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  • 特開-商品購入システム 図1
  • 特開-商品購入システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127131
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】商品購入システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20230906BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030723
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】518355962
【氏名又は名称】株式会社ウィングド
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】吉羽 潤司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB22
(57)【要約】
【課題】ユーザ(消費者)にとって商品の選択の幅を広げることを可能とする商品購入システムを提供することである。
【解決手段】商品購入システム10は、複数の商品販売事業者の各ECサイトの中から所定の商品の価格を複数取得する価格情報取得部12と、価格情報取得部12により取得した商品の価格に対応する複数の商品の中からユーザが選択した商品の価格に対して、複数の商品販売事業者が所定の期間内に商品の価格よりも低価格を競い合うための低価格競争部14と、低価格競争部14により提示された低価格を含めた複数の価格に基づいて、ユーザが購入する商品を決定する購入商品決定部16と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品販売事業者の各ECサイトの中から所定の商品の価格を複数取得する価格情報取得部と、
前記価格情報取得部により取得した前記商品の価格に対応する複数の前記商品の中からユーザが選択した前記商品の価格に対して、前記複数の商品販売事業者が所定の期間内に前記商品の価格よりも低価格を競い合うための低価格競争部と、
前記低価格競争部により提示された前記低価格を含めた複数の価格に基づいて、前記ユーザが購入する商品を決定する購入商品決定部と、
を備えることを特徴とする商品購入システム。
【請求項2】
請求項1に記載の商品購入システムにおいて、
前記低価格競争部は、前記競い合いに参加できる事業者が資本力を有する大手販売事業者以外の資本力に乏しい事業者に限定されていることを特徴とする商品購入システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の商品購入システムにおいて、
前記低価格競争部は、前記購入商品決定部により前記商品が決定された時に前記競り合いを停止することを特徴とする商品購入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品購入システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ECサイトによって商品を購入する消費者が増えている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、ユーザによる商品の選択を受け付ける受付手段と、複数の配送業者の各々により定められた、前記商品の配送に要する送料と配送時間の少なくとも一方に関する配送情報を取得する取得手段と、前記複数の配送業者の各々の前記配送情報に基づいて、前記商品の注文が確定する前の画面に、前記複数の配送業者の中で相対的に安い送料と相対的に早い配送可能日の少なくとも一方を表示させる表示制御手段と、を含むことを特徴とする表示制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-22267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コロナ禍の影響もあって、ECサイトの売上が増加する中、ECサイトを運営する一部の大手販売事業者のみの商品が売れ続け、その他の小規模販売事業者の商品が全く売れないなど格差が広がっている。
【0005】
消費者が商品の購入を決定する要素の1つとして価格があり、低価格であるほど売れる傾向にある。小規模販売事業者も場合によっては低価格で勝負することができるため、大手販売事業者と競り合うことが可能なシステムの開発が求められている。
【0006】
本発明の目的は、ユーザ(消費者)にとって商品の選択の幅を広げることを可能とする商品購入システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る商品購入システムは、複数の商品販売事業者の各ECサイトの中から所定の商品の価格を複数取得する価格情報取得部と、前記価格情報取得部により取得した前記商品の価格に対応する複数の前記商品の中からユーザが選択した前記商品の価格に対して、前記複数の商品販売事業者が所定の期間内に前記商品の価格よりも低価格を競い合うための低価格競争部と、前記低価格競争部により提示された前記低価格を含めた複数の価格に基づいて、前記ユーザが購入する商品を決定する購入商品決定部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る商品購入システムにおいて、前記低価格競争部は、前記競い合いに参加できる事業者が資本力を有する大手販売事業者以外の資本力に乏しい事業者に限定されていることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る商品購入システムにおいて、前記低価格競争部は、前記購入商品決定部により前記商品が決定された時に前記競り合いを停止することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザ(消費者)にとって商品の選択の幅を広げることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る実施形態の商品購入システムを示す図である。
図2】本発明に係る実施形態の商品購入システムにおいて、低価格競争部の機能を用いて小規模販売事業者が低価格を競っている様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0013】
図1は、本発明に係る実施形態の商品購入システム10を示す図である。図2は、本発明に係る実施形態の商品購入システム10において、低価格競争部14の機能を用いて小規模販売事業者が低価格を競っている様子を示す図である。
【0014】
商品購入システム10は、ユーザ(消費者)にとって商品の選択の幅を広げることが可能なシステムである。商品購入システム10は、価格情報取得部12と、低価格競争部14と、購入商品決定部16と、記憶部18とを備える。
【0015】
商品購入システム10は、ネットワーク1を介して、大手事業者A2、大手事業者B3、大手事業者C4、小規模事業者D5及び小規模事業者E6と接続されている。なお、商品購入システム10を利用して商品を購入するユーザー(消費者)も、ネットワーク1を介して商品購入システム10に接続されている。
【0016】
大手事業者A2、大手事業者B3及び大手事業者C4は、資本力を有する大手企業のECサイトを運営する事業者である。小規模事業者D5及び小規模事業者E6は、資本力に乏しい小規模企業などのECサイトを運営する事業者である。
【0017】
価格情報取得部12は、大手事業者A2、大手事業者B3、大手事業者C4、小規模事業者D5及び小規模事業者E6の各ECサイトの中から所定の商品の価格を複数取得する機能を有する。
【0018】
ユーザが商品a、商品b、商品cの3つの商品の購入を考えているときに、大手事業者A2、大手事業者B3、大手事業者C4、小規模事業者D5及び小規模事業者E6の各ECサイトにおける商品の価格を複数取得し、図2に示されるように、商品の価格を表示する。
【0019】
ここでは、商品aの単価が500円、商品bの単価が400円、商品cの単価が500円と表示されているが、もちろん、この単価以外の価格であってもよい。図2に示す例では、商品aを3個、商品bを5個、商品cを5個購入するものとして説明するが、もちろん、個数は限定されず、また、別の商品が追加されてもよい。
【0020】
低価格競争部14は、価格情報取得部12により取得した商品の価格に対応する複数の商品の中からユーザ(消費者)が選択した商品の価格に対して、複数の商品販売事業者が所定の期間内に商品の価格よりも低価格を競い合うオークション機能を有する。
【0021】
ここで、所定の期間とは、ユーザが選択した商品の価格が決まった日から1週間であるものとして説明するが、1週間より短くてもよく、長く設定してもよい。
【0022】
図2に示す例では、価格情報取得部12が取得した価格の中からユーザが選択した商品の価格の合計金額が5000円のときに、例えば、小規模事業者D5が4800円と提示し、小規模事業者E6が4750円と提示している様子が描かれている。
【0023】
低価格競争部14は、競い合いに参加できる事業者が資本力を有する大手販売事業者以外の資本力に乏しい事業者に限定されている。
【0024】
ここでは、大手事業者A2、大手事業者B3、大手事業者C4、小規模事業者D5及び小規模事業者E6のうち、大手事業者A2、大手事業者B3及び大手事業者C4は資本力を有する事業者であるため、低価格競争部14によるオークション(低価格の競い合い)には参加できず、小規模事業者D5及び小規模事業者E6のみがオークションに参加できるものとして説明するが、もちろん、すべての事業者が参加できるようにしてもよい。
【0025】
低価格競争部14は、購入商品決定部16により商品が決定された時に低価格の競い合いを停止する。図2に示される例において、小規模事業者D5が4800円と提示し、小規模事業者E6が4750円と提示した後に、例えば、ユーザが小規模事業者E6の商品を選択した場合に、オークションを停止する。
【0026】
購入商品決定部16は、低価格競争部14により提示された低価格を含めた複数の価格に基づいて、ユーザが購入する商品を決定する機能を有する。図2の例では、ユーザは小規模事業者D5及び小規模事業者D6が提案する低価格の商品を含めて全体の中から購入する商品を選択することが出来る。
【0027】
記憶部18は、大手事業者A2、大手事業者B3、大手事業者C4、小規模事業者D5及び小規模事業者E6の各ECサイトが取り扱う商品や価格などを記録する機能を有する。
【0028】
続いて、上記構成の商品購入システム10の作用について説明する。近年、コロナ禍の影響もあり、実店舗で商品を購入する代わりに、ECサイトを利用して商品を購入する人が増えている。
【0029】
ECサイトで商品を購入する場合は、資本力に乏しい小規模事業者D5及び小規模事業者E6に比べて、資本力のある大手事業者A2、大手事業者B3及び大手事業者C4の方が商品の品揃えもよく、圧倒的に優位な状況に立つことが多い。
【0030】
小規模事業者D5及び小規模事業者E6も商品を複数購入してもらうなどといった状況に応じて低価格で勝負することが可能な場合もあるため、価格競争の機会が設けられることが求められている。このような課題に対し、本発明に係る実施形態の商品購入システム10は顕著な効果を発揮する。
【0031】
商品購入システム10によれば、ユーザが購入を希望する商品を入力することで、価格情報取得部12の機能により、大手事業者A2、大手事業者B3、大手事業者C4、小規模事業者D5及び小規模事業者E6の各ECサイトが取り扱う商品の中から複数の商品とこれに対応する価格の情報を取得する。
【0032】
この複数の商品の中からユーザが選定したときに、ユーザが購入を希望する商品の仮の購入価格が決まる。この選択により、例えば、図2に示されるように、商品aを3個購入し、商品bを5個購入し、商品cを5個購入する際の金額は、(500×3)+(400×5)+(500×5)=5000円となる。
【0033】
この後、所定の期間(例えば、一週間)は、低価格競争部14の機能により、低価格を競い合うオークションの期間があり、ユーザが仮で決定した購入価格の5000円よりも低価格で勝負できると考える小規模事業者が販売可能な価格を提案する。図2に示される例では、小規模事業者D5が4800円と提示し、小規模事業者E6が4750円と提示している。
【0034】
ユーザは、小規模事業者D5及び小規模事業者E6が提示した価格を含めた全体の価格に基づいて、購入商品決定部16の機能により、最終的に購入する商品を決定する。
【0035】
基本的に、ユーザは価格重視で購入することが多いため、図2の例では、小規模事業者E6が提案した価格で購入することが多いが、価格以外の付加価値(例えば、保証内容やアフターサービス)などを考慮して決定することも可能である。
【0036】
以上のように、商品購入システム10によれば、大手販売事業者(大手事業者A2、大手事業者B3及び大手事業者C4)も含めた全体の中からユーザが選択した商品の価格を仮で決定した後に、一週間以内に、小規模販売事業者(小規模事業者D5及び小規模事業者E6)のみが低価格を競い合うことができる。
【0037】
一般的に、消費者がECサイトで商品を購入する際には、送料がネックになることが多い。例えば、500円の商品に対して、350円の送料がかかる場合、消費者にとっては割高感がある。商品購入システム10によれば、例えば、上記の例で言えば、消費者が商品a,b,cの3種類の商品を複数まとめて購入するため、小規模販売事業者は、送料も含めた金額で提案する余地があり、これにより、消費者にとって大きなメリットを与えることができるという利点がある。
【0038】
一週間という比較的余裕の時間を持たせることで、小規模事業者も様々なことを考慮して挑戦的な価格に設定することができるため、資本力に乏しい小規模事業者にもチャンスが与えられ、ユーザ(消費者)の選択肢もより広げることが出来るという顕著な効果を奏する。
【0039】
また、一週間という期間の中でユーザが購入を決断する価格が提示された際に、期限の満了を待つまでもなく決定して商品を購入し、ユーザは、いち早く商品を手に入れるようにすることも出来る。
【0040】
上記では、低価格競争部14の機能を用いて低価格を競い合うことができるのは、小規模事業者(小規模事業者D5及び小規模事業者E6)に限定されていたが、大手販売事業者(大手事業者A2、大手事業者B3及び大手事業者C4)も含めて競い合わせることも出来る。
【符号の説明】
【0041】
1 ネットワーク、10 商品購入システム、12 価格情報取得部、14 低価格競争部、16 購入商品決定部、18 記憶部、2 大手事業者A、3 大手事業者B、4 大手事業者C、5 小規模事業者D、6 小規模事業者E。
図1
図2