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▶ 株式会社ソミックマネージメントホールディングスの特許一覧

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  • 特開-ロータリーダンパ 図1
  • 特開-ロータリーダンパ 図2
  • 特開-ロータリーダンパ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127046
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】ロータリーダンパ
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/14 20060101AFI20230906BHJP
【FI】
F16F9/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030587
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】519184930
【氏名又は名称】株式会社ソミックマネージメントホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】山田 大輔
【テーマコード(参考)】
3J069
【Fターム(参考)】
3J069AA44
3J069CC09
3J069EE01
(57)【要約】
【課題】蓋とハウジングとの間に形成される隙間をOリングでシールすることができ、かつ障害物とローターの中心軸との間の距離がハウジングの全長に亘って短い場合でも障害物とハウジングの接触を回避し得るロータリーダンパを提供する。
【解決手段】本発明のロータリーダンパは、ハウジング(10)、ハウジング(10)の中に形成される油室(20)、油室(20)に注入されるオイル、油室(20)の開口部を閉塞する蓋(30)、蓋(30)とハウジング(10)との間に形成される隙間をシールするOリング(40)、Oリング(40)が設置されるOリング溝(50)、及び油室(20)に設置されるベーン(61)を有するローター(60)を備え、ローター(60)の中心軸(CA)がOリング溝(50)の中心(C)と異なる位置に設定されることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、前記ハウジングの中に形成される油室、前記油室に注入されるオイル、前記油室の開口部を閉塞する蓋、前記蓋と前記ハウジングとの間に形成される隙間をシールするOリング、前記Oリングが設置されるOリング溝、及び前記油室に設置されるベーンを有するローターを備え、前記ローターの中心軸が前記Oリング溝の中心と異なる位置に設定されることを特徴とするロータリーダンパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリーダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2018-021633号公報は、ハウジング、前記ハウジングの中に形成される油室、前記油室に注入されるオイル、前記油室の開口部を閉塞する蓋、前記蓋と前記ハウジングとの間に形成される隙間をシールするOリング、前記Oリングが設置されるOリング溝、及び前記油室に設置されるベーンを有するローターを備えるロータリーダンパを開示している。このロータリーダンパは、第1の油室の容積を第2の油室の容積と異ならせることによって、設置空間に存在する障害物とハウジングの接触を回避し得る。
【0003】
しかしながら、従来のロータリーダンパでは、前記Oリング溝の中心が前記ローターの中心軸上にあるため、前記Oリング溝の周りの前記ハウジングの外径を小さくすることが困難であった。そのため、障害物とローターの中心軸との間の距離がハウジングの全長に亘って短い場合には、ロータリーダンパを設置することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-021633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、蓋とハウジングとの間に形成される隙間をOリングでシールすることができ、かつ障害物とローターの中心軸との間の距離がハウジングの全長に亘って短い場合でも障害物とハウジングの接触を回避し得るロータリーダンパを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、ハウジング、前記ハウジングの中に形成される油室、前記油室に注入されるオイル、前記油室の開口部を閉塞する蓋、前記蓋と前記ハウジングとの間に形成される隙間をシールするOリング、前記Oリングが設置されるOリング溝、及び前記油室に設置されるベーンを有するローターを備え、前記ローターの中心軸が前記Oリング溝の中心と異なる位置に設定されることを特徴とするロータリーダンパを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、蓋とハウジングとの間に形成される隙間をシールするOリングを備えるため、前記隙間をOリングでシールすることができる。また、本発明によれば、ローターの中心軸がOリング溝の中心と異なる位置に設定されるため、障害物とローターの中心軸との間の距離がハウジングの全長に亘って短い場合でも障害物とハウジングの接触を回避し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例に係るロータリーダンパの縦断面図である。
図2】実施例に係るロータリーダンパの横断面図である。
図3】実施例に係るロータリーダンパの設置状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【実施例0010】
図1及び図2に示した実施例は、本発明の一実施形態である。本発明の技術的範囲は、実施例に限定されるものではない。
【0011】
実施例に係るロータリーダンパは、図1及び図2に示したように、ハウジング(10)、油室(20)、オイル、蓋(30)、Oリング(40)、Oリング溝(50)及びローター(60)を有して構成されている。
【0012】
図1及び図2に示したように、ハウジング(10)は、本体(11)と、本体(11)から突出するフランジ(12)を有して構成されている。図3に示したように、フランジ(12)は、ハウジング(10)が回転しないように、ハウジング(10)を固定する物(70)に連結される。
【0013】
図2に示したように、油室(20)は、ハウジング(10)の中に形成されている。図1に示したように、油室(20)の底部は、ハウジング(10)の本体(11)を形成する端壁(13)によって閉塞され、油室(20)の開口部は、蓋(30)によって閉塞されている。
【0014】
オイルは、油室(20)に注入されている。
【0015】
図1に示したように、蓋(30)は、ハウジング(10)の本体(11)の端部に塑性加工を施すことによってハウジング(10)の本体(11)に取り付けられている。
【0016】
図1及び図2に示したように、Oリング(40)は、ハウジング(10)の本体(11)に形成されたOリング溝(50)に設置されている。図1に示したように、Oリング(40)は、蓋(30)とハウジング(10)との間に形成される隙間をシールする。Oリング(40)が設置されるOリング溝(50)は、蓋(30)に形成されてもよい。
【0017】
実施例に係るロータリーダンパは、図1に示したように、蓋(30)とローター(60)との間に形成される隙間をシールするOリング(41)、及びハウジング(10)とローター(60)との間に形成される隙間をシールするOリング(42)をさらに備えている。
【0018】
図1及び図2に示したように、ローター(60)は、油室(20)に設置されるベーン(61)を有する。図3に示したように、ローター(60)は、ローター(60)を回転させる物(80)に連結される。実施例に係るロータリーダンパは、ローター(60)の回転時にベーン(61)がオイルの抵抗を受けることによってトルクを発生するものである。ローター(60)の回転方向によってトルクの大きさを変化させるために、ベーン(61)にバルブを設置してもよい。
【0019】
図1に示したように、Oリング溝(50)の中心(C)(すなわち、Oリング溝(50)の内径の中点)は、ハウジング(10)の本体(11)の中心線(CL)上に存在する。一方、ローター(60)の中心軸(CA)(すなわち、ローター(60)の回転時に、回転するローター(60)の中心にできる垂直線)は、図1及び図2に示したように、Oリング溝(50)の中心(C)と異なる位置に設定されている。
【0020】
実施例に係るロータリーダンパは、Oリング溝(50)の中心(C)がローター(60)の中心軸(CA)上に存在していないため、図3に示したように、ロータリーダンパの設置空間に存在する障害物(O)とローター(60)の中心軸(CA)との間の距離(D)がハウジング(10)の全長に亘って短い場合でも障害物(O)とハウジング(10)の接触を回避することが可能である。
【符号の説明】
【0021】
10 ハウジング
11 ハウジングの本体
12 フランジ
13 端壁
20 油室
30 蓋
40,41,42 Oリング
50 Oリング溝
60 ローター
C Oリング溝の中心
CA ローターの中心軸
O 障害物
図1
図2
図3