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特開2023-127356情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127356
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H02S 50/00 20140101AFI20230906BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20230906BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20230906BHJP
【FI】
H02S50/00
G06Q10/04
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031106
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩田 剛史
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
5L049
【Fターム(参考)】
5F151KA08
5F251KA08
5L049AA03
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】太陽光発電機器の故障を精度良く予測する。
【解決手段】情報処理装置は、太陽光を受けて電気を発電する太陽光発電機器の過去の発電量に関する発電量データと、前記太陽光発電機器が設置されている地域の気象予報に関する気象予報データと、を含む参照データを取得する参照データ取得部と、前記太陽光発電機器の過去の発電量を取得する実績発電量取得部と、前記参照データ取得部が取得した参照データに基づいて、前記太陽光発電機器の発電量を予測する発電量予測部と、前記発電量予測部が予測した発電量と、前記実績発電量取得部が取得した過去の発電量と、の差に基づいて、前記太陽光発電機器の故障を予測する故障予測部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光を受けて電気を発電する太陽光発電機器の過去の発電量に関する発電量データと、前記太陽光発電機器が設置されている地域の気象予報に関する気象予報データと、を含む参照データを取得する参照データ取得部と、
前記参照データ取得部が取得した参照データに基づいて、前記太陽光発電機器の発電量を予測する発電量予測部と、
前記発電量予測部が過去に予測した発電量に対応する前記太陽光発電機器の実績発電量を取得する実績発電量取得部と、
前記発電量予測部が過去に予測した発電量と、前記実績発電量取得部が取得した実績発電量と、の差に基づいて、前記太陽光発電機器の故障を予測する故障予測部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記参照データ取得部は、前記太陽光発電機器の電力損失に関する電力損失データを更に取得する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記発電量予測部が予測した発電量の修正が必要か否かを検証する検証部と、
前記検証部により前記発電量の修正が必要と判定された場合に前記予測した発電量を修正する修正部と、
を備えた請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記修正部は、直前の発電量に基づいて前記予測した発電量を修正する
請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが、
太陽光を受けて電気を発電する太陽光発電機器の過去の発電量に関する発電量データと、前記太陽光発電機器が設置されている地域の気象予報に関する気象予報データと、を含む参照データを取得し、
取得した参照データに基づいて、前記太陽光発電機器の発電量を予測し、
過去に予測した発電量に対応する前記太陽光発電機器の実績発電量を取得し、
過去に予測した発電量と、取得した実績発電量と、の差に基づいて、前記太陽光発電機器の故障を予測する
処理を実行する情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
太陽光を受けて電気を発電する太陽光発電機器の過去の発電量に関する発電量データと、前記太陽光発電機器が設置されている地域の気象予報に関する気象予報データと、を含む参照データを取得し、
取得した参照データに基づいて、前記太陽光発電機器の発電量を予測し、
過去に予測した発電量に対応する前記太陽光発電機器の実績発電量を取得し、
過去に予測した発電量と、取得した実績発電量と、の差に基づいて、前記太陽光発電機器の故障を予測する
処理を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、太陽光発電システムの発電量を地域別および天候別に予測する方法であって、大気透過率と直達日射強度と散乱日射強度とから求める全天日射強度と、該全天日射強度と気象台による地域別日最低気温とから求める太陽電池動作温度と、該太陽電池動作温度から求める太陽電池の動作温度発電量と、該動作温度発電量から求める直流発電量と、該直流発電量から求める交流発電量とを用い、発電量を任意の時間間隔毎に予測することを特徴とする太陽光発電システムの発電量予測方法が開示されている。
【0003】
特許文献2には、太陽光発電システム予測装置において太陽光発電システムの発電量を予測する方法であって、日射量予測式導出手段が、太陽光発電システムの設置地域において過去に観測された天気現象と、該地域において過去に計測された日射量とを基に日射量予測式を導出するステップと、日射量予測計算手段が、該地域に対する予測対象日または予測対象時間帯についての天気予報と、予測対象日の予測実施時刻前に該地域において計測された日射量とを前記日射量予測式に入力することにより、該地域における日射量を予測するステップと、発電量予測計算手段が、予測された日射量と、前記地域に対する予測対象日または予測対象時間帯についての気温予報とを、日射量と気温の情報から発電量を計算することが可能な太陽光発電システムモデルに入力することにより、前記太陽光発電システムの発電量を予測するステップとを有する太陽光発電システムの発電量予測方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-108486号公報
【特許文献2】特開2006-33908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、太陽光発電機器の故障を予測できれば、故障が発生する前に太陽光パネルを交換する等の作業を行うことによって故障を未然に防ぐことが可能となるが、従来では太陽光発電機器の故障を精度良く予測するのは困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、太陽光発電機器の故障を精度良く予測することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様の情報処理装置は、太陽光を受けて電気を発電する太陽光発電機器の過去の発電量に関する発電量データと、前記太陽光発電機器が設置されている地域の気象予報に関する気象予報データと、を含む参照データを取得する参照データ取得部と、前記参照データ取得部が取得した参照データに基づいて、前記太陽光発電機器の発電量を予測する発電量予測部と、前記発電量予測部が過去に予測した発電量に対応する前記太陽光発電機器の実績発電量を取得する実績発電量取得部と、前記発電量予測部が過去に予測した発電量と、前記実績発電量取得部が取得した実績発電量と、の差に基づいて、前記太陽光発電機器の故障を予測する故障予測部と、を備える。
【0008】
第2の態様の情報処理装置は、第1の態様の情報処理装置であって、前記参照データ取得部は、前記太陽光発電機器の電力損失に関する電力損失データを更に取得する。
【0009】
第3の態様の情報処理装置は、第1の態様又は第2の態様の情報処理装置であって、前記発電量予測部が予測した発電量の修正が必要か否かを検証する検証部と、前記検証部により前記発電量の修正が必要と判定された場合に前記予測した発電量を修正する修正部と、を備える。
【0010】
第4の態様の情報処理装置は、第3の態様の情報処理装置であって、前記修正部は、直前の発電量に基づいて前記予測した発電量を修正する。
【0011】
第5の態様の情報処理方法は、コンピュータが、太陽光を受けて電気を発電する太陽光発電機器の過去の発電量に関する発電量データと、前記太陽光発電機器が設置されている地域の気象予報に関する気象予報データと、を含む参照データを取得し、取得した参照データに基づいて、前記太陽光発電機器の発電量を予測し、過去に予測した発電量に対応する前記太陽光発電機器の実績発電量を取得し、過去に予測した発電量と、取得した実績発電量と、の差に基づいて、前記太陽光発電機器の故障を予測する処理を実行する。
【0012】
第6の態様の情報処理プログラムは、コンピュータが、太陽光を受けて電気を発電する太陽光発電機器の過去の発電量に関する発電量データと、前記太陽光発電機器が設置されている地域の気象予報に関する気象予報データと、を含む参照データを取得し、取得した参照データに基づいて、前記太陽光発電機器の発電量を予測し、過去に予測した発電量に対応する前記太陽光発電機器の実績発電量を取得し、過去に予測した発電量と、取得した実績発電量と、の差に基づいて、前記太陽光発電機器の故障を予測する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、太陽光発電機器の故障を精度良く予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】本実施形態に係る情報処理装置及び発電所端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る情報処理装置の記憶部の構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係る情報処理装置により行われる故障予測処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
【0016】
本実施形態に係る情報処理システム10は、太陽光発電機器の故障を予測するためのシステムである。
【0017】
本実施形態では、太陽光発電機器は、低圧連系の発電設備であるがこれに限定されない。つまり、太陽光発電機器は、発電所の設備容量が50kW未満である低圧連系の発電設備であってもよいし、発電所の設備容量が50kW以上である高圧連系の発電設備であってもよい。
【0018】
図1は、情報処理システム10の概略構成を示す図である。
【0019】
図1に示すように、情報処理システム10は、情報処理装置20及び複数の発電所端末30を含む。各発電所端末30には、太陽光発電機器40が接続されている。複数の発電所端末30及び太陽光発電機器40は、互いに異なる地域に設置される。
【0020】
情報処理装置20及び複数の発電所端末30は、ネットワークNを介して接続され、互いに通信可能となっている。
【0021】
情報処理装置20は、所定の事業者が保有するサーバコンピュータである。情報処理装置20は、太陽光を受けて電気を発電する太陽光発電機器40の過去の発電量に関する発電量データと、太陽光発電機器40が設置されている地域の気象予報に関する気象予報データと、を含む参照データに基づいて、太陽光発電機器40の発電量を予測し、過去に予測した発電量と、予測した発電量に対応する太陽光発電機器40の実績発電量と、の差に基づいて、太陽光発電機器40の故障を予測する。
【0022】
発電所端末30は、太陽光発電機器40が設置された発電所が保有する端末である。発電所端末30は、太陽光発電機器40の発電量データ及び電力損失データ等を情報処理装置20に送信する。
【0023】
次に、情報処理装置20及び発電所端末30のハードウェア構成を説明する。図2は、情報処理装置20及び発電所端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。なお、情報処理装置20及び発電所端末30は、基本的には一般的なコンピュータ構成であるため、情報処理装置20を代表して説明する。
【0024】
図2に示すように、情報処理装置20は、CPU21(Central Processing Unit)、ROM22(Read Only Memory)、RAM23(Random Access Memory)、記憶部24、入力部25、表示部26、及び通信部27を備えている。各構成は、バス28を介して相互に通信可能に接続されている。
【0025】
CPU21は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU21は、ROM22又は記憶部24からプログラムを読み出し、RAM23を作業領域としてプログラムを実行する。CPU21は、ROM22又は記憶部24に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0026】
ROM22は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM23は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0027】
記憶部24は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0028】
入力部25は、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、マイク、及びカメラ等を含み、各種の入力を行うために使用される。
【0029】
表示部26は、例えば、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示する。表示部26は、タッチパネル方式を採用して、入力部25として機能してもよい。
【0030】
通信部27は、他の機器と通信するためのインターフェースである。当該通信には、例えば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。
【0031】
図3は、情報処理装置20の記憶部24の構成を示すブロック図である。
【0032】
図3に示すように、記憶部24には、情報処理装置20のCPU21を後述する図4に示す機能構成として機能させるための情報処理プログラム24Aが格納されている。当該情報処理プログラム24Aを実行する際に、情報処理装置20は、図2に示すハードウェア資源を用いて、当該情報処理プログラム24Aに基づく処理を実行する。
【0033】
次に、情報処理装置20の機能構成について説明する。
【0034】
図4は、情報処理装置20の機能構成の例を示すブロック図である。
【0035】
図4に示すように、情報処理装置20のCPU21は、機能構成として、参照データ取得部21A、発電量予測部21B、実績発電量取得部21C、故障予測部21D、検証部21E、及び修正部21Fを有する。各機能構成は、CPU21が記憶部24に記憶された情報処理プログラム24Aを読み出し、実行することにより実現される。
【0036】
参照データ取得部21Aは、太陽光を受けて電気を発電する太陽光発電機器40の過去の発電量に関する発電量データと、太陽光発電機器40が設置されている地域の気象予報に関する気象予報データと、を含む参照データを取得する。参照データ取得部21Aが取得した参照データは、記憶部24に記憶される。
【0037】
また、本実施形態では、参照データ取得部21Aは、太陽光発電機器40の電力損失に関する電力損失データを更に取得する。
【0038】
過去の発電量データは、例えば故障を予測したい発電所の発電所端末30から取得する。発電所端末30は、情報処理装置20から要求された場合、太陽光発電機器40の過去の発電量データ、例えば過去10年~30年分程度の発電量データを情報処理装置20へ送信する。
【0039】
気象予報データは、太陽光発電機器40が設置されている地域の気象予報に関する情報であり、天気予報、気象注意報、及び気象警報等が含まれる。気象予報データは、例えば図示しない外部装置から取得する。外部装置は、太陽光発電機器40が設置されている地域に対応する気象予報データを情報処理装置20へ送信する。
【0040】
電力損失データは、例えば故障を予測したい発電所の発電所端末30から取得する。電力損失データは、太陽光発電機器40の発電についてどの程度の電力損失が生じるかを示すデータである。電力損失は、季節や地域毎の気象条件等によって変化する。また、太陽光発電機器40に固有の条件、例えば太陽光パネルとパワーコンディショナーとを接続するケーブルの損失等によっても変化する。このため、電力損失データには、月別の電力損失データ、年別の電力損失データ、及び太陽光発電機器40の接地環境に関する固有の電力損失がある。
【0041】
発電所端末30は、情報処理装置20から要求された場合、太陽光発電機器40の電力損失データを情報処理装置20へ送信する。
【0042】
発電量予測部21Bは、参照データ取得部21Aが取得した参照データに基づいて、太陽光発電機器40の発電量を予測する。すなわち、発電量予測部21Bは、参照データ取得部21Aが取得した過去の発電量データと、気象予報データと、電力損失データと、に基づいて、所定の予測時期における太陽光発電機器40の発電量を予測する。予測時期は、例えば翌日以降の日単位、月単位としてもよいし、30分後、1時間後等の時間単位としてもよい。
【0043】
具体的には、例えば過去の発電量データと、気象予報データと、電力損失データと、予測時期と、を入力すると、予測時期における予測発電量を出力する学習モデルを機械学習により学習した学習済みモデルを用いて発電量を予測する。学習モデルは、例えば公知の教師有り学習を用いて学習することができる。
【0044】
実績発電量取得部21Cは、発電量予測部21Bが過去に予測した発電量に対応する太陽光発電機器40の実績発電量を取得する。具体的には、実績発電量取得部21Cは、参照データ取得部21Aが取得した過去の発電量データのうち、発電量予測部21Bが過去に予測した発電量の予測時期と一致する時期の過去の発電量を実績発電量として取得する。
【0045】
故障予測部21Dは、発電量予測部21Bが過去に予測した発電量と、実績発電量取得部21Cが取得した実績発電量と、の差に基づいて、太陽光発電機器40の故障を予測する。すなわち、発電量予測部21Bが過去に予測した発電量と、実績発電量取得部21Cが取得した実績発電量と、の差が、予め定めた閾値以上の場合は太陽光発電機器40が故障する可能性があると予測する。一方、発電量予測部21Bが過去に予測した発電量と、実績発電量取得部21Cが取得した実績発電量と、の差が、予め定めた閾値未満の場合は、太陽光発電機器40が故障する可能性がないと予測する。閾値は、例えば実際の太陽光発電機器40の故障実績等から予め設定される。
【0046】
検証部21Eは、発電量予測部21Bが予測した発電量の修正が必要か否かを検証する。例えば検証部21Eは、発電量予測部21Bが予測した発電量が予め定めた修正条件を満たす場合は、予測した発電量の修正が必要と判断する。一方、発電量予測部21Bが予測した発電量が予め定めた修正条件を満たさない場合は、予測した発電量の修正が不要と判断する。例えば、天気が晴れの期間が続いている場合は、発電量の変化は小さいと考えられるため、予測した発電量の修正は不要としてもよい。逆に天気が曇りと晴れが交互に繰り返されているような場合は発電量の変化が大きいと考えられるため、予測した発電量の修正は必要としてもよい。従って、例えば天気が晴れの期間が予め定めた期間連続していない場合は予測した発電量の修正が必要とし、天気が晴れの期間が予め定めた期間連続している場合は予測した発電量の修正が不要とする修正条件を設定してよい。
【0047】
修正部21Fは、直前の発電量に基づいて予測した発電量を修正する。具体的には、故障を予測したい太陽光発電機器40の直前の発電量、例えば最新の発電量を発電所端末30から取得する。そして、直前の発電量及び予測した発電量を入力すると、修正した予測発電量を出力する学習モデルを機械学習により学習した学習済みモデルを用いて発電量を修正する。学習モデルは、例えば公知の教師有り学習を用いて学習することができる。
【0048】
図5は、情報処理装置20により行われる情報処理としての故障予測処理の流れを示すフローチャートである。CPU21が記憶部24から情報処理プログラム24Aを読み出して、RAM23に展開して実行することにより、故障予測処理が行われる。
【0049】
図5に示すステップS100では、CPU21は、太陽光発電機器40の過去の発電量に関する発電量データを取得する。すなわち、故障を予測したい太陽光発電機器40が設置されている発電所の発電所端末30に過去の発電量に関する発電量データを送信するよう要求し、発電所端末30から過去の発電量に関する発電量データを取得する。
【0050】
ステップS101では、CPU21は、太陽光発電機器40が設置されている地域の気象予報に関する気象予報データを取得する。すなわち、故障を予測したい発電所が設置されている地域の気象予報データを送信するよう外部装置に要求し、外部装置から気象予報データを取得する。
【0051】
ステップS102では、CPU21は、電力損失データを取得する。すなわち、故障を予測したい太陽光発電機器40が設置されている発電所の発電所端末30に電力損失データを送信するよう要求し、発電所端末30から電力損失データを取得する。電力損失データは、故障を予測したい発電所の発電所端末30から取得する。
【0052】
ステップS103では、CPU21は、ステップS100で取得した過去の発電量データと、ステップS101で取得した気象予報データと、ステップS102で取得した電力損失データと、に基づいて、所定の予測時期における太陽光発電機器40の発電量を予測する。すなわち、過去の発電量データと、気象予報データと、電力損失データと、予測時期と、を学習済みモデルに入力し、予測時期における予測発電量を取得する。
【0053】
ステップS104では、CPU21は、ステップS103で予測した発電量の修正が必要か否かを検証する。すなわち、予測した発電量が予め定めた修正条件を満たすか否かを判定する。そして、ステップS103で予測した発電量が修正条件を満たす場合は修正が必要と判断し、ステップS105へ移行する。一方、ステップS103で予測した発電量が修正条件を満たさず修正が不要と判断した場合はステップS106へ移行する。
【0054】
ステップS105では、ステップS103で予測した発電量を修正する。すなわち、例えば直前の発電量を発電所端末30から取得し、取得した直前の発電量及びステップS103で予測した発電量を学習済みモデルに入力し、予測した発電量を修正した発電量を取得する。
【0055】
ステップS106では、CPU21は、過去にステップS103で予測した発電量に対応する太陽光発電機器40の実績発電量を取得する。すなわち、ステップS100で取得した過去の発電量データのうち、過去に予測した発電量の予測時期と一致する時期の過去の発電量を実績発電量として取得する。
【0056】
ステップS107では、CPU21は、過去にステップS103で予測した発電量と、ステップS105で取得した実績発電量と、の差に基づいて、太陽光発電機器40の故障を予測する。すなわち、過去にステップS103で予測した発電量と、ステップS105で取得した実績発電量と、の差が、予め定めた閾値以上の場合は太陽光発電機器40が故障する可能性があると予測する。一方、過去にステップS103で予測した発電量と、ステップS105で取得した実績発電量と、の差が、予め定めた閾値未満の場合は、太陽光発電機器40が故障する可能性がないと予測する。このように、予測した発電量と実績発電量との乖離が大きい場合は、太陽光発電機器40に不具合が発生し、予測に見合う発電量が得られず、故障する可能性があると判断する。
【0057】
ステップS108では、CPU21は、ステップS107で太陽光発電機器40が故障する可能性有りと予測したか否かを判定する。そして、ステップS107で太陽光発電機器40が故障する可能性有りと予測した場合はステップS109へ移行する。一方、ステップS107で太陽光発電機器40が故障する可能性無しと予測した場合は、本ルーチンを終了する。
【0058】
ステップS109では、太陽光発電機器40が故障する可能性があることを発電所端末30に通知する。これにより、太陽光発電機器40の太陽光パネル等の交換を促すことができる。
【0059】
以上説明したように、情報処理装置20では、所定の事業者が保有するサーバコンピュータである。情報処理装置20は、太陽光を受けて電気を発電する太陽光発電機器40の過去の発電量に関する発電量データと、太陽光発電機器40が設置されている地域の気象予報に関する気象予報データと、電力損失データと、を含む参照データに基づいて、太陽光発電機器40の発電量を予測し、過去に予測した発電量と、予測した発電量に対応する太陽光発電機器40の実績発電量と、の差に基づいて、太陽光発電機器40の故障を予測する。
【0060】
なお、本実施形態では、電力損失データも用いて発電量を予測する場合について説明したが、電力損失データを用いずに発電量を予測してもよい。すなわち、図5のステップS102の処理を省略してもよい。
【0061】
また、本実施形態では、予測した発電量の修正が必要か否かを検証し、修正が必要となった場合に予測した発電量を修正する場合について説明したが、予測した発電量をそのまま用いても良い。すなわち、図5のステップS104、S105の処理を省略してもよい。
【0062】
なお、上記実施形態でCPU21がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した情報処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、情報処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0063】
また、上記実施形態では、情報処理プログラム24Aが記憶部24に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。情報処理プログラム24Aは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、情報処理プログラム24Aは、ネットワークNを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10 情報処理システム
20 情報処理装置
21A 参照データ取得部
21B 発電量予測部
21C 実績発電量取得部
21D 故障予測部
21E 検証部
21F 修正部
24 記憶部
24A 情報処理プログラム
30 発電所端末
40 太陽光発電機器
図1
図2
図3
図4
図5