(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127219
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】監視装置、プログラム及び監視方法
(51)【国際特許分類】
G06F 11/30 20060101AFI20230906BHJP
【FI】
G06F11/30 175
G06F11/30 140A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030866
(22)【出願日】2022-03-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 〔1〕 開催日(公開日) 令和3年10月15日~令和4年2月17日 集会名 自社製品リリース説明会 開催場所 東京都中央区八丁堀三丁目6番1号及び特定公開先所在地 <資 料> 契約ユーザへの機能説明の資料 〔2〕 発行日(公開日) 令和3年10月28日 刊行物 『ES/1 NEO MFシリーズ V05L21R1 Release News Letter』(契約ユーザー専用URL:https://www.iim.co.jp/support/performance/release/ ) <資 料> リリース案内資料 〔3〕 リリース開始日(公開日) 令和3年10月28日 製品名 『ES/1 NEO MFシリーズ V05L21R1』 新バージョン
(71)【出願人】
【識別番号】319011546
【氏名又は名称】株式会社アイ・アイ・エム
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 良
(72)【発明者】
【氏名】池田 孝一
(72)【発明者】
【氏名】金子 吉隆
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀康
(72)【発明者】
【氏名】名倉 利幸
(72)【発明者】
【氏名】中 薫
(72)【発明者】
【氏名】関 惠世
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042JJ40
5B042MA08
5B042MA16
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】監視対象となるコンピュータシステムの既存の運用を変更することなく、ユーザが目的とする実績や統計データのレポートをスピーディに得る。
【解決手段】監視装置は、排他的に更新される複数のデータセットであって、更新可能な状態であるアクティブ状態、又は前記アクティブ状態でない非アクティブ状態のいずれかの状態を有する前記データセットのうち、前記アクティブ状態又は前記非アクティブ状態のいずれであるかを示すアクティブ情報を取得するアクティブ情報取得部と、現在の時刻を取得する時刻取得部と、現在の時刻に応じた時間的範囲における、前記アクティブ状態である前記データセットのログに関する情報であるログ情報を取得するログ情報取得部とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排他的に更新される複数のデータセットであって、更新可能な状態であるアクティブ状態、又は前記アクティブ状態でない非アクティブ状態のいずれかの状態を有する前記データセットのうち、前記アクティブ状態又は前記非アクティブ状態のいずれであるかを示すアクティブ情報を取得するアクティブ情報取得部と、
現在の時刻を取得する時刻取得部と、
現在の時刻に応じた時間的範囲における、前記アクティブ状態である前記データセットのログに関する情報であるログ情報を取得するログ情報取得部と
を備える監視装置。
【請求項2】
前記ログ情報取得部に前記ログ情報の取得をさせる情報である実行開始情報を取得する実行開始情報取得部を更に備え、
前記ログ情報取得部は、前記実行開始情報に基づいて前記データセットのログに関する情報を取得する
請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記実行開始情報は、前記ログ情報取得部に前記ログ情報の取得をさせる時間間隔を示す情報を含む
請求項2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記実行開始情報に含まれる前記時間間隔は、15分以上である
請求項3に記載の監視装置。
【請求項5】
取得された前記ログ情報に基づいて、前記データセットを有するシステムの性能を示すレポートを作成するレポート作成部を更に備える
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の監視装置。
【請求項6】
取得された前記ログ情報に基づいて、前記データセットを有するシステムの負荷の時間的変化を示すグラフを作成するグラフ作成部を更に備える
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の監視装置。
【請求項7】
前記ログ情報取得部は、複数の前記時間的範囲における前記ログ情報を取得し、
前記グラフ作成部は、現在の時刻までに取得された複数の前記ログ情報に基づいて前記グラフを作成する
請求項6に記載の監視装置。
【請求項8】
コンピュータに、
排他的に更新される複数のデータセットであって、更新可能な状態であるアクティブ状態、又は前記アクティブ状態でない非アクティブ状態のいずれかの状態を有する前記データセットのうち、前記アクティブ状態又は前記非アクティブ状態のいずれであるかを示すアクティブ情報を取得するアクティブ情報取得ステップと、
現在の時刻を取得する時刻取得ステップと、
現在の時刻に応じた時間的範囲における、前記アクティブ状態である前記データセットのログに関する情報であるログ情報を取得するログ情報取得ステップと
を実行させるプログラム。
【請求項9】
排他的に更新される複数のデータセットであって、更新可能な状態であるアクティブ状態、又は前記アクティブ状態でない非アクティブ状態のいずれかの状態を有する前記データセットのうち、前記アクティブ状態又は前記非アクティブ状態のいずれであるかを示すアクティブ情報を取得するアクティブ情報取得工程と、
現在の時刻を取得する時刻取得工程と、
現在の時刻に応じた時間的範囲における、前記アクティブ状態である前記データセットのログに関する情報であるログ情報を取得するログ情報取得工程と
を有する監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置、プログラム及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータシステムを監視する技術分野において、監視対象となるコンピュータシステムが出力するログ情報を蓄積し、蓄積されたログ情報がダンプ出力された結果をまとめて解析することにより、コンピュータシステムを監視する技術が知られていた。(例えば、特許文献1を参照)。このような技術によれば、半日又は1日に1回程度ダンプ出力されることが通常である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような従来技術によれば、ダンプ出力される時間間隔は半日又は1日程度であるため、解析処理されるデータは半日又は1日程度前のデータであり、ユーザが目的とする実績や統計データのレポートをスピーディに得ることができない。したがって、監視対象となるコンピュータシステムに異常が発生した場合には、問題点の判別に時間がかかるといった問題が生じていた。
上述した問題は、ダンプ出力する時間間隔を短縮することにより解決することができるかもしれないが、実際問題として既存システムの変更は容易でない場合がある。特に、監視対象となるコンピュータシステムが大規模である場合には困難である。
【0005】
そこで本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、監視対象となるコンピュータシステムの既存の運用を変更することなく、ユーザが目的とする実績や統計データのレポートをスピーディに得ることができる監視技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る監視装置は、排他的に更新される複数のデータセットであって、更新可能な状態であるアクティブ状態、又は前記アクティブ状態でない非アクティブ状態のいずれかの状態を有する前記データセットのうち、前記アクティブ状態又は前記非アクティブ状態のいずれであるかを示すアクティブ情報を取得するアクティブ情報取得部と、現在の時刻を取得する時刻取得部と、現在の時刻に応じた時間的範囲における、前記アクティブ状態である前記データセットのログに関する情報であるログ情報を取得するログ情報取得部とを備える。
【0007】
また、本発明の一態様に係る監視装置は、前記ログ情報取得部に前記ログ情報の取得をさせる情報である実行開始情報を取得する実行開始情報取得部を更に備え、前記ログ情報取得部は、前記実行開始情報に基づいて前記データセットのログに関する情報を取得する。
【0008】
また、本発明の一態様に係る監視装置において、前記実行開始情報は、前記ログ情報取得部に前記ログ情報の取得をさせる時間間隔を示す情報を含む。
【0009】
また、本発明の一態様に係る監視装置において、前記実行開始情報に含まれる前記時間間隔は、15分以上である。
【0010】
また、本発明の一態様に係る監視装置は、取得された前記ログ情報に基づいて、前記データセットを有するシステムの性能を示すレポートを作成するレポート作成部を更に備える。
【0011】
また、本発明の一態様に係る監視装置は、取得された前記ログ情報に基づいて、前記データセットを有するシステムの負荷の時間的変化を示すグラフを作成するグラフ作成部を更に備える。
【0012】
また、本発明の一態様に係る監視装置において、前記ログ情報取得部は、複数の前記時間的範囲における前記ログ情報を取得し、前記グラフ作成部は、現在の時刻までに取得された複数の前記ログ情報に基づいて前記グラフを作成する。
【0013】
また、本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、排他的に更新される複数のデータセットであって、更新可能な状態であるアクティブ状態、又は前記アクティブ状態でない非アクティブ状態のいずれかの状態を有する前記データセットのうち、前記アクティブ状態又は前記非アクティブ状態のいずれであるかを示すアクティブ情報を取得するアクティブ情報取得ステップと、現在の時刻を取得する時刻取得ステップと、現在の時刻に応じた時間的範囲における、前記アクティブ状態である前記データセットのログに関する情報であるログ情報を取得するログ情報取得ステップとを実行させる。
【0014】
また、本発明の一態様に係る監視方法は、排他的に更新される複数のデータセットであって、更新可能な状態であるアクティブ状態、又は前記アクティブ状態でない非アクティブ状態のいずれかの状態を有する前記データセットのうち、前記アクティブ状態又は前記非アクティブ状態のいずれであるかを示すアクティブ情報を取得するアクティブ情報取得工程と、現在の時刻を取得する時刻取得工程と、現在の時刻に応じた時間的範囲における、前記アクティブ状態である前記データセットのログに関する情報であるログ情報を取得するログ情報取得工程とを有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、監視対象となるコンピュータシステムの既存の運用を変更することなく、ユーザが目的とする実績や統計データのレポートをスピーディに得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る監視システムの概要を説明するための図である。
【
図2】実施形態に係る監視装置が有する2つのログ取得方法について説明するための図である。
【
図3】実施形態に係る監視装置が有する2つのログ取得方法について詳細に説明するための図である。
【
図4】実施形態に係る監視装置がアクティブ状態のデータセットからログ情報を取得する場合の詳細について説明するための図である。
【
図5】実施形態に係る監視装置の機能構成の一例について説明するための図である。
【
図6】実施形態に係る実施形態に係る監視装置がアクティブ状態のデータセットからログ情報を取得する場合についてより詳細に説明するための図である。
【
図7】実施形態に係る実施形態に係る監視装置がアクティブ状態のデータセットからログ情報を取得する場合における時間的範囲について説明するための図である。
【
図8】実施形態に係るグラフ作成部により作成され、更新されるグラフの一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係るグラフ作成部が作成するグラフの具体的な一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下において説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限定されない。
【0018】
図1は、実施形態に係る監視システムの概要を説明するための図である。同図を参照しながら、監視システム1の概要について説明する。
監視システム1は、監視装置10と、監視対象システム20と、表示装置30とを備える。監視システム1は、監視装置10と、監視対象システム20と、表示装置30とを備えることにより、監視対象となる監視対象システム20を監視し、監視対象システム20のパフォーマンスを監視する。本実施形態におけるシステムの監視とは、当該システムにおけるCPU使用率、バッファヒット率、平均応答時間等についての情報を取得し、取得した情報の時間ごとの変化を記憶する。本実施形態においては、システムを監視することにより、システムのパフォーマンスの時間ごとの変化を監視する。
【0019】
監視対象システム20は、監視システム1により監視される対象となるコンピュータシステムである。監視対象システム20は、例えばメインフレームを含んで稼働されるシステムであってもよい。監視対象システム20は、例えば企業、官庁、自治体などの基幹業務システム、銀行等の金融機関における基幹系システム等であってもよい。
【0020】
監視装置10は、監視対象システム20を監視する。監視装置10は、監視対象システム20からログ情報LIを取得し、取得したログ情報LIに基づいて、監視対象システム20のパフォーマンスを解析する。監視対象システム20のパフォーマンスとは、例えば、監視対象システム20の性能や処理状況、負荷の変動、実績等の統計情報であってもよい。
監視装置10は、解析した結果をレポートやグラフといった視覚的に認識できる情報に変換し、可視化情報VIとして表示装置30に出力する。
【0021】
表示装置30は、監視装置10から可視化情報VIを取得する。表示装置30は、取得した可視化情報VIに基づいて、監視対象システム20のパフォーマンスを視覚的に表示する。表示装置30は、例えば液晶ディスプレイ等であってもよいし、スマートフォンやタブレット等の情報処理端末装置等であってもよい。表示装置30は、監視装置10から所定の無線通信により可視化情報VIを取得してもよい。
【0022】
図2は、実施形態に係る監視装置が有する2つのログ取得方法について説明するための図である。同図を参照しながら、監視システム1が有する2つのログ取得方法について説明する。監視システム1が有する2つのログ取得方法のうち、1つ目のログ取得方法とは、半日又は1日に1回程度行われるダンプ処理である。また、2つ目のログ取得方法とは、数分から数時間単位で行われるログ情報取得処理である。
同図に示す工程P1は1つ目のログ取得方法によりログ情報LIを取得する工程であり、工程P2は2つ目のログ取得方法によりログ情報LIを取得する工程である。工程P1及び工程P2は、いずれも不図示の監視装置10により行われる。
なお、以降の説明において、従来から存在するシステムを“ES/1”と記載し、新たに適用するシステム(拡張システム)をCPEDBAMSと記載する場合がある。
【0023】
監視対象システム20は、SMFデータセットDSにログ情報LIを格納する。監視対象システム20は、SMFデータセットDSとして、データセットDS1と、データセットDS2とを備える。データセットDS1と、データセットDS2とは、排他的に用いられる。データセットDS1とデータセットDS2とを区別しない場合は、単にデータセットDSと記載する場合がある。換言すれば、監視対象システム20は、排他的に更新される複数のデータセットDSを備える。
ここで、データセットDS1とデータセットDS2とは世代管理のために用いられる。したがって、データセットDS1とデータセットDS2とは同一の内容であってもよい。
【0024】
ここで、監視対象システム20が備える複数のデータセットDSのうち、いずれか1つのデータセットDSは更新可能な状態であり、他のデータセットDSは更新不可能な状態である。以下の説明において、更新可能な状態を「アクティブ状態」と記載する場合がある。また、更新不可能な状態、すなわちアクティブ状態でない状態を「非アクティブ状態」と記載する場合がある。換言すれば、データセットDSは、アクティブ状態又は非アクティブ状態のいずれかの状態を有する。
【0025】
まず、工程P1において行われる1つ目のログ取得方法について説明する。
データセットDSがアクティブ状態から非アクティブ状態になると、監視装置10は、工程P1において非アクティブ状態のデータセットDSからログ情報を取得し、取得したログ情報をレポート又はグラフにより提示する。
【0026】
具体的には、監視装置10は、まず工程P11において非アクティブ状態のデータセットDSからログ情報を取得する。
監視装置10は、工程P12において、取得したログ情報に基づき、レポートを作成し、又は/及びグラフを作成する。すなわち、工程P1によれば、半日又は1日ごとにアクティブ状態となるデータセットDSの切り替えを行い、切り替え後の非アクティブ状態のデータセットDSからログ情報を取得する。アクティブ状態のデータセットDSが切り替わるのは、半日又は1日ごとであるため、工程P1によれば、半日又は1日ごとにレポート又はグラフが作成される。なお、アクティブ状態となるデータセットDSの切り替えと、ダンプ処理とは、それぞれ独立して行われてもよい。
【0027】
次に、工程P2において行われる2つ目のログ取得方法について説明する。工程P2では、アクティブ状態のデータセットDSからログ情報を取得する点において、工程P1とは異なる。工程P2においては、まず工程P21においてアクティブ状態のデータセットDSを識別する。次に工程P22においてアクティブ状態のデータセットDSからログ情報を取得する。
【0028】
工程P2においては、所定の間隔ごとにログ情報を取得する。詳細には、不図示の監視装置10がスケジューラにより呼び出され、所定の間隔ごとにログ情報取得処理を実行する。
所定の間隔とは、好適には5分、10分、15分、30分、1時間であってもよい。所定の間隔とは、ログ情報の取得に要する時間より長いことが望ましい。したがって、所定の間隔とは、より好適には15分以上であってもよい。
【0029】
不図示の監視装置10は、所定の間隔ごとに新たなログ情報が取得されたタイミングで、工程P23を行う。監視装置10は、工程P23において、取得したログ情報に基づき、レポートを作成し、又は/及びグラフを作成する。すなわち、工程P2によれば、アクティブ状態のデータセットDSからログ情報を取得するため、データセットDSが切り替わる前であっても、ログ情報を取得することができる。
【0030】
図3は、実施形態に係る監視装置が有する2つのログ取得方法について詳細に説明するための図である。同図を参照しながら、監視装置10が有する2つのログ取得方法の詳細について説明する。
同図に示す一例においては、縦軸を時間として、工程P1及び工程P2それぞれについて、ログ情報LIを取得するタイミングについて説明する。
【0031】
図3に示す一例では、監視対象システム20は、SMFデータセットDSとしてデータセットDS1とデータセットDS2とを有し、半日毎にアクティブ状態のデータセットDSが切り替わる。前日の12時(図示せず)から0時までの時間帯においてはデータセットDS1がアクティブ状態であり、0時から12時までの時間帯においてはデータセットDS1がアクティブ状態である。
なお、同図に示す工程P1及び工程P2は、いずれも不図示の監視装置10により行われる。
【0032】
まず、工程P1について説明する。データセットDS1が0時にアクティブ状態から非アクティブ状態に切り替わると、不図示の監視装置10は工程P1においてデータセットDS1に記録されたログ情報LIを取得する。また、データセットDS2が12時にアクティブ状態から非アクティブ状態に切り替わると、監視装置10は工程P1においてデータセットDS2に記録されたログ情報LIを取得する。
工程P1におけるログ情報LIの取得をSMFダンプ処理とも記載する。
【0033】
工程P1において、監視装置10はログ情報LIを取得すると、取得したログ情報LIに基づいてレポート及びグラフを作成する。ここで、監視装置10はログ情報LIの取得のために所定の時間を要する。ログ情報LIの取得に要する時間は、監視対象システム20の種類や規模に応じて異なり、数分の場合もあれば、数時間の場合もある。したがって、レポート及びグラフの作成開始時刻が、ログ情報LIの取得開始時刻に近い場合には、ログ情報LIの取得処理が終了していない場合がある。
監視装置10は、例えば毎日6時に、取得されたログ情報LIに基づいてレポート及びグラフを作成するよう構成されていてもよい。レポート及びグラフの作成開始時刻を、ログ情報LIの取得開始時刻より6時間後に設定することで、ログ情報LIの取得処理が終了してからレポート及びグラフの作成を開始する。
【0034】
次に、工程P2について説明する。
図3に示す一例では、1時間間隔でログ情報LIの取得処理が実行される。監視装置10は工程P2においてアクティブ状態のデータセットDSからログ情報LIを取得する。したがって、監視装置10はまず、いずれのデータセットDSがアクティブ状態かを識別することを要する。監視装置10はアクティブ状態と識別されたデータセットDSからログ情報LIを取得する。
【0035】
工程P2において、監視装置10はログ情報LIを取得すると、取得したログ情報LIに基づいてレポート及びグラフを作成する。ここで、レポート及びグラフのフォーマットは、工程P1におけるフォーマットと同様のフォーマットであってもよい。この場合、工程P2においては、十分なデータが揃っていない場合がある。すなわち、工程P1におけるフォーマットと同様のフォーマットでグラフを作成する場合には、12時間分のデータを要するが、工程P2では1時間ごとのデータを取得するため、グラフの作成に要するデータが不足する。したがって。工程P2におけるレポート及びグラフでは、不足分については空欄としてレポート及びグラフを作成する。
【0036】
工程P2において、監視装置10は1時間ごとに取得したログ情報LIを上書きしていき、ログ情報LIが取得されるごとに、監視装置10は上書きされたログ情報LIに基づいてレポート及びグラフを作成する。
【0037】
図4は、実施形態に係る監視装置がアクティブ状態のデータセットからログ情報を取得する場合の詳細について説明するための図である。同図を参照しながら監視装置10が工程P2においてアクティブ状態のデータセットDSからログ情報LIを取得する場合の一例について説明する。
同図に示す一例においては、監視装置10は1時間ごとにログ情報LIを取得する場合の一例について説明する。また、説明の便宜上、監視装置10は10時から処理を開始したものとして、10時から12時までの処理について説明する。
同図の横軸は時間の進行を示し、縦軸は当該時間において処理が開始された処理の進行を示す。
【0038】
10時の時点で、監視装置10はアクティブ状態のデータセットDSからログ情報LIを取得する。詳細には、監視装置10はアクティブ状態のデータセットDSから直近1時間前のSMFデータを取得し、取得したデータをフラットファイル(Flatfile)用一時データセットとレポート(Report)用データセットのそれぞれに蓄積する。10時の時点における直近1時間前のデータとは、9時から10時におけるデータである。したがって、フラットファイル用一時データセット及びレポート用データセットには、それぞれ9時から10時における1時間分のログ情報LIが記憶される。
【0039】
監視装置10は、フラットファイル用一時データセット及びレポート用データセットに記憶されたログ情報LIに基づき、フラットファイル及びレポートを作成する。監視装置10は作成したフラットファイル及び/又はレポートをグラフ等の視認可能な情報に可視化し、不図示の表示部に表示させる。不図示の表示部とは、例えば所定の通信ネットワークにより接続された情報処理端末が備えるディスプレイ等であってもよい。
【0040】
11時の時点において、監視装置10は、再びアクティブ状態のデータセットDSから直近1時間のログ情報LIを取得する。11時の時点における直近1時間前のデータとは、10時から11時におけるデータである。
ここで、監視装置10はフラットファイル用一時データセットに対しては既に記憶されている情報の上に上書きして記憶させ、レポート用データセットに対しては既に記憶されている情報に付け加えて記憶させる。換言すれば、フラットファイル用一時データセットには10時から11時における1時間分のデータが記憶され、レポート用データセットには9時から11時における2時間分のデータが記憶される。
【0041】
監視装置10は、フラットファイル用一時データセット及びレポート用データセットに記憶されたログ情報LIに基づき、フラットファイル及びレポートを作成し、表示させる。11時の時点で監視装置10が作成し表示させるレポートは、10時の時点で作成された9時から10時までの情報に基づいたレポートに加えて、10時から11時の時点の情報が加えられたものである。
【0042】
12時の時点において、監視装置10は、再びアクティブ状態のデータセットDSから直近1時間のログ情報LIを取得する。12時の時点における直近1時間前のデータとは、11時から12時におけるデータである。
ここで、監視装置10はフラットファイル用一時データセットに対しては既に記憶されている情報の上に上書きして記憶させ、レポート用データセットに対しては既に記憶されている情報に付け加えて記憶させる。換言すれば、フラットファイル用一時データセットには11時から12時における1時間分のデータが記憶され、レポート用データセットには9時から12時における3時間分のデータが記憶される。
【0043】
監視装置10は、フラットファイル用一時データセット及びレポート用データセットに記憶されたログ情報LIに基づき、フラットファイル及びレポートを作成し、表示させる。12時の時点で監視装置10が作成し表示させるレポートは、11時の時点で作成された9時から11時までの情報に基づいたレポートに加えて、11時から12時の時点の情報が加えられたものである。
【0044】
図5は、実施形態に係る監視装置の機能構成の一例について説明するための図である。同図を参照しながら、監視装置10の機能構成の一例について説明する。監視装置10は、アクティブ情報取得部110と、時刻取得部120と、ログ情報取得部130と、実行開始情報取得部140と、レポート作成部150と、グラフ作成部160とを備える。監視装置10は、監視対象システム20からアクティブ情報AIとログ情報LIとを取得し、表示装置30に対して可視化情報VIを出力する。
アクティブ情報AIとは、アクティブ状態のデータセットDSを識別するための情報である。また、可視化情報VIとは、ログ情報LIに基づいて監視装置10により解析された情報であって、レポートやグラフ等の形式により可視化された情報である。
【0045】
アクティブ情報取得部110は、監視対象システム20からアクティブ情報AIを取得する。アクティブ情報AIとは、データセットDSの状態がアクティブ状態又は非アクティブ状態のいずれであるかを示す情報である。すなわち、監視装置10は、データセットDSのうち、アクティブ状態又は非アクティブ状態のいずれであるかを示すアクティブ情報を取得する。
【0046】
時刻取得部120は、現在の時刻を示す現在時刻RTを取得する。例えば、時刻取得部120は不図示のリアルタイムクロック(real-time clock;RTC)から現在時刻RTを取得してもよい。
【0047】
ログ情報取得部130は、監視対象システム20からログ情報LIを取得する。ログ情報LIとは、アクティブ状態であるデータセットDSのログに関する情報である。また、ログ情報取得部130により取得されるログ情報LIは、現在の時刻に応じた時間的範囲における情報である。すなわち、ログ情報取得部130は、現在の時刻に応じた時間的範囲における、アクティブ状態であるデータセットDSのログに関する情報であるログ情報LIを取得する。
【0048】
実行開始情報取得部140は、実行開始情報SIを取得する。実行開始情報SIとは、ログ情報取得部130にログ情報LIの取得をさせるための情報である。ログ情報取得部130は、実行開始情報SIに基づいてデータセットDSのログ情報LIを取得する。
実行開始情報SIとは、例えば、スケジューラから出力される割り込み情報であってもよい。
【0049】
また、実行開始情報SIは、ログ情報取得部130にログ情報LIの取得をさせる時間間隔を示す情報を含んでいてもよい。当該時間間隔は、例えば、5分、10分、15分、30分、1時間等であってもよい。詳細には、当該時間間隔は15分、30分、1時間であることが好適である。すなわち、実行開始情報SIに含まれる時間間隔は、15分以上であってもよい。
【0050】
レポート作成部150は、ログ情報取得部130により取得されたログ情報LIに基づいてレポートを作成する。当該レポートには、データセットDSを有するシステムである監視対象システム20の性能が示される。システムである監視対象システム20の性能(システムの性能)とは、例えば、プログラム多重度、CPU使用率、バッファヒット率、平均応答時間等であってもよい。
レポート作成部150は、レポート情報RIを表示装置30に送信する。レポート情報RIは、作成したレポートに関する情報及びFlatfileを含む。また、監視装置10がグラフ作成部160を備える場合、レポート作成部150はレポート情報RIをグラフ作成部160に送信してもよい。
レポート情報RIは、可視化情報VIの一例である。
【0051】
グラフ作成部160は、ログ情報取得部130により取得されたログ情報LIに基づいてグラフを作成する。当該グラフには、データセットDSを有するシステムの負荷の時間的変化が示される。
グラフ作成部160は、グラフ情報GIを表示装置30に送信する。グラフ情報GIは、作成したグラフに関する情報を含む。
グラフ情報GIは、可視化情報VIの一例である。
【0052】
図6は、実施形態に係る実施形態に係る監視装置がアクティブ状態のデータセットからログ情報を取得する場合についてより詳細に説明するための図である。同図を参照しながら、監視装置10がアクティブ状態のデータセットDSからログ情報LIを取得する場合についてより詳細に説明する。
同図に示す一例において、監視対象システム20は、SMFデータセットDSとしてデータセットDS1とデータセットDS2とを備える。また、データセットDS1からデータセットDS2へ切り替わっており、データセットDS1が非アクティブ状態、データセットDS1がアクティブ状態である場合の一例について説明する。
【0053】
工程P21において、アクティブ情報取得部110は、アクティブ情報AIを取得する。詳細には、アクティブ情報取得部110は、「STATUS」が「ACTIVE」であるデータセットDSの名称に関する情報を取得する。同図に示す一例においては、データセットDS1の名称は「SYS1.XXXX.MAN1」であり、データセットDS2の名称は「SYS1.XXXX.MAN2」であるため、アクティブ情報取得部110は、「STATUS」が「ACTIVE」であるデータセットDSの名称として、「SYS1.XXXX.MAN2」を取得する。
【0054】
工程P21において、ログ情報取得部130は、スケジューラから割り込みが入ると、ログ情報LIを取得する処理を実行する。具体的には、監視装置10が1時間ごとのログを取得する場合において、ログ情報取得部130はログ情報LI取得処理の実行時から1時間前のログ情報LIを取得する処理を実行する。
【0055】
ここで、スケジューラから割り込みが入った時刻と、ログ情報取得部130がログ情報LI取得処理の実行を開始する時刻までの間には、遅延が生じる場合がある。したがって、ログ情報取得部130がログ情報LI取得処理の実行を開始する時刻を基準に1時間前のログ情報を取得するのでは、蓄積されるログ情報に重複や抜けが発生する場合があるという課題が生じる。したがって監視装置10は、丸め処理を行うことにより当該課題を解決する。
【0056】
図7は、実施形態に係る実施形態に係る監視装置がアクティブ状態のデータセットからログ情報を取得する場合における時間的範囲について説明するための図である。同図を参照しながら、上述した丸め処理について説明する。
同図には、スケジューラが割り込み処理を行った時刻である時刻T1を「スケジューラ」として、ログ情報取得部130がログ情報LI取得処理を実行した時刻である時刻T2を「実行時刻」として、監視装置10がログ情報LIを取得する時間間隔を示すパラメータPMを「パラメータ」として、ログ情報取得部130が取得すべきログ情報の時間的範囲である範囲RAを「範囲(丸め処理)」として示されている。
【0057】
符号I1に示した情報群において、「スケジューラ」は“10:00:00”であり、「実行時刻」は“10:00:00”であり、「パラメータ」は“QUARTER(15分)”であり、「範囲(丸め処理)」は“09:45≦TIME<10:00”である。符号I2に示した情報群において、「スケジューラ」は“10:15:00”であり、「実行時刻」は“10:15:03”であり、「パラメータ」は“QUARTER(15分)”であり、「範囲(丸め処理)」は“10:00≦TIME<10:15”である。符号I3に示した情報群において、「スケジューラ」は“10:30:00”であり、「実行時刻」は“10:30:10”であり、「パラメータ」は“QUARTER(15分)”であり、「範囲(丸め処理)」は“10:15≦TIME<10:30”である。
【0058】
図7に示すように、スケジューラが割り込み処理を行った時刻である時刻T1と、ログ情報取得部130がログ情報LI取得処理を実行した時刻である時刻T2とは、完全に一致しない場合がある。例えば情報群I1では、時刻T1と時刻T2とが同一であるが、情報群I2及び情報群I3では、時刻T1と時刻T2とは同一でない。したがって、時刻T2を基準にログ情報LIを取得してしまうと、蓄積されるログ情報に重複や抜けが発生する場合がある。
【0059】
したがって、ログ情報取得部130は丸め処理を行うことにより、“10:00:00”の割り込みでは“09:45≦TIME<10:00”の時間的範囲のログ情報LIを取得し、“10:15:00”の割り込みでは“10:00≦TIME<10:15”の時間的範囲のログ情報LIを取得し、“10:30:00”の割り込みでは“10:15≦TIME<10:30”の時間的範囲のログ情報LIを取得する。
このようにログ情報取得部130は丸め処理を行うことにより、蓄積されるログ情報に重複や抜けが発生することを抑止する。
【0060】
図8は、実施形態に係るグラフ作成部により作成され、更新されるグラフの一例を示す図である。同図を参照しながら、グラフ作成部160により作成され、更新されるグラフの一例について説明する。同図に示す一例において、監視装置10は、1時間ごとにログ情報LIを取得し、グラフを更新する。
グラフの横軸は時間を示し、縦軸は監視対象システム20の負荷を示す。監視対象システム20の負荷とは、例えばIO回数、CPUの処理状況、バッファヒット率、平均応答時間等であってもよい。
【0061】
図8(A)は、ログ情報LIを取得する前におけるグラフのフォーマット(枠)を示す。同図には未だデータが示されていない、
図8(B)は、12時間経過後のグラフを示す。同図に示すグラフは、監視装置10が1時間ごとに更新行う場合、グラフ作成部160により12回更新されたグラフである。
図8(C)は、24時間経過後のグラフを示す。同図に示すグラフは、監視装置10が1時間ごとに更新行う場合、グラフ作成部160により24回更新されたグラフである。
【0062】
図8に示すように、グラフ作成部160は取得したログ情報LIに基づきグラフ情報を更新していく。グラフ作成部160により更新されるグラフのフォーマットは、工程P1において用いられるグラフのフォーマットと同様であってもよい。すなわち、グラフ作成部160により1日分の情報が更新されたグラフは、工程P1においてログ情報LIをダンプ処理により取得した場合と同様の結果となってもよい。
【0063】
グラフ作成部160がグラフ情報を更新する場合、ログ情報取得部130は、アクティブ状態のデータセットDSから、ログ情報に重複や抜けが発生しないよう、所定の時間間隔でログ情報LIを取得する、換言すれば、ログ情報取得部130は、継続的に複数の時間的範囲におけるログ情報LIを取得する。グラフ作成部160は、現在の時刻までに取得された複数のログ情報LIに基づいてグラフを作成する。
【0064】
図9は、実施形態に係るグラフ作成部が作成するグラフの具体的な一例を示す図である。同図を参照しながら、グラフ作成部160が作成するグラフの具体的な一例について説明する。
図9(A)から
図9(D)に示すグラフはいずれも横軸に時間を示し、縦軸は監視対象システム20の負荷を示す。
【0065】
図9(A)は、縦軸に監視対象システム20の負荷としてプログラム多重度及び1秒当たりの平均アクセス回数を示す。
図9(B)は、縦軸に監視対象システム20の負荷としてヒット率[%]を示す。
図9(C)は、縦軸に監視対象システム20の負荷としてCPU使用率[%]を示す。
図9(D)は、縦軸に監視対象システム20の負荷として平均応答時間[秒]を示す。
なお、グラフ作成部160の作成するグラフの種類は
図9に例示した一例に限定されるものではなく、グラフ作成部160は監視対象システム20の性能に関する種々のグラフを作成してもよい。
【0066】
[実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、監視装置10は、アクティブ情報取得部110を備えることによりSMFデータセットDSのうちいずれのデータセットDSがアクティブ状態であるかを示すアクティブ情報AIを取得し、時刻取得部120を備えることにより現在時刻RTを取得し、ログ情報取得部130を備えることにより現在時刻RTに応じた時間的範囲におけるログ情報LIを取得する。
ここで、従来技術によれば非アクティブ状態であるデータセットDSからログ情報をダンプしていた。したがって従来技術によれば、データセットDSが切り替わった後のタイミングでしかログ情報を取得することができず、スピーディなログ解析ができなかった。データセットDSの切り替え周期を短くすることによりスピーディなログ解析をすることができるかもしれないが、監視対象となるコンピュータシステムの既存の運用を変更することを要するため、容易でなかった。
しかしながら本実施形態によれば、アクティブ状態であるデータセットDSからログ情報を取得するため、監視対象となるコンピュータシステムの既存の運用を変更することなく、ユーザが目的とする実績や統計データのレポートをスピーディに得ることができる。また、監視装置10はアクティブ状態であるデータセットDSからログ情報を取得するため、最新のコンピュータシステムの状況を把握することができる。
【0067】
また、以上説明した実施形態によれば、監視装置10は、実行開始情報取得部140を備えることによりログ情報取得部130にログ情報の取得をさせる情報である実行開始情報SIを取得し、ログ情報取得部130は取得した実行開始情報SIに基づいてログ情報LIを取得する。すなわち、監視装置10によれば、ログ情報を取得する日時範囲を直接指定しない。
したがって監視装置10によれば、直近の時刻範囲を指定することができる。
【0068】
また、以上説明した実施形態によれば、監視装置10は、実行開始情報SIは、ログ情報取得部130にログ情報LIの取得をさせる時間間隔を示す情報を含む。具体的には、ログ情報取得部130は実行開始情報SIに含まれる時間間隔に基づき、現在時刻RTから当該時間間隔を遡った時間的範囲のログ情報を取得する。
したがって、監視装置10によれば、蓄積されるログ情報に重複や抜けが発生することを抑止することができる。
【0069】
また、以上説明した実施形態によれば、監視装置10によれば、実行開始情報に含まれる時間間隔には下限値が設けられており、具体的には15分以上が好適である。
ここで、ログ情報LIの取得には所定の時間を要し、ログ情報LIを取得する時間間隔がログ情報LIの取得に要する所定の時間より短い場合には、誤動作を起こす可能性が有る。したがって、当該時間間隔の下限値はログ情報LIの取得に要する所定の時間より長い時間であることが好適である。ログ情報LIの取得に要する所定の時間は、監視対象システム20の取り扱うログ情報やシステムの規模等にもよるが、例えば15分程度である。よって、本実施形態によれば、実行開始情報に含まれる時間間隔には下限値が設けられており、具体的には15分以上であるため、ログ取得処理同士が時間的に重なりあうことがなく、誤動作を起こすことを抑止することができる。
【0070】
また、以上説明した実施形態によれば、監視装置10は、レポート作成部150を備えることにより、ログ情報LIに基づいて、データセットDSを有する監視対象システム20の性能を示すレポートを作成する。したがって、監視装置10によれば、ユーザは、目的とする実績や統計データのレポートをスピーディに、かつ容易に得ることができる。
【0071】
また、以上説明した実施形態によれば、監視装置10は、グラフ作成部160を備えることにより、ログ情報LIに基づいて、データセットDSを有する監視対象システム20の負荷の時間的変化を示すグラフを作成する。したがって、監視装置10によれば、ユーザは、目的とする実績や統計データのレポートをスピーディに、かつ容易に得ることができる。
【0072】
また、以上説明した実施形態によれば、監視装置10が備えるログ情報取得部130は、複数の時間的範囲におけるログ情報LIを取得し、グラフ作成部160は、現在の時刻までに取得された複数のログ情報LIに基づいてグラフを作成する。また、グラフ作成部160により作成されるグラフの枠は、非アクティブ状態のデータセットDSからダンプされることにより取得されたログ情報に基づいて作成されるグラフの枠と同一であってもよい。換言すれば、本実施形態によれば、グラフ作成部160により作成されるグラフは、従来の運用と同一のフォーマットにより作成され、取得したログ情報LIに基づいて最新の情報に更新されていく。したがって、本実施形態によれば、ユーザは監視対象システム20の既存の運用を変更することなく、監視対象システム20の既存のフォーマットにより、ユーザが目的とする実績や統計データのレポートをスピーディに得ることができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1…監視システム、10…監視装置、20…監視対象システム、30…表示装置、110…アクティブ情報取得部、120…時刻取得部、130…ログ情報取得部、140…実行開始情報取得部、150…レポート作成部、160…グラフ作成部、LI…ログ情報、VI…可視化情報、AI…アクティブ情報、RT…現在時刻、SI…実行開始情報、RI…レポート情報、GI…グラフ情報、DS…SMFデータセット、P1…工程、P2…工程