(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126818
(43)【公開日】2023-09-12
(54)【発明の名称】免震アイソレータ及び減衰デバイス
(51)【国際特許分類】
F16F 15/02 20060101AFI20230905BHJP
E04H 9/02 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
F16F15/02 L
E04H9/02 331E
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101650
(22)【出願日】2023-06-21
(62)【分割の表示】P 2020558042の分割
【原出願日】2019-04-10
(31)【優先権主張番号】62/658,104
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520399822
【氏名又は名称】オウジャギアン,ダミール
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】オウジャギアン,ダミール
(57)【要約】 (修正有)
【課題】地震中にいずれかのコンパス方位に建物の滑らかな水平移動をより効率的に可能にし得る免震アイソレータを提供する。
【解決手段】スライド式免震アイソレータは、組立支持に取り付けられる第1のプレートと、第1のプレートから延在する少なくとも1つの細長要素とを含む。免震アイソレータは、また、第2のプレートを含む。第1のプレート及び第2のプレートは、水平面に沿って相互に対して移動することが可能である。免震アイソレータは、また、第2のプレートに取り付けられる下側支持部材を含み、付勢装置が下側支持部材の内部に位置付けられる。細長要素(複数可)は第1のプレートから少なくとも部分的に下側支持部材に延在し、細長要素(複数可)の移動は付勢装置によって影響または制御される。免震アイソレータは、また、第1のプレートから離間する閉鎖端と、免震アイソレータの基部とを伴う減衰構造を含む。
【選択図】
図31
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防震及び再センタリングのための構造を支持する方法であって、
第1の種類の免震アイソレータの1つ以上を伴う前記構造を支持することと、
前記第1の種類の免震アイソレータよりも小さい再センタリング力を有する第2の種類の免震アイソレータの1つ以上を伴う前記構造を支持することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の種類の免震アイソレータは、前記第2の種類の免震アイソレータよりも大きい衝撃吸収力を提供するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の種類の免震アイソレータの1つ以上を使用して、前記第1の種類の免震アイソレータの1つ以上を再センタリングすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照による引用
出願データシートの優先権主張で識別されたいずれかの及び全ての出願、またはそれに対するいずれかの補正は、本明細書での参照によって、本明細書によって組み込まれ、本開示の一部を構成する。
【0002】
本出願は、概して、免震アイソレータに関し、具体的には、地震発生時に建物への損傷を阻止するために建物と連動して使用するための免震アイソレータに関する。
【背景技術】
【0003】
免震アイソレータは、一般的に、地震の可能性が高い世界のエリアで使用される。免震アイソレータは、一般的に、建物の下に、組立支持の下部に、及び/または建物の土台の中または周りに位置する構造または複数の構造を含む。
【0004】
免震アイソレータは、地震発生中に建物に直接加えられる荷重及び力の量を最小にし、建物への損傷を防止するように設計される。多くの免震アイソレータにはデュアルプレート設計が取り入れられ、第1のプレートは組立支持の底面に取り付けられ、第2のプレートは建物の土台に取り付けられる。プレートの間にゴムの層があり、例えば、相互に対するプレートの左右の揺動運動を可能にする。他の種類の免震アイソレータは、例えば、地震中に建物の移動を容易にする建物の下に造られたローラまたは複数のローラを組み込んでいる。ローラは振子のように配置され、それにより、建物がローラの上を移動するとき、建物は、最初に、建物が最終的に適所に寄り掛かるまで垂直に偏移する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書に開示される実施形態の少なくとも1つの態様は、現在の免震アイソレータが、地震中、地面に対する建物の滑らかな水平移動を提供できない認識を含む。上記に説明したように、現在のアイソレータはいくつかの水平移動を可能にするが、建物の実質的な垂直偏移もしくは震動及び/または建物が水平に移動するとき建物を左右に傾かせる揺動効果によって、移動が同時に生じる。係る移動は建物への不要な損傷または圧迫を生じさせ得る。加えて、現在のアイソレータのゴムは、経時的に、そのひずみ能力がなくなる可能性がある。地震中にいずれかのコンパス方位に建物の滑らかな水平移動をより効率的に可能にし得、上記に説明した現在のアイソレータの少なくとも1つ以上の問題を回避する簡略化された免震アイソレータを有することで利点をもたらすだろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本明細書に開示される少なくとも1つの実施形態に従って、スライド式免震アイソレータは、組立支持に取り付けられるように構成される第1のプレートを含み得、細長要素(または複数の細長要素)は第1のプレートの中心(中心部または他の適切な場所)から延在する。スライド式免震アイソレータは、さらに、第2のプレート及び低摩擦層を含み得、低摩擦層は、第1のプレート及び第2のプレートが水平面に沿って相互に対して自由に移動することを可能にするように構成される、第1のプレートと第2のプレートとの間に位置付けられる。スライド式免震アイソレータは、さらに、第2のプレートに取り付けられる下側支持部材を備え得、少なくとも1つのバネ部材または穿孔エラストマー要素は下側支持部材の内部に位置付けられ、細長要素または複数の細長要素は、第1のプレートから少なくとも部分的に下側支持部材に延在する。スライド式免震アイソレータは、それらが関連構造に影響を及ぼし得る前に、地表面で地震力を減らすことができる。
【0007】
本明細書に開示される少なくとも1つの実施形態に従って、スライド式免震アイソレータは、組立支持に取り付けられるように構成される第1のプレートを含み得、少なくとも1つの細長要素は第1のプレートから延在する。スライド式免震アイソレータは、さらに、第2のプレート及び低摩擦層を含み得、低摩擦層は、第1のプレートと第2のプレートとの間に位置付けられ、第1のプレート及び第2のプレートが水平面に沿って相互に対して移動することを可能にするように構成される。スライド式免震アイソレータは、さらに、第2のプレートに取り付けられる下側支持部材を備え得、付勢要素が下側支持部材の内部に位置付けられる。スライド式免震アイソレータは、さらに、第1のプレートから分離する第1の閉鎖端と、免震アイソレータの基部から分離する第2の閉鎖端とを含み得、少なくとも1つの減衰構造を含み、減衰構造は変形可能物質を含み、圧縮するとき、縦方向に膨張するように構成される。
【0008】
本明細書に開示される少なくとも1つの実施形態に従って、本システムは組立支持に取り付けられるように構成される複数のアイソレータを備え得、少なくとも1つのアイソレータは、別の1つのアイソレータよりも小さい再センタリング力を提供するように構成される。
【0009】
本明細書に開示される少なくとも1つの実施形態に従って、防震及び再センタリングのための構造を支持する方法は、第1の種類の免震アイソレータの1つ以上を伴う構造を支持することと、第1の種類の免震アイソレータよりも小さい再センタリング力を有する第2の種類の免震アイソレータの1つ以上を伴う構造を支持することとを含み得る。第1の種類の免震アイソレータは、第2の種類の免震アイソレータよりも大きい衝撃吸収力を提供するように構成され得る。本方法は、さらに、第2の種類の免震アイソレータの1つ以上を使用して、第1の種類の免震アイソレータの1つ以上を再センタリングすることを含み得る。
【0010】
本実施形態のこれらの及び他の特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」を読むとき、実施形態の添付図を参照してより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】組立支持に取り付けられるスライド式免震アイソレータの実施形態の断面概略図である。
【
図2】
図1の線2-2に沿って取られた
図1の免震アイソレータの断面図である。
【
図3】
図1の組立支持及び免震アイソレータの一部の正面図である。
【
図4】
図3に示される組立支持及び一部の上面図である。
【
図5】
図1の免震アイソレータの一部の断面図である。
【
図7】
図1の免震アイソレータの一部の断面図である。
【
図9】
図1の免震アイソレータの一部の断面図である。
【
図11】
図1の免震アイソレータの一部の断面図である。
【
図13】
図1~12の免震アイソレータの改良形態の断面図である。
【
図14】組立支持に取り付けられるスライド式免震アイソレータの実施形態の断面概略図である。
【
図16】
図14の組立支持及び免震アイソレータの一部の正面図である。
【
図18】組立支持に取り付けられるスライド式免震アイソレータの実施形態の断面概略図である。
【
図20】
図18の組立支持及び免震アイソレータの一部の正面図である。
【
図22】組立支持に取り付けられるスライド式免震アイソレータの実施形態の断面概略図である。
【
図24】組立支持に取り付けられるスライド式免震アイソレータの実施形態の断面概略図である。
【
図26】組立支持に取り付けられるスライド式免震アイソレータの実施形態の断面概略図である。
【
図28】
図26の組立支持及び免震アイソレータの一部の正面図である。
【
図30】
図26の免震アイソレータの減衰構造の詳細図である。
【
図31】組立支持に取り付けられるスライド式免震アイソレータの実施形態の断面概略図である。
【
図33】
図31の組立支持及び免震アイソレータの一部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
便宜上、本明細書に開示される実施形態は、商業用ビルもしくは居住用ビル、または橋と一緒に使用されるスライド式免震アイソレータデバイスに関して説明される。しかしながら、複数の実施形態は、また、地震発生中、構造への損傷を最小にする、阻止及び/または防止することが望まれ得る他の種類の建物または構造と一緒に使用できる。
【0013】
異なる実施形態に関連付けられる様々な特性は下記に説明される。各実施形態の全ての特性は、個々または一緒に、他の実施形態の特性と組み合わされることができ、その組み合わせは本開示の一部を形成する。さらに、その特性は、いずれかの実施形態に重要または不可欠ではない。
【0014】
図1を参照すると、免震アイソレータ10は、地震発生中、建物への損傷を阻止するように構成されるデバイスを備え得る。免震アイソレータ10は、地震発生中、相互に対して移動するように構成される2つ以上の構成要素を含み得る。例えば、免震アイソレータ10は、地震中、幾何学的平面に沿って大体または実質的に相互に対して摺動するように構成される2つ以上の構成要素を含み得る。免震アイソレータ10は、組立支持に取り付けられる少なくとも1つの構成要素と、建物の土台及び/または地面の中もしくは上方に取り付けられる少なくとも別の構成要素とを含み得る。いくつかの実施形態では、免震アイソレータ10にアクセス可能である。いくつかの実施形態では、1つ以上のカメラは、免震アイソレータ10を監視するために使用できる。例えば、カメラは、(例えば、地震後に調査するために)免震アイソレータ10及び/または免震アイソレータの近くの建物ならびに/もしくは土台の一部を検査するために使用できる。
【0015】
図1、
図3、及び
図4を参照すると、例えば、免震アイソレータ10は第1のプレート12を含み得る。第1のプレート12は円または円環形状プレートを含み得るが、他の形状(例えば、四角形)も可能である。第1のプレート12は、金属(例えば、ステンレス鋼)から形成できるが、他の材料または材料の組み合わせも可能である。例えば、いくつかの実施形態では、第1のプレート12は主に金属か成り得るが、テフロン(登録商標)で販売されているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のプラスチック材料もしくはポリマー材料または他の同様の材料の少なくとも1つの層を伴う。第1のプレート12は、また、一定の厚さを有し得る。第1のプレート12は、また、一定の厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、厚さは、第1のプレート12の全体にわたって略一定であり得るが、可変厚も使用できる。いくつかの実施形態では、第1のプレート12は約1/2インチの厚さ「t1」を有し得るが、他の値も可能である。厚さ「t1」は予想の荷重に基づいて変動し得る。
【0016】
図3及び
図4に見られるように、第1のプレート12は、組立支持14の底面に取り付けられることができる、またはそれと一体的に形成できる。組立支持14は、例えば、第1の支持構成要素16及び第2の支持構成要素18を有する交差形状支持を含み得るが、第1のプレート12と併せて他の種類の組立支持14も利用できる。組立支持14は、木材、鋼鉄、コンクリート、または他の材料から作られることができる。第1のプレート12は、例えば、第1のプレート12を組立支持14の底面に溶接することによって、またはボルト、リベット、あるいはねじ等のファスナもしくは他の既知の方法を使用することによって、組立支持14に取り付けできる。第1のプレート12は組立支持14に強固に取り付けでき、それにより、第1のプレート12と組立支持14との間で実質的に相対運動が発生しない。
【0017】
引き続き、
図1、
図3、及び
図4を参照すると、少なくとも1つの細長要素20は第1のプレート12から延在できる。細長要素20は、第1のプレート12と一体的に形成できる、または別々に取り付けできる。例えば、細長要素20は、第1のプレート12にボルト締めまたは溶接できる。細長要素20は円筒形金属ロッドを備え得るが、他の形状も可能である。いくつかの実施形態では、細長要素20は円形断面を有し得る。いくつかの実施形態では、細長要素20は固体鋼鉄(または、他の適切な金属)のバーであり得る。細長要素20は、第1のプレート12の幾何学的中心から延在できる。いくつかの実施形態では、細長要素20は第1のプレート12の表面に対して略垂直に延在できる。いくつかの実施形態では、複数の細長要素20は、第1のプレート12から延在できる。例えば、いくつかの実施形態では、4つの細長要素20は、概して、第1のプレート12の幾何学的中心から延在できる。いくつかの実施形態では、複数の細長要素20は、地震中に、地震力からエネルギーの一部を吸収するように撓曲及び/または屈曲できる。また、細長要素20は、随意に、キャップ22を含み得る。キャップ22は細長要素20の残りと一体的に形成できる。キャップ22は細長要素20の残りの材料と同じ材料から成り得るが、他の材料も可能である。キャップ22は細長要素20の最下部を形成できる。
【0018】
図1、
図2、
図5、及び
図6を参照すると、免震アイソレータ10は第2のプレート24を含み得る。第2のプレート24は円または円環形状プレートを含み得るが、他の形状(例えば、四角形)も可能である。第2のプレート24は、金属(例えば、ステンレス鋼)から形成できるが、他の材料または材料の組み合わせも可能である。例えば、いくつかの実施形態では、第2のプレート24は、主に、PTFE(または他の同様の材料)の接着層を伴う金属から成り得る。第2のプレート24は、また、一定の厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、厚さは、第2のプレート24の全体にわたって略一定であり得るが、可変厚も使用できる。いくつかの実施形態では、第2のプレート24は約1/2インチの厚さ「t2」を有し得るが、他の値も可能である。厚さ「t2」は予想の荷重に基づいて変動し得る。
【0019】
図5及び
図6を参照すると、第2のプレート24は開口部26を含み得る。細長要素26は、第2のプレート24の幾何学的中心で形成できる。
図1及び
図2を参照すると、開口部26は細長要素20を受けるように構成され得る。開口部26は、第2のプレート24に対する細長要素20及び第1のプレート12の移動に適応するように構成され得る。
【0020】
図1、
図7、及び
図8を参照すると、免震アイソレータ10は低摩擦層28を含み得る。低摩擦層28は、例えば、PTFEまたは他の同様の材料を含み得る。低摩擦層28は、幾何学的中心に開口部30を有する薄い円環形状層の形態であり得る。低摩擦層28のための他の形状及び構成も可能である。加えて、1つの低摩擦層28が示されるが、いくつかの実施形態では、複数の低摩擦層28を使用できる。代替の配置では、低摩擦層28は移動補助層を含み得、移動補助層は移動補助要素(例えば、ベアリング)を含み得る。
【0021】
引き続き、
図1、
図7、及び
図8を参照すると、低摩擦層28は第2のプレート24の外形と略同じ外形を有し得る。例えば、低摩擦層28は、第2のプレート24の外径と同じ外径と、同様に、第2のプレート24の幾何学的中心の直径サイズの開口部と同じ開口部とを有し得る。いくつかの実施形態では、低摩擦層28は、第1のプレート12または第2のプレート24の上に形成できる及び/またはそれに取り付けできる。例えば、低摩擦層28は、第1のプレート12または第2のプレート24に接着できる。低摩擦層28は、例えば、(2つのプレート間で発生する通常100%の摩擦抵抗と対照的に)第1のプレート12と第2のプレート24との間に可変摩擦抵抗を提供する層であり得る。好ましくは、低摩擦層28は、少なくとも、第1のプレート12及び第2のプレート24のために使用される材料と比較して、摩擦抵抗の減少をもたらす。例えば、
図1に示されるように、いくつかの実施形態では、第1のプレート12、低摩擦層28、及び第2のプレート24はサンドイッチ構成を形成できる。第1のプレート12及び第2のプレート24の両方は低摩擦層28と接触でき、低摩擦層28は第2のプレート24に対する第1のプレート12の相対運動を可能にする。したがって、第1のプレート12及び第2のプレート24は、略水平面に沿って相互に対して自由に移動する免震アイソレータ10の独立構成要素であり得る。いくつかの実施形態では、第1のプレート12及び第2のプレート24は建物の重量の少なくとも一部を支持できる。
【0022】
図1、
図9、及び
図10を参照すると、免震アイソレータ10は、加えて、下側支持要素32を含み得る。下側支持要素32は、第2のプレート24を安定させ、それを適所に保持するように構成され得、それによって、第1のプレート12だけが第2のプレート24に対して移動することを可能にする。いくつかの実施形態では、細長要素32は、第2のプレート24に直接取り付けできる、または第2のプレート24と一体的に形成できる。
図9及び
図10に示されるように、下側支持要素32は開放円筒形シェルを含み得るが、他の形状及び構成も可能である。下側支持要素32は土台に埋設でき、またはそうでなければ、建物の土台に取り付けでき、それにより、下側支持要素は、概して、地震発生中、土台とともに移動する。いくつかの実施形態では、下側支持要素32はベースプレート32aを含み得る。いくつかの実施形態では、ベースプレート32aは、下側支持要素32とは別個の構成要素であり得る。ベースプレート32aは下側支持要素32及び/または建物の土台に取り付けできる。
【0023】
図1、
図2、
図11、
図12、及び
図13を参照すると、下側支持要素32は、細長要素20を誘導することを助ける少なくとも1つの構成要素を収容し、地震発生後に、細長要素20を元の静止位置に引き返させる、または元の静止位置に戻すように構成され得る。例えば、
図1、
図11、及び
図12に示されるように、免震アイソレータ10は、バネ構成要素または工業用穿孔ゴム構成要素等の少なくとも1つの付勢要素36を含み得る。付勢要素36は、エラストマー材料または他のバネ構成要素であり得る。付勢要素36は、単一の構成要素または複数の構成要素(例えば、示されるような構成要素のスタック)であり得る。好ましくは、付勢要素36は、液体または固体材料(例えば、シリコーン)等の材料で満たすことができる空隙または穿孔37を含む。付勢要素36は、平坦金属バネまたは工業用穿孔ゴムを含み得る。付勢要素36は、下側支持要素32の内部に収容できる。使用される付勢要素(複数可)36の数及び構成は建物のサイズによって決まり得る。
図13は概略形式の付勢要素36を示し、付勢要素36は、ゴム構成要素、バネ構成要素、他の付勢要素、または任意のそれらの組み合わせであり得るまたはそれらを含み得る。
【0024】
引き続き、
図1、
図2、
図11、及び
図12を参照すると、免震アイソレータ10は工業用エラストマー材料を含み得る。付勢要素36は合成ゴムを含み得るが、他の種類の材料も可能である。液体(例えば、油)等の保護剤は、付勢要素36の特性を保存するために使用され得る。付勢要素36は、下側支持要素32の内部の残りの間隔または開口部を埋めるために使用できる。付勢要素36は、細長要素20を誘導することを助け、地震発生後に、細長要素20を元の静止位置に引き返させる、または元の静止位置に戻すために使用できる。
【0025】
細長要素20を加硫処理できる及び/または付勢要素36に接着できる。これは、例えば、風力または地震力が存在するとき、細長要素20と付勢要素36との間の相対垂直運動に対する付加抵抗を生じさせ得る。細長要素20は、細長要素20の任意の適切な部に沿って付勢要素36に接着できる。例えば、細長要素20は、付勢要素36及び細長要素20の側端の重なり長さの一部または全体に沿って、付勢要素36に接着できる。
【0026】
免震アイソレータ10は、加えて、少なくとも1つの保定要素38(
図13)を含み得る。保定要素38は、細長要素20を保定及び/または保持するように構成され得る。保定要素38は、例えば、硬化エラストマー材料及び/または膠等の接着剤を含み得る。必要に応じて、異なる可能である保定要素を使用できる。様々な数の保定要素が可能である。免震アイソレータ10の組み立て中、細長要素20は、例えば、保定要素を通って下に挿入できる。
【0027】
全体的に、免震アイソレータ10の配置は、開口部26によって可能になる水平面内のいずれかの方向に地震中に細長要素20が水平に偏移することを可能にするための支持フレームワークを提供できる。これは、少なくとも部分的に、(例えば、キャップ22における)細長要素20の底面と、下側支持要素32の底面との間に存在し得る間隔「a」(
図1参照)に起因し得る。この間隔「a」は、細長要素20を下側支持要素32から引き離したままにすることを可能にし得、ひいては、地震発生中、細長要素20が第2のプレート24の開口部26の内部で移動することを可能にする。間隔「a」、より具体的には、細長要素20が下側支持要素32から引き離されている事実により、同様に、地震中、細長要素20に取り付けられるまたはそれと一体的に形成される第1のプレート12及び組立支持14が水平に摺動することを可能にする。間隔「a」のサイズは変動し得る。
【0028】
免震アイソレータ10の配置は、また、組立支持14をその元の静止位置に戻す、または運ぶためのフレームワークを提供できる。例えば、下側支持要素32の内部で一連の保定要素38及び/または付勢要素36と併せたショックアブソーバ等の1つ以上の付勢要素は一緒に動き、細長要素20を下側支持要素32の内部の中央の静止位置に引き返すことを容易にでき、したがって、第1のプレート12及び組立支持部材14を運んで所望の静止位置に戻す。
【0029】
地震発生中、地表の地震力は、付勢要素36を通って細長要素20に、最終的に、建物自体または構造自体に伝達できる。細長要素20及び付勢要素36は、地震力の減衰を容易にできる。摺動アイソレータ10の横剛性は、付勢要素36、摩擦力、及び/または細長要素20によって制御できる。風力及び小さな地震の場合、(例えば、プレート12とプレート24との間の)摩擦力だけで、時々、建物の移動を制御もしくは制限する及び/または建物の移動を完全に防止するのに十分であり得る。構造の移動の遅延及び減衰は、シリコーン充填穿孔37またはバネ構成要素を伴う付勢要素36と、開口部26とによって制御できる。いくつかの実施形態では、地震回転力(例えば、ある程度の地震によって生じる地面のねじり、曲がり)は、上記に説明したアイソレータ10の設計の性質により容易に制御できる。例えば、アイソレータ10によって地震力の全てを吸収及び減少できない場合にほとんど、開口部26、細長要素20、及び/または付勢要素36によって、建物への損傷を阻止または防止する。
【0030】
いくつかの実施形態では、キャップ22は、地震発生中、第1のプレート12の上向きの垂直運動を阻止または防止できる。例えば、キャップ22は保定要素38の直径よりも大きい直径を有し得、キャップ22は保定要素38の下に位置付けでき(
図1参照)、それにより、キャップ22は細長要素20が垂直に上昇することを阻止する。
【0031】
1つの免震アイソレータ19が
図1~
図12に説明され及び示されているが、いくつかの実施形態では、建物または他の構造は、免震アイソレータ10のシステムに組み込みできる。例えば、免震アイソレータ10は、建物または他の構造の下部の特定の場所に位置でき及び設置できる。
【0032】
いくつかの実施形態では、免震アイソレータ10は、建物の建築よりも前に設置できる。いくつかの実施形態では、免震アイソレータの少なくとも一部は、既に既存の建物に後付けされたアイソレータ10として設置できる。例えば、支持要素32は既存の土台の上面に取り付けできる。
【0033】
図13は、第1のプレート12及び第2のプレート24の構造が本質的に反対になる免震アイソレータ10の改良形態を示す。言い換えれば、第1のプレート12の直径は第2のプレート24よりも大きい。
図13の構成は、限定的ではなく、例えば、橋等の特定の用途にかなり適切であり得る。大きく長い上面プレートまたは第1のプレート12は、橋を含む他の種類の構造に適合するために利用され得る。係る配置の場合、第2のプレート24は、第2のプレート24に対して第1のプレート12の複数の位置で第1のプレート12を支持する。低摩擦層28は、第1のプレート12の底表面もしくは第2のプレート24の上表面に位置付けできる、もしくはそれに付けることができる、または両方のプレートに位置付けできる、もしくはそれに付けることができる。他の点では、
図13のアイソレータ10は、
図1~
図12のアイソレータ10と同一または同様であり得る(しかしながら、上記に説明したように、付勢要素36は、任意の適切な配置であり得る)。いくつかの実施形態では、例えば、付勢要素36は、半径方向に配向される圧縮バネの層を含み得る。
【0034】
図14~
図17は、免震アイソレータ10の代替の設計を説明し及び示す。
図14~
図17の実施形態は、
図1~
図13で前述に説明したものと同様であるが、複数の細長要素20を伴う免震アイソレータ10に関連して説明される。具体的に説明されない特性は、他の実施形態を参照して説明される様式と同じまたは同様の様式で構成され得る。
【0035】
図14、
図16、及び
図17を参照すると、複数の細長要素20は第1のプレート12から延在できる。例えば、いくつかの実施形態では、2~40個の細長要素20は、概して、第1のプレート12の幾何学的中心から延在できる。いくつかの構成では、細長要素20は先述の実施形態の単一の細長要素20の断面積にほぼ等しい断面積内に含まれる。細長要素は予想の荷重等の関連基準に応じてサイズが変動し得る。
【0036】
例えば、いくつかの実施形態では、細長要素20は、第1のプレート12と一体的に形成できる、または別々に取り付けできる。例えば、細長要素20は、第1のプレート12にボルト締めまたは溶接できる。細長要素20は円筒形金属ロッドを備え得るが、他の形状も可能である。いくつかの実施形態では、細長要素20は円形断面を有し得る。いくつかの実施形態では、細長要素20は固体鋼鉄(または、他の適切な金属)のバーであり得る。細長要素20は、第1のプレート12の幾何学的中心から延在できる。いくつかの実施形態では、細長要素20は第1のプレート12の表面に対して略垂直に延在できる。いくつかの実施形態では、細長要素20は、地震中に、地震力からエネルギーの一部を吸収するように撓曲及び/または屈曲できる。また、細長要素20は、随意に、先述の実施形態のキャップ22と同様に、キャップまたは複数のキャップを含み得る。
【0037】
図14及び
図15を参照すると、第2のプレート24内の開口部26は細長要素20を受けるように構成され得る。開口部26は、第2のプレート24に対する細長要素20及び第1のプレート12の移動に適応するように構成され得る。
【0038】
図14及び
図15を参照すると、下側支持要素32は、細長要素20を誘導することを助ける少なくとも1つの構成要素を収容し、地震発生後に、細長要素20を元の静止位置に引き返させる、または元の静止位置に戻すように構成され得る。例えば、免震アイソレータ10は、バネ構成要素または工業用穿孔ゴム構成要素等の少なくとも1つの付勢要素36を含み得る。付勢要素36は、単一の構成要素または複数の構成要素(例えば、示されるような構成要素のスタック)であり得る。好ましくは、付勢要素36は、液体または固体材料(例えば、シリコーン)等の材料で満たすことができる空隙または穿孔37を含む。付勢要素36は、平坦金属バネまたは工業用穿孔ゴムを含み得る。付勢要素36は、下側支持要素32の内部に収容できる。使用される付勢要素(複数可)36の数及び構成は建物のサイズによって決まり得る。
【0039】
引き続き、
図14及び
図15を参照すると、免震アイソレータ10は工業用エラストマー材料を含み得る。付勢要素36は合成ゴムを含み得るが、他の種類の材料も可能である。付勢要素36は、下側支持要素32の内部の残りの間隔または開口部を埋めるために使用できる。付勢要素36は、細長要素20を誘導することを助け、地震発生後に、細長要素20を元の静止位置に引き返させる、または元の静止位置に戻すために使用できる。
【0040】
細長要素20を加硫処理できる及び/または付勢要素36に接着できる。これは、例えば、風力または地震力が存在するとき、細長要素20と付勢要素36との間の相対垂直運動に対する付加抵抗を生じさせ得る。細長要素20は、細長要素20の任意の適切な部に沿って付勢要素36に接着できる。例えば、細長要素20は、付勢要素36及び細長要素20の側端の重なり長さの一部または全体に沿って、付勢要素36に接着できる。
【0041】
全体的に、免震アイソレータ10の配置は、開口部26によって可能になる水平面内のいずれかの方向に地震中に細長要素20が水平に偏移することを可能にするための支持フレームワークを提供できる。これは、少なくとも部分的に、細長要素20(またはキャップ(複数可))の底面と、下側支持要素32の底面との間に存在し得る間隔「a」(
図14参照)に起因し得る。この間隔「a」は、細長要素20を下側支持要素32から引き離したままにすることを可能にし得、ひいては、地震発生中、細長要素20が第2のプレート24の開口部26の内部で移動することを可能にする。間隔「a」、より具体的には、細長要素20が下側支持要素32から引き離されている事実により、同様に、地震中、細長要素20に取り付けられるまたはそれと一体的に形成される第1のプレート12及び組立支持14が水平に摺動することを可能にする。間隔「a」のサイズは変動し得る。
【0042】
免震アイソレータ10の配置は、また、組立支持14をその元の静止位置に戻す、または運ぶためのフレームワークを提供できる。例えば、下側支持要素32の内部で一連の保定要素38及び/または付勢要素36と併せたショックアブソーバ等の1つ以上の付勢要素は一緒に動き、細長要素20を下側支持要素32の内部の中央の静止位置に引き返すことを容易にでき、したがって、第1のプレート12及び組立支持部材14を運んで所望の静止位置に戻す。
【0043】
地震発生中、地表の地震力は、付勢要素36を通って細長要素20に、最終的に、建物自体または構造自体に伝達できる。細長要素20及び付勢要素36は、地震力の減衰を容易にできる。摺動アイソレータ10の横剛性は、バネ構成要素、摩擦力、及び細長要素20によって制御できる。風力及び小さな地震の場合、(例えば、プレート12とプレート24との間の)摩擦力だけで、時々、建物の移動を制御もしくは制限する及び/または建物の移動を完全に防止するのに十分であり得る。構造の移動の遅延及び減衰は、シリコーン充填穿孔37またはバネ構成要素を伴う付勢要素36と、開口部26とによって制御できる。いくつかの実施形態では、地震回転力(例えば、ある程度の地震によって生じる地面のねじり、曲がり)は、上記に説明したアイソレータ10の設計の性質により容易に制御できる。例えば、アイソレータ10によって地震力の全てを吸収及び減少できない場合にほとんど、開口部26、細長要素20、及び/または付勢要素36によって、建物への損傷を阻止または防止する。より小さい直径(または断面サイズ)の複数の細長要素20の提供は、単一の大きい細長要素20と比較して振動減衰を大きくすることを可能にし得る。より小さい直径(または断面サイズ)の複数の細長要素20は、単一の大きい細長要素20よりも、さらに均等な力の分散を可能にし得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、キャップ(複数可)(存在する場合)は、地震発生中、第1のプレート12の上向きの垂直運動を阻止または防止できる。例えば、キャップ(複数可)は付勢要素36の直径よりも大きい直径を有し得または全径を画定し得、キャップ(複数可)は付勢要素36の下に位置付けでき、それにより、キャップ(複数可)は細長要素20が垂直に上昇することを阻止する。
【0045】
図18~
図34は、免震アイソレータ10の代替の設計を説明し及び示す。
図18~
図34の実施形態は、
図1~
図17で前述に説明したものと同様であるが、加えてまたは代替として、特定の特徴を含む。例えば、
図22~
図25は、免震アイソレータ10の基部に向かって配置される付勢要素36を伴う免震アイソレータ10に関連して説明され、
図26~
図34は、地震力の減衰をさらに容易にするために、付勢要素40を伴う免震アイソレータ10に関連して説明される。具体的に説明されない特性は、他の実施形態を参照して説明される様式と同じまたは同様の様式で構成され得る。
【0046】
図22~
図25を参照すると、いくつかの実施形態では、細長要素(複数可)20と、免震アイソレータ10の下側支持要素32及び/またはベースプレート32aとの間に空隙または空間が存在し得る。例えば、免震アイソレータ10は、細長要素(複数可)20と下側支持要素32の横側との間に、細長要素(複数可)20の横側に配置される付勢要素36を含み得ない。いくつかの実施形態では、免震アイソレータ10は、免震アイソレータ10の基部に向かって配置及び/または制限される付勢要素36を含み得る。
図22に示されるように、付勢要素36は厚さt
bを有し得る。示される配置では、細長要素(複数可)20との付勢要素36の係合は、細長要素(複数可)20の第3の底面を越えない、第5の底面を越えない、または第8もしくは第10の底面を越えないように制限される。付勢要素36は、単一の構成要素または複数の構成要素(例えば、構成要素のスタック)であり得る。付勢要素36は、シリコーン、ゴム、液体、及び/または任意の他の適切な材料を含み得る。付勢要素36は、(例えば、膠、加硫等を使用して)下側支持要素32の横側ならびに/もしくは底部に及び/またはベースプレート32aに接続または固定できる。細長要素(複数可)20は付勢要素36の少なくとも一部に延在できる。例えば、
図22に示されるように、付勢要素36に延在する細長要素(複数可)20の一部の長さは、付勢要素36の厚さt
bの約半分であり得る。細長要素(複数可)20の端と、下側支持要素32の底面及び/またはベースプレート32aとの間に間隔が存在し得る。間隔は付勢要素36の一部を含み得る。いくつかの実施形態では、細長要素(複数可)20の下端は、(例えば、膠等を使用して)付勢要素36に取り付けできる。
図24に示されように、この配置は、地震力に対する付加抵抗または地震力の減衰を容易にできる、地震発生時に細長要素(複数可)20の屈曲が必要であり得る。いくつかの実施形態では、再センタリング機構は、免震アイソレータ10に含まれ得る。
【0047】
図26~
図34を参照すると、いくつかの実施形態では、減衰構造40は、付勢要素36の穿孔37を交換及び/または補完できる。いくつかの実施形態では、免震アイソレータ10は2つ以上の減衰構造40を含む。例えば、免震アイソレータ10は2~50個の減衰構造40を含み得る。いくつかの実施形態では、減衰構造40は円形断面を有し得る。いくつかの実施形態では、減衰構造40は中空であり得る。例えば、減衰構造40は円筒状管であり得る。
【0048】
減衰構造40は変形可能であり得る。いくつかの実施形態では、減衰構造40は変形可能周縁を含み得る。いくつかの実施形態では、減衰構造40はゴム外面を含み得る。いくつかの実施形態では、減衰構造40は閉鎖構造であり得る。例えば、減衰構造40は閉鎖端を有し得る。いくつかの実施形態では、減衰構造40を物質で少なくとも部分的に満たすことができる。いくつかの実施形態では、減衰構造40の内側の全体を物質45で満たすことができる。例えば、液体、ガス、及び/または任意の他の適切な物質45(例えば、シリコーン)で、減衰構造40を満たすことができる。これは、減衰構造40の変形に対する付加抵抗を生じさせることができ、地震力のさらなる減衰を可能にし得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、
図26に示されるように、減衰構造40の第1の端と、第1のプレート12及び/または第2のプレート24との間に間隔42Aが存在する。いくつかの実施形態では、減衰構造40の第2の端と、免震アイソレータ10の基部との間に間隔42Bが存在する。いくつかの実施形態では、細長要素(複数可)20の底面及び/または付勢要素36の底面と、下側支持要素32の底面との間に、間隔「a」が存在する。いくつかの実施形態では、付勢要素36の上面と、第1のプレート12及び/または第2のプレート24との間に間隔「b」が存在する。間隔「a」、「b」は、各々、間隔42B,42Aよりも大きくなり得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、減衰構造40は、付勢要素36の空隙または穿孔37の内部に配置される。いくつかの実施形態では、減衰構造40と穿孔37との間に間隔または空間44が存在する。しかしながら、減衰構造40は、また、付勢要素36の内部でしっかりと受け得る。いくつかの実施形態では、減衰構造40と穿孔37との間の空間44は、地震力が存在するときに減少する。いくつかの実施形態では、地震力は、穿孔37を圧縮させ、そのサイズを減少できる、及び/または閉位置に移動できる。地震中に地震力(例えば、半径方向圧力)を受けるとき、減衰構造40は縦方向に膨張できる。例えば、減衰構造40は、上向き縦方向に、下向き縦方向に、または両方向に膨張できる。減衰構造40は、圧縮するとき、長さが増加及び/または直径が減少し得る。いくつかの実施形態では、減衰構造40は、減衰構造40の各端の上方及び/または下方に単一の間隔または間隔42A、42Bを膨張できる。いくつかの実施形態では、減衰構造40及び/または穿孔37は、地震発生後に、元の静止位置に引き返すまたは戻ることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、減衰構造40は、その縦膨張中、減衰構造40によって発生する摩擦の量を減らすように構成される層46を含み得る。いくつかの実施形態では、減衰構造40は、減衰構造40の周縁の一部に沿って配置される層46を含み得る。いくつかの実施形態では、減衰構造40は、減衰構造40の全周縁に沿って配置される層46を含み得る。例えば、減衰構造40は、PTFE、または他の適切な材料、きせ金を有し得る。
【0052】
2つ以上の免震アイソレータ10は、所与の構造に使用できる。例えば、少なくとも2~10個または2~20個の免震アイソレータ10を使用一緒にできる。免震アイソレータ10の数は、建物または橋のサイズ等の構造のサイズによって決まり得る。複数の免震アイソレータ10を一緒に使用するとき、アイソレータ10の一部の設計が異なり得る。例えば、複数のアイソレータ10(アイソレータ10の一部の設計が異なる)の使用は、免震アイソレータ10の再センタリングを補助できる。アイソレータ10の一部は、主にまたは単独で、わずかな再センタリング能力でまたは再センタリング能力を用いず、衝撃吸収のために使用され、複数のアイソレータ10をセンタリングするために、アイソレータ10の一部を使用できる。再センタリングアイソレータ10は、また、衝撃吸収力を提供できる。センタリングアイソレータ10及び非センタリングアイソレータ10の組み合わせを使用できる。
【0053】
これらの発明が特定の好ましい実施形態及び例に関連して開示されているが、本発明が、具体的に開示されている実施形態の範囲を越えて、他の代替の実施形態まで及び/または本発明の使用ならびに明らかな修正の使用ならびにそれらの均等物の使用まで展開することは当業者によって理解される。加えて、本発明のいくつかの変形例が示され及び詳細に説明されているが、これらの発明の範囲内の他の修正は、本開示に基づいて、当業者に容易に明らかである。また、本実施形態の特定の特性及び態様の様々な組み合わせまたはサブコンビネーションが作られ、さらに、本発明の範囲内に含まれ得ることが想到される。
【0054】
開示される実施形態の様々な特性及び態様は、開示される発明の変形モードを形成するために、相互に組み合わせできるまたは代用できることを理解されたい。したがって、上記に説明した開示される特定の実施形態によって、本明細書に開示される本発明の少なくともの一部の範囲を限定するべきではないことが意図される。