(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127132
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】ワックス微粒子とその製造方法、及び化粧料
(51)【国際特許分類】
B01J 13/00 20060101AFI20230906BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20230906BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20230906BHJP
C11B 11/00 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
B01J13/00 B
A61K8/92
A61Q1/12
C11B11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030724
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000191962
【氏名又は名称】森村ケミカル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501255239
【氏名又は名称】東亜化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中田 祐介
(72)【発明者】
【氏名】飯村 貴司
(72)【発明者】
【氏名】島 美優
(72)【発明者】
【氏名】山田 良彦
(72)【発明者】
【氏名】清水 直弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】尾ノ上 弘典
【テーマコード(参考)】
4C083
4G065
4H059
【Fターム(参考)】
4C083AA081
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB432
4C083AC022
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4C083AC432
4C083AD152
4C083CC12
4C083DD17
4C083DD21
4C083EE06
4C083EE07
4C083FF01
4G065AB05X
4G065AB05Y
4G065AB12X
4G065AB12Y
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4G065BA06
4G065BB07
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4G065DA02
4G065EA03
4G065EA05
4H059BC04
4H059BC07
4H059BC14
4H059BC19
4H059CA72
(57)【要約】
【課題】動物性や植物性の油脂を含む真球度に優れる球状のワックス微粒子を提供する。
【解決手段】実施形態のワックス微粒子は、動物性油脂及び植物性油脂から選ばれる少なくとも1つのワックスを含む球状微粒子を具備する。ワックス微粒子における球状微粒子の真球度は0.90以上である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物性油脂及び植物性油脂から選ばれる少なくとも1つのワックスを含む球状微粒子を具備するワックス微粒子であって、
前記球状微粒子の真球度が0.90以上であるワックス微粒子。
【請求項2】
前記球状微粒子の粒度分布におけるD50値が2μm以上30μm以下である、請求項1に記載のワックス微粒子。
【請求項3】
前記球状微粒子の粒度分布におけるD90値が40μm以下である、請求項2に記載のワックス微粒子。
【請求項4】
前記ワックスは20℃において実質的に固体である、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のワックス微粒子。
【請求項5】
前記ワックスは、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、蜜ロウ、ラノリンワックス、ヒマワリワックス、ひまし硬化油、パーム硬化油、ホホボ硬化油、白ロウ、及び鯨ロウからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のワックス微粒子。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のワックス微粒子の製造方法であって、
前記ワックスの融点以上の温度を有し、かつ室温におけるpHが7以上の熱水からなる水相中に前記ワックスを油相として分散させて混合液を得る工程と、
前記混合液を乳化させて乳化液を得る工程と、
前記乳化液を冷却固化した後、前記水相を除去して前記ワックス微粒子を得る工程と
を具備するワックス微粒子の製造方法。
【請求項7】
前記混合液を得る工程は、前記ワックスをその融点以上の温度の熱水中において溶融し、前記水相中に前記油相を分散させる工程を備える、請求項6に記載のワックス微粒子の製造方法。
【請求項8】
前記混合液を得る工程は、前記ワックスをその融点以上の温度に加熱して溶融し、溶融した前記ワックスを前記ワックスの融点以上の温度を有する熱水中に供給して、前記水相中に前記油相を分散させる工程を備える、請求項6に記載のワックス微粒子の製造方法。
【請求項9】
前記混合液における前記油相の油性成分の割合が5質量%以上60質量%以下となるように、前記混合液を調製する、請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載のワックス微粒子の製造方法。
【請求項10】
前記水相は3質量%以下のイオン性及び非イオン性の安定剤を含む、請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載のワックス微粒子の製造方法。
【請求項11】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のワックス微粒子を具備する化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ワックス微粒子とその製造方法、及び化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から化粧料の材料の1つとして、石油資源由来の微粒子が広く用いられている。石油資源の枯渇や環境負荷の低減等の観点から、非石油資源由来の微粒子が求められている。非石油資源由来の微粒子としては、動物性又は植物性油脂から精製されたワックス微粒子が知られている。
【0003】
上記したワックスを用いた微粒子の製造方法としては、例えばスプレー法や粉砕法等が知られている。スプレー法では、溶融したワックスをスプレーノズルから噴霧し、冷却固化することによって、球状に近いワックス微粒子を得ることができる。しかしながら、スプレー法では得られた微粒子中に合一した粒子が多数存在しており、異形の微粒子を多数含むワックス微粒子しか得ることができない。このため、スプレー法では真球度が低く、かつ粒度分布が広いワックス微粒子しか得ることができず、均一な粒径の微粒子を得るためには分級を行う必要があり、歩留まりが低いという難点がある。粉砕法は、粒径が大きなワックスを機械的に粉砕して微粒子を製造する方法であるため、粒子形状が不安定になってしまい、球状のワックス微粒子を得ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-174745号公報
【特許文献2】特開2017-052706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、動物性油脂や植物性油脂を含む真球度に優れる球状のワックス微粒子とその製造方法、及び化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のワックス微粒子は、動物性油脂及び植物性油脂から選ばれる少なくとも1つのワックスを含む球状微粒子を具備するワックス微粒子であって、前記球状微粒子の真球度が0.90以上である。
【0007】
実施形態のワックス微粒子の製造方法は、実施形態のワックス微粒子の製造方法であって、前記ワックスの融点以上の温度を有し、かつ室温におけるpHが7以上の熱水からなる水相中に前記ワックスを油相として分散させて混合液を得る工程と、前記混合液を乳化させて乳化液を得る工程と、前記乳化液を冷却固化した後、前記水相を除去して前記ワックス微粒子を得る工程とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例のワックス微粒子の粒度分布を示す図である。
【
図2】比較例のワックス微粒子の粒度分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態のワックス微粒子とその製造方法、及び化粧料について説明する。実施形態のワックス微粒子は、動物性油脂及び植物性油脂から選ばれる少なくとも1つのワックス(天然ワックス)を含む球状微粒子を具備する。実施形態のワックス微粒子において、球状微粒子の真球度は0.90以上である。ここで、球状微粒子の真球度は、以下のようにして測定される。まず、走査型電子顕微鏡(SEM)(例えば、キーエンス社製、VE-7800型(商品名))を用いて、微粒子の形状及び表面状態等を映す画像(SEM像)を得る。SEM像に映し出された少なくとも100個の粒子の長径と短径をそれぞれ測定し、各粒子の短径/長径の値を算出し、これらの値の平均値を球状微粒子の真球度とする。このように、実施形態のワックス微粒子は、真球度に優れる球状微粒子を具備するため、後述する化粧料をはじめとする各種の用途に、石油資源由来の微粒子に代えて天然ワックス微粒子を適用することが可能となる。
【0010】
実施形態のワックス微粒子において、球状微粒子の粒度分布におけるD50値(平均粒径/メジアン径)が2μm以上30μm以下であり、さらに球状微粒子の粒度分布におけるD90値が40μm以下である。このように、実施形態のワックス微粒子は、適度なD50値を有し、かつD90値が40μm以下と小さくて粒度分布がシャープな球状微粒子を具備する。従って、後述する化粧料をはじめとする各種の用途に、球状の天然ワックス微粒子を安価に適用することが可能となる。ここで、D50値及びD90値は、以下のようにして測定される。まず、レーザ回折方式の分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル社製、MT3300EX II型(商品名))を用いて、体積基準の積算値による粒度分布を求める。そのような体積基準の積算値が50%の値がD50値(メジアン径)であり、体積基準の積算値が90%の値がD90値である。D50値に対してD90値が小さいということは、粒度分布の広がりが小さくてシャープであり、粒径が揃った微粒子であることを示している。D50値は5μm以上20μm以下であることがより好ましく、またD90値は30μm以下であることがより好ましい。
【0011】
上述した真球度が高く、かつ粒度分布が狭い実施形態のワックス微粒子は、動物性油脂及び植物性油脂から選ばれる少なくとも1つから精製されたワックス(天然ワックス)を、水相中において特定の条件下で乳化して乳化液を形成し、乳化液を冷却固化した後に水相を除去することにより得ることができる。原料の天然ワックスには、20℃において実質的に固体であり、100℃以下の温度範囲で融解する、例えばアルキル基を有するワックスが用いられる。このようなワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、蜜ロウ、ラノリンワックス、ヒマワリワックス、ひまし硬化油、パーム硬化油、ホホバ硬化油、白ロウ、及び鯨ロウからなる群より選ばれる少なくとも1つが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
実施形態のワックス微粒子を製造するにあたって、まず上記したワックスを、その融点以上の温度を有し、かつ室温におけるpHが7以上の熱水からなる水相中に油相として分散させて混合液を形成する。水相と油相との混合液は、例えばワックスをその融点以上の温度の熱水中において溶融して水相中に油相を分散させる方法(方法1)により得ることができる。水相と油相との混合液は、ワックスをその融点以上の温度に加熱して溶融し、該温度以上の熱水中に供給して、水相中に油相を分散させる方法(方法2)によっても得ることができる。水相と油相との混合液は、上記した2つの方法のいずれにより形成してもよいが、ワックスの特性変化を抑制する上で、方法1を適用することがより好ましい。
【0013】
水相と油相との混合液を得る上で、水相の室温におけるpHは7以上であることが好ましく、9以上であることがより好ましく、10以上であることがさらに好ましい。水相のpHが7未満であると、水相に対する油相の分散性が安定せず、粒子が合一しやすくなるため、粒度分布が広くなったり、また球状を保ったまま微粒子として得ることができなくなる。水相のpHを7以上とするために、pHを調整する目的でpH調整剤を使用してもよい。pH調整剤は特に限定されるものではなく、例えば塩酸、酢酸、ホウ酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン-アミノカプロン酸、電解水等の酸類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水、電解水等のアルカリ類が挙げられる。これらのPH調整剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもい。
【0014】
水相と油相との混合液を調製するにあたって、ワックスを混合液の全成分量に対して油相の割合が5質量%以上60質量%以下となるように配合することが好ましい。ワックスの割合が5質量%未満であると、ワックス微粒子を十分な収量で得ることができない。ワックスの割合が60質量%を超えると、水相と油相との混合液が逆相になり、乳化させることができないため、良好なワックス微粒子を得ることができない。ワックスの割合は5質量%以上40質量%以下とすることがより好ましい。
【0015】
上記した水相と油相との混合液を調製するにあたって、必要に応じて水相に乳化安定剤を添加してもよく、その際の添加量は3質量%以下とすることが好ましい。乳化安定剤としては、イオン性又は非イオン性の界面活性剤もしくは粘度調整剤が用いられる。イオン性の界面活性剤は特に限定されるものではなく、例えば高級脂肪酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、リン酸エステル塩、アルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、アミノ酸類、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、脂肪酸アミドアミン塩、サーファクチンナトリウム、レシチン等が挙げられる。イオン性の界面活性剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0016】
非イオン性の界面活性剤は特に限定されず、例えばリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。非イオン性の界面活性剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0017】
粘度調整剤は特に限定されるものではなく、例えばキサンタンガム、グァーガム、アラビアガム、タマリンドシードガム、カラギーナン、プルラン、カードラン、ジェランガム、アルギン酸やその塩等の多糖類、ソルビトール等の糖アルコール類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースやその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。粘度調整剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。水相の粘度調整範囲は7000mPa・s以下が好ましく、6000mPa・s以下がより好ましく、5000mPa・s以下がさらに好ましい。7000mPa・sより大きい粘度では、粘度が高くなりすぎ、乳化時に均一な撹拌することが困難になり、粒度分布が広くなるおそれがある。
【0018】
上述したイオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び粘度調整剤は、これらの中から1種類を使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。さらに、pH調整剤、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び粘度調整剤のそれぞれの中から2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0019】
次に、水相と油相との混合液を乳化させて乳化液を得る。このような乳化工程において、混合液に対してワックスの融点以上の温度で十分なせん断力を加えて乳化させることが好ましく、これにより粒度分布の狭いワックス微粒子を得ることができる。混合液に十分なせん断力を加える方法としては、撹拌羽根による液相撹拌法、連続2軸混合機による撹拌法、ホモジナイザによる混合法、超音波照射による撹拌法等の公知の撹拌法が挙げられ、特に限定されるものではない。
【0020】
液相撹拌法において、撹拌羽根の種類は系に対して十分なせん断力が与えられれば特に限定されるものではない。具体的には、プロペラ型、パドル型、フラットパドル型、タービン型、アンカー型、ダブルコーン型、シングルコーン型、シングルリボン型、ダブルリボン型、スクリュー型等が挙げられる。液相撹拌法で撹拌する際の撹拌羽根の周速は、5m/s以上60m/s以下とすることが好ましく、7m/s以上50m/s以下とすることがより好ましく、10m/s以上40m/s以下とすることがさらに好ましい。撹拌羽根の周速が低すぎると十分なせん断力が加えられず、粒度分布が広くなるおそれがある。撹拌羽根の周速が高すぎると、ワックスの分子鎖が切断されてしまい、原材料のワックス成分とは異なるワックスの微粒子になるおそれがある。
【0021】
上記した乳化法で得られた乳化液を速やかに冷却固化することによって、球状ワックス微粒子スラリーを得ることができる。常圧下においては、水相の沸点以下の融点を有するワックスを油相として乳化させることができる。pH調整、界面活性剤の添加、粘度調整の他に、沸点の上昇を目的とした水溶性成分を添加してもよく、またオートクレーブ等を用いて高圧下で乳化を行ってもよい。高圧下で乳化を行うと、その圧力に応じて融点が100℃以上のワックスを乳化させることもできる。
【0022】
得られた球状ワックス微粒子スラリーについて、減圧ろ過、加圧ろ過、遠心分離、遠心ろ過、スプレードライ等の公知の方法で水相を除去することにより、球状ワックス微粒子を回収することができる。水相除去工程で回収した球状ワックス微粒子は、必要に応じて水又は他の溶媒等で洗浄することによって、安定剤等の不純物を取り除いてもよい。
【0023】
上述したワックス微粒子の製造工程を経て回収された球状ワックス微粒子を乾燥することによって、球状ワックス微粒子製品を得ることができる。最終的に得られるワックス微粒子は0.90以上の真球度を有し、後述する化粧料をはじめとする各種の用途に有効に適用可能な球状の天然ワックス微粒子を提供することができる。さらに、得られるワックス微粒子において、粒度分布におけるD50値が2μm以上30μm以下であり、かつ粒度分布におけるD90値が40μm以下であり、粒径の揃った球状ワックス微粒子を得ることができる。従って、分級操作等を行うことなく、球状ワックス微粒子を歩留まりよく提供することが可能になる。なお、球状ワックス微粒子の大きさは、乳化工程における油相の割合、水相のpH、安定剤の添加量等の条件により制御することができる。
【0024】
図1に実施形態のワックス微粒子(後述する実施例2の球状カルナウバワックス微粒子)の粒度分布を示す。
図1に示す粒度分布は、レーザ回折方式の分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300EX II型(商品名))を用いて求めた体積基準の累積頻度よる粒度分布である。
図2に比較例のワックス微粒子(スプレーパウダ法により作製したワックス微粒子)の粒度分布を示す。
図2に示す粒度分布におけるD50値は27.0μm、D90値は47.9μmであるのに対し、
図1に示す粒度分布におけるD50値は12μm、D90値は21μmであり、粒径が揃っており、粒度分布が狭い球状ワックス微粒子を得ることができることが分かる。
【0025】
実施形態のワックス微粒子は、化粧料の添加剤等として有効である。例えば、ワックス微粒子と化粧料成分とを配合して化粧料を調製することができる。このような化粧料によれば、単一成分の無機粒子(シリカ粒子等)と同様な転がり感や均一な延展性、プラスチックビーズと同様なソフト感としっとり感、ソフトフォーカス効果等を得ることができる。すなわち、化粧料の感触改良剤に求められる代表的な感触特性を満たすことができ、化粧の仕上がりを向上させる機能も付加することができる。
【0026】
具体的な化粧料を表1に分類別に例示する。このような化粧料は、従来公知の一般的な成分や方法により得ることができる。化粧料は、粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティック状、クリーム状、ジェル状、ムース状、液状等の各種形態で使用される。
【0027】
【0028】
各種化粧料成分として、代表的な分類や成分を表2に例示する。さらに、医薬部外品原料規格2021や、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(発行:The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Eleventh Edition 2006)等に収載されている化粧料成分を配合してもよい。
【0029】
【実施例0030】
次に、実施例及びその評価結果について述べる。
【0031】
(実施例1)
室温で水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を添加してpHを10に調整したイオン交換水70質量%と、東亜化成社製カルナウバワックス(製品名:TOWAX-1F6)30質量%との混合物を、105℃に設定したオイルバス中にてタービン型羽根の撹拌機で撹拌しながらワックスの融点以上に加熱した。この際、撹拌羽根の周速が550m/sとなるように、撹拌羽根の回転数を調整した。この状態で90℃に保持してワックスを溶融し、ワックスが全て溶融した時点からさらに10分間撹拌させ、熱水と溶融ワックスの混合物を冷水に注入し、ワックスを冷水中で冷却固化することによって、球状カルナウバワックス微粒子スラリーを得た。このとき、熱水と溶融ワックスの混合物を注入する前の温度は20℃で、注入が終了したときの温度は45℃であった。次いで、得られた球状カルナウバワックス微粒子スラリーをろ過して60%以上の水分を除去し、その後60℃の雰囲気下で乾燥することによって、球状カルナウバワックス微粒子を得た。
【0032】
乾燥後の球状カルナウバワックス微粒子の水分量は0.5%であった。得られた球状カルナウバワックス微粒子の真球度を前述した方法で測定したところ、真球度は0.90であった。また、球状カルナウバワックス微粒子の体積基準の粒度分布を、レーザ回折方式の分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300EX II型(商品名))を用いて求めた。その結果、D50値は20μm、D90値は30μmであった。得られた微粒子の水分量は、日東精工アナリテック社製カールフィシャー式微量水分量測定機(製品名:CA-310型)を用いて測定した。他の例も同様である。
【0033】
(実施例2)
室温で水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを11に調整したイオン交換水90質量%と、東亜化成社製カルナウバワックス(製品名:TOWAX-1F6)10質量%との混合物を、105℃に設定したオイルバス中にて高速ホモジナイザで撹拌しながらワックスの融点以上に加熱した。この状態で90℃に保持してワックスを溶融し、ワックスが全て溶融した時点からさらに10分間撹拌させ、熱水と溶融ワックスの混合物を冷水に注入し、ワックスを冷水中で冷却固化することによって、球状カルナウバワックス微粒子スラリーを得た。このとき、熱水と溶融ワックスの混合物を注入する前の温度は20℃で、注入が終了したときの温度は45℃であった。次いで、得られた球状カルナウバワックス微粒子スラリーをろ過して60%以上の水分を除去し、その後60℃の雰囲気下で乾燥することによって、球状カルナウバワックス微粒子を得た。
【0034】
乾燥後の球状カルナウバワックス微粒子の水分量は0.5%であった。得られた球状カルナウバワックス微粒子の真球度を前述した方法で測定したところ、真球度は0.94であった。また、球状カルナウバワックス微粒子の体積基準の粒度分布を、レーザ回折方式の分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300EX II型(商品名))を用いて求めた。その結果、D50値は12μm、D90値は21μmであった。
【0035】
(実施例3)
室温で水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを11に調整したイオン交換水90質量%と、東亜化成社製ライスワックス(製品名:TOWAX-3F15)30質量%との混合物を、105℃に設定したオイルバス中にて高速ホモジナイザで撹拌しながらワックスの融点以上に加熱した。この状態で90℃に保持してワックスを溶融し、ワックスが全て溶融した時点からさらに10分間撹拌させ、熱水と溶融ワックスの混合物を冷水に注入し、ワックスを冷水中で冷却固化することによって、球状ライスワックス微粒子スラリーを得た。このとき、熱水と溶融ワックスの混合物を注入する前の温度は20℃で、注入が終了したときの温度は45℃であった。次いで、得られた球状ライスワックス微粒子スラリーをろ過して60%以上の水分を除去し、その後60℃の雰囲気下で乾燥することによって、球状ライスワックス微粒子を得た。
【0036】
乾燥後の球状ライスワックス微粒子の水分量は0.5%であった。得られた球状ライスワックス微粒子の真球度を前述した方法で測定したところ、真球度は0.95であった。また、球状ライスワックス微粒子の体積基準の粒度分布を、レーザ回折方式の分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300EX II型(商品名))を用いて求めた。その結果、D50値は14μm、D90値は25μmであった。
【0037】
(実施例4)
室温で水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを11に調整したイオン交換水90質量%と、東亜化成社製サンフラワーワックス(製品名:TOWAX-6F2)10質量%との混合物を、105℃に設定したオイルバス中にて高速ホモジナイザで撹拌しながらワックスの融点以上に加熱した。この状態で90℃に保持してワックスを溶融し、ワックスが全て溶融した時点からさらに10分間撹拌させ、熱水と溶融ワックスの混合物を冷水に注入し、ワックスを冷水中で冷却固化することによって、球状サンフラワーワックス微粒子スラリーを得た。このとき、熱水と溶融ワックスの混合物を注入する前の温度は20℃で、注入が終了したときの温度は45℃であった。次いで、得られた球状サンフラワーワックス微粒子スラリーをろ過して60%以上の水分を除去し、その後60℃の雰囲気下で乾燥することによって、球状サンフラワーワックス微粒子を得た。
【0038】
乾燥後の球状サンフラワーワックス微粒子の水分量は0.5%であった。得られた球状サンフラワーワックス微粒子の真球度を前述した方法で測定したところ、真球度は0.95であった。また、球状サンフラワーワックス微粒子の体積基準の粒度分布を、レーザ回折方式の分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300EX II型(商品名))を用いて求めた。その結果、D50値は14μm、D90値は26μmであった。
【0039】
(実施例5)
室温で水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを11に調整したイオン交換水90質量%と、東亜化成社製カルナウバワックス(製品名:TOWAX-1F6)8質量%及び東亜化成社製ライスワックス(製品名:TOWAX-3F15)2質量%との混合物を、105℃に設定したオイルバス中にて高速ホモジナイザで撹拌しながらワックスの融点以上に加熱した。この状態で90℃に保持してワックスを溶融し、ワックスが全て溶融した時点からさらに10分間撹拌させ、熱水と溶融ワックスの混合物を冷水に注入し、ワックスを冷水中で冷却固化することによって、球状カルナウバ・ライスワックス微粒子スラリーを得た。このとき、熱水と溶融ワックスの混合物を注入する前の温度は20℃で、注入が終了したときの温度は45℃であった。次いで、得られた球状カルナウバ・ライスワックス微粒子スラリーをろ過して60%以上の水分を除去し、その後60℃の雰囲気下で乾燥することによって、球状カルナウバ・ライスワックス微粒子を得た。
【0040】
乾燥後の球状カルナウバ・ライスワックス微粒子の水分量は0.5%であった。得られた球状カルナウバ・ライスワックス微粒子の真球度を前述した方法で測定したところ、真球度は0.93であった。また、球状カルナウバ・ライスワックス微粒子の体積基準の粒度分布を、レーザ回折方式の分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300EX II型(商品名))を用いて求めた。その結果、D50値は20μm、D90値は
30μmであった。
【0041】
(実施例6)
室温で電解水(pH12.5)を添加してpHを11に調整したイオン交換水90質量%を、105℃に設定した熱媒体中にて高速ホモジナイザで撹拌しながら90℃に保持した後、東亜化成社製カルナウバワックス(製品名:TOWAX-1F6)10質量%を添加した。90℃に保持しながらワックスを溶融し、ワックスが全て溶融した時点で連続式乳化機(撹拌機)に送り込みながら混合し、熱水と溶融ワックスの混合物を冷水に注入し、ワックスを冷水中で冷却固化することによって、球状カルナウバワックス微粒子スラリーを得た。このとき、熱水と溶融ワックスの混合物を注入する前の温度は20℃で、注入が終了したときの温度は45℃であった。次いで、得られた球状カルナウバワックス微粒子スラリーをろ過して60%以上の水分を除去し、その後60℃の雰囲気下で乾燥することによって、球状カルナウバワックス微粒子を得た。
【0042】
乾燥後の球状カルナウバワックス微粒子の水分量は0.5%であった。得られた球状カルナウバワックス微粒子の真球度を前述した方法で測定したところ、真球度は0.95であった。また、球状カルナウバワックス微粒子の体積基準の粒度分布を、レーザ回折方式の分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300EX II型(商品名))を用いて求めた。その結果、D50値は10μm、D90値は17μmであった。
【0043】
(実施例7)
室温で水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整したイオン交換水70質量%を、105℃に設定した熱媒体中にて高速ホモジナイザで撹拌しながら90℃に保持した後、東亜化成社製カルナウバワックス(製品名:TOWAX-1F6)30質量%を添加した。90℃に保持しながらワックスを溶融し、ワックスが全て溶融した時点で連続式乳化機に送り込みながら混合し、熱水と溶融ワックスの混合物を冷水に注入し、ワックスを冷水中で冷却固化することによって、球状カルナウバワックス微粒子スラリーを得た。このとき、熱水と溶融ワックスの混合物を注入する前の温度は20℃で、注入が終了したときの温度は45℃であった。次いで、得られた球状カルナウバワックス微粒子スラリーをろ過して60%以上の水分を除去し、その後60℃の雰囲気下で乾燥することによって、球状カルナウバワックス微粒子を得た。
【0044】
乾燥後の球状カルナウバワックス微粒子の水分量は0.5%であった。得られた球状カルナウバワックス微粒子の真球度を前述した方法で測定したところ、真球度は0.91であった。また、球状カルナウバワックス微粒子の体積基準の粒度分布を、レーザ回折方式の分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300EX II型(商品名))を用いて求めた。その結果、D50値は20μm、D90値は29μmであった。
【0045】
(実施例8)
室温で水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを11に調整したイオン交換水90質量%と、東亜化成社製カルナウバワックス(製品名:TOWAX-1F6)10質量%との混合物を、105℃に設定したオイルバス中にて高速ホモジナイザで撹拌しながら加熱した。この状態で90℃に保持してワックスを溶融し、ワックスが全て溶融した状態の熱水と溶融ワックスとの混合物を高圧ホモジナイザにて乳化分散を行いながら冷水に注入し、ワックスを冷水中で冷却固化することによって、球状カルナウバワックス微粒子スラリーを得た。このとき、熱水と溶融ワックスの混合物を注入する前の温度は20℃で、注入が終了したときの温度は45℃であった。次いで、得られた球状カルナウバワックス微粒子スラリーをろ過して60%以上の水分を除去し、その後60℃の雰囲気下で乾燥することによって、球状カルナウバワックス微粒子を得た。
【0046】
乾燥後の球状カルナウバワックス微粒子の水分量は0.5%であった。得られた球状カルナウバワックス微粒子の真球度を前述した方法で測定したところ、真球度は0.95であった。また、球状カルナウバワックス微粒子の体積基準の粒度分布を、レーザ回折方式の分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300EX II型(商品名))を用いて求めた。その結果、D50値は6μm、D90値は10μmであった。
【0047】
(実施例9)
室温でpH7のイオン交換水89質量%と、東亜化成社製カルナウバワックス(製品名:TOWAX-1F6)10質量%と、界面活性剤として青木油脂社製ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(製品名:RCW-100)1質量%とを、105℃に設定したオイルバス中にて高速ホモジナイザで撹拌しながらワックスの融点以上に加熱した。この状態で90℃に保持してワックスを溶融し、ワックスが全て溶融した時点からさらに10分間撹拌させ、熱水と溶融ワックスの混合物を冷水に注入し、ワックスを冷水中で冷却固化することによって、球状カルナウバワックス微粒子スラリーを得た。このとき、熱水と溶融ワックスの混合物を注入する前の温度は20℃で、注入が終了したときの温度は45℃であった。次いで、得られた球状カルナウバワックス微粒子スラリーをろ過して60%以上の水分を除去し、その後60℃の雰囲気下で乾燥することで、球状カルナウバワックス微粒子を得た。
【0048】
乾燥後の球状カルナウバワックス微粒子の水分量は0.5%であった。得られた球状カルナウバワックス微粒子の真球度を前述した方法で測定したところ、真球度は0.95であった。また、球状カルナウバワックス微粒子の体積基準の粒度分布を、レーザ回折方式の分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300EX II型(商品名))を用いて求めた。その結果、D50値は6μm、D90値は10μmであった。
【0049】
(実施例10)
室温でpH7のイオン交換水69質量%と、東亜化成社製カルナウバワックス(製品名:TOWAX-1F6)30質量%と、粘度調整剤としてDSP五協フード&ケミカル社製キサンタンガム(製品名:ラポールガムCX)1質量%とを、105℃に設定したオイルバス中にて高速ホモジナイザで撹拌しながらワックスの融点以上に加熱した。この状態で90℃に保持してワックスを溶融し、ワックスが全て溶融した時点からさらに10分間撹拌させ、熱水と溶融ワックスの混合物を冷水に注入し、ワックスを冷水中で冷却固化することによって、球状カルナウバワックス微粒子スラリーを得た。このとき、熱水と溶融ワックスの混合物を注入する前の温度は20℃で、注入が終了したときの温度は45℃であった。次いで、得られた球状カルナウバワックス微粒子スラリーをろ過して60%以上の水分を除去し、その後60℃の雰囲気下で乾燥することで、球状カルナウバワックス微粒子を得た。
【0050】
乾燥後の球状カルナウバワックス微粒子の水分量は0.5%であった。得られた球状カルナウバワックス微粒子の真球度を前述した方法で測定したところ、真球度は0.95であった。また、球状カルナウバワックス微粒子の体積基準の粒度分布を、レーザ回折方式の分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300EX II型(商品名))を用いて求めた。その結果、D50値は18μm、D90値は28μmであった。
【0051】
(比較例1)
実施例1において、水酸化ナトリウム水溶液に代えて塩酸(HCl)水溶液を添加してpH5に調整したイオン交換水を使用した以外は、実施例1と同様な方法で球状カルナウバワックス微粒子を得た。得られた球状カルナウバワックス微粒子の真球度を前述した方法で測定したところ、真球度は0.88であった。また、球状カルナウバワックス微粒子の体積基準の粒度分布を、レーザ回折方式の分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300EX II型(商品名))を用いて求めた。その結果、D50値は36μm、D90値は67μmであった。
【0052】
(比較例2)
実施例1において、室温で水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整したイオン交換水35質量%と、東亜化成社製カルナウバワックス(製品名:TOWAX-1F6)65質量%との混合物を用いる以外は、実施例1と同様な方法で乳化を試みたところ、逆相となって球状のカルナウバワックス微粒子を得ることはできなかった。
【0053】
実施例及び比較例の製造条件を表3に、真球度、D50値、及びD90値の測定結果を表4に示す。
【0054】
【0055】
【0056】
(実施例A及び比較例A)
[感触特性]
上記した各実施例及び各比較例で得たワックス微粒子の粉体の感触特性を評価した。各粉体について、専門パネラーによる官能テストを行い、さらさら感、しっとり感、転がり感、ソフト感、密着性、及び延展性の6つの評価項目に関して聞き取り調査を行った。以下に示す評価点基準(a)に基づく各人の評価点を合計し、評価基準(b)に基づいて感触特性を評価した。評価結果を表5に示す。表5に示すように、各実施例の粉体は化粧料の感触改善剤として極めて優れているのに対し、各比較例の粉体は化粧料の感触改善剤として適していないことが分かった。
【0057】
[評価点基準(a)]
5点:非常に優れている
4点:優れている
3点:普通
2点:劣る
1点:非常に劣る
[評価基準(b)]
◎:合計点が80点以上
〇:合計点が60点以上80点未満
△:合計点が40点以上60点未満
▲:合計点が20点以上40点未満
×:合計点が20点未満
【0058】
【0059】
[パウダーファンデーションの使用感]
上記した各実施例及び各比較例で得たワックス微粒子の粉体を用いたパウダーファンデーションの使用感を評価した。各粉体を用いて、表6に示す配合比率(質量%)となるように、以下のようにしてパウダーファンデーションを作製した。まず、実施例及び比較例による粉体を成分(1)として、成分(2)~(8)と共にミキサーに投入して撹拌して均一に混合した。次に、化粧料成分(9)~(10)を、成分(1)~(8)を投入したミキサーに入れて、撹拌して均一に混合した。
【0060】
【0061】
このようにして得たパウダーファンデーションについて、10名の専門パネラーによる官能テストを行った。肌への塗布時のさらさら感、しっとり感、ソフト感、及び肌に塗布後のさらさら感、しっとり感、密着感の6つの評価項目に関して聞き取り調査を行った。前述の評価点基準(a)に基づく各人の評価点を合計し、前述の評価基準(b)に基づいてパウダーファンデーションの使用感を評価した。評価結果を表7に示す。各実施例の粉体を用いた化粧料は、塗布中及び塗布後のいずれにおいても使用感に優れているのに対し、各比較例の粉体を用いた化粧料は使用感が良くないことが分かった。
【0062】