(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127307
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】配置支援方法、配置支援システム及びデータセンタ
(51)【国際特許分類】
E04H 1/06 20060101AFI20230906BHJP
【FI】
E04H1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031018
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】綱脇 彰則
(72)【発明者】
【氏名】田畑 里希
(72)【発明者】
【氏名】井口 日文
(72)【発明者】
【氏名】中塚 光一
(72)【発明者】
【氏名】沼田 和清
(57)【要約】
【課題】効率的にデータセンタを構築するための配置支援方法、配置支援システム及びこれらにより構築されたデータセンタを実現する。
【解決手段】フロアに設置する複数の種類のサーバの総定格電力を特定し、総定格電力に応じて、フロアに設置されるサーバの総重量を予測し、総重量を、複数の種類のサーバに、種類に応じた構成割合で分配して、重量が重い複数の高密度サーバL11と、軽い複数の中密度サーバL12、低密度サーバL13に分類する。建物において、床b2を支持する複数の梁b1の位置を特定し、複数の第1サーバを、梁の直上に配置し、複数の高密度サーバL11の間に複数の中密度サーバL12、低密度サーバL13を配置する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアに設置される複数の種類のサーバの総定格電力を特定するステップと、
前記総定格電力に応じて、前記フロアに設置される複数の種類のサーバの総重量を予測するステップと、
前記総重量を、前記複数の種類のサーバに、前記種類に応じた構成割合で分配して、重量が重い複数の第1サーバと、軽い複数の第2サーバに分類するステップと、
建物において、床を支持する複数の梁の位置を特定するステップと、
前記複数の第1サーバを、前記建物の梁の直上に配置するステップと、
前記複数の第1サーバの間に前記複数の第2サーバを配置するステップと、を実行することを特徴とする配置支援方法。
【請求項2】
前記建物の耐荷重に応じて、前記複数の梁の間を架け渡す架台による補強を行なうことを特徴とする請求項1に記載の配置支援方法。
【請求項3】
サーバの配置の決定を支援する制御部を備えた配置支援システムであって、
前記制御部が、
フロアに設置される複数の種類のサーバの総定格電力を特定し、
前記総定格電力に応じて、前記フロアに設置される複数の種類のサーバの総重量を予測し、
前記総重量を、前記複数の種類のサーバに、前記種類に応じた構成割合で分配して、重量が重い複数の第1サーバと、軽い複数の第2サーバに分類し、
建物において、床を支持する複数の梁の位置を特定し、
前記複数の第1サーバを、前記梁の直上に配置し、前記複数の第1サーバの間に前記複数の第2サーバを配置するレイアウトを生成することを特徴とする配置支援システム。
【請求項4】
フロアに設置される複数の種類のサーバの総定格電力に応じた総重量を、前記複数の種類のサーバに、前記種類に応じた構成割合で分配して分類された、重量が重い複数の第1サーバと、軽い複数の第2サーバに分類し、
建物において、床を支持する複数の梁の位置を特定し、
前記複数の第1サーバを、前記梁の直上に配置し、
前記複数の第1サーバの間に前記複数の第2サーバを配置したことを特徴とするデータセンタ。
【請求項5】
前記建物の耐荷重に応じて、前記複数の梁の間を架け渡す架台により補強することを特徴とする請求項4に記載のデータセンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データセンタの構築を支援するための配置支援方法、配置支援システム及びデータセンタに関する。
【背景技術】
【0002】
データセンタでは、敷地内に大量の電力と通信を引き込む。このため、データセンタは、多くのサーバを配置するための広い面積を有する。各サーバは、サーバラックに収納される。しかし、サーバの高密度化が進んでいるため、各サーバの1ラックあたりの重量が増加する傾向にある。従って、建物に求められる耐震性能も高くなっている。更に、各サーバは多くの電力を消費することにより発熱するため、空調等、データセンタの内部構造を考慮する必要がある。そこで、ホットアイル・コールドアイル方式のデータセンタを構築するための技術が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、データセンタのための建物構造も検討されている(例えば、特許文献2参照)。この文献に開示された技術においては、建物の第1柱を連結する梁と、第1柱のスパンよりも長いスパンで建物内に配置される第2柱を連結するトラス梁と、を有する。第1柱よりも外側に配置されたチムニに、外部から冷気を取り入れる外気取り込み部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-48027号公報
【特許文献2】特開2018-162626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存データセンタ施設の老朽化に伴う閉鎖等のため、都心部で都市型データセンタの供給不足が生じている。しかしながら、都心部において、大規模なデータセンタを構築するための建設用地を確保することは困難である。更に、データセンタで用いるサーバの耐荷重に対して過剰な設備投資を行なったのでは経済的負担が大きい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための配置支援方法は、フロアに設置されるサーバ数と総定格電力とを特定するステップと、前記総定格電力に応じて、前記フロアに設置されるサーバの総重量を予測するステップと、前記総重量を、前記サーバ数の各サーバに、予め定められた構成割合で分配して、重量が重い複数の第1サーバと、軽い複数の第2サーバに分類するステップと、建物において、床を支持する複数の梁の位置を特定するステップと、前記複数の第1サーバを、前記梁の直上に配置するステップと、前記複数の第1サーバの間に前記複数の第2サーバを配置するステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、効率的にデータセンタを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態の配置支援システムの説明図である。
【
図2】実施形態のハードウェア構成の説明図である。
【
図3】実施形態の配置支援方法の手順の説明図である。
【
図4】実施形態のサーバ配置の説明図であって、(a)はデータセンタの仕様、(b)はサーバラックの分類、(c)はサーバラックのレイアウトの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1~
図4を用いて、配置支援方法を具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、事務所用途の複数の既存建物を改修することにより、小規模なデータセンタ群を構築する。そして、これらのデータセンタ群を専用回線で接続し、仮想的な大規模データセンタを実現する。この場合に用いる配置支援方法、配置支援システム及びデータセンタとして説明する。
本実施形態では、
図1に示すように、配置支援システムA1は、ネットワークを介して相互に接続されたユーザ端末10、支援サーバ20を用いる。
【0010】
(ハードウェア構成の説明)
図2を用いて、ユーザ端末10、支援サーバ20を構成する情報処理装置H10のハードウェア構成を説明する。情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶装置H14、プロセッサH15を備える。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアにより実現することも可能である。
【0011】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースや無線インタフェース等である。
【0012】
入力装置H12は、各種情報の入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイ等である。なお、入力装置H12及び表示装置H13として、タッチパネルディスプレイを用いてもよい。
【0013】
記憶装置H14は、ユーザ端末10、支援サーバ20の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶装置である。記憶装置H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
【0014】
プロセッサH15は、記憶装置H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、ユーザ端末10、支援サーバ20における各処理を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各処理のための各種プロセスを実行する。
【0015】
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行なう専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、以下で構成し得る。
【0016】
〔1〕コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ
〔2〕各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路
〔3〕それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)
プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0017】
(システム構成)
次に、
図1を用いて、配置支援システムA1の各機能を説明する。
ユーザ端末10は、サーバの配置を決定する設計者が用いるコンピュータ端末である。設計者は、ユーザ端末10を用いて、支援サーバ20にアクセスする。
【0018】
支援サーバ20は、サーバ配置設計を支援する処理を実行するコンピュータシステムである。この支援サーバ20は、制御部21、基本情報記憶部22、データセンタ情報記憶部23、建物情報記憶部24を備える。
【0019】
制御部21は、後述する処理(取得段階、設計支援段階等を含む処理)を行なう。このための処理プログラムを実行することにより、制御部21は、取得部211、設計支援部212等として機能する。
【0020】
取得部211は、各種情報をユーザ端末10から取得する。
設計支援部212は、既存建物においてサーバを配置したデータセンタの設計を支援する。ここで、BIM(Building Information Modeling)を用いることも可能である。
【0021】
基本情報記憶部22には、サーバの配置を支援するための情報が記録される。本実施形態では、重量算出情報、サーバ構成情報が記録される。
重量算出情報は、総定格電力から総重量を算出するための情報である。本実施形態では、重量算出情報として、総定格電力の容量範囲毎に、サーバの総重量が記録されたテーブルを用いる。
【0022】
サーバ構成情報は、サーバの種類に応じて、重量が異なるサーバラックの構成割合を算出するための情報である。例えば、サーバラックとして、複数の種類のサーバ(高密度サーバ、中密度サーバ、低密度サーバ)を用いる場合を想定する。中密度サーバは、高密度サーバより軽く、低密度サーバは中密度サーバより更に軽い。本実施形態では、高密度サーバは重量が重い第1サーバとして機能するとともに、中密度サーバ、低密度サーバが第2サーバとして機能する。この場合、データセンタのサーバ構成情報としては、高密度サーバ、中密度サーバ、低密度サーバの種類に応じた構成比率(n1:n2:n3)が記録されているテーブルを用いる。
【0023】
データセンタ情報記憶部23には、構築予定のデータセンタに関するデータセンタ管理情報が記録される。データセンタ管理情報としては、センタ識別子、建物識別子、フロア毎の総定格電力及びサーバ数に関する情報が記録される。
【0024】
センタ識別子は、構築予定のデータセンタを特定するための識別子である。
建物識別子は、このデータセンタを構築する建物を特定するための識別子である。本実施形態では、データセンタを構築する建物として、既存建物を用いる。
【0025】
フロアは、サーバを配置する既存建物の階層である。
総定格電力は、このフロアに配置予定の各サーバで用いる電力の定格の合計値である。
サーバ数は、このフロアに配置予定のサーバ数である。
【0026】
建物情報記憶部24は、データセンタに改修する建物についての建物管理情報が記録される。この建物管理情報は、データセンタを構築する建物が登録された場合に記録される。建物管理情報には、建物識別子、フロア毎に設計図面が記録されている。
【0027】
建物識別子は、このデータセンタを構築する既存建物を特定するための識別子である。
フロアは、サーバを配置する既存建物の階層である。
設計図面には、建物の構造部材(基礎、柱、梁、床、壁等)の配置、大きさが記録されている。この設計図面を用いることにより、フロアの耐荷重を算出することができる。
【0028】
(設計処理)
次に、
図3、
図4を用いて、設計処理を説明する。
まず、支援サーバ20の制御部21は、サーバ情報の取得処理を実行する(ステップS11)。具体的には、制御部21の取得部211は、ユーザ端末10から、サーバ情報を取得する。
【0029】
本実施形態では、
図4(a)に示すように、サーバ情報として、一フロアに設置されるサーバラックL1に収納された各サーバの総定格電力GP、サーバ数GNを取得する。
【0030】
次に、支援サーバ20の制御部21は、定格電力情報から総重量の予測処理を実行する(ステップS12)。具体的には、制御部21の設計支援部212は、基本情報記憶部22に記録された重量算出情報を用いて、総定格電力GPから総重量WTを予測する。
【0031】
次に、支援サーバ20の制御部21は、各サーバ重量の予測処理を実行する(ステップS13)。具体的には、制御部21の設計支援部212は、基本情報記憶部22に記録されたサーバ構成情報から、サーバラックの種類に応じた構成比率を取得する。
【0032】
図4(b)に示すように、サーバラックとして、高密度サーバL11、中密度サーバL12、低密度サーバL13の構成比率(Rn1:Rn2:Rn3)を取得する。この場合、下記式が成立する。
【0033】
x1:x2:x3=Rn1:Rn2:Rn3
x1+x2+x3=GN
これにより、高密度サーバ、中密度サーバ、低密度サーバの台数(x1,x2,x3)を算出することができる。
【0034】
次に、設計支援部212は、基本情報記憶部22に記録されたサーバ構成情報から、高密度サーバL11、中密度サーバL12、低密度サーバL13の重量比率(Rw1:Rw2:Rw3)を取得する。この場合、下記式が成立する。
【0035】
W1:W2:W3=Rw1:Rw2:Rw3
W1・x1+W2・x2+W3・x3=WT
この式を解くことにより、高密度サーバL11、中密度サーバL12、低密度サーバL13の重量(W1,W2,W3)を算出する。
【0036】
次に、支援サーバ20の制御部21は、梁位置の特定処理を実行する(ステップS14)。具体的には、制御部21の設計支援部212は、建物情報記憶部24から、建物の構造情報を取得する。設計支援部212は、ユーザ端末10の表示装置H13に、建物の構造情報を表示する。この場合、設計者は、データセンタを構築するフロアを指定する。この場合、設計支援部212は、構造情報において、指定されたフロアの床を支持する大梁、小梁の梁位置を特定する。
【0037】
次に、支援サーバ20の制御部21は、各サーバ重量に応じてサーバ配置処理を実行する(ステップS15)。具体的には、制御部21の設計支援部212は、梁の直上の床に、高密度サーバを配置する。ここでは、高密度サーバ数が、梁数よりも少ない場合を想定する。そして、設計支援部212は、高密度サーバL11間に、中密度サーバL12、低密度サーバL13を配置したサーバ配置のレイアウトを生成する。ここで、サーバラックの規格化されたサイズ(例えば、19インチ)を用いる。中密度サーバL12、低密度サーバL13が高密度サーバL11間に納まり、高密度サーバL11が梁の直上にかかるように、サーバ間の間隔を調整して再配置する。
【0038】
次に、支援サーバ20の制御部21は、梁位置に応じて耐荷重の計算処理を実行する(ステップS16)。具体的には、制御部21の設計支援部212は、高密度サーバ、中密度サーバ、低密度サーバの重量、配置に応じて、各サーバの重量が各梁に伝達される場合に、床の必要な耐荷重を算出する。
【0039】
次に、支援サーバ20の制御部21は、必要に応じて補強処理を実行する(ステップS17)。具体的には、制御部21の設計支援部212は、建物情報記憶部24に記録された建物の構造情報に応じて、既存建物の床の許容荷重を取得する。そして、設計支援部212は、算出した耐荷重と許容荷重とを比較する。耐荷重が許容荷重を越えている場合には、設計支援部212は、床補強の提案を出力する。
図4(c)に示すように、梁b1間の床b2の補強として、梁b1を架け渡す架台12を用いることができる。
【0040】
そして、設計処理によって決められた高密度サーバ、中密度サーバ、低密度サーバの配置に応じて、既存建物にデータセンタを構築する。この場合、データセンタで用いる各種サーバを、その種類に応じて、高密度サーバ、中密度サーバ、低密度サーバに分類して、高密度サーバ、中密度サーバ、低密度サーバのレイアウトに従って配置する。
【0041】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、定格電力情報から総重量の予測処理を実行する(ステップS12)。この場合、基本情報記憶部22に記録される重量算出情報を用いる。サーバラックは、定格電力に応じて重くなる。これにより、重量算出情報を用いて、データセンタで用いられるサーバの総定格電力から総重量を予測することができる。
【0042】
(2)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、各サーバ重量の予測処理を実行する(ステップS13)。この場合、基本情報記憶部22に記録されるサーバ構成情報を用いる。データセンタで用いられるサーバの種類は、ある程度決まっている。このため、データセンタに配置されるサーバの種類の構成比も、統計的に所定範囲内で決めることができる。そこで、サーバ構成情報を用いて、重量がある高密度サーバ~軽量の低密度サーバの重量を予測することができる。
【0043】
(3)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、梁位置の特定処理(ステップS14)、各サーバ重量に応じてサーバ配置処理(ステップS15)を実行する。これにより、重量があるサーバを、梁上に配置して耐荷重を確保することができる。一方、軽量のサーバを梁間に配置することにより、荷重を分散することができる。
【0044】
(4)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、梁位置に応じて耐荷重の計算処理(ステップS16)、必要に応じて補強処理(ステップS17)を実行する。これにより、サーバの種類に応じて配置されたサーバラックによるフロアの耐荷重を考慮して、補強の要否を判断することができる。
【0045】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、ユーザ端末10、支援サーバ20を用いて、配置支援方法を実行した。人手作業により、ステップS11~S17を行なってもよい。
・上記実施形態では、複数の第1サーバの間に、複数の第2サーバを配置する。
図4(c)では、第1サーバ(高密度サーバL11)の間に、2台の第2サーバ(中密度サーバL12、低密度サーバL13)を配置した。第1サーバの間に第2サーバを配置できれば、第1サーバ間の第2サーバの台数は限定されない。
【0046】
・上記実施形態では、サーバラックの種類として高密度サーバ、中密度サーバ、低密度サーバを想定したが、種類は3種類に限定されるものではない。複数種類であれば、2種類や4種類以上を用いてもよい。この場合には、種類に応じた重量算出情報、サーバ構成情報を基本情報記憶部22に記録しておく。そして、重量が重い複数の第1サーバの間に、軽い一又は複数の第2サーバを配置する。
【0047】
・上記実施形態では、ユーザ端末10及び支援サーバ20を用いる。ハードウェア構成は、これに限定されるものではない。例えば、ユーザ端末10に、制御部21、基本情報記憶部22、データセンタ情報記憶部23、建物情報記憶部24を設けて、ユーザ端末10において設計処理を実行するようにしてもよい。
【0048】
・上記実施形態では、既存建物においてデータセンタを構築する場合を想定した。新築ビルの一部にデータセンタを構築する場合のサーバの配置に適用してもよい。
・上記実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、各サーバ重量に応じてサーバ配置処理を実行する(ステップS15)。ここで、建物の構造計算により、サーバを設置するフロアの耐荷重分布(耐荷重マップ)を算出してもよい。そして、耐荷重マップを用いて、耐荷重が高い領域に高密度サーバを優先的に配置し、耐荷重が低い領域に、中密度サーバ、低密度サーバを分配する。更に、耐荷重マップを用いて、梁位置に応じて耐荷重の計算処理(ステップS16)、必要に応じて補強処理(ステップS17)を実行する。また、支援サーバ20の制御部21が、サーバ配置処理(ステップS15)、補強処理(ステップS17)を繰り返すことにより、総重量に対して、必要最小限の補強、レイアウトを算出するようにしてもよい。
【0049】
・上記実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、各サーバ重量の予測処理を実行する(ステップS13)。高密度サーバ、中密度サーバ、低密度サーバの重量が想定できる場合、総重量WT、サーバ構成比率から、各サーバの台数を算出してもよい。例えば、高密度サーバ、中密度サーバ、低密度サーバを、それぞれ重量(W1、W2、W3)、台数(x1,x2,x3)とする。
x1:x2:x3=Rn1:Rn2:Rn3
W1・x1+W2・x2+W3・x3=WT
【0050】
この場合、下記式により、台数(x1,x2,x3)を算出する。
x1=α・Rn1
x2=α・Rn2
x3=α・Rn3
α=WT/(W1・Rn1+W2・Rn2+W3・Rn3)
なお、台数(x1,x2,x3)の小数点以下は切り捨てる。
これにより、重い第1サーバ、軽い第2サーバの重量が想定できる場合、総重量WT、サーバ構成比率から、各サーバの台数を算出することができる。そして、この台数を、第1サーバ間に第2サーバに配置して、耐荷重を考慮したレイアウトを実現できる。
【符号の説明】
【0051】
A1…配置支援システム、L11…高密度サーバ、L12…中密度サーバ、L13…低密度サーバ、10…ユーザ端末、20…支援サーバ、21…制御部、211…取得部、212…設計支援部、22…基本情報記憶部、23…データセンタ情報記憶部、24…建物情報記憶部。