(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127099
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】試験装置
(51)【国際特許分類】
E05B 41/00 20060101AFI20230906BHJP
E05B 47/00 20060101ALI20230906BHJP
G01R 31/54 20200101ALI20230906BHJP
【FI】
E05B41/00 F
E05B47/00 R
G01R31/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030667
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱野 淳基
【テーマコード(参考)】
2G014
【Fターム(参考)】
2G014AA02
2G014AA13
2G014AB00
2G014AC02
(57)【要約】
【課題】少ない人員で導通の試験を実施できる試験装置を提供する。
【解決手段】試験装置は、扉に設けられた電気錠と信号線を介して接続された入退管理装置によって電気錠の施解錠が制御される電気錠システムにおいて、電気錠の代わりに入退管理装置と信号線を介して接続される試験装置であって、入退管理装置から電気錠を動作させる電圧を受け付ける電圧試験部と、電気錠の施解錠状態を疑似的に示す信号を入退管理装置に発信する施解錠試験部と、扉の開閉状態を疑似的に示す信号を入退管理装置に発信する扉開閉試験部と、電圧試験部が入退管理装置からの電圧を受け付けた場合に、試験手順に基づいて施解錠試験部の施解錠状態および扉開閉試験部の扉開閉状態を制御する試験制御部と、を備えた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉に設けられた電気錠と信号線を介して接続された入退管理装置によって前記電気錠の施解錠が制御される電気錠システムにおいて、前記電気錠の代わりに前記入退管理装置と前記信号線を介して接続される試験装置であって、
前記入退管理装置から前記電気錠を動作させる電圧を受け付ける電圧試験部と、
前記電気錠の施解錠状態を疑似的に示す信号を前記入退管理装置に発信する施解錠試験部と、
前記扉の開閉状態を疑似的に示す信号を前記入退管理装置に発信する扉開閉試験部と、
前記電圧試験部が前記入退管理装置からの電圧を受け付けた場合に、試験手順に基づいて前記施解錠試験部の施解錠状態および前記扉開閉試験部の扉開閉状態を制御する試験制御部と、
を備えた試験装置。
【請求項2】
前記試験制御部は、試験手順として、
前記電圧試験部が電圧を受け付けた場合に、前記施解錠試験部を解錠状態にさせ、
前記施解錠試験部を解錠状態にさせてから規定の時間が経過した場合に、前記扉開閉試験部を扉開状態にさせ、
前記扉開閉試験部を扉開状態にさせてから規定の時間が経過した場合に、前記扉開閉試験部を扉閉状態にさせ、
前記扉開閉試験部を扉閉状態にさせてから規定の時間が経過した場合に、前記施解錠試験部を施錠状態にさせる、
請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記電圧試験部は、前記入退管理装置からの電圧値が閾値以上である場合に、印加された電圧の状態を示す電圧ランプを点灯させる請求項1または請求項2に記載の試験装置。
【請求項4】
前記施解錠試験部は、
施錠状態である場合に、施錠状態であることを示す施錠ランプを点灯させて前記電気錠が施錠状態であることを疑似的に示す信号を発信し、
解錠状態である場合に、解錠状態であることを示す解錠ランプを点灯させて前記電気錠が解錠状態であることを疑似的に示す信号を発信する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項5】
前記扉開閉試験部は、
扉開状態である場合に、扉開状態であることを示す扉開ランプを点灯させて前記扉が開状態であることを疑似的に示す信号を発信し、
扉閉状態である場合に、扉閉状態であることを示す扉閉ランプを点灯させて前記扉が閉状態であることを疑似的に示す信号を発信する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電気錠システムにおける電気錠の試験装置を開示する。当該電気錠の試験装置は、電気錠と接続される。電気錠の試験装置は、電気錠を制御する入退管理装置の動作を模擬する。作業員は、試験装置の動作を確認することで、電気錠に異常があるかを判断し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の試験装置を用いることで、電気錠の異常が判断される。また、入退管理装置と電気錠との間に異常が発生しているか否かは、入退管理装置と電気錠との間の信号線の導通試験によって判断される。通常、入退管理装置と電気錠との間は数メートル離れている。このため、当該試験は、電気錠の側に配置される作業員と、入退管理装置の側に配置される作業員との2人の作業員で実施される。しかしながら、電気錠システムの故障発生時に、作業員を2人確保することが難しいことがある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、少ない人員で導通の試験を実施できる試験装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る試験装置は、扉に設けられた電気錠と信号線を介して接続された入退管理装置によって電気錠の施解錠が制御される電気錠システムにおいて、電気錠の代わりに入退管理装置と信号線を介して接続される試験装置であって、入退管理装置から電気錠を動作させる電圧を受け付ける電圧試験部と、電気錠の施解錠状態を疑似的に示す信号を入退管理装置に発信する施解錠試験部と、扉の開閉状態を疑似的に示す信号を入退管理装置に発信する扉開閉試験部と、電圧試験部が入退管理装置からの電圧を受け付けた場合に、試験手順に基づいて施解錠試験部の施解錠状態および扉開閉試験部の扉開閉状態を制御する試験制御部と、を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、試験制御部は、試験手順に基づいて施解錠状態および扉開閉状態を制御する。このため、少ない人員で導通の試験を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1における試験装置が適用される電気錠システムの構成図である。
【
図2】実施の形態1における試験装置のブロック図である。
【
図3】実施の形態1における試験装置が行う動作の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における試験装置が適用される電気錠システムの構成図である。
【0011】
図1には、電気錠システム1が示される。電気錠システム1は、図示されない建築物に設けられる。電気錠システム1は、扉2と電気錠3と通電金具4と読取装置5と入退管理装置6と配線パイプ7と信号線8とを備える。
【0012】
扉2は、建築物において部屋の出入口に設けられる。例えば、電気錠3は、通電時解錠方式の錠である。電気錠3は、扉2に設けられる。通電金具4の一部は、扉2に設けられる。通電金具4の他部は、扉2が設けられた壁に設けられる。通電金具4は、内部において、一部から他部にわたって配線を通し得る。例えば、通電金具4の内部には、コネクタ4aが設けられる。図示されないが、通常状態において、コネクタ4aは、電気錠3と電気的に接続される。
【0013】
例えば、読取装置5は、カードリーダである。読取装置5は、扉2の横に設けられる。例えば、入退管理装置6は、IDC:ID Controllerである。入退管理装置6は、扉2が設けられた階と同じ階に設けられる。例えば、入退管理装置6は、扉2から数m以上離れた位置に設けられる。入退管理装置6は、配線を介して読取装置5と電気的に接続される。
【0014】
例えば、配線パイプ7は、配線用の配管である。配線パイプ7は、入退管理装置6が設けられた階に設けられる。配線パイプ7は、扉2から入退管理装置6まで繋がる。具体的には、配線パイプ7は、扉2から入退管理装置6までの間の当該階の壁の内部、天井の内部、等に設置される。信号線8は、配線パイプ7の内部を通される。信号線8は、電気錠3と入退管理装置6とを電気的に接続する。具体的には、信号線8は、入退管理装置6から配線パイプ7および通電金具4を通って、コネクタ4aにおいて電気錠3と電気的に接続される。
【0015】
図示されないが、通常状態において、入退管理装置6は、電気錠3の解錠状態および施錠状態を制御する。読取装置5は、扉2の通行者のIDカードから認証情報を読み取り、通行者を認証する。入退管理装置6は、読取装置5から通行者を認証したことを示す情報を受信した場合、電気錠3を解錠する。具体的には、入退管理装置6は、電気錠3のソレノイドを励起するためのソレノイド電圧を信号線8を介して電気錠3に印加する。例えば、入退管理装置6は、電気錠3にソレノイド電圧として24Vの電圧を印加する。
【0016】
電気錠3は、当該電圧に応じて解錠する。また、電気錠3は、施錠状態または解錠状態のいずれであるかを示す施解錠信号と、扉2が開状態または閉状態のいずれであるかを示す扉開閉信号と、を信号線8を介して入退管理装置6に送信する。なお、入退管理装置6は、電気錠3から施解錠信号を受信しないことで電気錠3が施錠状態であることを認識してもよい。入退管理装置6は、電気錠3から扉開閉信号を受信しないことで扉2が開状態であることを認識してもよい。
【0017】
電気錠3が解錠した後、扉2が開けられる。その後、扉2が閉められる。電気錠3は、施錠状態になる。入退管理装置6は、施解錠信号および扉開閉信号に基づいて、扉2が閉状態であり電気錠3が施錠状態であることを認識する。入退管理装置6は、電気錠3に印加していたソレノイド電圧を0Vにする。
【0018】
例えば、電気錠3が故障した場合、入退管理装置6は、電気錠3からの信号の状態に基づいて、異常を検出する。図示されないが、入退管理装置6は、電気錠システム1の保守管理会社のセンター装置に対して、異常を検出した旨を通知する。この場合、保守管理会社は、作業員を派遣する。
【0019】
作業員は、まず、信号線8が正常に信号を導通するかの試験を行う。この際、作業員は、試験装置10をコネクタ4aに接続する。試験装置10は、入退管理装置6からの制御電圧に対応する電気錠3の動作を模擬する。具体的には、試験装置10は、入退管理装置6からソレノイド電圧が印加された後、電気錠3が発信する施解錠信号および扉開閉信号を模擬した信号を、試験手順に基づいて自動で発信する。また、試験装置10は、電圧ランプ11と施解錠ランプと扉開閉ランプとを備える。本実施の形態において、試験装置10は、施解錠ランプとして施錠ランプ12と解錠ランプ13とを備える。試験装置10は、扉開閉ランプとして扉開ランプ14と扉閉ランプ15とを備える。例えば、電圧ランプ11と施錠ランプ12と解錠ランプ13と扉開ランプ14と扉閉ランプ15とは、いずれもLEDである。試験装置10は、信号の発信状態に対応するランプを点灯させる。
【0020】
例えば、作業員は、扉2の側のコネクタ4aに試験装置10を接続した後、入退管理装置6の側において当該導通の試験を行う。そのため、従来は、扉2の側の作業員と入退管理装置6の側の作業員との2人で行われていた信号線8の導通の試験が、1人の作業員で実行され得る。
【0021】
次に、信号線8と試験装置10とを説明する。
図2は実施の形態1における試験装置のブロック図である。なお、
図2において、扉2の図示は省略される。
【0022】
図2に示されるように、信号線8は、電圧線8aと施解錠信号線8bと扉開閉信号線8cとを含む。電圧線8aと施解錠信号線8bと扉開閉信号線8cとは、それぞれ一対の導線から構成される。電圧線8aと施解錠信号線8bと扉開閉信号線8cとは、それぞれ入退管理装置6と試験装置10とに接続される。
【0023】
試験装置10は、電圧試験部16と施解錠試験部17と扉開閉試験部18と試験制御部19とを備える。
【0024】
試験装置10は、電圧試験部16と施解錠試験部17と扉開閉試験部18と試験制御部19との各機能を実現する電気回路によって構成される。なお、試験装置10は、電圧試験部16と施解錠試験部17と扉開閉試験部18と試験制御部19との各機能を実現する処理回路によって構成されてもよい。この場合、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを備える。メモリは、各機能を示すプログラムを格納する。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを読みだして実行することで、試験装置10の各機能を実現する。
【0025】
電圧試験部16は、電圧線8aを介して入退管理装置6と接続される。電圧試験部16は、ソレノイド電圧を受け付ける。電圧試験部16は、ソレノイド電圧に基づいて、電圧ランプ11を点灯または消灯させる。具体的には、電圧試験部16は、ソレノイド電圧値が規定の閾値以上である24Vである場合、電圧ランプ11を点灯させる。
【0026】
施解錠試験部17は、施解錠信号線8bを介して入退管理装置6と接続される。施解錠試験部17は、施解錠状態として疑似的な施錠状態と疑似的な解錠状態とを設定する。施解錠試験部17は、施解錠状態に応じて、
図1には図示されない電気錠3の施解錠信号を模擬する信号を入退管理装置6に発信する。施解錠試験部17は、施解錠状態に応じて施錠ランプ12および解錠ランプ13を点灯または消灯させる。なお、入退管理装置6との間で施解錠信号を模擬する信号が正常に伝達されないことを検出した場合、施解錠試験部17は、施錠ランプ12および解錠ランプ13の少なくとも1つを点灯または消灯させない。
【0027】
扉開閉試験部18は、扉開閉信号線8cを介して入退管理装置6と接続される。扉開閉試験部18は、扉開閉状態として疑似的な扉開状態と疑似的な扉閉状態とを設定する。扉開閉試験部18は、扉開閉状態に応じて、電気錠3の扉開閉信号を模擬する信号を入退管理装置6に発信する。扉開閉試験部18は、扉開閉状態に応じて扉開ランプ14および扉閉ランプ15を点灯または消灯させる。なお、入退管理装置6との間で扉開閉信号を模擬する信号が正常に伝達されないことを検出した場合、扉開閉試験部18は、扉開ランプ14および扉閉ランプ15の少なくとも1つを点灯または消灯させない。
【0028】
試験制御部19は、試験手順の情報を記憶する。試験制御部19は、試験手順に基づいて、施解錠試験部17の施解錠状態および扉開閉試験部18の扉開閉状態を制御する。
【0029】
具体的には、試験制御部19は、電圧試験部16に規定の閾値以上の電圧が印加された場合、試験手順を開始する。試験手順は、電気錠3が解錠されてから施錠されるまでの電気錠3の状態が模擬された手順である。試験手順が開始する時点で、施解錠試験部17は、施錠状態である。扉開閉試験部18は、扉閉状態である。
【0030】
まず、試験制御部19は、施解錠試験部17の設定を施錠状態から解錠状態に変更する。施解錠試験部17が解錠状態になってから規定の時間が経過した場合、試験制御部19は、扉開閉試験部18の設定を扉閉状態から扉開状態に変更する。扉開閉試験部18が扉開状態になってから規定の時間が経過した場合、試験制御部19は、扉開閉試験部18の設定を扉開状態から扉閉状態に変更する。扉開閉試験部18が扉閉状態になってから規定の時間が経過した場合、試験制御部19は、施解錠試験部17の設定を解錠状態から施錠状態に変更する。その後、試験制御部19は、試験手順を終了する。
【0031】
次に、
図3を用いて、導通試験において作業員と電気錠システム1とが行う動作を説明する。
図3は実施の形態1における試験装置が行う動作の概要を示す図である。なお、
図3には電気錠3の図示が省略される。
【0032】
図3に示されるように、導通試験は、試験装置10が電気錠3の代わりに入退管理装置6に接続された状態で開始される。試験装置10において、電圧ランプ11が消灯し、施錠ランプ12が点灯し、解錠ランプ13が消灯し、扉開ランプ14が消灯し、扉閉ランプ15が点灯している。導通試験では、動作O1から動作O18が行われる。なお、以下で説明する導通試験では、電圧線8a、施解錠信号線8b、および扉開閉信号線8cは、いずれも正常であるとする。
【0033】
まず、動作O1として、作業員は、読取装置5に認証情報を読み取らせる。動作O2として、読取装置5は、認証情報に基づいて、通行者を認証したことを示す情報を入退管理装置6に送信する。
【0034】
通行者を認証したことを示す情報を受信した場合、動作O3として、入退管理装置6は、電圧線8aを介して試験装置10に24Vのソレノイド電圧を印加する。即ち、試験装置10に印加される電圧は、0Vから24Vに変化する。この場合、動作O4として、試験装置10は、電圧ランプ11を点灯させる。
【0035】
その後、試験装置10は、施解錠状態の設定を施錠状態から解錠状態に変更する。この場合、動作O5として、施錠ランプ12が消灯する。動作O6として、解錠ランプ13が点灯する。動作O7として、入退管理装置6と試験装置10との間で、解錠信号がmakeする。このため、入退管理装置6は、電気錠3が解錠されたと認識する。
【0036】
その後、試験装置10は、規定の時間として3秒間待機する。3秒が経過した場合、試験装置10は、扉開閉状態の設定を扉閉状態から扉開状態に変更する。この場合、動作O8として、扉閉ランプ15が消灯する。動作O9として扉開ランプ14が点灯する。動作O10として、入退管理装置6と試験装置10との間で、戸閉信号がbreakする。このため、入退管理装置6は、扉2が開いていると認識する。
【0037】
その後、試験装置10は、規定の時間として3秒間待機する。3秒が経過した場合、試験装置は、扉開閉状態の設定を扉開状態から扉閉状態に変更する。この場合、動作O11として、扉開ランプ14が消灯する。動作O12として、扉閉ランプ15が点灯する。動作O13として、入退管理装置6と試験装置10との間で、扉閉信号がmakeする。このため、入退管理装置6は、扉2が閉じていると認識する。
【0038】
その後、試験装置10は、規定の時間として3秒間待機する。3秒が経過した場合、試験装置10は、施解錠状態の設定を解錠状態から施錠状態に変更する。この場合、動作O14として、解錠ランプ13が消灯する。動作O15として、施錠ランプ12が点灯する。動作O16として、入退管理装置6と試験装置10との間で、解錠信号がbreakする。このため、入退管理装置6は、電気錠3が施錠されたと認識する。
【0039】
電気錠3が施錠されたと認識した場合、動作O17として、入退管理装置6は、ソレノイド電圧の印加を終了する。即ち、試験装置10に印加される電圧は、24Vから0Vに変化する。この場合、動作O18として、電圧ランプ11が消灯する。
【0040】
試験装置10を目視できる場合、作業員は、導通試験における試験装置10の各ランプの点灯および消灯を確認することで、電圧線8a、施解錠信号線8b、および扉開閉信号線8cが正常であると判断してもよい。
【0041】
なお、例えば、施解錠信号線8bが断線している場合、動作O7において、入退管理装置6と試験装置10との間で解錠信号がmakeしない。この場合、例えば、動作O6において解錠ランプ13が点灯しない。このため、作業員は、施解錠信号線8bに異常があると判断する。
【0042】
なお、例えば、扉開閉信号線8cが断線している場合、導通の試験を開始する際に、入退管理装置6と試験装置10との間で扉閉信号がmakeしない。この場合、例えば、導通の試験を開始する際に扉閉ランプ15が点灯しない。このため、作業員は、扉開閉信号線8cに異常があると判断する。
【0043】
試験装置10を目視できない場合、作業員は、入退管理装置6の挙動を確認することで、電圧線8a、施解錠信号線8b、および扉開閉信号線8cが正常であると判断してもよい。例えば、作業員は、入退管理装置6に接続した保守端末の表示に基づいて、入退管理装置6の挙動を確認してもよい。
【0044】
以上で説明した実施の形態1によれば、試験装置10は、電圧試験部16と施解錠試験部17と扉開閉試験部18と試験制御部19とを備える。試験装置10は、試験手順に基づいて、電気錠3の状態を模擬する信号を制御する。即ち、信号線8の導通の試験において、試験装置10は、従来では扉2の側にいる作業員が行っていた作業と同様の動作を自動で行う。このため、当該試験における作業員の数を減らすことができる。このため、少ない人員で導通の試験を行うことができる。
【0045】
また、試験装置10は、試験手順に応じて、電圧ランプ11、施錠ランプ12、解錠ランプ13、扉開ランプ14、および扉閉ランプ15の少なくとも1つを消灯または点灯させる。このため、作業員は、導通の試験の状態を目視で確認することができる。
【0046】
なお、試験制御部19は、試験手順とは別に、施解錠試験部17の設定および扉開閉試験部18の設定を変更してもよい。例えば、試験装置10に設けられた図示されないスイッチの操作に基づいて、試験制御部19は、施解錠試験部17の設定および扉開閉試験部18の設定を変更してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 電気錠システム、 2 扉、 3 電気錠、 4 通電金具、 4a コネクタ、 5 読取装置、 6 入退管理装置、 7 配線パイプ、 8 信号線、 8a 電圧線、 8b 施解錠信号線、 8c 扉開閉信号線、 10 試験装置、 11 電圧ランプ、 12 施錠ランプ、 13 解錠ランプ、 14 扉開ランプ、 15 扉閉ランプ、 16 電圧試験部、 17 施解錠試験部、 18 扉開閉試験部、 19 試験制御部