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特開2023-127365ゲームプログラム、ゲーム制御方法及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127365
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム制御方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/577 20140101AFI20230906BHJP
   A63F 13/56 20140101ALI20230906BHJP
【FI】
A63F13/577
A63F13/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031119
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】隆藤 唯信
(57)【要約】
【課題】キャラクタを含む複数のオブジェクト間でより自然な動作となるようにゲームを演出する。
【解決手段】仮想空間においてゲーム処理をコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、(a)第1キャラクタと前記第1キャラクタに対向する第2オブジェクトとの間を結ぶように設置されるコリジョンオブジェクトに対する第3オブジェクトの接触の有無を判定し、(b)前記(a)において前記コリジョンオブジェクトに対して前記第3オブジェクトの接触状態が変化したと判定された場合、前記ゲーム処理の制御を変更する、処理を実行させるゲームプログラムが提供される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間においてゲーム処理をコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
(a)第1キャラクタと前記第1キャラクタに対向する第2オブジェクトとの間を結ぶように設置されるコリジョンオブジェクトに対する第3オブジェクトの接触の有無を判定し、
(b)前記(a)において前記コリジョンオブジェクトに対して前記第3オブジェクトの接触状態が変化したと判定された場合、前記ゲーム処理の制御を変更する、
処理を実行させるゲームプログラム。
【請求項2】
前記(b)は、前記第1キャラクタ、前記第2オブジェクト及び前記第3オブジェクトの少なくともいずれかの動作に関する制御を変更する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記第2オブジェクトは移動可能であり、
(c)プレイヤの操作に応じて前記第3オブジェクトが前記コリジョンオブジェクトに非接触から接触状態に変化するように前記第1キャラクタを移動させ、
前記(b)は、前記第2オブジェクトの攻撃又は攻撃の予兆を検知したときに、前記(a)において前記第3オブジェクトが非接触から接触状態に変化したと判定された場合、前記第2オブジェクトの攻撃を発動可能から発動不可能に前記ゲーム処理の制御を変更する、
請求項1又は請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記第3オブジェクトは、移動可能であり、
(d)前記第1キャラクタ又は前記第2オブジェクトの攻撃又は前記攻撃の予兆に対して、前記第3オブジェクトを前記コリジョンオブジェクトに非接触から接触状態へ変化するように移動させ、
前記(b)は、前記第1キャラクタ又は前記第2オブジェクトの攻撃又は攻撃の予兆を検知したときに、前記(a)において前記第3オブジェクトが非接触から接触状態に変化したと判定された場合、前記前記第1キャラクタ又は第2オブジェクトの攻撃を発動可能から発動不可能に前記ゲーム処理の制御を変更する、
請求項1又は請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記第3オブジェクトは、移動可能であり、
(d)前記第1キャラクタ又は第2オブジェクトの攻撃又は前記攻撃の予兆に対して、前記第3オブジェクトを前記コリジョンオブジェクトに接触から非接触状態へ変化するように移動させ、
前記(b)は、前記第1キャラクタの攻撃又は攻撃の予兆を検知したときに、前記(a)において前記第3オブジェクトが接触から非接触の状態に変化したと判定された場合、前記第1キャラクタの攻撃を実行する、
請求項1又は請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
(e)前記(a)において前記第3オブジェクトが接触から非接触の状態に変化したと判定された場合、前記第1キャラクタの攻撃を行う前に前記攻撃の予兆を表示する、
請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記コリジョンオブジェクトは、前記第1キャラクタと前記第2オブジェクトとの間を前記攻撃に応じた幅の直線で結ぶように設置される、
請求項3及至請求項6のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記(b)は、前記(a)において前記コリジョンオブジェクトに対して前記第3オブジェクトの接触状態が変化したと判定された場合であって、予め設定された変更条件を満たすと判定した場合、前記ゲーム処理の制御を変更する、
請求項1及至請求項7のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記第1キャラクタ、前記第2オブジェクト及び前記第3オブジェクトの性格、属性及び種類の少なくともいずれかの情報を記憶した記憶部を参照して、前記情報に基づき前記変更条件を満たすかを判定する、
請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
仮想空間においてゲーム処理をコンピュータが実行するゲーム制御方法であって、
(a)第1キャラクタと前記第1キャラクタに対向する第2オブジェクトとの間を結ぶように設置されるコリジョンオブジェクトに対する第3オブジェクトの接触の有無を判定し、
(b)前記(a)において前記コリジョンオブジェクトに対して前記第3オブジェクトの接触状態が変化したと判定された場合、前記ゲーム処理の制御を変更する、
処理をコンピュータが実行する、ゲーム制御方法。
【請求項11】
仮想空間においてゲーム処理を実行する情報処理装置であって、
(a)第1キャラクタと前記第1キャラクタに対向する第2オブジェクトとの間を結ぶように設置されるコリジョンオブジェクトに対する第3オブジェクトの接触の有無を判定する判定部と、
(b)前記(a)において前記コリジョンオブジェクトに対して前記第3オブジェクトの接触状態が変化したと判定された場合、前記ゲーム処理の制御を変更する制御変更部と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラム、ゲーム制御方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクションゲームやシミュレーションゲーム等、多数のキャラクタが密集するゲームが知られている。例えば、アクションゲームではプレイヤキャラクタを攻撃しようとする敵キャラクタが、プレイヤキャラクタの周囲に密集する場合がある。
【0003】
これに対して、密集したキャラクタの動きを制御する技術が考案されている(例えば特許文献1参照。)。また、仮想的な光線を投げ、光線が遮られることでキャラクタ等のオブジェクトを検知するレイキャストの技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-118687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、レイキャストでは細い光線がオブジェクトの隙間を通過してしまい、対戦するキャラクタの一方から他方へ攻撃を行ったときに攻撃の障害となるオブジェクトであっても検知されない場合がある。この場合、攻撃を発動するようにキャラクタの動きを制御すると、発動された攻撃は、本来当たるべき敵キャラクタとプレイヤキャラクタとの間のオブジェクトには当たらずに通過し、オブジェクトの奥の対戦相手に当たる等の不自然な動作となる場合がある。
【0006】
これに対してレイキャストにおいて複数の光線を投げ、複数の光線のいずれかが遮られることでオブジェクトを検知する方法も考えられるが、光線の数が増えるため判定が煩雑になる。
【0007】
そこで、1つの側面では、本開示は、キャラクタを含む複数のオブジェクト間でより自然な動作となるようにゲームを演出する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの実施態様では、仮想空間においてゲーム処理をコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、(a)第1キャラクタと前記第1キャラクタに対向する第2オブジェクトとの間を結ぶように設置されるコリジョンオブジェクトに対する第3オブジェクトの接触の有無を判定し、(b)前記(a)において前記コリジョンオブジェクトに対して前記第3オブジェクトの接触状態が変化したと判定された場合、前記ゲーム処理の制御を変更する、処理を実行させるゲームプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
1つの側面では、本開示は、キャラクタを含む複数のオブジェクト間でより自然な動作となるようにゲームを演出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係るゲームシステムの構成例を示す図。
図2】実施形態に係るゲームシステムの他の構成例を示す図。
図3】実施形態に係るゲーム機のハードウェア構成を示す図。
図4】実施形態に係るゲーム機の機能構成を示す図。
図5】パラメータテーブルの一例を示す図。
図6】コリジョンオブジェクトを説明する図。
図7】第1実施形態に係るゲーム制御方法を示すフローチャート。
図8】第1実施形態に係るゲーム制御方法を説明する図。
図9】第2実施形態に係るゲーム制御方法を示すフローチャート。
図10】第2実施形態に係るゲーム制御方法を説明する図。
図11】第3実施形態に係るゲーム制御方法を示すフローチャート。
図12】第3実施形態に係るゲーム制御方法を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
【0012】
[ゲームシステム]
図1は、実施形態に係るゲームシステム1の構成例を示す図である。ゲームシステム1は、情報処理装置の一例であるゲーム機3と、ゲームコントローラ5と、表示装置7とを有する。ゲームコントローラ5及び表示装置7の各々は、ゲーム機3と有線又は無線により通信可能に接続されている。
【0013】
ゲーム機3は、例えば据え置き型のゲーム専用機である。但し、これに限定されるものではなく、ゲーム機3は、例えば入力部や表示部等を一体に備えた携帯型のゲーム機でもよい。
【0014】
また、ゲーム機3はゲーム専用機に限らず、例えば、コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ等のように、コンピュータとして製造、販売等されているものや、スマートフォン、携帯電話、ファブレット等のように、電話機としても機能する携帯端末でもよい。これらの装置は、普段は汎用的な情報処理端末装置として利用されるが、プレイヤがインストールされたゲームプログラムを実行すると、ゲーム専用機と同様、プレイヤがゲームを進行できるようになる。
【0015】
ゲーム機3には、本実施形態のゲームプログラムがインストールされる。ゲームプログラムはCD-ROMなどの光記憶媒体やUSBメモリなどの半導体メモリに記憶された状態で配布されたり、サーバ装置からダウンロードされたりする形態で配布される。
【0016】
プレイヤは、ゲームコントローラ5を用いて各種の操作入力を行う。図1に示す例では、ゲームコントローラ5は例えば十字キー9、及び複数のボタン8等を有する。なお、ゲームコントローラ5は上記に代えて又は加えて、例えばジョイスティックやタッチパッド等を有してもよい。また、ゲームコントローラ5がマイクを備え、音声操作が可能でもよい。ゲームコントローラ5がジャイロセンサや加速度センサ等を備え、プレイヤがゲームコントローラ5の姿勢を変えることで操作が可能でもよい。
【0017】
また、ゲーム機3は更にネットワーク上のサーバ装置と通信してもよい(図2参照)。同じゲームプログラムを実行する複数のゲーム機3は、サーバ装置に接続するので、いわゆるオンラインゲームが可能になる。オンラインゲームとは、例えば、多人数で同じゲームプログラムを協調して操作できるゲームをいう。オンラインゲームのサーバ装置は、他のプレイヤの位置や操作コマンドを受け付け、他のプレイヤのゲーム機3に送信する処理等を行ってもよい。ゲーム機3では各プレイヤの描画や操作コマンドの反映処理など実際のゲーム処理を行う。
【0018】
図2は、実施形態におけるゲームシステム1の他の構成例を示す図である。実施形態のゲームシステム1は、ネットワークN(例えば、インターネット等)を介してゲームに関する各種サービスをプレイヤに提供する。ゲームシステム1は、サーバ装置10と端末装置30とを有する。サーバ装置10は、ゲームに関する各種サービスを端末装置30に提供する情報処理装置(処理装置)の一例である。サーバ装置10は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、クラウドコンピュータ等であってよい。
【0019】
端末装置30は、ゲームをプレイする際にプレイヤが使用する情報処理装置の一例である。端末装置30は、ゲーム機でもよいし、コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ等のように、コンピュータとして製造、販売等されているものや、スマートフォン、携帯電話、ファブレット等のように、電話機としても機能する携帯端末でもよい。
【0020】
端末装置30は、サーバ装置10に対してゲームに関する各種情報(ゲーム制御方法が記載されたゲームプログラムやゲーム画面等)の配信要求を行う。サーバ装置10は、端末装置30から各種情報の配信要求を受け付けると、端末装置30においてプレイするゲームプログラムやゲーム画面のWebページを配信する。
【0021】
端末装置30は、プレイヤにゲーム画面を表示するWebページを閲覧させるためのWebブラウザ機能を有する。これにより、端末装置30は、サーバ装置10から配信されたゲーム画面等のWebページを表示することができる。サーバ装置10は、プレイヤが動作させるプレイヤキャラクタ及びノンプレイヤキャラクタが敵及び味方に分かれて対戦するオンラインゲーム等のゲームを提供してもよい。
【0022】
ゲームシステム1は、図1に例示するゲーム機3や図2に例示する端末装置30が別のゲーム機3や別の端末装置30と通信するいわゆるP2P(Peer To Peer)方式でもよい。この場合、図2のサーバ装置10は設けなくてもよい。また、ゲームシステム1はいわゆるクラウドゲームでもよい。なお、図1及び図2のゲームシステム1は一例であり、用途や目的に応じて様々なシステム構成例が考えられる。以下では、主に図1の構成を用いて本実施形態のゲームシステム1について説明する。
【0023】
ゲーム機3は、対戦ゲーム、スポーツゲーム、レーシングゲーム、街づくりゲーム等、あらゆるゲームを提供できる。また、ゲーム機3は、ガチャ等によりゲームを提供できる。ただし、本実施形態にて開示するゲームシステム1で実行されるゲームは、仮想空間において実行される3Dゲーム又は2Dゲームであって、対戦ゲーム(アクションゲーム)が好適である。本実施形態では、第1キャラクタと第2キャラクタとの対戦において、より自然なゲームを演出するようにゲーム処理を制御する。
【0024】
なお、オブジェクトとは、本実施形態では主に仮想空間(例えば3D空間)に存在するキャラクタを含む物体をまとめてオブジェクトという。例えば、プレイヤキャラクタ(PC)、ノンプレイヤキャラクタ(以下、「NPC」ともいう。)、建物等、およそ仮想空間に登場するものはオブジェクトである。キャラクタには、敵キャラクタや味方キャラクタが含まれ、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタでもよいし、AI等が自動操作するノンプレイヤキャラクタでもよい。
【0025】
[ゲーム機のハードウェア構成]
次に、ゲーム機3のハードウェア構成について、図3を参照して説明する。図3は、実施形態に係るゲーム機3のハードウェア構成を示す図である。ゲーム機3は、CPU(Central Processing Unit)121、メモリ122、通信装置123、入力装置124及び表示装置125を有する。CPU121は、ゲーム機3を制御する。メモリ122は、例えば、CPU121が直接アクセス可能なゲーム機3内の記憶媒体である。通信装置123は、他の装置との通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置124は、入力デバイスであり、ゲームコントローラ5のようにゲーム機3に接続され、ゲーム機3の内部に有しなくてもよい。入力装置124は、カメラ又はタッチパネルなどの入力デバイスでもよい。表示装置125は、ディスプレイなどの出力デバイスである。
【0026】
ゲーム機3は、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種のメモリ122を搭載してもよい。
【0027】
ゲーム機3は、演算処理によりゲームプレイするために必要な各種のゲームデータをメモリ122に記憶し、ゲーム処理を制御及び管理するゲーム管理機能を有する。CPU121が所定のゲームプログラム及びゲームデータに基づいて演算処理を行うことにより、ゲーム制御方法が実行される。
【0028】
[ゲーム機の機能構成]
次に、ゲーム機3の機能構成について図4を参照して説明する。図4は、実施形態に係るゲーム機3の機能構成を示す図である。ゲーム機3は、制御部11、記憶部12及び通信部13を有する。
【0029】
制御部11は、各部間のデータの受け渡しを行うと共にゲーム機3の制御を行う。制御部11は、CPU121がメモリ122に格納されたゲームプログラムを実行することによって実現される。
【0030】
記憶部12は、ゲームをコンピュータに実行させるゲームプログラム、各種のデータ及び各種の情報を記憶している。記憶部12は、例えばメモリ122によって実現される。記憶部12は、ゲームプログラムが記憶された読み取り専用の記憶領域であるROM(Read Only Memory)と、制御部11による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを有している。記憶部12は、例えば、フラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性の記憶装置によって実現される。ゲームプログラムの一部又は全部はRAMに格納されてもよい。
【0031】
更に、記憶部12は、パラメータテーブル21を記憶する。図5は、実施形態に係るパラメータテーブル21の一例を示す図である。パラメータテーブル21は、キャラクタを含むオブジェクトを識別可能な情報(名称、ID)毎に設定されたオブジェクトの属性及び/又はキャラクタの性格、種類をパラメータとして記憶する。
【0032】
通信部13は、端末装置及び/又はその他の装置との間で通信を行うための機能を有する。通信部13は、端末装置及び/又はその他の装置から送信される各種データを受信する受信部としての機能と、制御部11の指令に応じて各種データを端末装置及び/又はその他の装置へ送信する送信部としての機能を有する。通信部13は、例えば、NIC(Network Interface Card)によって実現される。
【0033】
制御部11は、ゲーム実行処理部14、コリジョン設定部15、判定部16、制御変更部17及び表示制御部18を有する。ゲーム実行処理部14は、仮想空間内において例えばプレイヤが操作するプレイヤキャラクタが敵ボスキャラクタと対戦する対戦ゲームを実行する。ただし、ゲーム実行処理部14が行うゲームは、プレイヤキャラクタと敵ボスキャラクタ以外の戦いであってもよい。
【0034】
なお、本明細書におけるオブジェクトは、仮想空間に表示される表示部品であり、ゲーム画面に表示された、移動可能なオブジェクト及び固定オブジェクトが含まれる。移動可能なオブジェクトには、プレイヤキャラクタ、ノンプレイヤキャラクタ、馬、武器等が含まれる。建物や山等のオブジェクトは、通常固定オブジェクトであるが、移動可能なオブジェクトとしてもよい。
【0035】
図6に示すように、本ゲームにおいて、第1キャラクタ101と第1キャラクタ101に対向する第2キャラクタ100との間にカプセル状のコリジョンオブジェクト(以下、「コリジョン102」ともいう。)が設定されている。第1キャラクタ101は、例えばプレイヤキャラクタである。第2キャラクタ100は、例えば敵ボスキャラクタである。コリジョン102は、第1キャラクタ101と第2キャラクタ100との間を、第1キャラクタ101及び/又は第2キャラクタ100の形状、サイズ及び第1キャラクタ101と第2キャラクタ100が行う攻撃に応じた幅で直線状に結ぶように設置される。
【0036】
第1キャラクタ101は、プレイヤキャラクタでもよいし、敵ボスキャラクタ又は敵キャラクタでもよいし、味方キャラクタでもよい。第2キャラクタ100は、敵ボスキャラクタ又は敵キャラクタでもよいし、プレイヤキャラクタでもよいし、味方キャラクタでもよい。第1キャラクタ101がプレイヤキャラクタの場合、第2キャラクタ100は敵ボスキャラクタ又は敵キャラクタでもよい。第1キャラクタ101が敵ボスキャラクタ又は敵キャラクタの場合、第2キャラクタ100はプレイヤキャラクタでもよい。敵ボスキャラクタ、敵キャラクタ及び味方キャラクタはNPCであってよい。
【0037】
図6の例でコリジョン102に接触している第3キャラクタ103,104は、敵キャラクタでもよいし、味方キャラクタでもよいし、キャラクタ以外のオブジェクトでもよい。第3キャラクタ103,104はNPCでもよい。第2キャラクタ100は、第2オブジェクトの一例であり、第3キャラクタ103,104は、第3オブジェクトの一例である。第2オブジェクトおよび第3オブジェクトは、キャラクタ以外のオブジェクトでもよい。第2オブジェクト及び第3オブジェクトがキャラクタ以外のオブジェクトの場合、第2オブジェクト及び第3オブジェクトには大砲等の武器、馬等の乗り物、建物、ステージ等、あらゆる物体が含まれてよい。第2オブジェクト及び第3オブジェクトは、プレイヤが生成したオブジェクトでもよい。
【0038】
コリジョン102は、例えばコリジョン102に対する第3オブジェクトの接触の有無を判定するために用いられる。コリジョン102は仮想体であり、画面上では表示されない。よって、プレイヤには、コリジョン102は見えていない。ただし、コリジョン102は可視化可能である。コリジョン102の形状はカプセル状に限らず、四角、球状、円柱状など、様々な形状及びサイズを用いることができる。
【0039】
コリジョン設定部15は、仮想空間内においてキャラクタ等のオブジェクトの大きさ、形状、動きに連動してコリジョンの設定及び移動を制御する。コリジョン102の形状及びサイズは、第2キャラクタ100の形状及びサイズ、第2キャラクタ100の攻撃、第1キャラクタ101の形状及びサイズ、第1キャラクタ101の攻撃のいずれかに応じて変化させてもよい。例えば、第2キャラクタ100が行う攻撃の幅が狭い場合、コリジョン102の幅を狭く設定してもよい。第2キャラクタ100が行う攻撃の幅が広い場合、コリジョン102の幅を広く設定してもよい。ただし、コリジョン102の幅は、レイキャストで使用される光線のように細いものではなく、例えば対向するキャラクタの大きさ等、ある程度の幅を有する。コリジョン102の形状及びサイズは、固定されていてもよい。
【0040】
判定部16は、第1キャラクタ101と第2キャラクタ100との間に設置されるコリジョン102に対する第3キャラクタ103,104の接触の有無を判定する。判定部16は、コリジョン102に対する第3キャラクタ103,104の接触から非接触への変化、又は非接触から接触への変化を判定してもよい。
【0041】
制御変更部17は、コリジョン102に対する接触判定の結果に基づき、ゲーム処理の制御を変更する。制御変更部17は、第1キャラクタ101、第2オブジェクト(第2キャラクタ100)及び第3オブジェクト(第3キャラクタ103,104)の少なくともいずれかの動作に関するゲーム処理の制御を変更してよい。制御変更部17は、例えば、コリジョン102に対して第3キャラクタの接触判定の結果、及び予め設定された変更条件を満たすか否かの判定結果に基づき、ゲーム処理の制御を変更してもよい。制御変更部17は、第1キャラクタ101、第2キャラクタ100及び第3キャラクタ103,104の性格、属性及び/又は種類の少なくともいずれかの情報を記憶したパラメータテーブル21を参照して、前記情報に基づき変更条件を満たすかを判定してもよい。
【0042】
表示制御部18は、キャラクタやオブジェクトの表示を制御する。表示制御部18は、複数のキャラクタやその他のオブジェクトが登場する仮想空間をゲーム機3の表示装置125に表示させる。表示制御部18は、ゲーム画面のWebページを制御し、ゲーム画面のWebページを通信部13によりゲームを行う端末装置に送信し、端末装置の画面に表示してもよい。表示制御部18は、第3キャラクタ103,104のいずれかが接触から非接触の状態に変化したと判定された場合、第2キャラクタ100の攻撃及び前記攻撃の予兆を第1キャラクタ101から視認可能に表示してもよい。表示制御部18は、第3キャラクタ103,104のいずれかが非接触から接触状態に変化したと判定された場合、「このままだと打てない」等のフキダシを表示したり、攻撃ボタンのアイコンを表示したりしてもよい。なお、「攻撃」とは、例えば射撃であれば、攻撃対象を撃つことをいう。例えば魔法による攻撃であれば、魔力を攻撃対象に放つことをいう。本明細書では、攻撃の発動の可否は、コリジョン102を用いて判定される。また、「攻撃の予兆」とは、例えば射撃による攻撃であれば、攻撃対象に狙いを定める動作をいう。例えば魔法による攻撃であれば、魔力を溜める動作をいう。
【0043】
<第1実施形態>
[ゲーム制御方法]
次に、第1実施形態に係るゲーム制御方法について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、第1実施形態に係るゲーム制御方法を示すフローチャートである。図8は、第1実施形態に係るゲーム制御方法を説明する図である。図7のゲーム制御方法はゲーム機3によって実行される。以下では対戦ゲームを例に挙げて説明する。なお、以下の説明では、第3キャラクタとして2体のNPCが登場するが、第3キャラクタの数はこれに限らない。また、第3キャラクタの代わりにキャラクタ以外のオブジェクトを障害物に用いてよい。
【0044】
ゲームが開始されると、ステップS1において、ゲーム実行処理部14は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタ、味方キャラクタ、敵ボスキャラクタ及び敵キャラクタを含む複数のキャラクタの動作を制御し、対戦ゲームを実行する。ゲーム中、ゲーム実行処理部14は、キャラクタの動作に限らず、キャラクタ以外のオブジェクトの移動等も制御する。コリジョン設定部15は、例えば図6に示すように、対向する第1キャラクタ101と第2キャラクタ100の間にコリジョン102を設定する。コリジョン設定部15は、設定したコリジョン102の位置を管理する。本実施形態では、第1キャラクタ101はプレイヤキャラクタ、第2キャラクタ100は敵ボスキャラクタ、第3キャラクタ103,104は味方又は敵キャラクタである。第2キャラクタ100及び第3キャラクタ103,104はNPCである。なお、コリジョン102を設定するタイミングとしては、プレイヤがプレイヤキャラクタに攻撃を行わせる操作を行ったタイミングでもよいし、CPU121がNPCに攻撃を行わせると判定したタイミングでもよい。NPCに攻撃を行わせると判定したタイミングとしては、戦闘開始から所定時間が経過したタイミングや、攻撃対象がNPCの所定範囲内に存在するといった条件を満たしたタイミング等が挙げられる。
【0045】
ステップS3において、判定部16は、第3キャラクタ103,104がコリジョン102に接触しているかを判定する。第3キャラクタ103,104がコリジョン102に接している場合、及び第3キャラクタ103,104がコリジョン102にめり込んでいる場合のいずれも第3キャラクタ103,104がコリジョン102に接触していると判定される。なお、第3キャラクタ103,104の少なくともいずれかがコリジョン102に接触していればよい。図6の例では、第3キャラクタ104がコリジョン102に接触している。
【0046】
ステップS5において、第3キャラクタ103,104の両方がコリジョン102に接触していないと判定された場合、ステップS15に進む。一方、ステップS5において、第3キャラクタ103,104のいずれかがコリジョン102に接触していると判定された場合、ステップS7~S13の処理を実行した後、ステップS15に進む。
【0047】
ステップS7において、制御変更部17は、コリジョン102に接触した第3キャラクタ(図6の例では第3キャラクタ104)の性格、属性及び/又は種類の少なくともいずれかの情報を取得する。これらの情報は、パラメータテーブル21に記憶され、パラメータテーブル21から抽出する(図5参照)。
【0048】
次に、ステップS9において、制御変更部17は、取得した情報に基づき、発動条件を満たすかを判定する。発動条件は、予め設定されている。発動条件の一例としては、コリジョン102に接触した第3キャラクタが敵キャラクタであるか、味方キャラクタであるかを該当する第3キャラクタの種類から判定し、判定結果に発動条件を満たすかを判定してもよい。
【0049】
例えば、攻撃を発動する第2キャラクタ100が敵ボスキャラクタであって第3キャラクタ103,104が敵雑魚NPCである場合を例に挙げる。この場合、図8(a)の例では、第2キャラクタ100の敵ボスキャラクタが攻撃を発動すると、攻撃が第1キャラクタ101に当たる前に第3キャラクタ104の敵雑魚NPCに当たる。この場合、敵同士で攻撃してしまう。発動条件には敵同士の攻撃、及び味方同士の攻撃は条件を満たさないと定められている。よって、制御変更部17は、ステップS11において発動条件を満たさないと判定する。
【0050】
他の例では、攻撃を発動するキャラクタが第1キャラクタ101であって第3キャラクタ103,104が味方NPCである場合を例に挙げる。この場合、図8(a)の例では、第1キャラクタ101が攻撃を発動すると、第2キャラクタ100に当たる前に第3キャラクタ104の味方NPCに当たる。この場合、味方同士で攻撃してしまう。よって、制御変更部17は、ステップS11において発動条件を満たさないと判定する。
【0051】
ステップS11において、制御変更部17は、発動条件を満たさないと判定すると、ステップS13をスキップし、攻撃処理を中止する。一方、ステップS11において、制御変更部17は、発動条件を満たすと判定すると、ステップS13にて攻撃処理を実行する。このようにしてコリジョン102に対する第3キャラクタ103,104の接触状態に応じてゲーム処理の制御を変更することができる。なお、ステップS11において、発動条件を満たさないと判定された場合、表示制御部18は、「このままだと打てない」等のフキダシを表示したり、攻撃ボタンのアイコンを表示したりしてもよい。
【0052】
次に、ステップS15において、ゲーム実行処理部14は、ゲームを終了するかを判定し、ゲームを終了すると判定された場合、本処理を終了する。一方、ゲーム実行処理部14は、ゲームを終了しないと判定した場合、ステップS3に戻り、再びコリジョン102の接触判定を行う。ステップS15において、ゲームを終了すると判定されるまでステップS3~S15の処理が繰り返される。これにより、ゲームを終了するまで、第1キャラクタ101と第2キャラクタ100との間に第3キャラクタが存在するかを連続的に判定し続けることができる。なお、第3キャラクタ103,104の替わりに、図8(b)に示す建物等のオブジェクト105を使用してもよい。オブジェクト105は、第3オブジェクトの一例である。
【0053】
図5のパラメータテーブル21に一例を示すように、オブジェクトにも属性があってよく、オブジェクトの属性が発動条件の変更に影響してもよい。例えば敵が攻撃を行う場合、オブジェクトが防御壁であればプレイヤキャラクタに攻撃が届かないため攻撃をやめるという場面が例として挙げられる。また、例えばオブジェクトが敵の宝等であれば攻撃によって壊してしまわないように攻撃をやめるという場面が例として挙げられる。攻撃をやめるとは、発動条件が満たされず発動不可となることである。
【0054】
発動条件は、キャラクタの属性や攻撃の種類などに基づいて変化するものであってよい。これにより、キャラクタの属性や攻撃の種類等によって、攻撃が発動可又は発明不可が変わる場合が生じ、ゲームにバリエーションを与え、ゲームの興趣性を高めることができる。また、キャラクタの属性や攻撃の種類等に応じてより自然なゲームを演出することができる。
【0055】
発動条件が変更される具体例について、以下を例示する。
(1)攻撃発動可否の判定基準となる第3オブジェクトの数を変更する場合
例えば攻撃を行うキャラクタの属性が「悪徳」の場合、発動条件を「コリジョンに接触している味方オブジェクトの数が5以下であれば発動可能」とする。これにより、「悪徳」のキャラクタは多少味方を巻き込んだとしても構わず攻撃することを表現できる。
(2)「コリジョンに接触しているか否か」の判定基準を変更する場合
例えば攻撃を行うキャラクタの属性が「悪徳」の場合、コリジョンに50%以上めりこんでいる第3オブジェクトのみをコリジョンに接触していると判定し、属性が「仁徳」の場合、めりこみ度合にかかわらずコリジョンに接触しているすべての第3オブジェクトを接触していると判定する。これにより、「仁徳」のキャラクタであれば、第3オブジェクトに少しでも攻撃が当たる恐れがあれば攻撃をやめることを表現できる。つまり、キャラクタの属性や性格によって、発動条件を変更することができる。
【0056】
第1実施形態に係るゲーム制御方法では、第1キャラクタ101と第1キャラクタ101に対向する第2キャラクタ100との間を結ぶように設置されるコリジョン102に対する第3キャラクタ103,104の接触の有無を判定する(工程a)。工程aにおいてコリジョン102に対して第3キャラクタ103,104が接触したと判定された場合であって、予め設定された変更条件(発動条件)を満たすと判定した場合、ゲーム処理の制御を変更する(工程b)。この場合、攻撃を発動しないようにする。
【0057】
図7のステップS7及びステップS9は省略してもよい。すなわち、発動条件の判定は省略できる。この場合、コリジョン102に対して第3キャラクタ103,104が接触したと判定された場合、ステップS11において発動条件を満たすと判定される。
【0058】
この場合、工程bにおいては変更条件を判定せず、工程aにおいてコリジョン102に対する第3キャラクタ103,104の接触が判定された場合、工程bにおいてゲーム処理の制御を変更し、攻撃を発動しないようにする。
【0059】
発動条件は、変更条件の一例であり、予め設定されている。発動条件の一例としては、第1キャラクタ101と第2キャラクタ100のうち攻撃される側が、攻撃する側を視認できるかが挙げられる。攻撃される側が攻撃する側を視認できない場合に発動しないように発動条件を設定してもよい。ただし、発動条件は、これに限らない。発動条件に、コリジョン102に接触する第3オブジェクトの個数を加え、第3オブジェクトの個数によって攻撃を行うか中止するかを変更するようにしてもよい。更に、第1キャラクタ101が第2キャラクタ100の一定距離内にいるかを含め、第1キャラクタ101と第2キャラクタ100とが一定距離内にいない場合、発動しないように発動条件を設定してもよい。第2キャラクタ100の体力が一定以下になるまで発動しないように発動条件を設定してもよい。
【0060】
本実施形態によれば、キャラクタを含む複数のオブジェクト間でより自然な動作となるようにゲームを演出することができる。なお、本実施形態では、発動条件を満たさない場合に攻撃を中止したが、これに限らない。発動条件を満たさない場合、攻撃の種類を変えて攻撃を行ってもよい。また、発動条件に対して、攻撃の種類に応じてコリジョン102の形状及びサイズを変更し、発動し易く、もしくは発動し難くさせてもよい。
【0061】
<第2実施形態>
[ゲーム制御方法]
次に、第2実施形態に係るゲーム制御方法について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、第2実施形態に係るゲーム制御方法を示すフローチャートである。図10は、第2実施形態に係るゲーム制御方法を説明する図である。図9のゲーム制御方法はゲーム機3によって実行される。図9の各ステップのうち、第1実施形態に係るゲーム制御方法(図7)のステップと同じ処理を行うステップには同一番号を付すことにより、同一処理の重複説明を省略する。
【0062】
なお、本実施形態では、第1キャラクタ101は、プレイヤの操作により移動可能なプレイヤキャラクタであり、第2キャラクタ100は敵ボスキャラクタである。
【0063】
ゲームが開始されると、ステップS1において、ゲーム実行処理部14は、対戦ゲームを実行する。次に、ステップS21において、ゲーム実行処理部14は、攻撃の予兆があるかを判定する。ゲーム実行処理部14は、攻撃の予兆がないと判定した場合、ステップS15に進む。一方、ゲーム実行処理部14は、攻撃の予兆があると判定した場合、ステップS23において、表示制御部18は攻撃の予兆を画面に表示する。
【0064】
次に、ステップS25において、ゲーム実行処理部14は、プレイヤの操作に応じてプレイヤキャラクタである第1キャラクタ101を移動させる。このとき、プレイヤは、第3キャラクタ103,104がコリジョン102に非接触から接触状態に変化するように第1キャラクタ101を移動させる操作を行う(図10参照)。
【0065】
次に、ステップS27において、判定部16は、コリジョン102に対する第3キャラクタ103,104の接触判定を行う。判定部16は、第3キャラクタ103,104がコリジョン102に非接触から接触状態に変化したかを判定する。判定の結果、ステップS29において、判定部16は、第3キャラクタ103,104が非接触から接触状態に変化していないと判定した場合、制御変更部17は、ステップS30において攻撃処理を行った後、ステップS15に進む。一方、判定部16は、第3キャラクタ103,104が非接触から接触状態に変化したと判定した場合、第1実施形態において説明したステップS7~S15の処理を行う。ステップS15においてゲームを終了すると判定されたとき本処理は終了する。
【0066】
第2実施形態に係るゲーム制御方法では、図10に示すように、プレイヤの操作に応じて第3キャラクタ103,104がコリジョン102に非接触の状態(図10(a))から接触状態(図10(b))に変化するように第1キャラクタ101を移動させる(工程c)。工程bは、第2キャラクタ100の攻撃又は攻撃の予兆(図10(a))を検知したときに、工程aにおいて第3キャラクタ103,104が非接触から接触状態に変化したと判定された場合、第2キャラクタ100の攻撃を発動しないように、すなわち、攻撃を発動可能から発動不可能にゲーム処理の制御を変更する。
【0067】
これにより、対戦する第1キャラクタ101及び第2キャラクタ100の周囲の第3キャラクタ103,104の配置状況に応じて第1キャラクタ101のプレイヤキャラクタのとる行動に変化を促し、攻撃されそうな第1キャラクタが、敵雑魚NPCや防御壁などのオブジェクトを盾として攻撃されることを回避することができる。これにより第2キャラクタ100の攻撃を阻止できる。このようにしてプレイヤの考えを反映したゲーム制御の変更を実現できる。これにより、プレイヤのゲームに対する興趣性を高めることができる。
【0068】
なお、ステップS21及びS23では、攻撃の予兆を判定及び表示したが、攻撃のアクションを判定及び表示してもよい。
【0069】
<第3実施形態>
[ゲーム制御方法]
次に、第3実施形態に係るゲーム制御方法について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、第3実施形態に係るゲーム制御方法を示すフローチャートである。図12は、第3実施形態に係るゲーム制御方法を説明する図である。図11のゲーム制御方法はゲーム機3によって実行される。図11の各ステップのうち、第1又は第2実施形態に係るゲーム制御方法(図7図9)のステップと同じ処理を行うステップには同一番号を付す。
【0070】
なお、本実施形態では、第1キャラクタ101は、プレイヤの操作により移動可能なプレイヤキャラクタであり、第2キャラクタ100は敵ボスキャラクタである。
【0071】
ゲームが開始されると、ステップS1において、ゲーム実行処理部14は、対戦ゲームを実行する。次に、ステップS21において、ゲーム実行処理部14は、攻撃の予兆があるかを判定する。ゲーム実行処理部14は、攻撃の予兆がないと判定した場合、ステップS15に進む。ゲーム実行処理部14は、攻撃の予兆があると判定した場合、ステップS23において、表示制御部18は、攻撃の予兆を表示する。
【0072】
次に、ステップS31において、ゲーム実行処理部14は、NPCの第3キャラクタ103、104をコリジョン102と接触しない位置へ移動させる。これにより、第3キャラクタ103、104がコリジョン102に接触状態から非接触状態に変化する(図12参照)。
【0073】
次に、ステップS27において、判定部16は、コリジョン102に対する第3キャラクタ103、104の接触状態を判定する。判定の結果、ステップS32において、判定部16は、コリジョン102に対して第3キャラクタ103、104が接触から非接触状態に変化したと判定した場合、ステップS33において攻撃処理を行い、ステップS15に進む。なお、ステップS33において、攻撃処理を行う前に攻撃の予兆を表示してもよい(工程e)。効果としては、例えば敵ボスキャラクタによる攻撃が行われる前に、その攻撃の予兆を表示することで、プレイヤは攻撃を察知して、敵雑魚NPCがコリジョン102に接触する位置にプレイヤキャラクタを移動させるなどの方法で攻撃を回避することができる。
一方、ステップS32において、判定部16は、第3キャラクタ103、104が接触から非接触状態に変化していないと判定した場合、第1実施形態において説明したステップS7~S15の処理を行う。
【0074】
第3実施形態に係るゲーム制御方法では、図12に示すように、第3キャラクタ103、104は、移動可能であり、工程dにおいて第1キャラクタ又は第2キャラクタ100の攻撃又は前記攻撃の予兆に対して、第3キャラクタ103、104をコリジョン102に接触した状態(図12(a))から非接触状態(図12(b))へ変化するように移動させる。すなわち、工程dでは攻撃を行うのは第1キャラクタであっても第2オブジェクトであってもよい。工程bでは、第2キャラクタ100の攻撃又は攻撃の予兆を検知したときに、工程aにおいて第3キャラクタ103、104が接触から非接触の状態に変化したと判定された場合、第2キャラクタ100の攻撃を発動するように、すなわち、攻撃を発動不可能から発動可能にゲーム処理の制御を変更する。
【0075】
これにより、対戦する第1キャラクタ101及び第2キャラクタ100の周囲の第3キャラクタ103,104の配置状況に応じて第1キャラクタ101が第2キャラクタ100の行動を視認可能にして、ストレスなく戦えるようにすることができる。また、第2キャラクタ100のとる攻撃に変化を促し、ゲーム制御の変更を実現できる。これにより、キャラクタを含む複数のオブジェクト間でより自然なゲームを演出することができる。また、プレイヤのゲームに対する興趣性を高めることができる。
【0076】
第3実施形態に係るゲーム制御方法では、工程dにおいて第1キャラクタ又は第2オブジェクトの攻撃又は前記攻撃の予兆に対して、第3オブジェクトをコリジョンに接触から非接触状態へ変化するように移動させる。そして、工程bは、第1キャラクタの攻撃又は攻撃の予兆を検知したときに、工程aにおいて第3オブジェクトが接触から非接触の状態に変化したと判定された場合、第1キャラクタの攻撃を実行してもよい。なお、工程eでは、前記工程aにおいて第3オブジェクトが接触から非接触の状態に変化したと判定された場合、第1キャラクタの攻撃を行う前に攻撃の予兆を表示してもよい。
【0077】
バリエーションとしては、敵キャラクタとの戦闘中、味方NPCによりプレイヤが行う攻撃が発動できない場合があり、プレイヤがストレスとなる場合がある。この場合、本実施形態では、味方NPCをコリジョン102の外側に移動させることにより、プレイヤは攻撃を発動できるようになり、ストレスなく対戦することができる。
【0078】
また、敵雑魚NPC又は味方NPCがコリジョン102の外側に移動する例を挙げたが、これに限らない。敵雑魚NPCが敵ボスキャラクタの盾となることを表現する場合など、敵雑魚NPC又は味方NPCが相手の攻撃の道を塞ぐようにコリジョン102の内側に移動するようにしてもよい。
【0079】
なお、第3実施形態において、第3キャラクタ103,104は敵雑魚NPC又は味方NPCで又はその両方でもよい。
【0080】
第1実施形態~第3実施形態に係るゲーム制御方法によれば、キャラクタを含む複数のオブジェクト間でより自然なゲームを演出することができる。
【0081】
以上、ゲームプログラム、ゲーム制御方法及び情報処理装置を上記実施形態により説明したが、本開示に係るゲームプログラム、ゲーム制御方法及び情報処理装置は上記実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。また、上記実施形態及び変形例が複数存在する場合、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0082】
本開示に係るゲーム制御方法では、第1キャラクタから第2オブジェクトの視線が通っているかをコリジョンに対する接触により判定できる。これにより、例えば、コリジョンに対する接触が生じていない場合、視線が通っていると判定し、第1キャラクタは、味方キャラクタに第2オブジェクト(例えば敵ボスキャラクタ)に見つかったことを通知してもよい。また、コリジョンに対する接触が生じていない場合、視線が通っていると判定し、ゲームオーバにする等、視線が通っているか否かの判定結果に応じて様々なゲーム処理の制御を行うことができる。
【符号の説明】
【0083】
1 ゲームシステム
3 ゲーム機
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 ゲーム実行処理部
15 コリジョン設定部
16 判定部
17 制御変更部
18 表示制御部
21 パラメータテーブル
100 第2キャラクタ
101 第1キャラクタ
102 コリジョン
103、104 第3キャラクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12