチングを付している残りの部分がWPTブロック32として用いられる。
【0035】
図4は、本実施形態に係る基地局10から送信される送信信号のQAM方式の一次変調におけるシンボル点40の配置の一例を示す説明図である。図4は、64QAM方式の場合の複数のシンボル点(64値のシンボル点)の配置を示すコンスタレーションの図であり、横軸は同相チャネル成分を示し,縦軸は直交チャネル成分を示している。本実施形態において、QAM方式の複数のシンボル点40の任意のシンボル点で変調されたWPT用ダミー信号を用いることができる。例えば、QAM方式の複数のシンボル点40のうち、振幅が最大である最外周のいずれかのシンボル点41で変調されたWPT用ダミー信号を用いてもよい。この場合は、UE20への伝送電力を最大化することができる。また、例えば伝送電力を最大化する必要のない場合は、最外周のシンボル点以外の任意のシンボル点で変調してもよい。例えば、後述のようにIoT機器などの端末装置(UE)20から受信した電力制御情報で指示された伝送電力に基づいて、WPT用ダミー信号の変調に用いるシンボル点を判断して選択してもよいし、端末装置(UE)20から受信した電力制御情報に含まれる電池残量情報に基づいて、WPT用ダミー信号の変調に用いるシンボル点を判断して選択してもよい。
【0036】
図1図4のシステムによれば、基地局10からUE20への下りリンク通信において、通信未使用の無線リソースを無線電力伝送ブロック(WPTブロック)として有効活用し、基地局10からUE20への無線電力伝送(WPT)を行うことができる。
【0037】
図5は、本実施形態に係る基地局10及び端末装置(UE)20の主要構成の他の例を示すブロック図である。図5の例は、UE20から基地局10にアップロードされる情報に基づいて無線電力伝送を制御することができるシステムの例である。なお、図5において、図2のシステムと共通する部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0038】
図5において、UE20は、上りリンクの通信により、基地局10からUE20への電力伝送の制御に用いられる電力制御情報を基地局10に送信し、基地局10は、UE20から受信した電力制御情報に基づいて、WPT用ダミー信号を含む送信信号を生成してUE20に送信する。
【0039】
基地局装置100は、UE20から受信した電力制御情報に基づいて、WPT用ダミー信号を含む送信信号を生成して送信するように、通信信号処理部120を制御する電力伝送制御部を備える。
【0040】
電力制御情報は、例えば、UE20への無線電力伝送を要求する要求情報(以下「WPT要求」ともいう。)及び端末情報の少なくとも一方を含む。端末情報は、例えば、UE20を識別可能な識別情報、UE20の位置情報、UE20に備える電池250の残量情報及びUE20への電力伝送を承認する承認情報の少なくとも1つの情報である。
【0041】
図5のシステムにおいて、例えば、基地局10は、UE20からの上りリンクの通信によりWPT要求及び端末情報を受信すると、WPT要求をトリガーにしてUE20への無線電力伝送の制御を開始する。
【0042】
ここで、例えば、端末情報が識別情報を含む場合は、基地局10の電力伝送制御部140は、識別情報に基づいて端末データベースを参照し、WPT要求を送信してきたUE20が無線電力伝送対象のUE又は許可されたUEであるか否かを判断し、その判断の肯定の場合のみWPT用ダミー信号を送信信号に含めるように制御することができる。
【0043】
また例えば、端末情報がUE20の位置情報を含む場合は、基地局10の電力伝送制御部140は、位置情報に基づいて、UE20が予め許可されたエリアに位置する場合のみWPT用ダミー信号を送信信号に含めるように制御することができる。
【0044】
また例えば、端末情報がUE20の電池250の残量情報を含む場合は、基地局10の電力伝送制御部140は、残量情報に基づいて、電池250の残量が少ない場合は送信信号に含めるWPT用ダミー信号の数を多くし、電池250の残量が多い場合は送信信号に含めるWPT用ダミー信号の数を少なくするように制御することができる。
【0045】
また例えば、端末情報がUE20の承認情報を含む場合は、基地局10の電力伝送制御部140は、承認情報に基づいて、当該UE20が予め承認されているUE20である場合のみWPT用ダミー信号を送信信号に含めるように制御することができる。
【0046】
図6は、本実施形態に係る基地局10及び端末装置(UE)20の主要構成の更に他の例を示すブロック図である。図6の例は、UE20が無線電力伝送用のアンテナ及び無線処理部を備え、電池250を有するIoTデバイス260を備えるシステムの例である。なお、図6において、図2及び図5のシステムと共通する部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0047】
図6において、UE20は、通信用アンテナ211を介して基地局10と無線通信を行う第1無線処理部221と、受電用アンテナ212を介して基地局10からのWPT用ダミー信号を含む送信信号を受信する第2無線処理部222と、を備える。通信信号処理部230は、データや制御情報などの通信の送信信号を生成して第1無線処理部221に出力したり、通信用アンテナ211及び第1無線処理部221を介して受信した受信信号を処理し、データや制御情報などをIoTデバイス260に出力したりする。
【0048】
第2無線処理部222は、基地局10から送信されたWPT用ダミー信号を含む送信信号を、受電用アンテナ212を介して受信し、電力出力部240に渡す。電力出力部240は、例えば整流器を有し、基地局10からのWPT用ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、電池充電用の受電電力として出力する。電力出力部240から出力された受電電力により、IoTデバイス260に内蔵されている電池250を充電することができる。
【0049】
図7は、本実施形態に係る基地局10から複数のUE20へのビームフォーミングによるUE毎の給電の一例を示す説明図である。図8は、図7のビームフォーミングによるUE毎の給電を行うときのWPTブロックの割り当ての一例を示す説明図である。図7及び図8は、通信エリア10A内のWPTエリア10A'(前述の図1参照)に複数のUE20(1)~20(3)が在圏し、UE毎に形成したビーム10B(1)~10B(3)を介して各UEUE20(1)~20(3)に給電する例を示している。
【0050】
図7において、基地局10の基地局装置100は、通信信号処理部120又は無線処理部130においてUE毎のビームフォーミング(BF)制御で行う。各UEに対するWPTブロックの割り当ては、例えば図8に示すように行うことができる。図8において、下りリンク通信で用いられる複数のリソースブロック30の一部分が、下りリンク通信の信号が割り当てられる通信用リソースブロック31として用いられる。そして、複数のリソースブロック30の残りの部分のうち、図中の第1のハッチングを付している4つのWPTブロック32(1)が第1のUE20(1)へのビーム10B(1)を介した給電に用いられ、第2のハッチングを付している2つのWPTブロック32(2)が第2のUE20(2)へのビーム10B(2)を介した給電に用いられる。また、図中のクロスハッチングを付している6つのWPTブロック32(3)が第3のUE20(3)へのビーム10B(3)を介した給電に用いられる。
【0051】
以上、本実施形態によれば、基地局10とUE(端末装置)20との間の通信未使用の無線リソースを利用してUE(端末装置)20への給電を行うことができる。
【0052】
なお、本明細書で説明された処理工程並びにシステムの構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
【0053】
ハードウェア実装については、実体(例えば、各種無線通信装置、基地局装置(Node B、Node G)、端末装置、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
【0054】
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、上記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
【0055】
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であればよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
【0056】
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
【符号の説明】
【0057】
10 :基地局
10A :通信エリア
10A' :WPTエリア
10B :ビーム
20 :端末装置
30 :リソースブロック
31 :通信用リソースブロック
32 :WPTブロック(無線電力伝送用ブロック)
32(1)~32(3) :WPTブロック(無線電力伝送用ブロック)
33 :サブキャリア
40 :シンボル点
41 :シンボル点
100 :基地局装置
110 :アンテナ、アレーアンテナ
120 :通信信号処理部
130 :無線処理部
140 :電力伝送制御部
210 :アンテナ
211 :通信用アンテナ
212 :受電用アンテナ
220 :無線処理部
221 :第1無線処理部
222 :第2無線処理部
230 :通信信号処理部
240 :電力出力部
250 :電池
260 :IoTデバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線リソースを選択的に用いて互いに通信可能な基地局及び端末装置を備えるシステムであって、
前記基地局は、
前記複数の無線リソースのうち通信用の無線リソースを用いた前記端末装置との間の通信の送信信号及び受信信号の処理と、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成する処理とに共用される、単一の通信信号処理部と、
前記通信の送信信号を前記端末装置に送信する通信の無線送信処理と、前記通信の受信信号を前記端末装置から受信する通信の無線受信処理と、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を前記端末装置に送信する無線電力伝送の無線送信処理とに共用される、単一の無線処理部と、を有し、
前記端末装置は、
前記基地局から送信された前記ダミー信号を含む送信信号を受信する無線処理部と、
前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力する電力出力部と、を有する、システム。
【請求項2】
複数の無線リソースを選択的に用いて互いに通信可能な基地局及び端末装置を備えるシステムであって、
前記基地局は、
前記端末装置への下りリンクの通信用の無線フレームにおける時間軸上の同一のスロットに割り当てられた複数の無線リソースのうち通信に使用される通信用の無線リソースを用いた通信の信号と通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号とを含む送信信号を生成する通信信号処理部と、
前記同一のスロットに前記通信の信号と前記無線電力伝送用のダミー信号とを含む送信信号を前記端末装置に送信する無線処理部と、を有し、
前記端末装置は、
前記基地局から送信された前記同一のスロットに前記通信の信号と前記ダミー信号とを含む送信信号を受信する無線処理部と、
前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力する電力出力部と、を有し、
前記同一のスロットにおいて、前記端末装置への下りリンクの通信用の無線フレームにおける前記通信未使用の無線リソースを用いて当該端末装置に無線給電するともに前記通信用の無線リソースを用いて当該端末装置との通信を行う、システム。
【請求項3】
複数の無線リソースを選択的に用いて互いに通信可能な基地局及び端末装置を備えるシステムであって、
前記基地局は、前記端末装置との無線通信と前記端末装置への無線給電とに用いられる同一の装置構成を有する、システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかのシステムにおいて、
前記複数の無線リソースは、周波数軸上のサブキャリアと時間軸上のスロットとにより定義される複数のリソースブロックを含む、システム。
【請求項5】
請求項1又は2のシステムにおいて、
前記無線電力伝送用のダミー信号は、デジタル変調方式の複数のシンボル点のうち振幅が最大のシンボル点で変調された信号である、システム。
【請求項6】
請求項5のシステムにおいて、
前記基地局からの送信信号の一次変調方式はQAM(直交振幅変調)方式であり二次変調方式はOFDM(直交周波数分割多重)方式であり、
前記無線電力伝送用のダミー信号は、前記QAM(直交振幅変調)方式の複数のシンボル点のうち振幅が最大のシンボル点で変調された信号である、システム。
【請求項7】
請求項1又は2のシステムにおいて、
前記端末装置は、当該端末装置への電力伝送の制御に用いられる電力制御情報を前記基地局に送信し、
前記基地局は、前記端末装置から受信した前記電力制御情報に基づいて、前記ダミー信号を含む送信信号を生成して送信する、システム。
【請求項8】
請求項7のシステムにおいて、
前記電力制御情報は、前記端末装置への電力伝送を要求する要求情報、前記端末装置を識別可能な識別情報、前記端末装置の位置情報、前記端末装置に備える電池の残量情報及び前記端末装置への電力伝送を承認する承認情報の少なくとも1つの情報を含む、システム。
【請求項9】
請求項1又は2のシステムにおいて、
前記基地局は、
複数の端末装置のそれぞれについて、前記通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成し、
前記端末装置ごとに異なる複数のビームを用いて前記ダミー信号を含む送信信号を送信する、システム。
【請求項10】
複数の無線リソースを選択的に用いて端末装置と通信を行う基地局であって、
前記複数の無線リソースのうち通信用の無線リソースを用いた前記端末装置との間の通信の送信信号及び受信信号の処理と、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成する処理とに共用される、単一の通信信号処理部と、
前記通信の送信信号を前記端末装置に送信する通信の無線送信処理と、前記通信の受信信号を前記端末装置から受信する通信の無線受信処理と、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を前記端末装置に送信する無線電力伝送の無線送信処理とに共用される、単一の無線処理部と、
を備える、基地局。
【請求項11】
複数の無線リソースを選択的に用いて端末装置と通信を行う基地局であって、
前記端末装置への下りリンクの通信用の無線フレームにおける時間軸上の同一のスロットに割り当てられた複数の無線リソースのうち通信に使用される通信用の無線リソースを用いた通信の信号と通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号とを含む送信信号を生成する通信信号処理部と、
前記同一のスロットに前記通信の信号と前記無線電力伝送用のダミー信号とを含む送信信号を前記端末装置に送信する無線処理部と、
を備える、基地局。
【請求項12】
請求項10又は11の基地局において、
前記複数の無線リソースは、周波数軸上のサブキャリアと時間軸上のスロットとにより定義される複数のリソースブロックを含む、基地局。
【請求項13】
請求項10又は11の基地局において、
前記無線電力伝送用のダミー信号は、デジタル変調方式の複数のシンボル点のうち振幅が最大のシンボル点で変調された信号である、基地局。
【請求項14】
請求項13の基地局において、
前記基地局からの送信信号の一次変調方式はQAM(直交振幅変調)方式であり二次変調方式はOFDM(直交周波数分割多重)方式であり、
前記無線電力伝送用のダミー信号は、前記QAM(直交振幅変調)方式の複数のシンボル点のうち振幅が最大のシンボル点で変調された信号である、基地局。
【請求項15】
請求項10又は11の基地局において、
前記端末装置への電力伝送の制御に用いられる電力制御情報を、前記端末装置から受信し、
前記端末装置から受信した前記電力制御情報に基づいて、前記ダミー信号を含む送信信号を生成して送信する、基地局。
【請求項16】
請求項15の基地局において、
前記電力制御情報は、前記端末装置への電力伝送を要求する要求情報、前記端末装置を識別可能な識別情報、前記端末装置の位置情報、前記端末装置に備える電池の残量情報及び前記端末装置への電力伝送を承認する承認情報の少なくとも1つの情報を含む、基地局。
【請求項17】
請求項10又は11の基地局において、
複数の端末装置のそれぞれについて、前記通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成し、
前記端末装置ごとに異なる複数のビームを用いて前記ダミー信号を含む送信信号を送信する、基地局。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
図7は、本実施形態に係る基地局10から複数のUE20へのビームフォーミングによるUE毎の給電の一例を示す説明図である。図8は、図7のビームフォーミングによるUE毎の給電を行うときのWPTブロックの割り当ての一例を示す説明図である。図7及び図8は、通信エリア10A内のWPTエリア10A'(前述の図1参照)に複数のUE20(1)~20(3)が在圏し、UE毎に形成したビーム10B(1)~10B(3)を介して各UE20(1)~20(3)に給電する例を示している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8