(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126747
(43)【公開日】2023-09-12
(54)【発明の名称】排泄物管理システム、排泄情報管理方法、プログラム、エッジサーバ及び便座装置
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20230905BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20230905BHJP
A47K 17/00 20060101ALI20230905BHJP
E03D 9/00 20060101ALI20230905BHJP
A47K 13/24 20060101ALI20230905BHJP
G06Q 50/22 20180101ALI20230905BHJP
G16Y 10/60 20200101ALI20230905BHJP
G16Y 20/40 20200101ALI20230905BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20230905BHJP
A61B 10/00 20060101ALI20230905BHJP
G01N 33/49 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
G16H10/00
A61B5/00 101A
A61B5/00 G
A47K17/00
E03D9/00 Z
A47K13/24
G06Q50/22
G16Y10/60
G16Y20/40
G16Y40/20
A61B10/00 310
G01N33/49 K
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086010
(22)【出願日】2023-05-25
(62)【分割の表示】P 2020141388の分割
【原出願日】2020-08-25
(31)【優先権主張番号】P 2020067715
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高木 健
(72)【発明者】
【氏名】木塚 里子
(72)【発明者】
【氏名】酒井 雄太
(72)【発明者】
【氏名】須山 博友
(72)【発明者】
【氏名】樋口 仁郎
(72)【発明者】
【氏名】松井 春奈
(72)【発明者】
【氏名】早田 哲弘
(72)【発明者】
【氏名】大井 亮
(57)【要約】
【課題】排泄物の画像データを解析するクラウドサーバへのデータ通信量を抑制すること。
【解決手段】実施形態に係る排泄物管理システムは、排泄物の情報を収集して管理する排泄物管理システムであって、排泄物を受けるボウル部が形成された大便器と、大便器の内部に向けて光を照射する発光部と、光を受光するイメージセンサを備えた受光部と、受光部が受光した受光データを解析するクラウドサーバ及びエッジサーバと、受光データをクラウドサーバに送信する第1通信装置と、受光データをエッジサーバに送信する第2通信装置と、を備え、クラウドサーバは、受光データを解析することで、排泄物の特徴を判定し、エッジサーバは、受光データを解析することで、第1通信装置によるクラウドサーバへの受光データの送信の可否を判定する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排泄物の情報を収集して管理する排泄物管理システムであって、
排泄物を受けるボウル部が形成された大便器と、
前記大便器の内部に向けて光を照射する発光部と、
光を受光するイメージセンサを備えた受光部と、
前記受光部が受光した受光データを解析するクラウドサーバ及びエッジサーバと、
前記受光データを前記クラウドサーバに送信する第1通信装置と、
前記受光データを前記エッジサーバに送信する第2通信装置と、を備え、
前記クラウドサーバは、前記受光データを解析することで、排泄物の特徴を判定し、
前記エッジサーバは、前記受光データを解析することで、前記第1通信装置による前記クラウドサーバへの前記受光データの送信の可否を判定することを特徴とする排泄物管理システム。
【請求項2】
前記第1通信装置は、広域情報通信網を利用して前記受光データを前記クラウドサーバに送信すると共に、前記第2通信装置は、構内情報通信網を利用して前記受光データを前記エッジサーバに送信する請求項1に記載の排泄物管理システム。
【請求項3】
前記第1通信装置は、前記クラウドサーバと前記エッジサーバ間のデータの送受信を行うように構成され、
前記第1通信装置を介して前記クラウドサーバから前記エッジサーバに送信されるデータ容量は、前記第1通信装置を介して前記エッジサーバから前記クラウドサーバに送信される前記受光データのデータ容量よりも少ない請求項2に記載の排泄物管理システム。
【請求項4】
前記クラウドサーバは、前記受光データを解析することで、排泄物の色、形及び量からなる3つの特徴量の内、少なくとも1つの特徴量を判定し、
前記エッジサーバは、前記受光データを解析することで、当該受光データに排泄物が含まれているか否かを判定する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の排泄物管理システム。
【請求項5】
さらに、前記大便器を使用する使用者情報を取得する使用者識別装置を備え、
前記第1通信装置は、前記使用者情報を前記クラウドサーバに送信しない請求項1乃至4のいずれか一項に記載の排泄物管理システム。
【請求項6】
前記クラウドサーバは、予め大便器を使用する使用者情報が記録され、
前記エッジサーバにおいて送信可と判定された前記受光データは、前記クラウドサーバにおいて予め記録された前記使用者情報と紐づけられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の排泄物管理システム。
【請求項7】
大便器が設けられたトイレルームで収集された排泄物に関する情報をクラウドサーバ上で管理する排泄情報管理方法であって、
発光部によって前記大便器の内部に向けて照射された光に対する排泄物からの反射光を受光部によって受光する検知工程と、
前記検知工程により検知された受光データに基づいて、通信装置による前記クラウドサーバへの前記受光データの送信の可否を判定する解析工程と、
を含むことを特徴とする排泄情報管理方法。
【請求項8】
大便器装置とクラウドサーバと通信可能なエッジサーバが実行するプログラムであって、
発光部によって大便器の内部に向けて照射された光に対する排泄物からの反射光を受光部によって受光することで検知した受光データを受け付ける受付手順と、
前記受光データに対する解析結果に基づいて、前記クラウドサーバに当該受光データを送信する通信装置を制御する装置に、前記受光データの送信の可否に対する判定結果を送信する送信手順と、
をエッジサーバに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
クラウドサーバと大便器装置と通信可能なエッジサーバであって、
前記クラウドサーバと通信可能に構成される第1通信装置と、
前記大便器装置と通信可能に構成される第2通信装置と、
前記第2通信装置を介して、前記大便器装置から送信される光学的に検知された排泄物に関する検知データを記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された前記検知データを解析する演算処理装置と、を備え、
前記演算処理装置は、前記検知データに基づいて、前記第1通信装置による前記クラウドサーバへの当該検知データの送信の可否を判定することを特徴とするエッジサーバ。
【請求項10】
大便器の上部に設置される便座装置であって、
前記大便器の内部に向けて光を照射する発光部と、
光を受光するイメージセンサを備えた受光部と、
前記受光部が受光した受光データを記憶するメモリと、
前記受光データをクラウドサーバに送信する通信装置と、
前記メモリに記憶された前記受光データを解析する演算処理装置と、を備え、
前記演算処理装置は、前記受光データに基づいて、前記クラウドサーバへの当該受光データの送信の可否を判定することを特徴とする便座装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、排泄物管理システム、排泄情報管理方法、プログラム、エッジサーバ及び便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、介護施設などでは入居者の健康状態を管理するために、介護スタッフが入居者の排便状況の記録を行っている。このような排便状況の記録にかかる負荷を軽減することが可能な装置として、トイレに排泄された排泄物を画像として撮影し、その画像を解析することによって人体の健康状態を推定する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載されたデータ検出装置は、排泄物の画像を撮影する画像撮影部と、撮影された画像から排泄物の色や形状を解析するデータ処理・解析部と、を備えており、データ処理・解析部が、排泄物の画像から解析された色や形状と、健康状態とを対応付けることにより、人体の健康状態を推定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
排泄物の画像から色や形状を解析するためには、豊富な計算資源やストレージを備えるクラウドサーバを用いることが好ましい。一方で、画像データは比較的データ量が多いため、画像撮影部により撮影された全ての画像データをクラウドサーバに送信すると、データ通信量が非常に多くなるという課題が生じた。
【0006】
開示の実施形態は、上述した課題を解決するものであり、排泄物の画像データを解析するクラウドサーバへのデータ通信量を抑制することが可能な排泄物管理システム、排泄情報管理方法、プログラム、エッジサーバ及び便座装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る排泄物管理システムは、排泄物の情報を収集して管理する排泄物管理システムであって、排泄物を受けるボウル部が形成された大便器と、大便器の内部に向けて光を照射する発光部と、光を受光するイメージセンサを備えた受光部と、受光部が受光した受光データを解析するクラウドサーバ及びエッジサーバと、受光データをクラウドサーバに送信する第1通信装置と、受光データをエッジサーバに送信する第2通信装置と、を備え、クラウドサーバは、受光データを解析することで、排泄物の特徴を判定し、エッジサーバは、受光データを解析することで、第1通信装置によるクラウドサーバへの受光データの送信の可否を判定することを特徴としている。
【0008】
実施形態の一態様に係る排泄物管理システムによれば、第1通信装置により受光部が受光した受光データがクラウドサーバに送信される前に、エッジサーバが受光データを解析することにより、その受光データが第1通信装置によりクラウドサーバに送信されるべきか否かを判定することができる。これにより、受光部が受光した全ての受光データがクラウドサーバに送信されることを防止できるため、クラウドサーバへのデータ通信量を抑制することが可能となる。
【0009】
実施形態の一態様に係る排泄物管理システムにおいて、第1通信装置は、広域情報通信網を利用して受光データをクラウドサーバに送信すると共に、第2通信装置は、構内情報通信網を利用して受光データをエッジサーバに送信する。
【0010】
実施形態の一態様に係る排泄物管理システムによれば、クラウドサーバへの通信は、広域情報通信網を利用している。そのため、豊富な計算資源やストレージを備えるが故にスペースを必要とするクラウドサーバの設置位置の自由度を確保することができる。また、実施形態の一態様に係る排泄物管理システムによれば、エッジサーバへの通信は構内情報通信網を利用している。そのため、受光部が受光したデータは、データの通信に通信使用料がかからない構内情報通信網を介してエッジサーバに送信することができる。これにより、受光データをエッジサーバに送信するためのデータ通信にかかる通信使用料を削減することができる。
【0011】
実施形態の一態様に係る排泄物管理システムにおいて、第1通信装置は、クラウドサーバとエッジサーバ間のデータの送受信を行うように構成され、第1通信装置を介して前記クラウドサーバからエッジサーバに送信されるデータ容量は、第1通信装置を介してエッジサーバからクラウドサーバに送信される受光データのデータ容量よりも少ない。
【0012】
クラウドサーバに送信されるデータは、クラウドサーバが排泄物の特徴を解析するために必要な情報を十分に備えるデータ容量の大きい受光データであるのに対して、クラウドサーバから送信されるデータは、排泄物の特徴に関する解析結果のみでよいため、データ容量の大きい受光データである必要がない。
これに対して、実施形態の一態様に係る排泄物管理システムによれば、第1通信装置がクラウドサーバとエッジサーバ間のデータの送受信を行うように構成されると共に、クラウドサーバとエッジサーバ間のデータの送受信において、エッジサーバからクラウドサーバに送信されるデータ容量よりも、クラウドサーバからエッジサーバに送信されるデータ容量が小さくなるように構成されている。これにより、クラウドサーバとエッジサーバ間のデータの送受信において、データ通信量を抑制することが可能となる。
【0013】
実施形態の一態様に係る排泄物管理システムにおいて、クラウドサーバは、受光データを解析することで、排泄物の色、形及び量からなる3つの特徴量の内、少なくとも1つの特徴量を判定し、エッジサーバは、受光データを解析することで、その受光データに排泄物が含まれているか否かを判定する。
【0014】
実施形態の一態様に係る排泄物管理システムによれば、クラウドサーバは、排泄物の色、形及び量からなる3つの特徴量の内、少なくとも1つの特徴量を判定すると共に、エッジサーバは、受光データに排泄物が含まれているか否かを判定する。これにより、エッジサーバによる受光データの解析をクラウドサーバによる受光データの解析よりも簡易なものとすることができ、クラウドサーバに比して計算資源の小さいエッジサーバを効率的に利用することができる。従って、クラウドサーバに受光データを送信する前に、エッジサーバでの判定を挟むことによる通信遅延を抑制することが可能となる。
【0015】
実施形態の一態様に係る排泄物管理システムにおいて、さらに、大便器を使用する使用者情報を取得する使用者識別装置を備え、第1通信装置は、使用者情報をクラウドサーバに送信しない。
【0016】
実施形態の一態様に係る排泄物管理システムによれば、使用者情報を取得する使用者識別装置を備えるため、クラウドサーバによって判定された排泄物の特徴と、その排泄物を排泄した使用者情報とを紐づけることが可能となる。また、第1通信装置がクラウドサーバに使用者情報を送信しないため、エッジサーバから送信される受光データから使用者情報が除外されるため、エッジサーバからクラウドサーバへの通信容量が削減することができる。また、エッジサーバからクラウドサーバに送信されるデータに個人を特定できる程度の情報が含まれないため、通信経路間における個人情報の漏洩を防止することができる。
【0017】
本実施形態において「使用者情報」とは、個人を特定できる情報(例えば、名前や住所など)であり、エッジサーバ等によって個人を特定できない程度に匿名化された情報(IDなど)は含まない。
【0018】
実施形態の一態様に係る排泄物管理システムは、前記クラウドサーバは、予め大便器を使用する使用者情報が記録され、前記エッジサーバにおいて送信可と判定された前記受光データは、前記クラウドサーバにおいて予め記録された前記使用者情報と紐づけられることを特徴とする。
【0019】
実施形態の一態様に係る排泄物管理システムによれば、使用者情報と受光データとを、クラウドサーバにおいて紐づけることで、受光データ、及びクラウドサーバで解析した排泄物の特徴情報を、使用者の情報端末や医療機関等へ送信することができるため、受光データおよび排泄物の特徴情報の活用性を上げることができる。
【0020】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理方法は、大便器が設けられたトイレルームで収集された排泄物に関する情報をクラウドサーバ上で管理する排泄情報管理方法であって、発光部によって大便器の内部に向けて照射された光に対する排泄物からの反射光を受光部によって受光する検知工程と、検知工程により検知された受光データに基づいて、通信装置による前記クラウドサーバへの前記受光データの送信の可否を判定する解析工程と、を含むことを特徴とする。
【0021】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理方法によれば、発光部によって大便器の内部に向けて照射された光に対する排泄物からの反射光を受光した場合、その受光データを解析することによって、通信装置によるクラウドサーバへの受光データの送信の可否を判定する。これにより、受光データがクラウドサーバ上で管理するに値しないデータであった場合に、通信装置によるクラウドサーバへの受光データの送信を防止することができる。これによって、実施形態の一態様に係る排泄情報管理方法によれば、クラウドサーバへのデータ通信量を抑制することが可能となる。
【0022】
実施形態の一態様に係るプログラムは、大便器装置とクラウドサーバと通信可能なエッジサーバが実行するプログラムであって、発光部によって大便器の内部に向けて照射された光に対する排泄物からの反射光を受光部によって受光することで検知した受光データを受け付ける受付手順と、この受光データに対する解析結果に基づいて、クラウドサーバに受光データを送信する通信装置を制御する装置に、受光データの送信の可否に対する判定結果を送信する送信手順と、をエッジサーバに実行させることを特徴とする。
【0023】
実施形態の一態様に係るプログラムによれば、受付手順によって受け付けた受光データを解析し、クラウドサーバに対して受光データの送信を行う通信装置を制御する装置に、受光データの送信の可否に対する判定結果を送信することにより、クラウドサーバへのデータ通信量を抑制することが可能となる。
【0024】
実施形態の一態様に係るエッジサーバは、クラウドサーバと大便器装置と通信可能なエッジサーバであって、クラウドサーバと通信可能に構成される第1通信装置と、大便器装置と通信可能に構成される第2通信装置と、第2通信装置を介して、大便器装置から送信される光学的に検知された排泄物に関する検知データを記憶するメモリと、メモリに記憶された検知データを解析する演算処理装置と、を備え、演算処理装置は、検知データに基づいて、第1通信装置によるクラウドサーバへの当該検知データの送信の可否を判定することを特徴とする。
【0025】
実施形態の一態様に係るエッジサーバによれば、大便器装置から送信された排泄物に関する検知データを解析し、第1通信装置によるクラウドサーバへの検知データの送信の可否を判定する。これにより、大便器装置から送信された全ての検知データがクラウドサーバに送信されることを防止できるため、クラウドサーバへのデータ通信量を抑制することが可能となる。
【0026】
実施形態の一態様に係る便座装置は、大便器の上部に設置される便座装置であって、大便器の内部に向けて光を照射する発光部と、光を受光するイメージセンサを備えた受光部と、受光部が受光した受光データを記憶するメモリと、受光データをクラウドサーバに送信する通信装置と、メモリに記憶された受光データを解析する演算処理装置と、を備え、演算処理装置は、受光データに基づいて、クラウドサーバへの当該受光データの送信の可否を判定することを特徴とする。
【0027】
実施形態の一態様に係る便座装置によれば、便座装置に設けられた受光部が受光した受光データを解析し、通信装置によるクラウドサーバへの受光データの送信の可否を判定する。これにより、受光部によって受光された全ての受光データがクラウドサーバに送信されることを防止できるため、クラウドサーバへのデータ通信量を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
実施形態の一態様によれば、排泄物の画像データを解析するクラウドサーバへのデータ通信量を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態に係る排泄物管理システムの構成の一例を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る検知装置の外観斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る排泄物管理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る排泄物管理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図4の機能構成のブロック図に対応する概念図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る排泄物管理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図6の機能構成のブロック図に対応する概念図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る排泄物管理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図8の機能構成のブロック図に対応する概念図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る排泄物管理システムの処理におけるデータの一例を示すブロック図である。
【
図11】排泄物の形状と量のデータ解析の一例を示す図である。
【
図12】排泄物の色のデータ解析の一例を示す図である。
【
図13】排泄物と血との関係の一例を示す図である。
【
図14】排泄物の色のデータ分析の一例を示す図である。
【
図15】排泄物の色のデータ分析の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する排泄物管理システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。以下では、トイレルームの使用者により排泄された排泄物の情報を収集して管理するための構成および情報処理について説明する。
【0031】
<1.トイレルームの外観構成>
まず、本発明の実施形態に係るトイレルームの外観構成について
図1を参照して説明する。
図1は、実施形態に係るトイレルームの外観構成の一例を示す模式斜視図である。
【0032】
図1に示すように、排泄物管理システム1は、大便器装置2と、操作装置10とを備える。
図1に示すようにトイレルームRには、床面Fに、洋式大便器(以下、「便器」と記載する)7が設置される。なお、以下では、床面FからトイレルームRの空間内に臨む向きを上と記載する。便器7の上部には、便座装置3が設けられる。
【0033】
便器7は、例えば、陶器製である。便器7には、ボウル部8が形成される。ボウル部8は、下方に凹んだ形状であり、使用者の排泄物を受ける部位である。なお、便器7は図示のような床置き式に限られず、壁掛け式等のような形式であってもよい。便器7には、ボウル部8が臨む開口の端部の全周にわたってリム部9が設けられる。また、便器7は、洗浄水を貯留する洗浄水タンクが設置されてもよいし、洗浄水タンクが設置されない、いわゆるタンクレス式であってもよい。
【0034】
例えば、トイレルームRに設けられた洗浄用の洗浄操作部(図示省略)が使用者により操作されると、便器7のボウル部8への洗浄水の供給による便器洗浄が実施される。洗浄操作部は、操作レバーや、操作装置10に設けられた便器洗浄用ボタンに対する押圧操作であってもよい。なお、洗浄操作部は操作レバーなどのような使用者の手動によって便器洗浄を実施させるものに限らず、着座センサのような使用者を検知するセンサの人体検知によって便器洗浄を実施させるものでもよい。
【0035】
便座装置3は、便器7の上部に取り付けられ、便蓋4と、便座5と、機能部6とを備える。なお、便座装置3は、便器7に対して着脱可能に取り付けられてもよいし、便器7と一体化するように取り付けられてもよい。
【0036】
図1に示すように、便座5は、中央に開口を有する環状に形成され、リム部9に沿って、便器7の開口に重なる位置に配置される。便座5は、着座した使用者の臀部を支持する着座部として機能する。また、
図1に示すように、便蓋4及び便座5は、それぞれの一端部が機能部6に軸支され、機能部6の軸支部分を中心として回動可能(開閉可能)に取り付けられる。なお、便蓋4は、便座装置3に必要に応じて取り付けられ、便座装置3は、便蓋4を備えていなくても構わない。
【0037】
操作装置10は、トイレルームR内に設けられる。操作装置10は、使用者が便座5に着座時において、操作可能な位置に設けられる。
図1に示す例において、操作装置10は、便座5に着座した使用者から見て右側方の壁面Wに配置される。なお、操作装置10は、便座5に着座した使用者が利用可能であれば、壁面に限らず、種々の態様により配置されてもよい。例えば、操作装置10は、便座装置3と一体に設けられてもよい。
【0038】
操作装置10は、便座装置3と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、便座装置3と操作装置10とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。
【0039】
また、排泄物管理システム1は、操作装置10に対する使用者の操作により使用者の識別を行ってもよい。操作装置10は、使用者を識別する使用者識別装置38(
図3参照)として機能してもよい。例えば、操作装置10は、個人認証により使用者を識別する。操作装置10は、使用者の指紋や静脈等の生体情報に基づいて、使用者を識別してもよい。この場合、排泄物管理システム1には、使用者識別装置38として機能する操作装置10が含まれてもよい。なお、トイレルームRには、使用者が排泄物を排泄するための構成(便器7や便座装置3等)が配置されていれば、操作装置10はなくてもよい。
【0040】
<2.検知装置の機能構成>
次に、検知装置の機能構成について、
図2を参照して説明する。
図2は、実施形態に係る検知装置の外観斜視図である。
【0041】
検知装置12は、制御装置20(
図3参照)によって制御される電気信号に応じて発光する発光部14と、発光部14により照射された光に対する使用者の排泄物からの反射光を受光する受光部16と、発光部14及び受光部16を支えるための筐体18とを備える。これらの構成により、検知装置12は、便器内に排泄された排泄物を検知する機能を実現する。検知装置12は、例えば、使用者から排泄される大便の色、形状及び量からなる3つの特徴量を含むデータを検知する。この検知装置12によって検知されたデータに対する処理については後述する。
【0042】
発光部14は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子(図示略)を備える。なお、発光部14が備える発光素子は、LEDに限らず種々の素子が用いられてもよい。また、発光部14から照射される光は、可視光線の波長を均等に有する白色光に限られず、特定の波長のみを有する有色光や、赤外線といった不可視光であっても構わない。
【0043】
受光部16は、レンズ17と、受光素子(図示略)とを備える。受光素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサ、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサが並べられたラインセンサやエリアセンサによって形成される。また、受光部は、分光フィルタ等の分光機能を有する構成であってもよい。
【0044】
なお、検知装置12は、便座装置3が備える機能部6や便座5の内部に配置され、便座装置3と一体となるように形成されてもよく、また、便器7のリム部9と便座5との間に引っ掛けて配置され、便座装置3と別体となるように形成されてもよい。
【0045】
<3.排泄物管理システムの構成>
ここで、
図3~
図9を用いて、排泄物管理システム1の構成について説明する。まず、排泄物管理システム1の機能構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、実施形態に係る排泄物管理システムの機能構成を示すブロック図である。
【0046】
図3に示すように、排泄物管理システム1には、大便器装置2と、検知装置12と、クラウドサーバ30と、第1通信装置32と、エッジサーバ34と、第2通信装置36と、使用者識別装置38とを含む。なお、
図3では、排泄物管理システム1の機能ごとに装置を分けた構成を示すが、排泄物管理システム1は、複数の機能を実現する装置により構成されてもよい。この点についての詳細は後述する。
【0047】
大便器装置2は、
図1中の便器7や便座装置3を備え、使用者が大便を排泄するための装置として用いられる。
また、大便器装置2が備える便座装置3は、検知装置12を制御するための制御装置20として機能する。なお、後述するエッジサーバ34が備える機能が大便器装置2により実行される場合、制御装置20は、エッジサーバ34としても機能する。
【0048】
制御装置20は、検知装置12を制御したり、検知装置12よって検知されたデータに対して演算処理を実行したりするための演算処理装置24と、検知装置12によって検知されたデータを記憶したり、演算処理装置24が実行するための制御プログラムを記憶したりするためのメモリ22とを備える。
【0049】
演算処理装置24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のプロセッサや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等の種々の手段により実現される。
【0050】
メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)や、RAM(Random Access Memory)などの各種の構成を有する。
【0051】
検知装置12は、
図2中の発光部14や受光部16を備え、使用者から排泄された大便を光学的に検知する装置として用いられる。
【0052】
クラウドサーバ30は、検知装置12によって検知された受光データに基づいて、排泄物の特徴を判定する機能を実現する。また、クラウドサーバ30は、検知装置12によって検知された検知データ、及びクラウドサーバ30によって判定された判定結果の情報を蓄積して、外部からの要望に応じて情報を提供する機能を実現しても構わない。
【0053】
クラウドサーバ30とは、クラウド環境に設けられるサーバであり、演算性能やストレージ(記憶装置)の容量がスケーラブルな仮想サーバである。また、クラウドサーバ30が、使用者の携帯端末(スマートフォンやパーソナルコンピュータ)に接続される場合、排泄物管理システム1が使用者に情報を提供する方法として、蓄積したデータから演算処理を行い、その結果を広域情報通信網を介して携帯端末に送信するWEBサービス(例えば、ASP(Application service Provider))などの形態をとることができる。この場合、クラウドサーバ30は、データ蓄積、演算処理、情報の要求に対する応答処理などを行う。
【0054】
第1通信装置32は、検知装置12によって検知されたデータをクラウドサーバ30に送信する機能を実現する。第1通信装置32は、広域情報通信網、いわゆるWAN(Wide Area Network)によって構成され、クラウドサーバ30とエッジサーバ34間においてデータの送受信を行う。広域情報通信網は、例えば、インターネットや専用回線などの広域な有線通信回線であってもよいし、あるいは、3G(第3世代移動通信システム)や4G、5G、LTEなどの広域な無線通信回線でもよい。
【0055】
エッジサーバ34は、第1通信装置32を介したクラウドサーバ30への検知データの送信の可否を判定する機能を実現する。エッジサーバ34は、広域情報通信網を介してクラウドサーバ30と通信を行うと共に、構内情報通信網を介して大便器装置2が備える制御装置20と通信を行うサーバである。なお、エッジサーバ34によって実現される、クラウドサーバ30への検知データの送信の可否を判定するための処理については、後述する。
【0056】
第2通信装置36は、検知装置12によって検知されたデータをエッジサーバ34に送信する機能を実現する。第2通信装置36は、構内情報通信網、いわゆるLAN(Local Area Network)や近距離無線通信、シリアル通信などによって構成され、エッジサーバ34と大便器装置2間、あるいはエッジサーバ34と使用者携帯端末間においてデータの送受信を行う。
【0057】
構内情報通信網は、例えば、Profibus、ModbusやTC-netなどのフィールドバス、イーサネット(Ethernet)(登録商標)などのローカルな有線通信回線でもよいし、あるいは、無線LAN(Wi-Fi)(登録商標)や920MHz帯等のローカルな無線通信回線でもよい。
【0058】
近距離無線通信は、例えば、クラシックBluetoothでもよいし、あるいは、低消費電力で通信を実現可能なBLE(Bluetooth Low Energy)やZigBeeでもよい。
シリアル通信は、例えば、UART通信でもよいし、あるいは、I2C通信やSPI通信といった通信方式でもよい。
【0059】
使用者識別装置38は、便器7を使用する使用者を識別する機能を実現する。使用者識別装置38は、操作装置10に設けられる各種のセンサにより取得した使用者の指紋や静脈等の生体情報を用いて使用者を識別してもよい。また、使用者識別装置38は、使用者の携帯端末と各種の通信装置との通信により、通信装置から取得した使用者を識別する情報(ユーザID等)を用いて使用者を特定してもよい。
【0060】
使用者識別装置38によって取得された使用者情報が、個人を特定できる情報であるため、セキュリティー対策を施すことが好ましい。そこで、使用者情報は、エッジサーバ34などによって個人を特定できない程度に匿名化された情報(IDなど)に変換されることが好ましい。これにより、第1通信装置32が個人を特定できる情報をクラウドサーバ30に送信しないようにすることができる。そのため、エッジサーバから送信される受光データから使用者情報が除外されるため、エッジサーバ34からクラウドサーバ30への通信容量が削減することができる。また、エッジサーバ34からクラウドサーバ30に送信されるデータに個人を特定できる程度の情報が含まれないため、通信経路間における個人情報の漏洩を防止することができる。
【0061】
一方で、使用者情報と受光データとを、クラウドサーバ30において紐づけることで、受光データ、及びクラウドサーバ30に保存された処理結果の活用性を上げることができる。この場合、エッジサーバ34からクラウドサーバ30に送信される匿名化された使用者情報に関連付けられた個人を特定できる使用者情報をクラウドサーバ30に予め記録させることによって、例えばエッジサーバから送信される受光データと、クラウドサーバ30に記録された個人を特定できる使用者情報とを紐づけることができる。
【0062】
この態様において、クラウドサーバ30に保存された受光データおよび処理結果は、エッジサーバ34にて個人を特定できる使用者情報との照合が行われた後、使用者に送信されても良く、また、クラウドサーバ30にて、保存された受光データおよび処理結果と個人を特定できる使用者情報とを紐づけた後、使用者に送信されても良い。さらには、クラウドサーバ30にて保存された受光データおよび処理結果と個人を特定できる使用者情報とを紐づけた後、医療機関に送信し、医師の診断等に利用しても良く、検知データ、及びクラウドサーバ30にて保存された処理結果の活用性を上げることができる。
【0063】
<3-1.排泄物管理システムの構成例>
次に、排泄物管理システム1の構成例について、
図4~
図9を参照して説明する。
図4、
図6、
図8は、実施形態に係る排泄物管理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図5は、
図4の機能構成のブロック図に対応する概念図である。
図7は、
図6の機能構成に対する概念図である。
図9は、
図8の機能構成に対する概念図である。
【0064】
図4及び
図5に示す排泄物管理システム1では、大便器装置2と検知装置12とが別体となるように構成されている。検知装置12は、例えば、便器7のリム部9と便座5との間に引っ掛けられるなどしてトイレルームRに配置される。
図4及び
図5に示す排泄物管理システム1では、使用者識別装置38はトイレルームRに配置され、大便器装置2と通信可能な様に構成される。使用者識別装置38による使用者の識別は、例えば、トイレルームRに配置される操作装置10に対する使用者による入力や、トイレルームR内に設けられる各種センサ等によって実現される。
図4及び
図5の排泄物管理システム1では、エッジサーバ34と、クラウドサーバ30とは、トイレルームR外に配置される。
図4及び
図5に示す排泄物管理システム1では、大便器装置2は、第2通信装置36を介してエッジサーバ34と通信可能な様に構成され、エッジサーバ34は、第1通信装置32を介してクラウドサーバ30と通信可能な様に構成される。
【0065】
図4及び
図5に示す排泄物管理システム1では、使用者識別装置38によって識別された使用者情報と、検知装置12によって検知されたデータとは、大便器装置2が備える制御装置20で処理され、第2通信装置36を介してエッジサーバ34に送信される。そして、エッジサーバ34による検知データの解析により、第1通信装置32によるクラウドサーバ30への検知データの送信の可否が判定される。これにより、検知装置12によって検知された全てのデータがクラウドサーバ30に送信されることを防止できるため、クラウドサーバ30へのデータ通信量を抑制することが可能となる。
【0066】
また、
図4及び
図5に示す排泄物管理システム1では、1つのエッジサーバ34に対して、複数の大便器装置2を接続することができる。これにより、排泄物管理システム1において必要なエッジサーバ34の個数を削減することができるため、排泄物管理システム1を構築するために必要な費用を削減することが可能となる。
【0067】
さらに、
図4及び
図5に示す排泄物管理システム1では、エッジサーバ34に送信された使用者情報は、エッジサーバ34で個人を特定できない程度に匿名化された後、第1通信装置32を介して検知データと共にクラウドサーバ30に送信される。これにより、エッジサーバから送信される受光データから使用者情報が除外されるため、エッジサーバ34からクラウドサーバ30への通信容量が削減することができる。また、通信経路間における個人情報の漏洩を防止することができる。
【0068】
そして、クラウドサーバ30により解析された排泄物の特徴量に関する判定結果は、第1通信装置32を介してエッジサーバ34に送信され、エッジサーバ34にて使用者情報と紐づけられることで、その使用者識別装置38が配置されたトイレルームRに設けられる表示装置(図示略)などで表示される。これにより、トイレルームRの使用者は、表示装置に表示された判定結果が自身のものであるか否かを確認することができる。なお、エッジサーバ34による判定結果の送付先は、トイレルームR内のみに限られず、エッジサーバ34に予め保存された使用者の携帯端末などに送付されてもよい。
【0069】
図6及び
図7に示す排泄物管理システム1では、検知装置12と、エッジサーバ34とが備える機能が大便器装置2により実現される。検知装置12は、例えば、便座装置3が備える機能部6や便座5の内部に配置される。また、エッジサーバ34の機能は、大便器装置2が備える制御装置20により実現される。
図6及び
図7に示す排泄物管理システム1では、使用者識別装置38が備える機能が介護施設の介護者等によって利用される携帯端末40により実現される。携帯端末40は、例えば、スマートフォンや携帯電話機、タブレット型端末等により構成される。なお、携帯端末40は、介護者等により携帯されてもよいし、トイレルームR外に配置されてもよい。携帯端末40による使用者の識別は、使用者を識別するユーザID等によって実現される。
図6及び
図7に示す排泄物管理システム1では、クラウドサーバ30がトイレルームR外に配置される。
図6及び
図7に示す排泄物管理システム1では、大便器装置2は、第1通信装置32を介してクラウドサーバ30と通信可能な様に構成される。検知装置12と携帯端末40は、第2通信装置36を介してエッジサーバ34と通信可能なように構成される。
【0070】
図6及び
図7に示す排泄物管理システム1では、検知装置12によって検知されたデータは、シリアル通信などによって構成される第2通信装置36により、制御装置20に送信される。また、携帯端末40によって識別された使用者情報は、近距離無線通信などによって構成される第2通信装置36により、制御装置20に送信される。そして、制御装置20による検知データの解析により、第1通信装置32によるクラウドサーバ30への検知データの送信の可否が判定される。これにより、検知装置12によって検知されたすべてのデータがクラウドサーバ30に送信されることを防止できるため、クラウドサーバ30へのデータ通信量を抑制することが可能となる。
【0071】
また、
図6及び
図7に示す排泄物管理システム1では、クラウドサーバ30により解析された排泄物の特徴量に関する判定結果は、第1通信装置32または第2通信装置36を介して使用者の携帯端末40からアクセス可能とすることができる。これにより、使用者の携帯端末40から排泄物の特徴量に関する判定結果を確認することができる。また、使用者情報は、使用者の携帯端末40に保存されているため、クラウドサーバ30で使用者情報を管理しなくても良い。
【0072】
図8及び
図9に示す排泄物管理システム1では、検知装置12が備える機能が大便器装置2により実現される。
図8及び
図9に示す排泄物管理システム1では、エッジサーバ34と、使用者識別装置38とが備える機能が携帯端末40により実現される。エッジサーバ34の機能は、携帯端末40が備える制御装置20によって実現される。ここで、携帯端末40がエッジサーバ34の機能を実現するためのプログラムは、例えば、クラウドサーバ30からアプリケーションソフトウェアの形式でダウンロードされる。
図8及び
図9に示す排泄物管理システム1では、クラウドサーバがトイレルームR外に配置される。
図8及び
図9に示す排泄物管理システム1では、使用者の携帯端末40は、第2通信装置を介して大便器装置2と通信可能な様に構成される。また、使用者の携帯端末40は、第1通信装置を介してクラウドサーバ30と通信可能な様に構成される。
【0073】
図8及び
図9に示す排泄物管理システム1では、検知装置12によって検知されたデータは、近距離無線通信などによって構成される第2通信装置36を介して使用者の携帯端末40に送信され、携帯端末40に記憶された使用者情報と共に携帯端末40が備える制御装置20で処理される。そして、携帯端末40による検知データの解析により、第1通信装置32によるクラウドサーバ30への検知データの送信の可否が判定される。これにより、検知装置12によって検知された全てのデータがクラウドサーバ30に送信されることを防止できるため、クラウドサーバ30へのデータ通信量を抑制することが可能となる。
【0074】
また、
図8及び
図9に示す排泄物管理システム1では、検知装置12によって検知されたデータを、携帯端末40に送信する前に、大便器装置2が備える制御装置20でデータ量が少なくなるように処理することができる。これにより、第2通信装置36を介した携帯端末へのデータ転送速度を早くすることが可能となる。さらに、
図6に示す排泄物管理システム1では、携帯端末40が備える制御装置20で、クラウドサーバ30で行われる排泄物の特徴量に関する解析よりも簡易な解析を行うことができる。例えば、排泄物の有無のみに関する解析を行うことで、第1通信装置32を介してクラウドサーバ30に検知データを送信することなく、携帯端末40の所有者は自身の排泄周期を把握することが可能となる。
【0075】
さらに、
図8及び
図9に示す排泄物管理システム1では、クラウドサーバ30により解析された排泄物の特徴量に関する判定結果は、第1通信装置32を介して使用者の携帯端末40からアクセス可能とすることができる。これにより、使用者の携帯端末40から排泄物の特徴量に関する判定結果を確認することができる。また、使用者情報は、使用者の携帯端末40に保存されているため、クラウドサーバ30で使用者情報を管理しなくても良い。
【0076】
<4.排泄物管理システムの処理>
次に、排泄物管理システム1において収集した排泄物の情報に対する処理について説明する。
【0077】
<4-1.データ>
まず、検知装置12によって検知されたデータについて、
図10を参照して説明する。
図10は、検知装置によって検知されたデータに対する処理の一例を示す図である。なお、以下ではデータの流れについて必要な構成や処理のみを記載し、発光部の発光などについての説明は省略する。
【0078】
まず、受光部16の受光素子が検知を行う。受光部はN画素(Nは任意の数)のアナログデータAD1を検知する。受光部16により検知されたアナログデータAD1は、大便器装置2や検知装置12が備える制御装置20に送信される(ステップS11)。
【0079】
制御装置20は、ADConverterを備え、アナログ値のアナログデータAD1をデジタル値のデジタルデータに変換する。制御装置20は、ADConverterにAD変換させる画素を判断して、N画素のアナログデータAD1のうち、ADConverterに変換させる画素を決定する。制御装置20は、N以下の値「n」を決定し、ADConverterに変換させる画素数「n」を決定する。例えば、制御装置20は、N以下の値を「n」に決定することにより、後にクラウドサーバ30に送信するデータ量を少なくすることができる。
【0080】
制御装置20は、AD変換したデジタルデータDD1を制御装置20が備えるメモリ22に一時的に格納する(ステップS12)。制御装置20による制御に応じて、制御装置20が備えるメモリ22の記憶領域FM1には、n画素のデジタルデータが格納される。
【0081】
そして、記憶領域FM1に格納されたデジタルデータの量が、n画素×m行からなる所定量以上となったとき、大便器装置2や検知装置12が備える第2通信装置36を介して、n画素×m行のデジタルデータがエッジサーバ34に送信される(ステップS13)。ここで、エッジサーバ34が備える機能が大便器装置2により実行される場合、n画素×m行のデジタルデータは、制御装置20が備える演算処理装置24により後述する排泄判定が行われる。
【0082】
エッジサーバ34は、制御装置20から送信されたn画素×m行のデジタルデータに対して、排泄物が含まれているか否かを判定する排泄判定を行う。例えば、エッジサーバ34は、n画素のデジタルデータのうち、n-lの所定画素×m行に対して、閾値判定を行う。なお、エッジサーバ34は、n画素×m行のデジタルデータに対して、閾値判定を行ってもよい。
【0083】
エッジサーバ34は、閾値判定の結果に応じて、制御装置20から送信されたデジタルデータを、第1通信装置32を介してクラウドサーバ30に送信するか否かを判定する。言い換えると、エッジサーバ34は、第1通信装置32の機能を実行する装置によるクラウドサーバ30へのデータの送信の可否を判定する。
【0084】
エッジサーバ34による排泄判定の結果、初期データに対して受光素子の出力値が所定値以上変動した画素数が、閾値未満である場合、記憶領域FM2に示すように、制御装置20から送信されたデジタルデータを削除する(ステップS14)。すなわち、受光素子が受光した受光データが、排泄物から反射した受光データではないと判定した場合、エッジサーバ34は、エッジサーバ34が備える記憶領域FM2に記憶したデジタルデータ(例えば、n画素×m行のデジタルデータ)を削除する。他にも、受光素子によって連続的に受光されるデータ、例えば、画像データ等に変化がない場合、その画像データを削除するなどの態様をとってもよい。
【0085】
このように、エッジサーバ34は、第2通信装置36を介して送信されたデータが、排泄物から反射した受光データではないと判定した場合、そのデジタルデータを、第1通信装置32を介してクラウドサーバ30に送信しない。つまり、第1通信装置32を制御する装置によるクラウドサーバ30へのデータの送信を許可しない。
【0086】
また、エッジサーバ34による排泄判定の結果、初期データに対して受光素子の出力値が所定値以上変動した画素数が、閾値以上である場合、制御装置20から送信されたデータは、記憶領域FM3に示すように、第1通信装置32を介してクラウドサーバ30に送信される(S15)。すなわち、受光素子が受光した受光データが、排泄物から反射した受光データであると判定した場合、エッジサーバ34は、エッジサーバ34が備える記憶領域FM2に記憶したデジタルデータ(例えば、n画素×m行のデジタルデータ)を、第1通信装置32を介してクラウドサーバ30に送信する。例えば、第1通信装置32を介して送信され、クラウドサーバ30が備える記憶領域FM3に記憶されるデータは、エッジサーバ34による排泄判定の結果、初期データに対して受光素子の出力値が所定値以上変動した画素数のみ(例えば、n-l画素×m列)から構成されたデータとすることにより、クラウドサーバ30に送信されるデータ量を少なくすることができる。
【0087】
このように、エッジサーバ34は、第2通信装置36を介して送信されたデータが、排泄物から反射した受光データであると判定した場合、そのデジタルデータを、第1通信装置32を介してクラウドサーバ30に送信する。つまり、第1通信装置32を制御する装置によるクラウドサーバ30へのデータの送信を許可する。
【0088】
クラウドサーバ30は、第1通信装置32を介して送信されたデジタルデータに対して、排泄物の特徴量に関する判定を行う。そして、その結果をクラウドサーバ30が備える記憶領域FM3に格納する(S16)。なお、クラウドサーバ30による判定結果は、クラウドサーバ30に格納されることなく、第1通信装置32を介してエッジサーバ34に送信されても構わない。
【0089】
例えば、クラウドサーバ30は、排泄物の色、形及び量からなる3つの特徴量に対して判定を行う。クラウドサーバ30は、排泄物の色に対する判定結果ついて、最大8種類(黄色、茶色、黒、異常(血の赤を含む)等)を判定可能な様に、記憶領域FM3の3bitを使用して格納する。クラウドサーバは、排泄物の形に対する判定結果について、ブリストルスケールの7種類を判定可能な様に、記憶領域FM3の3bitを使用して格納する。クラウドサーバ30は、排泄物の量に対する判定結果について、多い、普通、少ないからなる少なくとも3種類を判定可能な様に、記憶領域FM3の2bitを使用して格納する。これにより、クラウドサーバ30は、排泄物の色、形及び量からなる3つの特徴量に対する判定結果について、記憶領域FM3の1byteを使用して格納することができる。なお、クラウドサーバ30による排泄物の特徴量を判定するための処理については後述する。
【0090】
<4-2.データ解析>
ここから、
図11及び
図12を用いて排泄物の特徴量を判定するためのデータ解析について説明する。以下では、排泄物管理システム1のクラウドサーバ30が、排泄物の色、形及び量に関するデータ解析を実行するときの処理について説明する。
【0091】
<4-2-1.排泄物の形状と量>
まず、排泄物の形状と量に関するデータ解析について
図11を参照して説明する。
図11は、排泄物の形状と量に関するデータ解析の一例を示す図である。
【0092】
図11中の対象物OB1は、検知対象とする排泄物(大便)を模式的に示し、対象物OB1を一例として、どのように排泄物の形状と量が解析されるかの概要を説明する。なお、以下の説明では、対象物OB1の長手方向を上下方向とし、長手方向と直交する方向(短手方向)を横方向として説明する。このような対象物OB1は、上下方向に沿う方向に落下する。
【0093】
各測定結果RS1~RS3は、各画素と、その反射率の関係を示すグラフである。各測定結果RS1~RS3は、対象物OB1の上下方向の各位置に対応する測定結果を示す。測定結果RS1は、対象物OB1の上端部に対応する測定結果を示す。測定結果RS2は、対象物OB1の上下方向における中央部に対応する測定結果を示す。測定結果RS3は、対象物OB1の下端部に対応する測定結果を示す。
【0094】
クラウドサーバ30は、受光素子が受光した各画素の反射率を検知する。クラウドサーバ30は、反射があった画素の中からピーク値を求める。各測定結果RS1~RS3では、中央部分がピーク値となる。例えば、クラウドサーバ30は、測定結果RS2では、画素X0がピーク値を有する画像であると特定する。
【0095】
クラウドサーバ30は、ピーク値を有する画素と隣り合う画素の反射率の差分を比較して所定値以上または所定値以下の反射率が確認された場合、排泄物からの反射光であると推定する。なお、クラウドサーバ30は、排泄物の色についても同様に処理する。
【0096】
クラウドサーバ30は、排泄物からの反射光であると確認された場合、さらにその画素に対して隣り合う画素に同様の処理を行う。これによって、クラウドサーバ30は、排泄物の端を見極め、排泄物の幅を推定する。例えば、クラウドサーバ30は、測定結果RS2では、画素X1から画像X2までの範囲が排泄物であると推定する。例えば、クラウドサーバ30は、測定結果RS1では、測定結果RS2中の画素X1から画像X2までの範囲よりも狭い幅Lを排泄物の幅であると推定する。
【0097】
クラウドサーバ30は、各測定結果RS1~RS3等を積層することで、排泄物の形状を解析する。
図11の例では、クラウドサーバ30は、測定結果RS2に対応する部分(中央部)が最も幅が広く、測定結果RS1に対応する部分(上端部)や、測定結果RS3に対応する部分(下端部)に向かうにつれて幅が狭くなる形状であると解析する。クラウドサーバ30は、測定結果から解析された排泄物の形状が、ブリストルスケールによって分類される7種類の排泄物(大便)の形状のうち、どの形状に最も近いかを判定し、使用者により排泄された排泄物の形状を判定する。
【0098】
クラウドサーバ30は、排泄物からの反射光であると推定された画素数を積算することで、排泄物の量を解析する。なお、使用者から排泄された排泄物(大便)が複数存在する場合、複数個の排泄物の量を積算することで、使用者による1回の排泄行為に伴い排泄された排泄物の量を解析する。
【0099】
上述した処理により、使用者から便器7のボウル部8に向けて落下する対象物OB1を検知する。例えば、落下中の排泄物である対象物OB1は、発光部14や受光部16が臨む前方を下端部、中央部、上端部の順に通過することにより、下から上の順に検知される。具体的には、落下中の排泄物である対象物OB1は、測定結果RS3、測定結果RS2、測定結果RS1の順に検知される。なお、クラウドサーバ30により解析される排泄物は、落下中の排泄物に限らず、落下後にボウル部8内の水に着水後の排泄物を対象に検知を行ってもよい。
【0100】
<4-2-2.排泄物の色>
まず、排泄物の色に関するデータ解析について
図12を参照して説明する。
図12は、排泄物の色のデータ解析の一例を示す図である。
図12は、排泄物に含まれる血の検知に関するデータ解析の一例を示す図である。なお、
図11と同様の点については、同じ符号を付すことにより、適宜説明を省略する。
【0101】
図12中の対象物OB2は、仮想的な排泄物(大便)を示し、対象物OB2には中央部に血領域BDが含まれる点で、
図11中の対象物OB1と相違する。
図12に示す測定結果RS1~RS3は、血領域BDがない
図11中の対象物OB1の測定結果RS1~RS3に対応する。
【0102】
クラウドサーバ30は、排泄物である対象物OB2に対して照射された複数の波長の光のうち、血に対して特徴的な反射率を有する波長の光に対するピーク値を有する画素を特定する。例えば、クラウドサーバ30は、排泄物である対象物OB2に対して照射された複数の波長の光のうち、血に対して特徴的な反射率を有する670nmの光に対するピーク値を有する画素を特定する。
【0103】
その後、クラウドサーバ30は、ピーク値を有する画素が検出した他の波長の光に対する反射率を算出する。クラウドサーバ30は、同画素が検出した670nmを含むその他の波長に対する反射率の比から色を推定する。
図12に示す測定結果RS4が、対象物OB2のように血領域BDが含まれる箇所に対する測定結果を示す。例えば、
図12に示す測定結果RS4が、670nmを含まない領域の光を、対象物OB2の血領域BDを含む部分に照射した場合の測定結果を示す。
【0104】
なお、血に対して特徴的な反射率を有する波長は、670nmのみに限られず、600nm~800nmの範囲であっても良い。なぜなら、この波長帯域においては、便に血が付着していた場合、便の色よりも血の色に対する反射率が顕著に検出されるからである。
【0105】
ここで、排泄物と血との関係について、
図13を参照して説明する。
図13は、排泄物と血との関係の一例を示す図である。
図13に示すグラフGR1は、各波長に対する便の反射と便に付着した血の反射との関係を示す図である。
【0106】
図13のグラフGR1中の線FL1は、排泄物(大便)に対する各波長(約600nm~約870nm)の反射率を示す。
図13中の線FL1に示すように、排泄物(大便)の場合、波長が長くなるにつれて反射率が上昇する。
図13中の線FL1に示すように、排泄物(大便)の場合、600nm付近の反射率が最も低く、870nm付近の反射率が最も高くなる。また、
図10のグラフGR1中の線BD1は、便に付着した血(血液)に対する各波長(約600nm~約870nm)の反射率を示す。
図13中の線BD1に示すように、便に付着した血(血液)の場合、670nm付近の反射率は線FL1との差が最も小さくなり、670nmから離れるにつれて反射率は線FL1との差が大きくなる。
【0107】
図13中のグラフGR1は、便の反射率に対する便に付着した血の反射率の比が、670nm付近で最も大きくなり、670nmから離れるにつれて小さくなる。このように、
図13に示すグラフGR1は、670nmの波長においては便の反射率に対する便に付着した血の反射率の比が大きく、870nmの波長においては便の反射率に対する血の反射率の比が小さい。
【0108】
そのため、クラウドサーバ30は、上述のような各波長の反射率の比を基に、排泄物に含まれる血液を解析することができる。また、クラウドサーバ30は、上述のような各波長の反射率の比を基に、排泄物の色を解析することができる。この点について、
図14及び
図15を用いて説明する。
図14及び
図15は、排泄物の色のデータ分析の一例を示す図である。
【0109】
図14に示す測定結果RS11~RS13は、各々異なる色の排泄物(大便)を測定対象とした場合の測定結果を示す。例えば、測定結果RS11、RS12、RS13の順に測定対象となる排泄物(大便)の色が濃くなってもよい。例えば、測定結果RS11が黄土色の排泄物(大便)の測定結果であり、測定結果RS12が茶色の排泄物(大便)の測定結果であり、測定結果RS13が焦げ茶色の排泄物(大便)の測定結果であってもよい。
【0110】
また、
図14の測定結果RS11~RS13の各々示すLED#1、LED#2、及びLED#3の各々は、光を照射する発光素子であり、LED#1、LED#2、及びLED#3の各々の曲線は、画素と反射率との関係を示す。なお、LED#1、LED#2、及びLED#3の各々は、どのような波長領域の光を照射する発光素子であってもよい。
【0111】
例えば、大便の色が濃い程、各波長に対する反射率が小さくなる。
図14の例では、測定結果RS11~RS13のうち、排泄物(大便)の色が最も濃い測定結果RS13における各波長に対する反射率が小さくなり、それぞれの反射率の比が大きくなる。
【0112】
一方で、例えば、大便の色が薄い程、各波長に対する反射率が大きくなる。
図14の例では、測定結果RS11~RS13のうち、排泄物(大便)の色が最も薄い測定結果RS11における各波長に対する反射率が大きくなり、それぞれの反射率の比が小さくなる。例えば、薄い色に近づくほど、各波長の光が強く反射されるため、各波長の反射率の差が小さくなる。
【0113】
そのため、クラウドサーバ30は、上述のような波長と反射率との関係性を基に解析することにより、排泄物(大便)の色を分類することができる。例えば、クラウドサーバ30は、
図15に示す分類結果RS21のように、LED#1、LED#2、及びLED#3の各々に対する反射率の比を基に、測定結果RS11~RS13を分類することにより、各測定における排泄物(大便)の色を分類する。
【0114】
例えば、クラウドサーバ30は、LED#1の反射率とLED#2の反射率との比や、LED#3の反射率とLED#2の反射率との比を用いて、各測定結果RS11~RS13の排泄物(大便)の色を分類する。例えば、クラウドサーバ30は、「LED#1の反射率/LED#2の反射率」をX軸とし、「LED#3の反射率/LED#2の反射率」をY軸とし、各測定結果RS11~RS13の位置に応じて各測定における排泄物(大便)の色を分類する。例えば、クラウドサーバ30は、X軸方向にX1未満かつY軸方向にY1未満である場合、その測定における排泄物(大便)の色を「黄土色」に分類する。例えば、クラウドサーバ30は、X軸方向にX1以上X2未満かつY軸方向にY1以上Y2未満である場合、その測定における排泄物(大便)の色を「茶色」に分類する。例えば、クラウドサーバ30は、X軸方向にX2以上かつY軸方向にY2以上である場合、その測定における排泄物(大便)の色を「焦げ茶色」に分類する。なお、上記は一例であり、クラウドサーバ30は、どのような方法により、各測定における排泄物(大便)の色を分類してもよい。
【符号の説明】
【0115】
1・・・排泄物管理システム
2・・・大便器装置
3・・・便座装置
4・・・便蓋
5・・・便座
6・・・機能部
7・・・便器
8・・・ボウル部
9・・・リム部
10・・操作装置
12・・検知装置
14・・発光部
16・・受光部
17・・レンズ
18・・筐体
20・・制御装置
22・・メモリ
24・・演算処理装置
26・・電子回路
30・・クラウドサーバ
32・・第1通信装置
34・・エッジサーバ
36・・第2通信装置
38・・使用者識別装置
40・・携帯端末