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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127265
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】重量物搬送車
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/00 20060101AFI20230906BHJP
【FI】
B60P3/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030946
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大林 直也
(72)【発明者】
【氏名】古田 雅也
(57)【要約】
【課題】
製造効率の向上を図ることが可能な重量物搬送車を提供すること。
【解決手段】
荷物を積載するための荷台2を備える重量物搬送車1において、荷台2は、少なくとも動力源およびセンサ類を含む複数の走行用の機器と、走行用の機器の制御を行うための電子制御盤(例えば、第1電子制御盤31,第2電子制御盤32,第3電子制御盤33)と、を電気的に接続する電気配線と、荷台2の車幅方向の両端部に、荷台2の前後方向の両端部のうちの一方の端部から他方の端部まで延在する、電気配線を配設するための配線用ダクト24A,24Bと、を備えること、を特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を積載するための荷台を備える重量物搬送車において、
前記荷台は、
少なくとも動力源およびセンサ類を含む複数の走行用の機器と、前記走行用の機器の制御を行うための電子制御盤と、を電気的に接続する電気配線と、
前記荷台の車幅方向の、少なくとも一端部に、前記荷台の前後方向の両端部のうちの一方の端部から他方の端部まで延在する、前記電気配線を配設するための配線用ダクトと、
を備えること、
を特徴とする重量物搬送車。
【請求項2】
請求項1に記載の重量物搬送車において、
前記荷台の、前記荷物を積載する積載面とは反対側には、外部からアクセス可能な艤装用空間を備えること、
前記配線用ダクトは、
前記艤装用空間において前記荷台に取り付けられること、
車幅方向の内方側に向かって開口する開口部を備えること、
を特徴とする重量物搬送車。
【請求項3】
請求項1または2に記載の重量物搬送車において、
前記電子制御盤は、少なくとも、前記走行用の機器を統括制御する主電子制御盤と、前記走行用の機器が前記電気配線により電気的に接続される副電子制御盤と、を備えること、
を特徴とする重量物搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物を積載するための荷台を備える重量物搬送車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製鉄所や造船所、発電所などにおいては、施設内での重量物の搬送のために重量物搬送車(いわゆるキャリヤ)が用いられている。重量物とは、例えば、製鉄所においては製鉄コイル、造船所においてはエンジン、発電所においては発電機などを指す。重量物搬送車としては、例えば特許文献1に開示されるような、荷物を積載可能な矩形状の荷台と、荷台の下方に設けられた、油圧制御による駆動や空圧制御による制動がなされる車輪と、荷台の長手方向の端部に設けられた運転室と、を備える自走式の重量物搬送車が知られている。
【0003】
上記のような重量物搬送車の荷台の部分には、駆動源(例えばディーゼルエンジン等)およびセンサ類(車輪の操舵角検知、パンク検知、速度検知用のセンサ等)を含む走行用の機器と、制御装置とを電気的に接続するための電気配線や、油圧制御のための油圧配管や、空圧制御のための空圧配管の配設が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-255308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した電気配線、油圧配管、空圧配管は、荷台を構成するフレームの内部等、空いたスペースを見つけて配設する作業を行うことがあるが、このようなスペースには限りがあるため、電気配線、油圧配管、空圧配管が同じ箇所に配設される場合がある。同じ箇所に配設されることとなると、重量物搬送車の製造現場において、電気配線を配設する作業者、油圧配管を配設する作業者、空圧配管を配設する作業者は、同時に作業を進めることができず、重量物搬送車の製造効率が低下するおそれがあった。また、空いたスペースを見つけて配設する作業を行うこととすると、電気配線のための電線の長さが現場合わせになる。すると、予めコネクタ等を取り付けてハーネス化された電線を用いることができないため、製造現場での電線の切断、コネクタの取付等の作業が必要となり、重量物搬送車の製造効率が低下するおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためのものであり、製造効率の向上を図ることが可能な重量物搬送車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の重量物搬送車は、次のような構成を有している。
(1)荷物を積載するための荷台を備える重量物搬送車において、前記荷台は、 少なくとも動力源およびセンサ類を含む複数の走行用の機器と、前記走行用の機器の制御を行うための電子制御盤と、を電気的に接続する電気配線と、前記荷台の車幅方向の、少なくとも一端部に、前記荷台の前後方向の両端部のうちの一方の端部から他方の端部まで延在する、前記電気配線を配設するための配線用ダクトと、を備えること、を特徴とする。
【0008】
(1)に記載の重量物搬送車によれば、荷台の車幅方向の、少なくとも一端部に、荷台の前後方向の両端部のうちの一方の端部から他方の端部まで延在する配線用ダクトを備えるため、動力源およびセンサ類を含む複数の走行用の機器と、走行用の機器の制御を行うための電子制御盤と、を電気的に接続する電気配線を配設する場所を、油圧配管を配設する場所や空圧配管を配設する場所とは別に、予め決めておくことができる。電気配線を配設する場所を、油圧配管を配設する場所や空圧配管を配設する場所とは別に予め決めておけば、電気配線を配設する作業とその他の作業(油圧配管を配設する作業や空圧配管を配設する作業)を同時に進めることができる。よって、重量物搬送車の製造効率の向上を図ることができる。
【0009】
また、電気配線を配設する場所を予め決めておけるため、電線の長さを、現場合わせではなく、予め決めておける。よって、ハーネス化した電線を使用して電気配線を配設する作業を行うことが可能であるため、重量物搬送車の製造効率の向上を図ることができる。なお、走行用の機器とは、重量物搬送車の走行のために用いられる機器であり、例えば、駆動源(ディーゼルエンジン等の内燃機関)や、センサ類(例えば、車輪の操舵角,パンク,速度を検知するためのセンサ)や、重量物搬送車の周辺を撮影するためのカメラや、路肩灯、ターンランプなどが含まれる。
【0010】
(2)(1)に記載の重量物搬送車において、前記荷台の、前記荷物を積載する積載面とは反対側には、外部からアクセス可能な艤装用空間を備えること、前記配線用ダクトは、前記艤装用空間において前記荷台に取り付けられること、車幅方向の内方側に向かって開口する開口部を備えること、を特徴とする。
【0011】
(2)に記載の重量物搬送車によれば、荷台の、荷物を積載する積載面とは反対側には、外部からアクセス可能な艤装用空間を備えており、当該艤装用空間において配線用ダクトが荷台に取り付けられるため、例えば、配線用ダクトに配線を配設した後に、荷台に対して配線用ダクトを取り付けることが可能であり、配線作業が容易である。また、配線用ダクトを荷台に取り付けた後に、電気配線を配設することとしても、配線用ダクトは開口部を備えるため、当該開口部から配線を配線用ダクトに配設することができる。
【0012】
さらに、開口部は、車幅方向の内方側に向かって開口しているため、配線用ダクトに配設された配線が、重量物搬送車の外方からは隠れた状態となり、美観の確保が可能である。
【0013】
(3)(1)または(2)に記載の重量物搬送車において、前記電子制御盤は、少なくとも、前記走行用の機器を統括制御する主電子制御盤と、前記走行用の機器が前記電気配線により電気的に接続される副電子制御盤と、を備えること、を特徴とする。
【0014】
従来、重量物搬送車の各部分に点在する複数の走行用の機器は、例えば、運転室に配置されたメインの電子制御盤に電気的に直接接続されていた。このような構成とすると、電線の本数や長さが増大し、電気配線が複雑となる。すると、配線作業が煩雑となり、重量物搬送車の製造効率が低下するおそれがあった。この点、(3)に記載の重量物搬送車によれば、走行用の機器を統括制御する主電子制御盤と、走行用の機器が電気配線により電気的に接続される副電子制御盤と、を備えるため、例えば、主電子制御盤を運転室に配置した場合でも、副電子制御盤を走行用の機器により近い位置に配置することで、走行用の機器を副電子制御盤に接続するための電線の長さ短くすることができる。また、例えば、主電子制御盤と、副電子制御盤はCANプロトコルに従って通信を行うネットワークを構成することとすれば、主電子制御盤は、副電子制御盤と1本のハーネスにより接続されることで、走行用の機器を統括制御することができる。したがって、配線が必要な電線の長さや本数を削減でき、電気配線が複雑となることを防止することができる。よって、重量物搬送車の製造効率の向上を図ることができる。なお、副電子制御盤は、重量物搬送車1台につき1つである必要はない。例えば、センサ類を接続するための電子制御盤や、駆動源を接続するための電子制御盤など、複数設けても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明の重量物搬送車によれば、製造効率の向上を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る重量物搬送車の側面図である。
図2図1に表す重量物搬送車を上方から見た平面図である。
図3】配線用ダクトの平面図である。
図4図1のA-A断面図である。
図5図4の部分Cの部分拡大図である。
図6図1のB-B断面図である。
図7】荷台に配設される電気配線の配線図である。
図8】荷台に配設される油圧配管の配管図である。
図9】荷台に配設される空圧配管の配管図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る重量物搬送車の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
まず、重量物搬送車1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る重量物搬送車1の側面図である。図2は、図1に表す重量物搬送車1を上方から見た平面図である。図3は、配線用ダクト24A,24Bの平面図である。図4は、図1のA-A断面図である。図5は、図4の部分Cの部分拡大図である。図6は、図1のB-B断面図である。
【0019】
重量物搬送車1は、荷物を積載可能な矩形状の荷台2と、荷台2を下方から支持する駆動装置6Aおよび制動装置6Bと、荷台2の前後方向(車両長さ方向)前端部に設けられた運転室3と、電子制御盤(第1電子制御盤31,第2電子制御盤32,第3電子制御盤33)と、走行用の機器(ディーゼルエンジン4、エアタンク9、カメラ10、路肩灯11、ターンランプ14、発電機、コンプレッサ、各種センサ等)と、を備える。また、荷台2には、電子制御盤と走行用の機器とを電気的に接続するための電気配線(図7参照)、駆動装置6A,制動装置6Bの駆動や制動を行うための油圧配管(図8参照)や空圧配管(図9参照)が配設されている。
【0020】
次に、荷台2の構成について説明する。荷台2は、枠体21と、枠体21上に固定されることで荷物を積載するための積載面23を形成する板材22と、からなる。枠体21は、図2に示すように、前後方向に沿って長手方向を有する矩形状に形成されており、板材22を載せるための天面21aと、さらにその前後方向の後端側に、エンジンルーム5を形成するためのエンジンルーム用枠部27を備える。枠体21の天面21aの部分は、一対の側梁211A,211Bと、中梁212と、一対の横梁213A,213B、複数の横骨221と、枠体21の天面21aを形成する複数枚の天面板214A,214B,214C,215A,215B,215C,215Dおよび補強板216A,216B,216C,216D,217A,217B,217C,217Dと、により形成されている。なお、以下の説明においては、説明の簡略化のため、側梁、横梁、天面板、補強板の符号中のアルファベットは適宜省略する。
【0021】
一対の側梁211A,211Bは、図4に示すように、車幅方向に切断した断面が車幅方向の外方に開口したコの字形の長尺部材であり、枠体21の車幅方向の両端部を形成している。また、中梁212は、図2に示すように、一対の側梁211A,211Bに挟まれるようにして、荷台2の車幅方向の中央部において、荷台2の長手方向に沿って設けられている。この中梁212は、図4に示す通り、車幅方向に切断した断面がI字形であり、図1に示すように、厚み寸法(車両高さ方向の寸法)が、積載面23の前後方向の中央部で最も大きくなるように形成されている。また、図4に示すように、中梁212の両脇の空間は艤装用空間12となっており、電気配線や、油圧配管や、空圧配管等の配設のために艤装用空間12を利用することができる。
【0022】
一対の横梁213A,213Bは、図4に示すように、それぞれが、車両高さ方向の上方に向かって車幅方向の寸法が大きくなる逆台形状とされている。また、一対の横梁213A,213Bは、中梁212の前後方向の中央部において、中梁212を挟んで対称に、かつ、中梁212に対して直交するように位置され、中梁212に接合されている。なお、横梁213A,213Bは、強度を確保するためのフランジを設けることで、略L字状や略逆T字状、略コの字状や略I字状、あるいは略丁字状の断面であっても良い。
【0023】
横骨221は、矩形状の平板材であり、厚み方向が、荷台2の長手方向と平行となるように、かつ、長手方向が車幅方向と平行に位置されている。そして、長手方向の両端部のうち、荷台2の車幅方向の外方側の端部は側梁211A(または側梁211B)に接合され、他方の端部は中梁212に接合されることで、側梁211A(または側梁211B)と中梁212とを横架している。また、横骨221には、前後方向に貫通する貫通孔221a(図4参照)が設けられており、当該貫通孔221aを利用して、油圧配管に用いられる鋼管や、空圧配管に用いられるチューブや、電気配線に用いられる電線を通すことができる。なお、横骨221は、車両長さ方向に略等間隔に複数配置される。また、横骨221は、強度を確保するためのフランジを設けることで、略L字状や略逆T字状、略コの字状や略I字状、あるいは略丁字状の断面であっても良い。
【0024】
天面板214A,214B,214Cは、幅狭の矩形状に形成された平板材である。天面板214Aは、横梁213A,213Bの直上に位置しており、図2に示すように、車幅方向の両端部のうち、一方の端部は側梁211A(または側梁211B)に接合され、他方の端部は中梁212に接合されることで、側梁211A(または側梁211B)と中梁212とを横架している。また、天面板214Bは、天面板214Aを挟んで対称に位置されている。天面板214Aと同様に、車幅方向の両端部のうち、一方の端部は側梁211A(または側梁211B)に接合され、他方の端部は中梁212に接合されることで、側梁211A(または側梁211B)と中梁212とを横架している。さらにまた、天面板214Cは、長手方向の長さが 枠体21の車幅方向の長さと略同一であり、車幅方向の両端部がそれぞれ側梁211A,211Bに接合され、一対の側梁211A,211Bを横架している。
【0025】
天面板215A,215B,215C,215Dは、天面板214A,214B,214Cよりも幅広に形成された平板材である。天面板215A,215B,215C,215Dは、車幅方向の両端部のうち、一方の端部は側梁211A(または側梁211B)に接合され、他方の端部は中梁212に接合されることで、側梁211A(または側梁211B)と中梁212とを横架している。さらに、天面板215A,215B,215C,215Dは、天面21aを形成する表面とは反対側の裏面のうち、荷台2の長手方向の両端部が、横骨221に接合されている。
【0026】
さらに、天面板215には、肉抜き孔222が、車両上下方向に貫通している。この肉抜き孔222は、天面板215を切断加工することにより設けられている。この肉抜き孔222の形状は特に限定されないが、本実施形態においては、車幅方向に長手方向を有する長円形状とされている。なお、肉抜き孔222の形状や大きさは、枠体21の必要な強度および質量を得ることが可能な範囲で適宜設定される。
【0027】
複数枚の天面板214,215は、それぞれ、前後方向に沿って、所定の間隔を持って並べられており、天面板214,215同士の間には、補強板が配置されている。具体的には、荷台2の前端部(図2中の左端部)側から、天面板215Aと天面板215Bの間には補強板216A,217Aが配置され、天面板215Bと天面板214Bの間には補強板216B,217Bが配置され、天面板214Bと天面板214Aの間には、補強板218A,219Aが配置され、天面板214Aと天面板214Bの間には、補強板218B,219Bが配置され、天面板214Bと天面板215Cの間には、補強板216C,217Cが配置され、天面板215Cと天面板215Dの間には、補強板216D,217Dが配置され、天面板215Dと天面板214Cの間には、補強板219,220が配置されている。これら補強板は、天面板214A,214B,214C,215A,215B,215C,215Dと同一の厚みを有する平板材である。
【0028】
補強板について、補強板216A,217Aを例にして、さらに説明する。補強板216Aは、図2に示すように、前後方向の両端部が、天面板215A,215Bに接合されている。さらに、車幅方向の両端部のうち、側梁211側の端部は、側梁211に接合されている。これら接合により、補強板216Aが固定されている。
【0029】
補強板217Aは、前後方向の両端部が、天面板215A,215Bに接合されている。さらに、車幅方向の両端部のうち、中梁212側の端部は、中梁212に接合されている。これら接合により、補強板217Aが固定されている。
【0030】
そして、天面板215A,215B 補強板216A,217Aに囲まれた空間は、肉抜き孔223である。この肉抜き孔223の大きさは、天面板215A,215Bの前後方向の幅や、天面板215A,215B同士の間隔、補強板216A,217Aの車幅方向の寸法により定まる。なお、肉抜き孔223の大きさや形状は特に限定されないが、枠体21の必要な強度および質量を得ることが可能な範囲で適宜設定される。
【0031】
その他の補強板についても、補強板216A,217Aと同様に、図2に示すように、平面視において四方の端部の内の3方の端部が、天面板214,215または側梁211または中梁212に接合されて固定されるとともに、天面板214,215とともに、肉抜き孔223,224を形成している。
【0032】
なお、以上説明した、天面板214,215と補強板216,217の位置関係は、図2中の、枠体21の中梁212から上側半分について説明したものであるが、天面板214,215と補強板216,217の配置は、中梁212を挟んで対称とされている。さらに、全ての天面板214,215と、全ての補強板216,217と、側梁211の上端面と、中梁212の上端面と、は同一平面状に並べられている。これにより、枠体21の天面21aはフラットな面に形成されている。
【0033】
荷台2を構成する板材22は、枠体21の天面21aを覆うようにして、枠体21上に固定され、積載面23を形成する。ただし、荷台2の積載面23は、一枚の板材により形成されるのではなく、4枚の板材22が、前後方向に2枚、車幅方向に2枚並べられることで、形成されている。積載面23を一枚の板材により形成しようとすると、製造公差により、板材を、予め定められた位置に固定することが困難になるためである。また、板材22は、積載面23を滑りにくくするため、木製または竹製とされる。なお、図2においては、4枚の板材22の内、枠体21の中梁212から車両左側(図2中の下側)半分に配置される2枚のみ図示しており、枠体21の中梁212から車両右側(図2中の上側)半分に配置される2枚については省略している。
【0034】
荷台2は、積載面23とは反対側の裏面側の、車幅方向の両端部に、電気配線を配設するための配線用ダクト24A,24Bを備えている。この配線用ダクト24A,24Bは、図4および図5に示すように、車幅方向の内方側に向かって開口する開口部241を備えた、断面コの字型の長尺部材である。
【0035】
配線用ダクト24A,24Bの内部空間には、リブ242が前後方向に沿って設けられている。当該リブ242により、配線用ダクト24A,24Bの内部空間が、上側配線空間243と下側配線空間244の2段に区画されており、上側配線空間243と下側配線空間244の双方に電気配線を配設することが可能となっている。リブ242は、上下方向に貫通する貫通孔245を備えているため、当該貫通孔245を通した結束バンド等により、上側配線空間243に配設された配線を固定可能である。また、配線用ダクト24A,24Bは 下端面と下側配線空間244とを貫通する貫通孔246を備えているため、当該貫通孔246を通した結束バンド等により、下側配線空間244に配設された配線を固定可能である。
【0036】
配線用ダクト24A,24Bは 上端面と上側配線空間243と貫通する通し穴248を備える。この通し穴248は、配線用ダクト24A,24Bの長手方向に沿って、所定の間隔を持って複数設けられている。荷台2(側梁211A,211B)には、通し穴248に対応する位置にナット部材41が取り付けられており、通し穴248に挿通させたボルト249を、ナット部材41に螺合させることができる。この螺合により、配線用ダクト24A,24Bが荷台2(側梁211A,211B)に固定されている。なお、上記した所定の間隔とは、配線用ダクト24A,24Bの十分な固定強度の確保に必要な固定箇所の数を得るために、適宜定められるものである。
【0037】
また、図3に示すように、配線用ダクト24A,24Bの前後方向の前端部(図3中の左端部)は車幅方向の内方側に向かって湾曲された屈曲部247を備える。この屈曲部247は、配線用ダクト24A,24B内に配設された電気配線の中で、運転室3に配設される第1電子制御盤31に接続が必要な電線が、自然と運転室3側に向かうように誘導するためのものである。
【0038】
また、配線用ダクト24A,24Bの前後方向の後端部(図3中の右端部)には、支持部材25を備えている。この支持部材25は、図6に示すように、上下方向の上側に開口する断面コの字形の部材である。この支持部材25には、配線用ダクト24A,24B内に配設された電気配線の中で、エンジンルーム5の前端側に配設される第3電子制御盤33に接続が必要な電線を載せることができる。そして、支持部材25には、図3に示すように切欠き251が設けられており、この切欠き251を通して、支持部材25に載せた電線を、第3電子制御盤33に延伸させることができる。なお、支持部材25は、図6に示すように枠体21から下方に延伸するブラケット42にボルト等により結合されることで固定されている。
【0039】
次に、駆動装置6Aおよび制動装置6Bについて説明する。駆動装置6Aは、荷台2の長手方向中央部に二対、すなわち計4台設けられている。制動装置6Bは、荷台2の長手方向両端部それぞれに一対ずつ、すなわち計4台設けられている。
【0040】
駆動装置6Aは油圧モータ7を備えている。油圧モータ7は、ディーゼルエンジン4により動作される油圧ポンプ13から供給される油圧により動作され、車輪61Aに回転駆動力を付与する。これにより重量物搬送車1を走行させることができる。なお、油圧ポンプ13から油圧モータ7への油圧の供給は、荷台2(枠体21)に配設される油圧配管(図8参照)により行われる。なお、車輪61Aは、駆動装置6A毎に1輪以上(本実施形態では2輪)設けられる。
【0041】
制動装置6Bは、空圧ブレーキ8を備えている。空圧ブレーキ8は、エアタンク9から供給される圧縮エアにより動作され、車輪61Bに制動力を付与する。これにより重量物搬送車1を減速または停止させることができる。なお、エアタンク9から空圧ブレーキ8への圧縮エアの供給は、荷台2に配設される空圧配管(図9参照)により行われる。なお、車輪61Bは、制動装置6B毎に1輪以上(本実施形態では2輪)設けられる。
【0042】
さらに、駆動装置6Aおよび制動装置6Bは、前出の油圧ポンプ13の油圧制御によって、それぞれ独立して操舵駆動されるため、重量物搬送車1は、前後方向に沿った直進後退走行の他、車幅方向に沿った横行や、斜行などを行うことができる。
【0043】
次に走行用の機器について説明する。
走行用の機器とは、重量物搬送車1の走行のために用いられる機器であり、例えば、ディーゼルエンジン4や、センサ類や、エアタンク9や、カメラ10や、路肩灯11、ターンランプ14などが含まれる(図7参照)。
【0044】
ディーゼルエンジン4は、荷台2の前後方向後端部に設けられたエンジンルーム5に収容されている。ディーゼルエンジン4により動作される油圧ポンプ13が油圧配管に油圧(作動油)を供給することで、駆動装置6Aの油圧モータ7の制御や、駆動装置6Aおよび制動装置6Bの操舵角の制御が行われる。
【0045】
エアタンク9は、エンジンルーム5の後端側に取り付けられている。エアタンク9が空圧配管に空圧(圧縮空気)を供給することで、制動装置6Bの空圧ブレーキ8が制御される。
【0046】
センサ類は、駆動装置6A、制動装置6Bに設けられている。具体的には、駆動装置6Aは、駆動装置6Aの操舵角を検知するための操舵角検知用センサ62A(例えば、ポテンショメータ)と、車輪61Aのパンクを検知するためのパンク検知用センサ63A(例えば、空気圧センサ)と、走行速度を検知するための速度検知用センサ64A(例えば、車輪速センサ)とを備える。また、制動装置6Bは、車輪61Bの操舵角検知用センサ62B(例えば、ポテンショメータ)と、パンク検知用センサ63B(例えば、空気圧センサ)とを備える。
【0047】
カメラ10(例えばCCDカメラまたはCMOSカメラ)は、運転手の視界補助のために用いられるものであり、荷台2の両側面や、前後方向高端部等、重量物搬送車1の周囲を撮影可能な位置に設けられる。路肩灯11は、車輪61A,61B付近を照らして視界を確保するために用いられるものであり、駆動装置6Aまたは制動装置6Bの位置に合わせて、荷台2の両側面に、それぞれ4つずつ設けられる。ターンランプ14は、重量物搬送車1が右左折する場合に進行方向を周囲に示すためのものであり、荷台2の両側面に1つずつ設けられる。
【0048】
上記した走行用の機器は、第1電子制御盤31と、第2電子制御盤32と、第3電子制御盤33により制御される。なお、第1電子制御盤31は主電子制御盤の一例であり、第2電子制御盤32および第3電子制御盤33は副電子制御盤の一例である。第1電子制御盤31は、走行用の機器を統括制御するためのものであり、運転室3に配置されている。第2電子制御盤32は、荷台2の長手方向中央部に配設されている。第3電子制御盤33は、エンジンルーム5の前端側に配設されている。これら電子制御盤は、走行用の機器とは電気的に接続されており、この接続を行うための電気配線は、配線用ダクト24を利用して、荷台2に配設される。
【0049】
電気配線について、図7を用いて具体的に説明する。図7は、荷台2(枠体21)に配設される電気配線の配線図である。なお、図7中の中心線CLは、荷台2の車幅方向の中心位置を表している。
【0050】
第1電子制御盤31は、第2電子制御盤32および第3電子制御盤33に、電気的に接続されている。第1電子制御盤31と第2電子制御盤32とを接続するための電気配線は、予めハーネス化された電線であり、枠体21の車幅方向の中心部を、前後方向に沿って配設されている。また、第1電子制御盤31と第3電子制御盤33とを接続するための電機配線は、予めハーネス化された電線であり、図中上側の配線用ダクト24Bに配設されている。
【0051】
第2電子制御盤32は第1電子制御盤31に接続されている他、第3電子制御盤33にも接続されている。第2電子制御盤32と第3電子制御盤33とを接続するための電線は、予めハーネス化された電線であり、図7中の下側の配線用ダクト24Aに配設されている。
【0052】
さらに、第2電子制御盤32は、センサ類と路肩灯11とターンランプ14が接続されている。第2電子制御盤32と、配線用ダクト24A側(図7中の下側)に位置する、駆動装置6Aまたは制動装置6Bのセンサ類および路肩灯11と、を接続するための配線は、配線用ダクト24Aに配設される。また、第2電子制御盤32と、配線用ダクト24B側(図7中の上側)に位置する、駆動装置6Aまたは制動装置6Bのセンサ類および路肩灯11と、を接続するための配線は、配線用ダクト24Bに配設される。第2電子制御盤32とセンサ類および路肩灯11とを接続するための配線は、配線用ダクト24Aに配設されるもの、配線用ダクト24Bに配設されるものとを分けて、それぞれ予めハーネス化された電線を用いている。
【0053】
第3電子制御盤33は、ディーゼルエンジン4やエアタンク9の制御を行うためのものであり、ディーゼルエンジン4やエアタンク9と電気的に接続されている。
【0054】
以上の第1電子制御盤31と、第2電子制御盤32と、第3電子制御盤33とは、Controller Area Network(CAN)プロトコルに従って通信を行うネットワークを構成しており、相互に通信可能である。したがって、第2電子制御盤32は、センサ類から得た情報を第1電子制御盤31や第3電子制御盤33に送信することができ、第3電子制御盤33は、ディーゼルエンジン4やエアタンク9から得た情報を第1電子制御盤31や第2電子制御盤32に送信することができる。そして、第1電子制御盤31は、第2電子制御盤32や第3電子制御盤33から得られた情報を基に、走行用の機器を統合制御する。
【0055】
次に、油圧配管および空圧配管について説明する。荷台2(枠体21)において、油圧配管と空圧配管は、配線用ダクト24A,24Bを利用して配設される電気配線とは異なる場所に配設される。
【0056】
まず、油圧配管について説明する。荷台2(枠体21)には、例えば、油圧モータ7や、駆動装置6Aおよび制動装置6Bの操舵やサスペンション等へ油圧を供給する油圧配管が配設されているが、ここでは、油圧ポンプ13から駆動装置6Aの油圧モータ7に油圧を供給するための回路を代表例として説明する。図8は、荷台2(枠体21)に配設される油圧配管の配管図である。なお、図8中の左側を前方として、図8中の右側を後方として、図8中上側を右側として、図8中下側を左側として説明する。
【0057】
油圧ポンプ13から延伸する油圧配管51は、中梁212の右側面に沿って配設されており、右前方側の駆動装置6Aの油圧モータ7に接続されている。また、油圧配管51は、右後方側の駆動装置6A付近で、継手81により分岐され、右後方側の駆動装置6Aの油圧モータ7にも接続されている。
【0058】
さらに、油圧配管51は、継手82により分岐され、中梁212の左側面に沿って配設されている油圧配管52に接続されている。そして、油圧配管52は、左前方側の駆動装置6Aおよび左後方側の駆動装置6Aの油圧モータ7に接続されている。
【0059】
次に、空圧配管について図9を用いて説明する。図9は、荷台2(枠体21)に配設される空圧配管の配管図である。エアタンク9から延伸するチューブ91は、枠体21の側梁211Bの、車幅方向の内方側において、側梁211Bに沿って配設されている。そして、当該チューブは、枠体21の長手方向中央部で分岐されて、車幅方向に2つ並ぶドレン71A,71Bのそれぞれに接続される。
【0060】
枠体21には、リレーバルブ72A,72Bが設けられており、ドレン71Aは、運転室3側に位置するリレーバルブ72Aと接続されている。ドレン71Aとリレーバルブ72Aとを接続するチューブ92は、側梁211Bの、車幅方向の内方側において、側梁211Bに沿って配設されている。また、ドレン71Bは、エンジンルーム5側のリレーバルブ72Bと接続されている。ドレン71Bとリレーバルブ72Bとを接続するチューブ93は、側梁211Aの、車幅方向の内方側において、側梁211Aに沿って配設されている。
【0061】
リレーバルブ72Aは、運転室3側の一対の制動装置6Bの、それぞれの空圧ブレーキ8に接続されている。また、リレーバルブ72Bは、エンジンルーム5側の一対の制動装置6Bの、それぞれの空圧ブレーキ8に接続されている。
【0062】
リレーバルブ72A,72Bのそれぞれは、運転室3に配設されるブレーキバルブ(不図示)に接続されている。リレーバルブ72Aから運転室3に向かうチューブ94は、中梁212に沿って配設され、リレーバルブ72Bから運転室3に向かうチューブ95は、側梁211Aの、車幅方向の内方側において、側梁211Aに沿って配設されている。ブレーキバルブとリレーバルブ72A,72Bとが接続されていることで、ブレーキバルブにより、リレーバルブ72A,72Bの制御を行い、空圧ブレーキ8の制動力を調整することができる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態に係る重量物搬送車1によれば、
(1)荷物を積載するための荷台2を備える重量物搬送車1において、荷台2は、少なくとも動力源およびセンサ類を含む複数の走行用の機器と、走行用の機器の制御を行うための電子制御盤(例えば、第1電子制御盤31,第2電子制御盤32,第3電子制御盤33)と、を電気的に接続する電気配線と、荷台2の車幅方向の、少なくとも一端部に、荷台2の前後方向の両端部のうちの一方の端部から他方の端部まで延在する、電気配線を配設するための配線用ダクト24A,24Bと、を備えること、を特徴とする。
【0064】
(1)に記載の重量物搬送車1によれば、荷台2の車幅方向の、少なくとも一端部に、荷台2の前後方向の両端部のうちの一方の端部から他方の端部まで延在する配線用ダクト24A,24Bを備えるため、動力源およびセンサ類を含む複数の走行用の機器と、走行用の機器の制御を行うための電子制御盤(例えば、第1電子制御盤31,第2電子制御盤32,第3電子制御盤33)と、を電気的に接続する電気配線を配設する場所を、油圧配管を配設する場所や空圧配管を配設する場所とは別に、予め決めておくことができる。電気配線を配設する場所を、油圧配管を配設する場所や空圧配管を配設する場所とは別に、電気配線を配設する場所を予め決めておけば、電気配線を配設する作業とその他の作業(油圧配管を配設する作業や空圧配管を配設する作業)を同時に進めることができる。よって、重量物搬送車1の製造効率の向上を図ることができる。
【0065】
また、電気配線を配設する場所を予め決めておけるため、電線の長さを、現場合わせではなく、予め決めておける。よって、ハーネス化した電線を使用して電気配線を配設する作業を行うことが可能であるため、重量物搬送車1の製造効率の向上を図ることができる。なお、走行用の機器とは、例えば、駆動源(ディーゼルエンジン4等の内燃機関)や、センサ類(例えば、駆動装置6A,制動装置6Bの、操舵角検知用センサ62A,62B、パンク検知用センサ63A,63B、速度検知用センサ64A等)や、重量物搬送車1の周辺を撮影するためのカメラ10や、路肩灯11、ターンランプ14などが含まれる。
【0066】
(2)(1)に記載の重量物搬送車1において、荷台2の、荷物を積載する積載面23とは反対側には、外部からアクセス可能な艤装用空間12を備えること、配線用ダクト24A,24Bは、艤装用空間12において荷台2に取り付けられること、車幅方向の内方側に向かって開口する開口部241を備えること、を特徴とする。
【0067】
(2)に記載の重量物搬送車1によれば、荷台2の、荷物を積載する積載面23とは反対側には、外部からアクセス可能な艤装用空間12を備えており、当該艤装用空間12において配線用ダクト24A,24Bが荷台2に取り付けられるため、例えば、配線用ダクト24A,24Bに配線を配設した後に、荷台2に対して配線用ダクト24A,24Bを取り付けることが可能であり、配線作業が容易である。また、配線用ダクト24A,24Bを荷台2に取り付けた後に、電気配線を配設することとしても、配線用ダクト24A,24Bは開口部241を備えるため、当該開口部241から配線を配線用ダクト24A,24Bに配設することができる。
【0068】
さらに、開口部241は、車幅方向の内方側に向かって開口しているため、配線用ダクト24A,24Bに配設された配線が、重量物搬送車1の外方からは隠れた状態となり、美観の確保が可能である。
【0069】
(3)(1)または(2)に記載の重量物搬送車1において、電子制御盤は、少なくとも、前記走行用の機器を統括制御する主電子制御盤(第1電子制御盤31)と、走行用の機器が電気配線により電気的に接続される副電子制御盤(第2電子制御盤32または第3電子制御盤33)と、を備えること、を特徴とする。
【0070】
従来、重量物搬送車の各部分に点在する複数の走行用の機器は、例えば、運転室に配置されたメインの電子制御盤に電気的に直接接続されていた。このような構成とすると、電線の本数や長さが増大し、電気配線が複雑となる。すると、配線作業が困難となり、重量物搬送車の製造効率が低下するおそれがあった。この点、(3)に記載の重量物搬送車1によれば、走行用の機器を統括制御する主電子制御盤(第1電子制御盤31)と、走行用の機器が電気配線により電気的に接続される副電子制御盤(第2電子制御盤32または第3電子制御盤33)と、を備えるため、例えば、主電子制御盤(第1電子制御盤31)を運転室3に配置した場合でも、副電子制御盤(第2電子制御盤32または第3電子制御盤33)を走行用の機器により近い位置に配置することで、走行用の機器を副電子制御盤(第2電子制御盤32または第3電子制御盤33)に接続するための電線の長さ短くすることができる。また、例えば、主電子制御盤(第1電子制御盤31)と、副電子制御盤(第2電子制御盤32または第3電子制御盤33)はCANプロトコルに従って通信を行うネットワークを構成することとすれば、主電子制御盤(第1電子制御盤31)は、副電子制御盤(第2電子制御盤32または第3電子制御盤33)と1本のハーネスにより接続されることで、走行用の機器を統括制御することができる。したがって、配線が必要な電線の長さや本数を削減でき、電気配線が複雑となることを防止することができる。よって、重量物搬送車1の製造効率の向上を図ることができる。
【0071】
なお、上記の実施形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な改良、変形が可能である。例えば、重量物搬送車1は、荷台2の前後に運転席を備えるものでもよい。
【0072】
また、本実施形態では電子制御盤間の通信にCANを使用しているが、例えばCC―LINKなど、CAN以外の通信方法を用いても良い。あるいは電子制御盤間の通信はCC-LINKとし、走行装置の操舵制御や制動制御、並びに電子制御盤から油圧モータ・各種センサとの通信をCANとする等、接続先に応じて使い分けてもよい。
【0073】
また、本実施形態では車両幅方向両端部に配線用ダクト24を設けているが、車両幅方向一端部のみに設ける構造としても良い。
【0074】
また、本実施形態ではリブ242を配線用ダクト24に一基設けているが、リブ242は省略しても良いし、あるいは二基以上設けても良い。
【0075】
また、本実施形態では省略しているが、配線用ダクト24への異物の侵入を防ぐため、開口部241にシャッター等の開閉可能な覆いを設けても良い。
【符号の説明】
【0076】
1 重量物搬送車
2 荷台
24A 配線用ダクト
24B 配線用ダクト
31 第1電子制御盤(主制御盤の一例)
32 第2電子制御盤(副制御盤の一例)
33 第3電子制御盤(副制御盤の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9