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  • 特開-フェイスパック 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127200
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】フェイスパック
(51)【国際特許分類】
   A45D 44/22 20060101AFI20230906BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20230906BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230906BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20230906BHJP
   C04B 35/14 20060101ALN20230906BHJP
【FI】
A45D44/22 C
A61K8/02
A61Q19/00
A61K8/19
C04B35/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030832
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】508200090
【氏名又は名称】株式会社マテラ
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 照旺
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA161
4C083AA162
4C083BB23
4C083CC07
4C083DD12
4C083EE12
4C083EE13
(57)【要約】
【課題】無機粉末が流れ落ちるのを防止しながら顔面に付着して無機粉末から素肌に遠赤外線を放射する。
【解決手段】可撓性のベースシート1の面方向に拡散して無機粉末10を配置しているフェイスパック100であって、ベースシート1は合成繊維を立体的に方向性なく集合してなる可撓性の不織布で、不織布は、繊維径よりも小さい無機粉末10を合成繊維内に埋設している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性のベースシートと、
前記ベースシートの面方向に拡散して配置されてなる無機粉末とを有するフェイスパックであって、
前記ベースシートは合成繊維を立体的に方向性なく集合してなる可撓性の不織布で、
前記不織布は、繊維径よりも小さい無機粉末を前記合成繊維内に埋設してなることを特徴とするフェイスパック。
【請求項2】
請求項1に記載のフェイスパックであって、
前記無機粉末が天然石の焼結粉末であることを特徴とするフェイスパック。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフェイスパックであって、
前記合成繊維に埋設してなる前記無機粉末が、
体積平均径を5μm以下とする粉末であることを特徴とする焼結粉末であるフェイスパック。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のフェイスパックであって、
前記合成繊維が、
0.1重量%以上の無機粉末を含むことを特徴とするフェイスパック。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載のフェイスパックであって、
前記無機粉末が、
流紋岩を焼成して粉末状としてなる流紋岩の焼結粉末であることを特徴とするフェイスパック。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載のフェイスパックであって、
前記不織布がノーバインダー不織布であることを特徴とするフェイスパック。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載のフェイスパックであって、
前記不織布の前記合成繊維がレーヨンであることを特徴とするフェイスパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の顔面にパック材を介して付着して、無機粉末で肌に遠赤外線を放射するフェイスパックに関する。
【背景技術】
【0002】
セラミックの粉末を、パック剤で布の表面に積層しているフェイスパックは開発されている(特許文献1参照)。このフェイスパックは、トルマリン鉱石単体又はこれを含有するセラミックスの微粉末と、寒天、ペクチン、ゼラチンのうちの1種以上のゲル化剤及び/又は動植物性油脂と、動植物からの抽出エキスとを混練したゼリー状又はペースト状のパック剤を、天然又は合成繊維の布地に含浸、塗着させたものである。
【0003】
さらに、不織布に化粧水を介して粘土粉末を含む化粧水を不織布に含浸しているフェイスパックも開発されている(特許文献2参照)。このフェイスパックは、基材となる不織布に、化粧水を不織布に対して250~800重量%含ませている。粘土粉体は、化粧水に対して5.0~15.0重量%含ませている。化粧水に対する含有量は0.7重量%以下の範囲でベントナイトを含ませている。不織布は、メッシュタイプの不織布を使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-226633号公報
【特許文献2】特開2008-1645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のフェイスパックは、布地の表面に、トルマリン鉱石を含むセラミックスの微粉末と、寒天、ペクチン、ゼラチン等のゲル化剤及び/又は動植物性油脂と、動植物からの抽出エキスとを混練したゼリー状又はペースト状のパック剤を含浸、塗着しているので、表面に含浸、塗着しているパック剤で可撓性が低下し、凹凸のある顔面に広い面積で付着することが難しく、また、顔面に付着する状態でパック剤が流れ落ちる欠点もある。特許文献2のフェイスパックも特許文献1と同様に、顔面に付着する状態で、不織布に含浸している化粧水が流れ落ちて、ユーザーの衣類を汚す欠点がある。パック剤や化粧水と一緒に流れ落ちる無機粉末は、化粧水のように簡単に払拭しては除去できない。とくに、無機粉末の重量に対する表面積を大きくして、遠赤外線の照射効率を高くするために微細な粉末とするほど、微粉末の粒子が衣類の網目等の狭い隙間に侵入して、液体のようには簡単に除去できなくなる。
【0006】
本発明は、以上の欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の一目的は、顔面に付着する状態で無機粉末が流れ落ちることを防止しながら、微細な無機粉末から素肌に遠赤外線を放射できるフェイスパックを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明の一実施態様のフェイスパックは、可撓性のベースシートと、ベースシートの面方向に拡散して配置されてなる無機粉末とを有する。ベースシートは合成繊維を立体的に方向性なく集合してなる可撓性の不織布で、無機粉末の粒径は不織布の合成繊維径よりも小さく、焼結粉末の無機粉末が合成繊維内に埋設されてなる。
【0008】
以上のフェイスパックは、合成繊維に無機粉末を埋設して、この合成繊維を立体的に方向性なく集合して不織布とするので、無機粉末を内部に含有するにもかかわらず、不織布が可撓性を失うことがなく、柔軟な状態で凹凸のある顔面の素肌に接して付着できる。とくに、以上のフェイスパックは、無機粉末を不織布の繊維に埋設しているので、無機粉末がパック剤と一緒に流れ落ちて汚すことがなく、さらに使用後には、無機粉末が素肌に付着して残ることなく剥離できるので、従来のフェイスパックのように剥離後に素肌に付着している無機粉末を拭き取る必要がない。このため、以上のフェイスパックは、便利に、綺麗に、簡単に使用して顔面に遠赤外線を照射できる特長がある。
【0009】
以上のフェイスパックは、能率よく多量生産して可撓性のある不織布の繊維に無機粉末の焼結粉末を含有する。このフェイスパックは、不織布の繊維に無機粉末の焼成粉末を埋設しているので、化粧水などのパック剤を使用してユーザーの顔面に付着して遠赤外線を素肌に放射できる。繊維に埋設している無機粉末の焼結粉末は、素肌からの放射エネルギーに励起されて遠赤外線を照射するので、素肌に接近して付着されることで、顔面からのエネルギーを吸収して素肌に遠赤外線を効果的に照射できる特長がある。
【0010】
以上のフェイスパックは、凹凸のある顔面に沿って変形して、素肌表面に広い面積で付着して、素肌に効果的に遠赤外線を照射でき、さらに顔面に付着する状態で無機粉末が流れ落ちるのを防止できる特長がある。
【0011】
本発明の他の実施形態のフェイスパックは、天然石を焼成し、破砕して焼結粉末としてなる無機粉末を繊維に埋設する不織布を使用する。
【0012】
このフェイスパックは、不織布の繊維に埋設する無機粉末を天然石の焼結粉末とするが、天然石は焼結すると硬度が高くなって、割れやすくなるので、破砕して小さい粒径の焼結粉末に加工しやすい。不織布の合成繊維に埋設する無機粉末は、繊維径よりも小さくする必要がある。繊維径よりも大きい無機粉末を埋設する合成繊維は強度が低下し、使用状態で微細な繊維に切れて顔面に付着するからである。焼結して高硬度となった天然石は、微細な粒子に破断しやすく、粉砕して微細な焼結粉末に加工し、合成繊維に加工するアクリル、ポリエステルなど樹脂原料に添加して、これを繊維状に加工することで、焼結粉末を埋設して破断されない強度の合成繊維を能率よく製造でき、この合成繊維を立体的に方向性なく集合して天然石の焼成粉末を繊維に埋設している不織布が製造できる。したがって、以上のフェイスパックは、繊維に無機粉末を埋設している不織布を能率よく生産して、顔面に遠赤外線を照射する特性を実現できる。
【0013】
本発明の他の実施態様のフェイスパックは、合成繊維に埋設している無機粉末に、体積平均径を5μm以下とする粉末を使用することができる。
【0014】
本発明の他の実施態様のフェイスパックは、0.1重量%以上の無機粉末を含む合成繊維の不織布を使用することができる。
【0015】
本発明の他の実施態様のフェイスパックは、不織布の合成繊維に埋設している無機粉末に、流紋岩を焼成して粉末状としている流紋岩の焼結粉末を使用している。
【0016】
流紋岩は、融点の低い酸化カリウムを数%含有するので焼成するときに低融点の酸化カリウム等を溶融して焼結できる。溶融した低融点の酸化カリウム等が流紋岩を焼結して硬くする。又、流紋岩は、焼結する工程で、焼失成分が失われて微細な空隙が発生して多孔質な状態で焼結される。多孔質で高硬度に焼結された流紋岩は、より能率よく微細な粉末に破砕して、不織布の繊維に埋設できる。したがって、このフェイスパックは、流紋岩を焼結し、破砕して得られる焼結粉末を繊維に埋設してより能率よく多量生産できる特長がある。
【0017】
また、多孔質の流紋岩は、内部の微細な空隙が互いに連続する状態となって吸水特性も向上する。ちなみに、焼成されない流紋岩の表面を水滴を付着すると、水は表面張力で内部に吸収されることなく水滴となって付着するが、焼成した流紋岩は、表面に水を付着すると表面に水滴となることなく速やかに内部に浸透して吸収される。吸水特性に優れた無機粉末を埋設する繊維は、例えば吸水性のあるレーヨンやアクリル等の合成繊維に埋設して、繊維全体の吸水性、すなわち不織布の吸水性を向上して、化粧水などのパック剤でスムーズに素肌に付着できる。
【0018】
本発明の他の実施態様のフェイスパックは、不織布をノーバインダー不織布とすることができる。ノーバインダー不織布は、繊維の交点をバインダーで結合していないので、柔軟に変形して凹凸のある顔面により広い面積で密着できる。
【0019】
本発明の他の実施態様のフェイスパックは、不織布の合成繊維をレーヨンとする。このフェイスパックは、不織布の合成繊維にレーヨンを使用するので、レーヨン繊維の優れた吸水性と吸湿性によって、水性の化粧水を介してフェイスパックを顔面に効果的に付着できる。さらに、レーヨン繊維の柔らかな風合いによって、フェイスパックを顔面の凹凸に沿って自由に変形させて、快適な感触で顔面に広い面積で付着できる。さらに、レーヨン繊維は生分解性があるので、廃棄も簡単にできる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態1に係るフェイスパックを使用した状態を示す概略図である。
図2図1のフェイスパックの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
(実施の形態1)
【0022】
図1のフェイスパック100は、可撓性のあるベースシート1を不織布とし、この不織布の繊維を合成繊維として、合成繊維に無機粉末10を埋設している。ベースシート1は合成繊維を立体的に方向性なく集合している可撓性の不織布で、繊維は図2の拡大断面図に示すように、天然石の焼結粉末の無機粉末10を埋設している。天然石の焼結粉末は、不織布の合成繊維径よりも小さい粒径で不織布の合成繊維に埋設されている。フェイスパック100は、以上の不織布を顔面に付着できる形状に裁断している。
(不織布)
【0023】
不織布の合成繊維には、好ましくはレーヨン繊維を使用する。レーヨン繊維は吸水性と吸湿性があり、水性の化粧水を介してフェイスパック100を顔面に付着するのに適している。この不織布は、繊維の風合いが柔らかなので、顔面の凹凸に沿って自由に変形して、素肌に付着して快適な感触を実現し、さらに生分解性もあるので簡単に廃棄できる特長がある。ただ、本発明は不織布の繊維をレーヨン繊維に特定するものではなく、不織布の繊維には、アクリル繊維やポリ乳酸繊維などの他の合成繊維も使用できる。アクリル繊維は、吸水性があってふんわりと柔らかいので、この繊維の不織布は、化粧水などで顔面に便利に付着できて、素肌に付着する感触もよくできる。ポリ乳酸繊維は生分解性があるので、この不織布は廃棄を簡単にできる。
【0024】
合成繊維は、例えば、繊維径(正量繊度)を0.3デシテックス(dtex)以上であって5デシテックス以下、好ましくは0.5デシテックス以上であって3デシテックス以下として、立体的に方向性なく集合されて不織布に加工される。繊維径を0.3デシテックス以下とする不織布は、無機粉末を埋設して十分な強度を実現することが難しく、また、繊維径を5デシテックス以上とする繊維は、不織布としてふんわりと柔らかい感触が低下して、素肌に快適に付着することが難しくなる。不織布は、繊維径を最適には、約1.4デシテックスとして、十分な強度で無機粉末を繊維に埋設でき、また柔らかい感触にできるので、フェイスパック100として最適な不織布は、繊維径を1~3デシテックスとする。
【0025】
不織布は繊維に埋設する無機粉末を多くして放射する遠赤外線強度を強くできるので、好ましくは繊維に0.1重量%以上の無機粉末を埋設する。ただ、繊維は埋設する無機粉末を多すぎると強度が低下して、フェイスパックとして顔面に付着し、また剥離する状態で繊維が破断する弊害が発生するので、好ましくは無機粉末の埋設量を10重量%以下とする。さらに不織布の繊維は、無機粉末10の添加量を0.5重量%以上であって5重量%以下として、十分な強度を保持しながら顔面に有効に遠赤外線を放射できるので、無機粉末10の添加量は好ましくはこの範囲とする。
【0026】
不織布は、バインダーで繊維の交点を接合して製作できるが、好ましくは繊維の結合にバインダーを使用しないノーバインダー不織布が適している。ノーバインダー不織布は、風合いが柔らかくて変形しやすいので、顔面の凹凸に沿って変形して素肌に広い面積で密着して効果的に遠赤外線を照射しながらより快適に使用できる特長がある。ノーバインダー不織布は、無機粉末10を埋設している繊維を立体的に集合し、スパンレース、ニードルパンチなどの方法で繊維を絡ませて製造できる。
(無機粉末10)
【0027】
無機粉末10は、温度に励起されて遠赤外線を放射する全ての無機質の微粉末が使用できるが、好ましくは、以下に詳述する天然石を焼成して粉砕した天然石の焼結粉末が適している。ただ、本発明は無機粉末10を天然石の焼結粉末に限定するものでなく、例えばシリカ粉末やアルミナ粉末など、遠赤外線を放射する全ての無機粉末を使用できる。無機粉末10は、天然石を焼成した後、不織布の合成繊維径よりも小さい粒径に粉砕して繊維に埋設される。無機粉末10は、好ましくは、体積平均径を5μm以下、さらに好ましくは体積平均径を1μm以下、最適には体積平均径を約0.3μmとする粉末を使用する。不織布は、繊維径(正量繊度)を1.4デシテックスとする合成繊維に、体積平均径を0.3μmとする無機粉末を、2重量%埋設して、遠赤外線を効果的に照射しながら十分な強度と、柔軟性を実現できる。体積平均径は、体積基準の粒度分布における算術平均径であり、例えば、粒度分布計(日機装社製、製品名:MT3300)などを用いて粒子径分布を測定できる。
【0028】
無機粉末の天然石は、好ましくは愛媛県の重信町で採取される流紋岩を使用する。この焼成流紋岩は、蛍光X線分析・EZスキャンにおいて、以下の成分を含有する。
二酸化珪素(SiO)…………・70.9%
酸化アルミニウム(Al)…16.6%
酸化ナトリウム(NaO)………・3.7%
酸化カリウム(KO)……………・2.8%
三酸化第二鉄(Fe)…………2.2%
酸化カルシウム(CaO)…………3.0%
酸化マグネシウム(MgO)………0.2%
二酸化チタン(TiO)…………・0.2%
【0029】
流紋岩は、粗骨材である砂利の粒度に破砕して酸化雰囲気で焼成する。流紋岩を砂利の粒度に破砕して焼成する。砂利状の流紋岩は、内部まで加熱されて焼結できる。流紋岩は、融点の低い酸化カリウムを含有するので、焼成工程で低融点の酸化カリウム等が溶融され、さらに高温に加熱されて流紋岩に含まれる焼失成分が失われて微細な空隙が発生して多孔質に焼結される。流紋岩は、焼成される工程で、溶融した低融点の酸化カリウム等が融材となって硬く焼結されて多孔質に焼結される。焼成されて多孔質となった流紋岩は、内部の微細な空隙が互いに連続する状態となって吸水特性も向上する。ちなみに、焼成されない流紋岩の表面を水滴を付着すると水は内部に吸収されることなく水滴となって付着するが、焼成した流紋岩は、表面に水を付着すると速やかに内部に浸透して吸収される。焼成して多孔質で高硬度になる流紋岩は、未焼成の流紋岩に比較して粉砕しやすく、微細な焼結粉末に能率よく加工できる。
【0030】
流紋岩の焼成温度は、低すぎると、内部まで均一に焼結できず、硬度が低くなる。反対に焼成温度を高すぎると焼成コストが高くなり、また溶融して多孔質な空隙が減少する。流紋岩は700℃~900℃で溶融するので、流紋岩の焼成温度は、たとえば600℃以上であって900℃以下、好ましくは800℃~900℃とする。流紋岩の焼成は、破砕した流紋岩を下り勾配に配置している回転するトロンメルに供給し、トロンメルで撹拌しながら移送して能率よく均一に焼成する。
【0031】
以上のフェイスパック100は、天然石の焼結粉末等の無機粉末10を埋設する合成繊維を原料とする不織布を使用して能率よく多量生産できる。このフェイスパック100は、不織布の繊維に天然石の焼成粉末等の無機粉末10を繊維に埋設しているので、化粧水などのパック剤を使用してユーザーの顔面に付着して遠赤外線を素肌に放射できる。繊維に埋設している天然石の焼結粉末等の無機粉末10は、素肌からの放射エネルギーに励起されて遠赤外線を照射するので、素肌に接近して付着されることで、顔面からのエネルギーを吸収して素肌に遠赤外線を効果的に照射する。
【0032】
また、以上のフェイスパック100は、不織布の合成繊維に無機粉末10を埋設しているので、従来のフェイスパックのように、無機粉末10がパック剤と一緒に流れ落ちて衣類など汚すことがなく、さらに使用後には、無機粉末10が素肌に付着して残すことなく顔面から剥離できるので、従来のフェイスパックのように剥離後に素肌に付着している無機粉末を拭き取る必要がない。このため、以上のフェイスパック100は、便利に、綺麗に、簡単に使用して顔面に遠赤外線を照射できる特長がある。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は顔面に付着して遠赤外線を照射するフェイスパックとして有効に使用できる。
【符号の説明】
【0034】
100…フェイスパック
1…ベースシート
10…無機粉末
図1
図2