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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127078
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】欠陥検査装置及び欠陥検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/04 20060101AFI20230906BHJP
   G01N 29/12 20060101ALI20230906BHJP
   G01N 29/46 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
G01N29/04
G01N29/12
G01N29/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030636
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人東海国立大学機構
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】横田 康成
(72)【発明者】
【氏名】河村 洋子
(72)【発明者】
【氏名】辻 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】永塚 満
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA05
2G047AB05
2G047BA04
2G047BC04
2G047BC10
2G047CA01
2G047CA03
2G047GD02
2G047GG12
2G047GG20
2G047GG32
2G047GG33
2G047GG39
2G047GG47
(57)【要約】
【課題】様々な種類の欠陥の位置を推定可能な欠陥検査装置を提供する。
【解決手段】欠陥検査装置は、取得部と、推定部と、を備える。取得部は、検査領域にある複数の検査位置毎の打音データを収音装置から取得する。推定部は、以下の(1)から(6)の処理を行う。(1)打音データを解析して、検査位置毎の打音データの特徴を示す特徴値を算出する。(2)検査領域を仮欠陥領域と、当該仮欠陥領域の補集合である仮正常領域と、に区分する。(3)仮欠陥領域と、仮正常領域と、を特徴値を用いて区別するように機械学習によりパターン認識を行う。(4)パターン認識の誤差を検査位置毎に算出する。(5)誤差に基づいて反転領域を設定し、反転領域の仮欠陥領域と仮正常領域を入れ替える。(6)パターン認識の結果が収束するまで、(3)から(5)の処理を繰り返すことにより欠陥領域を推定する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査領域にある複数の検査位置毎の打音データを収音装置から取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記打音データに基づいて、前記検査領域に含まれる欠陥領域を推定する推定部と、
を備え、
前記推定部は、
(1)前記打音データを解析して、前記検査位置毎の前記打音データの特徴を示す特徴値を算出し、
(2)前記検査領域を仮欠陥領域と、当該仮欠陥領域の補集合である仮正常領域と、に区分し、
(3)前記仮欠陥領域と、前記仮正常領域と、を前記特徴値を用いて区別するように機械学習によりパターン認識を行い、
(4)前記パターン認識の誤差を前記検査位置毎に算出し、
(5)前記誤差に基づいて反転領域を設定し、前記反転領域の前記仮欠陥領域と前記仮正常領域を入れ替え、
(6)前記パターン認識の結果が収束するまで、前記(3)から前記(5)の処理を繰り返すことにより前記欠陥領域を推定する詳細検査を行うことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の欠陥検査装置であって、
前記推定部は、前記誤差が閾値を超える領域が存在しなくなった場合に、前記パターン認識の結果が収束したと判定することを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の欠陥検査装置であって、
前記取得部は、仮検査領域の打音データと、当該仮検査領域とは異なる位置にある複数の比較領域の打音データと、を前記収音装置から取得し、
前記推定部は、
前記打音データを解析して、前記仮検査領域の前記打音データの前記特徴値と、前記比較領域毎の前記打音データの前記特徴値と、を算出し、
前記仮検査領域の前記特徴値と、前記比較領域毎の前記特徴値と、の差異に基づいて、前記仮検査領域を前記仮欠陥領域と前記仮正常領域に区分する概要検査を行うことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項4】
請求項3に記載の欠陥検査装置であって、
前記詳細検査で検査対象物を叩く位置の間隔は、前記概要検査で検査対象物を叩く位置の間隔よりも短いことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の欠陥検査装置であって、
複数の前記検査位置を自動的に叩く打撃装置を備えることを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項6】
検査領域にある複数の検査位置毎の打音データを収音装置から取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記打音データに基づいて、前記検査領域に含まれる欠陥領域を推定する推定部と、
を備え、
前記推定部は、
(1)前記検査領域の中に、仮検査領域と、仮検査領域に基づいて設定された複数の比較領域と、を設定し、
(2)前記仮検査領域と前記比較領域について、前記打音データの特徴を示す特徴値を算出し、
(3)前記仮検査領域の特徴値と前記比較領域毎の特徴値の差異に基づいて欠陥領域を推定することを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項7】
検査領域にある複数の検査位置毎の打音データを収音装置から取得し、
(1)前記打音データを解析して、前記検査位置毎の前記打音データの特徴を示す特徴値を算出し、
(2)前記検査領域を仮欠陥領域と、当該仮欠陥領域の補集合である仮正常領域と、に区分し、
(3)前記仮欠陥領域と、前記仮正常領域と、を前記特徴値を用いて区別するように機械学習によりパターン認識を行い、
(4)前記パターン認識の誤差を前記検査位置毎に算出し、
(5)前記誤差に基づいて反転領域を設定し、前記反転領域の前記仮欠陥領域と前記仮正常領域を入れ替え、
(6)前記パターン認識の結果が収束するまで、前記(3)から前記(5)の処理を繰り返すことにより欠陥領域を推定する詳細検査を行うことを特徴とする欠陥検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、主として、打音データに基づいて検査対象物の欠陥を推定する欠陥推定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、FRP(Fiber Reinforced Plastic)をハンマで打撃した際の打音スペクトルに基づいて、欠陥の有無を判定する方法を開示する。具体的には、Δ=dB2-dB1という値を求める。dB1は、欠陥のないときに特徴的となる周波数の音である。FRPパネルの欠陥がない箇所は、この周波数帯域において、山状のスペクトルとなり、特徴的となることが多い。また、dB2は、欠陥のあるときに差が現れる周波数の音である。FRPパネルの欠陥がある箇所は、この周波数帯域において、欠陥がない場合に比べてレベルが高くなることが多い。
【0003】
特許文献2は、構造物をハンマで叩いた際の打音データの特徴量に基づいて欠陥の有無を判定する方法を開示する。この方法では、打音データに基づいて、200Hzごとの音の強さを求めることで、特徴量を抽出する。次に、クラスタリングを用いて特徴量の選択を行う。この方法では、選択した特徴量に基づいて、判定対象の打音データを分類するための分類器を生成する。特許文献2では、この分類器を用いて、判定対象の打音データを、欠陥がない構造物の打音データか、欠陥がある構造物の打音データに分類する。
【0004】
非特許文献1は、空洞を含む試験片を打撃治具で打撃した際の音圧波形に基づいて、空洞のおおよその大きさ及び位置を推定する方法を開示する。この方法では、予め空洞の大きさ及び位置が既知の試験片で得られた音圧波形及び高速フーリエ変換を適用した周波数特性に基づいてクラスタリングマップを作成する。次に、判定対象の試験片の打音波形がクラスタリングマップのどのグループに最も近いかを判定することにより、空洞のおおよその大きさ及び位置を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4736501号公報
【特許文献2】特開2018-13348号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】松岡瑛喜,廣瀬陽一,倉橋貴彦,村上祐貴,外山茂浩,池田富士男,井山徹郎,井原郁夫著、「打音検査による欠陥定量的評価の高精度化に対する随伴変数法の適用」、Journal of the Society of Materials Science, Japan, Vol.67, No.9、2018年9月発行、pp.860-876
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の方法ではΔ値に基づいて欠陥を判定するが、Δ値そのものに物理的な意味はなく、欠陥の指標として汎用性のあるものとはいえない。そのため、欠陥の種類によっては、欠陥がある部分のΔ値と欠陥がない部分のΔ値が重なる。従って、特許文献1の方法では、様々な種類の欠陥の位置を推定することができない。特許文献2の方法では、事前に学習して生成した分類器に基づいて欠陥の位置を推定する。そのため、特許文献2の方法では、学習していない欠陥を認識することができないので、様々な種類の欠陥の位置を推定することができない。非特許文献1では、空洞に関する欠陥の位置を推定する方法が開示されているものの、それ以外の欠陥を推定する方法は開示されていない。
【0008】
本出願は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、様々な種類の欠陥の位置を推定可能な欠陥検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0010】
本出願の第1の観点によれば、以下の構成の欠陥検査装置が提供される。即ち、欠陥検査装置は、取得部と、推定部と、を備える。前記取得部は、検査領域にある複数の検査位置毎の打音データを収音装置から取得する。前記推定部は、前記取得部が取得した前記打音データに基づいて、前記検査領域に含まれる欠陥領域を推定する。推定部は、以下の(1)から(6)の処理を行う。(1)前記打音データを解析して、前記検査位置毎の前記打音データの特徴を示す特徴値を算出する。(2)前記検査領域を仮欠陥領域と、当該仮欠陥領域の補集合である仮正常領域と、に区分する。(3)前記仮欠陥領域と、前記仮正常領域と、を前記特徴値を用いて区別するように機械学習によりパターン認識を行う。(4)前記パターン認識の誤差を前記検査位置毎に算出する。(5)前記誤差に基づいて反転領域を設定し、前記反転領域の前記仮欠陥領域と前記仮正常領域を入れ替える。(6)前記パターン認識の結果が収束するまで、前記(3)から前記(5)の処理を繰り返すことにより前記欠陥領域を推定する詳細検査を行う。
【0011】
本出願の第2の観点によれば、以下の構成の欠陥検査装置が提供される。即ち、欠陥検査装置は、取得部と、推定部と、を備える。前記取得部は、検査領域にある複数の検査位置毎の打音データを収音装置から取得する。前記推定部は、前記取得部が取得した前記打音データに基づいて、前記検査領域に含まれる欠陥領域を推定する。推定部は、以下の(1)から(3)の処理を行う。(1)前記検査領域の中に、仮検査領域と、仮検査領域に基づいて設定された複数の比較領域と、を設定する。(2)前記仮検査領域と前記比較領域について、前記打音データの特徴を示す特徴値を算出する。(3)前記仮検査領域の特徴値と前記比較領域毎の特徴値の差異に基づいて欠陥領域を推定する。
【0012】
本出願の第3の観点によれば、以下の欠陥検査方法が提供される。即ち、検査領域にある複数の検査位置毎の打音データを収音装置から取得する。(1)前記打音データを解析して、前記検査位置毎の前記打音データの特徴を示す特徴値を算出する。(2)前記検査領域を仮欠陥領域と、当該仮欠陥領域の補集合である仮正常領域と、に区分する。(3)前記仮欠陥領域と、前記仮正常領域と、を前記特徴値を用いて区別するように機械学習によりパターン認識を行う。(4)前記パターン認識の誤差を前記検査位置毎に算出する。(5)前記誤差に基づいて反転領域を設定し、前記反転領域の前記仮欠陥領域と前記仮正常領域を入れ替える。(6)前記パターン認識の結果が収束するまで、前記(3)から前記(5)の処理を繰り返すことにより欠陥領域を推定する詳細検査を行う。
【発明の効果】
【0013】
本出願によれば、様々な種類の欠陥の位置を推定可能な欠陥検査装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】欠陥検査装置を用いてパネルの検査を行う様子を示す概念図。
図2】概要検査におけるパネルの仮検査領域及び比較領域を示す図。
図3】概要検査のフローチャート。
図4】詳細検査におけるパネルの検査位置、仮欠陥領域、仮正常領域を示す図。
図5】詳細検査のフローチャート。
図6】詳細検査の流れを示す概念図。
図7】欠陥検査装置を用いた実験の結果を示す図。
図8】他の実施形態の欠陥検査装置を用いてパネルの検査を行う様子を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図面を参照して本出願の実施形態を説明する。図1は、欠陥検査装置10を用いてパネル21の検査を行う様子を示す概念図である。
【0016】
欠陥検査装置10は、パネル21を叩いた際の打音データに基づいて、パネル21の欠陥を推定する装置である。パネル21は、欠陥検査装置10の検査対象物である。本実施形態のパネル21は、コア材の両面をスキン材で挟んで接着した構造の複層パネルである。コア材は、例えばハニカムコア等の空洞を含む部材である。スキン材は、コア材よりも薄い板状の部材である。なお、欠陥検査装置10は、打音検査が可能なあらゆる形状及び材質の物体を検査可能である。従って、欠陥検査装置10の検査対象物は、空洞を有さない中実状の部材であってもよいし、設置済みの構造物であってもよい。
【0017】
パネル21に含まれる欠陥としては、例えば、コア材が周囲と比べて凹んでいるコア凹部、コア材とスキン材が接着されていない接着剤未適用部、コア材とスキン材の間に異物としてのバックシートが含まれるバックシート適用部等がある。ただし、欠陥検査装置10が検出する欠陥は、上記の欠陥に限られない。
【0018】
本実施形態では、検査員がハンマ22を用いて打音検査を行う。具体的には、検査員は、予め定められた手順に沿ってパネル21の各位置をハンマ22を用いて叩く。なお、ハンマ22に代えて打診棒等を用いて打音検査を行ってもよい。また、後述するように、打撃装置を用いて自動的にパネル21を叩いてもよい。
【0019】
図1に示すように、欠陥検査装置10は、収音装置11と、コンピュータ12と、を備える。
【0020】
収音装置11は、マイクロフォンであり、パネル21を叩いた際に発生する打音を受け止めて電気信号に変換する。以下では、この電気信号を打音データと称する。打音データは、時間に応じた振幅の変化、即ち打音波形を示す。収音装置11は、ダイヤフラム式であってもよいし、圧電式であってもよい。収音装置11は、特定の方向(例えばパネル21が存在する方向)に指向性を有する構成であってもよいし、無指向性であってもよい。収音装置11は、打音データを有線又は無線でコンピュータ12に出力する。
【0021】
コンピュータ12は、CPU等の演算装置と、HDD,SSD,フラッシュメモリ等の記憶装置と、有線モジュール又は無線モジュール等の通信機器と、を備える。記憶装置に記憶されたプログラムを演算装置が実行することにより、コンピュータ12は、欠陥検査装置10に関する様々な処理を実行可能である。上記のハードウェアとソフトウェアの協働によって、コンピュータ12を、取得部12a及び推定部12bとして動作させることができる。
【0022】
取得部12aは、収音装置11から打音データを取得する。取得部12aは、コンピュータ12のコネクタ又はアンテナを用いて打音データを受信し、増幅及び信号変換等を行う。
【0023】
更に、取得部12aは、打音データと、ハンマ22で叩いた位置と、を対応付けて記憶装置に記憶する。打音データを位置と対応付ける方法は様々である。例えば、ハンマ22でパネル21を叩く位置と順序を予め定めることにより、打音データを位置と対応付けることができる。あるいは、コンピュータ12の音声又は映像による指示に応じて検査員がハンマ22でパネル21を叩くことにより、打音データを位置と対応付けることもできる。あるいは、検査員がキーボード又はマウス等の操作具を操作することで叩く位置を登録してから、実際にハンマ22でパネル21を叩くことにより、打音データを位置と対応付けることもできる。
【0024】
推定部12bは、取得部12aが取得した打音データに基づいて、パネル21の欠陥領域を推定する。推定部12bによる欠陥領域の推定は、検査員がハンマ22でパネル21を叩く処理と並行して行われてもよい。あるいは、検査員がハンマ22でパネル21を叩く処理が完了した後に、推定部12bによる欠陥領域の推定が行われてもよい。推定部12bが行う処理の詳細は後述する。
【0025】
打音検査は、熟練した検査員が打音の音色に基づいて判定することが一般的である。しかし、この方法では、検査員による検査精度のバラツキが大きい。また、検査員を熟練させるために手間と時間が必要となったり、検査員の身体的負担が大きかったりすることもある。また、先行技術文献で示した方法では、特定の特徴を判別ないしは学習するものであるため、様々な種類の欠陥の位置を精度良く推定することが困難である。この点、本実施形態の欠陥検査装置10は、収音条件を定量化することで検査員による検査精度のバラツキが生じにくく、かつ、特定の特徴に依存しない特徴の誤差に着目することで様々な種類の欠陥の位置をより精度良く推定することができる。以下、本実施形態の欠陥検査方法を詳細に説明する。
【0026】
欠陥検査装置10を用いて行われる検査には、欠陥のおおよその位置を推定する概要検査と、欠陥の形状を推定する詳細検査と、が含まれる。本実施形態では、概要検査を行った後に、概要検査の結果を用いて詳細検査を行う。ただし、概要検査を省略することもできる。概要検査を省略する場合は、詳細検査にて欠陥の位置および形状の両方を推定する。
【0027】
以下、図2及び図3を参照して、概要検査について説明する。図2は、概要検査におけるパネル21の仮検査領域及び比較領域を示す図である。図3は、概要検査のフローチャートである。
【0028】
上述したように、パネル21には、様々な種類の欠陥が含まれる。また、欠陥が存在する箇所を叩いた際の打音は、欠陥の種類に応じて異なる。そのため、予め全ての打音を学習することは困難である。一方で、欠陥が存在する箇所を叩いた際の打音は、当該欠陥周囲の正常な箇所を叩いた際の打音とは異なる。概要検査ではこの点に着目し、他の箇所と打音が異なる領域を特定し、この領域を詳細検査の対象とする。以下、具体的な処理を説明する。
【0029】
図2に示すように、概要検査では、パネル21の表面を複数の正方形の領域に区分する。それぞれの領域の一辺の長さは、長さL1である。概要検査では、検査員は、これらの領域の一点を検査員がハンマ22で1回又は複数回叩く。検査員がハンマ22で叩く位置は、図2の中点で示すように、各領域の中心であることが好ましい。収音装置11は、ハンマ22で叩くことにより発生した打音を打音データに変換してコンピュータ12へ出力する。打音を収音して打音データに変換する際のサンプリング周波数は44.1kHzである。
【0030】
図3に示すように、コンピュータ12の取得部12aは、収音装置11から位置毎の打音データを取得する(S101)。次に、コンピュータ12の推定部12bは、初期の仮検査領域を設定する(S102)。仮検査領域とは、概要検査を用いて欠陥の有無を推定する対象の領域である。図2では、仮検査領域は斜線のハッチングとして示している。概要検査では、全ての領域を順番に検査する。
【0031】
次に、推定部12bは、仮検査領域に基づいて、複数の比較領域を設定する(S103)。比較領域は、仮検査領域と打音データを比較するための領域である。図2では、比較領域は網点のハッチングとして示している。ここで、仮検査領域に隣接する領域には、仮検査領域と同じ欠陥が存在する可能性が高い。また、仮検査領域から遠く離れた領域は、正常な領域同士であっても打音データが異なる可能性がある。そのため、本実施形態では、仮検査領域を基準として2つ離れた領域を比較領域としている。ただし、比較領域は、仮検査領域と異なる領域であれば、どのような領域を選択してもよい。例えば、パネル21の特性や長さL1の大きさ等によっては、隣接する領域又は3つ以上離れた領域を選択することが好ましい場合もある。
【0032】
次に、推定部12bは、仮検査領域の特徴値と比較領域毎の特徴値の差異を算出する(S104)。特徴値とは、打音データの特徴を示す値である。本実施形態では、特徴値として打音データのAR係数を用いる。上述したように打音データは打音波形を示す。また、パネル21の同じ位置がハンマ22で複数回叩かれた場合は、複数回の打音波形を相関解析して一定値以上の相関係数を有する複数の打音波形を抽出して平均をとってもよい。この打音波形に対してN次のAR係数を推定する。AR係数の推定は、公知のユールウォーカー法、最小二乗法、最尤法、又はBurg法等を用いて行うことができる。座標(i,j)の位置の打音波形に対して推定されたAR係数は、以下の式(1)で示される。
【数1】
【0033】
本実施形態では、仮検査領域のAR係数から比較領域のAR係数を減算して二乗することにより特徴値の差異を算出する。仮検査領域の座標を(i1,j1)とし、ある比較領域の座標を(i2,j2)とした場合、差異dARは以下の式(2)で示される。特徴値であるAR係数の差異は、打音の音色の違いを示す値と捉えることができる。
【数2】
【0034】
次に、推定部12bは、仮検査領域の特徴値と比較領域毎の特徴値の差異の大きさの合計値PARに基づいて、設定された仮検査領域を詳細検査の対象とするか否かを決定する(S105)。合計値PARは、上記の式(2)に基づいて、以下の式(3)で示される。
【数3】
【0035】
概要検査では、詳細検査の対象とする仮検査領域の抽出を行う。例えば、差異の大きさの合計値PARが大きいほど仮欠陥領域である確率が高く、差異の大きさの合計値PARが小さいほど仮正常領域である確率が高い。従って、推定部12bは、差異の大きさの合計値PARに基づいて、該当の仮検査領域が仮欠陥領域か仮正常領域かを推定する。また、推定部12bは、仮検査領域を仮欠陥領域と推定した場合、この仮検査領域を詳細検査の対象とする。更に、推定部12bは、仮検査領域を仮正常領域と推定した場合、この仮検査領域を詳細検査の対象外とする。ただし、推定部12bは、仮欠陥領域の近傍にある仮正常領域について、詳細検査の対象であると判定してもよい。詳細検査の対象か否かを決定する際には、閾値を使用してもよい。閾値を使用する場合、閾値は、実験や経験に基づき適宜決定できる。また、例えば、図2の比較領域の16箇所について、仮検査領域の特徴値と比較領域の特徴値の差異を個別に算出し、差異が閾値を超える箇所数に基づいて、詳細検査の対象とするか否かを決定してもよい。
【0036】
特徴値はAR係数に限られず、異なる方法で特徴値を算出してもよい。例えば、打音波形をフーリエ変換することにより算出したパワースペクトルを用いてもよい。パワースペクトルとは、打音波形の周波数毎の強度を示す値である。具体的には、パワースペクトルを複数の周波数帯に区分し、それぞれの周波数帯のエネルギー値を数値化したものを特徴値として用いることができる。
【0037】
次に、推定部12bは、全ての仮検査領域の検査が完了したか否かを判定する(S106)。推定部12bは、検査をしていない仮検査領域が残っている場合、次の仮検査領域を設定して(S107)、ステップS103以降の処理を再び行う。次の仮検査領域の設定は、推定部12bではなく検査員等が設定してもよい。推定部12bは、全ての仮検査領域の検査が完了した場合、概要検査を終了する。
【0038】
上記の概要検査を行うことにより、欠陥の種類に関係なく、欠陥が含まれる領域を推定することができる。また、検査員の主観や経験に依存せず、客観的に推定を行うことができるため、検査員の熟練度に関係なく欠陥が含まれる領域を推定することができる。
【0039】
次に、図4から図6を参照して、詳細検査について説明する。図4は、詳細検査におけるパネルの検査位置、仮欠陥領域、仮正常領域を示す図である。図4では、パネルの検査位置を中点、仮欠陥領域を斜め格子状ハッチング、仮正常領域を斜線ハッチングで示している。図5は、詳細検査のフローチャートである。図6は、詳細検査の流れを示す概念図である。
【0040】
本実施形態では、詳細検査は、概要検査の後に行われる。詳細検査は、概要検査で推定された仮欠陥領域について、欠陥の形状を推定する検査である。そのため、図4で示す詳細検査で収音装置11を叩く位置の間隔を示す長さL2は、図2で示す概要検査で収音装置11を叩く位置の間隔を示す長さL1よりも短かくなる場合が多い。
【0041】
初めに、推定部12bは、検査領域を設定する(S201)。検査領域とは、詳細検査で検査を行う単位の領域である。検査領域は、概要検査で推定した仮欠陥領域に基づいて設定される。本実施形態では、仮欠陥領域の一辺を3倍した領域を検査領域とする。つまり、仮欠陥領域の一辺の長さをL3で示し、検査領域の一辺の長さをL4で示した場合、3×L3=L4が成り立つ。ただし、検査領域の設定の方法は様々であり、仮欠陥領域の一辺を所定倍、例えば2倍以上4倍以下にした領域を検査領域としてもよいし、予め定めた大きさ及び形状の領域を検査領域としてもよい。
【0042】
次に、コンピュータ12は、長さL2の間隔で検査領域を叩くように検査員に指示する。以下では、検査領域のうち、詳細検査のために叩く位置を検査位置と称する。コンピュータ12の取得部12aは、収音装置11から検査位置毎の打音データを取得する(S202)。
【0043】
次に、コンピュータ12の推定部12bは、検査位置毎の特徴値を算出する(S203)。本実施形態では、詳細検査においても概要検査と同様に特徴値としてAR係数を用いる。AR係数の推定方法は概要検査と同じである。また、概要検査と同様、特徴値としてパワースペクトルを用いることもできる。なお、パネル21全体においては、正常領域のAR係数同士であっても離れた位置間では差異が大きい可能性もあるが、狭い検査領域内においては、正常領域のAR係数同士は殆ど同じであると仮定できる。
【0044】
次に、推定部12bは、概要検査の結果に基づいて、仮欠陥領域及び仮正常領域を設定する(S204)。本実施形態では、概要検査の結果に基づいて仮欠陥領域と仮正常領域を設定する。検査領域は仮欠陥領域と仮正常領域の何れかに分類される。言い換えれば、仮正常領域は、仮欠陥領域の補集合である。なお、概要検査を省略する場合、任意の領域を仮欠陥領域として設定してもよい。なぜなら、後述するように仮欠陥領域の設定が誤っていた場合でも修正されるからである。
【0045】
次に、推定部12bは、仮欠陥領域と仮正常領域を、特徴値を用いて区別するように機械学習によりパターン認識する(S205)。本実施形態では、以下の方法でパターン認識を行う。ここでは、仮欠陥領域をAで示し、仮正常領域をBで示す。A,Bには、それぞれ複数の検査位置が含まれる。これらの検査位置の特徴量であるAR係数を線形空間で線形分離する。つまり、以下の式(4)で示す分離関数を用い、式(5)に示すように、仮欠陥領域を1として仮正常領域を0とする。そして、式(6)に示す2乗誤差Iを最小にするように分離関数の重みwk k=1,…,Nを定める。
【数4】
【0046】
なお、仮欠陥領域と仮正常領域を、特徴値を用いてパターン認識により区別する方法は、上述した方法に限られない。例えば、非線形分離又はサポートベクターマシン等の手法を用いて、パターン認識を行ってもよい。
【0047】
次に、推定部12bは、パターン認識の誤差を検査位置毎に算出する(S206)。この誤差は、パターン認識の精度を評価するための指標であり、具体的には上述した2乗誤差Iである。
【0048】
次に、推定部12bは、パターン認識の結果が収束したか否かを判定する(S207)。収束したか否かの判定方法は任意であり、様々な方法を用いることができる。例えば、推定部12bは、検査領域におけるパターン認識の誤差の小ささ、例えば2乗誤差Iの値に基づいてパターン認識の結果が収束したか否かを判定する。詳細には、パターン認識の誤差に対して閾値を設定し、誤差が閾値を超える領域が存在しなくなった場合に、パターン認識の結果が収束したと判定する。ただし、誤差が閾値を超える領域が僅かに残っている状態でもパターン認識の結果が収束したと判定してもよい。
【0049】
推定部12bは、パターン認識の結果が収束していないと判定した場合、パターン認識の誤差に基づいて反転領域を設定し、反転領域の仮欠陥領域と仮正常領域を入れ替える(S208)。反転領域の設定は、例えば、閾値を用いて行うことができる。つまり、パターン認識の誤差が閾値を超える領域が仮欠陥領域であった場合は、仮正常領域に変更し、パターン認識の誤差が閾値を超える領域が仮正常領域であった場合は、仮欠陥領域に変更する。図6に示す例において、パターン認識の誤差が閾値を超える領域が反転領域である。また、反転領域の設定は、パターン認識の誤差の大きな領域のうち、仮欠陥領域と仮正常領域の境界部分(欠陥部分は1つの領域だと仮定した場合)に限定した領域に設定したり、特定のパターン(よく出現する欠陥形状など)に類似した形状の領域に設定したりすることもできる。
【0050】
その後、推定部12bは、ステップS205からS207の処理を再び行う。即ち、仮欠陥領域と仮正常領域を入れ替えた後に、再び機械学習によるパターン認識及びその誤差の差算出を行う。推定部12bは、パターン認識の結果が収束するまでこれらの処理を繰り返す。そして、推定部12bは、パターン認識の結果が収束したと判定した場合、式(4)に示す分離関数、言い換えれば特徴値に応じて算出される値が閾値を超える領域を欠陥領域と推定する(S209)。なお、この処理に代えて、パターン認識の結果が収束した時点における仮欠陥領域を欠陥領域と推定してもよい。
【0051】
図7には、本実施形態の欠陥検査装置10を用いて概要検査及び詳細検査を行って欠陥を推定した実験の結果が示されている。この実験では、複数のパネルに対して、欠陥サイズが10mm、20mm、30mmの欠陥を設けて、それらを推定した。設けた欠陥の種類は、上述した接着剤未適用部及びバックシート適用部である。また、実験で用いたパネルのうち上側に配置されるスキン材を上面スキンと称し、下側に配置されるスキン材を下面スキンと称する。上面スキンの表面は凹凸を含んでいる。下面スキンの表面は平坦である。図7では、左右方向に3つの写真が並べられている。それぞれの写真では、設けられた欠陥サイズの大きさが異なる(左から10mm、20mm、30mm)。検査で用いた、パネル、面、欠陥については左端の写真の左側に記載されている。また、図7の各図の中心に記載された矩形は、実際に設けられた欠陥の範囲を示す。図7の各図において曲線で囲まれた領域は、推定部12bが推定した欠陥領域である。検査員が欠陥検査装置10なしで検査を行って欠陥を検出できなかったものについては、写真の右上に×印が付されている。図7に示すように、検査員Aが欠陥検査装置10なしで検査を行った場合、パネル1の欠陥サイズ10mmの欠陥を検出できなかった。しかし、欠陥検査装置10を用いることにより、この欠陥の検出に成功した。また、検査員Bが欠陥検査装置10なしで検査を行った場合、パネル3の欠陥サイズ10mm,20mm,30mmの欠陥を検出できなかった。しかし、欠陥検査装置10を用いることにより、これら欠陥の検出に成功した。図7に示すように、本実施形態の欠陥検査装置10を用いることにより、検査員の個人差や欠陥サイズに関係なく、欠陥を精度良く推定できる。
【0052】
次に、図8を参照して、他の実施形態を説明する。上述した欠陥検査装置10は、検査員がハンマ22でパネル21を叩く。これに代えて、他の実施形態の欠陥検査装置100は、打撃装置32を用いて自動的にパネル21を叩く。
【0053】
打撃装置32は、例えば先端にハンマが設けられており、パネル21に対してハンマを進退させてパネル21を叩くことが可能である。また、打撃装置32は、例えばパネル21の一辺に沿って移動可能に構成されている。また、パネル21は搬送量を調整可能なコンベア31に載せられている。従って、コンベア31及び打撃装置32により、パネル21の表面の任意の位置を叩くことができる。この構成により、打撃装置32は、予め定められた又はコンピュータ12が決定した位置を叩くことができる。欠陥検査装置100が打撃装置32を備えることにより、検査員の身体的負担を小さくすることができる。
【0054】
なお、打撃装置32が平面視で直交する2方向に移動可能であってもよい。この場合、コンベア31を省略できる。また、欠陥検査装置100が、収音装置11、コンピュータ12、及び打撃装置32を一体的に備えていてもよい。
【0055】
なお、欠陥検査装置100の収音装置11及びコンピュータ12については、上述した実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0056】
本実施形態の欠陥検査装置10,100は、取得部12aと、推定部12bと、を備える。取得部12aは、検査領域にある複数の検査位置毎の打音データを収音装置11から取得する。推定部12bは、取得部12aが取得した打音データに基づいて、検査領域に含まれる欠陥領域を推定する。(1)打音データを解析して、検査位置毎の打音データの特徴を示す特徴値を算出する。(2)検査領域を仮欠陥領域と、仮欠陥領域の補集合である仮正常領域と、に区分する。(3)仮欠陥領域と、仮正常領域と、を特徴値を用いて区別するように機械学習によりパターン認識を行う。(4)パターン認識の誤差を検査位置毎に算出する。(5)誤差に基づいて反転領域を設定し、反転領域の仮欠陥領域と仮正常領域を入れ替える。(6)パターン認識の結果が収束するまで、前記(3)から前記(5)の処理を繰り返すことにより欠陥領域を推定する詳細検査を行う。
【0057】
これにより、教師データに基づいて事前に作成した判定モデル等ではなく、周囲との比較に基づいて欠陥領域を想定するため、様々な種類の欠陥の位置を推定できる。
【0058】
本実施形態の欠陥検査装置10,100において、推定部12bは、誤差が閾値を超える領域が存在しなくなった場合に、パターン認識の結果が収束したと判定する。
【0059】
これにより、欠陥領域を精度良く推定できる。
【0060】
本実施形態の欠陥検査装置10,100において、取得部12aは、仮検査領域の打音データと、仮検査領域とは異なる位置にある複数の比較領域の打音データと、を収音装置11から取得する。打音データを解析して、仮検査領域の打音データの特徴値と、比較領域毎の打音データの特徴値と、を算出する。仮検査領域の特徴値と、比較領域毎の特徴値と、の差異の大きさの合計値に基づいて、仮検査領域を仮欠陥領域と仮正常領域とに区分する概要検査を行う。
【0061】
別の位置の打音データの特徴量を比較するため、仮欠陥領域を的確に設定できる。
【0062】
本実施形態の欠陥検査装置10,100において、詳細検査で検査対象物を叩く位置の間隔は、概要検査で検査対象物を叩く位置の間隔よりも短い。
【0063】
概要検査でおおよその検査を行い、詳細検査で詳細に検査できる。
【0064】
本実施形態の欠陥検査装置10,100において、複数の検査位置を自動的に叩く打撃装置32を備える。
【0065】
これにより、検査員の手間を軽減できる。
【0066】
以上に本出願の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0067】
上記実施形態では、概要検査と詳細検査の両方を行う方法、及び、詳細検査のみを行う方法を説明した。これに代えて、概要検査のみを行って詳細検査を省略してもよい。詳細検査を省略する場合、上記実施形態の概要検査で仮欠陥領域と推定された領域を欠陥領域として取り扱う。
【0068】
上記実施形態で示したフローチャートは一例であり、一部の処理を省略したり、一部の処理の内容を変更したり、新たな処理を追加したりしてもよい。
【0069】
なお、本出願にて開示する推定部12bをはじめとする各要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成又はプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、及び/又は、それらの組み合わせ、を含む回路又は処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路又は回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、又は手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、又は、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラム又は構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、又はユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェア及び/又はプロセッサの構成に使用される。
【符号の説明】
【0070】
10,100 欠陥検査装置
11 収音装置
12 コンピュータ
12a 取得部
12b 推定部
21 パネル
22 ハンマ
31 コンベア
32 打撃装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8