IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ミクニの特許一覧

<>
  • 特開-液体容器 図1
  • 特開-液体容器 図2
  • 特開-液体容器 図3
  • 特開-液体容器 図4
  • 特開-液体容器 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127060
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】液体容器
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/00 20060101AFI20230906BHJP
   F02M 37/20 20060101ALI20230906BHJP
   B60K 15/03 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
F02M37/00 301S
F02M37/20 B
B60K15/03 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030606
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000177612
【氏名又は名称】株式会社ミクニ
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】及川 匠
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038CA22
3D038CB01
3D038CB08
3D038CC20
(57)【要約】
【課題】簡単な構造で封止性能及び破損防止性能を向上させるとともに、ドレン装置の破損時にも修理費用を抑えることが可能な液体容器を提供する。
【解決手段】燃料を一時的に貯留する容器2と、容器2の下部に設けられた連通孔11から燃料を排出するドレンユニット3と、を有し、ドレンユニット3は、樹脂製の容器2よりも強度及び硬度の高い金属で形成されるとともに、内部に連通孔11と外部とを連通するドレン通路とドレン通路に面して弁座とが形成され、容器2に着脱可能に固定されるバルブボデー15と、バルブボデー15に取り付けられ、弁座と離間または当接することでドレン通路を開閉する弁体を有するドレンスクリュ16と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する容器本体と、
前記容器本体に設けられた連通孔から前記液体を排出するドレンユニットと、を有し、
前記ドレンユニットは、
前記容器本体よりも強度及び硬度の高い物質で形成されるとともに、内部に前記連通孔と外部とを連通するドレン通路と、前記ドレン通路に面する弁座とを有する前記容器本体に着脱可能に固定されるバルブボデーと、
前記バルブボデーに取り付けられ、前記弁座と離間または当接することで前記ドレン通路を開閉する弁体を有するドレンスクリュと、
を備えたことを特徴とする液体容器。
【請求項2】
前記容器本体は樹脂で形成され、
前記バルブボデーは金属で形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の液体容器。
【請求項3】
前記バルブボデーは、
内部に前記弁座を備えたバルブボデー本体部と、
一端が前記バルブボデー本体部に接続され、他端が前記バルブボデー本体部から外方に突出して前記容器本体の連通孔に挿入され、前記容器本体から前記バルブボデー本体部内に前記ドレン通路を連通する容器接続部と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の液体容器。
【請求項4】
前記バルブボデー本体部は、前記容器本体に固定用ねじによって締結され、
前記固定用ねじの締結方向が前記容器本体に対する前記容器接続部の挿入方向と同一であることを特徴とする請求項3に記載の液体容器。
【請求項5】
前記バルブボデーは、
前記弁座を備えたバルブボデー本体部と、
一端が前記バルブボデー本体部における前記ドレン通路の前記弁体の下流側に接続され、他端は前記バルブボデーから外方に突出し先端部にホースを接続可能なドレンニップルを更に備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液体容器。
【請求項6】
前記液体容器は、内燃機関の燃料から気体を分離するベーパセパレートタンクであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液体容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を貯留する液体容器のドレン装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶等の内燃機関は、燃料系統にベーパセパレートタンクを備えている。ベーパセパレートタンクは、燃料タンクと内燃機関との間の燃料供給路に備えられ、燃料を一時的に貯留し、燃料中の気泡等の気体を分別して排除する機能を有する。また、ベーパセパレートタンクには、メンテナンス時やオフシーズンに内燃機関を長期間使用しない場合に、燃料を排出するためのドレン装置が備えられている。
【0003】
例えば特許文献1には、ベーパセパレートタンク等の燃料を貯留する樹脂製の容器に備えられたドレン装置が開示されている。特許文献1のドレン装置は、容器の下部に形成され当該容器から燃料を排出するドレン通路に、先端部に弁体を備えたドレンバルブをねじ込むことでドレン通路を封止する構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-44604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、樹脂製の容器においてドレン通路を封止した際での燃料漏れを防止するために、ドレン装置の封止部に複数個のOリングやカラーを使用した比較的複雑な構成になっている。また、樹脂製の容器にドレンバルブを閉めつけてドレン通路を封止する構造では、ドレン通路を確実に封止しようとして必要以上の力でドレンバルブを締め付けてしまうと、ドレン通路付近の容器が破損する虞がある。
そして、このように容器の一部が破損すると、容器全てを交換しなければならず、修理費用が大きくなってしまうといった問題点がある。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、貯留している液体を排出させるドレン装置を簡単な構造で構成し、封止性能及び破損防止性能を向上させるとともに、ドレン装置の破損時にも修理費用を抑えることが可能な液体容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の液体容器は、液体を貯留する容器本体と、前記容器本体に設けられた連通孔から前記液体を排出するドレンユニットと、を有し、前記ドレンユニットは、前記容器本体よりも強度及び硬度の高い物質で形成されるとともに、内部に前記連通孔と外部とを連通するドレン通路と、前記ドレン通路に面する弁座とを有する前記容器本体に着脱可能に固定されるバルブボデーと、前記バルブボデーに取り付けられ、前記弁座と離間または当接することで前記ドレン通路を開閉する弁体を有するドレンスクリュと、を備えたことを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記容器本体は樹脂で形成され、前記バルブボデーは金属で形成されているとよい。
【0009】
好ましくは、前記バルブボデーは、内部に前記弁座を備えたバルブボデー本体部と、一端が前記バルブボデー本体部に接続され、他端が前記バルブボデー本体部から外方に突出して前記容器本体の連通孔に挿入され、前記容器本体から前記バルブボデー本体部内に前記ドレン通路を連通する容器接続部と、を有するとよい。
【0010】
好ましくは、前記バルブボデー本体部は、前記容器本体に固定用ねじによって締結され、前記固定用ねじの締結方向が前記容器本体に対する前記容器接続部の挿入方向と同一であるとよい。
【0011】
好ましくは、前記バルブボデーは、前記弁座を備えたバルブボデー本体部と、一端が前記バルブボデー本体部における前記ドレン通路の前記弁体の下流側に接続され、他端は前記バルブボデーから外方に突出し先端部にホースを接続可能なドレンニップルを更に備えるとよい。
【0012】
好ましくは、前記液体容器は、内燃機関の燃料から気体を分離するベーパセパレートタンクであるとよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の液体容器によれば、容器本体から外部に液体を排出するドレン通路を開閉するドレンユニットのバルブボデーが、容器本体よりも強度及び硬度が高いので、バルブボデーの破損を抑制するとともに、弁座のシール性を向上させることができる。
【0014】
また、バルブボデーが容器本体に着脱可能に固定されるので、バルブボデーが破損や故障をしたとしても、バルブボデーを交換することで修理が完了し、容器本体を交換する必要がなく、修理費用を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態のベーパセパレートタンクの正面図である。
図2】本実施形態のベーパセパレートタンクの側面図である。
図3】本実施形態のベーパセパレートタンクの下面図である。
図4】ベーパセパレートタンクの縦断面図である。
図5】ベーパセパレートタンクのドレンユニット部の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
【0017】
図1から図3は、本発明の一実施形態の液体容器であるベーパセパレートタンクの外観図である。図1は正面図、図2は側面図、図3は底面図である。図4は、ベーパセパレートタンクの縦断面図である。なお、図4は、図2中に記載したA-A部断面図である。図5は、ベーパセパレートタンクの下部の横断面図である。なお、図5は、図1中に記載したB-B部の拡大断面図である。なお、以降では、図1に示す前後左右上下方向を使用して説明する。
【0018】
本発明の一実施形態であるベーパセパレートタンク1は、船舶等に搭載した内燃機関の燃料系統に備えられる。ベーパセパレートタンク1は、燃料タンクと内燃機関との間の燃料配管に備えられ、燃料を一時的に貯留し、燃料中の蒸発ガスや気泡等の気体を分離する機能を有する。
【0019】
<ベーパセパレートタンクの構造>
図1~5に示すように、ベーパセパレートタンク1は、樹脂で形成され燃料を貯留する容器2(容器本体)と、ドレンユニット3と、を備えている。ドレンユニット3は、ベーパセパレートタンク1の容器2内に残っている燃料を排出するためのドレン通路20を開閉する開閉弁である。メンテナンス時やシーズンオフに内燃機関を長期間使用しない場合に、ドレンユニット3を開弁して容器2内から燃料を排出することで、次回の内燃機関の起動時に、ベーパセパレートタンク1内で長期間放置されて劣化した燃料が内燃機関に供給されることが抑制される。
【0020】
容器2は、内部に燃料を貯留する内部空間を有する略矩形箱状の容器である。上部には、開口部4が備えられ、図示しない蓋によって開口部4が覆われて、内部が密閉される。容器2内には、図示しない蓋に設けられた配管を介して、内燃機関の燃料タンクから燃料が供給される。容器2内では、燃料を一時的に貯留し、燃料中の蒸発ガスや気泡等の気体が分離される。また、蓋に設けられた図示しない配管を介して容器2内から液体の燃料を排出して内燃機関に供給し、蓋に設けられた図示しないベーパ排出口から気体を排出する。ベーパセパレートタンク1内の気液分離構造については、例えば特許文献1に記載されているように公知であるので省略する。
【0021】
なお、本実施形態の容器2には、容器固定用の複数のブラケット5が一体的に形成されている。
【0022】
容器2の下部の右側部分に、下方に突出した底部10が備えられている。底部10には、容器2の内部空間と外部とを連通するドレン排出用の連通孔11が設けられている。連通孔11は、容器2の底部10の左側壁10aから左方に円筒状に突出した突出部12に設けられ、左方に向いて開けられた円形の穴である。
【0023】
容器2の下部、底部10の左側壁10aには、連通孔11を覆うように、ドレンユニット3が2本の固定用ねじ13によって固定されている。
【0024】
<ドレンユニットの構造>
ドレンユニット3は、バルブボデー15及びドレンスクリュ16を備えている。
【0025】
バルブボデー15は、内部に、容器の連通孔11から外部に燃料を排出させるドレン通路20が備えられている。
【0026】
ドレンスクリュ16は、バルブボデー15に挿入されて配置されており、バルブボデー15内のドレン通路20を開閉する機能を有する。ドレンスクリュ16の先端部には弁体21が備えられ、基部には雄ねじ部22が形成されている。ドレンスクリュ16の頭部には、ドライバ等の工具によって回転させることができるように溝が形成されている。ドレンスクリュ16の雄ねじ部22の端部には、Oリング用の溝が形成されており、当該溝にOリング23が装着されている。
【0027】
バルブボデー15は、矩形ブロック状のバルブボデー本体部30と、容器の連通孔11に挿入される円筒状の容器接続部31と、細い円筒棒状でありドレンホースを接続可能なドレンニップル32と、を備えている。バルブボデー本体部30、容器接続部31及びドレンニップル32は、いずれもステンレス、真鍮等の金属で形成されている。
【0028】
バルブボデー本体部30の右側面には、容器接続部31の一端部が挿入される凹部33が形成されている。また、バルブボデー本体部30の左側面には、ドレンニップル32の基部が挿入される凹部34が形成されている。容器接続部31及びドレンニップル32は、バルブボデー本体部30の凹部33、34に圧入されて、例えばロウ付けによってバルブボデー本体部30に固定されている。
【0029】
バルブボデー本体部30に形成されたドレン通路20は、右側面の凹部33内と左側面の凹部34内を連通するように構成されている。また、容器接続部31とドレンニップル32とは前後方向にオフセットした位置に配置されている。ドレン通路20は、バルブボデー本体部30内で凹部33側から左方にわずかに延び、前方に垂直に屈曲して、前方に数cm程度延びてから、更に左方に垂直に屈曲して、ドレンニップル32が挿入される凹部34内で開口している。バルブボデー本体部30内のドレン通路20の前後方向に延びる穴には、前方からドレンスクリュ16が挿入され、開閉弁が形成されている。
【0030】
バルブボデー本体部30内にドレン通路20を形成する場合には、旋盤等によってバルブボデー本体部30の前面から後方に向かって前後方向略中央部までドレンスクリュ挿入用穴42を穿け、バルブボデー本体部30の右側面からドレンスクリュ挿入用穴42に連通するように上流側穴41を穿けるとともに、バルブボデー本体部30の左側面からドレンスクリュ挿入用穴42に連通するように下流側穴43を穿ける。なお、上流側穴41は容器接続部31用の凹部33と同軸上に位置し、下流側穴43はドレンニップル32挿入用の凹部34と同軸上に位置する。なお、容器接続部31挿入用の凹部33及びドレンニップル32挿入用の凹部34については、上流側穴41や下流側穴43をあけた後に、これらの穴を下穴として旋盤等で形成すればよい。
【0031】
ドレンスクリュ挿入用穴42の中間部には、ドレンスクリュ16の雄ねじ部22が螺合する雌ねじ部44が形成されている。また、ドレンスクリュ挿入用穴42の奥部には、上流側穴41と下流側穴43との間に、ドレンスクリュ16の先端部の弁体21と当接する弁座45が形成されている。
【0032】
ドレンスクリュ16を緩めてバルブボデー本体部30に対して前方に移動させ、ドレンスクリュ16の弁体21とバルブボデー本体部30内の弁座45とが離間すると、上流側穴41、ドレンスクリュ挿入用穴42、下流側穴43が連通し、容器接続部31からドレンニップル32までのドレン通路20が連通する。
【0033】
ドレンスクリュ16をバルブボデー本体部30内にねじ込み、ドレンスクリュ16の弁体21とバルブボデー本体部30内の弁座45とが当接すると、当該当接部においてドレンスクリュ挿入用穴42を塞ぐように構成されている。これにより、容器接続部31からドレンニップル32までのドレン通路20が、バルブボデー本体部30内で遮断される。
【0034】
バルブボデー本体部30には、左右方向に延び固定用ねじ13が挿入されるねじ締結用穴50が形成されている。ねじ締結用穴50は、ドレンスクリュ挿入用穴42の下方に位置し、前後方向に互いに離間して2個設けられている。
【0035】
一方、容器2の底部10の下部には、固定用ねじ13を締結させるための雌ねじが2箇所形成されている。2本の固定用ねじ13によって容器2にバルブボデー本体部30が締結される。これにより、容器2にドレンユニット3が固定される。このとき、バルブボデー15の容器接続部31の先端部が容器2の連通孔11に挿入されるとともに、ドレンユニット3は、容器2の底部10の左側壁10aに押し付けられるように固定される。容器接続部31の外周面には、Oリング51装着用の溝が2箇所設けられており、この溝に夫々Oリング51が装着されている。容器2にドレンユニット3が固定され、容器接続部31の先端部が連通孔11に挿入された際に、このOリング51によって容器接続部31の連通孔11への挿入部における燃料漏れが防止される。
【0036】
<効果>
以上のように、本実施形態のベーパセパレートタンク1は、樹脂製の容器2と、ドレンユニット3とを備えている。容器2を樹脂製にすることで、ベーパセパレートタンク1の軽量化を図ることができる。
【0037】
一方、ドレンユニット3のバルブボデー15は金属で形成されており、容器2よりも強度が高いので、例えばドレン通路20を封鎖すべくドレンスクリュ16を強く締め付けたとしても、バルブボデー15の破損を防止することができる。また、ドレンユニット3のバルブボデー15は、容器2よりも硬度が高いので、ドレンスクリュ16を閉めた際に、バルブボデー15の弁座45とドレンスクリュ16の弁体21との密着性を向上させ、ドレンユニット3の閉時におけるドレン通路20の封止性を向上させることができる。
【0038】
また、バルブボデー15が容器2に固定用ねじ13によって着脱可能に固定されるので、バルブボデー15が破損あるいは故障したとしても、バルブボデー15を交換することで修理が容易に完了する。これにより、容器2を交換する必要がなく、ベーパセパレートタンク1の修理費用を抑制することができる。
【0039】
更に、バルブボデー15は、内部に弁座45を備えたバルブボデー本体部30と、一端がバルブボデー本体部30に接続され、他端がバルブボデー本体部30から外方に突出して容器2の連通孔に挿入して接続し、容器2からバルブボデー本体部30内にドレン通路20を連通させる容器接続部31と、ドレンニップル32とによって構成されている。そして、バルブボデー本体部30に容器接続部31及びドレンニップル32を圧入してバルブボデー15が形成されている。
【0040】
これにより、例えば本実施形態のように、バルブボデー本体部30を矩形ブロック状にするとともに容器接続部31やドレンニップル32を筒状にして夫々簡単な部品構造にすることができる。したがって、バルブボデー15をバルブボデー本体部30及びドレンニップル32と一体的に形成した場合と比較して、部品の歩留まりを向上させ、部品コストを低減させることができる。
【0041】
また、ベーパセパレートタンク1の製造者において、容量が異なる容器2を製造する必要がある場合でも、ドレンユニット3を共通化することができる。また、連通孔11の内径が異なる容器2を使用する場合であっても、連通孔11の内径に合わせた外径の容器接続部31を用意してドレンユニット3に使用することで、バルブボデー本体部30の共通化を図ることができる。
【0042】
また、ドレン排出用のドレンニップル32について、接続するホースの内径が異なるベーパセパレートタンク1を製造する必要がある場合でも、ホースの内径に合わせたドレンニップル32を用意して使用することで、バルブボデー本体部30の共通化を図ることができる。
【0043】
このように、共通化したバルブボデー本体部30と、連通孔11の内径に合わせた容器接続部31、ホースの内径に合わせたドレンニップル32を使用することで、部品点数を抑えつつ各種のドレンユニット3を製造することができる。
【0044】
また、バルブボデー本体部30は、容器2に固定用ねじ13によって締結されるが、固定用ねじ13の締結方向が容器2に対する容器接続部31の挿入方向と同一である。これにより、容器2にバルブボデー本体部30を固定用ねじ13によって締結して締め付けることで、容器2に対して容器接続部31が挿入される。これにより、容器2と容器接続部31とを確実に接続させることができる。
【0045】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態のベーパセパレートタンク1における各部品の詳細な形状、構造については適宜異なるものでもよい。
【0046】
例えば、上記実施形態のバルブボデー本体部30に対する容器接続部31、ドレンスクリュ16及びドレンニップル32の取り付け方向や取り付け位置を適宜変更してもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、容器2を樹脂、バルブボデー15を金属で形成しているが、これに限定するものではなく、バルブボデー15を容器2よりも強度及び硬度の高い物質で形成すればよい。
【0048】
また、上記実施形態は、船舶等の内燃機関の燃料系統に備えられたベーパセパレートタンク1であるが、他の用途に用いられるベーパセパレートタンクに本発明を適用してもよい。
【0049】
また、ベーパセパレートタンクだけではなく、ドレン機能が必要な各種液体を貯留するタンクについても本発明を広く適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 ベーパセパレートタンク(液体容器)
2 容器(容器本体)
3 ドレンユニット
11 連通孔
13 固定用ねじ
15 バルブボデー
16 ドレンスクリュ
20 ドレン通路
21 弁体
30 バルブボデー本体部
31 容器接続部
32 ドレンニップル
45 弁座
図1
図2
図3
図4
図5