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特開2023-127410遮音板の固定金具、遮音板の固定構造および固定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127410
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】遮音板の固定金具、遮音板の固定構造および固定方法
(51)【国際特許分類】
   E01F 8/00 20060101AFI20230906BHJP
【FI】
E01F8/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031183
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006839
【氏名又は名称】日鉄建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174207
【弁理士】
【氏名又は名称】筬島 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】阿部 幸夫
【テーマコード(参考)】
2D001
【Fターム(参考)】
2D001AA01
2D001BA02
2D001BB01
2D001CA01
2D001CB02
(57)【要約】

【課題】固定金具を予め支柱に設置し、その後に遮音板を建て込むニーズに応えることができ、かつ前記遮音板を建て込むと同時に遮音板の片寄せ作業を行うことを可能とする、施工性、経済性に非常に優れた遮音板の固定金具、遮音板の固定構造および固定方法を提供する。
【解決手段】支持力伝達部材1と、押圧部材(締め付けボルト2と締め付けナット3)とを有する遮音板9の固定金具4である。前記支持力伝達部材1は、支柱10の一方のフランジ10aの内側面に当接する垂直面部11を備え、前記押圧部材は、前記フランジ10aを介して前記垂直面部11に設けられた押圧孔11aに通して固定することで、前記支持力伝達部材1の前記支柱10への位置決めが行われる構成である。前記支持力伝達部材1は、前記垂直面部11と、上面部12と反力伝達部13と入力部14と突っ張り部15とを有するように形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板部材を曲げ加工して形成された支持力伝達部材と、前記支持力伝達部材をH形鋼等による支柱の一方のフランジに設けた状態で前記支柱の溝内へ建て入れる遮音板を押圧固定するための押圧部材とを有する遮音板の固定金具であって、
前記支持力伝達部材は、前記支柱の一方のフランジの内側面に当接する垂直面部を備え、前記押圧部材は、前記フランジを介して前記垂直面部に設けられた押圧孔に通して固定することで、前記支持力伝達部材の前記支柱への位置決めが行われる構成であり、
前記支持力伝達部材は、前記垂直面部と、前記垂直面部の上方から遮音板方向へ延設される上面部と、前記上面部から下向きに鈍角をなして延設され前記遮音板へ当接可能な反力伝達部と、前記反力伝達部の下方から折り返し前記垂直面部の内側に向かって延設され前記押圧部材の先端に当接可能な入力部と、前記入力部から折り返し前記反力伝達部の内側に向かって延設され前記押圧部材による押圧操作で前記反力伝達部の内側に当接可能な突っ張り部とを有するように形成されていることを特徴とする、遮音板の固定金具。
【請求項2】
前記支持力伝達部材の垂直面部には、前記押圧孔のほかに、取り付け部材を通すための取り付け孔が設けられており、前記取り付け部材を、前記フランジを介して当該取り付け孔に通して固定することで、前記支持力伝達部材の前記支柱への取り付けが行われる構成であることを特徴とする、請求項1に記載した遮音板の固定金具。
【請求項3】
前記押圧部材は締め付けボルトであり、前記垂直面部の内側に用意した締め付けナットへねじ込むことで前記支持力伝達部材の前記支柱への位置決めが行われる構成であることを特徴とする、請求項1に記載した遮音板の固定金具。
【請求項4】
前記取り付け部材は取り付けボルトであり、前記垂直面部の内側に用意した取り付けナットへねじ込むことで前記支持力伝達部材の前記支柱への取り付けが行われる構成であることを特徴とする、請求項2に記載した遮音板の固定金具。
【請求項5】
前記締め付けボルトは、その先端に円錐突起等の突設部が設けられた先端加工ボルトであり、前記入力部は、前記先端加工ボルトの突設部を受け入れる貫通孔が設けられていることを特徴とする、請求項3に記載した遮音板の固定金具。
【請求項6】
前記締め付けナット及び/又は取り付けナットは、前記支持力伝達部材の垂直面部を横方向から挟み込む構成のクリップナットであることを特徴とする、請求項3~5のいずれか1項に記載した遮音板の固定金具。
【請求項7】
前記支持力伝達部材の垂直面部に、前記支柱の一方のフランジを横方向から挟み付けて位置決め可能なクリップ部材が一体的に設けられていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載した遮音板の固定金具。
【請求項8】
前記締め付けナット及び/又は取り付けナットは、緩み止めナット等の緩み止め機構が施されていることを特徴とする、請求項3~7のいずれか1項に記載した遮音板の固定金具。
【請求項9】
前記請求項3~8のいずれかの遮音板の固定金具を用いた遮音板の固定構造であって、
H形鋼等による支柱が、ウエブ同士を対面させる配置で立設されていること、
前記支柱の一方のフランジに、前記遮音板の固定金具が、前記締め付けボルト・ナット及び/又は前記取り付けボルト・ナットを用いて設けられていること、
前記支柱の他方のフランジと前記遮音板の固定金具の反力伝達部との間に前記遮音板が建て入れられており、前記支持力伝達部材の前記入力部が前記締め付けボルトの先端に押し付けられた状態で、前記反力伝達部に前記遮音板が押圧されて前記支柱の溝内に固定されていることを特徴とする、遮音板の固定構造。
【請求項10】
前記請求項3~8のいずれかの遮音板の固定金具を用いた遮音板の固定方法であって、
H形鋼等による支柱を、ウエブ同士が対面する配置で立設する工程と、
前記工程の前又は後に、前記支柱の一方のフランジに、前記遮音板の固定金具を、前記締め付けボルト・ナット及び/又は前記取り付けボルト・ナットを用いて設ける工程と、
前記支柱の他方のフランジと前記遮音板の固定金具の反力伝達部との間に前記遮音板を建て入れる工程と、
前記締め付けボルトの締め付けにより生じる押圧力を、前記支持力伝達部材の前記入力部を介して前記反力伝達部へ伝達し前記遮音板を前記支柱の他方のフランジへ押圧することで前記遮音板を前記支柱の溝内に固定する工程と、を有することを特徴とする、遮音板の固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、板部材を曲げ加工して形成された支持力伝達部材と、前記支持力伝達部材をH形鋼等による支柱の一方のフランジに設けた状態で前記支柱の溝内へ建て入れる遮音板(以下、吸音板、防音板、PC板を含む意で用いる。)を押圧固定するための押圧部材(例えば、締め付けボルトや楔(くさび)部材)とを有する遮音板の固定金具の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
道路(高速道路)又は鉄道などに沿って設置される遮音壁は、その延長方向にH形鋼等の支柱をそのウエブ同士が対面する配置で一定の間隔をあけて複数本立設し、向かい合う各支柱の平面視コ字形の溝内へ遮音板の端部(両端部)を建て込み、前記遮音板の両端部を固定金具を用いて支柱(のフランジ)に押圧固定する要領で構築される。
前記固定金具は、通常、前記支柱の溝内と前記遮音板とが形成する隙間に設置可能な形状で、かつ前記遮音板を前記支柱へ固定可能な押圧力を発揮できる構造(形態)が要求される。
【0003】
前記固定金具の従来技術として、例えば、特許文献1には、遮音板の支持力可変型固定金具と称する固定金具が開示されている。この固定金具は、前記支柱の溝内と前記遮音板とが形成する隙間に挿入して設けることができ、かつ各支柱の前記コの字形の溝内へ建て入れた遮音板へ作用させる押圧力をボルトの回転操作(締緩操作)の加減により自在に調整することが可能な構造を呈する。
この特許文献1に係る固定金具によれば、前記支柱の溝内と前記遮音板とが形成する隙間にスムーズに挿入して設けることができ、かつ前記支柱の溝内へ建て入れた遮音板へ作用させる押圧力を、遮音壁の外側からボルトの回転操作の加減により自在に調整できる等の利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-137704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に係る固定金具は、現在でも有益な技術として需要もあり、実施に供されているものの、下記の点において改良の余地が残されている。
【0006】
すなわち、鉄道などの運行時に施工ができない場合、夜間に短時間で工事を終える必要がある。このとき、施工時間を短縮するべく、固定金具を予め支柱に設置し、その後に遮音板を建て込むニーズがあるが、前記特許文献1に係る固定金具によれば、前記支柱の溝内へ遮音板を先行して建て入れ、作業員(の手指)により車道の反対側のフランジへ前記遮音板を片寄せした後でなければ前記固定金具の設置作業を行うことができず、前記ニーズに応えることができなかった。仮に、遮音板よりも先に固定金具を支柱に設けて実施しようとすると、固定金具(の反力伝達部等)と後続の遮音板とが干渉して建て入れ作業を行うことができない。
【0007】
したがって、本発明は、上述した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、固定金具を予め支柱に設置し、その後に遮音板を建て込むニーズに応えることができ、かつ前記遮音板を建て込むと同時に遮音板の片寄せ作業を行うことを可能とする、施工性、経済性に非常に優れた遮音板の固定金具、遮音板の固定構造および固定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る遮音板の固定金具は、板部材を曲げ加工して形成された支持力伝達部材と、前記支持力伝達部材をH形鋼等による支柱の一方のフランジに設けた状態で前記支柱の溝内へ建て入れる遮音板を押圧固定するための押圧部材とを有する遮音板の固定金具であって、
前記支持力伝達部材は、前記支柱の一方のフランジの内側面に当接する垂直面部を備え、前記押圧部材は、前記フランジを介して前記垂直面部に設けられた押圧孔に通して固定することで、前記支持力伝達部材の前記支柱への位置決めが行われる構成であり、
前記支持力伝達部材は、前記垂直面部と、前記垂直面部の上方から遮音板方向へ延設される上面部と、前記上面部から下向きに鈍角をなして延設され前記遮音板へ当接可能な反力伝達部と、前記反力伝達部の下方から折り返し前記垂直面部の内側に向かって延設され前記押圧部材の先端に当接可能な入力部と、前記入力部から折り返し前記反力伝達部の内側に向かって延設され前記押圧部材による押圧操作で前記反力伝達部の内側に当接可能な突っ張り部とを有するように形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した遮音板の固定金具において、前記支持力伝達部材の垂直面部には、前記押圧孔のほかに、取り付け部材を通すための取り付け孔が設けられており、前記取り付け部材を、前記フランジを介して当該取り付け孔に通して固定することで、前記支持力伝達部材の前記支柱への取り付けが行われる構成であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載した遮音板の固定金具において、前記押圧部材は締め付けボルトであり、前記垂直面部の内側に用意した締め付けナットへねじ込むことで前記支持力伝達部材の前記支柱への位置決めが行われる構成であることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項2に記載した遮音板の固定金具において、前記取り付け部材は取り付けボルトであり、前記垂直面部の内側に用意した取り付けナットへねじ込むことで前記支持力伝達部材の前記支柱への取り付けが行われる構成であることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載した発明は、請求項3に記載した遮音板の固定金具において、前記締め付けボルトは、その先端に円錐突起等の突設部が設けられた先端加工ボルトであり、前記入力部は、前記先端加工ボルトの突設部を受け入れる貫通孔が設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項3~5のいずれか1項に記載した遮音板の固定金具において、前記締め付けナット及び/又は取り付けナットは、前記支持力伝達部材の垂直面部を横方向から挟み込む構成のクリップナットであることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載した発明は、請求項1~6のいずれか1項に記載した遮音板の固定金具において、前記支持力伝達部材の垂直面部に、前記支柱の一方のフランジを横方向から挟み付けて位置決め可能なクリップ部材が一体的に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載した発明は、請求項3~7のいずれか1項に記載した遮音板の固定金具において、前記締め付けナット及び/又は取り付けナットは、緩み止めナット等の緩み止め機構が施されていることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載した発明に係る遮音板の固定構造は、前記請求項3~8のいずれかの遮音板の固定金具を用いた遮音板の固定構造であって、
H形鋼等による支柱が、ウエブ同士を対面させる配置で立設されていること、
前記支柱の一方のフランジに、前記遮音板の固定金具が、前記締め付けボルト・ナット及び/又は前記取り付けボルト・ナットを用いて設けられていること、
前記支柱の他方のフランジと前記遮音板の固定金具の反力伝達部との間に前記遮音板が建て入れられており、前記支持力伝達部材の前記入力部が前記締め付けボルトの先端に押し付けられた状態で、前記反力伝達部に前記遮音板が押圧されて前記支柱の溝内に固定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載した発明に係る遮音板の固定方法は、前記請求項3~8のいずれかの遮音板の固定金具を用いた遮音板の固定方法であって、
H形鋼等による支柱を、ウエブ同士が対面する配置で立設する工程と、
前記工程の前又は後に、前記支柱の一方のフランジに、前記遮音板の固定金具を、前記締め付けボルト・ナット及び/又は前記取り付けボルト・ナットを用いて設ける工程と、
前記支柱の他方のフランジと前記遮音板の固定金具の反力伝達部との間に前記遮音板を建て入れる工程と、
前記締め付けボルトの締め付けにより生じる押圧力を、前記支持力伝達部材の前記入力部を介して前記反力伝達部へ伝達し前記遮音板を前記支柱の他方のフランジへ押圧することで前記遮音板を前記支柱の溝内に固定する工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る遮音板の固定金具、遮音板の固定構造および固定方法によれば、以下の効果を奏する。
(1)遮音板の固定金具に接触することなく遮音板の建て入れ作業を行うことができる。仮に、遮音板を建て入れる際に前記固定金具に接触することがあったとしても、前記固定金具の反力伝達部が下方に向かって遮音板へ接近する傾斜状に形成されているので、遮音板は固定金具に引っかかることなくスムーズな建て入れ作業を行うことができる。よって、固定金具を予め支柱に設置し、その後に遮音板を建て込むニーズに十分に応えることができる。
また、前記固定金具は、スペーサーの役割を果たすこともできるので、前記支柱の溝内に前記遮音板を建て込むと同時に遮音板の片寄せ作業を行うことができ、至極合理的である。仮に、遮音板を建て入れる際に前記固定金具に接触することがあったとしても、前記固定金具の反力伝達部が下方に向かって遮音板へ接近する傾斜状に形成されているので、遮音板は自動的に片寄せする方向へ誘導され、やはり前記支柱の溝内に前記遮音板を建て込むと同時に遮音板の片寄せ作業を行うことができる。
したがって、施工性、経済性に非常に優れた遮音板の固定金具、遮音板の固定構造および固定方法を実現することができる。
(2)遮音板の固定金具は、支持力伝達部材のバネ作用が働いていない状態で設置作業を開始でき、押圧部材(例えば、締め付けボルト)の押圧量(締緩操作)に応じてバネ作用力が増大し、任意所望の強さで遮音板の押圧力(固定力)を調節し設定できるから、使い勝手が良く至便である。また、遮音板の撤去や交換、修理等のメンテナンス作業に際しても、締め付けボルトを用いる場合はボルトを逆回転して緩める等することにより、バネ反発力に起因する抵抗を受けない状態で作業できる利点もある。
(3)請求項2、4に記載した発明によれば、支持力伝達部材が、押圧部材(締め付けボルト)と取り付け部材(取り付けボルト)との2つの部材で支柱に固定されるため、固定金具を予め支柱に設置してから遮音板を建て込んでも、固定金具全体が回転することはない。よって、スムーズな遮音板の建て込み作業を行うことができる。また、前記2つの部材を用いて固定金具が支柱に設置されているので、振動等によって固定金具が支柱から外れるリスクをより低減することができる。
(4)請求項5に記載した発明によれば、支持力伝達部材(の入力部)に対する締め付けボルトの位置ずれを確実に防止することができるので、締め付けボルトを効率よくねじ込む作業を行うことができる。また、遮音板への押圧力(固定力)のばらつきが生じない等、施工性、並びに、品質の面で優れている。
(5)請求項6に記載した発明によれば、ボルトの締結作業の際、ナットに供回りが生じないので施工性が良い。
(6)請求項7に記載した発明によれば、H形鋼等による支柱のフランジの内外両面を挟み付けるクリップ部材が支持力伝達部材の垂直面部に一体的に設けられているので、締め付けボルトや取り付けボルトを用いることなく、前記支持力伝達部材をフランジに仮固定(位置決め)することが可能となる。このため、遮音板を建て入れた後、仮固定されている支持力伝達部材に対して締め付けボルトを締結するだけで遮音板の固定が可能となるため施工性が大きく向上する。
(7)請求項8に記載した発明によれば、締め付けボルトの緩みによる遮音板の固定度の減少や、取り付けボルトの緩みによる固定金具の外れが防止できる等、品質性に優れた遮音板の固定構造を実現することができる。また、メンテナンス性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る遮音板の固定金具を用いた遮音板の固定構造を示した立面図である。
図2図1に係る遮音板の固定金具の支柱への取り付け状態を拡大して示した側面図である。
図3図2の要部拡大図である。
図4図1に係る遮音板の固定金具の支柱への取り付け状態を拡大して示した平面図である。
図5】遮音板の固定金具の支柱への取り付け状態を示した斜視図である。
図6】Aは、図1図5で用いる遮音板の固定金具のうち、図4に示したように、遮音板の右側端部を固定するために用いる遮音板の固定金具を示した斜視図であり(左側端部でも固定可)、Bは、図5に示したように、遮音板の左側端部を固定するために用いる遮音板の固定金具を示した斜視図であり(右側端部でも固定可)、Cは、Aの側面図であり、Dは、Aの正面図である。
図7図6Aに示した遮音板の固定金具を用いて遮音板の右側端部を固定する工程を順に示した側面図又は平面図である。
図8図1に係る遮音板の固定構造の要部を概略的に示した斜視図である。
図9】Aは、本発明に係る遮音板の固定金具のバリエーションを示した斜視図であり、Bは、同側面図であり、Cは、同正面図である。
図10】Aは、本発明に係る遮音板の固定金具のバリエーションを示した斜視図であり、Bは、同側面図であり、Cは、同正面図である。
図11】Aは、本発明に係る遮音板の固定金具のバリエーションを示した斜視図であり、Bは、同側面図であり、Cは、同正面図である。
図12】Aは、本発明に係る遮音板の固定金具のバリエーションを示した斜視図であり、Bは、同側面図であり、Cは、同正面図である。
図13】Aは、本発明に係る遮音板の固定金具のバリエーションを示した斜視図であり、Bは、同側面図であり、Cは、同正面図である。
図14】A、Bは、本発明に係る遮音板の固定金具のバリエーションを示した斜視図であり、Cは、Aの側面図であり、Dは、Aの正面図である。
図15図14Aに示した遮音板の固定金具を用いて遮音板の右側端部を固定する工程を順に示した側面図又は平面図である。
図16】A、Bは、本発明に係る遮音板の固定金具のバリエーションを示した斜視図であり、Cは、Aの側面図であり、Dは、Aの正面図である。
図17図16Bに係る遮音板の固定金具の支柱への取り付け状態を示した斜視図である。
図18図16Aに示した遮音板の固定金具を用いて遮音板の右側端部を固定する工程を順に示した側面図又は平面図である。
図19図16に係る遮音板の固定金具を用いた遮音板の固定構造を概略的に示した斜視図である。
図20】A、Bは、本発明に係る遮音板の固定金具のバリエーションを示した斜視図であり、Cは、Aの側面図であり、Dは、Aの正面図である。
図21図20Aに示した遮音板の固定金具を用いて遮音板の右側端部を固定する工程を順に示した側面図又は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る遮音板の固定金具、遮音板の固定構造および固定方法を図面に基づいて説明する。
【0019】
本発明に係る遮音板の固定金具は、図9図11にそれぞれシンプルな構成の3種を例示したように、板部材を曲げ加工して形成された支持力伝達部材1と、前記支持力伝達部材1をH形鋼等による支柱10の一方のフランジ10aに設けた状態で前記支柱10の溝内10bへ建て入れる遮音板9を押圧固定するための押圧部材とを有する遮音板9の固定金具4である。
本実施例では一例として、前記押圧部材に、締め付けボルト2と、前記締め付けボルト2がねじ込まれる締め付けナット3とを用いて実施している。
前記支持力伝達部材1は、前記支柱10の一方のフランジ10aの内側面に当接する垂直面部11を備え、前記押圧部材は、前記フランジ10aを介して前記垂直面部11に設けられた押圧孔11aに通して固定することで、前記支持力伝達部材1の前記支柱10への位置決めが行われる構成である。
本実施例では一例として、前記締め付けボルト2を前記押圧孔(ボルト孔)11aに通し、前記垂直面部11の内側に用意した締め付けナット3へねじ込むことで前記支持力伝達部材1の前記支柱10への位置決めが行われる構成で実施している。
前記支持力伝達部材1は、前記垂直面部11と、前記垂直面部11の上方から遮音板9方向へ延設される上面部12と、前記上面部12から下向きに鈍角をなして延設され前記遮音板9へ当接可能な反力伝達部13と、前記反力伝達部13の下方から折り返し前記垂直面部11の内側に向かって延設され前記押圧部材(締め付けボルト2)の先端に当接可能な入力部14と、前記入力部14から折り返し前記反力伝達部13の内側に向かって延設され前記押圧部材による押圧操作(締め付けボルト2の締め付け操作)で前記反力伝達部13の内側に当接可能な突っ張り部15とを有するように形成されている。
【0020】
前記支持力伝達部材1は、例えば鋼板等の可撓変形(弾性変形)が可能な金属製の板部材が好適に用いられる。
前記支柱10は、例えばH形鋼等のウエブとフランジとからなり平面視コ字形の溝を形成する鋼材が好適に用いられる。ちなみに図示例に係る支柱10(H形鋼)は、あくまでも一例として、断面が150×150mmで、高さが3.5m程度の大きさで実施されている。
前記遮音板9は、上記したように、吸音板、防音板、或いはPC板を含む意で用いる。ちなみに図示例に係る遮音板9は、あくまでも一例として、縦寸500mm(最下段は800mm)、横寸3000mm、板厚70mmの大きさで実施されている。
【0021】
本発明に係る遮音板の固定金具4は、前記図9図11に例示した3種のほか、実施例1(図6等参照)に示したような、固定金具4等がある。以下、具体的に説明する。
【実施例0022】
図1図8に係る遮音板の固定金具4は、前記支持力伝達部材1と、前記支持力伝達部材1をH形鋼からなる支柱10の一方(車道側)のフランジ10aに設けた状態で前記支柱10の平面視コ字形の溝内10bへ建て入れる遮音板9を押圧固定するための締め付けボルト2と、前記締め付けボルト2がねじ込まれるクリップナット31とを有する遮音板9の固定金具4である。
すなわち、本実施例1では、前記締め付けナット3の代わりに、ナットの供回りを防止できる等、作業性に優れたクリップナット31を用いて実施している。
また、本実施例1では、ねじ込み作業を効率よく行う等の理由から、前記締め付けボルト2の先端に突設部21を設けた、いわゆる先端加工ボルトで実施している。
【0023】
前記支持力伝達部材1は、前記支柱10の一方(車道側)のフランジ10aの内側面に当接する垂直面部11を備え、前記締め付けボルト2は、前記フランジ10aを介して前記垂直面部11に設けられたボルト孔11aに通し、前記垂直面部11を横方向から挟み込んで当該垂直面部11の内側にナット部を位置決めしたクリップナット31へねじ込むことで前記支持力伝達部材1の前記支柱10への位置決めが行われる構成である。
加えて、本実施例1では、前記支柱10に対する前記支持力伝達部材1の取付強度を高めるべく、前記垂直面部11に設けた前記ボルト孔(押圧孔)11aのほかに、取り付け部材(例えば、取り付けボルト)5を通すための取り付け孔(例えば、ボルト孔)11bが設けられており、前記取り付け部材(以下、取り付けボルトという。)5を、前記フランジ10aを介して当該取り付け孔(以下、ボルト孔という。)11bに通して固定することで前記支持力伝達部材1の前記支柱10への取り付けが行われる構成、具体的には前記垂直面部11を横方向から挟み込んで当該垂直面部11の内側にナット部を位置決めしたクリップナット61へねじ込むことで前記支持力伝達部材1の前記支柱10への取り付けが行われる構成で実施している。
また、前記支持力伝達部材1は、前記図9図11に示した固定金具4と同様に、前記垂直面部11、前記上面部12、前記反力伝達部13、前記入力部14、及び前記突っ張り部15とを有するように形成されている。ただし、本実施例1では、前記入力部14に、前記締め付けボルト2の前記突設部21を受け入れて当該締め付けボルト2の位置ずれを防止するための貫通孔14aを設ける工夫が施されている。
【0024】
かくして、上記構成の遮音板9の固定金具4を用いた遮音板9の固定構造は、H形鋼による支柱10が、ウエブ10c同士を対面させる配置で立設され(図8等参照)、前記支柱10の一方(道路側)のフランジ10aに、前記遮音板9の固定金具4が、前記締め付けボルト2とクリップナット31及び前記取り付けボルト5とクリップナット61を用いて取り付けられている(図5等参照)。なお、前記クリップナット31、61のクリップ部には当然に、ナット部のナット孔と芯が一致する部位にボルト孔が設けられている。
また、前記支柱10の他方のフランジ10dと前記遮音板9の固定金具4の反力伝達部13との間に前記遮音板9が建て入れられており、前記支持力伝達部材1の前記入力部14が前記締め付けボルト2に押し付けられた状態で、前記反力伝達部13により前記遮音板9が押圧されて前記支柱10の溝内10bに固定されている。
【0025】
次に、上記構成の遮音板9の固定金具4を用いた遮音板9の固定方法を説明する。なお、以下に説明にする固定方法の手順はあくまでも一例に過ぎないことを念のため特記しておく。
【0026】
本実施例1に係る遮音板9の固定方法は、図5(遮音板9の左側端部固定例)、図7A、B(遮音板9の右側端部固定例)に示したように、H形鋼による支柱10に予め、前記遮音板9の固定金具4を取り付ける。前記固定金具4は、図1に示したように、建て入れる遮音板9の枚数に応じて1枚あたり、前記支柱10における遮音板9の四隅部の4カ所留め(又は遮音板9を最下段に設ける場合は左右上方の2カ所留め等)に相当する部位に取り付ける。
【0027】
前記支柱10の車道側の一方のフランジ10aは、支持力伝達部材1を取り付けるためのボルト孔10eが縦方向に所要の間隔をあけて複数穿設されており、前記ボルト孔10eと前記支持力伝達部材1の垂直面部11に設けたボルト孔11b、及びクリップナット61との位置合わせを行い、芯が一致したボルト孔10e、11bへ取り付けボルト5を通すと共に、クリップナット61のナット部へねじ込むことで前記支持力伝達部材1の前記支柱10への取り付けを行う。
続いて、前記ボルト孔10eの直下に位置する別のボルト孔10eと前記垂直面部11に設けたボルト孔11a、及びクリップナット31との位置合わせを行い、芯が一致したボルト孔10e、11aへ締め付けボルト2を通すと共に、クリップナット31のナット部を貫通させて若干ねじ込むことで前記支持力伝達部材1の前記支柱10への取り付けを行う。この段階における前記締め付けボルト2のねじ込み量は、その先端の突設部21が前記入力部14の貫通孔14aを通過し、かつ、その先端の突設部21(の基部)が前記入力部14を押さえ付けない(当接する)程度とする。
【0028】
このように、本実施例1によれば、支持力伝達部材1を、締め付けボルト2と取り付けボルト5の2本のボルト2、5で支柱10に固定できるので、固定金具4を予め支柱10に取り付けた後に遮音板9を建て込んでも、遮音板9の接触に起因して固定金具4全体が回転することはなく、スムーズに遮音板9を支柱10の溝内10bに建て入れることができる。また、1本のボルト(締め付けボルト2)で設置する場合と比し、振動等によって固定金具4が支柱10から外れるリスクをより低減できる利点もある。
【0029】
次に、上記構成の固定金具4を取り付けた支柱10を、3000mm程度の間隔をあけて、ウエブ10c同士が対面する配置で、壁高欄20の上面にUボルト19等の固定手段を用いて立設する。なお、前記支柱10を立設した後に上述した固定金具4の取り付け作業を行うこともできる。
【0030】
次に、図7C、D~図7E、Fに段階的に示したように、前記支柱10の他方のフランジ10dと前記固定金具4(の反力伝達部13)との間に前記遮音板9を建て入れる作業を行う。前記締め付けボルト2(の突設部21)は、上記したように前記支持力伝達部材1の入力部14に当接する程度で止めており、いわゆるボルトを効かせていない状態なので、前記支持力伝達部材1と前記遮音板9と間にはスペースSが確保され、よって、遮音板9のスムーズな建て入れ作業を行うことができる。
【0031】
前記遮音板9の建て入れ作業を終えた後、前記遮音板9の四隅部等に配設した固定金具4の締め付けボルト2のねじ込み作業を行う。このねじ込み作業は、図7G、Hに示したように、前記締め付けボルト2の締め付け(ねじ込み)により生じる押圧力を、前記支持力伝達部材1の前記入力部14を介して前記反力伝達部13へ伝達し当該反力伝達部13を変形(拡径)させて前記遮音板9を前記支柱10の他方のフランジ10dへ押圧することで前記遮音板9を前記支柱10の溝内10bに強固に固定する。
【0032】
前記締め付けボルト2のねじ込み操作(締緩操作)を進める過程をより詳しく説明すると、前記支持力伝達部材1は当初、図7E、Fに示したように、反力伝達部13と遮音板9との間にスペースSが確保されている状態であったものが、前記締め付けボルト2のねじ込み量が進むと、同ボルト2の先端の突設部21(の基部)が支持力伝達部材1の入力部14へ突き当たって押す状態になる。
前記締め付けボルト2のねじ込み操作をさらに進めると、同ボルト2の進入量に応じて、支持力伝達部材1の可撓変形が進められ、図7G、Hに示したように、反力伝達部13の下端部が遮音板9へ接触するに至る。当該ねじ込み操作は、同ボルト2の先端に設けた突設部21が前記入力部14の貫通孔14aに拘束されて位置ずれを防止できるので、効率よく、かつ、精度よく行うことができる。
そして、入力部14が同ボルト2で押された結果、最終的には自由状態であった前記突っ張り部15が前記反力伝達部13の裏面側へ当接するに至り、側面視で略三角形状を呈して(図7G参照)、遮音板9を他方のフランジ10dへ強固に押圧する剛性フレーム形態をなす。かくして、前記反力伝達部13は、同ボルト2の押圧力を入力部14で受けて前記略三角形状の上下2斜辺を通じて受け、反力伝達部13を介して遮音板9を強力に押し付けて固定することができる。
つまり、前記締め付けボルト2のねじ込み量に相応の押圧力(圧縮力)を入力部14が負担して押され、同入力部14が負担した押圧力(圧縮力)が前記反力伝達部13へ伝達され、当該反力伝達部13が遮音板9を他方のフランジ10dへ強力に押し付けて固定するのである。
【0033】
以上説明したように、実施例1に係る遮音板9の固定金具4、遮音板9の固定構造および固定方法によれば、遮音板9の固定金具4に接触することなく遮音板9の建て入れ作業を行うことができる。仮に、遮音板9を建て入れる際に前記固定金具4に接触することがあったとしても、前記固定金具4の反力伝達部13が下方に向かって遮音板9へ接近する傾斜状に形成されているので、遮音板9は固定金具4に引っかかることなくスムーズな建て入れ作業を行うことができる。よって、固定金具4を予め支柱10に設置し、その後に遮音板9を建て込むニーズに十分に応えることができる等、種々の作用効果を奏する(詳しくは、上記[発明の効果](段落[0016])の(1)~(5)を参照)。
【実施例0034】
図9は、実施例1(図1図8)に係る遮音板の固定金具4と形態の異なる固定金具4の実施例を示している。
この実施例2に係る固定金具4の構成は、上記実施例1に係る固定金具4と比し、前記取り付けボルト5を用いずに支持力伝達部材1を支柱10に取り付ける構成である点、クリップナット31ではなく、一般的なナット3を用いている点が主に相違する(図6図9とを対比して参照)。その他の構成は、上記実施例1に係る固定金具4と同様なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0035】
すなわち、この実施例2に係る固定金具4の支持力伝達部材1の構成は、上記実施例1と同様に、前記垂直面部11、前記上面部12、前記反力伝達部13、前記入力部14、及び前記突っ張り部15とを有するように形成されている。また、前記入力部14に、前記貫通孔14aを設ける工夫が施されている。
【0036】
そして、実施例2に係る遮音板の固定金具4を用いた遮音板9の固定構造は、H形鋼による支柱10が、ウエブ10c同士を対面させる配置で立設され(図8等を援用して参照)、図示は省略するが、前記支柱10の一方(道路側)のフランジ10aに、前記遮音板9の固定金具4が、前記締め付けボルト2と締め付けナット3とで位置決めされる。
前記締め付けナット3は、作業員の手指で位置決めしつつ作業を行って固定してもよいし、予め前記垂直面部11の内側面に溶接等により固着させておいてもよい。また、図示は省略するが、クリップナットを用いてもよい。固着させて実施する場合やクリップナットを用いる場合、ナットの供回りが防止され、施工性が良い。以下の実施例についても同様の技術的思想とする。
また、上記実施例1と同様に、前記支柱10の他方のフランジ10dと前記遮音板9の固定金具4の反力伝達部13との間に前記遮音板9が建て入れられており、前記支持力伝達部材1の前記入力部14が前記締め付けボルト2に押し付けられた状態で、前記反力伝達部13により前記遮音板9が押圧されて前記支柱10の溝内10bに固定されている。
【0037】
次に、実施例2に係る遮音板の固定金具4を用いた遮音板9の固定方法は、図7を援用しながら簡単に説明すると、ボルト孔10eと垂直面部11に設けたボルト孔11a、及びナット3との位置合わせを行い、芯が一致したボルト孔10e、11aへ締め付けボルト2を通すと共に、ナット3を貫通させて若干ねじ込むことで前記支持力伝達部材1の前記支柱10への位置決めを行う(図7A、Bを援用して参照)。この段階における前記締め付けボルト2のねじ込み量は、その先端の突設部21が前記入力部14の貫通孔14aを通過し、かつ、その先端の突設部21(の基部)が前記入力部14を押さえ付けない(当接する)程度とする。
次に、上記構成の固定金具4を取り付けた支柱10を、3000mm程度の間隔をあけて、ウエブ10c同士が対面する配置で、壁高欄20の上面にUボルト19等の固定手段を用いて立設する。なお、前記支柱10を立設した後に上述した固定金具4の取り付け作業を行うこともできる。
次に、前記支柱10の他方のフランジ10dと前記固定金具4(の反力伝達部13)との間に前記遮音板9を建て入れる作業を行う。前記締め付けボルト2(の突設部21)は、上記したように前記支持力伝達部材1の入力部14に当接する程度で止めており、いわゆるボルトを効かせていない状態なので、前記支持力伝達部材1と前記遮音板9と間にはスペースSが確保され、よって、遮音板9のスムーズな建て入れ作業を行うことができる(図7C、D~図7E、Fを援用して参照)。
前記遮音板9の建て入れ作業を終えた後、前記遮音板9の四隅部等に配設した固定金具4の締め付けボルト2のねじ込み作業を行う。このねじ込み作業は、前記締め付けボルト2の締め付け(ねじ込み)により生じる押圧力を、前記支持力伝達部材1の前記入力部14を介して前記反力伝達部13へ伝達し当該反力伝達部13を変形(拡径)させて前記遮音板9を前記支柱10の他方のフランジ10dへ押圧することで前記遮音板9を前記支柱10の溝内10bに強固に固定する(図7G、Hを援用して参照)。
【0038】
以上説明したように、実施例2に係る遮音板9の固定金具4、遮音板9の固定構造および固定方法によれば、上記実施例1に係る固定金具4と比し、上記段落[0034]で説明した相違点はあるものの、遮音板9の固定金具4に接触することなく遮音板9の建て入れ作業を行うことができるし、また、前記固定金具4は、スペーサーの役割を果たすこともできるので、前記支柱10の溝内10bに前記遮音板9を建て込むと同時に遮音板9の片寄せ作業を行うことができる等の作用効果を奏する(詳しくは、上記[発明の効果]の(1)~(3)を参照)。
【実施例0039】
図10は、実施例1(図1図8)、実施例2(図9)に係る遮音板の固定金具4と形態の異なる固定金具4の実施例を示している。
この実施例3に係る固定金具4の構成は、上記実施例2に係る固定金具4と比し、前記締め付けボルト2の先端に突設部21が無い点、これに応じて前記入力部14に貫通孔14aが設けられていない点のみが相違する。その他の構成は、上記実施例2に係る固定金具4と同様なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0040】
よって、この実施例3に係る固定金具4、遮音板9の固定構造および固定方法によれば、改めて詳しく説明するまでもなく、上記実施例2と同様に、遮音板9の固定金具4に接触することなく遮音板9の建て入れ作業を行うことができるし、また、前記固定金具4は、スペーサーの役割を果たすことに変わりはないので、前記支柱10の溝内10bに前記遮音板9を建て込むと同時に遮音板9の片寄せ作業を行うことができる等の作用効果を奏する(詳しくは、上記[発明の効果]の(1)、(2)を参照)。
【実施例0041】
図11は、実施例1(図1図8)等に係る遮音板の固定金具4と形態の異なる固定金具4の実施例を示している。
この実施例4に係る固定金具4の構成は、上記実施例1等に係る固定金具4と比し、前記反力伝達部13の全面が遮音板9に面接触するよう屈曲形状としている点(後述する図15を援用して参照)が相違する。その他の構成は、上記実施例1に係る固定金具4と同様なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0042】
よって、この実施例4に係る固定金具4、遮音板9の固定構造および固定方法によれば、改めて詳しく説明するまでもなく、上記実施例2と同様に、遮音板9の固定金具4に接触することなく遮音板9の建て入れ作業を行うことができるし、また、前記固定金具4は、スペーサーの役割を果たすこともできるので、前記支柱10の溝内10bに前記遮音板9を建て込むと同時に遮音板9の片寄せ作業を行うことができる等の作用効果を奏する(詳しくは、上記[発明の効果]の(1)~(3)を参照)。
加えて、この実施例4に係る固定金具4によれば、前記支持力伝達部材1の前記反力伝達部13の全面が遮音板9に面接触する構造を呈するので、遮音板9に対し一定の力で均一に押圧固定することができ、安定性、品位性に優れた遮音板9の固定構造を実現することができる。
【実施例0043】
図12は、実施例1(図1図8)等に係る遮音板の固定金具4と形態の異なる固定金具4の実施例を示している。
この実施例5に係る固定金具4の構成は、上記実施例1に係る固定金具4と比し、クリップナット31、61ではなく、一般的なナット3、6を用いている点が主に相違する(図6図12とを対比して参照)。その他の構成は、上記実施例1に係る固定金具4と同様なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0044】
よって、この実施例5に係る固定金具4、遮音板9の固定構造および固定方法によれば、改めて詳しく説明するまでもなく、上記実施例1と同様に、遮音板9の固定金具4に接触することなく遮音板9の建て入れ作業を行うことができるし、また、前記固定金具4は、スペーサーの役割を果たすこともできるので、前記支柱10の溝内10bに前記遮音板9を建て込むと同時に遮音板9の片寄せ作業を行うことができる等の作用効果を奏する(詳しくは、上記[発明の効果]の(1)~(4)を参照)。
【実施例0045】
図13は、実施例1(図1図8)等に係る遮音板の固定金具4と形態の異なる固定金具4の実施例を示している。
この実施例6に係る固定金具4の構成は、上記実施例1に係る固定金具4と比し、クリップナット31、61ではなく、一般的なナット3、6を用いている点、前記反力伝達部13の全面が遮音板9に面接触するよう屈曲形状としている点(後述する図15を援用して参照)が相違する。その他の構成は、上記実施例1に係る固定金具4と同様なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0046】
よって、この実施例6に係る固定金具4、遮音板9の固定構造および固定方法によれば、改めて詳しく説明するまでもなく、上記実施例1と同様に、遮音板9の固定金具4に接触することなく遮音板9の建て入れ作業を行うことができるし、また、前記固定金具4は、スペーサーの役割を果たすこともできるので、前記支柱10の溝内10bに前記遮音板9を建て込むと同時に遮音板9の片寄せ作業を行うことができる等の作用効果を奏する(詳しくは、上記[発明の効果]の(1)~(4)を参照)。
加えて、この実施例6に係る固定金具4によれば、前記支持力伝達部材1の前記反力伝達部13の全面が遮音板9に面接触する構造を呈するので、遮音板9に対し一定の力で均一に押圧固定することができ、安定性、品位性に優れた遮音板9の固定構造を実現することができる。
【実施例0047】
図14図15は、実施例1(図1図8)等に係る遮音板の固定金具4と形態の異なる固定金具4の実施例を示している。
この実施例7に係る固定金具4の構成は、上記実施例1に係る固定金具4と比し、前記反力伝達部13の全面が遮音板9に面接触するよう屈曲形状としている点が相違する。その他の構成は、上記実施例1に係る固定金具4と同様なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0048】
なお、図15に、実施例7に係る固定金具4の固定方法の工程図を示すが、この工程図を見れば分かるように、実施例1に係る作業工程と比し、支持力伝達部材1の反力伝達部13が遮音板9に対し面接触するかしないかの違いしかないのでその説明を省略する(詳しくは、前記段落[0026]~[0031]を援用して参照)。
【0049】
よって、この実施例7に係る固定金具4、遮音板9の固定構造および固定方法によれば、改めて詳しく説明するまでもなく、上記実施例1と同様に、遮音板9の固定金具4に接触することなく遮音板9の建て入れ作業を行うことができるし、また、前記固定金具4は、スペーサーの役割を果たすこともできるので、前記支柱10の溝内10bに前記遮音板9を建て込むと同時に遮音板9の片寄せ作業を行うことができる等の作用効果を奏する(詳しくは、上記[発明の効果]の(1)~(5)を参照)。
加えて、この実施例7に係る固定金具4によれば、前記支持力伝達部材1の前記反力伝達部13の全面が遮音板9に面接触する構造を呈するので、遮音板9に対し一定の力で均一に押圧固定することができ、安定性、品位性に優れた遮音板9の固定構造を実現することができる。
【実施例0050】
図16図19は、実施例1(図1図8)等に係る遮音板の固定金具4と形態の異なる固定金具4の実施例を示している。
この実施例8に係る固定金具4の構成は、上記実施例2(図9)に係る固定金具4と比し、前記支持力伝達部材1の垂直面部11に、前記支柱10の一方のフランジ10aを横方向から挟み付けて位置決め可能な(図示例では平面視がコ字形の)クリップ部材7が一体的に設けられている点が相違する。その他の構成は、上記実施例2に係る固定金具4と同様なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0051】
本実施例8に係る遮音板9の固定方法は、図17(遮音板9の左側端部固定例)、図18A、B(遮音板9の右側端部固定例)に示したように、H形鋼による支柱10に予め、前記遮音板9の固定金具4を、前記クリップ部材7の把持力を利用して位置決めする。前記固定金具4は、図19に示したように、建て入れる遮音板9の枚数に応じて1枚あたり、前記支柱10における遮音板9の四隅部の4カ所留め等に相当する部位に取り付ける。
【0052】
この実施例8に係る固定金具4は、前記クリップ部材7の把持力効果で締め付けボルト2なしでも支柱10の車道側の一方のフランジ10aに強固に位置決めでき、遮音板9の建て入れ作業に着手することができるが、図示例では念のため、締め付けボルト2をある程度ねじ込んでいる。
すなわち、前記一方のフランジ10aに設けた所定のボルト孔10eと前記垂直面部11に設けたボルト孔11a、及びナット3との位置合わせを行い、芯が一致したボルト孔10e、11aへ締め付けボルト2を通すと共に、ナット3を貫通させて若干ねじ込むことで前記支持力伝達部材1の前記支柱10への取り付けを行う。この段階における前記締め付けボルト2のねじ込み量は、その先端の突設部21が前記入力部14の貫通孔14aを通過し、かつ、その先端の突設部21が前記入力部14を押さえ付けない(当接する)程度とする。
【0053】
次に、上記構成の固定金具4を取り付けた支柱10を、3000mm程度の間隔をあけて、ウエブ10c同士が対面する配置で、壁高欄20の上面にUボルト19等の固定手段を用いて立設する。なお、前記支柱10を立設した後に上述した固定金具4の取り付け作業を行うこともできる。
【0054】
次に、図18C、D~図18E、Fに段階的に示したように、前記支柱10の他方のフランジ10dと前記固定金具4(の反力伝達部13)との間に前記遮音板9を建て入れる作業を行う。前記締め付けボルト2(の突設部21)は、上記したように前記支持力伝達部材1の入力部14に当接する程度で止めており、いわゆるボルトを効かせていない状態なので、前記支持力伝達部材1と前記遮音板9と間にはスペースSが確保され、よって、遮音板9のスムーズな建て入れ作業を行うことができる。
【0055】
前記遮音板9の建て入れ作業を終えた後、前記遮音板9の四隅部等に配設した固定金具4の締め付けボルト2のねじ込み作業を行う。このねじ込み作業は、図18G、Hに示したように、前記締め付けボルト2の締め付け(ねじ込み)により生じる押圧力を、前記支持力伝達部材1の前記入力部14を介して前記反力伝達部13へ伝達し当該反力伝達部13を変形(拡径)させて前記遮音板9を前記支柱10の他方のフランジ10dへ押圧することで前記遮音板9を前記支柱10の溝内10bに強固に固定する。
【0056】
よって、この実施例8に係る固定金具4、遮音板9の固定構造および固定方法によれば、上記実施例2と同様に、遮音板9の固定金具4に接触することなく遮音板9の建て入れ作業を行うことができるし、また、前記固定金具4は、スペーサーの役割を果たすこともできるので、前記支柱10の溝内10bに前記遮音板9を建て込むと同時に遮音板9の片寄せ作業を行うことができる等の作用効果を奏する(詳しくは、上記[発明の効果]の(1)~(3)を参照)。
加えて、この実施例8に係る固定金具4によれば、H形鋼等による支柱10のフランジ10aの内外両面を挟み付けるクリップ部材7が支持力伝達部材1の垂直面部11に一体的に設けられているので、締め付けボルト2や取り付けボルト5を用いることなく、前記支持力伝達部材1をフランジ10aに仮固定(位置決め)することが可能となる。このため、遮音板9を建て入れた後、仮固定されている支持力伝達部材1に対して締め付けボルト2を締結するだけで遮音板9の固定が可能となるため施工性が大きく向上する。
【0057】
なお、前記クリップ部材7の位置は、ボルト孔を設けて、図示例のような締め付けボルト2の位置、或いは取り付けボルト5の位置とする場合(図示省略)のほか、これらボルトの位置と異なる位置に設けてもよい。もっとも、これらボルトの位置に対応するようボルト孔を設けて実施する場合は、当該ボルト孔をバーリング加工することにより前記フランジ10aに設けたボルト孔10eにバーリング加工の立ち上がり部分が引っ掛かって当該フランジ10aに仮固定した際、支持力伝達部材1の位置ずれが生じにくい利点も得られる。
また、締め付けナット3や取り付けナット6をクリップ部材7に予め溶接等により固着させるか、クリップナットをクリップ部材7に取り付けてもよい。これにより締め付けボルト2や取り付けボルト5の締結の際、ナット3、6に供回りが生じず、施工性が良い。更に、前記クリップ部材7を前記支持力伝達部材1の垂直面部11に設置する際、双方の部材を溶接等により一体化してもよいし、把持力に頼って一体化しない構成であってもよい。
【実施例0058】
図20図21は、実施例1(図1図8)等に係る遮音板の固定金具4と形態の異なる固定金具4の実施例を示している。
この実施例9に係る固定金具4の構成は、上記実施例8に係る固定金具4と比し、前記反力伝達部13の全面が遮音板9に面接触するよう屈曲形状としている点が相違する。その他の構成は、上記実施例8に係る固定金具4と同様なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0059】
なお、図21に、実施例9に係る固定金具4の固定方法の工程図を示すが、この工程図を見れば分かるように、実施例8(図18)に係る作業工程と比し、支持力伝達部材1の反力伝達部13が遮音板9に対し面接触するかしないかの違いしかないのでその説明を省略する(詳しくは、前記段落[0051]~[0055]を援用して参照)。
【0060】
よって、この実施例9に係る固定金具4、遮音板9の固定構造および固定方法によれば、上記実施例8と同様に、遮音板9の固定金具4に接触することなく遮音板9の建て入れ作業を行うことができるし、また、前記固定金具4は、スペーサーの役割を果たすこともできるので、前記支柱10の溝内10bに前記遮音板9を建て込むと同時に遮音板9の片寄せ作業を行うことができる等の作用効果を奏する(詳しくは、上記[発明の効果]の(1)~(5)を参照)。
また、この実施例9に係る固定金具4は、上記実施例8と同様に、H形鋼等による支柱10のフランジ10aの内外両面を挟み付けるクリップ部材7が支持力伝達部材1の垂直面部11に一体的に設けられているので、締め付けボルト2や取り付けボルト5を用いることなく、前記支持力伝達部材1をフランジ10aに仮固定(位置決め)することが可能となる。このため、遮音板9を建て入れた後、仮固定されている支持力伝達部材1に対して締め付けボルト2を締結するだけで遮音板9の固定が可能となるため施工性が大きく向上する。
加えて、この実施例9に係る固定金具4によれば、前記支持力伝達部材1の前記反力伝達部13の全面が遮音板9に面接触する構造を呈するので、遮音板9に対し一定の力で均一に押圧固定することができ、安定性、品位性に優れた遮音板9の固定構造を実現することができる。
【0061】
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、遮音板の固定金具4を構成する支持力伝達部材1の反力伝達部13は、図7等で示した直線状(ストレート状)、図15等で示した屈曲状に限定されず、湾曲状など、種々の改変を施し得るものとする。
前記締め付けボルト2の先端が当接する入力部14についても、前記当接する部分を屈曲形状としたり、湾曲形状としたりして線接触する形状で実施できるし、フラットな面接触する形状で実施できるなど、種々の改変を施し得るものとする。
また、前記ボルト孔11a、11b、10eは、作業効率性を勘案し、縦長孔や横長孔等のルーズ孔に形成して実施する等の工夫は適宜行われるところである。
前記ナット3、6やクリップナット31、61のナット部は、緩み止めナット等の緩み止め機構で実施する等の工夫も適宜行われるところである。
さらに、本発明の前記締め付けボルト2のねじ込み作業において、ねじ込み量を増やすと前記遮音板9への押圧量も増える。よって、前記締め付けボルト2のねじ込み量をボルトの首下長さで制御すれば、最後までねじ込むことで前記遮音板9に所定の押圧量を作用させることが可能となり、前記遮音板9への固定度を容易に管理することができる。このように、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲において、種々の工夫も発明の範囲とすることを念のため特記しておく。
【符号の説明】
【0062】
1 支持力伝達部材
11 垂直面部
11a ボルト孔(押圧孔)
11b ボルト孔(取り付け孔)
12 上面部
13 反力伝達部
14 入力部
14a 貫通孔
15 突っ張り部
2 締め付けボルト
21 突設部
3 締め付けナット
31 クリップナット
4 固定金具
5 取り付けボルト(取り付け部材)
6 取り付けナット
61 クリップナット
7 クリップ部材
9 遮音板
10 支柱
10a 一方のフランジ
10b 溝内
10c ウエブ
10d 他方のフランジ
10e ボルト孔
19 Uボルト
20 壁高欄
S スペース
図1
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図20
図21