(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012733
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】コンテンツ生成装置、コンテンツ生成方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20230119BHJP
G08G 1/0968 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/0968 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116380
(22)【出願日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】飯澤 高志
(72)【発明者】
【氏名】倉持 敬太
(72)【発明者】
【氏名】山中 敦博
(72)【発明者】
【氏名】永田 英記
(72)【発明者】
【氏名】田中 一聡
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB20
2F129BB22
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE78
2F129FF20
2F129FF62
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH02
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC02
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181FF05
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF25
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】車両の搭乗者に対して案内を行うためのコンテンツとして、搭乗者の視点を考慮したコンテンツを出力することが可能なコンテンツ出力装置等を提供する。
【解決手段】コンテンツ生成装置は、情報取得部と、コンテンツ生成部と、を備える。情報取得部は、車両から車両の周辺を撮影した画像と、車両の運転状況に係る情報である運転状況情報と、を取得する。コンテンツ生成部は、画像に特徴的な被写体が含まれている場合に、画像に基づき、運転状況情報に応じた案内を行うために用いられるコンテンツである案内用コンテンツを生成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から前記車両の周辺を撮影した画像と、前記車両の運転状況に係る情報である運転状況情報と、を取得する情報取得部と、
前記画像に特徴的な被写体が含まれている場合に、前記画像に基づき、前記運転状況情報に応じた案内を行うために用いられるコンテンツである案内用コンテンツを生成するコンテンツ生成部と、
を備えるコンテンツ生成装置。
【請求項2】
前記運転状況情報には、前記画像が撮影された際の前記車両の位置に係る情報である位置情報、前記画像が撮影された際の時刻に係る情報である時刻情報、及び、前記画像が撮影された際の撮影方向に係る情報である撮影方向情報のうちの少なくとも1つが含まれている請求項1に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項3】
前記撮影方向情報には、前記車両に設けられた車外カメラの向きに対応する方向を示す情報、前記車両の方位を示す情報、及び、前記車外カメラの画角内の方向を示す情報のうちの少なくとも1つが含まれている請求項2に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項4】
前記コンテンツ生成部は、前記運転状況情報に含まれる前記位置情報及び前記撮影方向情報に基づき、前記画像が他の画像の撮影状況と同様の撮影状況で撮影されたことを検知した場合に、前記案内用コンテンツを生成するための処理を行う代わりに、前記案内用コンテンツとして生成済のコンテンツを取得するための処理を行う請求項2または3に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項5】
前記コンテンツ生成部は、前記案内用コンテンツとして生成した生成済のコンテンツと、前記生成済のコンテンツの生成時に用いた前記運転状況情報と、前記画像と、を関連付けた情報である生成済コンテンツ情報を記憶部に記憶させる請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコンテンツ生成装置。
【請求項6】
車両から前記車両の周辺を撮影した画像と、前記車両の運転状況に係る情報である運転状況情報と、を取得し、
前記画像に特徴的な被写体が含まれている場合に、前記画像に基づき、前記運転状況情報に応じた案内を行うために用いられるコンテンツである案内用コンテンツを生成するコンテンツ生成方法。
【請求項7】
コンピュータを備えるコンテンツ生成装置により実行されるプログラムであって、
車両から前記車両の周辺を撮影した画像と、前記車両の運転状況に係る情報である運転状況情報と、を取得する情報取得部、及び、
前記画像に特徴的な被写体が含まれている場合に、前記画像に基づき、前記運転状況情報に応じた案内を行うために用いられるコンテンツである案内用コンテンツを生成するコンテンツ生成部として前記コンピュータを機能させるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内用コンテンツの出力において利用可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに対して案内を行うための案内用コンテンツとして、現在位置の周辺のランドマーク、及び、現在位置から目的地までの経路等のコンテンツを出力するための技術が従来知られている。
【0003】
具体的には、例えば、特許文献1には、車両の運転者に対して目的地までの誘導経路を案内するナビゲーション装置において、当該運転者の過誤により当該誘導経路からの逸脱が発生した交差点と同一のまたは類似する交差点がある場合に、当該交差点についての案内を強調する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記の案内用コンテンツとして、現在位置の周辺のランドマークに係るコンテンツを車両の運転時に出力する場合には、当該車両の搭乗者からの当該ランドマークの見え方を考慮することなく当該コンテンツが出力されてしまう、という問題点が生じ得る。
【0006】
しかし、特許文献1には、上記の案内用コンテンツの出力に係る問題点を解消可能な手法について特に開示等されていない。そのため、特許文献1に開示された構成によれば、前述の問題点に応じた課題が依然として存在している。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、車両の搭乗者に対して案内を行うためのコンテンツとして、当該搭乗者の視点を考慮したコンテンツを出力することが可能なコンテンツ生成装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項に記載の発明は、コンテンツ生成装置であって、車両から前記車両の周辺を撮影した画像と、前記車両の運転状況に係る情報である運転状況情報と、を取得する情報取得部と、前記画像に特徴的な被写体が含まれている場合に、前記画像に基づき、前記運転状況情報に応じた案内を行うために用いられるコンテンツである案内用コンテンツを生成するコンテンツ生成部と、を備える。
【0009】
また、請求項に記載の発明は、コンテンツ生成方法であって、車両から前記車両の周辺を撮影した画像と、前記車両の運転状況に係る情報である運転状況情報と、を取得し、前記画像に特徴的な被写体が含まれている場合に、前記画像に基づき、前記運転状況情報に応じた案内を行うために用いられるコンテンツである案内用コンテンツを生成する。
【0010】
また、請求項に記載の発明は、コンピュータを備えるコンテンツ生成装置により実行されるプログラムであって、車両から前記車両の周辺を撮影した画像と、前記車両の運転状況に係る情報である運転状況情報と、を取得する情報取得部、及び、前記画像に特徴的な被写体が含まれている場合に、前記画像に基づき、前記運転状況情報に応じた案内を行うために用いられるコンテンツである案内用コンテンツを生成するコンテンツ生成部として前記コンピュータを機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例に係る音声出力システムの構成例を示す図。
【
図4】サーバ装置において行われる処理を説明するためのフローチャート。
【
図5】サーバ装置において行われる処理の変形例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の1つの好適な実施形態では、コンテンツ生成装置は、車両から前記車両の周辺を撮影した画像と、前記車両の運転状況に係る情報である運転状況情報と、を取得する情報取得部と、前記画像に特徴的な被写体が含まれている場合に、前記画像に基づき、前記運転状況情報に応じた案内を行うために用いられるコンテンツである案内用コンテンツを生成するコンテンツ生成部と、を備える。
【0013】
上記のコンテンツ生成装置は、情報取得部と、コンテンツ生成部と、を備える。情報取得部は、車両から前記車両の周辺を撮影した画像と、前記車両の運転状況に係る情報である運転状況情報と、を取得する。コンテンツ生成部は、前記画像に特徴的な被写体が含まれている場合に、前記画像に基づき、前記運転状況情報に応じた案内を行うために用いられるコンテンツである案内用コンテンツを生成する。これにより、車両の搭乗者に対して案内を行うためのコンテンツとして、当該搭乗者の視点を考慮したコンテンツを出力することができる。
【0014】
上記のコンテンツ生成装置の一態様では、前記運転状況情報には、前記画像が撮影された際の前記車両の位置に係る情報である位置情報、前記画像が撮影された際の時刻に係る情報である時刻情報、及び、前記画像が撮影された際の撮影方向に係る情報である撮影方向情報のうちの少なくとも1つが含まれている。
【0015】
上記のコンテンツ生成装置の一態様では、前記撮影方向情報には、前記車両に設けられた車外カメラの向きに対応する方向を示す情報、前記車両の方位を示す情報、及び、前記車外カメラの画角内の方向を示す情報のうちの少なくとも1つが含まれている。
【0016】
上記のコンテンツ生成装置の一態様では、前記コンテンツ生成部は、前記運転状況情報に含まれる前記位置情報及び前記撮影方向情報に基づき、前記画像が他の画像の撮影状況と同様の撮影状況で撮影されたことを検知した場合に、前記案内用コンテンツを生成するための処理を行う代わりに、前記案内用コンテンツとして生成済のコンテンツを取得するための処理を行う。
【0017】
上記のコンテンツ生成装置の一態様では、前記コンテンツ生成部は、前記案内用コンテンツとして生成した生成済のコンテンツと、前記生成済のコンテンツの生成時に用いた前記運転状況情報と、前記画像と、を関連付けた情報である生成済コンテンツ情報を記憶部に記憶させる。
【0018】
本発明の他の実施形態では、コンテンツ出力方法は、車両から前記車両の周辺を撮影した画像と、前記車両の運転状況に係る情報である運転状況情報と、を取得し、前記画像に特徴的な被写体が含まれている場合に、前記画像に基づき、前記運転状況情報に応じた案内を行うために用いられるコンテンツである案内用コンテンツを生成する。これにより、車両の搭乗者に対して案内を行うためのコンテンツとして、当該搭乗者の視点を考慮したコンテンツを出力することができる。
【0019】
本発明のさらに他の実施形態では、コンピュータを備えるコンテンツ生成装置により実行されるプログラムは、車両から前記車両の周辺を撮影した画像と、前記車両の運転状況に係る情報である運転状況情報と、を取得する情報取得部、及び、前記画像に特徴的な被写体が含まれている場合に、前記画像に基づき、前記運転状況情報に応じた案内を行うために用いられるコンテンツである案内用コンテンツを生成するコンテンツ生成部として前記コンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記のコンテンツ生成装置を実現することができる。このプログラムは記憶媒体に記憶して使用することができる。
【実施例0020】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0021】
[システム構成]
(全体構成)
図1は、実施例に係る音声出力システムの構成例を示す図である。本実施例に係る音声出力システム1は、音声出力装置100と、サーバ装置200とを有する。音声出力装置100は、車両Veに搭載される。サーバ装置200は、複数の車両Veに搭載された複数の音声出力装置100と通信する。
【0022】
音声出力装置100は、基本的に車両Veの搭乗者であるユーザに対して、経路探索処理や経路案内処理などを行う。例えば、音声出力装置100は、ユーザにより目的地等が入力されると、車両Veの位置情報や指定された目的地に関する情報などを含むアップロード信号S1をサーバ装置200に送信する。サーバ装置200は、地図データを参照して目的地までの経路を算出し、目的地までの経路を示す制御信号S2を音声出力装置100へ送信する。音声出力装置100は、受信した制御信号S2に基づいて、音声出力によりユーザに対する経路案内を行う。
【0023】
また、音声出力装置100は、ユーザとの対話により各種の情報をユーザに提供する。例えば、音声出力装置100は、ユーザが情報要求を行うと、その情報要求の内容又は種類を示す情報、及び、車両Veの走行状態に関する情報などを含むアップロード信号S1をサーバ装置200に供給する。サーバ装置200は、ユーザが要求する情報を取得、生成し、制御信号S2として音声出力装置100へ送信する。音声出力装置100は、受信した情報を、音声出力によりユーザに提供する。
【0024】
(音声出力装置)
音声出力装置100は、車両Veと共に移動し、案内経路に沿って車両Veが走行するように、音声を主とした経路案内を行う。なお、「音声を主とした経路案内」は、案内経路に沿って車両Veを運転するために必要な情報をユーザが少なくとも音声のみから把握可能な経路案内を指し、音声出力装置100が現在位置周辺の地図などを補助的に表示することを除外するものではない。本実施例では、音声出力装置100は、少なくとも、案内が必要な経路上の地点(「案内地点」とも呼ぶ。)など、運転に係る様々な情報を音声により出力する。ここで、案内地点は、例えば車両Veの右左折を伴う交差点、その他、案内経路に沿って車両Veが走行するために重要な通過地点が該当する。音声出力装置100は、例えば、車両Veから次の案内地点までの距離、当該案内地点での進行方向などの案内地点に関する音声案内を行う。以後では、案内経路に対する案内に関する音声を「経路音声案内」とも呼ぶ。
【0025】
音声出力装置100は、例えば車両Veのフロントガラスの上部、又は、ダッシュボード上などに取り付けられる。なお、音声出力装置100は、車両Veに組み込まれてもよい。
【0026】
図2は、音声出力装置100の概略構成を示すブロック図である。音声出力装置100は、主に、通信部111と、記憶部112と、入力部113と、制御部114と、センサ群115と、表示部116と、マイク117と、スピーカ118と、車外カメラ119と、車内カメラ120と、を有する。音声出力装置100内の各要素は、バスライン110を介して相互に接続されている。
【0027】
通信部111は、制御部114の制御に基づき、サーバ装置200とのデータ通信を行う。通信部111は、例えば、後述する地
図DB(DataBase)4を更新するための地図データをサーバ装置200から受信してもよい。
【0028】
記憶部112は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ(ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含む)などの各種のメモリにより構成される。記憶部112には、音声出力装置100が所定の処理を実行するためのプログラムが記憶される。上述のプログラムは、経路案内を音声により行うためのアプリケーションプログラム、音楽を再生するためのアプリケーションプログラム、音楽以外のコンテンツ(テレビ等)を出力するためのアプリケーションプログラムなどを含んでもよい。また、記憶部112は、制御部114の作業メモリとしても使用される。なお、音声出力装置100が実行するプログラムは、記憶部112以外の記憶媒体に記憶されてもよい。
【0029】
また、記憶部112は、地図データベース(以下、データベースを「DB」と記す。)4を記憶する。地
図DB4には、経路案内に必要な種々のデータが記録されている。地
図DB4は、例えば、道路網をノードとリンクの組合せにより表した道路データ、及び、目的地、立寄地、又はランドマークの候補となる施設を示す施設データなどを記憶している。地
図DB4は、制御部114の制御に基づき、通信部111が地図管理サーバから受信する地図情報に基づき更新されてもよい。
【0030】
入力部113は、ユーザが操作するためのボタン、タッチパネル、リモートコントローラ等である。表示部116は、制御部114の制御に基づき表示を行うディスプレイ等である。マイク117は、車両Veの車内の音声、特に運転手の発話などを集音する。スピーカ118は、運転手などに対して、経路案内のための音声を出力する。
【0031】
センサ群115は、外界センサ121と、内界センサ122とを含む。外界センサ121は、例えば、ライダ、レーダ、超音波センサ、赤外線センサ、ソナーなどの車両Veの周辺環境を認識するための1又は複数のセンサである。内界センサ122は、車両Veの測位を行うセンサであり、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、ジャイロセンサ、IMU(Inertial Measurement Unit)、車速センサ、又はこれらの組合せである。なお、センサ群115は、制御部114がセンサ群115の出力から車両Veの位置を直接的に又は間接的に(即ち推定処理を行うことによって)導出可能なセンサを有していればよい。
【0032】
車外カメラ119は、車両Veの外部を撮影するカメラである。車外カメラ119は、車両の前方を撮影するフロントカメラのみでもよく、フロントカメラに加えて車両の後方を撮影するリアカメラを含んでもよく、車両Veの全周囲を撮影可能な全方位カメラであってもよい。一方、車内カメラ120は、車両Veの車内の様子を撮影するカメラであり、少なくとも運転席周辺を撮影可能な位置に設けられる。
【0033】
制御部114は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などを含み、音声出力装置100の全体を制御する。例えば、制御部114は、センサ群115の1又は複数のセンサの出力に基づき、車両Veの位置(進行方向の向きも含む)を推定する。また、制御部114は、入力部113又はマイク117により目的地が指定された場合に、当該目的地までの経路である案内経路を示す経路情報を生成し、当該経路情報と推定した車両Veの位置情報と地
図DB4とに基づき、経路案内を行う。この場合、制御部114は、経路音声案内をスピーカ118から出力させる。また、制御部114は、表示部116を制御することで、再生中の音楽の情報、映像コンテンツ、又は現在位置周辺の地図などの表示を行う。
【0034】
なお、制御部114が実行する処理は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、制御部114が実行する処理は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、制御部114が本実施例において実行するプログラムを実現してもよい。このように、制御部114は、プロセッサ以外のハードウェアにより実現されてもよい。
【0035】
図2に示す音声出力装置100の構成は一例であり、
図2に示す構成に対して種々の変更がなされてもよい。例えば、地
図DB4を記憶部12が記憶する代わりに、制御部114が通信部111を介して経路案内に必要な情報をサーバ装置200から受信してもよい。他の例では、音声出力装置100は、スピーカ118を備える代わりに、音声出力装置100とは別体に構成された音声出力部と電気的に又は公知の通信手段によって接続することで、当該音声出力部から音声を出力させてもよい。この場合、音声出力部は、車両Veに備えられたスピーカであってもよい。さらに別の例では、音声出力装置100は、表示部116を備えなくともよい。この場合、音声出力装置100は、表示に関する制御を全く行わなくともよく、有線又は無線により、車両Ve等に備えられた表示部と電気的に接続することで、当該表示部に所定の表示を実行させてもよい。同様に、音声出力装置100は、センサ群115を備える代わりに、車両Veに備え付けられたセンサが出力する情報を、車両VeからCAN(Controller Area Network)などの通信プロトコルに基づき取得してもよい。
【0036】
(サーバ装置)
サーバ装置200は、音声出力装置100から受信する目的地等を含むアップロード信号S1に基づき、車両Veが走行すべき案内経路を示す経路情報を生成する。そして、サーバ装置200は、その後に音声出力装置100が送信するアップロード信号S1が示すユーザの情報要求及び車両Veの走行状態に基づき、ユーザの情報要求に対する情報出力に関する制御信号S2を生成する。そして、サーバ装置200は、生成した制御信号S2を、音声出力装置100に送信する。
【0037】
さらに、サーバ装置200は、車両Veのユーザに対する情報提供やユーザとの対話を行うためのコンテンツを生成し、音声出力装置100に送信する。ユーザに対する情報提供は、主として車両Veが所定の運転状況になったこと、または、当該車両Veから当該車両Veの周辺を撮影した画像(当該車両Veの周辺の画像)に特徴的な被写体が含まれていることをトリガとしてサーバ装置200側から開始するプッシュ型の情報提供である。また、ユーザとの対話は、基本的にユーザからの質問や問いかけから開始するプル型の対話である。但し、ユーザとの対話は、プッシュ型のコンテンツ提供から開始する場合もある。
【0038】
図3は、サーバ装置200の概略構成の一例を示す図である。サーバ装置200は、主に、通信部211と、記憶部212と、制御部214とを有する。サーバ装置200内の各要素は、バスライン210を介して相互に接続されている。
【0039】
通信部211は、制御部214の制御に基づき、音声出力装置100などの外部装置とのデータ通信を行う。記憶部212は、RAM、ROM、不揮発性メモリ(ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含む)などの各種のメモリにより構成される。記憶部212は、サーバ装置200が所定の処理を実行するためのプログラムが記憶される。また、記憶部212は、地
図DB4を含んでいる。
【0040】
制御部214は、CPU、GPUなどを含み、サーバ装置200の全体を制御する。また、制御部214は、記憶部212に記憶されたプログラムを実行することで、音声出力装置100とともに動作し、ユーザに対する経路案内処理や情報提供処理などを実行する。例えば、制御部214は、音声出力装置100から通信部211を介して受信するアップロード信号S1に基づき、案内経路を示す経路情報、又は、ユーザの情報要求に対する情報出力に関する制御信号S2を生成する。そして、制御部214は、生成した制御信号S2を、通信部211により音声出力装置100に送信する
【0041】
[プッシュ型のコンテンツ提供]
次に、プッシュ型のコンテンツ提供について説明する。プッシュ型のコンテンツ提供とは、音声出力装置100が、車両Veの周辺の画像と、車両Veの運転状況と、に基づき、ユーザに対してその運転状況に応じたコンテンツを音声出力することをいう。具体的に、音声出力装置100は、車外カメラ119により撮影された車両Veの周辺の画像と、車両Veの運転状況を示す運転状況情報と、を取得し、サーバ装置200へ送信する。サーバ装置200は、車両Veに搭載された音声出力装置100から受信した画像に特徴的な被写体が含まれる場合、当該画像に基づき、音声出力装置100から受信した運転状況情報に応じた案内を行うためのスクリプトを生成して音声出力装置100へ送信する。音声出力装置100は、サーバ装置200から受信した出力用コンテンツを音声出力する。こうして、車両Veの周辺の画像と、当該車両Veの運転状況と、に対応するコンテンツがユーザに対して音声出力される。
【0042】
車両Veの周辺の画像は、静止画像または動画像のいずれであってもよい。また、車両Veの周辺の画像は、当該車両Veの搭乗者からの指示に応じて撮影された画像であってもよく、または、当該車両Veの運転中に自動的に(当該搭乗者からの指示によらずに)撮影された画像であってもよい。
【0043】
運転状況情報には、車両Veの周辺の画像が撮影された際の当該車両Veの位置に係る情報である位置情報、当該画像が撮影された際の時刻に係る情報である時刻情報、及び、当該画像が撮影された際の撮影方向に係る情報である撮影方向情報のうちの少なくとも1つが含まれている。なお、運転状況情報には、例えば、車両Veの位置の周辺の交通情報(速度規制並びに渋滞情報等を含む)及び目的地等のような、音声出力装置100の各部の機能に基づいて取得可能な少なくとも1つの情報がさらに含まれていてもよい。また、運転状況情報には、マイク117により得られた音声(ユーザの発話を除く)、及び、車内カメラ120により撮影された画像のうちのいずれかがさらに含まれていてもよい。また、運転状況情報には、通信部111を通じてサーバ装置200から受信した情報がさらに含まれていてもよい。
【0044】
撮影方向情報には、例えば、車両Veの進行方向、当該車両Veの横方向、及び、当該車両Veの後ろ方向等のような、車外カメラ119の向きに対応する方向を示す情報を含めることができる。また、撮影方向情報には、車両Veの方位を示す情報を含めることができる。また、撮影方向情報には、車両Veの正面、当該車両Veの右前方、当該車両Veの左前方等のような、車外カメラ119の画角内の方向を示す情報を含めることができる。
【0045】
[案内用コンテンツの生成方法の具体例]
本実施例においては、例えば、東京タワー、富士山、及び、桜並木等のようなランドマークを、車両Veの周辺の画像に含まれる特徴的な被写体として設定することができる。サーバ装置200の制御部214は、音声出力装置100から送信された画像を分析し、その画像に含まれる特徴的な被写体を検出する。例えば、制御部214は、AI(Artificial Intelligence)を用いた物体認識を行い、画像に含まれる特徴的な物体を特徴的な被写体として抽出することができる。
【0046】
なお、制御部214は、画像の分析結果に加えて、運転状況情報を用いて特徴的な被写体を特定してもよい。例えば、制御部214は、画像の分析によりその画像にタワーが映っていることを検出し、かつ、運転状況情報に含まれる位置情報に基づき車両Veが東京タワーの近くにいると判定した場合、そのタワーを東京タワーと特定することができる。また、制御部214は、画像の分析によりその画像に山が映っていることを検出し、かつ、運転状況情報の撮影方向情報に基づきその画像が富士山の方向を撮影した画像であると判定した場合、その山を富士山と特定することができる。
【0047】
例えば、車両Veの周辺の画像に東京タワー並びにビル群が含まれており、かつ、当該車両Veから受信した運転状況情報に含まれる撮影方向情報が当該車両Veの正面を示している場合に、サーバ装置200は、当該画像に基づき、当該撮影方向情報に応じた案内を行うためのスクリプトSC11として、「東京タワーがビルの間から正面に見えます。」を生成する。そして、サーバ装置200は、スクリプトSC11を案内用コンテンツとして音声出力装置100へ送信する。こうして、スクリプトSC11がユーザに対して音声出力される。
【0048】
なお、本実施例によれば、例えば、車両Veの周辺の画像に東京タワーが含まれておらず、当該画像にビル群が含まれており、かつ、当該車両Veから受信した運転状況情報に含まれる位置情報が東京タワーの近辺の位置を示している場合に、サーバ装置200は、「この位置からでは東京タワーが見えないですね。」というスクリプトを生成することができる。
【0049】
例えば、車両Veの周辺の画像に富士山が含まれており、当該車両Veから受信した運転状況情報に含まれる位置情報が富士山を目視で視認可能なエリア内の位置を示しており、かつ、当該運転状況情報に含まれる撮影方向情報が当該車両Veの正面を示している場合に、サーバ装置200は、当該画像に基づき、当該位置情報及び当該撮影方向情報に応じた案内を行うためのスクリプトSC12として、「富士山が正面に一望できます。」を生成する。そして、サーバ装置200は、スクリプトSC12を案内用コンテンツとして音声出力装置100へ送信する。こうして、スクリプトSC12がユーザに対して音声出力される。
【0050】
例えば、車両Veの周辺の画像に開花前の桜並木が含まれており、かつ、当該車両Veから受信した運転状況情報に含まれる時刻情報が4月以外の月を示している場合に、サーバ装置200は、当該画像に基づき、当該時刻情報に応じた案内を行うためのスクリプトSC13として、「ここの道は4月になると桜が満開になりますよ。」を生成する。そして、サーバ装置200は、スクリプトSC13を案内用コンテンツとして音声出力装置100へ送信する。こうして、スクリプトSC13がユーザに対して音声出力される。
【0051】
(処理フロー)
図4は、サーバ装置において行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【0052】
まず、制御部114は、車外カメラ119により撮影された車両Veの周辺の画像を取得し、サーバ装置200へ送信する。サーバ装置200は、音声出力装置100から送信された画像を取得する(ステップS11)。
【0053】
次に、制御部114は、ステップS11において画像を取得した際の車両Veの運転状況に係る情報である運転状況情報を取得し、サーバ装置200へ送信する。サーバ装置200は、音声出力装置100から送信された運転状況情報を取得する(ステップS12)。
【0054】
制御部214は、ステップS11において取得した画像を分析することにより、当該画像に特徴的な被写体が含まれているか否かを判定する(ステップS13)。
【0055】
制御部214は、ステップS11において取得した画像に特徴的な被写体が含まれていないと判定した場合(ステップS13:NO)には、ステップS14以降の処理を行わずに処理を終了する。
【0056】
制御部214は、ステップS11において取得した画像に特徴的な被写体が含まれていると判定した場合(ステップS13:YES)には、当該画像に基づき、ステップS12において取得した運転状況情報に応じた案内を行うためのスクリプトを生成する(ステップS14)。
【0057】
次に、制御部214は、ステップS14において生成したスクリプトに係る情報である生成済コンテンツ情報を記憶部212に記憶させるための処理を行う(ステップS15)。
【0058】
前述の生成済コンテンツ情報には、ステップS14において生成されたスクリプトと、当該スクリプトの生成時に用いられた運転状況情報と、当該運転状況情報とともに取得された画像と、が含まれている。すなわち、ステップS15の処理によれば、ステップS14において生成されたスクリプトに相当する生成済の案内用コンテンツと、当該生成済の案内用コンテンツの生成時に用いられた運転状況情報と、当該運転状況情報とともに取得された画像と、を関連付けた情報が生成済コンテンツ情報として記憶部212に記憶される。
【0059】
次に、制御部214は、ステップS14において生成したスクリプトを案内用コンテンツとして取得し、当該取得した案内用コンテンツを音声出力装置100へ送信する(ステップS16)。こうして、サーバ装置200によるコンテンツの生成は終了する。音声出力装置100は、サーバ装置200から受信したコンテンツを、車両Veの搭乗者に対して音声出力する。
【0060】
本実施例によれば、サーバ装置200がコンテンツ生成装置としての機能を有し、制御部214が情報取得部及びコンテンツ生成部としての機能を有する。
【0061】
なお、本実施例においては、
図4の各処理のうちの少なくとも一部の処理が制御部114において行われるものであってもよい。
【0062】
すなわち、本実施例によれば、音声出力装置100がコンテンツ生成装置としての機能を有していてもよく、さらに、制御部114が情報取得部及びコンテンツ生成部としての機能を有していてもよい。
【0063】
以上に述べたように、本実施例によれば、画像に特徴的な被写体が含まれている場合に、当該画像に基づき、当該画像を取得した際の車両の運転状況に係る情報である運転状況情報に応じた案内を行うための案内用コンテンツを生成することができる。そのため、本実施例によれば、車両の搭乗者に対して案内を行うためのコンテンツとして、当該搭乗者の視点を考慮したコンテンツを出力することができる。
【0064】
(変形例)
以下、上記の実施例に対する変形例を説明する。
図5は、サーバ装置において行われる処理の変形例を説明するための図である。
【0065】
変形例によれば、ステップS14に示したスクリプトの生成に係る処理の代わりに、例えば、記憶部212に記憶されている生成済コンテンツ情報に含まれる生成済のスクリプトの中から、車両Veの運転状況情報に応じたスクリプトを取得するための処理が行われるものであってもよい。このような処理の具体例について以下に述べる。
【0066】
制御部214は、記憶部212に記憶されている生成済コンテンツ情報を参照することにより、ステップS12において得られた運転状況情報に対応する生成済のスクリプトがあるか否かを判定する(ステップS21)。
【0067】
制御部214は、ステップS12において得られた運転状況情報に対応する生成済のスクリプトがないと判定した場合(ステップS21:NO)には、ステップS13の処理を行う。また、制御部214は、ステップS12において得られた運転状況情報に対応する生成済のスクリプトがあると判定した場合(ステップS21:YES)には、当該生成済のスクリプトを取得した(ステップS22)後、ステップS16の処理を行う。
【0068】
具体的には、制御部214は、ステップS12において得られた運転状況情報に含まれている位置情報及び撮影方向情報に基づき、ステップS11において得られた画像が、生成済コンテンツ情報に含まれる他の画像の撮影状況と同様の撮影状況(例えば同じ撮影位置かつ同じ撮影方向)で撮影されたか否かを検知する。そして、制御部214は、ステップS11において得られた画像が、生成済コンテンツ情報に含まれる他の画像の撮影状況と同様の撮影状況で撮影されていないことを検知した場合には、ステップS12において得られた運転状況情報に対応する生成済のスクリプトがないと判定し、ステップS13の処理を行う。また、制御部214は、ステップS11において得られた画像が、生成済コンテンツ情報に含まれる他の画像の撮影状況と同様の撮影状況で撮影されたことを検知した場合には、ステップS12において得られた運転状況情報に対応する生成済のスクリプトがあると判定し、当該生成済のスクリプトを取得した後、ステップS16の処理を行う。
【0069】
以上に述べた変形例に係る処理によれば、車両Veの周辺の画像が他の画像と同様の状況で撮影されたことが検知された場合に、案内用コンテンツを生成するための処理の代わりに、当該案内用コンテンツとして生成済のコンテンツを取得するための処理が行われる。そのため、以上に述べた変形例に係る処理によれば、例えば、スクリプトの生成に係る処理により生じるサーバ装置200の負荷を軽減することができる。
【0070】
なお、上述した各実施例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータである制御部等に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記憶媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記憶媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。
【0071】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。