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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127202
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】グロメット
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/22 20060101AFI20230906BHJP
   H01B 17/58 20060101ALI20230906BHJP
   B60R 16/02 20060101ALN20230906BHJP
【FI】
H02G3/22
H01B17/58 C
B60R16/02 622
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030835
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅原 拓
【テーマコード(参考)】
5G333
5G363
【Fターム(参考)】
5G333AA09
5G333AB16
5G333CB20
5G333CC04
5G333EA02
5G333EB08
5G363AA16
5G363BA01
5G363CB08
(57)【要約】
【課題】追加の電線をグロメットに通す場合に適したグロメットを提供する。
【解決手段】グロメット10,10A,10Bは、電線31,32が貫通可能である。グロメット10は、筒状の内筒12,12A,12Bと、内筒12,12A,12Bの周囲に内筒12,12A,12Bを囲むように設けられた筒状の外筒11と、を備える。内筒12,12A,12Bと外筒11との間の空間は、電線31,32のうち第1電線31が貫通可能な第1通路16を構成し、内筒12,12A,12Bの内部空間は、電線31,32のうち第2電線32が貫通可能な第2通路17,17A,17Bを構成している。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線が貫通可能なグロメットであって、
筒状の内筒と、
前記内筒の周囲に前記内筒を囲むように設けられた筒状の外筒と、を備え、
前記内筒と前記外筒との間の空間は、前記電線のうち第1電線が貫通可能な第1通路を構成し、
前記内筒の内部空間は、前記電線のうち第2電線が貫通可能な第2通路を構成している、グロメット。
【請求項2】
前記内筒は、前記外筒の内周面に接して一体に接合されている、請求項1に記載のグロメット。
【請求項3】
前記内筒は、円筒状に形成されている、請求項1または請求項2に記載のグロメット。
【請求項4】
前記外筒は、円筒状に形成され、
前記内筒の外周面と前記外筒の内周面とは、各々の劣弧部分を一体に接合させている、請求項3に記載のグロメット。
【請求項5】
前記内筒の外周面および前記外筒の内周面は、それぞれ周方向に段差なく連続して形成されている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のグロメット。
【請求項6】
前記内筒は、前記第2通路の中空形状を維持し得る剛性を有している、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のグロメット。
【請求項7】
前記内筒の軸方向の両端部のうち少なくとも一方の端部は、前記外筒の開口端から前記軸方向に突出している、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のグロメット。
【請求項8】
前記第1通路は、複数本の前記第1電線を貫通可能な大きさに設定されている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のグロメット。
【請求項9】
前記第2通路は、複数本の前記第2電線を貫通可能な大きさに設定されている、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のグロメット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、グロメットに関する。
【背景技術】
【0002】
グロメットは、内部に電線を貫通させ、電線を保護するために用いられる。例えば、特許文献1は、1つの電線貫通部を備えたグロメットを開示している。特許文献2は、複数の電線挿通孔を設けたグロメットを開示している。特許文献3は、樹脂製のインナスリーブをグロメット本体に嵌合させたグロメットを開示している。特許文献4は、主電線挿通部と補助電線挿通部とを並設させたツイン型グロメットを開示している。特許文献5は、複数の分割グロメット部材を連結させたグロメットを開示している。特許文献6は、3つの小径筒部を備えたグロメットを開示している。特許文献7は、電線挿通孔を開閉可能に形成したグロメットを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-135559号公報
【特許文献2】特開平9-9461号公報
【特許文献3】特開2002-247737号公報
【特許文献4】特開平7-105775号公報
【特許文献5】特開2009-290956号公報
【特許文献6】特開2001-160329号公報
【特許文献7】特開平8-331732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電線をグロメットに貫通させた後、追加の電線をグロメットにさらに貫通させることがある。この場合に、追加の電線が先通しされた電線をかき分けつつグロメット内に通されるとなると、作業を円滑に進めることができないという問題が生じる。その上、追加の電線に端子が圧着されていたりすると、先通しされた電線が端子と干渉して損傷する懸念も生じる。
【0005】
これに対し、特許文献4,5,6に開示されたグロメットは、複数の筒部を備えている。例えば、特許文献4に開示されたグロメットは、2つの筒部を備えている。2つの筒部のうち、一方の筒部に電線を貫通させた後、他方の筒部に追加の電線を貫通させれば、先通しされた電線が追加の電線を通す際に邪魔になることはない。しかし、2つの筒部は並列に設けられているため、グロメットが必要以上に大型化するといった懸念がある。
【0006】
そこで、本開示は、追加の電線を通す場合に好適なグロメットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のグロメットは、電線が貫通可能なグロメットであって、筒状の内筒と、前記内筒の周囲に前記内筒を囲むように設けられた筒状の外筒と、を備え、前記内筒と前記外筒との間の空間は、前記電線のうち第1電線が貫通可能な第1通路を構成し、前記内筒の内部空間は、前記電線のうち第2電線が貫通可能な第2通路を構成している。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、追加の電線を通す場合に好適なグロメットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の実施形態1に係るグロメットの側面図である。
図2図2は、グロメットの側断面図である。
図3図3は、図2のA-A線断面図である。
図4図4は、第1通路に複数本の第1電線を貫通させたグロメットの側断面図である。
図5図5は、図4のB-B線断面図である。
図6図6は、第2通路に第2電線および第2端子を通す直前の状態を拡大して示す側断面図である。
図7図7は、第1通路に複数本の第1電線を貫通させ、第2通路に複数本の第2電線を貫通させたグロメットの横断面図である。
図8図8は、上下方向に伸長するように変形したグロメットの横断面図である。
図9図9は、本開示の実施形態2に係るグロメットの横断面図である。
図10図10は、本開示の実施形態3に係るグロメットの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のグロメットは、
(1)電線が貫通可能なグロメットであって、筒状の内筒と、前記内筒の周囲に前記内筒を囲むように設けられた筒状の外筒と、を備え、前記内筒と前記外筒との間の空間は、前記電線のうち第1電線が貫通可能な第1通路を構成し、前記内筒の内部空間は、前記電線のうち第2電線が貫通可能な第2通路を構成している。
【0011】
第1通路と第2通路とは内筒によって隔てられている。このため、第1電線を第1通路に通した後、第2電線を、第1電線との接触を回避した状態で、第2通路に通すことができる。よって、第2電線をグロメット内に通す作業を円滑に進めることができる。特に、上記構成によれば、内筒の周囲が外筒によって囲まれているため、グロメットが大型化しにくく、外観も既存のグロメットと同じようにすることができる。
【0012】
(2)前記内筒は、前記外筒の内周面に接して一体に接合されているのが好ましい。これによれば、内筒が外筒に対して位置ずれすることがなく、電線がグロメット内に貫通する状態を安定して維持することができる。
【0013】
(3)前記内筒は、円筒状に形成されていると良い。これによれば、グロメットに曲げ力等の外力が加わったときに、内筒が歪に変形するのを防止することができる。
【0014】
(4)前記外筒は、円筒状に形成され、前記内筒の外周面と前記外筒の内周面とは、各々の劣弧部分を一体に接合させていると良い。これによれば、グロメットに曲げ力等の外力が加わったときに、外筒が歪に変形するのを防止することができる。また、外筒の内周面と内筒の外周面とが各々の劣弧部分を一体に接合させているから、内筒と外筒との間に第1通路を広く確保することができる。
【0015】
(5)前記内筒の外周面および前記外筒の内周面は、それぞれ周方向に段差なく連続して形成されていると良い。これによれば、グロメット内に第1通路を無駄なく確保することができる。
【0016】
(6)前記内筒は、前記第2通路の中空形状を維持し得る剛性を有していると良い。これによれば、グロメットに曲げ力等の外力が加わったときにおいても、第2通路に、第2電線の貫通空間を確保することができる。
【0017】
(7)前記内筒の軸方向の両端部のうち少なくとも一方の端部は、前記外筒の開口端から前記軸方向に突出していると良い。これによれば、内筒の一方の端部を指標として、第2電線を内筒の一方の端部側から第2通路に容易に通すことができる。
【0018】
(8)前記第1通路は、複数本の前記第1電線を貫通可能な大きさに設定されていると良い。これによれば、第1通路に複数本の第1電線を通すことができるので、汎用性に優れる。
【0019】
(9)前記第2通路は、複数本の前記第2電線を貫通可能な大きさに設定されていると良い。これによれば、第2通路に複数本の第2電線を通すことができるので、汎用性に優れる。
【0020】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0021】
<実施形態1>
本開示の実施形態1に係るグロメット10は、ゴムまたはエラストマーで一体に成形されている。グロメット10は、図1および図2に示すように、軸方向(図1および図2の左右方向)に延びる筒状、詳細には円筒状の外筒11と、同じく軸方向に延びる筒状、詳細には円筒状の内筒12と、を備えている。
【0022】
外筒11の軸方向の両端部には、それぞれ、径方向外側に張り出す大径部13が形成されている。大径部13の外周には、係止溝14が凹設されている。大径部13の係止溝14には、車両のパネル60に形成された貫通孔61の開口縁が嵌め付けられる。
【0023】
外筒11は、大径部13を除いて、軸方向に一定の厚みを有している。図3に示すように、外筒11は、周方向に一定の厚みを有している。外筒11の外周面は、周方向に凹凸等の段差なく連続する円周面になっている。外筒11の内周面も、周方向に凹凸等の段差なく連続する円周面になっている。
【0024】
外筒11は、内筒12の周囲を囲むように、内筒12の外径より大きい内径をもって形成されている。つまり、内筒12は、外筒11の内部に配置されている。本実施形態1の場合、内筒12の外径は、外筒11の内径の半分以下に設定されている。内筒12の軸方向の長さは、外筒11の軸方向の長さよりも長く設定されている。図2に示すように、内筒12の軸方向の両端部は、それぞれ、外筒11の軸方向の両端部における開口端から軸方向両側に突出している。
【0025】
内筒12の内周面における軸方向の両端部には、それぞれ、外側に拡開する誘い込み部15が形成されている。内筒12は、誘い込み部15を除いて、軸方向に一定の厚みを有している。図3に示すように、内筒12は、周方向に一定の厚みを有している。内筒12の厚みは、誘い込み部15を除いて、外筒11の厚みよりも厚く設定されている。内筒12の外周面は、周方向に凹凸等の段差なく連続する円周面になっている。内筒12の内周面も、周方向に凹凸等の段差なく連続する円周面になっている。
【0026】
内筒12と外筒11とは、一体に形成された一体成形品である。図3に示すように、内筒12の外周面における劣弧の部分、図示する下端部は、外筒11の内周面における劣弧の部分、図示する下端部に、一体に接合されている。
【0027】
グロメット10は、内筒12と外筒11との間に形成される第1通路16と、内筒12の内部空間である第2通路17と、を有している。図2に示すように、第1通路16は、外筒11の軸方向の全長に亘って形成され、外筒11の軸方向両側に開放されている。第2通路17は、内筒12の軸方向の全長に亘って形成され、内筒12の軸方向両側に開放されている。図3に示すように、内筒12における外筒11に接合された下端部を除く優孤の部分は、第1通路16と第2通路17との間を仕切る隔壁部18になる。
【0028】
第1通路16は、内筒12の外周面と外筒11の内周面との間に、三日月状の開口形状で形成されている。第2通路17は、内筒12の内部空間に、円形の開口形状で形成されている。第1通路16の横断面積は、第2通路17の横断面積よりも大きく設定されている。
【0029】
図7に示すように、グロメット10には、複数本の電線31,32が貫通して配索される。第1通路16には、各電線31,32のうち複数本の第1電線31が通される。第1電線31の先端部は、図示しない第1端子に圧着して接続されている。第1通路16は、第1電線31の束を、第1端子を含めて、貫通可能な大きさに設定されている。第2通路17には、各電線31,32のうち複数本の第2電線32が通される。図6に示すように、第2電線32の先端部は、第2端子40に圧着して接続されている。第2通路17は、第2電線32の束を、第2端子40を含めて、貫通可能な大きさに設定されている。第1端子および第2端子40は、それぞれに対応する図示しないコネクタに収容されるようになっている。
【0030】
グロメット10の構造は上述した通りであり、続いて、グロメット10の作用を説明する。
まず、図4に示すように、第1電線31が、外筒11の軸方向の一端部から他端部に向けて第1通路16に通され、他端部の開口端から軸方向に引き出される。第1電線31は、例えば、標準仕様の電装品に接続される電線であって、第2電線32よりも先にグロメット10内に通される。第1電線31は、先端部に接続された第1端子に先導されつつ第1通路16に通されても良い。
【0031】
続いて、第2電線32が、内筒12の軸方向の一端部における誘い込み部15から他端部に向けて第2通路17に通され、他端部の開口端から軸方向に引き出される。第2電線32は、例えば、オプション部品に接続される追加の電線であって、第1電線31に続いてグロメット10内に通される。第2電線32は、誘い込み部15に誘い込まれつつ第2通路17に進入することができる。図6に示すように、第2電線32は、先端部に接続された第2端子40に先導されつつ第2通路17に通されても良い。
【0032】
図1に示すように、内筒12の軸方向の両端部が外筒11の開口端から軸方向両側に突出しているので、作業者は内筒12の軸方向の両端部を容易に認識することができ、内筒12の軸方向の一端部から第2通路17へと第2電線32を迷わず入れることができる。
【0033】
第2電線32を通す第2通路17と、第1電線31を通す第1通路16との間は、内筒12の隔壁部18によって仕切られている。このため、第2電線32が先通しされた第1電線31と接触するのを回避でき、第2電線32の貫通作業を円滑に進めることができる。また、第1電線31と第2端子40との干渉も回避し易くなり、第1電線31が第2端子40によって損傷するのを防止することができる。さらに、内筒12が外筒11の内部に収まる範囲に形成されているため、グロメット10が必要以上に大型化することもない。しかも、既存のグロメットと同じような外観を維持することができる。
【0034】
例えば、パネル60がヒンジを介して開閉可能なドアパネルの場合、パネル60の開閉に伴って、グロメット10が変形し、内筒12および外筒11が屈曲することになる。本実施形態1においては、内筒12および外筒11がいずれも円筒状に形成されている。このため、内筒12および外筒11は、曲げ力等の外力に応じて柔軟に変形することができる。例えば、内筒12および外筒11は、左右いずれかの方向に曲げられて圧縮されることで、図8に示すように、上下方向に伸長するように変形することができる。
【0035】
また、本実施形態1においては、内筒12が外筒11よりも厚く形成され、内筒12が第2通路17の中空形状を維持する剛性を有している。このため、内筒12が変形したときにおいても、第2通路17に、第2電線32の貫通空間を確保することができる。
【0036】
さらに、外筒11の内周面、内筒12の外周面および内筒12の内周面がいずれも周方向に段差なく連続しているため、グロメット10内に第1通路16および第2通路17を無駄なくスペース効率良く確保することができる。
【0037】
<実施形態2>
本開示の実施形態2を図9に示す。本実施形態2に係るグロメット10Aの場合、内筒12Aは、外筒11とは異なる材料で形成され、二色成形によって外筒11と一体に接合されている。
【0038】
具体的には、内筒12Aは、外筒11よりも硬質材料、例えば、弾性変形可能な硬質合成ゴム等で形成されている。例えば、グロメット10Aは、内筒12Aを硬質材料で一次成形した後、内筒12Aに対して軟質材料で外筒11を二次成形することにより、形成される。内筒12Aが硬質材料であるため、内筒12Aの厚みを外筒11の厚み以下に設定しても、内筒12Aが第2通路17Aの中空形状を維持可能な剛性を有することができる。その他、内筒12Aの外周面の下端部と外筒11の内周面の下端部とを接合させる等の点は、実施形態1と同様である。
【0039】
本実施形態2によれば、内筒12Aを外筒11よりも高剛性にすることができ、設計の自由度を高めることができる。
【0040】
<実施形態3>
本開示の実施形態3を図10に示す。本実施形態3に係るグロメット10Bの場合、内筒12Bが左右方向に長い楕円の横断形状に形成されている。
【0041】
内筒12Bの内部空間である第2通路17Bは、実施形態1の第2通路17よりも左右方向に拡開されている。内筒12Bの下端部は、外筒11の下端部と一体に接合され、外筒11の下端部の厚み部分に吸収されている。その他の点は、実施形態1と同様である。
【0042】
本実施形態3によれば、第2通路17Bに第2電線32の貫通空間を広く確保することができる。
【0043】
[本開示の他の実施形態]
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
実施形態1~3の場合、内筒および外筒はいずれも軸方向にストレートに延びる形状であった。しかし、他の実施形態によれば、内筒および外筒のうち少なくとも一方は、伸縮可能な蛇腹部を有して、軸方向に凹凸状に形成される部分を含んでいても良い。
実施形態1~3の場合、第1通路に第1電線が先通しされ、第2通路に第2電線が追加で通される態様であった。しかし、他の実施形態によれば、第2通路に第2電線が先通しされ、第1通路に第1電線が追加で通される態様であっても良い。また、例えば、オプション部品を用いない標準仕様のみの場合には、第2通路に第2電線を通さない状態で、グロメットを使用する態様もあり得る。
実施形態1~3の場合、内筒および外筒はいずれも円筒状に形成されていた。しかし、他の実施形態によれば、内筒および外筒のうち少なくとも一方は、四角形等の多角形の横断面を有する角筒状に形成されていても良い。
実施形態1~3の場合、内筒の外周面と外筒の内周面とが一体に接合されていた。しかし、他の実施形態によれば、内筒が外筒の内周面から離れるように外筒に中空支持されていても良い。
実施形態1の場合、大径部は、外筒の軸方向の両端部に形成されていた。しかし、他の実施形態によれば、大径部は、外筒の軸方向の中間部に1つ形成されているだけでも良い。あるいは、外筒には大径部が形成されていなくても良い。
実施形態1の場合、内筒の軸方向の両端部は、いずれも外筒の開口端から軸方向に突出していた。しかし、他の実施形態によれば、内筒の軸方向の両端部のうち一方の端部のみが外筒の開口端から軸方向に突出しているだけでも良い。あるいは、内筒の軸方向の両端部は外筒の開口端から突出していなくても良い。
実施形態1の場合、第1通路に複数本の第1電線が貫通し、第2通路に複数本の第2電線が貫通する態様であった。しかし、他の実施形態によれば、第1通路に1本の第1電線が貫通する態様であっても良く、また、第2通路に1本の第2電線が貫通する態様であっても良い。
実施形態2の場合、内筒および外筒は、二色成形によって一体に接合されていた。しかし、他の実施形態によれば、内筒および外筒は、予め別々に形成され、接着剤等の接合手段を介して、一体に接合されていても良い。
【符号の説明】
【0044】
10,10A,10B…グロメット
11…外筒
12,12A,12B…内筒
13…大径部
14…係止溝
15…誘い込み部
16…第1通路
17,17A,17B…第2通路
18…隔壁部
31…第1電線(電線)
32…第2電線(電線)
40…第2端子
60…パネル
61…貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10