(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127039
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】ベッド装置
(51)【国際特許分類】
A61G 7/053 20060101AFI20230906BHJP
A61G 7/015 20060101ALI20230906BHJP
A61G 7/02 20060101ALI20230906BHJP
A61G 5/04 20130101ALI20230906BHJP
A61G 1/017 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
A61G7/053
A61G7/015
A61G7/02
A61G5/04
A61G1/017
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030576
(22)【出願日】2022-03-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】519277405
【氏名又は名称】倉田 純生
(72)【発明者】
【氏名】倉田 純生
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA08
4C040DD04
4C040EE05
4C040FF06
4C040FF19
4C040GG14
4C040JJ08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自立した日常生活を送るための自ら操作して乗り移りできる装置を提供する。
【解決手段】本願のベッド装置1は、分割したボトムが夫々単独で姿勢や位置を変え、ベッド形態を変えて身体の姿勢変えを支援する機能と、身体の臀部に挿入して受け支え移乗を支援する移乗シートと、移乗相手で座面となる着脱可能な座面シート62を備え、ボトムを単独で移動させて脚部と臀部の中央に空間をつくり、移乗を支援する機能を備えたベッド装置1を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドのボトムを腰位置と膝位置で、背部ボトム、臀部ボトム、脚部ボトムに分割し、更に前記脚部ボトムはベッド中央から左右に分割した構造で、分割したボトム全てが単独で姿勢や位置を変えられる機構と動作手段を備え、
前記背部ボトムは、ベースフレームに設けた旋回支点を中心として起こし上げて、背上げした姿勢にできる機能を備え、
前記脚部ボトムは、前記ベースフレームに取付けたガイド機構に沿って姿勢を変えながら移動して、下腿部の上げ下ろし補助を行いながら脚部中央に空間をつくる機能を備え、
前記臀部ボトムは、前記背部ボトムを起こし上げた状態において、前記ベースフレームに取付けたガイド機構に沿って頭部方向へ移動して、臀部中央に空間をつくる機能を備え、
水平状や椅子状に形態を変化させて姿勢を変える支援と、脚部と臀部の中央に空間をつくり移動を可能にしたベッド装置。
【請求項2】
身体の臀部下に挿入して受け支えできる移乗シートと、移乗相手の座面になる着脱可能な座面シートと、前記座面シートの受け渡しができる昇降機構の付いた座面シート置台を備え、
前記移乗シートは、前記背部ボトムを起こし上げた状態で、身体の座面下側で前記臀部ボトムの上面に抜き差し動作できる機能を備え、前記臀部ボトムを頭部方向に移動させる機能と組み合わせて、前記臀部ボトムと前記移乗シートの座面入れ替えを可能とし、
前記座面シートは、前記臀部ボトムを移動させた状態で、前記移乗シートの下面を受け支える高さまで昇降できる機能を備え、前記移乗シートと前記座面シートの座面入れ替えを可能とし、
前記移乗シートを介して、前記臀部ボトムと前記座面シートの間で相互に座面の乗り移りできる機能を備えた請求項1に記載のベッド装置。
【請求項3】
組み合わせる移乗相手の機器を変更して、対応できる内容を柔軟に変化させることのできる機能を備え、
移乗相手として、自動走行できる車両式乗物を組み合わせた場合は、前記車両式乗物をベッドの脚側から後退で進入させ、前記臀部ボトムの場所を使って移乗を行うことができ、
移乗相手として、床置きの簡易トイレと組み合わせた場合は、前記臀部ボトムの下側へ事前に設置し、座面を移し変え移動せずに素早く用事を済ませることのできる請求項2に記載のベッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドが椅子状に形態を変えて姿勢変えを支援する機能に加え、座面入れ替えを行い移乗支援する機能も備えたベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、介護ベッドとして背上げや脚上げ機能を備えたものや、形態を変えて腰掛けた姿勢や、立ちあがり姿勢までを支援するベッドも有る。
【0003】
先行技術では、ベッドの形態を変えやすくする方法としてボトムを分割しているが、隣り合ったボトムの配置が変わらない構造となっており、ベッド面と身体は常に同じ場所で接触したままとなっている。
【0004】
つまり、先行技術のベッド装置を使いベッド上での姿勢変換は行えるが、ベッドから起き上がって移動するための座面移し替えについては、介護者による手助けが必要となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-078468号公報
【特許文献2】特開2018-015269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のベッドは、ボトムを背部ボトムと臀部ボトムと脚部ボトムに分割し、分割した全てのボトムが夫々単独で移動できる機能を備え、姿勢や位置を変えて水平状や椅子状の形態に変化できる機能と、
更に、身体の臀部で受け支え移乗を支援できる移乗シートを備え、移乗シートを身体の臀部下に挿入した後、臀部ボトムを頭上方向に移動させて臀部下に空間をつくり、次に臀部ボトムの直下で待機させておいた移乗相手の座面となる着脱可能な座面シートを上昇させて移乗シートの下側を受け支え、移乗シートを引き抜くと座面の移し替えができる機能を備えたベッド装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のベッド装置は、ベッドのボトムを腰位置と膝位置で、背部ボトムと臀部ボトムと脚部ボトムに分割し、更に脚部ボトムはベッド中央から左右に分割した構造で、分割したボトム全てが単独で姿勢や位置を変えられる機構と動作手段を備え、
背部ボトムは、ベッド両サイドのベースフレーム中央に設けた背部用旋回支点を中心として頭部側を起こし上げて背上げできる構造で、背部ボトムの裏面を電動のアクチュエータ使って押し上げ回動させる機構を備え、
脚部ボトムは、左右にベッドの中央で分割したボトムが、夫々側面方向に向かい姿勢を変えながら移動し、膝下部の上げ下ろし動作を支援しながら屈伸できる構造で、脚部ボトムの姿勢を安定させながら移動させる方法として、脚部ボトムを移動させる方向に両側面に各2個のガイドローラーを取付け、更にベースフレームから取付けた水平溝と垂直溝を円弧で繋いだL字状溝のガイドレールで両側からガイドレールを挟み、電動のアクチュエータを使ってガイドレールに沿って移動と旋回ができる機構を備え、ベッド装置が形態を平面状や椅子状に変化して身体の姿勢変換支援を行うことができる。
【0008】
更に、臀部ボトムは、ベースフレームの上面に取付けた直線ガイドに載せて取付け、背部ボトムを起こし上げた状態において、電動のアクチュエータを使って単独で頭部方向へ移動させて臀部下に空間をつくる機能を備え、事前に待機させておいた移乗相手への移乗や、歩行補助具を使っての移動を可能にする。
更に、身体の臀部と座面の間へ小さな摩擦力で挿入できる移乗シートを備え、移乗シートの挿入力を小さくする手段として、板状シートの表面に低摩擦の樹脂のコーティングを施したものや、複数の小径ローラーを上下2段で交互に接触させ並べ一体化した転がり摩擦構造の移乗シートを用い、
更に、背部ボトムを起こし上げた状態において、移乗シートを臀部ボトムの上面で身体の臀部下を腰から膝の方向に向かって、電動のアクチュエータを使い抜き差しできる機能の移乗支援装置を備え、
更に、平行リンクアームの一方が背部旋回用支点と共通の平行リンク機構をベースフレームの両側に各1式設置し、2式の平行リンクを連結アームで繋いだ中央に移乗支援装置を搭載した、背部ボトムの動きと連動して移動する移乗シート昇降装置を備え、
更に、移乗相手の座面となる着脱可能な座面シートと、座面シートを載せて移動させる座面シート置台と、座面シート昇降装置を臀部ボトムの直下に備え、電動のアクチュエータを使って移乗シートの下側と移乗先の座面取付け位置との間を移動させて受け渡しが行える座面シート昇降装置を備え、移乗シートを介して座面の移し替えを行って移乗支援を行うことができる。
【0009】
組み合わせて使用する移乗相手の機器を変更して、支援できる対応を柔軟に変化させることのできる機能を備え、
移乗相手として、自動走行できる車両式乗物を組み合わせた場合は、前記車両式乗物をベッドの脚側から後退で進入させて前記臀部ボトムの場所を使い移乗することができ、移乗相手として、床置きの簡易トイレ組み合わせた場合は、事前に前記臀部ボトムの下側に設置し、座面の移し変えを行って場所を移動せず素早く用事を済ませることができる。
【発明の効果】
【0010】
要介護者が、ベッド上で横たわった姿勢から移動用乗物への乗り移りまでを自ら行えるようになると、移乗支援が減って介護者の負担は軽減される。
また、要介護者は、日常生活で支援を受けずに行えることが増え、精神的な負担から解放されると共に体力の維持向上に繋がって、心身の改善が見込まれ社会生活への復帰も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る、ベッド装置と車両式電動乗物が移乗相手となった場合の関係を斜めから見た説明図
【
図2】ベッド装置の形態が平面状となった状態での平面図で、ベッドを構成する要素の配置と構造を表す目的でマットレスを透視した状態図
【
図3】ベッド装置の形態が平面状となった状態での正面図
【
図4】ベッド装置の形態が椅子状となった状態での正面図
【
図5】ベッド装置の形態が椅子状から更に変化して移乗シートと臀部ボトムが入れ替わった状態での正面図
【
図6】ベッド装置の形態が平面状となった状態での側面図
【
図7】ベッド装置の形態が椅子状となった状態での側面図
【
図8】移乗相手となる車両式電動乗物が待機した状態での正面図と側面図
【
図9】移乗相手となる車両式電動乗物へ移乗する状態での正面図と側面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を基に説明する。
図1は、ベッド装置(1)と移乗相手となる車両式乗物(71)が、移乗を行う位置関係となった状態で、背部ボトム(11)がベッド中央の腰部を中心として回動し背上げした状態で、臀部ボトム(21)は頭部方向へ水平移動させて臀部に空間ができた状態、更に左右の脚部ボトム(31)は夫々側面へ姿勢を変えながら移動して脚部のベッド中央に空間ができた状態となり、車両式乗物(71)がベッド内の移乗位置へ後退して入った状態を斜めから見た全体図。
図2は、ベッド装置(1)のボトム形態が水平状とった状態で、ベッド機構と構造を表す目的でベッドの各ボトムマットレスを透視した平面図。
図3と
図6は、ベッド装置(1)のボトム形態が水平状の形態をとった状態での正面図と側面図。
図4と
図7は、ベッド装置(1)のボトム形態が椅子状の形態をとった状態での正面図と側面図。
図5は、ベッド装置(1)のボトム形態が椅子状となった後、移乗シート(42)を身体の臀部側へ移動させ、更に臀部ボトム(21)を背部ボトムの下側へ移動させた状態での正面図。
図8は、ベッド装置(1)のボトム形態が平面上の状態で、車両式乗物(71)がベッド内に後退して入り、臀部ボトム(21)の直下で待機した状態での正面図と側面図。
図9は、ベッド装置(1)のボトム形態が椅子状の状態から、移乗シート(42) を身体の臀部側へ移動させ、更に臀部ボトム(21)を背部ボトムの下側へ移動させた状態で、座面シート昇降装置(61)の座面シート(62)を上昇させて移乗シート(42)を受け、更に車両式乗物(71)の座面受けが上昇して座面シート(62)を受けた状態での正面図と側面図。
【実施例0013】
まず、一実施形態におけるベッド装置(1)の構造と機能について説明する。
ベッド装置(1)のベースフレーム(2)は、上面から見ると頭部側が繋がり脚部と臀部の中央にフレームが無い凹字状の構造で、
ベッドのボトムを腰位置と膝位置で、背部ボトム(11)と臀部ボトム(21)と脚部ボトム(31)に3分割し、更に脚部ボトム(31)はベッド中央から左右に2分割した構造で、
背部ボトム(11)は背部ボトムマットレス(12)と背部ボトムフレーム(13)で構成し、臀部ボトム(21)は臀部ボトムマットレス(22)と臀部ボトムフレーム(23)で構成し、脚部ボトム(31)は脚部ボトムマットレス(32)と脚部ボトムフレーム(33)で構成、夫々のボトムはベースフレーム(2)を基準に単独で位置や姿勢を変えられる機構を備え、
更に、移乗シート(42)と、抜き差し動作させる移乗シート挿入装置(41)と、移乗シート昇降装置(51)を備え、
更に、座面シート(62)と、座面シート置台(63)を昇降させて座面の受け渡しを行う座面シート昇降装置(61)を備え、
臀部ボトム(21)が移動して退避できる機能と組み合わせ座面乗り移りの支援を行う。
【0014】
次に、ベッドを構成する要素を動作させる手段について説明する。
要素を移動させる手段として、動力源に電気や油気圧を使用したアクチュエータを用い、
アクチュエータは、回転動作をそのまま使用するモーターや、回転動作を直線動作に変換するボールねじ機構やピニオンギアとラックギアを組み合わせた機構を用いた直動シリンダーを使用する。
【0015】
次に、背部ボトム(11)の形態を変化させる構造と機能について説明する。
背部ボトムフレーム(13)の腰側で両側面に、対称の背部用旋回ブラケット(14)を各1式取り付け、
ベースフレーム(2)の中央の両側面に、背部用旋回支点(15)を設け、背部旋回用ブラケット(14)と背部旋回用支点(15)をピンで連結して、ベースフレーム(2)と、背部ボトム(11)を、電動で動く背部用動作アクチュエータ(16)で繋ぎ伸縮動作させると、背部ボトム(11)は回動して水平なベッド状態と背を起こし上げた椅子状態をとることができる。
【0016】
次に、臀部ボトム(21)の形態を変化させる構造と機能について説明する。
臀部ボトムフレーム(23)の下側で両側面に、臀部用移動ガイドベアリング(24)を2個1式として左右に取り付け、
ベースフレーム(2)の上面には臀部から背部の中央にかけ、臀部用移動ガイドレール(25)を左右に各1本取り付け、
ベースフレーム(2)と、臀部ボトム(21)を、電動で動く臀部用動作アクチュエータ(26)で繋ぎ伸縮動作させると臀部ボトム(21)は、定位置の臀部位置と、背部ボトム(11)の下側で退避した位置に移動することができる。
【0017】
次に、脚部ボトム(31)の形態を変化させる構造と機能について説明する。
脚部用移動ガイドローラー(34)を2個並べ溝内で走行するローラー付ガイドを脚部ボトムフレーム(33)の下側で、移動させる方向の両側面となる位置に各1式取り付け、
水平と垂直方向の溝を円弧で繋いだL字形状溝をした脚部用移動ガイドレール(35)で、脚部用移動ガイドローラー(34)を両側から挟む配置でベースフレーム(2)に取り付け、
ベースフレーム(2)と、脚部ボトム(31)を、電動で動く脚部用動作アクチュエータ(36)で繋ぎ伸縮動作させると、脚部ボトム(31)は姿勢を変化させながら移動して、脚の膝下部を支え上げ下ろし動作の支援を行いながら、水平のベッド状態と垂直な退避状態をとることができる。
【0018】
次に、移乗シート挿入装置(41)の構造と機能について説明する。
移乗シート挿入装置(41)は、要介護者座面の下側に小さな抵抗で挿入できて身体を受け支えできる剛性を持った移乗シート(42)を挿入する装置で、
移乗シート可動側レール(43)と移乗シート固定側ガイド(44)で構成された案内機構と、電動の移乗シート挿入アクチュエータ(45)を使用し、
背部ボトム(11)を起こし上げてできた臀部ボトム(21)との隙間から、要介護者の座面下側へ腰から膝の方向へ水平に抜き差し動作できる装置。
【0019】
次に、移乗シート昇降装置(51)の構造と機能について説明する。
移乗シート昇降装置(51)は、移乗シート挿入装置(41)を載せて、移乗シート(42)を使用する位置と待機する位置の間を昇降移動する装置で、
背部ボトム(11)両外側に、ベースフレーム(2)から、水平姿勢を保って動く昇降用平行リンク(52)を各1式備え、連結アーム(54)で連結した上に移乗シート挿入装置(41)を載せ、背部ボトム(11)の背部用旋回ブラケット(14)と片方の平行リンクアーム(53)を結合させ、背部ボトム(11)の動きに連動して移乗シート挿入装置(41)が昇降する装置。
【0020】
次に、座面シート昇降装置(61)の構造と機能について説明する。
座面シート昇降装置(61)は、移乗相手の機器で座面となる着脱可能な座面シート(62)を座面シート置台(63)に載せて、移乗シート(42)の下面と直下で待機している移乗相手との間で昇降動作して、座面シート(62)の受け渡しを行い、垂直動作する電動の座面シート昇降アクチュエータ(64)とガイドで組み合わせた左右1対の昇降装置で、左右を同期させて昇降させる機能を備えた装置。
【0021】
次に、移乗相手となる車両式乗物(71)の構造と機能について説明する。
車両式電動乗物(71)は、左右に単独で電動の走行モーター(72)を備えた走行用駆動輪(73)と、駆動のない補助車輪(74)を備え、自動運転または手動操作によって走行モーター(72)の回転方向を変えて前進や後退を切り替え、また回転数を変え速度や方向を変えることが出来る走行車で、更に座面シート(62)を着脱する機構を備えた移動用の乗物。
【0022】
次に、移乗相手が、車両式乗物(71)の移乗方法と手順について説明する。
電動で自動走行できる車両式乗物(71)との間で移乗を行う場合は、車両式乗物(71)をベッド装置(1)の脚部側から出入りさせ、臀部ボトム(21)の位置で座面シート昇降装置(61)を使用して、座面シート(62)の受け渡しを行って移乗することができる。
車両式乗物(71)からベッド装置(1)への移乗は、逆順序の動作で元の状態に戻ることができる。
【0023】
次に、移乗相手が、床置き簡易トイレの移乗方法と手順について説明する。
介護用品の床置き簡易トイレとの間で移乗を行う場合は、臀部ボトム(21)の直下に簡易トイレを設置して、座面シート昇降装置(61)を使用して、座面シート(62)を簡易トイレの座面上面に移動させて用事を済ませ、その後逆順序の動作で元の状態に戻ることができる。
使用済の簡易トイレは、ベッド装置(1)が水平状の形態となった後、脚側から引き抜いて清掃し元の状態へ戻すことができる。
【0024】
次に、ベッド装置(1)内での座面シート(62)と臀部ボトム(21)の座面移し変え方法と手順について説明する。
ベッド装置(1)の背部ボトム(11)は背を起こし上げ、脚部ボトム(31)がベッド側面に退避した椅子状態で、
移乗シート(42)を介して、座面シート(62)と、臀部ボトム(21)の間で座面の移し変えを行い、
臀部ボトム(21)から座面シート(62)へ座面の移し変えを行う場合は、身体の臀部下側で臀部ボトム(21)の上面に、移乗シート(42)を挿入して受け支えた後、臀部ボトム(21)を頭上方向に移動させ、次に座面シート(62)を上昇させて受け支え、移乗シート(42)を引き抜き実施できる。
座面シート(62)から臀部ボトム(21)へ座面の移し変えを行う場合は、身体の臀部下側で座面シート(62)の上面に、移乗シート(42)を挿入して受け支えた後、座面シート(62)を下降させ、次に臀部ボトム(21)を移動させて受け支え、移乗シート(42)を引き抜き実施できる。