(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126846
(43)【公開日】2023-09-12
(54)【発明の名称】サーバ装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20230905BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/09 F
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105091
(22)【出願日】2023-06-27
(62)【分割の表示】P 2021121521の分割
【原出願日】2015-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】柴尾 徹練
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の移動体がともに渋滞吸収走行をすることを実現し、延いては渋滞そのものの解消に要する時間を短縮することのできるサーバ装置等を提供すること。
【解決手段】渋滞吸収走行移動体判定手段は、判定情報取得手段が取得した判定情報に基づいて、渋滞吸収走行する移動体を判定する。判定情報が、渋滞吸収走行すること、又は、渋滞吸収走行しないことを示す情報である場合には、渋滞吸収走行することを示す判定情報を送信してきた端末装置とともに移動する移動体を渋滞吸収走行する移動体と判定する。渋滞発生地点を通過予定の複数の移動体を特定し、当該複数の移動体とともにそれぞれ移動する端末装置に対して、集団での渋滞吸収走行することを通知させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体とともに移動する端末装置に接続するサーバ装置であって、
渋滞に関する渋滞情報を取得する取得手段と、
前記渋滞情報と前記端末装置の位置情報とに基づいて、渋滞発生地点を通過予定の複数の移動体を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した各移動体とともに移動する各前記端末装置に対して、当該特定手段が特定した複数の移動体同士で渋滞吸収走行することを通知させる通知情報を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、交通渋滞の解消に資するサーバ装置等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交通渋滞を緩和するために、車両が交通渋滞の発生が予測される地点又は道路区間に対して所定距離内となる位置に到達すると交通情報を取得し、当該地点又は道路区間において渋滞が発生していない場合には、車両の乗員に対して車両の走行速度の維持を促すメッセージを報知し、渋滞が発生している場合には、車両の乗員に対して走行速度の低下を促すメッセージを報知する技術が知られている(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、単一の車両が渋滞に差し掛かる前に走行速度を低下させ、渋滞に巻き込まれることを回避できるだけで、渋滞そのものの解消に要する時間を短縮することはできなかった。
【0005】
その一方で、渋滞吸収理論に基づく渋滞吸収走行(渋滞吸収運転)が知られている。渋滞吸収走行とは、例えば、高速道路において2kmの渋滞が発生している場合に、渋滞発生地点の15km手前から十分な車間距離(40m以上)をとり、ゆっくり(約70km/h)一定の速度で走行することにより、渋滞発生地点に到達する前に渋滞が解消されて、停止することなく渋滞発生地点を通過できるというものである。渋滞吸収走行は、高速道路に限らず、一般道路においても効果がある。しかしながら、一台の車両のみが渋滞吸収走行を実行しても効果は小さく、渋滞発生地点に向かう複数の車両がともに渋滞吸収走行をすることにより、渋滞の解消に要する時間を短縮することができる。
【0006】
本願発明は、こうした事情に鑑み、複数の移動体がともに渋滞吸収走行をすることを実現し、延いては渋滞そのものの解消に要する時間を短縮することのできるサーバ装置等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、移動体とともに移動する端末装置に接続するサーバ装置であって、渋滞に関する渋滞情報を取得する取得手段と、前記渋滞情報と前記端末装置の位置情報とに基づいて、渋滞発生地点を通過予定の複数の移動体を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した各移動体とともに移動する各前記端末装置に対して、当該特定手段が特定した複数の移動体同士で渋滞吸収走行することを通知させる通知情報を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項6に記載の発明は、移動体とともに移動する端末装置に接続するサーバ装置による情報処理方法であって、渋滞に関する渋滞情報を取得する取得工程と、前記渋滞情報に基づいて、渋滞発生地点を通過予定の複数の移動体を特定する特定工程と、前記特定工程で特定した各移動体とともに移動する各前記端末装置に対して、当該特定工程で特定した複数の移動体により渋滞吸収走行することを通知させる通知情報を送信する送信工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項7に記載の発明は、移動体とともに移動する端末装置に接続するサーバ装置に含まれるコンピュータを、渋滞に関する渋滞情報を取得する取得手段、前記渋滞情報に基づいて、渋滞発生地点を通過予定の複数の移動体を特定する特定手段、前記特定手段が特定した各移動体とともに移動する各前記端末装置に対して、当該特定手段が特定した複数の移動体により渋滞吸収走行することを通知させる通知情報を送信する送信手段、として機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】(A)-(C)はメッセージウィンドウ501及び俯瞰ウィンドウ502の表示例を示す図である。
【
図5】ナビゲーション装置NVのブロック図である。
【
図6】渋滞緩和システムSの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願発明を実施するための形態について、
図1を用いて説明する。
【0012】
図1に示すように、サーバ装置1は車両などの移動体とともに移動する端末装置2に接続する。また、サーバ装置1は取得手段111Aと、特定手段111Bと、送信手段111Cと、判定情報取得手段111Dと、渋滞吸収走行移動体判定手段111E、識別情報送信手段111Fと、を備えている。なお、
図1では、サーバ装置1は一の端末装置2に接続されているが、複数の端末装置2に接続する。
【0013】
取得手段111Aは、渋滞に関する渋滞情報を取得する。取得手段111Aは、例えば、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)から渋滞情報を取得する。渋滞情報は、少なくとも渋滞発生地点を示す情報を含んでいる。渋滞発生地点を示す情報としては、渋滞の先頭と最後尾を示す情報を含んでいる。
【0014】
特定手段111Bは、渋滞情報と端末装置2の位置情報とに基づいて、渋滞発生地点を通過予定の複数の移動体を特定する。サーバ装置1は、随時、端末装置2とともに移動する車両から当該車両の現在地を示す現在地情報を位置情報として取得しており、特定手段111Bは、現在地情報に基づいて渋滞発生地点を通過予定の移動体を特定する。例えば、特定手段111Bは、渋滞発生地点が高速道路上である場合には、渋滞発生地点から所定値で特定される距離だけ離れた地点を渋滞発生地点に向けて移動中の移動体を特定する。所定値は、渋滞発生地点からの距離を示す値であっても、渋滞発生地点までの所要時間を示す値であってもよい。移動体の渋滞発生地点までの所要時間は、移動体の速度を端末装置2から取得して、渋滞発生地点までの距離に基づいて算出することができる。また、所定値は、渋滞の長さ(すなわち、渋滞の先頭から渋滞の最後尾までの長さ)に基づいて可変的に算出してもよい。例えば、渋滞の長さが長い場合には、所定値を相対的に大きく設定し、渋滞の長さが短い場合には、所定値を相対的に小さく設定する。
【0015】
送信手段111Cは、特定手段111Bが特定した各移動体とともに移動する各端末装置2に対して、特定手段111Bが特定した複数の移動体同士で渋滞吸収走行することを通知させる通知情報を送信する。渋滞吸収走行とは、例えば、現在の移動速度より遅い速度で速度を保ちながら走行(例えば、移動体が90km/hで移動している場合に、約70km/hで移動)することである。渋滞吸収走行する場合、移動体は前方を移動する移動体の距離(移動体が車両の場合には車間距離)を十分に(例えば、40m)とることが好ましい。
【0016】
送信手段111Cから通知情報を受信した端末装置2は、通知情報に基づいて、移動体の搭乗者に対して、他の移動体とともに渋滞吸収走行することを映像又は音声等を用いて通知する。他の移動体とは、特定手段111Bが特定した複数の移動体のうち、通知を行う端末装置2とともに移動する移動体を除く他の移動体のことである。これにより、特定手段111Bが特定した複数の移動体がともに渋滞吸収走行することができるようになる。
【0017】
以上説明した通り、実施形態に係るサーバ装置1の動作によれば、渋滞発生地点を通過予定の複数の移動体の搭乗者に渋滞吸収走行することが通知されることから、複数の移動体がともに渋滞吸収走行をすることが実現され、延いては渋滞そのものの解消に要する時間を短縮することができる。
【0018】
判定情報取得手段111Dは、送信手段111Cが通知情報を送信した端末装置2から、端末装置2とともに移動する移動体が渋滞吸収走行するかの判定に用いる判定情報を取得する。例えば、搭乗者が端末装置2に対して、渋滞吸収走行すること、又は、渋滞吸収走行しないことに対応する入力操作を行い、端末装置2は、その入力内容を示す情報を判定情報としてサーバ装置1に送信し、判定情報取得手段111Dがこれを取得することとしてもよい。また、端末装置2が、移動体の速度に関する速度情報を判定情報としてサーバ装置1に送信し、判定情報取得手段111Dがこれを取得することとしてもよい。
【0019】
渋滞吸収走行移動体判定手段111Eは、判定情報取得手段111Dが取得した判定情報に基づいて、渋滞吸収走行する移動体を判定する。判定情報が、渋滞吸収走行すること、又は、渋滞吸収走行しないことを示す情報である場合には、渋滞吸収走行することを示す判定情報を送信してきた端末装置2とともに移動する移動体を渋滞吸収走行する移動体と判定する。また、判定情報が、移動体の速度情報である場合には、速度情報に基づいて移動体が速度を低下させたこと(例えば、100km/hから70km/hに減速させたこと)を検出した場合に、当該移動体を渋滞吸収走行する移動体と判定する。
【0020】
識別情報送信手段111Fは、特定手段111Bが特定した各移動体とともに移動する各端末装置2に対して、渋滞吸収走行移動体判定手段111Eが判定した渋滞吸収走行する移動体を識別する識別情報を送信する。また、識別情報を受信した端末装置2は、端末装置2とともに移動する移動体の搭乗者に対して、識別情報に基づいて識別した渋滞吸収走行する移動体を映像又は音声を用いて通知する。識別情報としては、例えば、移動体の種類、移動体の外装色、移動体に備え付けられたナンバープレート等を示す情報が挙げられる。また、端末装置2とともに移動する移動体を基準として、渋滞吸収走行する移動体の位置を示す情報(例えば、左前方50mといった位置を示す情報)であってもよい。
【0021】
これにより、渋滞吸収走行する移動体が何れの移動体であるかを示す識別情報が各移動体の端末装置2に送信され、渋滞吸収走行する移動体が搭乗者に通知されることから、移動体の搭乗者は何れの移動体が渋滞吸収走行しているかを確認することができ、渋滞吸収走行する移動体同士、集団で渋滞吸収走行しやすくなる。
【0022】
また、判定情報が移動体の速度情報である場合であって、渋滞吸収走行移動体判定手段111Eが速度情報に基づいて渋滞吸収走行する移動体を判定する場合、搭乗者は、渋滞吸収走行に参加するか否かを回答しなくても、サーバ装置1側で判断することができる。
【0023】
送信手段111Cは、渋滞情報に基づいて、渋滞発生地点までの距離及び渋滞の長さに応じた渋滞吸収走行する際の推奨情報(推奨速度、推奨車間距離)を検出し、当該推奨情報を更に搭乗者に通知させる通知情報を送信する。推奨情報は、公知の渋滞吸収理論に基づいて検出することが好ましい。また、渋滞発生地点までの距離及び渋滞の長さ等と、推奨速度及び推奨車間距離等を対応付けて記憶するデータベースを作成しておき、推奨情報を検出する際に参照することとしてもよい。
【0024】
これにより、渋滞発生地点までの距離及び渋滞の長さといった状況に応じた、渋滞吸収に最適な渋滞吸収走行を移動体の搭乗者がすることができる。
【0025】
送信手段111Cは、渋滞が解消されたことを検出した場合に、位置情報に基づいて、先に通知情報を送信した複数の端末装置2のうち、その時点で先方を移動している移動体とともに移動する端末装置2から順に、当該端末装置2とともに移動する移動体の搭乗者に渋滞が解消されたことを通知させる渋滞解消通知情報を更に送信する。
【0026】
これにより、渋滞解消時には、通知情報が送信された端末装置2とともに移動する移動体のうち、前方を走行する車両から順に、搭乗者に渋滞が解消されたことが通知されることから、渋滞吸収走行をしていた複数の移動体が渋滞解消と同時に一斉に加速することにより発生する事故を事前に防ぐことができる。
【実施例0027】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について説明する。
【0028】
図2-
図6を用いて実施例について説明する。なお以下に説明する実施例は、本願発明を、渋滞緩和システムSに適用した場合の実施例である。
【0029】
図2に示すように、本実施例の渋滞緩和システムSは、車両に搭載された車載ナビゲーション装置NV(「端末装置」の一例。以下、「ナビゲーション装置NV」という場合がある)と、サーバ装置SV(「サーバ装置」の一例。以下、「サーバ装置SV」という場合がある)とを含んで構成されている。ナビゲーション装置NVはネットワークNWを介して、サーバ装置SVに接続可能である。なお、
図2では一台のナビゲーション装置NVのみを示しているが、渋滞緩和システムSは複数のナビゲーション装置NVを含んで構成されている。
【0030】
本実施例の渋滞緩和システムSは、高速道路上で交通渋滞が発生した際に渋滞発生地点を通過予定の複数の車両に対して、集団での渋滞吸収走行を促すことにより、交通渋滞を早期に解消し、渋滞に巻き込まれることを回避させる。
【0031】
サーバ装置SVは、VICS等から渋滞情報を取得し、渋滞発生地点から15km手前を走行している複数の車両を特定し、集団での渋滞吸収走行をすることを促すよう、渋滞吸収走行開始メッセージ(「通知情報」の一例)を送信する。サーバ装置SVにより特定された車両のナビゲーション装置NVは、自車両の運転手(「搭乗者」の一例)に対して、集団での渋滞吸収走行に参加するか否かの意思確認を行い、参加するか否かを示す参加不参加メッセージ(「判定情報」の一例)をサーバ装置SVに返信する。
【0032】
また、ナビゲーション装置NVは、自車両の運転手が渋滞吸収走行に参加する場合には、渋滞吸収走行ガイドを開始し、運転手に対して、40m以上の車間距離をとり、70km/hの速度を保持して走行することを促す。このとき、ナビゲーション装置NVは自車両の速度を検知し、70km/hより速い速度の場合には、例えば
図3(A)に示すように、メッセージウィンドウ501に速度を落とすことを指示するメッセージを表示し、70km/hより遅い速度の場合にはメッセージウィンドウ501に速度を上げることを指示するメッセージを表示する。また、ナビゲーション装置NVは自車両と前方の車両との車間距離を検知し、車間距離が40mより短い場合には、例えば
図3(B)に示すように、メッセージウィンドウ501に車間距離を広げることを指示するメッセージを表示する。なお、ナビゲーション装置NVは、自車両が適切な速度及び車間距離で走行している場合には、例えば
図3(C)に示すように、メッセージウィンドウ501にそのまま走行すること指示するメッセージを表示する。
【0033】
一方、サーバ装置SVは、運転手が渋滞吸収走行への参加を表明したことを示す参加不参加メッセージを受信した場合には、送信元であるナビゲーション装置NVの車両を識別する識別情報を取得し、他のナビゲーション装置NVに送信する。そして、ナビゲーション装置NVは、識別情報に基づいて参加の意思表明をした車両をディスプレイに表示するなどして運転手に通知する。例えば、
図3(A)-(C)に示すように、俯瞰ウィンドウ502に、自車両を表す自車両アイコン503と、渋滞吸収走行への参加を表明した参加車両を表す参加車両アイコン504と、渋滞吸収走行への参加を表明していない不参加車両を表す不参加車両アイコン505を表示する。俯瞰ウィンドウ502によれば、運転手は参加車両を一目で把握することができるとともに、自車両、参加車両及び不参加車両の位置関係を把握することができ、集団での渋滞吸収走行を行いやすくなり、延いては、渋滞解消までの時間を短縮することができる。
【0034】
[1.サーバ装置SVの構成]
次に
図4を用いて本実施例に係るサーバ装置SVの構成について説明する。
図4に示すように、サーバ装置SVは、大別して、制御部311、記憶部312、通信部313、表示部314及び操作部315を含んで構成されている。
【0035】
記憶部312は、例えばハードディスクドライブ等により構成されており、OS(Operating System)、サーバプログラム及び各種データを記憶する。また、記憶部312は、各ナビゲーション装置NVから受信したクライアント情報を記憶する。クライアント情報は、ナビゲーション装置NVが搭載された車両の車種、自動車登録番号(ナンバープレートに表示される文字列)、現在位置、案内中の経路、速度等を示す情報であり、随時、ナビゲーション装置NVから受信した情報により更新される。
【0036】
また、記憶部312は、渋滞に関する渋滞情報を記憶する。渋滞情報は、VICSから取得した情報等を用いることができる。また、各ナビゲーション装置NVから取得した走行履歴データ(走行経路や走行速度等を示す情報)を統合して作成したデータであってもよい。例えば、複数の車両が略同一地点を移動中にもかかわらず、走行速度が0~5km/hである場合には、その地点で渋滞が発生していると判断し、渋滞情報を作成することができる。
【0037】
通信部313は、ネットワークNWに接続して、ナビゲーション装置NVやVICSなどの渋滞情報を保持するサーバ装置等との通信状態を制御する。
【0038】
表示部314は、例えば、液晶ディスプレイ等により構成されており、文字や画像等の情報を表示するようになっている。
【0039】
操作部315は、例えば、キーボード、マウス等により構成されており、オペレータからの操作指示を受け付け、その指示内容を指示信号として制御部311に出力するようになっている。
【0040】
制御部311は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。そして、CPUが、ROMや記憶部312に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0041】
制御部311は、記憶部312に記憶された渋滞情報及びクライアント情報に基づいて、渋滞発生地点を通過予定の複数の車両を、渋滞吸収走行をさせる車両として特定する。具体的には、制御部311は、渋滞発生地点までの距離が15kmである地点付近を走行している車両を特定する。また、制御部311は、特定した各車両に搭載された各ナビゲーション装置NVに対して、特定した複数の車両同士で渋滞吸収走行することをナビゲーション装置NVが搭載された車両の運転手に通知させる渋滞吸収走行開始メッセージを送信する。
【0042】
また、制御部311は、先に渋滞吸収走行開始メッセージを送信したナビゲーション装置NVからその車両が渋滞吸収走行するか否かの判定に用いる参加不参加メッセージを取得し、渋滞吸収走行する車両を判定する。そして、制御部311は、先に特定した複数の車両に搭載されたナビゲーション装置NVに対して、渋滞吸収走行する車両を識別する識別情報を送信する。実施例における識別情報は、車両の種類、車両の外装色、車両に備え付けられたナンバープレート等の車両の外観を示す外観情報と、識別情報の送信先であるナビゲーション装置NVが搭載された車両を基準とした相対位置を示す相対位置情報とを含む。
【0043】
[2.ナビゲーション装置NVの構成]
次に、
図5を用いて本実施例に係るナビゲーション装置NVの構成について説明する。
図5に示すように、ナビゲーション装置NVは、制御部211と、HDD等からなる記憶装置212と、キーボード又はリモートコントローラ、タッチパネル等からなる入力装置213と、表示ユニット214と、バスライン215と、入出力インターフェース部220と、車速センサ221と、角速度センサ222と、加速度センサ223と、舵角センサ224と、GPS受信部225と、データ送受信部226と、無線通信部227を備えて構成されている。
【0044】
車速センサ221は、例えばナビゲーション装置NVが搭載されている車両から取得される車速パルス等を用いた速度検出処理等を用いて当該車両の現在速度を検出し、速度データを出力する。角速度センサ222は、当該車両の、例えば方向変化の角速度を検出し、単位時間当たりの角速度データ及び相対方位データを出力する。加速度センサ223は、当該車両の例えば前後方向の加速度を検出し、単位時間当たりの加速度データ等を出力する。舵角センサ224は、当該車両の舵角を検出し、舵角データ等を出力する。GPS受信部225は、GPS衛星からの航法電波を受信し、GPS測位データとして自車位置情報である緯度、経度、高度データ、車両の進行方向の絶対方位データ及びGPS速度データ等を出力する。データ送受信部226は、ネットワークを介したサーバ装置との間のデータの送受信に係る処理を行う。無線通信部227は、無線による路車間通信と車車間通信に係る処理を行う。
【0045】
記憶装置212は、オペレーティングシステムや、アプリケーションプログラム等の各種プログラムを記憶する。なお、各種プログラムは、例えば、サーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしても良いし、CD、DVD、USBメモリ等の記録媒体に記録されたものを読み込むようにしても良い。
【0046】
また、記憶装置212は、表示ユニット214に地図を表示するための地図画像データや、経路を探索する際に用いる地図情報、道路リンク情報などが格納される。
【0047】
更に、記憶装置212は、サーバ装置SVに送信すべきクライアント情報を記憶する。記憶装置212が記憶するクライアント情報のうち、ナビゲーション装置NVが搭載された車両の車種、自動車登録番号に関する情報以外の現在位置、案内中の経路、速度等を示す情報は随時、制御部211により更新される。
【0048】
入力装置213は、タッチパネル、キーボード、マウス、その他のコントローラ等により構成され、利用者の入力操作を受け付けて、操作内容を示す操作信号を制御部211に送信する。
【0049】
表示ユニット214は、制御部211の制御下で各種表示データを表示する。表示ユニット214は、グラフィックスコントローラ214aと、VRAM(Video RAM)等のメモリからなるバッファメモリ214bと、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ214c等を備えて構成されている。この構成においてグラフィックスコントローラ214aは、バスライン215を介して制御部211から送られる制御データに基づいて、表示ユニット214全体の制御を行う。また、バッファメモリ214bは、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶する。そして、グラフィックスコントローラ214aから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ214cに画像が表示される。
【0050】
制御部211は、制御部211全体を制御するCPU211aと、制御部211を制御する制御プログラム等が予め記憶されているROM211bと、各種データを一時的に格納するRAM211cと、により構成されている。制御部211は、車速センサ221、角速度センサ222、加速度センサ223、舵角センサ224及びGPS受信部225と、バスライン215及び入出力インターフェース部220を介して接続されており、それぞれから出力される速度データ、角速度データ及び相対方位データ、舵角データ、GPS測位データ及び車両の進行方向の絶対方位データ、加速度データ等に基づいて、ナビゲーション装置NV全体の制御を行うとともに、表示ユニット214等の各種構成部材における夫々の動作を制御する。
【0051】
制御部211は、サーバ装置SVから渋滞吸収走行開始メッセージを受信すると、表示ユニット214のディスプレイ214cに渋滞吸収走行参加問合せ画面(図示しない)を表示させる。渋滞吸収走行参加問合せ画面では、「渋滞吸収走行しますか?」というメッセージを表示するとともに「参加」ボタンと「不参加」ボタンを表示する。そして、制御部211は、運転手により何れのボタンが選択されたかに応じて渋滞吸収走行すること、又は、渋滞吸収走行しないことを示す参加不参加メッセージをサーバSVに送信する。なお、制御部211は、「渋滞吸収走行しますか?」というメッセージをスピーカ(図示しない)から音声出力し、これに対して運転手の「はい」、又は「いいえ」という音声がマイク(図示しない)に入力されたことに基づいて、渋滞吸収走行すること、又は、渋滞吸収走行しないことを示す参加不参加メッセージをサーバSVに送信することとしてもよい。
【0052】
また、制御部211は、サーバ装置SVから識別情報を受信すると、識別情報に基づいて、
図3に示した俯瞰ウィンドウ502を表示・更新する。
【0053】
俯瞰ウィンドウ502には、受信した識別情報及び記憶装置212に記憶されている自車両の現在位置を示す情報に基づいて、自車両アイコン503、参加車両アイコン504、不参加車両アイコン505が配置された映像が表示される。具体的には、制御部211は、受信した識別情報に含まれる相対位置情報に基づいて、自車両アイコン503、参加車両アイコン504、不参加車両アイコン505の位置を決定する。更に、自車両に設置されている前方カメラ(図示しない)により撮影された画像に写る前方車両については、識別情報に含まれる外観情報(車両の種類、車両の外装色、車両に備え付けられたナンバープレート等の車両の外観を示す情報)に基づいて参加車両であるか不参加車両であるかを画像認識処理により特定することによって、より正確に表示することができる。なお、制御部211は、「一台前を走行している車両は参加車両です」といったメッセージや、「右車線の10m前方を走行している車両は不参加車両です」といったメッセージをスピーカ(図示しない)から音声出力することにより、運転者に対して参加車両と不参加車両を通知することとしてもよい。
【0054】
[3.渋滞緩和システムSの動作例]
次に、
図6のフローチャートを用いて、渋滞緩和システムSの動作例について説明する。なお、サーバ装置SVの記憶部312に記憶されている渋滞情報やクライアント情報は随時更新されるものとする。また、渋滞吸収走行開始メッセージを受信して新たに渋滞吸収走行ガイドを開始するナビゲーション装置NVと、渋滞吸収走行ガイド実行中のナビゲーション装置NVとを区別するために前者をナビゲーション装置NV1と表記し、後者をナビゲーション装置NV2と表記する。
【0055】
まず、サーバ装置SVの制御部311は、記憶部312に記憶されている渋滞情報に基づいて渋滞の発生を検知する(ステップS11A)。
【0056】
次に、制御部311は、記憶部312に記憶されているクライアント情報に含まれる案内中の経路及び現在位置を示す情報に基づいて、渋滞発生地点を通過する車両であって、渋滞発生地点から15km手前付近を走行している複数の車両を特定する(ステップS12A)。
【0057】
次に、制御部311は、ステップS12Aの処理で特定した複数の車両に渋滞吸収走行開始メッセージを送信する(ステップS13A)。
【0058】
一方、ナビゲーション装置NV1の制御部211は、渋滞吸収走行開始メッセージを受信すると(ステップS11B)、表示ユニット214のディスプレイ214cに渋滞吸収走行参加問合せ画面(図示しない)を表示させる(ステップS12B)。そして、制御部211は「参加」ボタンと「不参加」ボタンの何れのボタンが選択されるまで待機し(ステップS13B:NO)、「参加」ボタン又は「不参加」ボタンが選択されたことを検出すると(ステップS13B:YES)、参加不参加メッセージをサーバ装置SVに送信する(ステップS14B)。具体的には、制御部211は、「参加」ボタンが選択された場合には渋滞吸収走行することを示す参加不参加メッセージを送信し、「不参加」ボタンが選択された場合には渋滞吸収走行しないことを示す参加不参加メッセージを送信する。
【0059】
これに対して、サーバ装置SVの制御部311は、ナビゲーション装置NV1から参加不参加メッセージを受信すると(ステップS14A)、参加不参加メッセージに基づいてナビゲーション装置NV1を搭載する車両が渋滞吸収走行への参加車両であるか又は不参加車両であるかを判定する(ステップS15A)。次いで、制御部311は判定結果を記憶部312に記録する(ステップS16A)。この処理は、ナビゲーション装置NVから参加不参加メッセージを受信する度に行う。つまり、制御部311が、蓄積された記録を参照することにより、参加不参加メッセージを送信してきたナビゲーション装置NVを搭載する全車両について参加車両か不参加車両かを把握することができる。
【0060】
次に、制御部311は、ステップS14Aの処理で受信した参加不参加メッセージの送信元の車両が、参加車両であるか否かを判定する(ステップS17A)。このとき、制御部311は、参加車両でないと判定した場合には(ステップS17A:NO)、当該フローチャートにおける処理を終了する。一方、制御部311は、参加車両であると判定した場合には(ステップS17A:YES)、それまでに記憶部312に記録された判定結果(ステップS16A参照)に基づいて、識別情報をナビゲーション装置NV1に送信し(ステップS18A)、ステップS19の処理に移行する。つまり、制御部311は、ステップS13Aの処理で複数のナビゲーション装置NVに対して渋滞吸収走行開始メッセージを送信してから、ステップS14Aの処理でナビゲーション装置NV1から参加不参加メッセージを受信するまでの間に参加表明済みの車両を識別する識別情報をまとめてナビゲーション装置NV1に送信する。これにより、ナビゲーション装置NV1側では、何れの車両が参加表明済みの車両であるかを識別することができる。
【0061】
一方、ナビゲーション装置NV1の制御部211は、ステップS14Bの処理後、自車両が渋滞吸収走行に参加しない場合には(ステップS15B:NO)当該フローチャートにおける処理を終了する。一方、制御部311は、自車両が渋滞吸収走行に参加する場合には(ステップS15B:YES)、サーバ装置SVから識別情報を受信するのを待機しており、識別情報を受信すると(ステップS16B)、渋滞吸収走行ガイドを開始する(ステップS17B)。具体的には、制御部211は、表示ユニット214のディスプレイ214c内のメッセージウィンドウ501に、時速70km/hで走行すること、車間距離を40mとることを示すメッセージを表示し、俯瞰ウィンドウ502には、識別情報に基づいて自車両アイコン503、参加車両アイコン504及び不参加車両アイコン505を表示する。すなわち、その時点までに参加表明済みの車両が参加車両アイコン504で表される。
【0062】
他方、サーバ装置SVの制御部311は、ステップS19Aの処理において、それまでに参加を示す参加不参加メッセージを送信してきたナビゲーション装置NV(例えば、ナビゲーション装置NV2)に対して、ステップS14Aの処理で参加不参加メッセージを送信してきたナビゲーション装置NV1が搭載された車両が参加車両であることを示す識別情報を送信する(ステップS19A)。なお、制御部311は、ステップS12Aの処理で特定した各車両に搭載されるナビゲーション装置NVに対して識別情報を送信することとしてもよい。
【0063】
これに対して、ナビゲーション装置NV2(既に渋滞吸収走行ガイドを開始しているナビゲーション装置NV)の制御部211は、サーバ装置SVから識別情報を受信すると(ステップS31B)、俯瞰ウィンドウ502を更新し(ステップS32B)、当該フローチャートにおける処理を終了する。具体的には、制御部211は、既に表示中である俯瞰ウィンドウ502に、ステップS31Bの処理で受信した識別情報により参加車両であることが示される車両(新たに参加した車両)のアイコン(この時点では不参加車両アイコン505)が表示されている場合に、当該アイコンを参加車両アイコン504に更新する。
【0064】
以上説明したように、本実施例に係る車両(「移動体」の一例)とともに移動するナビゲーション装置NV(「端末装置」の一例)に接続するサーバ装置SV(「サーバ装置」の一例)は、制御部311(「取得手段」、「特定手段」、「送信手段」の一例)が、渋滞に関する渋滞情報を取得し、渋滞情報とナビゲーション装置NVの位置情報とに基づいて、渋滞発生地点を通過予定の複数の車両を特定し、当該特定した各車両とともに移動する各ナビゲーション装置NVに対して、当該特定した複数の車両同士で渋滞吸収走行することをナビゲーション装置NVとともに移動する車両の運転手に通知させる渋滞吸収走行開始メッセージ(「通知情報」の一例)を送信する。
【0065】
したがって、本実施例に係るサーバ装置SVによれば、渋滞発生地点を通過予定の複数の車両の運転手に渋滞吸収走行することが通知されることから、複数の車両がともに渋滞吸収走行をすることが実現され、延いては渋滞そのものの解消に要する時間を短縮することができる。
【0066】
また、本実施例に係るサーバ装置SVの制御部331(「判定情報取得手段」、「渋滞吸収走行移動体判定手段」、「識別情報送信手段」の一例)は、渋滞吸収走行開始メッセージを送信したナビゲーション装置NVから、ナビゲーション装置NVとともに移動する車両が渋滞吸収走行するか否かの判定に用いる参加不参加メッセージ(「判定情報」の一例)を取得し、当該取得した参加不参加メッセージに基づいて、渋滞吸収走行する車両を判定し、先に特定した(ステップS12A参照)各車両とともに移動する各ナビゲーション装置NVに対して、先に判定した(ステップS15A参照)渋滞吸収走行に参加する参加車両を識別する識別情報を送信する。一方、ナビゲーション装置NVの制御部211は、ナビゲーション装置NVとともに移動する車両の運転手に対して、受信した識別情報に基づいて識別した渋滞吸収走行する参加車両を俯瞰ウィンドウ502に表示する参加車両アイコン504により示して通知する。これにより、渋滞吸収走行する車両が何れの車両であるかを示す識別情報が各車両のナビゲーション装置NVに送信され、渋滞吸収走行する車両が運転手に通知されることから、運転手は何れの車両が渋滞吸収走行しているかを確認することができ、渋滞吸収走行する車両同士、集団で渋滞吸収走行しやすくなる。
【0067】
なお、本実施例では、高速道路上での交通渋滞について説明したが、一般道路上で発生する交通渋滞についても適用可能である。
【0068】
[4.変形例]
次に、上記実施例の変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例は適宜組み合わせることができる。
【0069】
[4.1.変形例1]
上記実施例では、サーバ装置SVの制御部311が渋滞発生地点から15km手前を走行している複数の車両を、集団での渋滞吸収走行を促す車両として特定する構成としたが、他の条件によって集団での渋滞吸収走行を促す車両を特定する構成としてもよい。例えば、渋滞発生地点への到着予想時刻が11分後である複数の車両を特定することとしてもよい。
【0070】
また、条件毎に渋滞吸収走行を促す車両を特定するための特定用情報を記憶部312に記憶させ、制御部311が特定用情報に基づいて、渋滞吸収走行を促す車両を特定する構成としてもよい。条件としては、渋滞発生場所の道路種別(高速道路か、又は、一般道路か)、渋滞頻出地点での渋滞か否か、渋滞発生地点までの距離、渋滞の規模(長さ)などが挙げられる。これらの条件毎に、「渋滞発生地点からpkm手前を走行している車両」、又は、「渋滞発生地点への到着予想時刻がq分後である車両」といった車両を特定するための情報を特定用情報としてもよい。
【0071】
[4.2.変形例2]
上記実施例では、渋滞発生地点から15km手前を走行している車両について集団での渋滞吸収走行を促すこととしたが、例えば、渋滞発生地点から20km手前を走行している車両と、渋滞発生地点から40km手前を走行している車両といったように、複数の集団を特定し、それぞれの集団毎に渋滞吸収走行を促してもよい。
【0072】
また、渋滞発生地点までの距離(どれだけ手前を走行しているか)、道路種別、渋滞の規模毎に、早期に渋滞を解消するために適した推奨すべき渋滞吸収走行の方法(推奨速度、推奨車間距離)が異なるので、それぞれの条件に応じた推奨速度、推奨車間距離を運転手に通知することとしてもよい。具体的には、道路種別、渋滞の規模、渋滞発生地点までの距離などに応じて、推奨速度、推奨車間距離を示す推奨情報を記憶部312に記憶させておき、制御部311が条件に応じて推奨速度、推奨車間距離を検出し、渋滞解消走行開始メッセージとともにナビゲーション装置NVに送信することとしてもよい。この場合、ナビゲーション装置NVはメッセージウィンドウ501等に推奨速度、推奨車間距離を表示させる。例えば、渋滞発生地点から20km手前を走行している車両については70km/hで車間距離を40mとって走行することをメッセージウィンドウ501に表示し、渋滞発生地点から40km手前を走行している車両については60km/hで車間距離を35mとって走行することをメッセージウィンドウ501に表示する。これにより、渋滞発生地点までの距離及び渋滞の長さといった状況に応じた、渋滞緩和に適した推奨速度、推奨車間距離を車両の運転手に通知することができる。
【0073】
[4.3.変形例3]
上記実施例では、サーバ装置SVの制御部311が、
図6のステップS15Aにおいて渋滞吸収走行に参加する車両であるか否かを、ナビゲーション装置NVからの参加不参加メッセージに基づいて判定していたが、これに代えて、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の速度の変化に基づいて判定することとしてもよい。具体的には、制御部311が、随時更新される記憶部312のクライアント情報に含まれる速度を示す情報を参照し、車両が速度を低下させたこと(例えば、100km/hから70km/hに減速させたこと)を検出した場合に当該車両を参加車両として判定する。また、制御部311は、車両の速度が基準速度以上(例えば、30km/h以上)速度を低下させた場合に当該車両を参加車両として判定することとしてもよい。この場合、クライアント情報に含まれる速度を示す情報の更新に用いられるナビゲーション装置NVからの情報は、車両が渋滞吸収走行するか否かの判定に用いる「判定情報」の一例となる。このように、車両の速度変化に基づいて参加車両であるか否かを判定することにより、運転手は、渋滞吸収走行に参加するか否かを回答しなくて済み、運転操作に集中することができ事故の予防につながる。
【0074】
[4.4.変形例4]
サーバ装置SVの制御部311は、渋滞が解消した場合に渋滞が解消したことを示す終了メッセージを、参加車両に搭載される全ナビゲーション装置NVに送信する構成としてもよい。このとき、ナビゲーション装置NVは、終了メッセージを受信した場合には、渋滞が解消したことを運転手に通知することとする。例えば、渋滞が終了したことを示すメッセージを表示ユニット214のディスプレイ214cに表示する。これにより、運転手は渋滞が解消されたことを認識することができる。
【0075】
また、制御部311が終了メッセージを送信する際には、集団内でより前方を走行している車両から順に送信することが好ましい。具体的には、制御部311は、渋滞が解消されたことを検出した場合に、クライアント情報に含まれる現在位置を示す情報(「位置情報」の一例)に基づいて、渋滞吸収走行開始メッセージを送信した複数のナビゲーション装置NVのうち、その時点で先方を走行している車両に搭載されているナビゲーション装置NVから順に、当該ナビゲーション装置NVを搭載する車両の運転手に渋滞が解消されたことを通知させる終了メッセージ(「渋滞解消通知情報」の一例)送信する。これにより、渋滞が解消したことを認識した運転手が急加速して、後方の車両が前方の車両を無理に追い越すような危険な状況が生じることを防止することができる。
【0076】
[4.5.変形例5]
上記実施例では、何れの車両が参加車両であるかを
図2に示す俯瞰ウィンドウ502内の参加車両アイコン504により表したが、これに代えて、例えば、車両設置されたカメラが撮影した画像を表示ユニット214のディスプレイ214cに表示することとし、カメラに映る渋滞吸収走行している車両に対して、渋滞吸収走行していることを示す情報を重畳して表示させる(例えば、移動体に色を付す、吹き出しを出す(吹き出しに「参加車両」と表示する))こととしてもよい。
【0077】
[4.6.変形例6]
上記実施例では、渋滞吸収走行ガイド中に、ナビゲーション装置NVの制御部311は、自車両の速度を検知し、70km/hより速い速度の場合に、速度を落とすことを指示するメッセージを表示したり、又は、自車両と前方の車両との車間距離を検知し、車間距離が40mより短い場合には、車間距離を広げることを指示するメッセージを表示したりすることとしたが、これらの指示をサーバ装置SVが行うこととしてもよい。具体的には、制御部311が、記憶部312に記録されている各参加車両のクライアント情報をモニタリングし、70km/hより速い速度の車両を検出した場合に、当該車両に搭載されているナビゲーション装置NVに対して、速度を低下させるように指示情報を送信することとする。また、クライアント情報に含まれる現在位置を示す情報に基づいて、それぞれの車両の車間距離を算出し、車間距離が40mより短い車両を検出した場合に、当該車両に搭載されているナビゲーション装置NVに対して、車間距離を広げるべきことを示す指示情報をナビゲーション装置NVに送信することとする。
【0078】
なお、渋滞の規模が変化した場合に、その変化に応じて指示情報を変更してもよい。例えば、渋滞の長さが2kmであったために70km/hで走行することを促した場合に、渋滞の長さが20kmに伸びたら50km/hで走行することを促すこととしてもよい。これにより、渋滞の規模の変化に応じて、最適な渋滞吸収走行の方法を渋滞吸収走行する運転手に提示することができる。