(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127152
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】乾燥装置
(51)【国際特許分類】
F26B 17/22 20060101AFI20230906BHJP
F26B 17/12 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
F26B17/22
F26B17/12 B
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030755
(22)【出願日】2022-03-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000176752
【氏名又は名称】三菱化工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100183357
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義美
(72)【発明者】
【氏名】鎌谷 彰人
(72)【発明者】
【氏名】ブイ クオック ビエット
(72)【発明者】
【氏名】小川 健太郎
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AA04
3L113AB05
3L113AC16
3L113AC58
3L113AC62
3L113AC67
3L113BA02
3L113BA36
3L113CB29
3L113CB33
3L113DA24
(57)【要約】
【課題】粉体や粒体などの均一な拡散を図ることにより乾燥効率を向上し、乾燥不足・乾燥ムラを抑え、良品質の商品提供が成し得る乾燥装置を提供する。
【解決手段】鉛直方向で多段状に構成された乾燥部を備え、夫々の乾燥部は、鉛直方向で上方から落下する乾燥媒体を受けて乾燥せしめる乾燥板部と、乾燥板部上の乾燥媒体を順次下段の乾燥部へと落下せしめる掻き取り誘導部18とを含んで構成され、鉛直方向で最上段の乾燥部の上方に、乾燥媒体分散部19を備え、乾燥媒体分散部は、所定位置に複数個の落下孔部26を設けると共に回転可能に配された回転板部20と、回転板部上の乾燥媒体を落下孔部へと案内落下せしめる複数の分散誘導部27と、を含み、夫々の分散誘導部は、回転板部の半径方向で順次長さが異なっている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿潤状態の乾燥媒体を投入する乾燥媒体投入部と、乾燥媒体を乾燥させる乾燥部と、を含み、前記乾燥部は、鉛直方向で第一乾燥部から第n乾燥部まで多段状に構成され、それぞれの乾燥部は、鉛直方向で上方から落下する乾燥媒体を受けて乾燥せしめる乾燥板部と、乾燥板部上の乾燥媒体を順次下段の乾燥部へと落下せしめる掻き取り誘導部と、を含んで構成された乾燥装置であって、
鉛直方向で前記第一乾燥部と前記乾燥媒体投入部との間に乾燥媒体分散部を備え、
前記乾燥媒体分散部は、回転可能に構成されるとともに、前記乾燥媒体投入部から投入された乾燥媒体を受けて周方向に搬送する回転板部と、
前記回転板部に対して固定配設され、前記回転板部上の乾燥媒体を前記第一乾燥部の乾燥板部上へと案内落下せしめる少なくとも一つの分散誘導部と、を含むことを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
前記乾燥媒体投入部は、投入された乾燥媒体を受けて前記回転板部上に案内する乾燥媒体受け部を投入下端側に備えており、
前記乾燥媒体受け部は、投入された乾燥媒体の飛散を抑止する飛散抑止部と、
前記飛散抑止部の一部を構成し、前記回転板部との間に乾燥媒体が通過する所定高さの通過領域を形成可能な上下移動自在の均しゲート部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記回転板部と前記掻き取り誘導部は、回転可能に配設された単一の主軸にそれぞれ固定されて回転動作が同期しており、
前記落下孔部は、前記第一乾燥部に存する掻き取り誘導部の延設方向領域を避けて穿設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記回転板部は、円板状に形成されるとともに、板の周方向で内径寄りの所定位置に複数個の落下孔部を設け、
前記分散誘導部は、前記回転板部に対して所定位置にて所定の間隔をあけて固定配設され、前記回転板部上の乾燥媒体を前記落下孔部へと案内落下せしめる第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部と、を含み、
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記回転板部の半径方向で順次長さが異なっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記回転板部は円板状に形成され、
前記落下孔部は、前記回転板部の内径側に形成されており、
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記回転板部の上面との間に隙間を設けた状態で配設されるとともに、一端側が前記落下孔部の孔上方領域に突き出し配置される長尺ブレードにて構成されており、
前記乾燥媒体受け部から前記回転板上に供給される乾燥媒体の通過軌跡範囲内に、前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部が配置され、
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、順次上流側の分散誘導部よりも他端側が回転板部の外径方向に延在する長尺状に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、湾曲部と、湾曲部の一端から延設された誘導ブレード部とで構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の乾燥装置。
【請求項7】
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、直線平板状の誘導ブレード部であることを特徴とする請求項4又は5に記載の乾燥装置。
【請求項8】
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記それぞれの誘導ブレード部よりも回転方向で上流側に位置する前記回転板部上面の円周方向仮想線と前記誘導ブレード部とで交差して形成される角が鋭角となるように傾斜状に配設されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の乾燥装置。
【請求項9】
前記分散誘導部は、前記乾燥媒体受け部における均しゲート部の外径寄りの位置から回転板部の内径に向かって順次小径状となる連続した単一の渦巻きブレード状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
【請求項10】
前記主軸の位相を検知して、前記乾燥媒体投入部からの乾燥媒体の供給タイミングを制御する制御機構を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乾燥装置、特に医薬品などの粉体や粒体の乾燥に用いられる乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、医薬品・ファインケミカル分野の製造においては、洗浄・濃縮・晶析・ろ過・乾燥等の工程ごとに管理を行うバッチ式生産が基本とされてきた。
このようなバッチ生産では、次のような課題を有していた。
・一回毎に処理できる量が限られているばかりか、所定量毎に一回一回処理しなければならず作業が煩雑である。
・バッチ生産の場合、一度にまとめて加工生産するものであるが、生産量の調整が難しく需要変動に応じた生産計画に柔軟に対応し難いため、在庫ストックに要するコストが掛かっていた。これは、エネルギー消費量においても課題とするところである。
・各工程ごとに作業員が係わる必要があるため、人的負荷が掛かるばかりか人的エラーが発生する虞があり、かつ時間的ロスも多かった。
・工程終了ごとに生産物を次の工程へと移す必要があり、その際に埃やごみなどの異物が混入してしまう虞もあった。
・処理能力に関しては、複数台設置することで解決し得るかもしれないが、設置場所の確保などにおいても課題があった。
【0003】
特に、医薬品製造においては、「安全」に作られ、かつ「一定の品質」が保たれるように厳しく製造・品質管理される必要があるため、薬事法に基づくGMP(Good Manufacturing Practice:製造管理・品質管理基準)に準拠するのが好ましく、GMPを実現するには、従来のバッチ式生産に代えて、洗浄・濃縮・晶析・ろ過・乾燥等の工程を連続して行う連続生産が好ましい。
そこで、本願の発明者等は、この種の連続生産に適した乾燥装置の開発に従事した。
【0004】
特許文献1には、ケーシング内において、鉛直方向に所定間隔で多段に固定配置された中空円板状の乾燥板部と、乾燥板部の中心を貫通するように設けられた回転主軸と、回転主軸に放射状に取り付けられて同期し、多段に配置された各乾燥板部の上面を摺動する4個の掻き取り部と、乾燥板部の中空内部に加熱媒体を供給する手段と、粉体供給機構により、最上段の乾燥板部上へと粉体(被乾燥物)を順次投入する投入口と、を有し、加熱媒体によって加熱されている乾燥板部上に投入された粉体を、掻き取り部の掻き取り動作により、乾燥板部の中心方向または外周方向に掻き取り移動させた後、順次、下段の乾燥板部上へと落下させる。この乾燥・掻き取り動作を鉛直方向で繰り返し連続して行うことによって粉体の連続乾燥処理を行う竪型の多段乾燥装置が開示されている。
【0005】
このような連続式の乾燥装置によれば、湿潤状態の粉体を連続して乾燥処理することができるため、処理能力の向上及び時間的なロスがなく、かつコンタミ防止も有効に図ることができる。
【0006】
従来の連続式の乾燥装置にあっては、一台の粉体供給機構から最上段の乾燥板部上の一箇所に塊となって粉体が供給され、掻き取り部によって掻き取られながら加熱されている乾燥板部上を移動する。そして、乾燥板部の内径方向若しくは外径方向に移動し、内径端縁若しくは外径端縁から下段の乾燥板部上へと落下する。そして、この工程を多段に配した乾燥板部の枚数分繰り返して乾燥処理を終了する。
【0007】
しかし、常時、乾燥板部の同一箇所に落下して供給される塊状態の粉体は、掻き取り部によって掻き取り移動して下段の乾燥板部へと落下させても分散効果はあまり得られないため、均一に拡散されるまでに時間が掛かり、その結果、乾燥不足や乾燥ムラが発生することが考えられる。
また、粉体供給機構を複数台設置すれば、最上段の乾燥板上の複数の箇所に粉体を供給することができ、多少の分散効果は望めるかもしれないが、粉体供給機構は高価なためコスト高騰を招くこととなる。仮に複数台設置することとなってもコスト的・スペース的には2台が限界であるため、たとえ粉体供給機構を2台に増加したとしても分散効果は然程望めない。
さらに、特許文献1に開示の連続式の乾燥装置では、鉛直方向で回転主軸の上方に粉体供給機構が配されているため、粉体供給機構から投入される粉体は、掻き取り部の上に落下して掻き取り部上に付着してしまうこともあり、このような掻き取り部上に落下し、乾燥不足や乾燥ムラのある粉体が混在してしまうことも考えられるため、品質悪化、歩留まりの低下を招く虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は従来技術の有するこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、粉体や粒体などの均一な拡散を図ることにより乾燥効率を向上し、乾燥不足・乾燥ムラを抑え、良品質の商品提供が成し得る乾燥装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、第1の本発明は、湿潤状態の乾燥媒体を投入する乾燥媒体投入部と、乾燥媒体を乾燥させる乾燥部と、を含み、前記乾燥部は、鉛直方向で第一乾燥部から第n乾燥部まで多段状に構成され、それぞれの乾燥部は、鉛直方向で上方から落下する乾燥媒体を受けて乾燥せしめる乾燥板部と、乾燥板部上の乾燥媒体を順次下段の乾燥部へと落下せしめる掻き取り誘導部と、を含んで構成された乾燥装置であって、
鉛直方向で前記第一乾燥部と前記乾燥媒体投入部との間に乾燥媒体分散部を備え、
前記乾燥媒体分散部は、回転可能に構成されるとともに、前記乾燥媒体投入部から投入された乾燥媒体を受けて周方向に搬送する回転板部と、
前記回転板部に対して固定配設され、前記回転板部上の乾燥媒体を前記第一乾燥部の乾燥板部上へと案内落下せしめる少なくとも一つの分散誘導部と、を含むことを特徴とする乾燥装置としたことである。
【0011】
第2の本発明は、第1の本発明において、前記乾燥媒体投入部は、投入された乾燥媒体を受けて前記回転板部上に案内する乾燥媒体受け部を投入下端側に備えており、
前記乾燥媒体受け部は、投入された乾燥媒体の飛散を抑止する飛散抑止部と、
前記飛散抑止部の一部を構成し、前記回転板部との間に乾燥媒体が通過する所定高さの通過領域を形成可能な上下移動自在の均しゲート部と、を含むことを特徴とする乾燥装置としたことである。
【0012】
第3の本発明は、第1の本発明又は第2の本発明において、前記回転板部と前記掻き取り誘導部とは、回転可能に配設された単一の主軸にそれぞれ固定されて回転動作が同期しており、
前記落下孔部は、前記第一乾燥部に存する掻き取り誘導部の延設方向領域を避けて穿設されていることを特徴とする乾燥装置としたことである。
【0013】
第4の本発明は、第1の本発明乃至第3の本発明のいずれかにおいて、前記回転板部は、円板状に形成されるとともに、板の周方向で内径寄りの所定位置に複数個の落下孔部を設け、
前記分散誘導部は、前記回転板部に対して所定位置にて所定の間隔をあけて固定配設され、前記回転板部上の乾燥媒体を前記落下孔部へと案内落下せしめる第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部と、を含み、
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記回転板部の半径方向で順次長さが異なっていることを特徴とする乾燥装置としたことである。
【0014】
第5の本発明は、第4の本発明において、前記回転板部は円板状に形成され、
前記落下孔部は、前記回転板部の内径側に形成されており、
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記回転板部の上面との間に隙間を設けた状態で配設されるとともに、一端側が前記落下孔部の孔上方領域に突き出し配置される長尺ブレードにて構成されており、
前記乾燥媒体受け部から前記回転板上に供給される乾燥媒体の通過軌跡範囲内に、前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部が配置され、
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、順次上流側の分散誘導部よりも他端側が回転板部の外径方向に延在する長尺状に構成されていることを特徴とする乾燥装置としたことである。
【0015】
第6の本発明は、第4の本発明又は第5の本発明において、前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、湾曲部と、湾曲部の一端から延設された誘導ブレード部とで構成されていることを特徴とする乾燥装置としたことである。
【0016】
第7の本発明は、第4の本発明又は第5の本発明において、前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、直線板状の誘導ブレード部であることを特徴とする乾燥装置としたことである。
【0017】
第8の本発明は、第4の本発明乃至第7の本発明において、前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記それぞれの誘導ブレード部よりも回転方向で上流側に位置する前記回転板部上面の円周方向仮想線と前記誘導ブレード部とで交差して形成される角が鋭角となるように傾斜状に配設されていることを特徴とする乾燥装置としたことである。
【0018】
第9の本発明は、第2の本発明において、前記分散誘導部は、前記乾燥媒体受け部における均しゲート部の外径寄りの位置から回転板部の内径に向かって順次小径状となる連続した単一の渦巻きブレード状に形成されていることを特徴とする乾燥装置としたことである。
【0019】
第10の本発明は、第1の本発明乃至第9の本発明において、前記主軸の位相を検知して、前記乾燥媒体投入部からの乾燥媒体の供給タイミングを制御する制御機構を有することを特徴とする乾燥装置としたことである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、粉体や粒体などの均一な拡散を図ることにより乾燥効率を向上し、乾燥不足・乾燥ムラを抑え、良品質の商品提供が成し得る乾燥装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明乾燥装置の第一実施形態を示す概略全体斜視図である。
【
図2】第一実施形態の乾燥装置における概略縦断斜視図である。
【
図3】第一実施形態の乾燥装置における概略縦断正面図である。
【
図4】第一実施形態における乾燥媒体分散部の概略平面図である。
【
図5】第一実施形態における乾燥媒体供給部の概略側面図である。
【
図6】第一実施形態における乾燥媒体分散部の動作状態を示す概略平面図である。
【
図7】第一実施形態における乾燥媒体分散部の動作状態を一部拡大して示す概略斜視図である。
【
図8】第一実施形態において、回転板部上への乾燥媒体供給範囲をハッチングにて示す概略平面図である。
【
図9】第一実施形態において、他のブレード形態を組み込んでなる他の実施の一形態を示す概略縦断正面図である。
【
図10】第一実施形態において、他のブレード形態を組み込んでなる他の実施の一形態を部分的に示す概略斜視図である。
【
図11】
図12及び
図13に示す他の実施の形態における乾燥媒体掻き取り状況を示す概略平面図である。
【
図12】第二実施形態における乾燥媒体分散部の概略平面図である。
【
図13】第二実施形態において、回転板部上への乾燥媒体供給範囲をハッチングにて示す概略平面図である。
【
図14】第三実施形態における乾燥媒体分散部の概略平面図である。
【
図15】第四実施形態における乾燥媒体分散部の概略平面図である。
【
図16】ケーシングと熱媒配管との保持状態を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明乾燥装置の一実施形態について説明する。
なお、本実施形態は本発明乾燥装置の一実施形態に過ぎず、本実施形態に何等限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
「第一実施形態」
【0023】
図1乃至
図11は本発明の第一実施形態を示す。
本実施形態の乾燥装置は、矩形状に組み合わされてなる枠部1と、枠部1の内方に配設されるケーシング2と、ケーシング2内に配設され、湿潤状態の乾燥媒体(以下、単に乾燥媒体ともいう。)を乾燥させる乾燥部10と、乾燥媒体を投入する乾燥媒体投入部32と、乾燥媒体投入部32から投入された乾燥媒体を受け、乾燥部10へと案内する乾燥媒体分散部19と、を含み、分離(分解)・組立可能に構成されている(例えば
図2参照。)。
なお、本実施形態では、乾燥媒体として粉状の医薬品(粉体)を想定している。
【0024】
ケーシング2は、上下端を開放した円筒状の側板部3と、側板部3の開放上端を密閉する天板部4と、側板部3の開放下端を密閉する底板部5とで構成されている(例えば
図2参照。)。
なお、ケーシング2の材質は、錆びにくく耐食性のあるSUS316Lを用いているが、これに限定されない。
【0025】
側板部3には、鉛直方向で同一線上に所定間隔を空けて貫通形成された複数個の貫通孔(送出し側の熱媒配管組み込み孔部)3aと、その複数個の貫通孔3aと相対向して貫通形成された複数個の貫通孔(排出側の熱媒配管組み込み孔部)3bと、を備え、それぞれ熱媒配管40を挿入する。貫通孔3aと貫通孔3bは、それぞれ熱媒配管40の外径d2よりも大径の内径d1を有する短尺円筒状に貫通形成されている(例えば
図3及び
図11参照。)。
本実施形態では、
図2及び
図11に示すように、熱媒配管40が、第1フランジ50と第2フランジ56を介して貫通孔3aと貫通孔3bにそれぞれ着脱可能に取り付けられている。
第1フランジ50と第2フランジ56とは、熱媒配管保持部として機能する。
【0026】
天板部4は、小径円板状の平坦面部4aと、平坦面部4aの外周から下り傾斜状に形成された傾斜面部4bとにより断面視で円錐台状に形成されており、平坦面部4aの中心には軸受部を介して主軸8が回転可能に保持されている。主軸8は、天板部4の外方領域にて駆動部9と連結され、ケーシング2の内方中心領域にて回転可能に配されている。また、平坦面部4aには、分散誘導部27を内方に吊り下げ保持するブレード保持部30が、等間隔で四箇所に着脱可能に固着されている。さらに、乾燥媒体(粉体)供給手段とケーシング2の外方にて連結された乾燥媒体投入部32が、平坦面部4aを貫通してケーシング2内に配設されている(例えば
図3参照。)。
なお、乾燥媒体(粉体)供給手段は特に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で、ロータリーバルブ、スクリューフィーダー、テーブルフィーダーなどが適宜選択して採用される。乾燥媒体(粉体)供給手段は、連続的に乾燥媒体を供給する機能、あるいは断続的に供給する機能を有するもののいずれであってもよく、断続的に供給するものにあっては、主軸8の位相を検知して乾燥媒体の供給を制御する制御機構(不図示)を有するものとしてもよい。制御機構は、特に限定されるものではないが、例えば、主軸8の位相を検知する接触あるいは非接触のセンサ等を所定位置に配設し、その検知信号を受けたCPUから乾燥媒体供給手段へと信号を送り、乾燥媒体投入部3から乾燥媒体を供給するものなどがあげられる。
【0027】
底板部5は、中心領域に排出部6が設けられており、洗浄工程時において、洗浄液の液切れをよくするため、排出部6に向けて下りテーパ状の面部を有する円錐状に形成されている。
排出部6は、最下段の乾燥部10(本実施形態では第六乾燥部10f)から落下する乾燥処理済みの乾燥媒体を装置外方へと案内する機能を有している。
排出部6は、下方に行くにしたがって窄まり状に形成された上下端を開放した円筒状に形成されている。排出部6の開放上端の内径は、最下段の乾燥部10の乾燥板部11(本実施形態では第六乾燥部10fの第六の乾燥板部11f)の乾燥媒体落下孔部110から垂設されたシューター17の下端内径よりも大径に形成されており、落下する乾燥処理後の乾燥媒体が外方に零れ落ちないようにしている。
なお、排出部6の形態は特に図示形態に限定されず本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
【0028】
乾燥部10は、鉛直方向で第一乾燥部から第n乾燥部まで多段状に構成されており、本実施形態では、第一乾燥部10aから第六乾燥部10fまでの六段の棚段式に構成されている。
【0029】
それぞれの乾燥部10(第一乾燥部10aから第六乾燥部10f)は、それぞれ、鉛直方向で上方から落下する乾燥媒体を受けて乾燥せしめる乾燥板部(伝熱板部)11と、乾燥板部11上の乾燥媒体を順次下段の乾燥部10へと落下せしめる掻き取り誘導部18と、を含んで構成されている。
【0030】
乾燥板部11は、円板状に形成されており、天板部4に固定されてケーシング2内に鉛直方向に配設される複数本の柱部7に固定され、鉛直方向で所定間隔をあけてそれぞれ水平状に保持されている。
本実施形態では、第一乾燥部10aを構成している第一の乾燥板部11aから第六乾燥部10fを構成している第六の乾燥板部11fまで、小径の乾燥板部、大径の乾燥板部と、交互に繰り返すようにそれぞれの板の大きさを変えている。
すなわち、鉛直方向上段から、第一の乾燥板部11aを小径に、第二の乾燥板部11bを大径に、第三の乾燥板部11cを小径に、第四の乾燥板部11dを大径に、第五の乾燥板部11eを小径に、第六の乾燥板部11fを大径に、と形成している。
【0031】
本実施形態では、小径の乾燥板部11(第一の乾燥板部11a、第三の乾燥板部11c、第五の乾燥板部11e)は、その内径全域に、主軸8方向に向けて昇り傾斜状の乾燥媒体落下防止カバー部(不図示)を備えているが、外径側はフラットである。
他方、大径の乾燥板部11(第二の乾燥板部11b、第四の乾燥板部11d、第六の乾燥板部11f)は、その外径全域に、ケーシング2の側板方向に向けて昇り傾斜状の乾燥媒体落下防止カバー部(不図示)を備えているが、内径側はフラットで、大きな乾燥媒体落下孔部110が形成されている。
【0032】
乾燥板部11は、その下面に板部と略同径の熱媒収容部12を備え、流入する熱媒によって板部全域に熱が伝達されるように構成されている。
熱媒収容部12は、ケーシング2の外方に配設される熱媒供給管と連絡した熱媒配管40を嵌入して接続し、熱媒を熱媒収容部12内に流入させるジョイント部13を備え、ジョイント部13と相対向する熱媒収容部12の所定位置には、熱媒収容部12内からの熱媒を流出させるための熱媒配管40を嵌入して接続するジョイント部14を備えている(例えば
図3及び
図11参照。)。
ジョイント部13及びジョイント部14は、熱媒収容部12内と連通して管状に形成するとともに、熱媒収容部12から水平状に突出しており、その突出端に、熱媒配管40を接続可能な嵌入孔13a(14a)を備えている。
本実施形態では、乾燥媒体を加熱乾燥させるため、熱媒として例えば温水を用いている。なお、熱媒は蒸気、あるいは油であってもよく、または冷水であってもよく、仕様によって適宜変更可能である。
また、熱媒収容部12の大きさ・形状などその形態は本実施形態に限定されず本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
【0033】
第六の乾燥部10f(最下段の乾燥部10)を構成する第六の乾燥板部11fの乾燥媒体落下孔部110には、開放上端を連続して垂設された下端窄まり状のシューター17が一体に取り付けられている。
【0034】
掻き取り誘導部18は、後述する乾燥媒体分散部19から分散して落下する乾燥媒体を、乾燥板部11上で加熱して乾燥処理しつつ下位の乾燥板部11上へと誘導して落下せしめる構成としている。
【0035】
掻き取り誘導部18は、主軸8に基端側を固定するとともに、他端側を乾燥板部11の外径方向に延設した腕部180と、腕部180から一体に垂設されて乾燥板部11の上面に摺接するブレード部181と、で構成されており、主軸8の回転動作に同期して乾燥板部11上を所定方向に摺動する。
ブレード部181は、腕部180の長さ方向に所定長さをもって形成された一枚の長尺ブレード状のものを想定している(
図3参照。)。
本実施形態では、それぞれの乾燥板部11(第一の乾燥板部11aから第六の乾燥板部11f)において、90度毎に間隔をあけて4個の掻き取り誘導部18、すなわち、第一の掻き取り誘導部18a・18a・18a・18a,第二の掻き取り誘導部18b・18b・18b・18b,第三の掻き取り誘導部18c・18c・18c・18c,第四の掻き取り誘導部18d・18d・18d・18d,第五の掻き取り誘導部18e・18e・18e・18e,第六の掻き取り誘導部18f・18f・18f・18fが主軸8に固定されている(例えば
図3及び
図4参照。)。
【0036】
第一乾燥部10aを構成する第一の掻き取り誘導部18a、第三乾燥部10cを構成する第三の掻き取り誘導部18c、及び第五乾燥部10eを構成する第五の掻き取り部18eのそれぞれのブレード部181は、乾燥板部11上の乾燥媒体を乾燥板部11の外径方向に向けて誘導するように所定角度の傾斜状に構成する。すなわち、第一の掻き取り誘導部18a、第三の掻き取り誘導部18c、及び第五の掻き取り部18eのそれぞれの腕部180と、それぞれのブレード部181の掻き取り面とが交差して形成される角度が鋭角となるように傾斜状に配設されている(不図示)。
そして、乾燥板部11の外径方向に誘導された乾燥媒体を、フラットな外径側から下方に配されている大径の乾燥板部11上へと落下させる。
第二乾燥部10bを構成する第二の掻き取り誘導部18b、第四乾燥部10dを構成する第四の掻き取り誘導部18d、及び第六乾燥部10fを構成する第六の掻き取り誘導部18fのそれぞれのブレード部181は、乾燥板部11上の乾燥媒体を、乾燥板部11の内径方向に向けて誘導するように所定角度の傾斜状に構成する。すなわち、第二の掻き取り誘導部18b、第四の掻き取り誘導部18d、及び第六の掻き取り誘導部18fのそれぞれの腕部180と、それぞれのブレード部181の掻き取り面とが交差して形成される角度が鋭角となるように傾斜状に配設されている(不図示)。
そして、乾燥板部11の内径方向に誘導された乾燥媒体を、フラットな内径側に形成されている乾燥媒体落下孔部110から下方に配されている小径の乾燥板部11上へと落下させる。また、第六乾燥部10fを構成する第六の掻き取り誘導部18fにあっては、乾燥板部11の内径方向に誘導された乾燥媒体を、乾燥媒体落下孔部110に連続して垂設したシューター17へと落下させる。
なお、
図3に示す実施の形態では、ブレード部181は、腕部180の長さ方向に所定長さをもって形成された一枚の長尺ブレード状のものを想定しているが、後述する通り、短尺のブレード(短冊状ブレード)が腕部の長さ方向に複数枚取り付けられているものであっても構わない。本発明の範囲内で適宜最適な形態のブレードが採用可能である。
【0037】
乾燥媒体分散部19は、鉛直方向で最上段に位置する第一乾燥部10aと、乾燥媒体投入部32との間に配設されている(例えば
図3参照。)。
【0038】
乾燥媒体分散部19は、乾燥媒体投入部32から投入された乾燥媒体を受け、所定位置に複数個の落下孔部26を設けると共に、主軸8に固定されて主軸8の回転作動と同期して回転する回転板部20と、回転板部20に対して所定位置にて所定の間隔をあけて配設され、回転板部20上に落下した乾燥媒体をそれぞれの落下孔部26へと順次誘導して落下せしめる第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部と、を含んで構成されている(例えば
図4参照。)。
【0039】
回転板部20は、内径側に開口(中央貫通孔部21)を有する金属製の環状板状に形成されるとともに、内径側から90度毎に間隔をあけて主軸8に向けて水平方向に突設した連結部22が4個備えられており、それぞれの連結部22を主軸8に固定している。
【0040】
回転板部20は、内径側と外径側に、鉛直方向で上方に一体に延設した所定高さの壁部23,24を備え、板部の上面に投入された乾燥媒体が回転板部20の内径側及び外径側から落下しないように構成している。すなわち、内径側の壁部23と外径側の壁部24との間に位置する環状の板部上面領域25が乾燥媒体の投入領域であり、かつそれぞれの分散誘導部27による乾燥媒体の誘導領域である。
【0041】
回転板部20は、内径側の所定領域、例えば本実施形態では、90度毎に間隔をあけて所定長さ(回転方向長さ)及び所定幅(回転板部20の径方向幅)の落下孔部26が4個形成されている。なお、図中、矢印R1は回転板部20の回転方向を示し、矢印W1は回転板部20の径方向幅を示す。
【0042】
落下孔部26は、所定の間隔をあけて回転板部20の内径側に形成されており、本実施形態では、4個の連結部22を避けた領域、すなわち、隣り合う連結部22と連結部22との間の領域に所定の長さをもって穿設されている。
なお、本実施形態の落下孔部26は、内径側の壁部23を残して穿設されている形態をもって説明するが、壁部23を切除した、いわゆる切り欠き状態の孔部形態であってもよく本発明の範囲内である。
【0043】
また、回転板部20は、それぞれの落下孔部26が、最上段の乾燥部10(第一乾燥部10a)を構成するそれぞれの掻き取り誘導部18(第一の掻き取り誘導部18a)の延設方向領域(
図3及び
図4にて符号L2で示す第一の掻き取り誘導部18aの長さ方向領域)を避けた領域に位置するようにして主軸8に取付固定される(例えば
図4参照。)。
【0044】
回転板部20と掻き取り誘導部18とは、同一の主軸8に取付固定されて同期して回転動作するように構成されているため、常に、落下孔部26と掻き取り誘導部18とが重なる位置に来ないように避けるようにして設計されるのが好ましい。
落下孔部26と掻き取り誘導部18とが重なる位置に配されていると、落下孔部26から落下する乾燥媒体が、掻き取り誘導部18上に落下し、掻き取り誘導部18上に載ったままとなってしまうことが考えられる。このように掻き取り誘導部18上に載って乾燥されない媒体が発生しても、その媒体が一定時間後に落下すれば通常通り加熱板上を通過して乾燥処理されるが、掻き取り誘導部18上に長時間滞留してしまうと、経時劣化や、ダマになることによる乾燥不良、プラグフロー性が損なわれることによるトレーサビリティの悪化等のリスクが生じ得る。
そこで本実施形態のような構成を採用している。
【0045】
落下孔部26の配設数は、本実施形態では分散誘導部27の配設数と同じ数で設けられているが、それぞれの配設数は任意であって、回転板部20上に投入された乾燥媒体を細かく分散して下方の乾燥板部11上へと落下させる場合には、落下孔部26を増やしたり、分散誘導部27を増やしたりすることも可能で本発明の範囲内である。
【0046】
分散誘導部27は、本実施形態においては、第一の分散誘導部27aから第四の分散誘導部27dまでの4個の分散誘導部27が所定の間隔毎に備えられている。また、それぞれの分散誘導部27は、回転板部20の半径方向で順次長さが異なっている。
本実施形態において、第一の分散誘導部27a乃至第四の分散誘導部27dは、乾燥媒体受け部33から回転板20上に供給される乾燥媒体の通過軌跡範囲内に配置されている。第一の分散誘導部27a乃至第四の分散誘導部27dは、順次上流側の分散誘導部よりも他端側が回転板部20の外径方向に延在する長尺状に構成されている。
【0047】
分散誘導部27は、鉛直方向平面視で略U字状に形成された第一部(湾曲部)28と、第一部(湾曲部)28の一方の端部を回転板部20の外径方向に向けて長尺状に延設してなる第二部(誘導ブレード部)29とで構成され、下面から上面に至り所定高さを有する金属製のブレード状に形成されている。また、第一部(湾曲部)28は、回転板部20の回転動作により移動してきた落下孔部26の上方領域に位置するように配設する(例えば
図4参照。)。
分散誘導部27は、本実施形態では乾燥板部11上の乾燥媒体を内径方向に向けて誘導するため、それぞれの分散誘導部27(第一の分散誘導部27a乃至第四の分散誘導部27d)の第二部(誘導ブレード部)29よりも回転方向で上流側に位置する回転板部20上面の円周方向仮想線V1と、それぞれの第二部(誘導ブレード部)29の誘導面部とで交差して形成されるそれぞれの角度が鋭角となるように傾斜状に配設されている(例えば
図4参照。)。
【0048】
回転板部20の板部上面領域25と対向する分散誘導部27の下面は、回転板部20の板部上面領域25との間に極小の隙間を形成してブレード保持部30によって吊り下げ支持されている。ブレード保持部30は、その下端側が、分散誘導部27における第一部(湾曲部)28の遊端の上面と、第二部(誘導ブレード部)29の上面とにわたって一体に連結固定されている。
【0049】
乾燥媒体受け部33に直近の第一の分散誘導部27aは、回転板部20内径寄りに位置する乾燥媒体受け部33の乾燥媒体通過領域に、少なくとも第二部(誘導ブレード部)29の遊端側29aが位置するように構成されている(例えば
図4、
図6及び
図7参照。)。
【0050】
第一の分散誘導部27aよりも下流側に配される第二の分散誘導部27bは、第一の分散誘導部27aと同じく平面視で略U字状の第一部28と、第一部(湾曲部)28の一方の端部を長尺状に延設してなる第二部(誘導ブレード部)29とで構成されているが、第二部(誘導ブレード部)29の長さが第一の分散誘導部27aの第二部(誘導ブレード部)29の長さよりも回転板部20の外径方向に位置(延在)する長尺状に構成されている(例えば
図4、
図6及び
図7参照。)。
このように、順次上流側の分散誘導部27よりも他端側(第二部29の遊端側)29aが、回転板部20の外径方向に位置(延在)するように長尺状に構成されており、本実施形態では第四の分散誘導部27dが最も長尺状に形成され、他端側(第二部29の遊端側)29aは回転板部20の外径側に設けられた壁部24近傍まで位置(延在)している(例えば
図4、
図6及び
図7参照。)。
【0051】
乾燥媒体投入部32は、ケーシング2の天板部4の外方からケーシング2内に吊設された筒状に構成され、その下端にて、下端周囲を囲むように一体に構成され、乾燥媒体投入部32から投入された乾燥媒体を受けて回転板部20上に案内する乾燥媒体受け部33を含んで構成している(例えば
図5参照。)。
なお、乾燥媒体受け部33は、本実施形態では、乾燥媒体投入部32と別体に形成されて、乾燥媒体投入部32の下端にて一体に取付固定されるものであるが、乾燥媒体投入部32の下端に一体に成形されるものであってもよく任意である。
【0052】
乾燥媒体受け部33は、投入された乾燥媒体の飛散を抑止する飛散抑止部34と、飛散抑止部34の一部を構成し、回転板部20との間に乾燥媒体が通過可能な所定高さの通過領域36を形成可能な上下移動自在の均しゲート部35と、を含んで構成している(例えば
図5参照。)。
【0053】
飛散抑止部34は、乾燥媒体投入部32の下端投入口を囲むように構成した周囲の壁部を有しており、均しゲート部35は、回転板部20の回転方向下流側に備えられて飛散抑止部34の一部を構成している。
本実施形態のように飛散抑止部34を備えることにより、装置外への乾燥媒体の飛散(落下)を防ぐことができるため、歩留まりの向上、及び作業領域の清掃手間の軽減などの有用な作用効果を発揮することができる。
【0054】
均しゲート部35は、鉛直方向で上下移動可能に構成されている。
例えば本実施形態では、乾燥媒体投入部32と併設されており、操作ハンドル35aの回転動作により回転作動する軸35bと、軸35bの回転動作を鉛直方向の上下動作に変換して上下移動可能な上下移動体35cと、上下移動体35cに上端側を一体に連結して垂設される連結操作部35dと、連結操作部35dの下端側を一体に連結し、回転板部20の回転方向R1の下流側に位置して飛散抑止部34の一部を構成しているゲート板部35eと、で構成されている(例えば
図5参照。)。
【0055】
このような構成を有しているため、操作ハンドル35aを回転操作することにより、ゲート板部35eを上下方向に移動操作し、ゲート板部35e下端と回転板部20の上面との間の隙間、すなわち、乾燥媒体通過領域36を広狭調整する。乾燥媒体通過領域36は、処理速度、あるいは対象となる乾燥媒体の種類、湿潤状態などに応じて本発明の範囲内で適宜最適な通過領域となるように設計変更可能である。例えば、処理速度が大きい条件とする場合には、乾燥媒体投入部32に乾燥媒体の滞留が発生してしまうことが考えられるため、乾燥媒体通過領域36を広くすることが想定される。
【0056】
「本装置の作動説明」
まず、乾燥媒体投入部32から所定量の乾燥媒体が、乾燥媒体分散部19の回転板部20上へと投入される。乾燥媒体は、一旦、乾燥媒体受け部33内に投入されるため外部への乾燥媒体の飛散防止が図られている(例えば
図6(a)参照。)。
図8は、回転板部20上への乾燥媒体供給範囲A3をハッチングにて示している。すなわち、本実施形態の場合、例えば、ハッチングA3で示す範囲(領域)内を乾燥媒体の供給タイミングと想定している。
【0057】
回転板部20の回転動作により回転板部20の板部上面領域25に投入された乾燥媒体は、均しゲート部35のゲート板部35eの上下動操作により調整された乾燥媒体通過領域36から、所定の高さに均された状態で回転方向R1に順次移動してくる(例えば
図6(a)参照。)。
【0058】
そして、回転方向R1に移動する乾燥媒体は、まず、第一の分散誘導部27aの第二部(誘導ブレード部)29の板面にその一部が突き当たる。回転板部20が回転移動を続けることにより、第二部(誘導ブレード部)29に突き当たった乾燥媒体は第二部(誘導ブレード部)29の板面に沿って回転板部20の内径方向へと誘導される。
そして、内径方向に誘導された乾燥媒体は、略U字状の第一部(湾曲部)28から回転板部20の移動によって移動してきた落下孔部26を介して最上段の第一乾燥部10aにおける第一の乾燥板部11a上(伝熱面上)へと順次分散されつつ落下する(例えば
図6(b)及び
図7(a)参照。)。
【0059】
さらに、第一の分散誘導部27aの第二部(誘導ブレード部)29に引っ掛からず、回転板部20の回転動作によって回転方向R1に移動する乾燥媒体は、次に配設されている第二の分散誘導部27bの第二部(誘導ブレード部)29の板面にその一部が突き当たり、回転板部20が回転移動を続けることにより、第二部(誘導ブレード部)29に突き当たった乾燥媒体は第二部(誘導ブレード部)29の板面に沿って回転板部20の内径方向へと誘導される。
そして、内径方向に誘導された乾燥媒体は、略U字状の第一部(湾曲部)28から回転板部20の移動によって移動してきた落下孔部26を介して最上段の第一乾燥部10aにおける第一の乾燥板部11a上(伝熱面上)へと順次分散されつつ落下する(例えば
図6(c)(d)及び
図7(b)参照。)。
【0060】
さらに、第二の分散誘導部27bの第二部(誘導ブレード部)29に引っ掛からず、回転板部20の回転動作によって回転方向に移動する乾燥媒体は、次に配設されている第三の分散誘導部27cの第二部(誘導ブレード部)29の板面にその一部が突き当たり、回転板部20が回転移動を続けることにより、第二部(誘導ブレード部)29に突き当たった乾燥媒体は第二部(誘導ブレード部)29の板面に沿って回転板部20の内径方向へと誘導される。
そして、内径方向に誘導された乾燥媒体は、略U字状の第一部(湾曲部)28から回転板部20の移動によって移動してきた落下孔部26を介して最上段の第一乾燥部10aにおける第一の乾燥板部11a上(伝熱面上)へと順次分散されつつ落下する(例えば
図6(e)(f)及び
図7(c)参照。)。
【0061】
そして最後に、第三の分散誘導部27cの第二部(誘導ブレード部)29に引っ掛からず、回転板部20の回転動作によって回転方向に移動してきた残りの乾燥媒体は、次に配設されている第四の分散誘導部27dの第二部(誘導ブレード部)29の板面に突き当たり、回転板部20が回転移動を続けることにより、第二部29に突き当たった乾燥媒体は第二部(誘導ブレード部)29の板面に沿って回転板部20の内径方向へと誘導される。
そして、内径方向に誘導された乾燥媒体は、略U字状の第一部(湾曲部)28から回転板部20の移動によって移動してきた落下孔部26を介して最上段の第一乾燥部10aにおける第一の乾燥板部11a上(伝熱面上)へと順次分散されつつ落下する(例えば
図6(g)(h)及び
図7(d)参照。)。
従って、乾燥板部11上へと落下した乾燥媒体は、従来技術のように一つの大きな塊となって一箇所に落下するのではなく、落下させる位置を分散させることができるため、熱媒収容部12に流入する熱媒によって加熱されている乾燥板部11上で乾燥処理する際に、乾燥状態にバラつきがなくなり乾燥不良の発生も少なくなる。
【0062】
第一乾燥部10aの乾燥板部11上に分散して落下した乾燥媒体は、所定温度の加熱状態の乾燥板部11上(伝熱面上)で乾燥処理されつつ、回転板部20と同期して回転動作している第一の掻き取り誘導部18a・18a・18a・18aの各ブレード部181によって、乾燥板部11の外径方向に誘導案内され、乾燥板部11の外径側から、下方に位置する第二乾燥部10bの乾燥板部11上へと落下する。
第二乾燥部10bの乾燥板部11上へと落下した乾燥媒体は、次に第二の掻き取り誘導部18b・18b・18b・18bの各ブレード部181によって、乾燥板部11の内径方向に誘導案内され、乾燥板部11の内径側の乾燥媒体落下孔部110を介して下方に位置する第三乾燥部10cの乾燥板部11上(伝熱面上)へと落下する。
このような作動を、第三乾燥部10c、第四乾燥部10d、第五乾燥部10e、と繰り返し、第五乾燥部10eの第五の乾燥板部11eの外径側から、下方に位置する第六乾燥部10fの第六の乾燥板部11f上(伝熱面上)へと落下した乾燥媒体は、第六の掻き取り誘導部18fによって、第六の乾燥板部11fの内径方向に誘導案内され、第六の乾燥板部11f内径の乾燥媒体落下孔部110に連続して垂設したシューター17から底板部5の排出部6を介して外方へと排出する。
これら乾燥媒体の一連の概略の流れは、
図3にて矢印にて示す。
具体的には、乾燥板部11上の乾燥媒体は円周方向に回転移動しながら、円周方向にも渦巻き状に移動して、下方に位置する乾燥板部に、
図3にて示す矢印の方向に落下する。
【0063】
なお、本実施形態では、回転板部20の内径側からその下方に位置する最上段の乾燥板部11(本実施形態では第一の乾燥板部11a)上へと乾燥媒体を分散落下せしめる実施の形態を説明したが、回転板部20の外径側から下方に位置する最上段の乾燥板部11(本実施形態では第一の乾燥板部11a)上へと乾燥媒体を分散落下せしめるものとすることも可能であって、本発明の範囲内である。この場合、各分散誘導部27は、回転板部20上の乾燥媒体を外径方向に向けて誘導するため、回転板部20上面の円周方向仮想線V1に対して鈍角傾斜状に配設する。
【0064】
図9及び
図10は、他の実施形態のブレード部181を組み込んでなる実施の一形態を示す。
【0065】
図9及び
図10で示す実施の形態におけるブレード部181は、複数個の短尺状(短冊状)ブレード181a……からなるものを想定している。本実施形態では、複数個の短冊状ブレード部181a……が、所定の間隔を空けてかつ所定の傾斜角度をもって腕部180に配設されている。短冊状ブレード部181aは、平板四角形状に形成されており、乾燥板部11上に配設されている。
また、本実施形態では、短冊状ブレード部181aは、腕部180に対して着脱可能で、かつ配設傾斜角度も調節可能である。
【0066】
例えば、第一の掻き取り誘導部18a、第三の掻き取り誘導部18c、及び第五の掻き取り誘導部18eの各短冊状ブレード181aは、一端側を腕部180に取り付けると共に、他端側を乾燥板部10aの外径方向に向けて傾斜状となるように配設している。
具体的には、第一の掻き取り誘導部18a、第三の掻き取り誘導部18c、及び第五の掻き取り誘導部18eのそれぞれの腕部180と、それぞれの短冊状ブレード部181aの掻き取り面181bとで交差して形成される角度a1が鋭角となるように傾斜状に配設されている(
図11(a)参照。)。なお、図中矢印R2は、第一の掻き取り誘導部18a、第三の掻き取り誘導部18c、及び第五の掻き取り誘導部18eの各短冊状ブレード181aの回転方向を示す。
【0067】
また、例えば、第二の掻き取り誘導部18b、第四の掻き取り誘導部18d、及び第六の掻き取り誘導部18fの各短冊状ブレード181aは、一端側を腕部180に取り付けると共に、他端側を乾燥板部10aの内径方向に向けて傾斜状となるように配設している。
具体的には、第二の掻き取り誘導部18b、第四の掻き取り誘導部18d、及び第六の掻き取り誘導部18fのそれぞれの腕部180と、それぞれの短冊状ブレード部181aの掻き取り面181bとで交差して形成される角度a2が鋭角となるように傾斜状に配設されている(
図11(b)参照。)。なお、図中矢印R2は、第二の掻き取り誘導部18b、第四の掻き取り誘導部18d、及び第六の掻き取り誘導部18fの各短冊状ブレード181aの回転方向を示す。
【0068】
本件他の実施形態における作動は、上記実施形態と同様で、すなわち、第一乾燥部10aの乾燥板部11上に分散して落下した乾燥媒体は、所定温度の加熱状態の乾燥板部11上(伝熱面上)で乾燥処理されつつ、回転板部20と同期して回転動作している第一の掻き取り誘導部18a・18a・18a・18aの各短冊状ブレード181aの掻き取り面181bに沿って、乾燥板部11の外径方向に順次誘導案内され、乾燥板部11の外径側から、下方に位置する第二乾燥部10bの乾燥板部11上へと落下する(
図9、
図10及び
図11(a)参照。)。
そして、第二乾燥部10bの乾燥板部11上へと落下した乾燥媒体は、次に第二の掻き取り誘導部18b・18b・18b・18bの各短冊状ブレード部181aの掻き取り面181bに沿って、乾燥板部11の内径方向に順次誘導案内され、乾燥板部11の内径側の乾燥媒体落下孔部110(
図9参照。)を介して下方に位置する第三乾燥部10cの乾燥板部11上へと落下する(
図9、
図10及び
図11(b)参照。)。この作動を第三乾燥部10cから第六乾燥部10fまで交互に繰り返していき、第六乾燥部10fの乾燥媒体落下孔部110からシューター17、排出部6を介して乾燥処理済みの乾燥媒体を装置外方へと案内する(
図9参照。)。
なお、短冊状ブレード部181aの形状、配設枚数、あるいは配設間隔や傾斜角度などは仕様に応じて本発明の範囲内で設計変更可能である。
「第二実施形態」
【0069】
図12は本発明の第二実施形態の要部を示す概略図で、乾燥媒体分散部19において、第一実施形態と相違する構成を有している。その他の構成及び作用効果は第一実施形態と同様であるため、以下、本実施形態の要部についてのみ詳述し、その他の構成及び作用効果についての説明は第一実施形態を援用する。
【0070】
乾燥媒体分散部19は、回転板部20の構成において第一実施形態と相違している。分散誘導部27の形態及び回転板部20に対する傾斜状の配設状態は、第一実施形態と同一である。
【0071】
本実施形態の回転板部20は、第一実施形態のように内径側に壁部23を設けておらず、かつ落下孔部26も設けていない。
本実施形態では、回転板部20の内径を、第一実施形態の落下孔部26の径方向幅分だけ外径方向に広げた形態としている。例えば本実施形態では、乾燥媒体受け部33における回転板部20の内径寄りの面部が、回転板部20の内径端と鉛直方向で略同一上に位置する程度に回転板部20の内径を広くした(大径にした)。
そして、本実施形態では、分散誘導部27の第一部(湾曲部)28を、回転板部20の内径から中央貫通孔部21領域の上方に突き出すように配設している。
すなわち、回転板部20の回転により移動してきた乾燥媒体が第二部(誘導ブレード部)29に引っ掛かり、第二部29に沿って第一部(湾曲部)28の方向へと誘導案内されてくると、回転板部20の内径側に設けられている中央貫通孔部21を介して下方の第一乾燥部10aの第一の乾燥板部11a上へと落下する構成となっている。分散誘導部27の中央貫通孔部21領域への突き出し程度は特に限定解釈されるものではない。
【0072】
本実施形態の構成の場合、主軸8の回転位相を検知して乾燥媒体を所定の間隔をあけて断続的に供給するように制御する制御機構(位相検知機構)90を備えるものとするのが好ましい。具体的には、例えば、主軸8に備えた近接スイッチターゲット91と、相対向する所定位置に備えた近接スイッチ93と、で構成された位相検知機構90を採用する(
図3及
図9参照。)。
すなわち、本実施形態の場合、乾燥媒体を連続して供給すると、第一乾燥部10aの第一の掻き取り誘導部18a・18a・18a・18aの上面、及び各連結部22の上面に乾燥媒体が落下する虞もある。そこで、位相検知機構90を介して、第一乾燥部10aの第一の掻き取り誘導部18a・18a・18a・18a、及び各連結部22が接続されている主軸8の回転位相を検知して乾燥媒体投入部3から乾燥媒体を断続的に供給するように制御する。
主軸8と回転板部20・第一の掻き取り誘導部18a・連結部22が同期しているため、主軸8の回転スピードを考慮し、第一の掻き取り誘導部18aと連結部22との間の空間領域から乾燥媒体を落下させることができるように乾燥媒体の供給間隔を断続的に制御するとよい。
位相検知機構90は、特に限定されるものではないが、例えば、主軸8の位相を検知する接触あるいは非接触のセンサ等を所定位置に配設し、その検知信号を受けたCPUから乾燥媒体供給手段へと信号を送り、乾燥媒体投入部3から乾燥媒体を所定間隔をあけて断続的に供給するように制御する。
図13は、回転板部20上への乾燥媒体供給範囲A3をハッチングにて示している。このようにハッチングで示す乾燥媒体供給範囲A3とすれば、回転板部20、第一の掻き取り誘導部18a及び連結部22が同期して回転移動するため、それらの上に乾燥媒体が落下する、という不都合は生じない。すなわち、本実施形態の場合、例えば、ハッチングA3で示す範囲(領域)内を乾燥媒体の供給タイミングと想定している。
「第三実施形態」
【0073】
図14は本発明の第三実施形態の要部を示す概略図で、乾燥媒体分散部19において、第一実施形態及び第二実施形態と相違する構成を有している。その他の構成及び作用効果は第一実施形態及び第二実施形態と同様であるため、以下、本実施形態の要部についてのみ詳述し、その他の構成についての説明は第一実施形態及び第二実施形態を援用する。
【0074】
乾燥媒体分散部19は、回転板部20の構成において第二実施形態と同一であるが、分散誘導部27においてその形態を異にしている。
【0075】
本実施形態の分散誘導部27は、第一実施形態や第二実施形態のように、平面視で略U字状の第一部(湾曲部)28を備えておらず、所定長さの一枚の直線平板状に形成されている。回転板部20に対する傾斜状の配設状態は第一実施形態及び第二実施形態と同一である。
そして、本実施形態では、直線平板状の分散誘導部27の一端28aを、回転板部20の内径から中央貫通孔部21領域の上方に僅かに突き出すように配設している。すなわち、回転板部20上を移動してきた乾燥媒体が直線平板状の分散誘導部27の他端29bに引っ掛かり、回転板部20の内径方向へと誘導案内されてくると、回転板部20の内径側から中央貫通孔部21を介して下方の第一乾燥部10aの第一の乾燥板部11a上へと落下する構成となっている。分散誘導部27の中央貫通孔部21領域への突き出し程度は特に限定解釈されるものではない。
なお、本実施形態において、第一実施形態にて採用された内径側に落下孔部26を設けた回転板部20の形態を採用することも可能で本発明の範囲内である。
【0076】
また、本実施形態にあっても、第二実施形態と同様に、主軸8の回転位相を検知して乾燥媒体を所定の間隔をあけて断続的に供給するように制御する制御機構(位相検知機構)90を備えるものとするのが好ましい。
「第四実施形態」
【0077】
図15は本発明の第四実施形態の要部を示す概略図で、乾燥媒体分散部19において、第一実施形態乃至第三実施形態と相違する構成を有している。その他の構成及び作用効果は第一実施形態乃至第三実施形態と同様であるため、以下、本実施形態の要部についてのみ詳述し、その他の構成についての説明は第一実施形態乃至第三実施形態を援用する。
【0078】
乾燥媒体分散部19は、回転板部20の構成において第二実施形態及び第三実施形態と同一であるが、分散誘導部27においてその形態を異にしている。
【0079】
本実施形態の分散誘導部27は、順次小径状となる連続した単一の渦巻きブレード状に形成されている。本実施形態においてブレードの鉛直方向高さは均一である。具体的には、一端側37が乾燥媒体受け部33における乾燥媒体通過領域36の外径寄りの位置に連結され、回転板部20の内径との幅方向距離を徐々に縮めながら、他端側38が乾燥媒体受け部33における乾燥媒体通過領域36の内径寄りの位置に連結されている。
【0080】
回転板部20上を移動してきた乾燥媒体が、渦巻き状の分散誘導部27に沿って回転板部20の内径方向へと誘導案内されてくると、分散誘導部27と回転板部20の内径との間の幅方向距離が徐々に狭くなってくるため、回転板部20の内径側から中央貫通孔部21を介して下方の第一乾燥部10aの第一の乾燥板部11a上へと徐々に落下していき、分散誘導部27の他端側38に到着する段階では全ての乾燥媒体が落下する構成となっている。すなわち、回転板部20が一周回ってくる間に第一の乾燥板部11a上の円周方向に少しずつ分散して落下することができるため分散効率も高い。
【0081】
なお、本実施形態の場合、第一乾燥部10aの第一の掻き取り誘導部18a・18a・18a・18a上、及び各連結部22上に乾燥媒体が落下する虞もある。従って、第一の掻き取り誘導部18a・18a・18a・18a上、及び各連結部22上に落下した乾燥媒体を乾燥板部11上へと案内する構成を採用するとよい。例えば、第一の掻き取り誘導部18a・18a・18a・18aの各腕部180上、及び各連結部22上に、滑り性に優れた表面処理加工を施すことで、落下してきた乾燥媒体を定着させることなく乾燥板部11上へと滑り案内する構成を採用することができる。また、第一の掻き取り誘導部18a・18a・18a・18aの各腕部180の上面を下りテーパ状に形成し、落下してきた乾燥媒体を、傾斜面を介して乾燥板部11上へと案内するなどの構成を採用することもできる。
【0082】
上述した第一実施形態乃至第四実施形態では、回転板部20上へと投入された乾燥媒体は、回転板部20の内径方向へと誘導案内され、内径側から最上段の第一乾燥部10aの第一の乾燥板部11a上へと落下する形態の一実施例について説明したが、乾燥媒体を回転板部20の外径方向へと誘導案内し、回転板部20の外径側から最上段の第一乾燥部10aの第一の乾燥板部11a上へと落下する形態を採用することも可能であって本発明の範囲内である。
【0083】
例えば、第一実施形態を利用する場合、落下孔部26を、回転板部の外径寄りに設ける。設ける数や形状などは第一実施形態と同じ。そして、分散誘導部27は、第一部(湾曲部)28を落下孔部26上に臨むようにして位置させるとともに、第二部(誘導ブレード部)29をその遊端側29aが回転板部20の内径方向に向くように配設する。このような構成とすることにより、乾燥媒体を、回転板部20の外径側から最上段の第一乾燥部10aの第一の乾燥板部11a上へと順次落下させて分散させることができる。
また、第二実施形態を利用する場合、第一部(湾曲部)28を外径側から突出して外方に臨むように位置させるとともに、第二部(誘導ブレード部)29をその遊端側29aが回転板部20の内径方向に向くように配設する。このような構成とすることにより、乾燥媒体を、回転板部20の外径側から最上段の第一乾燥部10aの第一の乾燥板部11a上へと順次落下させて分散させることができる。
さらに、第三実施形態を利用する場合、一端28aを外径側から突出して外方に臨むように位置させるとともに、他端29bを回転板部20の内径方向に向くように配設する。このような構成とすることにより、乾燥媒体を、回転板部20の外径側から最上段の第一乾燥部10aの第一の乾燥板部11a上へと順次落下させて分散させることができる。
そして、第四実施形態を利用する場合では、渦巻きブレード状の分散誘導部27の渦巻きの向きを逆にするとともに、回転板部20の回転方向を逆方向(反時計回り方向)にする構成とすることにより、乾燥媒体は、回転板部の外径側(外周側)から順次落下して分散させることができる。
【0084】
上述した各実施形態では、乾燥部10とケーシング2とが分離可能に構成され、分離及び組立時において特有の作用効果を発揮することができるという点で共通している。
【0085】
この種の乾燥装置は、GMPに準拠するため乾燥処理工程を経た後、装置を洗浄処理することが望まれる。
しかし、ケーシング2の外方から差し込まれ、乾燥板部11のジョイント部13(14)に接続される熱媒配管40のケーシング2への組み込み位置が鉛直方向や水平方向にてずれてしまうことが多々ある。
また、従来、主軸などを回転駆動させる駆動部を装置の下方に配設していたため、洗浄時には、その駆動部の濡れを防止するために濡れ防止処理を別途採る必要があった。
【0086】
このような課題を解決するため、本実施形態においては、熱媒配管40とケーシング2との取付構造に特有の構成を備えている。
すなわち、ケーシング2、熱媒配管40、第1フランジ50及び第2フランジ56において、ジョイント部13(14)との接続嵌合するための微調整を可能とする構成を採用することにした。
以下、その一実施形態を
図16に基づいて説明する。
【0087】
熱媒配管40は、円筒状に形成され、その内部には熱媒流路51が形成されている。熱媒配管40の材質は、錆びにくく耐食性のある金属製のSUS316Lを想定しているがこれに限定されない。例えば、樹脂製であっても本発明の範囲内である。
【0088】
熱媒配管40は、外周面の先端側領域、すなわち、乾燥板部11のジョイント部13(14)に嵌入される先端外周領域40aには、環状のシール溝が周方向に連続して凹設されている。本実施形態では、軸方向(矢印L1で示す方向)に複数本のシール溝41が所定間隔で設けられている。各シール溝41には、Oリング42が、その一部を外方に突出するようにして嵌め込まれている。
これにより、熱媒配管40とジョイント部13(14)との接続部分における気密性が保たれる。なお、シール溝41とOリング42とで構成されるシール構造は、単一のものであってもよく適宜設計変更可能である。また、シール構造は、本実施形態に示す構造に限定解釈されるものではなく、他の周知シール構造が適用可能である。
【0089】
また、熱媒配管40の外周面の略中央領域、すなわち、第1フランジ50の内周面と摺接する中央外周領域40bには、環状のシール装着突部43が周方向に連続して突設されている。シール装着突部43は、断面視で先細り状の山形突起状に形成され、Oリング65を嵌合するシール溝44が先端から鉛直方向に凹設されている。シール溝44の外側に位置する側壁45,45は、先端(上端)から下り傾斜状の曲面をもって形成されている。側壁45,45の先端領域も曲面に形成されている。
このような山形突起状の側壁45,45を有していることにより、熱媒配管40は、山形突起状の側壁45,45の下り傾斜状の曲面に沿って揺動可能となるため、熱媒配管40の先端はフレキシブルに変位することができ、可動部として機能する。この可動部により、ジョイント部13(14)側との相対位置関係によって熱媒配管40の設置位置は定まり、分解洗浄等の組み立て作業が容易かつ確実になし得る。
【0090】
さらに、熱媒配管40の後端外周領域40c、すなわち、第2フランジ56を外方から軸方向(水平方向)L1に押し付ける押え部60の内面と第2フランジ56の外面との間で周方向に連続して形成される環状の鍔部収容領域S内にて遊びをもって収容される環状の鍔部46が周方向に連続して突設されている。
【0091】
鍔部46は、本実施形態では、熱媒配管40の外周面から断面視で台形状に突設された周方向に連続した突条に形成されている。
鍔部46を構成する第2フランジ56と対向する側の第一の立上がり周面部47は、熱媒配管40の外周面から鉛直方向で直角に所定高さ立ち上げられ、押え部60と対向する側の第二の立上がり周面部48は、熱媒配管40の外周面から昇り傾斜状に所定高さ立ち上げられている。そして、第一の立上がり周面部47の上端と、第二の立上がり周面部48の上端とにわたって連続して設けられる上端面部49は断面視で平坦面に形成されている。鍔部46は熱媒配管40と同心円に形成されている。
本実施形態では、押え部60の端部61を面取りすることで曲面形状としている。熱媒配管40が鉛直方向H1(例えば
図3参照。)で変位する際に、鍔部収容領域Sの範囲内で鍔部46の第二の立上がり周面部48と端部61とが接触する可能性があるが、端部61を面取りしているため、鍔部収容領域Sの範囲内で押え部60と鍔部46とが、滑らかに接触することができるため、互いの損傷を緩和することができる。
また、第二の立上がり周面部48を曲面(丸みがある傾斜面)状に形成することも可能である。
【0092】
第1フランジ50は、所定厚さ及び所定外径の円環状に形成され、ケーシング2の側板部3の内面に設けられた窪み領域Qに当接して配設される。窪み領域Qは、貫通孔3a(3b)を囲むように貫通孔3a(3b)よりも大径円筒状に形成されている。
第1フランジ50の内径側には、熱媒配管40の外周に設けたシール装着突部43が摺接する配管摺接孔部51が形成されている。
第1フランジ50は、第2フランジ56の外方から第1ボルト52を介して連結するための連結孔部53を所定数設けている。連結孔部53は、貫通孔3a(3b)に対向する面部の所定位置に非貫通状に穿設され、その内面には第1ボルト52の雄ネジが螺合可能な雌ネジが形成されている。
また、窪み領域Qに当接する第1フランジ50の面部には、断面略凹字状の環状シール溝54が形成されており、環状シール溝54にOリング55が装着されている。これにより、ケーシング2と第1フランジ50との当接領域における気密性が保たれる。なお、本実施形態では、シール溝54とOリング55とからなる一組のシール領域が備えられているが、シール領域は複数組あっても良い。
【0093】
第1フランジ50の外径は、窪み領域Qの内径D1よりも小さく、その差分の範囲において、ジョイント部13(14)と熱媒配管40との間で、第1フランジ50の平面方向の360度全方向においてずれが生じている場合であっても、ジョイント部13(14)の熱媒配管40が接続可能な嵌入孔13a(14a)の位置に適応して熱媒配管40が変位され移動が可能となっている。
これにより、分解洗浄作業の後、再度組み立て作業をする際に、ジョイント部13(14)と熱媒配管40との相対位置関係によって熱媒配管40の設置位置は定まり接続組み立て作業が容易かつ確実になし得る。
【0094】
第2フランジ56は、所定厚さ及び所定外径の円環状に形成され、その外径D3は、ケーシング2の側板部3に設けた貫通孔3a(3b)よりも大径で、内径は貫通孔3a(3b)よりも小径に形成されており、内径側には、熱媒配管40の外周面との間に所定の隙間を有するように形成された配管遊挿孔部57を備えている。また、本実施形態の第2フランジ56は、その外径D3が第1フランジ50の外径D2よりも小径に形成されている。
第2フランジ56は、第1フランジ50の連結孔部53に第1ボルト52を螺合して、第1フランジ50と第2フランジ56とで、ケーシング2の側板部3を連結するための連結孔部58を所定数設けている。連結孔部58は、貫通孔3a(3b)に対向する面部の所定位置に貫通状に穿設され、その内面には雌ネジは形成されていない。
また、第2フランジ56には、外方に備えられる押え部60を第2フランジ56に連結固定するための複数個の第二連結孔部59が、連結孔部58を避けた位置に所定数設けられている。第二連結孔部59の内面には第2ボルト70が螺合する雌ネジが形成されている。
【0095】
押え部60は、軸方向(L1)所定厚さ及び鉛直方向(H1)所定長さの矩形板状に形成され、その鉛直方向長さは、第2フランジ56の外径D3よりも短く、中央領域には、第2フランジ56の配管遊挿孔部57と同一の内径とした第二の配管遊挿孔部62を備えている。
押え部60の内面には、第2フランジ56の配管遊挿孔部57よりも大径の内周を有する窪み領域Q2が形成されており、第2フランジ56の外面との間で環状の鍔部収容領域Sが形成される。
また、押え部60を第2フランジ56に第2ボルト70を介して連結固定するための複数個の第三連結孔部63が貫通形成されており、その内面には雌ネジは形成されていない。
【0096】
この鍔部収容領域Sは、遊びをもって環状の鍔部46が収容される領域で、
図16の仮想円内に拡大して示すように、熱媒配管40の軸方向L1と、鉛直方向H1との位置ずれを調整する際に、シール機能を損なうような過度の変位とならないように、鍔部収容領域S内で、鍔部46の第一の立上がり周面部47や第二の立上がり周面部48が、第2フランジ56や押え部60と当接することでストッパとして機能する。
【0097】
ここで、ケーシング2と乾燥部10とを分離する工程と、分離後に再度組み立てる工程と、について簡単に説明する。
【0098】
本発明の乾燥装置にあっては、上述した通り、GMPに準拠するため乾燥処理工程を経た後、装置を洗浄処理することが望ましい。
【0099】
そこで、まず、ケーシング2と、ケーシング2内に配設されている乾燥部10及び乾燥媒体分散部19等の内部構造(洗浄対象構成)とを分離する工程を説明する。
【0100】
押え部60を第2フランジ56に締結固定しているボルト70を全て取り外し、押え部60を取り外す。これにより、鍔部46の軸方向移動の制限が解除されるため、熱媒配管40の先端外周領域40aをジョイント部(ジョイント部13、ジョイント部14)の嵌入孔13a(14a)から抜き外し、第1フランジ50の配管摺接孔部51、ケーシング2の側板部3の貫通孔3a(3b)、及び第2フランジ56の配管遊挿孔部57を介して熱媒配管40を取り外す。この工程を繰り返し行い、全てのジョイント部13及びジョイント部14に接続されている全ての熱媒配管40を取り外す。
さらに、ケーシング2の側板部3と天板部4とを固定している締結状態を解除する。なお、本実施形態では、側板部3と底板部5とが一体に構成されている形態を採用しているが、側板部3と底板部5とがボルトなどで着脱可能に構成されるものであってもよく適宜設計変更可能である。
【0101】
上述した工程を終えることにより、天板部4に取り付けた状態の主軸8に乾燥媒体分散部19及び乾燥部10などの内部構造が一体になった状態で、側板部3と分離可能となるため、例えば、天板部4ごと鉛直方向で上方に吊り上げて内部構造を側板部3と分離させることで洗浄作業が極めて容易に行い得る。
【0102】
そして、乾燥媒体分散部19及び乾燥部10などの内部構造の洗浄工程を終えて、天板部4、内部構造及び側板部3を再度組み立てる工程に移る。なお、側板部3及び底板部5にあっても別途洗浄工程を施す。
【0103】
吊り下げ状態であった天板部4及び天板部4と一体となっている内部構造を降ろしていき、側板部3内に内部構造を上方から挿入し、側板部3の各貫通孔3a(3b)と、各乾燥板部11のジョイント部13(14)との位置合わせを行い、このとき、側板部3の各貫通孔3a(3b)と、各乾燥板部11のジョイント部13(14)との間で、周方向のずれが生じていた場合、位相を合わせた位置になるように配置を合わせる。
そして、第2フランジ56の配管遊挿孔部57、ケーシング2の側板部3の貫通孔3a(3b)、及び第1フランジ50の配管摺接孔部51を介して熱媒配管40をケーシング2の側板部3の内方へと挿入する。
【0104】
そして、その状態でずれが生じず、乾燥板部11のジョイント部13(14)の嵌入孔13a(14a)に熱媒配管40の先端外周領域40aの位置合わせができていれば、熱媒配管40の先端外周領域40aをジョイント部13(14)の嵌入孔13a(14a)にそのまま差し込み嵌入すればよい。
しかし、乾燥板部11のジョイント部13(14)の嵌入孔13a(14a)に熱媒配管40の先端外周領域40aとの間で、第1フランジ50の平面方向の360度全方向においてずれが生じている場合がある。
乾燥板部11のジョイント部13(14)の嵌入孔13a(14a)に熱媒配管40の先端外周領域40aとの間で第1フランジ50の平面方向の360度全方向においてずれが生じている場合には、窪み領域Q2の鍔部収容領域S内において、鍔部46移動許容範囲内で熱媒配管40の角度を変位可能であるため、ずれの調整を図ることができる。
この時、熱媒配管40を過度に変位させようとしても、鍔部46が窪み領域Q2内で第2フランジ56や押え部60に当接してストッパとして機能するため損傷等を抑止することができる。
【0105】
側板部3、第1フランジ部50、第2フランジ部56及び押え部60をボルト締結して熱媒配管40を配設した状態であっても、ジョイント部13(14)と熱媒配管40との接続領域部分の軸方向(水平方向)L1における位置合わせが可能で、かつ窪み領域Q2の鍔部収容領域S内において、鍔部46の移動許容範囲内で熱媒配管40の角度を変位させて挿入角度を調整することも可能である。
【0106】
本実施形態によれば、上述のとおりの構成を採用していることから、分離後の組立作業において簡単かつ確実に組み込み位置調整がなし得る。また、本実施形態によれば、主軸8などを回転駆動させる駆動部9を天板部4の上方に配設する構成を採用し、天板部4とともに内部構造を吊り上げる際に、駆動部9も併せて上方に吊り上げられるため、分解・洗浄作業が容易である。
また、駆動部9を天板部4の上方に配設して、汚れやすい底板部5には、軸封等の複雑な構造を備えない構造としたため、軸封等の漏れ等を気にせずに洗浄液に側板部3と底板部5とを浸漬させて洗浄することができる。従って、側板部3と底板部5との洗浄作業性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、粉体や粒体などの乾燥処理に用いられる多段式の乾燥装置であれば本実施形態で説明した以外の構成を有している乾燥装置にも広く利用可能である。また、医薬品や化学薬品などの粉体や粒体に限らず、その他の粉体・粒体の乾燥装置としても広く利用可能である。
【符号の説明】
【0108】
2 ケーシング
3 側板部
4 天板部
7 主軸
10 乾燥部
10a 第1乾燥部
11 乾燥板部
18 掻き取り誘導部
19 乾燥媒体分散部
20 回転板部
26 落下孔部
27 分散誘導部
27a 第一の分散誘導部
27b 第二の分散誘導部
27c 第三の分散誘導部
27d 第四の分散誘導部
28 湾曲部(第一部)
29 誘導ブレード部(第二部)
32 乾燥媒体投入部
33 乾燥媒体受け部
34 飛散抑止部
35 均しゲート部
40 熱媒配管
H1 鉛直方向
L1 軸方向
V1 円周方向仮想線
【手続補正書】
【提出日】2022-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿潤状態の乾燥媒体を投入する乾燥媒体投入部と、乾燥媒体を乾燥させる乾燥部と、を含んでケーシング内に配設されており、前記乾燥部は、鉛直方向で第一乾燥部から第n乾燥部まで間隔をあけて多段状に構成され、それぞれの乾燥部は、ケーシングに固定され、鉛直方向で上方から落下する乾燥媒体を受けて乾燥せしめる乾燥板部と、鉛直方向でケーシング内に回転可能に垂設された主軸に連結されて回転可能に構成され、乾燥板部上の乾燥媒体を順次下段の乾燥部へと落下せしめる掻き取り誘導部と、からなる乾燥装置であって、
前記第一乾燥部乃至第n乾燥部は、前記ケーシング外に配設した熱媒供給管から供給される熱媒によってそれぞれの板部全域に熱伝達されるように、それぞれの乾燥板部の下面に熱媒収容部を備えてなり、
前記第一乾燥部乃至第n乾燥部を構成するそれぞれの乾燥板部は、それぞれの板部の外径が、直近の下方の板部の外径と比して、小径状、大径状と交互になるように構成されており、
それぞれの乾燥板部上に位置する掻き取り誘導部は、乾燥板部上の乾燥媒体を掻き取り誘導するブレード部を有し、
前記それぞれのブレード部は、
前記小径状の外径を有する乾燥板部上の乾燥媒体を、当該乾燥板部の外径方向に向けて誘導し、当該外径側から下方に落下するように所定角度の傾斜状に構成されたブレード部と、
前記大径状の外径を有する乾燥板部上の乾燥媒体を、当該乾燥板部の内径方向に向けて誘導し、当該内径側から下方に落下するように所定角度の傾斜状に構成されたブレード部と、が、第一乾燥部から第n乾燥部において、各乾燥部毎に交互に備えられており、
さらに、鉛直方向で、前記第一乾燥部と前記乾燥媒体投入部との間には、乾燥媒体分散部が備えられており、
前記乾燥媒体分散部は、
前記主軸に連結されて前記掻き取り誘導部と同期して回転可能に構成されるとともに、前記乾燥媒体投入部から投入された乾燥媒体を受けて周方向に搬送する回転板部と、
前記回転板部の上面との間に隙間を形成して吊り下げ支持され、前記回転板部上の乾燥媒体を前記第一乾燥部の乾燥板部上へと案内して落下せしめる分散誘導部と、を含み、
前記回転板部は、
板部内径側と板部外径側のいずれか一方に、回転板部上の乾燥媒体を前記第一乾燥部の上面へと分散させて落下せしめる落下孔部が所定間隔をあけて複数設けられており、
前記分散誘導部は、
前記それぞれの落下孔部に一端側が突出して配設され、それぞれの落下孔部へと前記乾燥媒体を分散させて案内落下せしめる第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部からなり、
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記回転板部上に投入された乾燥媒体を複数に分散させて前記落下孔部へと誘導するため、順次上流側の分散誘導部よりも他端側が回転板部の外径方向に延在する長尺状に構成されていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
前記それぞれの落下孔部は、前記乾燥媒体が、前記第一乾燥部の掻き取り誘導部上に落下することを防止するため、前記第一乾燥部の掻き取り誘導部の延設方向領域を避けた領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
湿潤状態の乾燥媒体を投入する乾燥媒体投入部と、乾燥媒体を乾燥させる乾燥部と、を含んでケーシング内に配設されており、前記乾燥部は、鉛直方向で第一乾燥部から第n乾燥部まで間隔をあけて多段状に構成され、それぞれの乾燥部は、ケーシングに固定され、鉛直方向で上方から落下する乾燥媒体を受けて乾燥せしめる乾燥板部と、鉛直方向でケーシング内に回転可能に垂設された主軸に連結されて回転可能に構成され、乾燥板部上の乾燥媒体を順次下段の乾燥部へと落下せしめる掻き取り誘導部と、からなる乾燥装置であって、
前記第一乾燥部乃至第n乾燥部は、前記ケーシング外に配設した熱媒供給管から供給される熱媒によってそれぞれの板部全域に熱伝達されるように、それぞれの乾燥板部の下面に熱媒収容部を備えてなり、
前記乾燥媒体投入部は、投入された乾燥媒体を受けて前記回転板部上に案内する乾燥媒体受け部を投入下端側に備えており、
前記乾燥媒体受け部は、投入された乾燥媒体の飛散を抑止する飛散抑止部と、
前記飛散抑止部の一部を構成し、前記回転板部との間に乾燥媒体が通過する所定高さの通過領域を形成可能な上下移動自在の均しゲート部と、を含み、
前記飛散抑止部は、乾燥媒体投入部の下端投入口を囲むように構成した周囲の壁部を有し、
前記均しゲート部は、前記壁部において、前記回転板部の回転方向に向いた領域を、鉛直方向で上下移動可能に分離構成し、前記回転板部の上面領域との間で、投入された乾燥媒体を所定高さに均して送り出すゲート板部であって、
さらに、鉛直方向で、前記第一乾燥部と前記乾燥媒体投入部との間には、乾燥媒体分散部が備えられており、
前記乾燥媒体分散部は、
前記主軸に連結されて前記掻き取り誘導部と同期して回転可能に構成されるとともに、前記乾燥媒体投入部から投入された乾燥媒体を受けて周方向に搬送する回転板部と、
前記回転板部の上面との間に隙間を形成して吊り下げ支持され、前記回転板部上の乾燥媒体を前記第一乾燥部の乾燥板部上へと案内して落下せしめる分散誘導部と、を含み、
前記回転板部は、
板部内径側に中央貫通孔部を有する環状板状に形成されており、
前記分散誘導部は、
前記中央貫通孔部に一端側が突出して配設され、前記中央貫通孔部へと前記乾燥媒体を分散させて順次案内落下せしめる第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部からなり、
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記回転板部上に投入された乾燥媒体を複数に分散させて前記中央貫通孔部へと誘導するため、順次上流側の分散誘導部よりも他端側が回転板部の外径方向に延在する長尺状に構成されていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項4】
前記乾燥媒体投入部は、投入された乾燥媒体を受けて前記回転板部上に案内する乾燥媒体受け部を投入下端側に備えており、
前記乾燥媒体受け部は、投入された乾燥媒体の飛散を抑止する飛散抑止部と、
前記飛散抑止部の一部を構成し、前記回転板部との間に乾燥媒体が通過する所定高さの通過領域を形成可能な上下移動自在の均しゲート部と、を含み、
前記飛散抑止部は、乾燥媒体投入部の下端投入口を囲むように構成した周囲の壁部を有し、
前記均しゲート部は、前記壁部において、前記回転板部の回転方向に向いた領域を、鉛直方向で上下移動可能に分離構成し、前記回転板部の上面領域との間で、投入された乾燥媒体を所定高さに均して送り出すゲート板部としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、湾曲部と、湾曲部の一端から延設された誘導ブレード部とで構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、直線平板状の誘導ブレード部であることを特徴とする請求項4に記載の乾燥装置。
【請求項7】
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記それぞれの誘導ブレード部よりも回転方向で上流側に位置する前記回転板部上面の円周方向仮想線と前記誘導ブレード部とで交差して形成される角度が鋭角となるように傾斜状に配設されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項8】
湿潤状態の乾燥媒体を投入する乾燥媒体投入部と、乾燥媒体を乾燥させる乾燥部と、を含んでケーシング内に配設されており、前記乾燥部は、鉛直方向で第一乾燥部から第n乾燥部まで間隔をあけて多段状に構成され、それぞれの乾燥部は、ケーシングに固定され、鉛直方向で上方から落下する乾燥媒体を受けて乾燥せしめる乾燥板部と、鉛直方向でケーシング内に回転可能に垂設された主軸に連結されて回転可能に構成され、乾燥板部上の乾燥媒体を順次下段の乾燥部へと落下せしめる掻き取り誘導部と、からなる乾燥装置であって、
前記第一乾燥部乃至第n乾燥部は、前記ケーシング外に配設した熱媒供給管から供給される熱媒によってそれぞれの板部全域に熱伝達されるように、それぞれの乾燥板部の下面に熱媒収容部を備えてなり、
前記乾燥媒体投入部は、投入された乾燥媒体を受けて前記回転板部上に案内する乾燥媒体受け部を投入下端側に備えており、
前記乾燥媒体受け部は、投入された乾燥媒体の飛散を抑止する飛散抑止部と、
前記飛散抑止部の一部を構成し、前記回転板部との間に乾燥媒体が通過する所定高さの通過領域を形成可能な上下移動自在の均しゲート部と、を含み、
前記飛散抑止部は、乾燥媒体投入部の下端投入口を囲むように構成した周囲の壁部を有し、
前記均しゲート部は、前記壁部において、前記回転板部の回転方向に向いた領域を、鉛直方向で上下移動可能に分離構成し、前記回転板部の上面領域との間で、投入された乾燥媒体を所定高さに均して送り出すゲート板部であって、
鉛直方向で、前記第一乾燥部と前記乾燥媒体投入部との間には、乾燥媒体分散部が備えられており、
前記乾燥媒体分散部は、
前記主軸に連結されて前記掻き取り誘導部と同期して回転可能に構成されるとともに、前記乾燥媒体投入部から投入された乾燥媒体を受けて周方向に搬送する回転板部と、
前記回転板部の上面との間に隙間を形成して吊り下げ支持され、前記回転板部上の乾燥媒体を前記第一乾燥部の乾燥板部上へと案内して落下せしめる分散誘導部と、を含み、
前記回転板部は、板部内径側に中央貫通孔部を有する環状板状に形成されており、
前記分散誘導部は、前記均しゲート部から送り出された乾燥媒体が、前記回転板部の板部上面領域から前記中央貫通孔部を介して徐々に分散して落下していくように、前記均しゲート部の外径寄りの位置から回転板部の内径に向かって順次小径状となるようにして前記均しゲート部の内径寄りの位置に連結した単一の渦巻きブレード状に形成されていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項9】
前記主軸の位相を検知して、前記第一の掻き取り誘導部上へ乾燥媒体が落下しないように、前記乾燥媒体投入部からの乾燥媒体の供給タイミングを断続的に制御する制御機構を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の乾燥装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
この目的を達成するために、第1の本発明は、湿潤状態の乾燥媒体を投入する乾燥媒体投入部と、乾燥媒体を乾燥させる乾燥部と、を含んでケーシング内に配設されており、前記乾燥部は、鉛直方向で第一乾燥部から第n乾燥部まで間隔をあけて多段状に構成され、それぞれの乾燥部は、ケーシングに固定され、鉛直方向で上方から落下する乾燥媒体を受けて乾燥せしめる乾燥板部と、鉛直方向でケーシング内に回転可能に垂設された主軸に連結されて回転可能に構成され、乾燥板部上の乾燥媒体を順次下段の乾燥部へと落下せしめる掻き取り誘導部と、からなる乾燥装置であって、
前記第一乾燥部乃至第n乾燥部は、前記ケーシング外に配設した熱媒供給管から供給される熱媒によってそれぞれの板部全域に熱伝達されるように、それぞれの乾燥板部の下面に熱媒収容部を備えてなり、
前記第一乾燥部乃至第n乾燥部を構成するそれぞれの乾燥板部は、それぞれの板部の外径が、直近の下方の板部の外径と比して、小径状、大径状と交互になるように構成されており、
それぞれの乾燥板部上に位置する掻き取り誘導部は、乾燥板部上の乾燥媒体を掻き取り誘導するブレード部を有し、
前記それぞれのブレード部は、
前記小径状の外径を有する乾燥板部上の乾燥媒体を、当該乾燥板部の外径方向に向けて誘導し、当該外径側から下方に落下するように所定角度の傾斜状に構成されたブレード部と、
前記大径状の外径を有する乾燥板部上の乾燥媒体を、当該乾燥板部の内径方向に向けて誘導し、当該内径側から下方に落下するように所定角度の傾斜状に構成されたブレード部と、が、第一乾燥部から第n乾燥部において、各乾燥部毎に交互に備えられており、
さらに、鉛直方向で、前記第一乾燥部と前記乾燥媒体投入部との間には、乾燥媒体分散部が備えられており、
前記乾燥媒体分散部は、
前記主軸に連結されて前記掻き取り誘導部と同期して回転可能に構成されるとともに、前記乾燥媒体投入部から投入された乾燥媒体を受けて周方向に搬送する回転板部と、
前記回転板部の上面との間に隙間を形成して吊り下げ支持され、前記回転板部上の乾燥媒体を前記第一乾燥部の乾燥板部上へと案内して落下せしめる分散誘導部と、を含み、
前記回転板部は、
板部内径側と板部外径側のいずれか一方に、回転板部上の乾燥媒体を前記第一乾燥部の上面へと分散させて落下せしめる落下孔部が所定間隔をあけて複数設けられており、
前記分散誘導部は、
前記それぞれの落下孔部に一端側が突出して配設され、それぞれの落下孔部へと前記乾燥媒体を分散させて案内落下せしめる第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部からなり、
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記回転板部上に投入された乾燥媒体を複数に分散させて前記落下孔部へと誘導するため、順次上流側の分散誘導部よりも他端側が回転板部の外径方向に延在する長尺状に構成されていることを特徴とする乾燥装置としたことである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
第2の本発明は、第1の本発明において、前記それぞれの落下孔部は、前記乾燥媒体が、前記第一乾燥部の掻き取り誘導部上に落下することを防止するため、前記第一乾燥部の掻き取り誘導部の延設方向領域を避けた領域に設けられていることを特徴とする乾燥装置としたことである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
第3の本発明は、湿潤状態の乾燥媒体を投入する乾燥媒体投入部と、乾燥媒体を乾燥させる乾燥部と、を含んでケーシング内に配設されており、前記乾燥部は、鉛直方向で第一乾燥部から第n乾燥部まで間隔をあけて多段状に構成され、それぞれの乾燥部は、ケーシングに固定され、鉛直方向で上方から落下する乾燥媒体を受けて乾燥せしめる乾燥板部と、鉛直方向でケーシング内に回転可能に垂設された主軸に連結されて回転可能に構成され、乾燥板部上の乾燥媒体を順次下段の乾燥部へと落下せしめる掻き取り誘導部と、からなる乾燥装置であって、
前記第一乾燥部乃至第n乾燥部は、前記ケーシング外に配設した熱媒供給管から供給される熱媒によってそれぞれの板部全域に熱伝達されるように、それぞれの乾燥板部の下面に熱媒収容部を備えてなり、
前記乾燥媒体投入部は、投入された乾燥媒体を受けて前記回転板部上に案内する乾燥媒体受け部を投入下端側に備えており、
前記乾燥媒体受け部は、投入された乾燥媒体の飛散を抑止する飛散抑止部と、
前記飛散抑止部の一部を構成し、前記回転板部との間に乾燥媒体が通過する所定高さの通過領域を形成可能な上下移動自在の均しゲート部と、を含み、
前記飛散抑止部は、乾燥媒体投入部の下端投入口を囲むように構成した周囲の壁部を有し、
前記均しゲート部は、前記壁部において、前記回転板部の回転方向に向いた領域を、鉛直方向で上下移動可能に分離構成し、前記回転板部の上面領域との間で、投入された乾燥媒体を所定高さに均して送り出すゲート板部であって、
さらに、鉛直方向で、前記第一乾燥部と前記乾燥媒体投入部との間には、乾燥媒体分散部が備えられており、
前記乾燥媒体分散部は、
前記主軸に連結されて前記掻き取り誘導部と同期して回転可能に構成されるとともに、前記乾燥媒体投入部から投入された乾燥媒体を受けて周方向に搬送する回転板部と、
前記回転板部の上面との間に隙間を形成して吊り下げ支持され、前記回転板部上の乾燥媒体を前記第一乾燥部の乾燥板部上へと案内して落下せしめる分散誘導部と、を含み、
前記回転板部は、
板部内径側に中央貫通孔部を有する環状板状に形成されており、
前記分散誘導部は、
前記中央貫通孔部に一端側が突出して配設され、前記中央貫通孔部へと前記乾燥媒体を分散させて順次案内落下せしめる第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部からなり、
前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記回転板部上に投入された乾燥媒体を複数に分散させて前記中央貫通孔部へと誘導するため、順次上流側の分散誘導部よりも他端側が回転板部の外径方向に延在する長尺状に構成されていることを特徴とする乾燥装置としたことである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
第4の本発明は、第1の本発明又は第2の本発明において、前記乾燥媒体投入部は、投入された乾燥媒体を受けて前記回転板部上に案内する乾燥媒体受け部を投入下端側に備えており、
前記乾燥媒体受け部は、投入された乾燥媒体の飛散を抑止する飛散抑止部と、
前記飛散抑止部の一部を構成し、前記回転板部との間に乾燥媒体が通過する所定高さの通過領域を形成可能な上下移動自在の均しゲート部と、を含み、
前記飛散抑止部は、乾燥媒体投入部の下端投入口を囲むように構成した周囲の壁部を有し、
前記均しゲート部は、前記壁部において、前記回転板部の回転方向に向いた領域を、鉛直方向で上下移動可能に分離構成し、前記回転板部の上面領域との間で、投入された乾燥媒体を所定高さに均して送り出すゲート板部としたことを特徴とする乾燥装置としたことである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
第5の本発明は、第1の本発明乃至第4の本発明のいずれかにおいて、前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、湾曲部と、湾曲部の一端から延設された誘導ブレード部とで構成されていることを特徴とする乾燥装置としたことである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
第6の本発明は、第4の本発明において、前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、直線平板状の誘導ブレード部であることを特徴とする乾燥装置としたことである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
第7の本発明は、第1の本発明乃至第6の本発明のいずれかにおいて、前記第一の分散誘導部乃至第nの分散誘導部は、前記それぞれの誘導ブレード部よりも回転方向で上流側に位置する前記回転板部上面の円周方向仮想線と前記誘導ブレード部とで交差して形成される角度が鋭角となるように傾斜状に配設されていることを特徴とする乾燥装置としたことである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
第8の本発明は、湿潤状態の乾燥媒体を投入する乾燥媒体投入部と、乾燥媒体を乾燥させる乾燥部と、を含んでケーシング内に配設されており、前記乾燥部は、鉛直方向で第一乾燥部から第n乾燥部まで間隔をあけて多段状に構成され、それぞれの乾燥部は、ケーシングに固定され、鉛直方向で上方から落下する乾燥媒体を受けて乾燥せしめる乾燥板部と、鉛直方向でケーシング内に回転可能に垂設された主軸に連結されて回転可能に構成され、乾燥板部上の乾燥媒体を順次下段の乾燥部へと落下せしめる掻き取り誘導部と、からなる乾燥装置であって、
前記第一乾燥部乃至第n乾燥部は、前記ケーシング外に配設した熱媒供給管から供給される熱媒によってそれぞれの板部全域に熱伝達されるように、それぞれの乾燥板部の下面に熱媒収容部を備えてなり、
前記乾燥媒体投入部は、投入された乾燥媒体を受けて前記回転板部上に案内する乾燥媒体受け部を投入下端側に備えており、
前記乾燥媒体受け部は、投入された乾燥媒体の飛散を抑止する飛散抑止部と、
前記飛散抑止部の一部を構成し、前記回転板部との間に乾燥媒体が通過する所定高さの通過領域を形成可能な上下移動自在の均しゲート部と、を含み、
前記飛散抑止部は、乾燥媒体投入部の下端投入口を囲むように構成した周囲の壁部を有し、
前記均しゲート部は、前記壁部において、前記回転板部の回転方向に向いた領域を、鉛直方向で上下移動可能に分離構成し、前記回転板部の上面領域との間で、投入された乾燥媒体を所定高さに均して送り出すゲート板部であって、
鉛直方向で、前記第一乾燥部と前記乾燥媒体投入部との間には、乾燥媒体分散部が備えられており、
前記乾燥媒体分散部は、
前記主軸に連結されて前記掻き取り誘導部と同期して回転可能に構成されるとともに、前記乾燥媒体投入部から投入された乾燥媒体を受けて周方向に搬送する回転板部と、
前記回転板部の上面との間に隙間を形成して吊り下げ支持され、前記回転板部上の乾燥媒体を前記第一乾燥部の乾燥板部上へと案内して落下せしめる分散誘導部と、を含み、
前記回転板部は、板部内径側に中央貫通孔部を有する環状板状に形成されており、
前記分散誘導部は、前記均しゲート部から送り出された乾燥媒体が、前記回転板部の板部上面領域から前記中央貫通孔部を介して徐々に分散して落下していくように、前記均しゲート部の外径寄りの位置から回転板部の内径に向かって順次小径状となるようにして前記均しゲート部の内径寄りの位置に連結した単一の渦巻きブレード状に形成されていることを特徴とする乾燥装置としたことである。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
第9の本発明は、第1の本発明乃至第8の本発明において、前記主軸の位相を検知して、前記第一の掻き取り誘導部上へ乾燥媒体が落下しないように、前記乾燥媒体投入部からの乾燥媒体の供給タイミングを断続的に制御する制御機構を有することを特徴とする乾燥装置としたことである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【補正の内容】