(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023126944
(43)【公開日】2023-09-12
(54)【発明の名称】ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン誘導体の新規な形態、その製剤およびその製造プロセス
(51)【国際特許分類】
C07D 519/00 20060101AFI20230905BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20230905BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20230905BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20230905BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
C07D519/00 311
C07D519/00 CSP
A61K31/519
A61K9/08
A61K9/14
A61P21/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023111544
(22)【出願日】2023-07-06
(62)【分割の表示】P 2021521006の分割
【原出願日】2019-10-18
(31)【優先権主張番号】18201564.4
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】マイアー,ローラント
(72)【発明者】
【氏名】シュヴィッター,ウルス
(72)【発明者】
【氏名】デ・ペップ,アンヌ
(72)【発明者】
【氏名】キュール,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】トゥーン,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】シュトヴァッサー,フランク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、薬学的に活性な化合物として有用な7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの固体形態および医薬組成物を提供する。
【解決手段】式(I)の化合物またはその塩の固体形態であって、前記固体形態が結晶多形A型である、固体形態。前記化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物であって、経口水溶液または経口水溶液の構成に適した乾燥粉末である、医薬組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
の化合物またはその塩の固体形態であって、前記固体形態が結晶多形A型である、固体形態。
【請求項2】
約8.3度の2シータ(±0.2)での回折角におけるXRPDピークと、11.4度の2シータ(±0.2)、15.1度の2シータ(±0.2)、15.9度の2シータ(±0.2)、17.0度の2シータ(±0.2)、24.0度の2シータ(±0.2)または25.6度の2シータ(±0.2)での少なくとも1つの追加のXRPDピークとを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の固体形態。
【請求項3】
約8.3度の2シータ(±0.2)および11.4度の2シータ(±0.2)での回折角におけるXRPDピークを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1~2のいずれか1項に記載の固体形態。
【請求項4】
約8.3度の2シータ(±0.2)および15.1度の2シータ(±0.2)での回折角におけるXRPDピークを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1~2のいずれか1項に記載の固体形態。
【請求項5】
約8.3度の2シータ(±0.2)および15.9度の2シータ(±0.2)での回折角におけるXRPDピークを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1~2のいずれか1項に記載の固体形態。
【請求項6】
約8.3度の2シータ(±0.2)および17.0度の2シータ(±0.2)での回折角におけるXRPDピークを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1~2のいずれか1項に記載の固体形態。
【請求項7】
約11.4度の2シータ(±0.2)、12.7度の2シータ(±0.2)、15.9度の2シータ(±0.2)、24.0度の2シータ(±0.2)、または25.6度の2シータ(±0.2)での回折角における少なくとも3つのXRPDピークを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の固体形態。
【請求項8】
約11.4度の2シータ(±0.2)、12.7度の2シータ(±0.2)、15.9度の2シータ(±0.2)、24.0度の2シータ(±0.2)、または25.6度の2シータ(±0.2)での回折角における少なくとも4つのXRPDピークを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1または7に記載の固体形態。
【請求項9】
約11.4度の2シータ(±0.2)、12.7度の2シータ(±0.2)、15.9度の2シータ(±0.2)、24.0度の2シータ(±0.2)および25.6度の2シータ(±0.2)での回折角における少なくとも5つのXRPDピークを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1または7に記載の固体形態。
【請求項10】
8.3(±0.2)度の2シータ、11.4(±0.2)度の2シータ、12.7(±0.2)度の2シータ、13.0(±0.2)度の2シータ、15.1(±0.2)度の2シータ、15.9(±0.2)度の2シータ、17.0(±0.2)度の2シータ、19.7(±0.2)度の2シータ、22.4(±0.2)度の2シータ、24.0(±0.2)度の2シータ、および25.6(±0.2)度の2シータでの回折角におけるXRPDピークを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の固体形態。
【請求項11】
約8.3度の2シータ(±0.2)での回折角におけるXRPDピークと、11.4度の2シータ(±0.2)、15.1度の2シータ(±0.2)、15.9度の2シータ(±0.2)、17.0度の2シータ(±0.2)、24.0度の2シータ(±0.2)または25.6度の2シータ(±0.2)での少なくとも2つの追加のXRPDピークとを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載の固体形態。
【請求項12】
約8.3度の2シータ(±0.2)での回折角におけるXRPDピークと、11.4度の2シータ(±0.2)、15.1度の2シータ(±0.2)、15.9度の2シータ(±0.2)、17.0度の2シータ(±0.2)、24.0度の2シータ(±0.2)または25.6度の2シータ(±0.2)での少なくとも2つの追加のXRPDピークとを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1、2または11のいずれか一項に記載の固体形態。
【請求項13】
約8.3度の2シータ(±0.2)での回折角におけるXRPDピークと、11.4度の2シータ(±0.2)、15.1度の2シータ(±0.2)、15.9度の2シータ(±0.2)、17.0度の2シータ(±0.2)、24.0度の2シータ(±0.2)または25.6度の2シータ(±0.2)での少なくとも3つ追加のXRPDピークとを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1、2または11~12のいずれか一項に記載の固体形態。
【請求項14】
約8.3度の2シータ(±0.2)での回折角におけるXRPDピークと、11.4度の2シータ(±0.2)、15.1度の2シータ(±0.2)、15.9度の2シータ(±0.2)、17.0度の2シータ(±0.2)、24.0度の2シータ(±0.2)または25.6度の2シータ(±0.2)での少なくとも4つの追加のXRPDピークとを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1、2または11~13のいずれか一項に記載の固体形態。
【請求項15】
約8.3度の2シータ(±0.2)での回折角におけるXRPDピークと、11.4度の2シータ(±0.2)、15.1度の2シータ(±0.2)、15.9度の2シータ(±0.2)、17.0度の2シータ(±0.2)、24.0度の2シータ(±0.2)または25.6度の2シータ(±0.2)での少なくとも5つの追加のXRPDピークとを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1、2または11~14のいずれか一項に記載の固体形態。
【請求項16】
表2に記載される回折角2シータにおけるXRPDピークを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の固体形態。
【請求項17】
前記XRPDがCuKα源から得られる、請求項1~16のいずれか一項に記載の固体形態。
【請求項18】
848(±2)cm-1、885(±2)cm-1、939(±2)cm-1、または1218(±2)cm-1の位置のうちの1つにおける少なくとも1つのピーク、具体的には848(±2)cm-1、885(±2)cm-1、939(±2)cm-1、または1218(±2)cm-1の位置における少なくとも2つのピーク、より具体的には848(±2)cm-1、885(±2)cm-1、939(±2)cm-1、または1218(±2)cm-1の位置における少なくとも2つのピーク、さらにより具体的には848(±2)cm-1、885(±2)cm-1、939(±2)cm-1、または1218(±2)cm-1の位置における少なくとも3つのピーク、最も具体的には、848(±2)cm-1、および885(±2)cm-1、939(±2)cm-1、および1218(±2)cm-1の位置における4つのピークを有する、IRスペクトルを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載の固体形態。
【請求項19】
213(±2)cm-1、257(±2)cm-1、1061(±2)cm-1、または1570(±2)cm-1の位置のうちの1つにおける少なくとも1つのピーク、具体的には213(±2)cm-1、257(±2)cm-1、1061(±2)cm-1、または1570(±2)cm-1の位置における少なくとも2つのピーク、より具体的には213(±2)cm-1、257(±2)cm-1、1061(±2)cm-1、または1570(±2)cm-1の位置における少なくとも2つのピーク、さらにより具体的には213(±2)cm-1、257(±2)cm-1、1061(±2)cm-1、または1570(±2)cm-1の位置における少なくとも3つのピーク、最も具体的には213(±2)cm-1、257(±2)cm-1、1061(±2)cm-1、または1570(±2)cm-1の位置における4つのピークを有するラマンスペクトルを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載の固体形態。
【請求項20】
10K/分の加熱速度でDSCを使用して測定した融点が298℃を超え、具体的には融点が299℃~301℃である、請求項1~19のいずれか一項に記載の固体形態。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物であって、前記組成物が、経口水溶液、または経口水溶液の構成に適した乾燥粉末である、医薬組成物。
【請求項22】
前記経口水溶液が、pH4未満、最も具体的にはpH3.0~pH3.2の間のpHを有する、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
クエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩の緩衝系、あるいは酒石酸をさらに含む、請求項21~22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
ラクトース、デンプン、加水分解デンプン、マルトデキストリン、微結晶性セルロース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、デキストロース、塩基性キシリトールおよびそれらの組み合わせから選択される顆粒外充填剤をさらに含む、請求項21~20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
ラクトース、デンプン、加水分解デンプン、マルトデキストリン、微結晶性セルロース、マンニトール、イソマルト、ソルビトール、スクロース、デキストロース、塩基性キシリトールおよびそれらの組み合わせから選択される希釈剤をさらに含む、請求項21~24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
ラクトース、デンプン、加水分解デンプン、微結晶性セルロース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、デキストロース、塩基性キシリトールおよびそれらの組み合わせから選択される希釈剤をさらに含む、請求項21~25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンE TPGS、パルミチン酸レチニル、セレン、システイン、メチオニン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、エデト酸二ナトリウム、ブチルヒドロキシルトルレン、リボフラビン、アスコルビン酸、およびそれらの組み合わせから選択される安定剤または酸化防止剤をさらに含む、請求項21~26のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項28】
アスコルビン酸から選択される酸化防止剤をさらに含む、請求項21~27のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項29】
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムから選択される安定剤をさらに含む、請求項21~28のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記組成物が、ポリ(エチレングリコール)から選択される滑沢剤をさらに含む、請求項21~29のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
1~10重量%のA型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物と、
2~15重量%、特に4~6重量%の緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系、または代替的に単独で酸性化剤として緩衝系に対応する酸、具体的には酒石酸と、
40~90重量%の希釈剤、具体的にはマンニトールまたはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトールと、
0.5~4重量%の酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸と、
0.2~2重量%の安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウムと、
0.5~2重量%の滑沢剤、具体的にはPEG6000と、
1~8重量%、特に1~4重量%の、ソルビン酸カリウムまたは安息香酸ナトリウムから選択される防腐剤と、
0~3重量%の甘味料、具体的にはスクラロースまたはサッカリンナトリウム、最も具体的にはスクラロースと、
0~20重量%の香料、具体的にはイチゴ香料またはバニラ香料と、を含み、
成分の総量が100重量%を超えない、成分の総量が100重量%を超えない、
請求項21~30のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
1~5重量%のA型またはD型、特にA型としての7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンと、
2~8重量%、特に4~6重量%の酒石酸塩緩衝系と、
第一の希釈剤としての60~75重量%のマンニトール、および第二の希釈剤としての10~15重量%のイソマルトと、
酸化防止剤としての0.5~1.5重量%のアスコルビン酸と、
安定剤としての0.25~0.75重量%のエデト酸二ナトリウムと、
滑沢剤としての0.5~2重量%のPEG6000と、
防腐剤としての1~8重量%、特に1~4重量%の安息香酸ナトリウムと、
甘味料としての0.5~1重量%のスクラロースと、
5~10重量%のイチゴ香料と、を含み、
成分の総量が100重量%を超えない、請求項21~31のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項33】
経口水溶液である、請求項21~32のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項34】
経口水溶液の構成に適した乾燥粉末である、請求項24~33のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項35】
請求項21~34のいずれか一項に記載の医薬組成物と、構成のための溶媒としての水とを含む、医薬組成物を調製するためのキット。
【請求項36】
請求項1~20のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、構成のための媒体としての粉末ブレンド、および場合により構成のための溶媒としての水を含む医薬組成物を調製するためのキット。
【請求項37】
前記粉末ブレンドが、
3~15重量%の緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸と、
40~90重量%、特に40~80重量%の希釈剤、具体的にはマンニトール、またはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトールと、
1~4重量%の酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸と、
0.2~2重量%の安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウムと、
0.5~2重量%の滑沢剤、具体的にはPEG6000と、
1~8重量%、特に1~4重量%の防腐剤、具体的には安息香酸ナトリウムと、
0~3重量%の甘味料、具体的にはスクラロースまたはサッカリンナトリウム、最も具体的にはスクラロースと、
0~20重量%の香料、具体的にはイチゴ香料またはバニラ香料と、を含み、
成分の総量が100重量%を超えない、請求項36に記載の、医薬組成物を調製するためのキット。
【請求項38】
SMN1遺伝子における不活性化突然変異もしくは欠失によって引き起こされ、かつ/またはSMN1遺伝子の機能の喪失もしくは欠陥に関連する疾患の処置、予防、進行遅延、および/または寛解のための、請求項21~34のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項39】
SMN1遺伝子における不活性化突然変異もしくは欠失によって引き起こされ、かつ/またはSMN1遺伝子の機能の喪失もしくは欠陥に関連する疾患の処置、予防、進行遅延、および/または寛解のための医薬品を調製するための、請求項21~34のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項40】
治療活性物質として使用するための、請求項21~34のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項41】
SMN1遺伝子の不活性化突然変異もしくは欠失によって引き起こされ、かつ/またはSMN1遺伝子機能の喪失もしくは欠損に関連する疾患の処置、予防、進行遅延、および/または寛解において、さらに前記疾患の病態生理学に関与する細胞を保護するために使用される、請求項21~34のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項42】
SMN1遺伝子の不活性化突然変異もしくは欠失によって引き起こされ、かつ/またはSMN1遺伝子機能の喪失もしくは欠損に関連する疾患の処置、予防、進行遅延、および/または寛解のための、さらに前記疾患の病態生理学に関与する細胞の保護のための方法であって、請求項21~34のいずれか一項に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む方法。
【請求項43】
本明細書で先に説明した通りの発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)
【化1】
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの化合物の結晶形態、それらの製造プロセス、それらの組成物および薬学的に活性な化合物としてのそれらの使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1】
図1は、A型としても知られる7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン結晶形態のX線粉末回折パターンを示す。
【
図2】
図2は、A型としても知られる7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン結晶形態のラマンスペクトルを示す。
【
図3】
図3は、A型としても知られる7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン結晶形態のIRスペクトルを示す。
【
図4】
図4は、D型としても知られる7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン結晶形態のX線粉末回折パターンを示す。
【
図5】
図5は、D型としても知られる7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン結晶形態のラマンスペクトルを示す。
【
図6】
図6は、D型としても知られる7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン結晶形態のIRスペクトルを示す。
【
図7】
図7は、B型としても知られる7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン結晶形態のX線粉末回折パターンを示す。
【
図8】
図8は、C型としても知られる7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン結晶形態のX線粉末回折パターンを示す。5~6°の2-シータのブロードな信号はカプトンホイルに起因する。
【
図9】
図9は、E型としても知られる7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン結晶形態のX線粉末回折パターンを示す。5~6°の2-シータのブロードな信号はカプトンホイルに起因する。
【
図10】
図10は、F型としても知られる7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン結晶形態のX線粉末回折パターンを示す。5~6°の2-シータのブロードな信号はカプトンホイルに起因する。
【
図11】
図11は、G型としても知られる7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン結晶形態のX線粉末回折パターンを示す。
【
図12】
図12は、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン塩酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【
図13】
図13は、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン酒石酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【
図14】
図14は、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンクエン酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0003】
本発明は、式(I)
【化2】
の化合物の結晶多形A型および結晶性水和物D型に関する。
【0004】
式(I)の化合物の結晶多形A型は、熱力学的に安定な多形である。
【0005】
式(I)の化合物の結晶性水和物D型は、高い水分活性条件下で得られる結晶形態である。
【0006】
別の態様において、本発明はまた、結晶多形A型を含有する組成物または医薬に関する。その用途も記載されている。そのような新規多形は、製造(製剤化)が容易である点で有利であるという特性を有すると共に、貯蔵性が向上し、および/または包装が容易であるという剤形安定性を有する。
【0007】
特に、A型は、D型と比較して化学的安定性が向上している。
【0008】
特に、A型は、D型と比較して、その濾過に関して改善された加工性を有する。この改善により、目的の化合物をより速く単離することが可能になり、環境に大きな影響を及ぼし得る溶媒を節約することができる。
【0009】
一実施形態では、式(I)の化合物、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの結晶多形A形は、約11.4度の2シータ、約12.7度の2シータ、約15.9度の2シータ、約24.0度の2シータ、または約25.6度の2シータの1以上に特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とする。一実施形態では、A型は、これらの特徴的なピークの2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つすべてを含む。例えば、A型は、約8.3度の2シータ、約11.4度の2シータ、約12.7度の2シータ、約13.0度の2シータ、約15.1度の2シータ、約15.9度の2シータ、約17.0度の2シータ、約19.7度の2シータ、約22.4度の2シータ、約24.0度の2シータ、約25.6度の2シータおよび/または約26.8度の2シータに特徴的なX線粉末回折パターンピークの組み合わせを含み得る。別の例では、約12.7度の2シータ、約24.0度の2シータ、および約25.6度の2シータに3つの特徴的なピークがあってもよく、これは第4のピークとさらに組み合わされてもよい。場合により、5つのピークすべてが存在してもよい。例えば、式(I)の化合物、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの結晶多形A形は、11.4±0.2度2シータ、12.7±0.2度の2シータ、15.9±0.2度の2シータ、24.0±0.2度の2シータ、または25.6±0.2度の2シータの1以上に特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とする。一実施形態では、A型は、これらのピークの2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つすべてを含む。例えば、A型は、8.3±0.2度の2シータおよび11.4±0.2度の2シータ、12.7±0.2度の2シータ、13.0±0.2度の2シータ、15.1±0.2度の2シータ、15.9±0.2度の2シータ、17.0±0.2度の2シータ、19.7±0.2度の2シータ、22.4±0.2および24.0±0.2度の2シータ、または25.6±0.2度の2シータおよび26.8±0.2度の2シータに特徴的なX線粉末回折パターンピークの組み合わせを含み得る。別の例では、12.7±0.2度の2シータ、24.0±0.2度の2シータ、および25.6±0.2度の2シータに3つの特徴的なピークがあってもよく、これはさらに第4のピークと組み合わされてもよい。任意選択で、5つのピークすべてが存在してもよい。さらなる実施形態では、A型は、約8.3度の2シータ(±0.2)での回折角におけるXRPDピーク、および11.4度の2シータ(±0.2)、15、1度の2シータ(±0.2)、15.9度の2シータ(±0.2)、17.0度の2シータ(±0.2)、24.0度の2シータ(±0.2)または25.6度の2シータ(±0.2)における少なくとも1つ、具体的には2つ、より具体的には3つ、さらにより具体的には4つ、さらにより具体的には5つ、最も具体的には6つの追加のXRPDピークを含む。別の実施形態では、A型は、約11.4度の2シータ(±0.2)、15.1度の2シータ(±0.2)および25.6度の2シータ(±0.2)における回折角におけるXRPDピークを含む。別の実施形態では、A型は、約15.1度の2シータ(±0.2)、17.0度の2シータ(±0.2)および25.6度の2シータ(±0.2)における回折角におけるXRPDピークを含む。別の実施形態では、A型は、約15.1度の2シータ(±0.2)、24.0度の2シータ(±0.2)および25.6度の2シータ(±0.2)における回折角におけるXRPDピークを含む。より特定の実施形態では、A型は、約8.3度の2シータ(±0.2)での回折角におけるXRPDピーク、および11.4度の2シータ(±0.2)、15.1度の2シータ(±0.2)、15.9度の2シータ(±0.2)、17.0度の2シータ(±0.2)、24.0度の2シータ(±0.2)または25.6度の2シータ(±0.2)での少なくとも1つ、具体的には2つ、より具体的には3つ、さらにより具体的には4つ、さらにより具体的には5つ、最も具体的には6つの追加のXRPDピークを含む。
【0010】
本発明の特定の実施形態は、
図1に示すX線粉末回折パターンを特徴とする、本明細書に記載の式Iの化合物の結晶多形A形に関する。
【0011】
本発明の特定の実施形態は、
図3に示す赤外スペクトルを特徴とする、本明細書に記載の式Iの化合物の結晶A型に関する。
【0012】
本発明の特定の実施形態は、
図2に示すラマンスペクトルを特徴とする、本明細書に記載の式Iの化合物の結晶A型に関する。
【0013】
別の実施形態では、式(I)の化合物、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの結晶多形A型は、10K/分の加熱速度および窒素流を用いてDSCによって測定した場合に、298℃超、具体的には298℃~302℃、さらに具体的には299℃~301℃の融点を有する。一実施形態では、式(I)の化合物、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの結晶多形A型は、無水、すなわち、結晶格子中に結合した水を含まず、非吸湿性からわずかに吸湿性(欧州薬局方による2%未満の吸水率)である。別の実施形態では、式(I)の化合物、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの結晶多形A型は、水および他の溶媒(特にエタノール<5000ppm;H2O<0.5重量%)を実質的に含まない。
【0014】
一実施形態では、本明細書で調製される式(I)の化合物、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの結晶多型A型は、少なくとも90%純粋、具体的には少なくとも95%純粋、より具体的には少なくとも97%純粋、さらにより具体的には少なくとも99%純粋、さらに具体的には少なくとも99.5%純粋、最も具体的には少なくとも99.7%純粋である。「純粋」とは、例えば、溶媒、有機不純物、または無機不純物を含む汚染物質を含有しないことを意味する。
【0015】
一実施形態では、式(I)の化合物、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの結晶性水和物D型は、約8.4度の2シータ、約12.8度の2シータ、約13.9度の2シータ、約19.9度の2シータ、約20.8度の2シータ、約22.0度の2シータ、約22.6度の2シータ、約23.5度の2シータ、約24.4度の2シータ、約25.3度の2シータ、約26.1度の2シータおよび約27.2度の2シータの1以上に特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とする。一実施形態では、D型は、これらの特徴的なピークの2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つすべてを含む。例えば、D型は、8.4度の2シータ、約12.8度の2シータ、約13.9度の2シータ、約19.9度の2シータ、約20.8度の2シータ、約22.0度の2シータ、約22.6度の2シータ、約23.5度の2シータ、約24.4度の2シータ、約25.3度の2シータ、約26.1度の2シータまたは約27.2度の2シータで選択されるX線粉末回折パターンの特徴的なピークの組み合わせを含み得る。別の例では、8.4±0.2度の2シータ、23.5±0.2度の2シータ、24.4±0.2度の2シータ、25.3±0.2度の2シータ、または27.2±0.2度の2シータに3つの特徴的なピークがあってもよく、さらに第4のピークが組み合わさってもよい。任意選択で、5つのピークすべてが存在してもよい。例えば、式(I)の化合物、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの結晶性水和物D型は、8.4±0.2度の2シータ、23.5±0.2度の2シータ、24.4±0.2度の2シータ、25.3±0.2度の2シータ、または27.2±0.2度の2シータのうちの1以上に特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とする。一実施形態では、D型は、これらのピークの2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つすべてを含む。例えば、D型は、8.4±0.2度の2シータ、12.8±0.2度の2シータ、13.9±0.2度の2シータ、19.9±0.2度の2シータ、20.8±0.2度の2シータ、22.0±0.2度の2シータ、22.6±0.2度の2シータ、23.5±0.2度の2シータ、24.4±0.2度の2シータ、25.3±0.2度の2シータ、もしくは26.1±0.2度の2シータ、および27.2±0.2度の2シータに特徴的なX線粉末回折パターンの組み合わせを含み得る。別の例では、23.5±0.2度の2シータ、24.4±0.2度の2シータ、および25.3±0.2度の2シータに3つの特徴的なピークがあってもよく、これはさらに第4のピークと組み合わせられてもよい。任意選択で、5つのピークすべてが存在してもよい。
【0016】
本発明の特定の実施形態は、
図4に示すX線粉末回折パターンを特徴とする、本明細書に記載の式Iの化合物の結晶性水和物D型に関する。
【0017】
本発明の特定の実施形態は、
図6に示す赤外スペクトルを特徴とする、本明細書に記載の式Iの化合物の結晶D型に関する。
【0018】
本発明の特定の実施形態は、
図5に示すラマンスペクトルを特徴とする、本明細書に記載の式(I)の化合物の結晶D型に関する。
【0019】
別の実施形態では、式(I)の化合物、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの結晶性水和物D型は、10K/分の加熱速度を用いた標準的な示差走査熱量測定(DSC)での実行において、約80℃~120℃の吸熱を示し、これは水和物水が喪失されたことを示す。式(I)の化合物、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの結晶性水和物D型は、三水和物である。
【0020】
一実施形態では、式(I)の化合物、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの結晶性水和物D型は、少なくとも90%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも97%純粋、約98%純粋である。さらなる実施形態では、式(I)の化合物、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの結晶性物D型は、最大1%の溶媒、特にエタノールおよび1-プロパノールを含有する。
【0021】
本出願は、式(I)
【化3】
の化合物の調製プロセスであって、
式(II)
【化4】
の化合物を、強酸、特にHClと反応させることを含むプロセスを開示する。HClが、1-プロパノールおよび塩化アセチルの存在下、インサイチューで生成される、本明細書に開示されるプロセス。
【0022】
特に、式(I)の化合物の調製は、アルコール、水性アルコール、酢酸エチル、酢酸1-プロピル、トルエン、アセトニトリル、THFまたはジクロロメタンなどの溶媒中で行われる。より好ましくは、式(I)の化合物の調製は、1-プロパノールおよびトルエンの存在下で行われる。
【0023】
さらに、本出願は、式(II)の化合物に対して3~15当量、より具体的には4~8当量、最も具体的には5当量の強酸が使用され、特に強酸がHClである、本明細書に記載のプロセスを開示する。
【0024】
特に、本出願は、反応が20℃~100℃、具体的には60℃~80℃、より具体的には75℃の温度で実施される、式(I)の化合物の調製のための上記のプロセスを開示する。
【0025】
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンは、国際公開第2015173181号に記載されているように貴重な医薬化合物である。同様に、国際公開第201573181号に従って調製することができる。
【0026】
本明細書の構造中の炭素、酸素、硫黄または窒素原子に現れる任意の開放原子価は、特に指示しない限り、水素の存在を示す。
【0027】
本出願はまた、以下のような、特定されているリジプラムのさらなる形態を開示する。
a)準安定多形としてのB型
b)一水和物としてのC型
c)三水和物としてのE型
d)水和物としてのF型
e)準安定多形としてのG型。
【0028】
本出願はまた、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの塩酸塩、酒石酸塩およびクエン酸塩などのリジプラムの塩を開示する。
特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される以下の用語は、以下に示される意味を有する。
【0029】
「約(about)」または「およそ(approximately)」は、記載された基準値よりも5%以内、大きいまたは小さい範囲値を指す。より具体的には、「約」または「およそ」は、±0.2℃2シータまたは±0.5℃を指す。
【0030】
「周囲条件」とは、標準的な実験室で経験される条件、例えば、大気圧、空気、18℃~28℃の周囲温度、30%rHから80%rHの湿度を指す。
【0031】
「式(I)の化合物」は、
【化5】
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンまたは7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-4H-ピリド[1,2a]ピリミジン-4-オンとしても知られる。式(I)の化合物は、リジプラム、RG7916またはRO7034067としても知られている。本明細書では、式(I)の化合物の名称または言及は互換的に使用することができる。
【0032】
本明細書で使用される場合、「A型」は、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの結晶性の無水多形A型を指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、「D型」は、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの結晶性水和物D型を指す。D型は、3モル当量の水を含有する。D型は、三水和物である。
【0034】
「(C1-C8)アルキル」は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチルおよびt-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルなどの分岐または直鎖炭化水素鎖を指す。「(C1-C3)アルキル」は、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルを指す。
【0035】
「アルコール」は、ベンジルアルコール、アミノエタノール、または1つまたは2つのヒドロキシ基で置換された、より具体的には1つのヒドロキシ基で置換された、上記で定義した(C1-8)アルキル(より具体的には(C1-C3)アルキル)を指す。アルコールの例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、プロピレングリコール、1-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、ベンジルアルコール、2-アミノエタノールおよびオクタノールが挙げられるが、これらに限定されない。具体的には、アルコールは、メタノール、エタノール、1-プロパノールまたはベンジルアルコール、最も具体的には1-プロパノールを指す。
【0036】
「周囲条件」とは、標準的な実験室で経験される条件、例えば、大気圧、空気、18℃~28℃の周囲温度、30%rHから80%rHの湿度を指す。
【0037】
「塩基」は、それと反応すると別の化合物を脱プロトン化する化合物を指す。本開示による使用に適した塩基としては、例えば、有機塩基および塩基性アルカリ金属塩が挙げられるが、これらに限定されない。特に、有機塩基としては、窒素含有複素環および第三級アミンが挙げられる。窒素含有複素環の例としては、ピリジン、イミダゾールおよびベンズイミダゾールが挙げられる。いくつかの実施形態では、第三級アミンとしては、トリエチルアミン、N-メチルモルホリンおよびジイソプロピルエチルアミンが挙げられる。いくつかの実施形態では、塩基性アルカリ金属塩としては、例えば、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、水酸化ナトリウム(NaOH)、ナトリウムおよびカリウムアルコキシド(ナトリウムおよびカリウムt-ブトキシド、1-プロポキシド、2-プロポキシド、エトキシド、メトキシドなどを含むがこれらに限定されない)、ナトリウムアミド(NaNH2)、カリウムアミド(KNH2)などが挙げられる。
【0038】
「結晶化」および「再結晶化」は、互換的に使用することができ、溶媒系に溶解または懸濁した化合物が、特定の化合物の安定な多形または結晶形態をもたらすプロセスを指す。例えば、結晶化ステップは、溶媒および貧溶媒を用いて結晶を形成することによって実施することができる。
【0039】
互換的に使用することができる「ハロ」、「ハロゲン」および「ハロゲン化物」という用語は、置換基フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを指す。
【0040】
「強酸」とは、2以下のpHの水溶液中で完全に解離する酸を指す。強酸としては、硫酸(H2SO4)、ハロゲン化水素酸(すなわち、X’’がI、Br、ClまたはFであるHX’’)、硝酸(HNO3)、リン酸(H3PO4)およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。具体的には、強酸は、XがBrまたはClであるハロゲン化水素酸である。最も具体的には、強酸はHClである。
【0041】
「ニッケル触媒」は、ニッケルもしくは酸化ニッケルまたはそれらの混合物を含む触媒を指す。ニッケル触媒の例は、ラネーニッケル触媒(Ra-Ni)である。
【0042】
「任意の(optional)」または「任意に(optionally)」という用語は、続いて記載される事象または状況が起こり得るが、起こる必要はないこと、およびその説明が、その事象または状況が起こる場合と、それが起こらない場合とを含むことを意味する。
【0043】
「パラジウム触媒」は、パラジウム0(Pd(0))の供給源である試薬を指す。Pd(0)の適切な供給源としては、パラジウムビス(ジベンジリデンアセトン)(Pd(dba)2)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(Pd(PPh3)2Cl2)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)、塩化パラジウム(PdCl2)、テトラキス(トリフェニル-ホスフィノ)パラジウム(Pd(PPh3)4)、1,2ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンパラジウム(Pd(dppe)2)、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)-プロパンパラジウム(Pd(dppp)2)、ジクロロ-1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)-プロパンパラジウム(PdCl2(dppp))、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンパラジウム、1,1-ビス(ジフェニルホスフィン)-フェロセンジクロロパラジウム(PdCl2(dppf))、パラジウム担持炭素、Pd(OH)2担持炭素、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd2(dba)3)、ビス(アセトニトリル)-パラジウム(II)ジクロリド(PdCl2(CH3CN)2)、シクロペンタジエニルアリルパラジウム、アリルパラジウム(II)クロリド二量体(Pd(アリル)Cl)2)、(2-ブテニル)クロロパラジウム二量体、(2-メチルアリル)パラジウム(II)クロリド二量体、パラジウム(1-フェニルアリル)クロリド二量体、ジ-μ-クロロビス[2’-(アミノ-N)[1,1’-ビフェニル]-2-イル-C]ジパラジウム(II)、ジ-μ-クロロビス[2-[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル-C,N]ジパラジウム(II)またはジクロロ[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン]パラジウム(Pd(XantPhos)Cl2)が挙げられるが、これらに限定されない。具体的には、パラジウム触媒は、Pd(OAc)2、Pd(PPh3)4、Pd(PPh3)2Cl2、Pd2(dba)3、(Pd(XantPhos)Cl2)またはPdCl2(dppf))を指す。より具体的には、パラジウム触媒は、Pd(OAc)2、Pd2(dba)3、(Pd(XantPhos)Cl2)またはPdCl2(dppf)である。
【0044】
「XRPD」は、X線粉末回折の分析方法を指す。角度値の再現性は、2シータ±0.2°の範囲内である。角度値と組み合わせて与えられる「約」という用語は、2シータ±0.2°の範囲内にある再現性を示す。相対的なXRPDピーク強度は、構造因子、温度因子、結晶化度、分極因子、多重度、およびローレンツ因子などの多くの因子に依存する。相対強度は、好ましい配向効果のために、測定ごとにかなり異なる可能性がある。USP941(米国薬局方、第37版、一般第941章)によれば、同じ材料の2つのサンプル間の相対強度は、「好ましい配向」効果のためにかなり変化する可能性がある。好ましい配向を採用する異方性材料は、例えばKocks U.F.ら(テクスチャおよび異方性:多結晶における好ましい配向および材料特性に対するそれらの効果、Cambridge University Press、2000)に記載されているように、弾性率、強度、延性、靭性、導電率、熱膨張などの特性の異方性分布をもたらす。XRPDだけでなくラマン分光法においても、好ましい配向は強度分布の変化を引き起こす。好ましい配向効果は、比較的粒径の大きい結晶性APIで特に顕著である。
【0045】
「特徴的なピーク」は、基準結晶形態(A型またはD型)として、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを最終的に同定するX線粉末回折ピークの存在を指す。典型的には、X線粉末回折分析は、STOE STADI P回折計(CuKα1放射線、一次モノクロメータ、シリコンストリップ検出器、角度範囲3~42度の2シータ、およそ30分の総測定時間)を用いて透過幾何形の周囲条件で実施される。試料(およそ10~50mg)を薄いポリマー膜の間に調製し、物質をさらに処理(例えば、粉砕またはふるい分け)することなく分析する。
【0046】
「多形」は、同じ化学組成を有するが、結晶を形成する分子、原子、および/またはイオンの異なる空間配置を有する結晶形態を指す。一般に、本明細書を通しての参照は、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの多形である。
【0047】
「溶媒和物」という用語は、本明細書では、式(I)の化合物と、化学量論量または非化学量論量の1以上の溶媒分子(例えば、エタノール)とを含む分子錯体を指す。
【0048】
「水和物」は、本明細書では、式(I)の化合物と、化学量論量または非化学量論量の水とを含む溶媒和物を指す。
【0049】
「薬学的に許容され得る賦形剤」、「薬学的に許容され得る担体」および「治療的に不活性な賦形剤」という用語は互換的に使用することができ、治療活性を有さず、投与される対象に対して非毒性である医薬組成物中の任意の薬学的に許容され得る成分、例えば、医薬品の製剤化に使用される崩壊剤、結合剤、充填剤、溶媒、緩衝剤、等張剤、安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、担体、希釈剤または滑沢剤を表す。
【0050】
「遷移金属水素化触媒」は、基材とは異なる相で作用する遷移金属水素化触媒を指す。特に、遷移金属水素化触媒は固相にある。特に、遷移金属水素化触媒が固相にある間、反応物は液相にある。遷移金属水素化触媒は、d軌道を不完全に満たしている1以上の安定イオンを形成する繊維金属(すなわち、Pd、Pt、Rh、Au、Ni、Co、Ru、Ir、V、Fe)、特にPd、Pt、RhまたはAuなどの貴金属を含む。これらの触媒では、遷移金属は特に「担持」されており、これは触媒が有効性を高める第2の材料上に分散されていることを意味する。「支持体」は、単に表面積を増大させるために金属が広げられた表面とすることができる。支持体は、表面積が大きい多孔質物質であり、最も一般的にはアルミナまたは様々な種類の炭素である。支持体のさらなる例としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪藻土および粘土が挙げられるが、これらに限定されない。他の支持体が存在しない場合、金属自体も支持体として作用することができる。より具体的には、「遷移金属水素化触媒」という用語には、ラネー触媒(例えば、Ra-Ni、Ra-Co、)Pd/C、Pd(OH)2/C、Au/TiO2、Rh/C、Ru/Al2O3、Ir/CaCO3、Pt-V/CまたはPt/C、特にPt-V/Cが含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
「第三級アミン」は、式RaN(Rb)Rc(式中、Ra、RbおよびRcは独立して、(C1-C6)アルキルまたはフェニルから選択される)のアミンを指す。代表的な例としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジエチル-メチルアミン、ジメチル-エチルアミン、ジ-イソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルアニリンおよびメチルエチルブチルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、第三級アミンは、トリエチルアミンまたはジ-イソプロピルエチルアミンから選択される。最も好ましい第三級アミンはトリエチルアミンである。
【0052】
交換可能に使用される「処理する」、「接触させる」または「反応させる」という用語は、2つ以上の化学物質(通常、試薬または反応体と呼ばれる)を、より具体的には適切な条件下で添加、一緒にするまたは混合して、示されたおよび/または所望の生成物を生成することを指す。示されたおよび/または所望の生成物を生成する反応は、最初に加えられた2つの試薬の組合せから必ずしも直接的に生じるわけではなく、すなわち、示されたおよび/または所望の生成物の形成を最終的にもたらす混合物中で生成される1つ以上の中間体が存在し得ることを理解されたい。
【0053】
「医薬品有効成分」(または「API」)という用語は、特定の生物学的活性を有する医薬組成物中の化合物または分子を表す。
【0054】
「医薬組成物」および「医薬製剤」(または「製剤」)という用語は互換的に使用され、治療有効量の活性医薬成分と、薬学的に許容され得る添加剤とを含み、治療を必要とする哺乳動物、例えばヒトに投与される混合物または溶液を意味する。
【0055】
「薬学的に許容され得る」という用語は、一般的に安全であり、無毒であり、かつ生物学的にもそうでなければ望ましくないこともなく、獣医学的およびヒト薬学的使用に許容され得る、医薬組成物を調製するのに有用な材料の性状を意味する。
【0056】
「薬学的に許容され得る賦形剤」、「薬学的に許容され得る担体」および「治療的に不活性な賦形剤」という用語は互換的に使用することができ、治療活性を有さず、投与される対象に対して非毒性である医薬組成物中の任意の薬学的に許容され得る成分、例えば、医薬品の製剤化に使用される崩壊剤、結合剤、充填剤、溶媒、緩衝剤、等張剤、安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、担体、希釈剤または滑沢剤を意味する。
【0057】
「個体」または「対象」という用語は、哺乳動物を指す。哺乳動物としては、飼い馴らされた動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、およびウマ)、霊長類(例えば、ヒト、およびサルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、およびげっ歯類(例えば、マウスおよびラット)が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、個体または対象は、ヒトである。
【0058】
用語「治療有効量」とは、対象に投与されると、(i)特定の疾患、状態、もしくは障害を処置もしくは予防する、(ii)特定の疾患、状態、もしくは障害のうちの1つ以上の症状を減衰、改善、もしくは排除する、または(iii)本明細書に記載の特定の疾患、状態、もしくは障害のうちの1つ以上の症状の発症を予防もしくは遅延させる、本発明の化合物または分子の量を意味する。治療有効量は、化合物、処置される病状、処置される疾患の重症度、対象の年齢および相対的な健康状態、投与の経路および形態、主治医または獣医師の判断、ならびにその他の要因に応じて異なる。
【0059】
病状を「処置する」または「処置」という用語は、病状を阻害すること、すなわち病状またはその病状の発生を停止させること、または病状を緩和すること、すなわち病状またはその臨床症状の一時的または永続的な退行を引き起こすことを含む。
【0060】
「脊髄性筋萎縮症」(またはSMA)という用語は、染色体上のSMN1遺伝子の両方の不活性化突然変異または欠失によって引き起こされ、SMN1遺伝子機能の喪失をもたらす疾患に関する。SMAの症状としては、筋力低下、不十分な筋緊張、弱い泣き声、弱い咳、跛行または浮き上がる傾向、吸引または嚥下困難、呼吸困難、肺または咽喉への分泌物の蓄積、手の汗ばみを伴うかためたこぶし、舌のちらつき/振動、横になったときでも頭が頻繁に片側に傾く、腕よりも弱い傾向がある脚、脚が頻繁に「カエル脚」の位置をとる、摂食困難、気道感染症に対する感受性の増加、腸/膀胱の衰弱、正常より低い体重、支えなしで座ることができないこと、歩行できないこと、這い上がることができないこと、および緊張低下、食欲不振、ならびに、前角細胞(anterior hom cells)喪失に関連する多発性先天性拘縮(関節拘縮症)が挙げられる。
【0061】
「脊髄性筋萎縮症(SMA)を処置する」または「脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置」という用語は、以下の効果の1つ以上を含む。(i)SMAの重症度の軽減もしくは回復;(ii)SMAの発現の遅延;(iii)SMAの進行の阻害;(iv)対象の入院加療の低減;(v)対象の入院期間の短縮;(vi)対象の生存の延長;(vii)対象の生活の質の改善;(viii)SMAに関連する症状の数の減少;(ix)SMAに関連する1つ以上症状の重症度の軽減もしくは回復;(x)SMAに関連する症状の持続期間の短縮;(xi)SMAに関連する状の再発予防;(xii)SMAの発症または発症の抑制;および/または(xiii)SMAに関連する症候の進行の阻害。
【0062】
より具体的には、「SMAを処置する」という用語は、以下の有益な効果のうちの1つ以上を意味する。(i)筋力低下の減少;(ii)筋力の増大;(iii)筋萎縮の低減;(iv)運動機能の損失の低減;(v)運動ニューロンの増加;(vii)運動ニューロンの喪失の低減;(viii)SMN欠損運動ニューロンの変性からの保護;(ix)運動機能の増大;(x)肺機能の増大;および/または(xi)肺機能の喪失の低減。
【0063】
さらに具体的には、「SMAを処置する」という用語は、ヒト乳児もしくはヒト幼児が補助を受けずに座ること、またはヒト乳児、ヒト幼児、ヒト小児もしくはヒト成人が補助を受けずに立ち上がること、補助を受けずに歩くこと、補助を受けずに走ること、補助を受けずに呼吸すること、補助を受けずに睡眠中に寝返りを打つこと、または補助を受けずに嚥下することの機能的能力または機能的能力の保持を指す。
【0064】
「薬学的に許容され得る担体」は、対象にとって非毒性である、医薬組成物中の有効成分以外の成分を指す。薬学的に許容され得る担体としては、緩衝液、賦形剤、安定剤、または防腐剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
「緩衝液」または「緩衝系」という用語は、医薬製剤のpHを安定化させる薬学的に許容され得る賦形剤または賦形剤混合物を意味する。適切な緩衝液は当技術分野で周知であり、文献に見出すことができる。特定の薬学的に許容され得る緩衝液は、クエン酸塩緩衝液、リンゴ酸塩緩衝液、マレイン酸塩緩衝液または酒石酸塩緩衝液、最も具体的には酒石酸塩緩衝液を含む。本発明の具体的な緩衝系は、有機酸とその選択された塩との組み合わせ、例えば三塩基性クエン酸ナトリウムとクエン酸、リンゴ酸とリンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウムと酒石酸、または酒石酸二ナトリウムと酒石酸、具体的には酒石酸ナトリウムカリウムと酒石酸を含む。あるいは、有機酸(具体的には酒石酸)は、酸と対応する塩との組み合わせの代わりに、「酸性化剤」として単独で使用してもよい。使用される緩衝液とは無関係に、pHは、当技術分野で公知の酸または塩基、例えば塩酸、酢酸、リン酸、硫酸およびクエン酸、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムで調整することができる。特定の酸性化剤は酒石酸である。
【0066】
「酸化防止剤」という用語は、活性医薬成分の酸化を防止する、薬学的に許容され得る賦形剤を意味する。酸化防止剤は、アスコルビン酸、グルタチオン、システイン、メチオニン、ビタミンETPGS、EDTAを含む。
【0067】
「界面活性剤」という用語は、タンパク質組成物を撹拌および剪断などの機械的ストレスから保護するために使用される薬学的に許容され得る賦形剤を意味する。薬学的に許容され得る界面活性剤の例としては、ポロキサマー、ポリソルベート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(BRIJ(登録商標))、アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル(TRITON(登録商標)-X)またはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が挙げられる。
【0068】
「ポロキサマー」という用語は、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)の2本の親水性鎖に隣接するポリ(プロピレンオキシド)(PPO)の中央の疎水性鎖で構成される非イオン性トリブロックコポリマーを意味し、各PPOまたはPEO鎖は異なる分子量であってもよい。ポロキサマーは、商品名Pluronicsとしても知られている。特定のポロキサマーは、ポロキサマー188であり、これは、PPO鎖の分子質量が1800g/molであり、PEO含有量が80重量%であるポロキサマーである。
【0069】
「ポリソルベート」という用語は、典型的にはエチレンオキシドと共重合したソルビトールのオレイン酸エステルおよびその無水物を意味する。特定のポリソルベートは、ポリソルベート20(ポリ(エチレンオキシド)(20)ソルビタンモノラウレート、TWEEN(登録商標)20)またはポリソルベート80(ポリ(エチレンオキシド)(80)ソルビタンモノラウレート、TWEEN(登録商標)80)である。
【0070】
「親水親油性バランス」(HLB)値は、非イオン性界面活性剤の親水性の程度を意味する。HLB値は、Griffin W.C.,Journal of the Society of Cosmetic Chemists(1949)1:311に記載されているように、界面活性剤分子の親水性部分の分子質量とその全分子質量との比によって決定される。
「親水性」という用語は、分子または分子の一部が極性溶媒、特に水、もしくは水素結合によって駆動される他の極性部分との相互作用、双極子-イオン相互作、および/または双極子-双極子相互作用をする分子または分子の一部の能力を意味する。
【0071】
「親油性」および「疎水性」という用語は互換的に使用することができ、ロンドン分散力によって駆動される脂肪、油、および非極性溶媒などの非極性環境において溶解する分子または分子の一部の傾向を意味する。
【0072】
本発明の医薬組成物による「mg/ml」という用語は、溶媒の体積当たりのミリグラムでの、具体的には溶媒が水、最も具体的にはミリリットルでの構成溶液中の精製水である場合の、製剤による式(I)の化合物または個々の賦形剤のいずれかの量を意味する。
【0073】
本出願は、式(II)
【化6】
の化合物の調製プロセスであって、
式(III)
【化7】
(式中、Xは、アルキルまたはアリールスルホネート((例えば、
3-,CH
3SO
3-,フェニルSO
3)、フッ素化アルキルスルホネートもしくはアリールスルホネート(例えば、CF
3SO
3、ノナフラート)、またはハロゲン化物(Cl、Br、またはIなど)である)の化合物を
式(III’)、(III
a’)または(III
b’)、特に式(III’)
【化8】
の化合物と、パラジウム触媒またはニッケル触媒の存在下、特にパラジウム触媒の存在下で反応させることを含むプロセスを開示する。
【0074】
より具体的には、本出願は、式(II)
【化9】
の化合物の調製プロセスであって、
式(III
a)
【化10】
の化合物を
式(III’)
【化11】
の化合物と、パラジウム触媒またはニッケル触媒の存在下、特に、塩基をさらに含むパラジウム触媒の存在下(具体的には、塩基がNa
2CO
3,K
2CO
3,Cs
2CO
3、KOAcまたはKOtBuであり、より具体的には、塩基がK
2CO
3である)で反応させることを含むプロセスを開示する。
【0075】
本出願は、式(II)
【化12】
の化合物の調製プロセスであって、
a)式(III’’)の化合物を、
【化13】
ビス(ピナコラート)ジボロンと反応させて、式(III’)
【化14】
の化合物を得る工程、
b)式(III)
【化15】
の化合物
(式中、Xは、アルキルスルホン酸もしくはアリールスルホン酸(例えば、pTolSO
3-、CH
3SO
3-、フェニル-SO
3-)、フッ素化アルキルスルホネートもしくはアリールスルホネート(例えば、CF
3SO
3、ノナフラート)、またはハロゲン化物(Cl、Br、もしくはIなど)である)、式(III’)、(III
a’)もしくは(III
b’)、
特に式(III’)
【化16】
の化合物とパラジウム触媒またはニッケル触媒の存在下、特にパラジウム触媒の存在下で反応させて、式(II)の化合物を得る工程
を含むプロセスを開示する。
【0076】
本出願は、式(II)
【化17】
の化合物の調製プロセスであって、
a)式(III’’)の化合物を、
【化18】
ビス(ピナコラート)ジボロンと反応させて、式(III’)の化合物を得る工程;
【化19】
b)式(III
a)の化合物を、
【化20】
式(III’)
【化21】
の化合物とパラジウム触媒またはニッケル触媒の存在下、特にパラジウム触媒の存在下で反応させて、式(II)の化合物を得る工程であって、式(III)または(III
a)の化合物を、式(III’),(III
a’)または(III
b’)の化合物、特に式(III’)の化合物と、パラジウム触媒またはニッケル触媒の存在下、特に本明細書で定義されるパラジウム触媒の存在下で、塩基(具体的には塩基がNa
2CO
3,K
2CO
3,Cs
2CO
3、KOAcまたはKOtBu、より具体的には塩基がK
2CO
3)の存在下で行われる工程
を含むプロセスを開示する。
【0077】
本出願は、式(III)
【化22】
の調製プロセスであって、
(式中、Xは、アルキルスルホン酸もしくはアリールスルホン酸(例えば、pTolSO
3-、CH
3SO
3-、フェニル-SO
3-)、フッ素化アルキルスルホン酸もしくはアリールスルホン酸(例えば、CF
3SO
3-、ノナフラート)、またはハロゲン化物(Cl、Br、またはIなどである)、式(IV)の化合物を、
【化23】
XがpTol-SO
3-である場合は塩化トシルと、XがCH
3SO
3-である場合は塩化メタンスルホニルと、XがCF
3SO
3-である場合は塩化トリフリルと、またはXがフェニル-SO
3-である場合は塩化フェニルスルホニルと、そして塩基(特に、塩基は有機塩基または塩基性アルカリ金属塩であり、より具体的には、塩基は窒素含有複素環、第三級アミンまたは塩基性アルカリ金属塩であり、最も具体的には、塩基は第三級アミンである)の存在下;
- XがClの場合はPOCl
3と;
- XがBrの場合はPOBr
3と;または
- XがIである場合
、Ph
3PI
2またはPOCl
3と、続いてNaIまたはCuIと反応させることを含むプロセスを開示する。
【0078】
本出願は、式(III
a)の化合物の調製プロセスであって、
【化24】
式(IV)の化合物を、
【化25】
塩化トシルと、塩基(特に、塩基は有機塩基または塩基性アルカリ金属塩であり、より具体的には、塩基は窒素含有複素環、第三級アミンまたは塩基性アルカリ金属塩であり、最も具体的には、塩基は第三級アミンである)の存在下で、反応させることを含むプロセスを開示する。
【0079】
本出願は、式(IV)
【化26】
の化合物の調製プロセスであって、
式(V)の化合物を、
【化27】
ジ-tert-ブチルマロネートと反応させることを含むプロセスを開示する。
【0080】
本出願は、式(IV)
【化28】
の化合物の調製プロセスであって、
a)式(VI)の化合物を、
【化29】
式(V)の化合物に還元させる工程、
【化30】
b)式(V)の化合物をマロン酸ジ-tert-ブチルと反応させて式(IV)の化合物を得る工程
を含むプロセスを開示する。
【0081】
本出願は、式(IV)
【化31】
の化合物の調製プロセスであって、
式(VI)の化合物を
【化32】
a)遷移金属水素化触媒と反応させて、式(V)の化合物を得る工程、
【化33】
b)式(V)の化合物をマロン酸ジ-tert-ブチルと反応させて式(IV)の化合物を得る工程
を含むプロセスを開示する。
【0082】
特に、式(V)の化合物をマロン酸ジ-tert-ブチルと反応させることを含む式(IV)の化合物の調製プロセスは、キシレン、ジクロロベンゼン、トルエンまたはアニソールの存在下、特にアニソールの存在下で行われる。
【0083】
より具体的には、遷移金属水素化触媒が、ラネー触媒(例えば、Ra-Ni、Ra-Co、)Pd/C、Pd(OH)2/C、Au/TiO2、Rh/C、Ru/Al2O3、Ir/CaCO3、Pt-V/CもしくはPt/Cまたはそれらの組み合わせ、特にPt-V/C、より具体的には活性炭上のPt1%およびV2%である式(IV)の化合物の調製。
【0084】
本出願は、式(VI)
【化34】
の化合物の調製であって、
式(VII)
【化35】
の化合物を
式(VIII)
【化36】
の化合物、またはその塩(特にシュウ酸塩)、(より具体的には式(III)の化合物の塩はtert-ブチル4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレートシュウ酸塩である)と反応させることを含む調製を開示する。
【0085】
特に、式(VI)の化合物の調製プロセスであって、塩化リチウム、ジメチルスルホキシドと、テトラメチルグアニジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンまたは1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)などの塩基、具体的にはテトラメチルグアニジンとの存在下、式(VII)の化合物を式(VIII)の化合物と反応させることを含むプロセス。
【0086】
さらなる実施形態では、本出願は、スキーム1による式(V)の化合物の調製を開示する。
【0087】
【0088】
特に、式(IX)の化合物は、触媒(例えば、Pd(PPh3)4、PdCl2、Pd(OAc)2、Pd2(dba)3、Pd(PPh3)2Cl2、PdCl2(dppf)、PdCl2(dppf)、CH2Cl2、PdCl2(dppp)、PdCl2(CH3CN)、シクロペンタジエニルアリルパラジウム、アリルパラジウム(II)クロリド二量体(Pd(アリル)Cl)2、(2-ブテニル)クロロパラジウム二量体、(2-メチルアリル)パラジウム(II)クロリド二量体、パラジウム(1-フェニルアリル)クロリド二量体、ジ-μ-クロロビス[2’-(アミノ-N)[1,1’-ビフェニル]-2-イル-C]ジパラジウム(II)、ジ-μ-クロロビス[2-[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル-C,N]ジパラジウム(II)、ジクロロ[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン]パラジウム(Pd(キサントホス)Cl2などであるが、これらに限定されない)の存在下、特にジクロロ[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン]パラジウムの存在下、そして塩基(例えば、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、KOtBu、NaOtBu((CH3)3CONa)またはKOAc;特にKOtBuなど)の存在下、特に2-メチルテトラヒドロフラン、THFまたはジオキサンの存在下、より具体的には2-メチルテトラヒドロフランの存在下、式(X)の化合物を式(VIII)の化合物と反応させることによって調製することができる。
【0089】
化合物(V)は、Pd(PPh3)4、PdCl2、Pd(OAc)2、Pd2(dba)3、Pd(PPh3)2Cl2、PdCl2(dppf)、PdCl2(dppf).CH2Cl2、PdCl2(dppp)、PdCl2(CH3CN)、シクロペンタジエニルアリルパラジウム、アリルパラジウム(II)クロリド二量体(Pd(アリル)Cl)2(2-ブテニル)クロロパラジウム二量体、(2-メチルアリル)パラジウム(II)クロリド二量体、パラジウム(1-フェニルアリル)クロリド二量体、ジ-μ-クロロビス[2’-(アミノ-N)[1,1’-ビフェニル]-2-イル-C]ジパラジウム(II)、ジ-μ-クロロビス[2-[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル-C,N]ジパラジウム(II)等の触媒の存在下、特にPd2(dba)3の存在下、そして、塩基(例えば、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、KOtBu、NaOtBu((CH3)3CONa)またはKOAc;特にKOtBu)およびt-BuBrettPhosの存在下、化合物(IX)とアンモニア(NH3)とを反応させることにより調製することができる。
【0090】
好ましくは、この工程はジオキサン中で行われる。
【0091】
式(V)の化合物は、スキーム2に従って調製することもできる。
スキーム2:
【化38】
【0092】
特に、式(V)の化合物は、触媒(例えば、Pd(PPh3)4、Pd(OAc)2、Pd2(dba)3、PdCl2、PdCl2(dppf)、PdCl2(dppf).CH2Cl2、PdCl2(dppp)、アリルパラジウム(II)クロリド二量体(Pd(アリル)Cl)2(2-ブテニル)クロロパラジウム二量体、(2-メチルアリル)パラジウム(II)クロリド二量体、パラジウム(1-フェニルアリル)クロリド二量体、ジ-μ-クロロビス[2’-(アミノ-N)[1,1’-ビフェニル]-2-イル-C]ジパラジウム(II)、ジ-μ-クロロビス[2-[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル-C,N]ジパラジウム(II))の存在下、特にアリルパラジウム(II)クロリド二量体(Pd(アリル)Cl)2またはパラジウム(1-フェニルアリル)クロリド二量体の存在下;そして配位子(例えば、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル(DavePhos)または2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル(tBuDavePhos)、特に:tBuDavePhos)および塩基(例えば、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、KOtBu、NaOtBu((CH3)3CONa)、KOAcまたはリチウム-ビス(トリメチルシリル)アミド;特にリチウム-ビス(トリメチルシリル)アミド、特にテトラヒドロフランの存在下、式(X)の化合物を式(VIII)の化合物と反応させることによって調製することができる。
【0093】
本発明は、エーテル様溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチル-メチル-エーテルまたはジブチルエーテル)、塩素化溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)または芳香族溶媒(例えば、アニソール、トルエンまたはt-ブチル-ベンゼン)などの有機溶媒の存在下で行われる。特に、態様1による式(I)の化合物の調製に使用される溶媒はトルエンである。
【0094】
反応は、特に不活性ガス雰囲気下、より具体的にはアルゴンまたは窒素下で行われる。
【0095】
本出願は、スキーム3による式(III’’)の化合物の調製プロセスを開示する。
【0096】
【0097】
特に、用途に応じて、式(XII)の化合物は、アルコール(例えば、メタノールまたはエタノール)などの溶媒の存在下、式(XIII)の化合物を1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(DBDMH)、N-ブロモ-スクシンイミドまたは臭素と、場合により酢酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムと反応させることによって調製される。さらに、(XI)の化合物は、式(XII)の化合物を、メチルマグネシウムクロリドもしくはブロミド、メチルボロン酸、メチルボレート、ジメチル亜鉛もしくはメチルリチウムと、場合により塩化亜鉛の存在下で反応させることによって、またはメチルテトラヒドロフランもしくはTHF中、触媒(例えば、Pd(PPh3)4、PdCl2、Pd(OAc)2、Pd2(dba)3、Pd(PPh3)2Cl2、PdCl2(dppf)、PdCl2(dppf).CH2Cl2、PdCl2(dppp)、シクロペンタジエニルアリルパラジウム、アリルパラジウム(II)クロリド二量体(Pd(アリル)Cl)2(2-ブテニル)クロロパラジウム二量体、(2-メチルアリル)パラジウム(II)クロリド二量体、パラジウム(1-フェニルアリル)クロリド二量体、ジ-μ-クロロビス[2’-(アミノ-N)[1,1’-ビフェニル]-2-イル-C]ジパラジウム(II)、ジ-μ-クロロビス[2-[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル-C,N]ジパラジウム(II)、ジクロロ[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン]パラジウム(Pd(XantPhos)Cl2))の存在下、特にPd(PPh3)4の存在下)の存在下でジメチル亜鉛と反応させることによって調製される。式(III’’)の化合物は、クロロアクテオンを第三級アミンおよび臭化ナトリウムの存在下で式(XI)の化合物と反応させることによって調製される。
【0098】
あるいは、式(III’’)の化合物は、国際公開第2015173181号に記載されているプロセスに従って調製することができる。
【0099】
さらに、本出願は、スキーム4による式(IIIa’)または(IIIb’)の化合物の調製プロセスを開示する。
【0100】
【0101】
本発明の特定の実施形態はまた、本明細書に記載のようにして得られた式(I)の化合物と、少なくとも1種の薬学的に許容され得る賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0102】
本発明のさらなる特定の実施形態はまた、治療活性物質として使用するための本明細書に記載のプロセスによって得られる式(I)の化合物に関する。
【0103】
A型の製造プロセス:
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンのA型は、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを高温(例えば、22℃超)、特に80℃でジオキサンに溶解することによって得ることができる。冷却すると、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンは、A型として自発的に結晶化した。
【0104】
あるいは、A型は、有機溶媒またはその混合物中で固体の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを長時間平衡化することにより得ることができる。特に、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを、エタノール、メチルエチルケトン、酢酸エチルまたはジオキサン中、周囲温度または高温(例えば22~65℃)で2~3週間懸濁させて、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンをA型として得ることができる。
【0105】
A型を得るために、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを、対応する塩酸塩として塩酸を用いて水に溶解する。この溶液を、高温(例えば、22℃超)、特に60~70℃、より具体的には60℃で、水酸化ナトリウム(加えた塩酸に対してモル過剰の水酸化ナトリウム)のエタノール溶液にゆっくりと加える。自発的結晶化の差異に、飽和溶液およびA型の結晶性固体を含む懸濁液、形成される。懸濁液を冷却し、フィルタにかけ、洗浄して塩化ナトリウムを除去し、高温下(例えば、22℃超、特に60℃)、減圧乾燥させる。固体A型を制御するために、懸濁液中の最終条件は、最大水濃度および最小温度を制御することによって制御する必要がある。
【0106】
あるいは、種結晶として使用されるA型の結晶を応用して、結晶化時にA型をさらに得ることができる。7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを、対応する塩酸塩として塩酸を用いて水に溶解することができる。この溶液の一部を、高温(20~70℃、具体的には60℃)で水酸化ナトリウム(加えた塩酸に対してモル過剰の水酸化ナトリウム)のエタノール溶液に加え添加し、このようにして生成された溶液にA型の結晶を添加する(乾燥結晶として、または有機溶媒、例えばエタノールに懸濁して)。懸濁液が形成される。残りの塩酸塩溶液を高温でゆっくり添加する。懸濁液を冷却し、フィルタにかけ、洗浄して塩化ナトリウムを除去し、高温(例えば、22℃超、特に60℃)で、減圧乾燥させる。固体のA型を制御するために、懸濁液中の最終条件は、最大水濃度および最小温度(例えば、40℃を超えるエタノール中12重量%以下の水)を制御することによって制御する必要がある。
【0107】
D型の調製プロセス:
D型は、水、または水を含有する有機溶媒中で固体の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを長時間平衡化することにより得ることができる。7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンは、水、または有機溶媒と水との混合物、特にエタノール/水混合物に懸濁することができる。特に、混合物を65℃の水中、またはエタノール/水中(20/80v/v)に、2~3週間平衡状態にしておくことにより、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンをD型として得ることができる。特に、混合物を22℃の水中、またはエタノール/水(20/80~50/50~80/20)中に、2~3週間平衡状態にしておくことにより、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンをD型として得ることができる。
【0108】
本発明の特定の実施形態は、
図1に示すX線粉末回折パターンを特徴とする、本明細書に記載の式Iの化合物の結晶A型に関する。
【0109】
本発明の特定の実施形態は、
図2に示すラマンスペクトルを特徴とする、本明細書に記載の式Iの化合物の結晶A型に関する。
【0110】
本発明の特定の実施形態は、
図3に示す赤外スペクトルを特徴とする、本明細書に記載の式Iの化合物の結晶A型に関する。
【0111】
本明細書に明示的に開示されるそれらの合成経路を有さない出発物質および試薬は、一般に商業的供給源から入手可能であるか、または当業者に周知の方法を使用して容易に調製される。
【0112】
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンは、純粋な化合物(多形)として種々の結晶構造で結晶化することが見出された。これらのうち、A型は、特に5℃~65℃で熱力学的に安定な多形である。
【0113】
別の態様では、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンは、含水化合物として種々の結晶構造で結晶化することが見出された。十分に高い水分活性を有するD型は、安定な水和形態である。
【0114】
別の実施形態では、本発明は、結晶A型またはD型の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0115】
特定の実施形態では、本発明は、約12.7°、15.9°、24.0°および25.6°(±0.2°)の回折角2シータにおけるピークを有するX線粉末回折パターン(XRPD)を特徴とする、多形A型の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0116】
特定の実施形態では、A型は、表2に示す回折角2シータにおけるXRPDピークを含むXRPD回折パターンを特徴とする。
【0117】
特定の実施形態では、A型は、
図1のXRPD特徴とする。
【0118】
表1は、A型の関連する結晶構造データを示す。
【0119】
格子定数、単位セル体積および密度計算値は、周囲温度データに基づく。
【0120】
【0121】
【0122】
特定の実施形態では、本発明は、848(±2)cm-1、885(±2)cm-1、939(±2)cm-1、または1218(±2)cm-1の位置のうちの1つにおける少なくとも1つのピークを含み、具体的には848(±2)cm-1、885(±2)cm-1、939(±2)cm-1、または1218(±2)cm-1の位置における少なくとも2つのピークを含み、より具体的には848(±2)cm-1、885(±2)cm-1、939(±2)cm-1、または1218(±2)cm-1の位置における少なくとも3つのピークを含み、最も具体的には848(±2)cm-1、885(±2)cm-1、939(±2)cm-1、および1218(±2)cm-1の位置における4つのピークを含む、赤外(IR)スペクトルを特徴とする多形A型の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0123】
さらなる実施形態では、A型は、表3に示される位置におけるIRピークを含むIRスペクトルを特徴とする。
【0124】
【0125】
本明細書に記載の発明によれば、iD5ATR付属品およびDTGS検出器を備えたThermo Nicolet iS5 FTIR分光計を使用して、試料調製なしでATR FTIRスペクトルを記録した。スペクトル範囲は4000cm-1~650cm-1であり、分解能2cm-1および少なくとも50回の同時付加走査が収集された。Happ-Genzelアポダイゼーションを適用した。
【0126】
特定の実施形態では、本発明は、213(±2)cm-1、257(±2)cm-1、1061(±2)cm-1、または1570(±2)cm-1のうちの位置の1つにおける少なくとも1つのピークを含み、具体的には213(±2)cm-1、257(±2)cm-1、1061(±2)cm-1、または1570(±2)cm-1の位置における少なくとも2つのピークを含み、より具体的には213(±2)cm-1、257(±2)cm-1、1061(±2)cm-1、または1570(±2)cm-1の位置における少なくとも2つのピークを含み、さらにより具体的には213(±2)cm-1、257(±2)cm-1、1061(±2)cm-1、または1570(±2)cm-1の位置における少なくとも3つのピークを含み、最も具体的には、213(±2)cm-1、257(±2)cm-1、1061(±2)cm-1、または1570(±2)cm-1の位置における4つのピークを含むラマンスペクトルを特徴とする多形A型の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0127】
さらなる実施形態において、A型は、表4に示される位置におけるラマンピークを含むラマンスペクトルを特徴とする。
【0128】
【0129】
本明細書に記載の発明によれば、FT-ラマンスペクトルは、NdYAG 1064nmレーザーおよび液体窒素冷却ゲルマニウム検出器を備えたBruker MultiRam FT-ラマン分光計を用いて4000~50cm-1のスペクトル範囲で収集された。サンプルのレーザー出力は約200mWであり、2cm-1の分解能を使用し、1024回または2048回のスキャンを同時に追加した。使用したアポダイゼーションは、Blackman-Harris 4-termであった。
【0130】
特定の実施形態では、本発明は、約8.4(±0.2)度の2シータ、23.5(±0.2)度の2シータ、24.4(±0.2)度の2シータ、および25.3(±0.2)度の2シータでの回折角におけるピークを有するXRPDを特徴とする、水和物D型の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0131】
特定の実施形態では、D型は、表5に示す回折角2-シータにおけるXRPDピークを含むXRPD回折パターンを特徴とする。
【0132】
特定の実施形態では、D型は、
図4のXRPD回折パターンを特徴とする。
【0133】
【0134】
特定の実施形態では、本発明は、800(±2)cm-1、1212(±2)cm-1、1349(±2)cm-1、または1577(±2)cm-1の位置のうちの1つにおける少なくとも1つのピークを含み、具体的には800(±2)cm-1、1212(±2)cm-1、1349(±2)cm-1、または1577(±2)cm-1の位置における少なくとも2つのピークを含み、より具体的には800(±2)cm-1、1212(±2)cm-1、1349(±2)cm-1、または1577(±2)cm-1の位置における少なくとも2つのピークを含む、さらにより具体的には800(±2)cm-1、1212(±2)cm-1、1349(±2)cm-1、または1577(±2)cm-1の位置における少なくとも3つのピークを含み、最も具体的には、800(±2)cm-1、1212(±2)cm-1、1349(±2)cm-1、または1577(±2)cm-1の位置における4つのピークを含む赤外(IR)スペクトルを特徴とする、水和物形態D型の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0135】
さらなる実施形態では、D型は、表6に示される位置におけるIRピークを含むIRスペクトルを特徴とする。
【0136】
【0137】
特定の実施形態では、本発明は、452(±2cm-1)、870(±2cm-1)、1311(±2cm-1)、または1578(±2cm-1)の位置のうちの1つにおける少なくとも1つのピークを含み、具体的には、452(±2cm-1)、870(±2cm-1)、1311(±2cm-1)または1578(±2cm-1)の位置における少なくとも2つのピークを含み、より具体的には、452(±2cm-1)、870(±2cm-1)、1311(±2cm-1)または1578(±2cm-1)の位置における少なくとも2つのピークを含み、さらにより具体的には、452(±2cm-1)、870(±2cm-1)、1311(±2cm-1)または1578(±2cm-1)の位置における少なくとも3つのピークを含み、最も具体的には、452(±2cm-1)、870(±2cm-1)、1311(±2cm-1)、または1578(±2cm-1)の位置における4つのピークを含むラマンスペクトルを特徴とする、水和形態D型の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0138】
さらなる実施形態では、D型は、表7に示される位置におけるラマンピークを含むラマンスペクトルを特徴とする。
【0139】
【0140】
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、特に7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンまたはその薬学的に許容され得る塩を、さらに具体的には7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンのA型を含む医薬組成物であって、該組成物がが、経口水溶液または経口水溶液の構成に適した乾燥粉末である組成物に関する。
【0141】
式(I)の化合物は、十分に高い薬物濃度を供給するために、pH4未満、具体的にはpH3.8未満、より具体的にはpH3.6未満、最も具体的にはpH3.0~pH3.2のpHの緩衝系、例えばクエン酸塩緩衝系、リンゴ酸塩緩衝系、マレイン酸塩緩衝系または酒石酸塩緩衝系、最も具体的には酒石酸塩緩衝系に原薬を溶解することによって経口水溶液として製剤化することができる。
【0142】
pHが低いことにより、製剤の保存効果が改善し、それによって本明細書に記載の本発明の化合物の濃度を最小化するのに役立つことがわかった。これは、一旦水溶液として再構成された製剤に言及している。
【0143】
式(I)の化合物の製剤の長期安定性は、経口溶液を構成するための乾燥粉末を調製し、または造粒化することによって達成することができる。緩衝系は、有機酸およびその塩、例えば、三塩基性クエン酸ナトリウムおよびクエン酸、リンゴ酸二ナトリウムおよびリンゴ酸、酒石酸ナトリウムカリウムおよび酒石酸、または酒石酸二ナトリウムおよび酒石酸、具体的には酒石酸ナトリウムカリウムおよび酒石酸を微粉末として選択することによって、乾燥製製剤に組み込むことができる。あるいは、有機酸(具体的には酒石酸)は、酸と対応する塩との組み合わせに代え、酸性化剤として単独で使用することができる。
【0144】
式(I)の化合物を含む粉末または顆粒は、ソルビトール、イソマルト、または具体的にはマンニトール、およびそれらの組み合わせなどの希釈剤を含んでもよく、これにより、経口溶液の構成の再に粉末ブレンドの迅速な溶解が確実になる。充填剤の導入において、粉末ブレンドは、流動性を改善し、堅牢な均一性を確保するために、乾式圧縮によって造粒することができる。
【0145】
式(I)の化合物の溶媒系を構成するための成分は、別個の製剤として製剤化することができる。構成された溶媒は、経口溶液の使用期間の開始時に式(I)の化合物を瓶に溶解するために使用することができる。
【0146】
本発明の特定の実施形態は、経口溶液を構成するための粉末形態の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物に関する。
【0147】
本発明の特定の実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物は、経口ディスペンサを使用するためのアダプタを備えた多用量瓶に充填される。経口ディスペンサを使用するためのアダプタを備えたそのような多用量瓶は、投与の柔軟性を高めることができ、例えば体重によって投与量を調整することができるようになり、安全かつ便利な用量投与を提供することが判明した。
【0148】
本発明の特定の実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物は、ローラー圧縮により乾式造粒によって調製され、次いで瓶に充填される。そのような加工は、分離を防止するために(具体的には水溶性充填剤にとって)有益であることが判明した。
【0149】
本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物であって、経口水溶液または経口水溶液の構成に適した乾燥粉末である医薬組成物に関する。
【0150】
本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物であって、エアロゾルを含まない経口水溶液または経口水溶液の構成に適した乾燥粉末である医薬組成物に関する。
【0151】
本発明の特定の実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物はエアロゾルではない。
【0152】
本発明の特定の実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物は、等張化剤、例えば塩化ナトリウムなどの塩を含まない。
【0153】
本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物であって、経口水溶液、または経口水溶液の構成に適した乾燥粉末であり、経口水溶液は、pH4未満、具体的にはpH3.8未満、より具体的にはpH3.6未満、最も具体的にはpH3.0~pH3.2のpHを有する医薬組成物に関する。
【0154】
本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と、クエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩または酒石酸塩緩衝系、具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩緩衝系、最も具体的には酒石酸塩緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸とを含む医薬組成物であって、経口水溶液または経口水溶液の構成に適した乾燥粉末である医薬組成物に関する。
【0155】
本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物であって、経口水溶液である医薬組成物に関する。
【0156】
本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物であって、pH4未満、具体的にはpH3.8未満、より具体的にはpH3.6未満、最も具体的にはpH3.0~pH3.2のpHの緩衝系における経口水溶液である医薬組成物に関する。
【0157】
本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物であって、クエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩または酒石酸塩緩衝系、具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩緩衝系、最も具体的には酒石酸塩緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸とを含む医薬組成物であって、経口水溶液である医薬組成物に関する。
【0158】
本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物であって、経口水溶液の構成に適した乾燥粉末である医薬組成物に関する。
【0159】
本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物であって、pH4未満、具体的にはpH3.8未満、より具体的にはpH3.6未満、最も具体的にはpH3.0~pH3.2のpHの緩衝系における、経口水溶液の構成に適した緩衝系を含む乾燥粉末である医薬組成物に関する。
【0160】
本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物であって、クエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩または酒石酸塩緩衝系、具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩緩衝系、最も具体的には酒石酸塩緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸とを含む医薬組成物であって、経口水溶液の構成に適している乾燥粉末である医薬組成物に関する。
【0161】
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物は、場合により、ラクトース、デンプン、加水分解デンプン、マルトデキストリン、微結晶性セルロース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、デキストロース、塩基性キシリトールまたはそれらの組み合わせなどの顆粒外充填剤をさらに含む。
【0162】
本発明の特定の実施形態では、顆粒外充填剤は、ソルビトール、イソマルト、マンニトール、またはそれらの組み合わせ、具体的にはマンニトール、より具体的には結晶性マンニトール、最も具体的には平均直径160μmの結晶性マンニトール(Pearlitol(登録商標)160C)である。
【0163】
希釈剤の導入では、流動性を改善し、堅牢な均一性を確保するために、粉末ブレンドを乾式圧縮によって造粒することができる。
【0164】
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物は、場合により、ラクトース、デンプン、加水分解デンプン、マルトデキストリン、微結晶性セルロース、マンニトール、イソマルト(E953,(2ξ)-6-O-α-D-グルコピラノシル-D-アラビノ-ヘキシトール)、ソルビトール、スクロース、デキストロース、キシリトール塩基性またはそれらの組み合わせなどの希釈剤をさらに含む。
【0165】
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物は、場合により、ラクトース、デンプン、加水分解デンプン、微結晶性セルロース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、デキストロース、塩基性キシリトールまたはそれらの組み合わせなどの希釈剤をさらに含む。
【0166】
本発明の特定の実施形態では、希釈剤はマンニトール、具体的には、直接圧縮に適したD-マンニトール、例えばParteck(登録商標)M100である。
【0167】
本発明の特定の実施形態では、希釈剤は、マンニトールおよびイソマルトの混合物、具体的にはD-マンニトールおよび(2ξ)-6-O-α-D-グルコピラノシル-D-アラビノ-ヘキシトールである。
【0168】
第2の希釈剤としてのイソマルトは、本発明の発明者らによって、顆粒特性を改善することが見出された。
【0169】
緩衝液中の式(I)の化合物の構成された経口溶液は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンETPGS、パルミチン酸レチニル、セレン、システイン、メチオニン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、エデト酸二ナトリウム、ブチルヒドロキシルトルオール、リボフラビン、アスコルビン酸、またはそれらの組み合わせなどの保存剤、安定剤および酸化防止剤の使用によって2週間を超える使用時間を提供することができる。
【0170】
緩衝液中の式(I)の化合物の構成された経口溶液は、ビタミンE TPGS、エデト酸二ナトリウム、ブチルヒドロキシルトルエン、リボフラビン、アスコルビン酸、またはそれらの組み合わせなどの保存剤、安定剤および酸化防止剤の使用によって2週間を超える使用時間を提供することができる。
【0171】
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物は、場合によりさらに、ビタミンE TPGS(D-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(エデト酸二ナトリウム、Na2EDTA)、ブチルヒドロキシルトルエン、リボフラビン、アスコルビン酸、またはそれらの組み合わせなどの保存剤、酸化防止剤および/または安定剤を含む。防腐剤、酸化防止剤および/または安定剤は、多用量容器での使用時間の延長、または使用中の期間にわたって溶液中の薬物安定性を改善するのに有益であり得ることが判明した。
【0172】
本発明の特定の実施形態では、防腐剤は、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸または安息香酸ナトリウム(E211)、具体的には安息香酸ナトリウムである。
【0173】
本発明の特定の実施形態では、酸化防止剤はアスコルビン酸((5R)-[(1S)-1,2-ジヒドロキシエチル]-3,4-ジヒドロキシフラン-2(5H)-オン)である。
【0174】
本発明の特定の実施形態では、安定剤はエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(エデト酸二ナトリウム、Na2EDTA)である。
【0175】
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物は、場合により滑沢剤をさらに含む。滑沢剤は、ローラー圧縮のための加工助剤として使用できることが見出されている。また、PEG等の水溶性成分には、外観の許容性を確保するために滑沢剤を使用することができる。
【0176】
本発明の特定の実施形態では、滑沢剤は、ポリ(エチレングリコール)、具体的には数平均モル質量Mnが6,000であるポリ(エチレングリコール)(PEG6000)である。
【0177】
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物は、場合により、嗜好性を改善するために甘味料および/または香料をさらに含む。
【0178】
本発明の特定の実施形態では、香料はイチゴ香料またはバニラ香料である。
【0179】
本発明の特定の実施形態では、甘味料はスクラロース(1,6-ジクロロ-1,6-ジデオキシ-β-D-フルクトフラノシル-4-クロロ-4-デオキシ-α-D-ガラクトピラノシド、E955)またはサッカリンナトリウムである。
【0180】
本発明の特定の実施形態では、式(I)の化合物は、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンである。
【0181】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● 式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩;および
● クエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸を含む。
【0182】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● 式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩;
● 緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;および
● 希釈剤、具体的にはマンニトール、またはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトールを含む。
【0183】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● 式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩;および
● 希釈剤、具体的にはマンニトール、またはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトールを含む。
【0184】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● 式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩;
● 緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;および
● 安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウムを含む。
【0185】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● 式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩;
● 緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 希釈剤、具体的にはマンニトール、またはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトール;
● 酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;および
● 安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウムを含む。
【0186】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● 式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩;
● 緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 希釈剤、具体的にはマンニトール、またはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトール;
● 酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;
● 安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウム;および
● 滑沢剤、具体的にはPEG6000を含む。
【0187】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● 式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩;
● 緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 希釈剤、具体的にはマンニトール、またはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトール;
● 酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;
● 安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウム;および
● 滑沢剤、具体的にはPEG6000を含む。
【0188】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● A型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物;
● 緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 希釈剤、具体的にはマンニトール、またはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトール;
● 酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;
● 安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウム;
● 滑沢剤、具体的にはPEG6000;
● 場合により甘味料、具体的にはスクラロースまたはサッカリンナトリウム、最も具体的にはスクラロース;および
● 場合により香料、具体的にはイチゴ香料またはバニラ香料を含む。
【0189】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● A型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物;
● 緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 希釈剤、具体的にはマンニトール、またはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトール;
● 酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;
● 安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウム;
● 滑沢剤、具体的にはPEG6000;
● ソルビン酸または安息香酸ナトリウムから選択される防腐剤;
● 場合により甘味料、具体的にはスクラロースまたはサッカリンナトリウム、最も具体的にはスクラロース;および
● 場合により香味料、具体的にはイチゴ香味料またはバニラ香味料を含む。
【0190】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● A型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物;
● 緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 希釈剤、具体的にはマンニトール、またはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトール;
● 酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;
● 安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウム;
● 滑沢剤、具体的にはPEG6000;
● ソルビン酸カリウムまたは安息香酸ナトリウムから選択される防腐剤;
● 場合により甘味料、具体的にはスクラロースまたはサッカリンナトリウム、最も具体的にはスクラロース;および
● 場合により香味料、具体的にはイチゴ香味料またはバニラ香味料と、を含む。
【0191】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● 1~10重量%のA型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物;
● 2~15重量%、特に4~6重量%の緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 40~90重量%の希釈剤、具体的にはマンニトールまたはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトール;
● 0.5~4重量%の酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;
● 0.2~2重量%の安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウム;
● 0.5~2重量%の滑沢剤、具体的にはPEG6000;
● 1~8重量%、特に1~4重量%の、ソルビン酸カリウムまたは安息香酸ナトリウムから選択される防腐剤;
● 0~3重量%の甘味料、具体的にはスクラロースまたはサッカリンナトリウム、最も具体的にはスクラロース;および
● 0~20重量%の香料、具体的にはイチゴ香料またはバニラ香料と、を含み、
成分の総量が100重量%を超えない。
【0192】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● 1~10重量%のA型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物;
● 2~15重量%の緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 40~80重量%の希釈剤、具体的にはマンニトールまたはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトール;
● 0.5~4重量%の酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;
● 0.2~2重量%の安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウム;
● 0.5~2重量%の滑沢剤、具体的にはPEG6000;
● 0~3重量%の甘味料、具体的にはスクラロースまたはサッカリンナトリウム、最も具体的にはスクラロース;および
● 0~20重量%香料、具体的にはイチゴ香料またはバニラ香料を含み、
成分の総量が100重量%を超えない。
【0193】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● 1~10重量%のA型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物;
● 2~15重量%、特に4~6重量%の緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 40~80重量%の希釈剤、具体的にはマンニトールまたはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトール;
● 0.5~4重量%の酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;
● 0.2~2重量%の安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウム;
● 0.5~2重量%の滑沢剤、具体的にはPEG6000;
● 1~8重量%、特に1~4重量%の、ソルビン酸カリウムまたは安息香酸ナトリウムから選択される防腐剤;
● 0~3重量%の甘味料、具体的にはスクラロースまたはサッカリンナトリウム、最も具体的にはスクラロース;および
● 0~20重量%の香料、具体的にはイチゴ香料またはバニラ香料を含み;
成分の総量が100重量%を超えない。
【0194】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● 1~10重量%のA型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物;
● 2~15重量%、特に4~6重量%の緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 40~80重量%の希釈剤、具体的にはマンニトールまたはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトール;
● 0.5~4重量%の酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;
● 0.2~2重量%の安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウム;
● 0.5~2重量%の滑沢剤、具体的にはPEG6000;
● 1~8重量%、特に1~4重量%の、ソルビン酸または安息香酸ナトリウムから選択される防腐剤;
● 0~3重量%の甘味料、具体的にはスクラロースまたはサッカリンナトリウム、最も具体的にはスクラロース;および
● 0~20重量%の香料、具体的にはイチゴ香料またはバニラ香料を含み;
成分の総量が100重量%を超えない。
【0195】
本発明の特定の実施形態では、溶媒としての水(80ml)中で構成した後の医薬組成物は、
● 0.25~2.5mg/ml、特に0.25~0.5mg/mlのA型の式(I)の化合物;
● 0.5~3.8mg/ml、特に0.9~1.4mg/mlの緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 10.0~22.5mg/ml、特に18.0~22.0mg/mlの希釈剤、具体的にはマンニトールまたはマンニトールとイソマルトの混合物、より具体的にはマンニトール;
● 0.1~1.0mg/ml、特に0.15~0.5mg/mlの酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;
● 0.05~1.0mg/ml、特に0.05~0.5mg/mlの安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウム;
● 0.1~0.5mg/ml、特に0.2~0.3mg/mlの滑沢剤、具体的にはPEG6000;
● 0.3~1.0mg/ml、特に0.3~0.5mg/mlの、ソルビン酸または安息香酸ナトリウムから選択される防腐剤;
● 0.0~0.75mg/ml、特に0.1~0.4mg/mlの甘味料、具体的にはスクラロースまたはサッカリンナトリウム、最も具体的にはスクラロース;および
● 0.0~5.0mg/ml、特に1.0~2.1mg/mlの香料、具体的にはイチゴ香料またはバニラ香料を含む。
【0196】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● 1~5重量%のA型またはD型、特にA型としての7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン;
● 2~8重量%の酒石酸塩緩衝系;
● 第一の希釈剤としての60~75重量%のマンニトール、および第二の希釈剤としての8~10重量%のイソマルト;
● 酸化防止剤としての0.5~1.5重量%のアスコルビン酸;
● 安定剤としての0.25~0.75重量%のエデト酸二ナトリウム;
● 滑沢剤としての0.5~2重量%のPEG6000;
● 甘味料としての0.5~1重量%のスクラロース;および
● 5~10重量%のイチゴ香料を含み;
成分の総量が100重量%を超えない。
【0197】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● 1~5重量%のA型またはD型、特にA型としての7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン;
● 2~8重量%、特に4~6重量%の酒石酸塩緩衝系;
● 第一の希釈剤としての60~75重量%のマンニトール、および第二の希釈剤としての10~15重量%のイソマルト;
● 酸化防止剤としての0.5~1.5重量%のアスコルビン酸;
● 安定剤としての0.25~0.75重量%のエデト酸二ナトリウム;
● 滑沢剤としての0.5~2重量%のPEG6000;
● 防腐剤としての1~8重量%、特に1~4重量%の安息香酸ナトリウム;
● 甘味料としての0.5~1重量%のスクラロース;および
● 5~10重量%のイチゴ香料を含み;
成分の総量が100重量%を超えない。
【0198】
本発明の特定の実施形態では、溶媒としての水(80ml)中で構成した後の医薬組成物は、
● 0.25~1.25mg/ml、特に0.25~0.5mg/mlのA型またはD型、特にA型としての7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン;
● 0.5~2.0mg/ml、特に0.9~1.4mg/mlの酒石酸塩緩衝系;
● 第一の希釈剤としての15.0~18.75mg/mlのマンニトール、および第二の希釈剤としての2.0~3.75mg/mlのイソマルト;
● 酸化防止剤としての0.18~0.53mg/mlのアスコルビン酸;
● 安定剤としての0.05~0.15mg/mlのエデト酸二ナトリウム;
● 滑沢剤としての0.1~0.5mg/ml、特に0.2~0.3mg/mlのPEG6000;
● 防腐剤としての0.3~0.8mg/mlの安息香酸ナトリウム;
● 甘味料としての0.13~0.25mg/mlのスクラロース;および
● 1.25~2.5mg/mlのイチゴ香料を含む。
【0199】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、
● 1~5重量%のA型としての7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン;
● 2~8重量%、特に4~6重量%の酒石酸;
● 60~75重量%のマンニトール、および8~10重量%のイソマルト;
● 0.5~1.5重量%のアスコルビン酸;
● 0.25~0.75重量%のエデト酸二ナトリウム;
● 滑沢剤としての0.5~2重量%のPEG6000;
● 1~8重量%、特に1~4重量%の安息香酸ナトリウム;
● 0.5~1重量%のスクラロース;および
● 5~10重量%のイチゴ香料を含み;
成分の総量が100重量%を超えない。
【0200】
本発明の特定の実施形態では、溶媒としての水(80ml)中で構成した後の医薬組成物は、
● 0.25~1.25mg/ml、特に0.25~0.5mg/mlのA型としての7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン;
● 0.5~2.0mg/ml、特に0.9~1.4mg/mlの酒石酸;
● 15.0~18.75mg/mlのマンニトール、および2.0~3.75mg/mlのイソマルト;
● 0.18~0.53mg/mlのアスコルビン酸;
● 0.05~0.15mg/mlのエデト酸二ナトリウム;
● 0.1~0.5mg/ml、特に0.2~0.3mg/mlのPEG6000;
● 0.3~0.8mg/mlの安息香酸ナトリウム;
● 0.13~0.25mg/mlのスクラロース;および
● 1.25~2.5mg/mlのイチゴ香料を含む。
【0201】
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物を調製するためのキットであって、
● A型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物を含む粉末ブレンド、および
● 構成用溶媒としての水
を含むキットに関する。
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物を調製するためのキットであって、
● A型の式(I)の化合物を含む粉末ブレンド、および
● 具体的には80mlで構成するための溶媒としての水
を含むキットに関する。
【0202】
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物を調製するためのキットであって、
● A型としての式(I)の化合物を含む本明細書に記載の医薬組成物、および
具体的には80mlの精製水で構成するための溶媒としての水
を含むキットに関する。
【0203】
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物を調製するためのキットであって、
● A型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物、
● 構成のための媒体としての粉末ブレンド、および
● 場合により、構成のための溶媒としての水
を含むキットに関する。
【0204】
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物を調製するためのキットであって、
● A型としての式(I)の化合物、
● 構成のための媒体としての粉末ブレンド、および
● 場合により、構成のための溶媒としての水、特に80mlの精製水
を含むキットに関する。
【0205】
別の実施形態は、本明細書に記載のA型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物の構成に適した媒体としての粉末ブレンドであって、
● 緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;および
● 希釈剤、具体的にはマンニトール、またはマンニトールとイソマルトの混合物、より具体的にはマンニトール
を含む粉末ブレンドに関する。
【0206】
別の実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の構成に適した媒体としての粉末ブレンドであって、
● 緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 希釈剤、具体的にはマンニトール、またはマンニトールとイソマルトの混合物、より具体的にはマンニトール;
● 酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;
● 安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウム;および
● 滑沢剤、具体的にはPEG6000
を含む粉末ブレンドに関する。
【0207】
別の実施形態は、本明細書に記載のA型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物の構成に適した媒体としての粉末ブレンドであって、
● 緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 希釈剤、具体的にはマンニトール、またはマンニトールとイソマルトの混合物、より具体的にはマンニトール;
● 酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;
● 安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウム;
● 滑沢剤、具体的にはPEG6000を;
● 場合により甘味料、具体的にはスクラロースまたはサッカリンナトリウム、最も具体的にはスクラロース;および
● 場合により香料、具体的にはイチゴ香料またはバニラ香料
を含む粉末ブレンドに関する。
【0208】
別の実施形態は、本明細書に記載のA型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物の構成に適した媒体としての粉末ブレンドであって、
● 3~15重量%の緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 40~80重量%の希釈剤、具体的にはマンニトール、またはマンニトールとイソマルトとの混合物、より具体的にはマンニトール;
● 1~4重量%の酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;
● 0.2~2重量%の安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウム;
● 0.5~2重量%の滑沢剤、具体的にはPEG6000;
● 0~3重量%の甘味料、具体的にはスクラロースまたはサッカリンナトリウム、最も具体的にはスクラロース;および
● 0~20重量%の香料、具体的にはイチゴ香料またはバニラ香料を含み;
成分の総量が100重量%を超えない、粉末ブレンドに関する。
【0209】
別の実施形態は、本明細書に記載のA型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物の構成に適した媒体としての粉末ブレンドであって、
● 3~15重量%の緩衝系、具体的にはクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、または酒石酸塩、より具体的にはリンゴ酸塩または酒石酸塩、最も具体的には酒石酸塩から選択される緩衝系;あるいは代替的に、単独で、酸性化剤として緩衝系の対応する酸、具体的には酒石酸;
● 40~90重量%、特に40~80重量%希釈剤、具体的にはマンニトール、またはマンニトールとイソマルトの混合物、さらに具体的にはマンニトール;
● 1~4重量%の酸化防止剤、具体的にはアスコルビン酸;
● 0.2~2重量%の安定剤、具体的にはエデト酸二ナトリウム;
● 0.5~2重量%の滑沢剤、具体的にはPEG6000;
● 1~8重量%、特に1~4重量%の防腐剤、具体的には安息香酸ナトリウム;
● 0~3重量%の甘味料、具体的にはスクラロースまたはサッカリンナトリウム、最も具体的にはスクラロース;および
● 0~20重量%の香料、具体的にはイチゴ香料またはバニラ香料を含み;
成分の総量が100重量%を超えない、粉末ブレンドに関する。
【0210】
別の実施形態は、本明細書に記載のA型またはD型、特にA型としての式(I)の化合物の構成に適した媒体としての粉末ブレンドであって、
● 3~7重量%の酒石酸;
● 第一の希釈剤としての60~75重量%のマンニトール、および第二の希釈剤としての10~15重量%のイソマルト;
● 酸化防止剤としての0.5~1.0重量%のアスコルビン酸;
● 安定剤としての0.3~0.7重量%のエデト酸二ナトリウム;
● 滑沢剤としての0.5~2重量%のPEG6000;
● 甘味料としての0.6~1.0重量%のスクラロース;および
● 5~10重量%のイチゴ香料を含み;
成分の総量が100重量%を超えない、粉末ブレンドに関する。
【0211】
別の実施形態は、本明細書に記載のA型またはD型、特にA型の式(I)の化合物の構成に適した媒体としての粉末ブレンドであって、
● 3~7重量%、特に4~6重量%の酒石酸;
● 第一の希釈剤としての60~75重量%のマンニトール、および第二の希釈剤としての10~15重量%のイソマルト;
● 酸化防止剤としての0.5~1.0重量%のアスコルビン酸;
● 安定剤としての0.3~0.7重量%のエデト酸二ナトリウム;
● 滑沢剤としての0.5~2重量%のPEG6000;
● 防腐剤としての1~8重量%の安息香酸ナトリウム、特に防腐剤としての1~4重量%の安息香酸ナトリウム;
● 甘味料としての0.6~1.0重量%のスクラロース;および
● 5~10重量%のイチゴ香料を含み;
成分の総量が100重量%を超えない、粉末ブレンド。
【0212】
別の実施形態は、本明細書に記載のA型またはD型、特にA型の式(I)の化合物の構成に適した媒体としての粉末ブレンドであって、
● 3~7重量%、特に4~6重量%の酒石酸;
● 60~75重量%のマンニトール、および10~15重量%のイソマルト;
● 0.5~1.0重量%のアスコルビン酸;
● 0.3~0.7重量%のエデト酸二ナトリウム;
● 0.5~2重量%のPEG6000;
● 1~8重量%の安息香酸ナトリウム、特に1~4重量%の安息香酸ナトリウム;
● 0.6~1.0重量%のスクラロース;および
● 5~10重量%のイチゴ香料を含み;
成分の総量が100重量%を超えない、粉末ブレンド。
【0213】
別の実施形態は、本明細書に記載のA型としての式(I)の化合物の構成に適した媒体としての粉末ブレンドであって、溶媒としての水(80ml)中で構成後、
溶媒としての水(80ml)中で構成された後の医薬組成物は、
● 0.25~1.25mg/ml、特に0.25~0.5mg/mlのA型としての7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン;
● 0.5~2.0mg/ml、特に0.9~1.4mg/mlの酒石酸;
● 15.0~18.75mg/mlのマンニトール、および2.0~3.75mg/mlのイソマルト;
● 0.18~0.53mg/mlのアスコルビン酸;
● 0.05~0.15mg/mlのエデト酸二ナトリウム;
● 0.1~0.5mg/ml、特に0.2~0.3mg/mlのPEG6000;
● 0.3~0.8mg/mlの安息香酸ナトリウム;
● 0.13~0.25mg/mlのスクラロース;および
● 1.25~2.5mg/mlのイチゴ香料
を含む、粉末ブレンドに関する。
【0214】
式(I)の化合物は、有益な薬理学的特性を有し、SMN1および/またはSMN2遺伝子から転写されたmRNAへのSMN1および/またはSMN2のエクソン7の組み入れを促進し、その結果、それを必要とするヒト被験体においてSMNタンパク質の発現を増加させることが見出された。
【0215】
本発明の化合物は、単独でまたは他の薬物と組み合わせて、SMN1遺伝子の不活性化変異もしくは欠失によって引き起こされる、かつ/またはSMN1遺伝子機能の喪失もしくは欠損に関連する疾患の処置、予防、進行の遅延および/または改善のために使用することができる。これらの疾患としては、脊髄性筋萎縮症(SMA)が挙げられるが、これに限定されない。
【0216】
本発明の特定の実施形態は、SMN1遺伝子の不活性化変異もしくは欠失によって引き起こされる疾患、かつ/またはSMN1遺伝子機能の喪失もしくは欠損に関連する疾患の処置、予防、進行の遅延および/または改善、具体的にはSMAの処置、予防、進行の遅延および/または改善のための、特に前記に定義されるA形の式(I)の化合物と、1種以上の薬学的に許容され得る賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0217】
本発明の特定の実施形態は、治療活性物質として使用するための、特にSMN1遺伝子の不活性化変異もしくは欠失によって引き起こされる疾患、かつ/またはSMN1遺伝子機能の喪失もしくは欠損に関連する疾患を処置、予防、進行の遅延および/または改善するための、具体的には脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置、予防、進行の遅延および/または改善のための治療活性物質として使用するための、前記に定義した式(I)、特にA型の化合物を含む医薬組成物に関する。
【0218】
本発明の特定の実施形態は、SMN1遺伝子の不活性化変異もしくは欠失によって引き起こされる疾患、かつ/またはSMN1遺伝子機能の喪失もしくは欠損に関連する疾患の処置、予防、進行の遅延および/または寛解における使用のための、具体的には脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置、予防、進行の遅延および/または寛解における使用のための、特に前記で定義されるA形の式(I)の化合物を含む医薬組成物に関する。
【0219】
本発明の特定の実施形態は、SMN1遺伝子の不活性化変異もしくは欠失によって引き起こされる疾患、かつ/またはSMN1遺伝子機能の喪失もしくは欠損に関連する疾患の処置、予防、進行の遅延および/または寛解のための、具体的には脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置、予防、進行の遅延および/または寛解のための方法であって、前記で定義される式(I)、特にA型の化合物を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法に関する。
【0220】
本発明の特定の実施形態は、SMN1遺伝子の不活性化変異もしくは欠失によって引き起こされる疾患、かつ/またはSMN1遺伝子機能の喪失もしくは欠損に関連する疾患の処置、予防、進行の遅延および/または改善のための、具体的には脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置、予防、進行の遅延および/または改善のための、前記で定義される式(i)、特にA型の化合物を含む医薬組成物の使用に関する。
【0221】
本発明の特定の実施形態は、SMN1遺伝子の不活性化変異もしくは欠失によって引き起こされる疾患、かつ/またはSMN1遺伝子機能の喪失もしくは欠損に関連する疾患の処置、予防、進行の遅延および/または改善のための、具体的には脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置、予防、進行の遅延および/または改善のための医薬を調製するための、式(i)、特にA型の化合物を含む医薬組成物の使用に関する。そのような医薬品は、前記に定義される式(I)、特にA型の化合物を含む。
【0222】
一般に、本出願で使用される命名法は、IUPACの体系的命名法を生成するためのBeilstein Instituteのコンピュータ化システムであるAUTONOM(商標)2000に基づいている。本明細書に示す化学構造は、MDLISIS(商標)バージョン2.5SP2を使用して作成した。本明細書の構造中の炭素、酸素または窒素原子に現れる任意の開放原子価は、水素原子の存在を示す。
【0223】
以下の実施例は、例示目的で提供されており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0224】
本出願では、以下の略語および定義が使用される:br(ブロード);BuLi(ブチルリチウム);CDCl3(重水素化クロロホルム);d(ダブレット);eq;(当量);g(グラム);GC(ガスクロマトグラフィー);h(時間);HCl(塩酸);H2O(水);HPLC(高速液体クロマトグラフィー);ISP(同位体スピン含有数);KOH(水酸化カリウム);L(リットル);LDA(リチウムジイソプロピルアミド);LCMS(液体クロマトグラフィー-質量分析);M(モル);m(多重項);MS(質量分析);mL(ミリリットル);NaOH(水酸化ナトリウム);NMR(核磁気共鳴);Pd(dba)3(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0));Pd(キサントホス)Cl2(ジクロロ[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-キサンテン]パラジウム(II));s(一重項);秒(秒);t(三重項);t-BuBrettPhos(2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)-2’,4’,6’-トリイソプロピル-3,6-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル);THF(テトラヒドロフラン);
【0225】
実施例17-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(結晶種なしでA型)
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(5.81g、13.71mmol)を水(28g)および塩酸水溶液(37%、2.61g、26.49mmol)に30~33°Cで溶解した。塩酸塩溶液をNaOH(1.15g、28.75mmol)のエタノール(220g)溶液に60℃で100分以内に添加すると、自発結晶化が起こった。塩酸塩溶液の装置を水(1.2g)ですすぎ、懸濁液に加えた。懸濁液を、40℃まで冷却し、一晩撹拌した。沈殿をフィルタにかけ、水/エタノール88:12(16.5g)の混合物で3回、引き続いてエタノール(16.5g)で洗浄し、高真空下、60℃で21時間乾燥させ、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(4.95g、90.0%)のA型を得た。
【0226】
実施例27-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(A型)
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(5.81g、13.71mmol)を水(28g)および塩酸水溶液(37%、2.57g、26.08mmol)に30~33℃で溶解した。塩酸塩溶液の第一部分(3.64g)を、NaOH(1.12g、28.00mmol)のエタノール(220g)溶液に60℃で加えた。エタノール(1.7g)中のA型結晶(0.055g、0.01mmol)の懸濁液を加えることによってシーディングを行った。塩酸塩溶液の残りの部分をNaOH溶液に60℃で87分以内に加えた。塩酸塩溶液の装置を水(1.2g)ですすぎ、懸濁液に加えた。混合物を、40℃まで冷却し、一晩撹拌した。沈殿をフィルタにかけ、水/エタノール88:12(16.5g)の混合物で4回、引き続いてエタノール(16.5g)で洗浄し、高真空下、60℃で21時間乾燥させ、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(5.06g、91.1%)のA型を得た。
【0227】
実施例37-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(D型)
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンのA型(0.5g、1.23mmol)をエタノール/水(4:1重量/重量)(2.1g)の混合物に懸濁した。溶液を35℃で4日間撹拌した。固体を単離し、減圧下(30℃で4時間、200mbar、または40℃で2時間、100mbar)で乾燥させ、D型の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを得た。
【0228】
実施例47-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む経口溶液
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンは、十分に高い薬物濃度を提供するために、pH4未満、具体的にはpH3.0~pH3.2のpHの緩衝系、例えば、クエン酸塩緩衝液、リンゴ酸塩緩衝液、マレイン酸塩緩衝液または酒石酸塩緩衝液、より具体的にはリンゴ酸塩緩衝液または酒石酸塩緩衝液、最も具体的には酒石酸塩緩衝液に原薬を溶解することによって経口水溶液として製剤化することができる。
【0229】
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの製剤の長期安定性は、経口溶液を構成するための乾燥粉末または顆粒を調製することによって得ることができる。微粉末として有機酸およびその塩、例えば、三塩基性クエン酸ナトリウム二水和物および無水クエン酸、リンゴ酸ナトリウムおよびリンゴ酸、または好ましくは酒石酸ナトリウムカリウムおよび酒石酸として選択することによって、緩衝系を乾燥製剤に組み込むことができる。
【0230】
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む粉末または顆粒は、ソルビトール、イソマルト、またはマンニトール、およびそれらの組み合わせなどの顆粒外充填剤を含んでもよく、これは経口溶液の構成中に粉末ブレンドが迅速に溶解することを確実にする。希釈剤の導入において、粉末ブレンドは、流動性を改善し、堅牢な均一性を確保するために、粉末ブレンドを乾式圧縮によって顆粒化してもよい。
【0231】
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、より具体的にはA型の溶媒系を構成するための成分は、別々の製剤として製剤化してもよい。
【0232】
構成された溶媒は、経口溶液の使用期間の開始時に、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、より具体的にはA型を瓶内で溶解させるために使用することができる。
【0233】
緩衝液中の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、より具体的にはA型の構成された経口溶液は、安定剤および酸化防止剤、例えばビタミンE TPGS、エデト酸二ナトリウム、ブチルヒドロキシルトルオール、リボフラビン、または好ましくはアスコルビン酸、およびそれらを組み合わせて使用することによって2週間を超える使用時間を提供することができる。
【0234】
表8は、2週間を超える溶液中での安定性を提供するいくつかの経口溶液を示す。
【0235】
【0236】
実施例57-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの経口溶液を構成するための媒体としての粉末ブレンド
表9は、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを溶解し、2週間を超えて安定なpH3.4の経口溶液を得るのに適した溶媒の構成のための顆粒ブレンドを示す。ブレンドは、具体的には小児患者における使用のために、味を改善する目的で、水溶性滑沢剤としてのポリエチレングリコール6000、防腐剤としての安息香酸ナトリウム、甘味料としてのスクラロース、およびイチゴ香料を含有する。
【0237】
表9の組成物は、79mlの水を共に含む7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(それぞれ20mgおよび60mg)の溶解に適した構成溶媒を示す。
【0238】
【0239】
実施例6経口溶液を構成するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む粉末ブレンド
【0240】
表10は、活性化合物を溶解させるための実施例4で得られた、構成された媒体溶液を使用することによって構成された、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む経口溶液を示す。媒体は、2週間を超えて安定なpH3.4での経口溶液を構成するのに適している。表9の組成物は、79mlの水を共に含む、1mg/ml、3mg/mlの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む経口溶液を示す。
【0241】
【0242】
実施例7経口溶液を構成するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの粉末ブレンド
表11は、90mlの水を共に含む、経口溶液を構成するために使用され得る7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む粉末ブレンドを示す。また、表10の組成物は、媒体粉末ブレンド(実施例4と同様)から調製する溶媒から構成し、その後APIを溶解させてもよい。
【0243】
【0244】
実施例8経口溶液を構成するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの粉末ブレンド
表12は、これを使用して水を共に含み80mlの溶液を得るための経口溶液を構成することができる、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む粉末ブレンドを示す。また、表11の組成物は、媒体粉末ブレンド(実施例5と同様)から調製する溶媒から構成し、その後APIを溶解させてもよい。
【0245】
【0246】
実施例9経口溶液を構成するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの粉末ブレンド
表13は、80mLの溶液を得るために水を用いて経口溶液を構成するために使用される、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの粉末ブレンドを示す。また、表12の組成物は、媒体粉末ブレンド(実施例4と同様)から調製する溶媒から構成し、その後APIを溶解させてもよい。
【0247】
【誤訳訂正書】
【提出日】2023-07-28
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
の化合物またはその塩の結晶多形A型
の製造方法であ
って、
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを高温でジオキサンに溶解し、そして冷却して、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンをA型として自発的に結晶化させることを含む製造方法。
【請求項2】
式(I)
【化1】
の化合物またはその塩の結晶多形A型の製造方法であって、固体の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを、エタノール、メチルエチルケトン、酢酸エチルまたはジオキサン中、周囲温度または高温で2~3週間懸濁させて、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンをA型として得ることを含む製造方法。
【請求項3】
式(I)
【化1】
の化合物またはその塩の結晶多形A型の製造方法であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを、塩酸を用いて水に溶解し、この溶液を、高温で、水酸化ナトリウム(加えた塩酸に対してモル過剰の水酸化ナトリウム)のエタノール溶液にゆっくりと加え、自発的結晶化により、飽和溶液およびA型の結晶性固体を含む懸濁液を形成させ、そして、懸濁液を冷却し、フィルタにかけ、洗浄して塩化ナトリウムを除去し、高温下、減圧乾燥させることを含む製造方法。
【請求項4】
式(I)
【化1】
の化合物またはその塩の結晶多形A型の製造方法であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを、塩酸を用いて水に溶解し、この溶液の一部を、高温で水酸化ナトリウム(加えた塩酸に対してモル過剰の水酸化ナトリウム)のエタノール溶液に加え、このようにして生成された溶液にA型の結晶を添加して懸濁液を形成させ、残りの塩酸塩溶液を高温でゆっくり添加し、そして、懸濁液を冷却し、フィルタにかけ、洗浄して塩化ナトリウムを除去し、高温で、減圧乾燥させることを含む製造方法。
【請求項5】
結晶多形A型が、約8.3度の2シータ(±0.2)での回折角におけるXRPDピークと、11.4度の2シータ(±0.2)、15.1度の2シータ(±0.2)、15.9度の2シータ(±0.2)、17.0度の2シータ(±0.2)、24.0度の2シータ(±0.2)または25.6度の2シータ(±0.2)での少なくとも1つの追加のXRPDピークとを含むXRPD回折パターンを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の結晶多形A型の製造方法。
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0105
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0105】
A型を得るために、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを、対応する塩酸塩として塩酸を用いて水に溶解する。この溶液を、高温(例えば、22℃超)、特に60~70℃、より具体的には60℃で、水酸化ナトリウム(加えた塩酸に対してモル過剰の水酸化ナトリウム)のエタノール溶液にゆっくりと加える。自発的結晶化により、飽和溶液およびA型の結晶性固体を含む懸濁液が形成される。懸濁液を冷却し、フィルタにかけ、洗浄して塩化ナトリウムを除去し、高温下(例えば、22℃超、特に60℃)、減圧乾燥させる。固体A型を制御するために、懸濁液中の最終条件は、最大水濃度および最小温度を制御することによって制御する必要がある。
【誤訳訂正3】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0106
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0106】
あるいは、種結晶として使用されるA型の結晶を応用して、結晶化時にA型をさらに得ることができる。7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを、対応する塩酸塩として塩酸を用いて水に溶解することができる。この溶液の一部を、高温(20~70℃、具体的には60℃)で水酸化ナトリウム(加えた塩酸に対してモル過剰の水酸化ナトリウム)のエタノール溶液に加え、このようにして生成された溶液にA型の結晶を添加する(乾燥結晶として、または有機溶媒、例えばエタノールに懸濁して)。懸濁液が形成される。残りの塩酸塩溶液を高温でゆっくり添加する。懸濁液を冷却し、フィルタにかけ、洗浄して塩化ナトリウムを除去し、高温(例えば、22℃超、特に60℃)で、減圧乾燥させる。固体のA型を制御するために、懸濁液中の最終条件は、最大水濃度および最小温度(例えば、40℃を超えるエタノール中12重量%以下の水)を制御することによって制御する必要がある。
【外国語明細書】