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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127370
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】蓋体
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/06 20060101AFI20230906BHJP
   B65D 81/34 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
B65D43/06
B65D81/34 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031126
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】591007295
【氏名又は名称】株式会社アプリス
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】田邉 敦士
(72)【発明者】
【氏名】三堂地 広晶
【テーマコード(参考)】
3E013
3E084
【Fターム(参考)】
3E013BB06
3E013BB08
3E013BC01
3E013BC04
3E013BD02
3E013BD11
3E013BD13
3E013BE01
3E013BG12
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA26
3E084AB10
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC05
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC05
3E084FC07
3E084GA08
3E084GB12
3E084LD30
(57)【要約】
【課題】食品を効率的に温めることができる蓋体を提供する。
【解決手段】蓋体1は円形の天面部2を備える。天面部2は、線状リブ3と三角形領域4とを有する。線状リブ3は、裏面26に張り出し、天面部2の中心から外周縁に向けて放射状に拡がる。三角形領域4は、線状リブ3によって画成されて、天面部2の円周方向に沿って複数並び、角の一つである中心側角部41を天面部2の中心に向け、外表面25が平坦になっている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レンジで温められる食品が収容された容器に被せられる蓋体であって、
円形の天面部を備え、
前記天面部は、
当該天面部の裏面に張り出し、当該天面部の中心から外周縁に向けて放射状に拡がる複数の線状リブと、
前記線状リブによって画成されて当該天面部の円周方向に沿って複数並び、角の一つを当該天面部の中心に向け、外表面が平坦な三角形領域と、
を有すること、
を特徴とする蓋体。
【請求項2】
前記三角形領域は、前記天面部の周縁まで延在すること、
を特徴とする請求項1記載の蓋体。
【請求項3】
前記三角形領域は、前記天面部の周壁から前記天面部の中心に向く角の一つまで段差無く滑らかに延在すること、
を特徴とする請求項2記載の蓋体。
【請求項4】
前記天面部は、当該天面部の周壁から延出し、前記天面部の円周方向に1周に亘って無端状に延在する環状リブを有すること、
を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の蓋体。
【請求項5】
前記天面部の外周縁は、前記容器の口縁よりも小径であり、
前記天面部の外周囲を取り囲み、前記容器の口縁に嵌合する嵌合部を更に備えること、
を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の蓋体。
【請求項6】
前記三角形領域は、正三角形形状を有すること、
を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の蓋体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品が収容された容器に被せられる蓋体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子レンジで加熱されることを予定されている調理済みの食品が、コンビニエンスストア等で陳列及び販売されている。これら食品は、電子レンジによる加熱対応の使い捨て容器に収容され、容器から取り出さずに電子レンジに収容及び加熱される。
【0003】
らーめん、そば、うどんといったスープ等の多量の液体が含まれる食品は、液体内で熱が対流し、電子レンジで加熱した後の温度が均一になり易い。しかし、ピラフ、ドリア、グラタン及びリゾット、一部の冷凍食等は、らーめん等と比べてスープ等の液体成分が少ない。そのため、これら食品に冷えたままの箇所ができるだけ残らないように、電子レンジでの加熱には比較的長い時間が推奨されている。
【0004】
電子レンジでの長時間の加熱に対応して、これら食品は、使い捨て容器として、耐熱性に優れた浅筒円形の紙容器に収容されて販売されることが多い。紙容器の蓋体は、内部の視認性を高めるために透明で耐熱性を有するプラスチック製であることが多い。蓋体は、食品をスタックして陳列可能とするために、天面全域が平坦な円形形状を有している。以下、全域が平坦な円形形状を有する蓋体を従来蓋体という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-155053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ピラフ、ドリア、グラタン及びリゾット、一部の冷凍食等は、電子レンジで長い間加熱しても、食品の温度にムラがあることが多い。特に、多くのユーザは、これら食品の底部中心付近が冷えたままの状態を経験している。
【0007】
図8は、紙製容器と従来蓋体により成る容器にグラタンを収容して、電子レンジで加熱した後のサーモグラフィである。図8が示すように、電子レンジで加熱すると、従来蓋体300と容器本体100で閉じられた空間内のうち、外周域E1が最も高い温度領域となっている。従来蓋体300で閉蓋している場合、外周域E1の熱は、そのまま外周域E1に留まり、食品の温度上昇には寄与しない。そのため、外周域E1に近い食品の外側は温まりやすいが、食品の中心底部は、冷たいままとなっている。
【0008】
ここで、従来蓋体300は、シート成形が多用され、また積み上げ陳列の観点から天面外表面全域を平坦とまり結果、天面裏面全域も平坦になっている。このような従来蓋体300は、電子レンジによる加熱中、容器の内圧上昇のために容器本体が外れて熱を逃がしてしまう。また、従来蓋体300は、ドーム状ではなく一部が歪な形状に膨らんでしまって、外周囲E1の熱を効率よく対流させるような内部構造にならない。
【0009】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、食品を効率的に温めることができる蓋体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明の実施形態に係る蓋体は、電子レンジで温められる食品が収容された容器に被せられる蓋体であって、円形の天面部を備え、前記天面部は、当該天面部の裏面に張り出し、当該天面部の中心から外周縁に向けて放射状に拡がる複数の線状リブと、前記線状リブによって画成されて当該天面部の円周方向に沿って複数並び、角の一つを当該天面部の中心に向け、外表面が平坦な三角形領域と、を有する。
【0011】
前記三角形領域は、前記天面部の周縁まで延在するようにしてもよい。
【0012】
前記三角形領域は、前記天面部の周壁から前記天面部の中心に向く角の一つまで段差無く滑らかに延在するようにしてもよい。
【0013】
前記天面部は、当該天面部の周壁から延出し、前記天面部の円周方向に1周に亘って無端状に延在する環状リブを有するようにしてもよい。
【0014】
前記天面部の外周縁は、前記容器の口縁よりも小径であり、前記天面部の外周囲を取り囲み、前記容器の口縁に嵌合する嵌合部を更に備えるようにしてもよい。
【0015】
前記三角形領域は、正三角形形状を有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、蓋体がドーム状に膨らむことによって、外周域から蓋体頂点を通って容器本体の中心底部へ向かう熱の対流が起り、食品を効率よく温めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】容器の斜視図である。
図2】蓋体の外表面を示す平面図である。
図3】蓋体の断面図である。
図4】蓋体の裏面側を示す斜視図である。
図5】電子レンジで加熱中、蓋体付近の熱対流を示す断面図である。
図6】電子レンジ加熱中、蓋体付近の熱対流を示す裏面斜視図である。
図7】電子レンジで加熱した後の本発明の蓋体のサーモグラフィを示している。
図8】電子レンジで加熱した後の従来蓋体のサーモグラフィを示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(構成)
本発明の実施形態に係る蓋体について図面を参照しつつ詳細に説明する。各図面においては、理解容易のため、厚み、寸法、位置関係、比率又は形状等を強調して示している場合があり、本発明は、それら強調に限定されるものではない。以下、蓋体を容器本体に被せたときの容器本体側を下方又は下側といい、天面側を上方又は上側といい、上下方向と直交して蓋体が拡がる方向を径方向という。
【0019】
図1は、容器200の斜視図である。容器200は、電子レンジで温められる食品を収容している。容器200に収容される食品としては、スープ等の液体成分が少ない例えばドリア、グラタン又はリゾットが挙げられる。食品は容器200に収容されたまま、電子レンジに入れられて温められる。
【0020】
この容器200は、容器本体100と蓋体1とを備えている。容器本体100は、有底で広い開口を有し、食品が収容されている。蓋体1は、容器本体100に被さるように装着され、容器本体100の開口を閉じている。蓋体1は、電子レンジによる加熱時に容器本体100に被せられたままである。容器本体100は紙製であり、口縁が径方向外方へカールしてフランジ状になっている。蓋体1は最外周に嵌合部6を備え、カールした口縁に嵌合部6が嵌ることで、容器本体100に着脱自在に取り付けられている。
【0021】
図2は、蓋体1の外表面25を示す平面図である。また、図3は、蓋体1の断面図である。図2及び図3に示すように、蓋体1は、例えばポリプロピレン等のプラスチックシートを用いたシート成形して作製される。蓋体1は上面視で円形であり、円中心から外周へ向けて同心円状に、天面部2と環状リブ5と嵌合部6とを備えている。天面部2、環状リブ5及び嵌合部6は、シート成形によって繋ぎ目無く一続きに繋がることで一体的に形成されている。
【0022】
天面部2は、蓋体1の中心を含む最内殻に位置し、蓋体1よりも一回り小径である。この天面部2は、天面21と周壁22とを備える。天面21は、径方向に拡がる概略真円状の円形領域であり、水平面に沿って拡がる。周壁22は、天面21の周縁に沿って1周に亘って無端状に延在する。天面部21の周縁を基端にして下方に延びる。天面21と周壁22の境界部23は、滑らかに湾曲している。
【0023】
天面21の外表面25には、天面部2の円中心から周縁へ向けて放射状に延びる凹状の溝24が存在する。天面21の外表面25は、この溝24を除いて、凹凸や膨らみがない平坦な領域が水平方向に拡がっている。
【0024】
図4は、蓋体1の裏面26側を示す斜視図である。図3及び図4に示すように、天面21の裏面26には、線状リブ3が形成されている。天面21の裏面26は、外表面25とは反対側の面であり、天面21と周壁22とによって囲まれた面である。線状リブ3は、外表面25に表れる凹状の溝24に対応し、天面21の裏面26に張り出している。線状リブ3は、天面21の中心から外周縁に向けて放射状に拡がっている。例えば、6本の線状リブ3が60度の間隔を空けて円周等配位置で拡がっている。
【0025】
各線状リブ3は天面21の中心に到る前に集結しており、天面21の裏面26中心には、集合膨出部31が形成されている。集合膨出部31は、天面21の裏面26から膨出し、天面21の裏面26に沿った拡がりを有し、円形の平歯車形状を成す。集合膨出部31の側面31aは、天面部21の中心に向けて傾斜している。また、側面31aは、天面部21の中心に向けて凹むように滑らかに湾曲している。尚、側面31aは、隣り合う線状リブ3間に位置する。
【0026】
各線状リブ3は、集合膨出部31から天面21の周縁に向けて延び、各線状リブ3の端部32は、天面部2の周壁22に接続している。この端部32とは、線状リブ3のうち、集合膨出部31とは反対側の先端である。端部32は、周壁22に接続する直前で、天面21の裏面25に沿って滑らかな扇状に拡がりつつ、周壁22に接続している。
【0027】
この線状リブ3、集合膨出部31及び周壁22により、天面21には、三角形領域4が画成されている。そのため、三角形領域4は、天面21の円周方向に沿って並ぶ。線状リブ3が60度間隔で放射状に延びている場合、三角形領域4は各々正三角形形状を有し、天面21の円周方向に沿って6区画ある。
【0028】
三角形領域4の角の一つである中心側角部41は、集合膨出部31の側面31aによって形成されており、天面21の中心に向く。三角形領域4の底辺42は、天面21と周壁22との境界部23であり、三角形領域4の内表面43は、境界部23から中心側角部41まで段差や凹凸無く滑らかに繋がっている。また、三角形領域4は、境界部23から中心側角部41に向けて窄んでいく。
【0029】
図3に示すように、環状リブ5は、天面部2の周壁22の下端部に接続されており、天面部2の外周を1周に亘って無端状に取り囲んでいる。この環状リブ5は、外径が容器本体100の内径と同一であり、下方へ膨出しており、容器本体100に内嵌する。
【0030】
嵌合部6は、天面部2及び環状リブ5よりも径方向外側に位置し、容器本体100の口縁の厚み分径方向外側に拡がった後に屈曲して、口縁の下端に引っ掛けるように下方に延びている。
【0031】
(加熱時)
このような容器200を電子レンジに入れて加熱する前、蓋体1は、天面21の外表面25が溝24を除いて平坦になっている。そのため、食品を収容した複数の容器1は高さ方向に積み上げて店内に陳列等可能となっている。
【0032】
図5は、電子レンジで加熱中、蓋体1付近の熱対流を示す断面図であり、図6は、電子レンジ加熱中、蓋体1付近の熱対流を示す裏面斜視図である。図6では、図面の都合上、対流Cを一区画の三角形領域4に限定して描画してある。
【0033】
図5及び図6に示すように、電子レンジによる加熱によっては、従来蓋体300と同じように、蓋体1と容器本体100の外周域E1が最も熱せられる。しかし、この蓋体1は線状リブ3によって区画された三角形領域4を有するため、蓋体1付近は整流されて、外周域E1の熱が天面部2の中心に導かれる対流Cが起る。線状リブ3により、熱の対流Cが隣の三角形領域4が漏れることが抑制され、対流は円滑に天面部2の中心に導かれる。
【0034】
三角形領域4の底辺42は周壁22まで延びているため、三角形領域4は外周域E1の熱を効率よく取り込み、線状リブ3と共に対流Cを中心側角部41に向けて集めていく。この底辺42は、中心側角部41を中心とする弧状であり、また垂直方向から水平方向に向けて湾曲した境界部23と一体化している。そのため、三角形領域4は、外周域E1の熱を更に効率よく取り込む。そして、三角形領域4の裏面26は全域滑らかになって段差がなく、外周域E1から取り込まれた熱は、三角形領域4に容易に案内されて中心側角部41に集中していく。
【0035】
これにより、天面部2付近では、外周域E1から天面部2の中心域E2へ向けた対流Cが生じ、中心域E2に対流が集まり、中心域E2は高温高圧力となる。そのため、天面部2は、電子レンジによる加熱前は溝24を除き平坦であったのが、中心域E2を頂点とするドーム状に膨らんでいく。
【0036】
ここで、天面部2の外周囲には環状リブ5が形成されているため、天面部2の外周縁は相対的に変形し難い。また、天面部2は蓋体1よりも小径であり、嵌合部6は天面部2よりも外側に位置する。そのため、天面部2の中心域E2が外周域E1よりも相対的に高圧力になり、蓋体1が圧力で押し上がろうとするとき、嵌合部6による容器本体100への食い込みが強くなり、蓋体1が外れようとする力を減殺する。このため、天面部2の歪な変化や蓋体1の外れは抑制され、天面部2のドーム状変化は容易化する。
【0037】
天面部2のドーム状への変化により、外周域E1から中心域E2への対流Cが更に促進される。図7は、電子レンジで加熱した後の蓋体1のサーモグラフィを示している。従来蓋体300のサーモグラフィである図8図7を比べるとわかるように、図7のサーモグラフィでは、外周域E1よりも中心域E2が高温となり、外周域E2の熱が中心域E2に集まる対流Cが生じていることがわかる。
【0038】
天面部2のドーム状への変化により中心域E2に集まった熱は、中心域E2から容器本体100の中心底部E3に向けた下降流に転じる。この高温の下降流により、容器本体100に収容された食品の底部中心も温められる。天面部2には、集合膨出部31が設けられ、傾斜面及び湾曲面となった側面31aが三角形領域4の中心側角部41を担っている。そのため、中心域E2に集まった対流Cは、中心側角部41を滑り、下降流になり易くなっている。
【0039】
(作用効果)
以上のように、この蓋体1は円形の天面部2を備えるようにした。天面部2は、線状リブ3と三角形領域4とを有するようにした。線状リブ3は、裏面26に張り出し、天面部2の中心から外周縁に向けて放射状に拡がる。三角形領域4は、線状リブ3によって画成されて、天面部2の円周方向に沿って複数並び、角の一つである中心側角部41を天面部2の中心に向け、外表面25が平坦になっている。
【0040】
これにより、食品を入れて蓋体1を被せた容器200を積み上げて陳列することができる。尚且つ、この蓋体1は、電子レンジによる加熱によってドーム状に膨らみ、外周域E1から蓋体頂点を含む中心域E2への熱の対流を作り出し、更に中心域E2から容器本体100の中心底部E3へ向かう下降流が、食品を効率よく温めることができる。
【0041】
三角形領域4は、天面部2の周縁まで延在させるようにした。これにより、高温になる外周域E1から効率的に熱を呼び込み、中心域E2に導くことができる。この三角形領域4は、天面部2の周壁22から中心側角部41まで段差無く滑らかに延在するため、三角形領域4を流れる熱の対流Cは、円滑に中心域E2に導かれる。
【0042】
天面部2は、天面部2の裏面26の周壁22から延出し、天面部2の円周方向に1周に亘って無端状に延在する環状リブ5を有するようにした。環状リブ5により、天面部2の中心と比べて相対的に天面部2の外周縁の強度は上がり、天面部2はドーム状に膨れ易くなる。
【0043】
前記天面部2の外周縁は、容器200の口縁よりも小径であり、天面部2の外周囲を取り囲み、容器200の口縁に嵌合する嵌合部6を更に備えるようにした。これにより、天面部2が容器200内の圧力により浮き上がろうとするとき、嵌合部6は口縁に食い込むようになり、蓋体1の外れを抑制できる。
【0044】
このほか、本発明の実施形態及び実施例は例として提示したものであって、上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。上記実施形態及び実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。そして、実施形態、実施例及びその変形は本発明の範囲に含まれるものである。
【0045】
例えば、三角形領域4は、6個並べられ、正三角形形状を有するようにしてもよい。また、三角形領域4は、7個以上並べられ、正三角形よりも狭角な中心側角部41を有する二等辺三角形としてもよい。また、三角形領域4は、5個以下並べられ、正三角形よりも広角な中心側角部41を有する二等辺三角形としてもよい。
【0046】
もっとも、正三角形形状を有する三角形領域4は、7個以上が並べられる三角形領域4と比べて、隣の三角形領域4に熱の対流Cを漏らすことなく中心域E2に集め易く、中心域E2から中心底部E3への下降流が起り易くなり、食品の中心底部を温め易くなる。
【0047】
また、正三角形形状を有する三角形領域4が並ぶ蓋体1は、5個以下の三角形領域4が並べられる蓋体1と比べて、天面部21の強度が高く、外周域E1から中心域E2への対流Cを整流し易い形が整ったドーム形状になり易い。
【符号の説明】
【0048】
1 蓋体
2 天面部
21 天面
22 周壁
23 境界部
24 溝
25 外表面
26 裏面
3 線状リブ
31 集合膨出部
31a 側面
32 端部
4 三角形領域
41 中心側角部
42 底辺
43 内表面
5 環状リブ
6 嵌合部
100 容器本体
200 容器
C 対流
E2 中心域
E3 中心底部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8